JPH0714229A - 光磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
光磁気記録媒体及びその製造方法Info
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- JPH0714229A JPH0714229A JP22326793A JP22326793A JPH0714229A JP H0714229 A JPH0714229 A JP H0714229A JP 22326793 A JP22326793 A JP 22326793A JP 22326793 A JP22326793 A JP 22326793A JP H0714229 A JPH0714229 A JP H0714229A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 光磁気記録媒体において、透明基板1上にプ
リフォーマット信号に対応するパターンでプリフォーマ
ット用反射膜3、あるいはプリフォーマット信号に対応
するパターンで光学定数変化部分が形成されたプリフォ
ーマット用光学定数変化層を形成する。 【効果】 プリフォーマット用反射膜あるいはプリフォ
ーマット用光学定数変化層に形成された光学定数変化部
分のパターンによってプリフォーマット信号が検出でき
るので、透明基板に凹凸を形成してプリフォーマット信
号を書き込む必要がない。したがって、透明基板にプリ
フォーマット信号を書き込むことによって生じる形状的
欠陥,製造工程の煩雑化が回避でき、またプリフォーマ
ット信号と記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸
の偏芯量が低減できる。
リフォーマット信号に対応するパターンでプリフォーマ
ット用反射膜3、あるいはプリフォーマット信号に対応
するパターンで光学定数変化部分が形成されたプリフォ
ーマット用光学定数変化層を形成する。 【効果】 プリフォーマット用反射膜あるいはプリフォ
ーマット用光学定数変化層に形成された光学定数変化部
分のパターンによってプリフォーマット信号が検出でき
るので、透明基板に凹凸を形成してプリフォーマット信
号を書き込む必要がない。したがって、透明基板にプリ
フォーマット信号を書き込むことによって生じる形状的
欠陥,製造工程の煩雑化が回避でき、またプリフォーマ
ット信号と記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸
の偏芯量が低減できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体に関
し、特にプリフォーマット信号の書き込み形式の改良に
関する。
し、特にプリフォーマット信号の書き込み形式の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体は、磁性薄膜を部分的に
キュリー点または温度補償点を越えて昇温し、この部分
の保磁力を消滅させて外部から印加される記録磁界の方
向に磁化の向きを反転させることを基本原理とするもの
で、コンピュータの外部記憶装置,あるいは音響,映像
情報の記録装置等において実用化されつつある。
キュリー点または温度補償点を越えて昇温し、この部分
の保磁力を消滅させて外部から印加される記録磁界の方
向に磁化の向きを反転させることを基本原理とするもの
で、コンピュータの外部記憶装置,あるいは音響,映像
情報の記録装置等において実用化されつつある。
【0003】この種の光磁気記録媒体としては、センタ
ー孔を有する円板状の透明基板の一側面に、膜面と垂直
方向に磁化容易軸を有し磁気光学効果の大きな光磁気記
録層(例えば希土類−遷移金属合金非晶質薄膜)や反射
層、また耐蝕性の向上やカー回転角を増大させるための
誘電体層を有する記録部を設け、さらにこの記録部上に
紫外線硬化樹脂よりなる保護層を設けたものが知られて
いる。そして、上記光磁気記録媒体としては、記録部の
構造が第1のSi3 N4 誘電体層、TbFeCo磁性
層、第2のSi3 N4 誘電体層、Al反射層がこの順に
積層された4層構造であるものが提案されている。
ー孔を有する円板状の透明基板の一側面に、膜面と垂直
方向に磁化容易軸を有し磁気光学効果の大きな光磁気記
録層(例えば希土類−遷移金属合金非晶質薄膜)や反射
層、また耐蝕性の向上やカー回転角を増大させるための
誘電体層を有する記録部を設け、さらにこの記録部上に
紫外線硬化樹脂よりなる保護層を設けたものが知られて
いる。そして、上記光磁気記録媒体としては、記録部の
構造が第1のSi3 N4 誘電体層、TbFeCo磁性
層、第2のSi3 N4 誘電体層、Al反射層がこの順に
積層された4層構造であるものが提案されている。
【0004】ところで、このような光磁気記録媒体にお
いて、トラッキングサーボを行うためのトラック信号、
記録データのアドレス,セクターをそれぞれ検出するた
めのアドレス信号,セクター信号等のプリフォーマット
信号は、透明基板に凹凸形状として溝やピットを形成す
ることで書き込まれる。このように透明基板にプリフォ
ーマット信号が書き込まれた光磁気記録媒体は以下の製
造工程で作製される。
いて、トラッキングサーボを行うためのトラック信号、
記録データのアドレス,セクターをそれぞれ検出するた
めのアドレス信号,セクター信号等のプリフォーマット
信号は、透明基板に凹凸形状として溝やピットを形成す
ることで書き込まれる。このように透明基板にプリフォ
ーマット信号が書き込まれた光磁気記録媒体は以下の製
造工程で作製される。
【0005】すなわち、透明基板を高分子材料で構成す
る場合には、まず円板状のガラス板上にフォトレジスト
層を形成し、このフォトレジスト層にレーザ光を照射す
ることで所定のプリフォーマット信号に対応する凹凸パ
ターンをカッティングする。次いで、この凹凸パターン
がカッティングされたフォトレジスト層にニッケルメッ
キを施してニッケルスタンパを作製する。そして、この
ニッケルスタンパの凹凸パターンが形成された側に基板
材料である高分子材料を射出することでプリフォーマッ
ト信号に対応する凹凸パターンが形成された透明基板が
得られる。
る場合には、まず円板状のガラス板上にフォトレジスト
層を形成し、このフォトレジスト層にレーザ光を照射す
ることで所定のプリフォーマット信号に対応する凹凸パ
ターンをカッティングする。次いで、この凹凸パターン
がカッティングされたフォトレジスト層にニッケルメッ
キを施してニッケルスタンパを作製する。そして、この
ニッケルスタンパの凹凸パターンが形成された側に基板
材料である高分子材料を射出することでプリフォーマッ
ト信号に対応する凹凸パターンが形成された透明基板が
得られる。
【0006】また、透明基板をガラスによって構成する
場合には、いわゆるガラス2P法と称される方法によっ
て凹凸パターンが形成される。すなわち、上述と同様に
してニッケルスタンパを作製する。一方、基板となる円
板状のガラス板にはフォトポリマーを塗布し、形成され
たフォトポリマー塗膜に上記ニッケルスタンパを凹凸パ
ターンが形成された側がフォトポリマー塗膜側となるよ
う載置する。そして、この状態でフォトポリマー塗膜に
紫外線を照射することで該フォトポリマー塗膜を硬化す
る。この結果、フォトポリマー塗膜にプリフォーマット
信号に対応する凹凸パターンが形成される。
場合には、いわゆるガラス2P法と称される方法によっ
て凹凸パターンが形成される。すなわち、上述と同様に
してニッケルスタンパを作製する。一方、基板となる円
板状のガラス板にはフォトポリマーを塗布し、形成され
たフォトポリマー塗膜に上記ニッケルスタンパを凹凸パ
ターンが形成された側がフォトポリマー塗膜側となるよ
う載置する。そして、この状態でフォトポリマー塗膜に
紫外線を照射することで該フォトポリマー塗膜を硬化す
る。この結果、フォトポリマー塗膜にプリフォーマット
信号に対応する凹凸パターンが形成される。
【0007】そして、このようにして凹凸パターンが形
成された透明基板に誘電体層,光磁気記録層,反射層を
成膜し、さらに透明基板のセンター孔にディスクドライ
ブのターンテーブルにチャッキングするためのスピンド
ルチャック用治具となるハブを装着することで光磁気記
録媒体が完成する。
成された透明基板に誘電体層,光磁気記録層,反射層を
成膜し、さらに透明基板のセンター孔にディスクドライ
ブのターンテーブルにチャッキングするためのスピンド
ルチャック用治具となるハブを装着することで光磁気記
録媒体が完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
光磁気記録媒体においては、上述の如くセンター孔にハ
ブを装着するときには、既にプリフォーマット信号が透
明基板に書き込まれた状態にある。このため、ハブ装着
時の位置合わせに際するハブ位置の誤差によって、フォ
ーマット信号の中心に対してハブ孔の中心がずれ、偏芯
が生じる。そして、実際に記録再生用ディスクドライブ
のチャッキングテーブルに装着するときには、ディスク
テーブルチャッキング時のスピンドル軸とハブ孔の偏芯
にこのハブ装着時のハブ孔とプリフォーマット信号の偏
芯が重畳され、結果的にプリフォーマット信号の中心と
スピンドル軸の中心との偏芯量は、40〜50μm程度
にもなる。このため、現状においても記録再生用ディス
クドライブのサーボ系にはかなりの無理を強いる結果と
なっており、現状以上に光磁気記録媒体の回転速度を高
速化した場合には、さらにサーボ系にかかる負担は深刻
なものになる。
光磁気記録媒体においては、上述の如くセンター孔にハ
ブを装着するときには、既にプリフォーマット信号が透
明基板に書き込まれた状態にある。このため、ハブ装着
時の位置合わせに際するハブ位置の誤差によって、フォ
ーマット信号の中心に対してハブ孔の中心がずれ、偏芯
が生じる。そして、実際に記録再生用ディスクドライブ
のチャッキングテーブルに装着するときには、ディスク
テーブルチャッキング時のスピンドル軸とハブ孔の偏芯
にこのハブ装着時のハブ孔とプリフォーマット信号の偏
芯が重畳され、結果的にプリフォーマット信号の中心と
スピンドル軸の中心との偏芯量は、40〜50μm程度
にもなる。このため、現状においても記録再生用ディス
クドライブのサーボ系にはかなりの無理を強いる結果と
なっており、現状以上に光磁気記録媒体の回転速度を高
速化した場合には、さらにサーボ系にかかる負担は深刻
なものになる。
【0009】また、凹凸パターンが形成された透明基板
は、形状的欠陥を有する場合が多く、該透明基板に書き
込まれたプリフォーマット信号、さらには光磁気記録層
に記録された記録信号の信号品質(変調度,S/N比)
劣化を誘発する。
は、形状的欠陥を有する場合が多く、該透明基板に書き
込まれたプリフォーマット信号、さらには光磁気記録層
に記録された記録信号の信号品質(変調度,S/N比)
劣化を誘発する。
【0010】しかも、上述の製造工程を見てもわかるよ
うに、凹凸パターンを有する透明基板の製造は極めて煩
雑であり、特にガラス基板上にフォトポリマー層の凹凸
パターンを形成する際に用いられるガラス2P法は、煩
雑且つ多数の工程によって構成されている。したがっ
て、例えばガラス基板の大量生産への導入は、このよう
な2P法を実施しなければならない限りは困難であると
言える。
うに、凹凸パターンを有する透明基板の製造は極めて煩
雑であり、特にガラス基板上にフォトポリマー層の凹凸
パターンを形成する際に用いられるガラス2P法は、煩
雑且つ多数の工程によって構成されている。したがっ
て、例えばガラス基板の大量生産への導入は、このよう
な2P法を実施しなければならない限りは困難であると
言える。
【0011】したがって、現在のところ、ガラス基板
は、高分子材料基板に比べて複屈折が小さく、また機械
的特性に優れ面ブレ(ディスクを回転させたときの、デ
ィスク面のある基準面からの変移)を高分子材料基板の
1/10に抑えることができるといった透明基板として
適した特性を有するものの量産用には用いられておら
ず、ガラス基板に比べれば幾分製造工程が少なくできる
高分子材料基板が量産用の透明基板として採用されてい
る。このため、透明基板の複屈折が大きいことから記録
再生特性が劣化する,反り等が生じてサーボ系に多大な
負担をかける等,様々な不都合を生じている。
は、高分子材料基板に比べて複屈折が小さく、また機械
的特性に優れ面ブレ(ディスクを回転させたときの、デ
ィスク面のある基準面からの変移)を高分子材料基板の
1/10に抑えることができるといった透明基板として
適した特性を有するものの量産用には用いられておら
ず、ガラス基板に比べれば幾分製造工程が少なくできる
高分子材料基板が量産用の透明基板として採用されてい
る。このため、透明基板の複屈折が大きいことから記録
再生特性が劣化する,反り等が生じてサーボ系に多大な
負担をかける等,様々な不都合を生じている。
【0012】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、プリフォーマット信号を
透明基板の形状的欠陥を生ずることなく書き込むことが
でき、さらに書き込まれたプリフォーマット信号と記録
再生用ディスクドライブのスピンドル軸の偏芯量が小さ
く、且つ透明基板としてガラス基板を用いた場合にも簡
易な工程で製造できる光磁気記録媒体及びその製造方法
を提供することを目的とする。
鑑みて提案されたものであり、プリフォーマット信号を
透明基板の形状的欠陥を生ずることなく書き込むことが
でき、さらに書き込まれたプリフォーマット信号と記録
再生用ディスクドライブのスピンドル軸の偏芯量が小さ
く、且つ透明基板としてガラス基板を用いた場合にも簡
易な工程で製造できる光磁気記録媒体及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の光磁気記録媒体は、透明基板上に少なく
とも光磁気記録層及びプリフォーマット信号に対応した
パターンで光学定数変化部分が形成されたプリフォーマ
ット用光学定数変化層が形成されてなることを特徴とす
るものである。
めに、本発明の光磁気記録媒体は、透明基板上に少なく
とも光磁気記録層及びプリフォーマット信号に対応した
パターンで光学定数変化部分が形成されたプリフォーマ
ット用光学定数変化層が形成されてなることを特徴とす
るものである。
【0014】また、透明基板上に、プリフォーマット信
号に対応したパターンでプリフォーマット用反射膜が形
成され、このプリフォーマット用反射膜上に少なくとも
光磁気記録層が積層されてなることを特徴とするもので
ある。さらに、光磁気記録媒体のプリフォーマット用光
学定数変化層がCuの窒化物を主成分とする材料よりな
ることを特徴とするものである。
号に対応したパターンでプリフォーマット用反射膜が形
成され、このプリフォーマット用反射膜上に少なくとも
光磁気記録層が積層されてなることを特徴とするもので
ある。さらに、光磁気記録媒体のプリフォーマット用光
学定数変化層がCuの窒化物を主成分とする材料よりな
ることを特徴とするものである。
【0015】さらに、本発明の光磁気記録媒体の製造方
法は、光磁気記録媒体のプリフォーマット用光学定数変
化層に光学定数変化部分を形成するに当たり、該光磁気
記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光磁気記録
再生装置を用いることを特徴とするものである。さら
に、光磁気記録媒体をプリフォーマットするに際し、透
明基板にスピンドルチャック用治具を予め取り付けてお
くことを特徴とするものである。
法は、光磁気記録媒体のプリフォーマット用光学定数変
化層に光学定数変化部分を形成するに当たり、該光磁気
記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光磁気記録
再生装置を用いることを特徴とするものである。さら
に、光磁気記録媒体をプリフォーマットするに際し、透
明基板にスピンドルチャック用治具を予め取り付けてお
くことを特徴とするものである。
【0016】本発明の光磁気記録媒体は、センター孔を
有する円板状の透明基板の一主面上に、少なくともプリ
フォーマット用反射膜、光磁気記録層が形成され、セン
ター孔には該光磁気記録媒体を記録再生用ディスクドラ
イブのディスクテーブルにチャッキングするためのハブ
が装着されてなるものである。
有する円板状の透明基板の一主面上に、少なくともプリ
フォーマット用反射膜、光磁気記録層が形成され、セン
ター孔には該光磁気記録媒体を記録再生用ディスクドラ
イブのディスクテーブルにチャッキングするためのハブ
が装着されてなるものである。
【0017】上記光磁気記録媒体において、透明基板上
に形成されるプリフォーマット用反射膜は、トラック信
号,アドレス信号,セクター信号等のプリフォ−マット
信号となるものであり、透明基板と光学定数が異なる材
料膜よりなり、プリフォーマット信号に対応したパター
ンで形成されている。
に形成されるプリフォーマット用反射膜は、トラック信
号,アドレス信号,セクター信号等のプリフォ−マット
信号となるものであり、透明基板と光学定数が異なる材
料膜よりなり、プリフォーマット信号に対応したパター
ンで形成されている。
【0018】このようなプリフォーマット用反射膜が形
成された光磁気記録媒体では、例えば基板側からレーザ
光を照射し、反射光量を検出するとプリフォーマット用
反射膜が形成された領域と形成されていない領域とで反
射光量が異なる。したがって、この反射光量の差異を検
出することによりプリフォーマット用反射膜の形成パタ
ーンが識別でき、これによりプリフォーマット信号の検
出が可能となる。
成された光磁気記録媒体では、例えば基板側からレーザ
光を照射し、反射光量を検出するとプリフォーマット用
反射膜が形成された領域と形成されていない領域とで反
射光量が異なる。したがって、この反射光量の差異を検
出することによりプリフォーマット用反射膜の形成パタ
ーンが識別でき、これによりプリフォーマット信号の検
出が可能となる。
【0019】上記プリフォーマット用反射膜としては、
透明基板と光学定数が異なる材料膜であればいずれでも
良いが、例えばレーザ光の照射によって昇華するような
昇華性金属材料を用いるとパターン形成が容易である。
この場合、昇華性金属材料を透明基板面に一様に被着し
て金属材料膜を成膜し、該金属材料膜のうちプリフォー
マット信号パターンに対応した部分に高強度のレーザ光
を照射する。レーザ光が照射された部分の金属材料膜は
昇華して除去され、プリフォーマット信号パターンに対
応した部分の金属材料膜のみが残存し、上記プリフォー
マット用反射膜が形成される。
透明基板と光学定数が異なる材料膜であればいずれでも
良いが、例えばレーザ光の照射によって昇華するような
昇華性金属材料を用いるとパターン形成が容易である。
この場合、昇華性金属材料を透明基板面に一様に被着し
て金属材料膜を成膜し、該金属材料膜のうちプリフォー
マット信号パターンに対応した部分に高強度のレーザ光
を照射する。レーザ光が照射された部分の金属材料膜は
昇華して除去され、プリフォーマット信号パターンに対
応した部分の金属材料膜のみが残存し、上記プリフォー
マット用反射膜が形成される。
【0020】例えば、このようなレーザ光の照射によっ
て昇華する昇華性金属材料としては、Te,Pb,B
i,Sn,Sb,Al,Zn,Ag等及びこれらの化合
物が挙げられる。また、この金属材料膜は、5nm〜3
0nmの膜厚で形成することが好ましい。金属材料膜の
膜厚が30nmを越えるとエッジ部分が盛り上がり精密
な形状の反射膜を得るのが困難になる。
て昇華する昇華性金属材料としては、Te,Pb,B
i,Sn,Sb,Al,Zn,Ag等及びこれらの化合
物が挙げられる。また、この金属材料膜は、5nm〜3
0nmの膜厚で形成することが好ましい。金属材料膜の
膜厚が30nmを越えるとエッジ部分が盛り上がり精密
な形状の反射膜を得るのが困難になる。
【0021】金属材料膜のパターン形成は、具体的には
透明基板に上記金属材料膜を一様に成膜した後、透明基
板をプリフォーマット用ディスクドライブのディスクテ
ーブルにチャッキングし、該透明基板を回転させながら
径方向にレーザ光源を移動させ、金属材料膜の所定の部
分にのみレーザ光を照射することによって行われる。
透明基板に上記金属材料膜を一様に成膜した後、透明基
板をプリフォーマット用ディスクドライブのディスクテ
ーブルにチャッキングし、該透明基板を回転させながら
径方向にレーザ光源を移動させ、金属材料膜の所定の部
分にのみレーザ光を照射することによって行われる。
【0022】このようにしてプリフォーマット信号を書
き込むに際して、書き込みに先行して予め透明基板のセ
ンター孔にハブを装着し、ハブ孔とプリフォーマット用
ディスクドライブのスピンドル軸のクリアランスを調整
しておくと、プリフォーマット信号と記録再生用ディス
クドライブのスピンドル軸との偏芯量を小さくすること
ができる。
き込むに際して、書き込みに先行して予め透明基板のセ
ンター孔にハブを装着し、ハブ孔とプリフォーマット用
ディスクドライブのスピンドル軸のクリアランスを調整
しておくと、プリフォーマット信号と記録再生用ディス
クドライブのスピンドル軸との偏芯量を小さくすること
ができる。
【0023】すなわち、まず図1にプリフォーマット信
号を書き込んで記録領域11aを形成した後に、ハブ1
2を透明基板11に装着したときのプリフォーマット信
号とハブ12の関係を示す。このようにプリフォーマッ
ト信号を書き込んだ後にハブ12を装着した場合には、
ハブ装着時の位置誤差によってハブ12のハブ孔12a
の中心ph とフォーマット信号の中心pf がずれ、偏芯
が生じる。このハブ孔12aとフォーマット信号の偏芯
量をehdとする。
号を書き込んで記録領域11aを形成した後に、ハブ1
2を透明基板11に装着したときのプリフォーマット信
号とハブ12の関係を示す。このようにプリフォーマッ
ト信号を書き込んだ後にハブ12を装着した場合には、
ハブ装着時の位置誤差によってハブ12のハブ孔12a
の中心ph とフォーマット信号の中心pf がずれ、偏芯
が生じる。このハブ孔12aとフォーマット信号の偏芯
量をehdとする。
【0024】このようにしてプリフォーマット信号が書
き込まれた後にハブ12が装着された光磁気記録媒体を
記録再生用ディスクドライブのディスクテーブル14に
装着した状態を図2に示す。このとき、ディスクテーブ
ル14のスピンドル軸15とハブ孔12aには該光磁気
記録媒体13を着脱可能にするために所定のクリアラン
スcshが設けられている。したがって、図3に示すよう
に、このクリアランス範囲内においてスピンドル軸15
の中心ps とハブ孔12aの中心ph にずれが生じ、フ
ォーマット信号の中心pf とスピンドル軸の中心ps と
は、上記ハブの中心ph とフォーマット信号の中心pf
のずれと、このスピンドル軸15の中心ps とハブ孔の
中心ph のずれとが重畳されてずれることになる。
き込まれた後にハブ12が装着された光磁気記録媒体を
記録再生用ディスクドライブのディスクテーブル14に
装着した状態を図2に示す。このとき、ディスクテーブ
ル14のスピンドル軸15とハブ孔12aには該光磁気
記録媒体13を着脱可能にするために所定のクリアラン
スcshが設けられている。したがって、図3に示すよう
に、このクリアランス範囲内においてスピンドル軸15
の中心ps とハブ孔12aの中心ph にずれが生じ、フ
ォーマット信号の中心pf とスピンドル軸の中心ps と
は、上記ハブの中心ph とフォーマット信号の中心pf
のずれと、このスピンドル軸15の中心ps とハブ孔の
中心ph のずれとが重畳されてずれることになる。
【0025】つまり、ハブ孔12aの中心ph とフォー
マット信号の中心pf の偏芯量をe hd、スピンドル軸1
5とハブ孔12aのクリアランスをcsh、スピンドル軸
15の中心ps とハブ孔12aの中心ph の偏芯量をe
sh、スピンドル軸15の中心ps とフォーマット信号の
中心pf の偏芯量をesdとすると、esh,csh,esd,
ehdの関係は式1,式2で表される。
マット信号の中心pf の偏芯量をe hd、スピンドル軸1
5とハブ孔12aのクリアランスをcsh、スピンドル軸
15の中心ps とハブ孔12aの中心ph の偏芯量をe
sh、スピンドル軸15の中心ps とフォーマット信号の
中心pf の偏芯量をesdとすると、esh,csh,esd,
ehdの関係は式1,式2で表される。
【0026】esh≦csh ・・・1 esd≦esh+ehd・・・2 上記式1,式2より、スピンドル軸15とフォーマット
信号の偏芯量esdは、式3の関係式で表される。 esd≦csh+ehd・・・3
信号の偏芯量esdは、式3の関係式で表される。 esd≦csh+ehd・・・3
【0027】現状においては、記録再生用ディスクドラ
イブのスピンドル軸15とハブ孔12aのクリアランス
cshは20〜30μm,ハブ孔12aとフォーマット信
号の偏芯量ehdは約20μm以下である。したがって式
3より算出すると、スピンドル軸15とフォーマット信
号の偏芯量esdは最大で40〜50μmに至ることにな
る。
イブのスピンドル軸15とハブ孔12aのクリアランス
cshは20〜30μm,ハブ孔12aとフォーマット信
号の偏芯量ehdは約20μm以下である。したがって式
3より算出すると、スピンドル軸15とフォーマット信
号の偏芯量esdは最大で40〜50μmに至ることにな
る。
【0028】ここで、プリフォーマット信号を書き込む
前に予め透明基板11にハブ12を装着おき、ハブ孔1
2aとプリフォーマット専用ディスクドライブのスピン
ドル軸のクリアランスを0もしくは−に調整しておく
と、スピンドル軸とフォーマット信号の偏芯量を上述の
場合の1/2程度に抑えることができる。
前に予め透明基板11にハブ12を装着おき、ハブ孔1
2aとプリフォーマット専用ディスクドライブのスピン
ドル軸のクリアランスを0もしくは−に調整しておく
と、スピンドル軸とフォーマット信号の偏芯量を上述の
場合の1/2程度に抑えることができる。
【0029】すなわち、金属材料膜が形成された透明基
板11にプリフォーマット信号を書き込む前に予めハブ
12を装着しておく。このとき、ハブ12のハブ孔部1
2aを弾性のある材料,たとえばポリカーボネート等で
構成するとともに、スピンドル軸とハブ孔のクリアラン
スcsh´が0もしくは−となるようにハブ孔径を設定す
る。
板11にプリフォーマット信号を書き込む前に予めハブ
12を装着しておく。このとき、ハブ12のハブ孔部1
2aを弾性のある材料,たとえばポリカーボネート等で
構成するとともに、スピンドル軸とハブ孔のクリアラン
スcsh´が0もしくは−となるようにハブ孔径を設定す
る。
【0030】このようにしてハブが装着された透明基板
がプリフォーマット専用ドライブのディスクテーブル1
6にチャッキングされた状態を図4に示す。図4に示す
ように、ディスクテーブル16のスピンドル軸17とハ
ブ孔12aの偏芯量esh´は、csh´≦0であるのでe
sh´≒0と表される。このような場合、書き込まれたプ
リフォーマット信号とハブ孔の偏芯量ehdは、書き込ま
れたプリフォーマット信号とプリフォーマット専用ドラ
イブのスピンドル軸の偏芯量esd´をほぼ再現し、ehd
とesd´とは式4の関係式で表される。
がプリフォーマット専用ドライブのディスクテーブル1
6にチャッキングされた状態を図4に示す。図4に示す
ように、ディスクテーブル16のスピンドル軸17とハ
ブ孔12aの偏芯量esh´は、csh´≦0であるのでe
sh´≒0と表される。このような場合、書き込まれたプ
リフォーマット信号とハブ孔の偏芯量ehdは、書き込ま
れたプリフォーマット信号とプリフォーマット専用ドラ
イブのスピンドル軸の偏芯量esd´をほぼ再現し、ehd
とesd´とは式4の関係式で表される。
【0031】ehd≒esd´・・・4
【0032】そして、このようにしてプリフォーマット
信号が書き込まれた光磁気記録媒体を、記録再生用ディ
スクドライブのディスクテーブルにチャッキングする
と、上記式3の関係式esd≦csh+ehdのehdは式4よ
りesd´で置き換えることができるので、プリフォーマ
ット信号とスピンドル軸の偏芯量esdは式5の関係式で
表される。
信号が書き込まれた光磁気記録媒体を、記録再生用ディ
スクドライブのディスクテーブルにチャッキングする
と、上記式3の関係式esd≦csh+ehdのehdは式4よ
りesd´で置き換えることができるので、プリフォーマ
ット信号とスピンドル軸の偏芯量esdは式5の関係式で
表される。
【0033】esd≦csh+esd´・・・5
【0034】上述の如く、スピンドル軸とハブ孔のクリ
アランスcshは20〜30μm、プリフォーマット信号
とスピンドル軸の偏芯量esd´はフォーマット精度のみ
で決まる量であり5μm以下とほとんど無視できる値で
ある。したがって、式5から、記録再生用ディスクドラ
イブのスピンドル軸とプリフォーマット信号の偏芯量e
sdは、20〜30μm以下と算出され、プリフォーマッ
ト信号を書き込んだ後にハブを装着する場合に比べて1
/2程度に低減することになる。
アランスcshは20〜30μm、プリフォーマット信号
とスピンドル軸の偏芯量esd´はフォーマット精度のみ
で決まる量であり5μm以下とほとんど無視できる値で
ある。したがって、式5から、記録再生用ディスクドラ
イブのスピンドル軸とプリフォーマット信号の偏芯量e
sdは、20〜30μm以下と算出され、プリフォーマッ
ト信号を書き込んだ後にハブを装着する場合に比べて1
/2程度に低減することになる。
【0035】さらに、上述の光磁気記録媒体は記録再生
用ディスクドライブのディスクテーブルに着脱可能にチ
ャッキングするものであるが、ディスクテーブルに固定
する形式にすると、プリフォーマット信号とスピンドル
軸の偏芯量はさらに小さく抑えられる。この場合にも、
プリフォーマット信号を書き込む前に予め透明基板にハ
ブを装着おき、ハブ孔とプリフォーマット専用ディスク
ドライブのスピンドル軸のクリアランスを0もしくは−
にし、且つハブ孔と記録再生用ディスクドライブのスピ
ンドル軸のクリアランスも0もしくは−になるように調
整する。
用ディスクドライブのディスクテーブルに着脱可能にチ
ャッキングするものであるが、ディスクテーブルに固定
する形式にすると、プリフォーマット信号とスピンドル
軸の偏芯量はさらに小さく抑えられる。この場合にも、
プリフォーマット信号を書き込む前に予め透明基板にハ
ブを装着おき、ハブ孔とプリフォーマット専用ディスク
ドライブのスピンドル軸のクリアランスを0もしくは−
にし、且つハブ孔と記録再生用ディスクドライブのスピ
ンドル軸のクリアランスも0もしくは−になるように調
整する。
【0036】まず、透明基板に金属材料膜を形成した
後、プリフォーマット信号を書き込む前に予め透明基板
にハブを装着しておく。このとき、ハブのハブ孔部を弾
性のある材料,たとえばポリカーボネート等で構成する
とともに、ハブ孔径をプリフォーマット用ディスクドラ
イブ,記録再生用ディスクドライブの双方のスピンドル
軸とのクリアランスcsh´,cshが0もしくはマイナス
となるように設定する。
後、プリフォーマット信号を書き込む前に予め透明基板
にハブを装着しておく。このとき、ハブのハブ孔部を弾
性のある材料,たとえばポリカーボネート等で構成する
とともに、ハブ孔径をプリフォーマット用ディスクドラ
イブ,記録再生用ディスクドライブの双方のスピンドル
軸とのクリアランスcsh´,cshが0もしくはマイナス
となるように設定する。
【0037】このようにしてハブが装着された透明基板
をプリフォーマット専用ディスクドライブにチャッキン
グしてプリフォーマット信号の書き込むを行う。このと
き、プリフォーマット専用ドライブのスピンドル軸とハ
ブ孔の偏芯量esh´は、csh´≦0であるのでesh´≒
0と表される。
をプリフォーマット専用ディスクドライブにチャッキン
グしてプリフォーマット信号の書き込むを行う。このと
き、プリフォーマット専用ドライブのスピンドル軸とハ
ブ孔の偏芯量esh´は、csh´≦0であるのでesh´≒
0と表される。
【0038】このような場合、書き込まれたプリフォー
マット信号とハブ孔の偏芯量ehdは、書き込まれたプリ
フォーマット信号とプリフォーマット専用ドライブのス
ピンドル軸の偏芯量esd´をほぼ再現し、ehdとesd´
とは式6の関係式で表される。 ehd≒esd´・・・6
マット信号とハブ孔の偏芯量ehdは、書き込まれたプリ
フォーマット信号とプリフォーマット専用ドライブのス
ピンドル軸の偏芯量esd´をほぼ再現し、ehdとesd´
とは式6の関係式で表される。 ehd≒esd´・・・6
【0039】そして、このようにしてプリフォーマット
信号が書き込まれた光磁気記録媒体を、記録再生用ディ
スクドライブのディスクテーブルにチャッキングする
と、記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸とハブ
孔の偏芯量eshは、csh≦0であるのでesh≒0と表さ
れる。
信号が書き込まれた光磁気記録媒体を、記録再生用ディ
スクドライブのディスクテーブルにチャッキングする
と、記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸とハブ
孔の偏芯量eshは、csh≦0であるのでesh≒0と表さ
れる。
【0040】このような場合、プリフォーマット信号と
記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸の偏芯量e
sdは、プリフォーマット信号とハブ孔の偏芯量ehdをほ
ぼ再現し、ehdとesdとは式7の関係式で表される。 esd≒ehd・・・7 したがって、式6と式7より、プリフォーマット信号と
記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸の偏芯量e
sdは式8の関係式で表される。
記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸の偏芯量e
sdは、プリフォーマット信号とハブ孔の偏芯量ehdをほ
ぼ再現し、ehdとesdとは式7の関係式で表される。 esd≒ehd・・・7 したがって、式6と式7より、プリフォーマット信号と
記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸の偏芯量e
sdは式8の関係式で表される。
【0041】esd≒esd´・・・8
【0042】esd´は前述の如く5μm以下であり、プ
リフォーマット信号と記録再生用ディスクドライブのス
ピンドル軸の偏芯量esdは、式8より5μm以下と算出
される。つまり、プリフォーマット信号と記録再生用デ
ィスクドライブのスピンドル軸の偏芯量esdは、現状の
約1/10にまで低減することになる。
リフォーマット信号と記録再生用ディスクドライブのス
ピンドル軸の偏芯量esdは、式8より5μm以下と算出
される。つまり、プリフォーマット信号と記録再生用デ
ィスクドライブのスピンドル軸の偏芯量esdは、現状の
約1/10にまで低減することになる。
【0043】以上のようなプリフォーマット用反射膜に
書き込まれるプリフォーマット信号としては、コンティ
ニュアス・トラッキングサーボ,サンプルド・サーボ,
ウォブリングサーボ等、通常のサーボ形式で用いられる
プリフォーマット信号がいずれも書き込み可能である。
書き込まれるプリフォーマット信号としては、コンティ
ニュアス・トラッキングサーボ,サンプルド・サーボ,
ウォブリングサーボ等、通常のサーボ形式で用いられる
プリフォーマット信号がいずれも書き込み可能である。
【0044】また、プリフォーマット用反射膜が形成さ
れる透明基板には、アクリル樹脂,ポリカーボネート樹
脂,ポリオレフィン樹脂,エポキシ樹脂等のプラスチッ
ク材料の他、ガラス等よりなるものが使用される。
れる透明基板には、アクリル樹脂,ポリカーボネート樹
脂,ポリオレフィン樹脂,エポキシ樹脂等のプラスチッ
ク材料の他、ガラス等よりなるものが使用される。
【0045】ここで、本発明の光磁気記録媒体では、プ
リフォーマット信号がプリフォーマット用反射膜の形成
パターンによって書き込まれているので、これら透明基
板に、さらに凹凸パターンを形成することでプリフォー
マット信号を書き込む必要がない。したがって、透明基
板に凹凸パターンを持たせることによって生じる形状的
欠陥,製造工程の煩雑化が回避でき、凹凸パターンの形
成は煩雑であるが面ブレが生じ難く透明基板としての特
性に優れたガラス基板の大量生産プロセスへの導入も容
易になる。
リフォーマット信号がプリフォーマット用反射膜の形成
パターンによって書き込まれているので、これら透明基
板に、さらに凹凸パターンを形成することでプリフォー
マット信号を書き込む必要がない。したがって、透明基
板に凹凸パターンを持たせることによって生じる形状的
欠陥,製造工程の煩雑化が回避でき、凹凸パターンの形
成は煩雑であるが面ブレが生じ難く透明基板としての特
性に優れたガラス基板の大量生産プロセスへの導入も容
易になる。
【0046】また、上記プリフォーマット用反射膜上に
形成される光磁気記録層は、膜面に垂直な方向に磁化容
易方向を有する非晶質の磁性薄膜であって、磁気光学特
性に優れることは勿論、室温にて大きな保磁力を持ち、
且つ200℃近辺にキュリー点を持つことが好ましい。
このような条件に叶った記録材料としては、希土類−遷
移金属合金非晶質薄膜等が挙げられ、なかでもTbFe
Co系非晶質薄膜が好適である。この光磁気記録層に
は、耐蝕性を向上させる目的で、Cr等の添加元素が添
加されていてもよい。
形成される光磁気記録層は、膜面に垂直な方向に磁化容
易方向を有する非晶質の磁性薄膜であって、磁気光学特
性に優れることは勿論、室温にて大きな保磁力を持ち、
且つ200℃近辺にキュリー点を持つことが好ましい。
このような条件に叶った記録材料としては、希土類−遷
移金属合金非晶質薄膜等が挙げられ、なかでもTbFe
Co系非晶質薄膜が好適である。この光磁気記録層に
は、耐蝕性を向上させる目的で、Cr等の添加元素が添
加されていてもよい。
【0047】さらに上記光磁気記録媒体には、プリフォ
ーマット用反射膜と光磁気記録層の間、さらには光磁気
記録層上に誘電体層を設けて光磁気記録層を誘電体層で
挟み込むような構成とし、さらにその上に反射層を形成
するようにしても良い。これにより、カー回転角が増大
(カーエンハンスメント効果)してC/N比が向上す
る。
ーマット用反射膜と光磁気記録層の間、さらには光磁気
記録層上に誘電体層を設けて光磁気記録層を誘電体層で
挟み込むような構成とし、さらにその上に反射層を形成
するようにしても良い。これにより、カー回転角が増大
(カーエンハンスメント効果)してC/N比が向上す
る。
【0048】特に、プリフォーマット用反射膜として昇
華性の金属材料膜を用いた場合にプリフォーマット用反
射膜と光磁気記録層の間に誘電体層を設けると該誘電体
層によって以下のような副次的効果も得られる。すなわ
ち、プリフォーマット用反射膜として昇華性の金属材料
膜を用いた場合には、記録再生時に印加されるレーザ光
の熱によってもプリフォーマット用反射膜が昇華されパ
ターンが経時的に変形する虞れがあるが、プリフォーマ
ット用反射膜と光磁気記録層の間に誘電体層を設ける
と、該誘電体層によって光磁気記録層からのプリフォー
マット用反射膜への熱の伝導が抑えられ、プリフォーマ
ット用反射膜を比較的薄い膜厚で形成した場合でもその
パターンが正確に維持されるようになる。
華性の金属材料膜を用いた場合にプリフォーマット用反
射膜と光磁気記録層の間に誘電体層を設けると該誘電体
層によって以下のような副次的効果も得られる。すなわ
ち、プリフォーマット用反射膜として昇華性の金属材料
膜を用いた場合には、記録再生時に印加されるレーザ光
の熱によってもプリフォーマット用反射膜が昇華されパ
ターンが経時的に変形する虞れがあるが、プリフォーマ
ット用反射膜と光磁気記録層の間に誘電体層を設ける
と、該誘電体層によって光磁気記録層からのプリフォー
マット用反射膜への熱の伝導が抑えられ、プリフォーマ
ット用反射膜を比較的薄い膜厚で形成した場合でもその
パターンが正確に維持されるようになる。
【0049】なお、上記誘電体層としては、酸化物,窒
化物,オキシナイトライド,硫化物等が使用可能である
が、誘電体層中の酸素が記録層となる光磁気記録層に悪
影響を及ぼす虞れがあることから窒化シリコン等の窒化
物,ZnS等の硫化物がより好ましく、酸素,水分子の
透過を防止するのに有利であり且つ使用レーザ光を十分
透過し得る物質として窒化シリコンが好適である。
化物,オキシナイトライド,硫化物等が使用可能である
が、誘電体層中の酸素が記録層となる光磁気記録層に悪
影響を及ぼす虞れがあることから窒化シリコン等の窒化
物,ZnS等の硫化物がより好ましく、酸素,水分子の
透過を防止するのに有利であり且つ使用レーザ光を十分
透過し得る物質として窒化シリコンが好適である。
【0050】また、反射層には、誘電体層との境界でレ
ーザ光を70%以上反射する高反射率の膜により構成す
ることが好ましく、非磁性金属の蒸着膜が好適である。
また、反射層は、熱的に良導体であることが望ましく、
入手の容易さや成膜の容易さ等を考慮すると、アルミニ
ウムが適している。
ーザ光を70%以上反射する高反射率の膜により構成す
ることが好ましく、非磁性金属の蒸着膜が好適である。
また、反射層は、熱的に良導体であることが望ましく、
入手の容易さや成膜の容易さ等を考慮すると、アルミニ
ウムが適している。
【0051】ここで誘電体層,光磁気記録層,反射層の
膜厚は任意に設定することができるが、通常は数百〜数
千Å程度に設定される。これらの膜厚は、各層単独の光
学的性質のみならず、組み合わせによる効果を考慮して
決めることが好ましい。これは、例えば光磁気記録層を
透過して各層境界で反射した光と多重干渉し、膜厚の組
み合わせにより光磁気記録層の実効的な光学及び磁気光
学特性が大きく変動するためである。なお、上記光磁気
記録媒体では、記録信号が記録される領域はプリフォー
マット用反射膜が形成されておらず、従来の光磁気記録
媒体と同様の層構成である。したがって、膜厚構成を新
規に設計する必要はなく従来の光磁気記録媒体の膜厚構
成に準じて差し支えない。
膜厚は任意に設定することができるが、通常は数百〜数
千Å程度に設定される。これらの膜厚は、各層単独の光
学的性質のみならず、組み合わせによる効果を考慮して
決めることが好ましい。これは、例えば光磁気記録層を
透過して各層境界で反射した光と多重干渉し、膜厚の組
み合わせにより光磁気記録層の実効的な光学及び磁気光
学特性が大きく変動するためである。なお、上記光磁気
記録媒体では、記録信号が記録される領域はプリフォー
マット用反射膜が形成されておらず、従来の光磁気記録
媒体と同様の層構成である。したがって、膜厚構成を新
規に設計する必要はなく従来の光磁気記録媒体の膜厚構
成に準じて差し支えない。
【0052】以上の説明の光磁気記録媒体は、プリフォ
ーマット用反射膜のパターン形成によってプリフォーマ
ット信号が書き込まれる形式のものであるが、さらに本
発明では、光磁気記録媒体にプリフォーマット用光学定
数変化層を設け、このプリフォーマット用光学定数変化
層の光学定数を部分的に変化させることによりプリフォ
ーマット信号を書き込むこととする。
ーマット用反射膜のパターン形成によってプリフォーマ
ット信号が書き込まれる形式のものであるが、さらに本
発明では、光磁気記録媒体にプリフォーマット用光学定
数変化層を設け、このプリフォーマット用光学定数変化
層の光学定数を部分的に変化させることによりプリフォ
ーマット信号を書き込むこととする。
【0053】すなわち、本発明のもう一つの光磁気記録
媒体は、センター孔を有する円板状の透明基板の一主面
上に少なくともプリフォーマット用光学定数変化層及び
光磁気記録層が任意の順序で積層され、センター孔には
該光磁気記録媒体を記録再生用ディスクドライブにチャ
ッキングするためのハブが装着されてなるものである。
媒体は、センター孔を有する円板状の透明基板の一主面
上に少なくともプリフォーマット用光学定数変化層及び
光磁気記録層が任意の順序で積層され、センター孔には
該光磁気記録媒体を記録再生用ディスクドライブにチャ
ッキングするためのハブが装着されてなるものである。
【0054】上記光磁気記録媒体において、プリフォー
マット用光学定数変化層は、記録再生時に照射するより
も高い強度のレーザ光の照射によって光学定数が変化す
る材料膜よりなるものであり、光学定数が部分的に変化
した光学定数変化部分がプリフォ−マット信号に対応し
たパターンで形成されている。
マット用光学定数変化層は、記録再生時に照射するより
も高い強度のレーザ光の照射によって光学定数が変化す
る材料膜よりなるものであり、光学定数が部分的に変化
した光学定数変化部分がプリフォ−マット信号に対応し
たパターンで形成されている。
【0055】したがって、このようなプリフォーマット
用光学定数変化層が形成された光磁気記録媒体では、例
えば基板側からレーザ光を照射し反射光量を検出すると
プリフォーマット用光学定数変化層の光学定数変化部分
に対応する領域と光学定数が変化していない光学定数未
変化部分に対応する領域とで反射光量が異なる。したが
って、このような反射光量の差異を検出することにより
光学定数変化部分の形成パターンが識別でき、これによ
りプリフォーマット信号の検出が可能である。
用光学定数変化層が形成された光磁気記録媒体では、例
えば基板側からレーザ光を照射し反射光量を検出すると
プリフォーマット用光学定数変化層の光学定数変化部分
に対応する領域と光学定数が変化していない光学定数未
変化部分に対応する領域とで反射光量が異なる。したが
って、このような反射光量の差異を検出することにより
光学定数変化部分の形成パターンが識別でき、これによ
りプリフォーマット信号の検出が可能である。
【0056】上記プリフォーマット用光学定数変化層に
は、上述の如く記録再生時に照射されるよりも高い強度
のレーザ光の照射さらにはレーザ光の照射によって2次
的に発生する熱によって光学定数が変化する材料膜が用
いられ、CuNやカルコゲナイド系非晶質合金膜が適当
である。
は、上述の如く記録再生時に照射されるよりも高い強度
のレーザ光の照射さらにはレーザ光の照射によって2次
的に発生する熱によって光学定数が変化する材料膜が用
いられ、CuNやカルコゲナイド系非晶質合金膜が適当
である。
【0057】まず、CuN膜はレーザ光を照射すると、
そのとき発生する熱によってCuNのNが遊離してCu
となり光学定数が変化する。例えば250℃で加熱され
た場合には、38%であった反射率は70%に増大す
る。ここで、図5にCuN膜のレーザ光をDC照射した
ときのレーザパワーと戻り光強度の関係を示す。なお、
この場合のCuN膜は反応性DCスパッタを用いて成膜
したものである。成膜条件を以下に示す。
そのとき発生する熱によってCuNのNが遊離してCu
となり光学定数が変化する。例えば250℃で加熱され
た場合には、38%であった反射率は70%に増大す
る。ここで、図5にCuN膜のレーザ光をDC照射した
ときのレーザパワーと戻り光強度の関係を示す。なお、
この場合のCuN膜は反応性DCスパッタを用いて成膜
したものである。成膜条件を以下に示す。
【0058】成膜ガス:ArガスとN2 ガスとがAr/
N2 が1/3なる比率で混合された混合ガス スパッタガス圧:5mTorr スパッタリングパワー:1kW
N2 が1/3なる比率で混合された混合ガス スパッタガス圧:5mTorr スパッタリングパワー:1kW
【0059】図5に示すようにCuN膜では、レーザパ
ワーがあるしきい値(この場合は凡そ10mW)を越え
たところで戻り光強度が急激に増大し、レーザ光未照射
時に比べて2倍以上になる。このように光学定数がある
しきい値を越えたところで急激に変化するCuN膜を上
記プリフォーマット用光学定数変化層とした場合、以下
のような好ましい利点を得ることができる。すなわち、 1)光学定数変化部分と光学定数未変化部分の境界を良
好なものとすることができ、精密性の高いプリフォーマ
ット信号を形成することができる。
ワーがあるしきい値(この場合は凡そ10mW)を越え
たところで戻り光強度が急激に増大し、レーザ光未照射
時に比べて2倍以上になる。このように光学定数がある
しきい値を越えたところで急激に変化するCuN膜を上
記プリフォーマット用光学定数変化層とした場合、以下
のような好ましい利点を得ることができる。すなわち、 1)光学定数変化部分と光学定数未変化部分の境界を良
好なものとすることができ、精密性の高いプリフォーマ
ット信号を形成することができる。
【0060】2)情報信号を記録するに当たって、しき
い値よりも十分に小さなレーザパワーでレーザ光を照射
するようにすれば、情報信号の記録に際してプリフォー
マット信号が破壊されるといったトラブルが発生する可
能性を小さく抑えることができる。例えば、キュリー温
度が180℃程度の光磁気記録層を用いれば、記録開始
パワーを5mW以下程度に設定することができるので、
プリフォーマット信号を破壊しないためのマージンを十
分に確保することが可能である。
い値よりも十分に小さなレーザパワーでレーザ光を照射
するようにすれば、情報信号の記録に際してプリフォー
マット信号が破壊されるといったトラブルが発生する可
能性を小さく抑えることができる。例えば、キュリー温
度が180℃程度の光磁気記録層を用いれば、記録開始
パワーを5mW以下程度に設定することができるので、
プリフォーマット信号を破壊しないためのマージンを十
分に確保することが可能である。
【0061】以上のようなCuN膜は、DC反応性スパ
ッタ,RF反応性スパッタのいずれによっても成膜でき
るが、放電の安定性に優れること,さらには他の機能
膜,例えばAl反射膜と同一の装置で成膜でき実用的で
あることからDC反応性スパッタで成膜する方が有利で
ある。なお、CuN膜の光学定数は、成膜条件を変化さ
せることによって広範囲に亘って制御することが可能で
ある。
ッタ,RF反応性スパッタのいずれによっても成膜でき
るが、放電の安定性に優れること,さらには他の機能
膜,例えばAl反射膜と同一の装置で成膜でき実用的で
あることからDC反応性スパッタで成膜する方が有利で
ある。なお、CuN膜の光学定数は、成膜条件を変化さ
せることによって広範囲に亘って制御することが可能で
ある。
【0062】一方、カルコゲナイド系非晶質合金膜とし
ては、単層構成であっても組成の異なる複数の合金膜が
積層された複数構成であっても良い。例えば、SbSe
合金膜とBiTe合金膜よりなる2層構成の合金膜は、
強度8〜8.5mW,線速2m/秒のレーザ光の照射に
よってSbSe合金とBiTe合金とが合金化して光学
定数が変化するので上記プリフォーマット用光学定数変
化層として用いることができる。
ては、単層構成であっても組成の異なる複数の合金膜が
積層された複数構成であっても良い。例えば、SbSe
合金膜とBiTe合金膜よりなる2層構成の合金膜は、
強度8〜8.5mW,線速2m/秒のレーザ光の照射に
よってSbSe合金とBiTe合金とが合金化して光学
定数が変化するので上記プリフォーマット用光学定数変
化層として用いることができる。
【0063】上記プリフォーマット用光学定数変化層へ
のプリフォーマット信号の書き込み,すなわち光学定数
変化部分の形成は、プリフォーマット用光学定数変化膜
を成膜した後、あるいは該プリフォーマット用光学定数
変化膜とこれ以外の機能膜を形成して媒体形態とした
後、プリフォーマット用光学定数変化膜のうちプリフォ
ーマット信号パターンに対応した部分にレーザ光を照射
して光学定数を変化させることによって行われる。
のプリフォーマット信号の書き込み,すなわち光学定数
変化部分の形成は、プリフォーマット用光学定数変化膜
を成膜した後、あるいは該プリフォーマット用光学定数
変化膜とこれ以外の機能膜を形成して媒体形態とした
後、プリフォーマット用光学定数変化膜のうちプリフォ
ーマット信号パターンに対応した部分にレーザ光を照射
して光学定数を変化させることによって行われる。
【0064】プリフォーマット用光学定数変化膜とこれ
以外の機能膜を形成して媒体形態とした後に光学定数変
化部分の形成を行う場合に、プリフォーマット専用ディ
スクドライブ,記録再生用ディスクドライブへの光磁気
記録媒体の脱着を該光磁気記録媒体にスピンドル軸を装
着した状態でスピンドールモータごと行う、あるいは光
磁気記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う記録再
生用ディスクドライブにプリフォーマット信号の書き込
み機能を持たせ、該記録再生用ディスクドライブでプリ
フォーマット光学定数変化部分の形成を行うようにする
と情報信号の記録再生に際するプリフォーマット信号と
スピンドル軸の偏芯量を低減できる。特に、記録再生用
ディスクドライブでプリフォーマット光学定数変化部分
の形成を行う場合に、光磁気記録媒体を記録再生用ディ
スクドライブのディスクテーブルに固定した形式とする
と、この偏芯量はさらに低減し、サーボ系にかかる負担
が軽減する。
以外の機能膜を形成して媒体形態とした後に光学定数変
化部分の形成を行う場合に、プリフォーマット専用ディ
スクドライブ,記録再生用ディスクドライブへの光磁気
記録媒体の脱着を該光磁気記録媒体にスピンドル軸を装
着した状態でスピンドールモータごと行う、あるいは光
磁気記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う記録再
生用ディスクドライブにプリフォーマット信号の書き込
み機能を持たせ、該記録再生用ディスクドライブでプリ
フォーマット光学定数変化部分の形成を行うようにする
と情報信号の記録再生に際するプリフォーマット信号と
スピンドル軸の偏芯量を低減できる。特に、記録再生用
ディスクドライブでプリフォーマット光学定数変化部分
の形成を行う場合に、光磁気記録媒体を記録再生用ディ
スクドライブのディスクテーブルに固定した形式とする
と、この偏芯量はさらに低減し、サーボ系にかかる負担
が軽減する。
【0065】すなわち、透明基板にプリフォーマット用
光学定数変化層とこれ以外の機能膜を形成した後、プリ
フォーマット信号を書き込む前に予め透明基板にハブを
装着しておく。このとき、ハブのハブ孔部近傍を弾性の
ある材料、たとえばポリカーボネート等で構成するとと
もにスピンドル軸とハブ孔のクリアランスが0もしくは
−となるようにハブ孔径を設定する。
光学定数変化層とこれ以外の機能膜を形成した後、プリ
フォーマット信号を書き込む前に予め透明基板にハブを
装着しておく。このとき、ハブのハブ孔部近傍を弾性の
ある材料、たとえばポリカーボネート等で構成するとと
もにスピンドル軸とハブ孔のクリアランスが0もしくは
−となるようにハブ孔径を設定する。
【0066】このようにハブが装着された透明基板を記
録再生用ディスクドライブのスピンドル軸にチャッキン
グしてプリフォーマット信号の書き込み、情報信号の記
録再生を行う。このような場合、プリフォーマット時の
プリフォーマット信号とスピンドル軸の偏芯量esd´
と、記録再生時のプリフォーマット信号とスピンドル軸
の偏芯量esdが等しくなる。
録再生用ディスクドライブのスピンドル軸にチャッキン
グしてプリフォーマット信号の書き込み、情報信号の記
録再生を行う。このような場合、プリフォーマット時の
プリフォーマット信号とスピンドル軸の偏芯量esd´
と、記録再生時のプリフォーマット信号とスピンドル軸
の偏芯量esdが等しくなる。
【0067】ここで、プリフォーマット信号とスピンド
ル軸の偏芯量esd´は、5μm以下であり、したがっ
て、記録再生時のプリフォーマット信号とスピンドル軸
の偏芯量esdも5μm以下ということになる。これは、
現状におけるプリフォーマット信号とスピンドル軸の偏
芯量esdの1/10に相当し、トラッキングサーボのサ
ーボ帯域のさらなる狭小化が図られることになる。
ル軸の偏芯量esd´は、5μm以下であり、したがっ
て、記録再生時のプリフォーマット信号とスピンドル軸
の偏芯量esdも5μm以下ということになる。これは、
現状におけるプリフォーマット信号とスピンドル軸の偏
芯量esdの1/10に相当し、トラッキングサーボのサ
ーボ帯域のさらなる狭小化が図られることになる。
【0068】なお、情報信号の記録を行うに際して、記
録開始レーザパワーP1は、プリフォーマット用光学定
数変化層の光学定数未変化部分の光学定数が変化してプ
リフォーマット信号に誤りを生ずるといったトラブルが
生じないように、光学定数変化部分を形成する際に照射
した書き込み開始レーザパワーP2よりも十分に小さい
値,すなわちP1<P2なる条件を満たすように設定す
ることが好ましい。さらに、情報信号の記録を光学定数
変化部分を記録トラックとして行うようにすると、プリ
フォーマット信号に誤りを生ずる危険性はより低減され
る。
録開始レーザパワーP1は、プリフォーマット用光学定
数変化層の光学定数未変化部分の光学定数が変化してプ
リフォーマット信号に誤りを生ずるといったトラブルが
生じないように、光学定数変化部分を形成する際に照射
した書き込み開始レーザパワーP2よりも十分に小さい
値,すなわちP1<P2なる条件を満たすように設定す
ることが好ましい。さらに、情報信号の記録を光学定数
変化部分を記録トラックとして行うようにすると、プリ
フォーマット信号に誤りを生ずる危険性はより低減され
る。
【0069】以上のようなプリフォーマット用光学定数
変化層に書き込まれるプリフォーマット信号としては、
先の例の光磁気記録媒体の場合と同様、通常のサーボ形
式で用いられるプリフォーマット信号がいずれも書き込
み可能である。
変化層に書き込まれるプリフォーマット信号としては、
先の例の光磁気記録媒体の場合と同様、通常のサーボ形
式で用いられるプリフォーマット信号がいずれも書き込
み可能である。
【0070】また、スピンドルチャックとしては、この
場合もハブに限らず、可能であれば加工精度,取付け精
度に優れたボスを用いるようにしても良い。
場合もハブに限らず、可能であれば加工精度,取付け精
度に優れたボスを用いるようにしても良い。
【0071】プリフォーマット用光学定数変化層が形成
される透明基板としても、先の例の光磁気記録媒体にお
いて例示したものがいずれも使用可能である。この場合
にも、プリフォーマット信号はプリフォーマット用光学
定数変化層の光学定数変化部分の形成によって書き込ま
れているので、これら透明基板に、さらに、凹凸を形成
することによってプリフォーマット信号を書き込む必要
がなく、表面平坦な円板状の透明基板を用いて良い。し
たがって、透明基板に凹凸パターンを持たせることによ
って生じる形状的欠陥,製造工程の煩雑化が回避でき、
凹凸パターンの形成は煩雑であるが面ブレが生じ難く透
明基板としての特性に優れたガラス基板の大量生産プロ
セスへの導入が容易になる。
される透明基板としても、先の例の光磁気記録媒体にお
いて例示したものがいずれも使用可能である。この場合
にも、プリフォーマット信号はプリフォーマット用光学
定数変化層の光学定数変化部分の形成によって書き込ま
れているので、これら透明基板に、さらに、凹凸を形成
することによってプリフォーマット信号を書き込む必要
がなく、表面平坦な円板状の透明基板を用いて良い。し
たがって、透明基板に凹凸パターンを持たせることによ
って生じる形状的欠陥,製造工程の煩雑化が回避でき、
凹凸パターンの形成は煩雑であるが面ブレが生じ難く透
明基板としての特性に優れたガラス基板の大量生産プロ
セスへの導入が容易になる。
【0072】また、光磁気記録層に用いられる材料、誘
電体層,反射層等,光磁気記録層以外に設けられる機能
層の適用についても先の光磁気記録媒体に準じて差し支
えない。但し、この場合には、プリフォーマット用光学
定数変化膜が主面全面に形成されており、記録信号が記
録される領域にも該プリフォーマット用光学定数変化膜
が積層されているので、従来の光磁気記録媒体とは最適
膜厚構成が異なる。したがって、これら各機能層の膜厚
は新たに設計する必要がある。
電体層,反射層等,光磁気記録層以外に設けられる機能
層の適用についても先の光磁気記録媒体に準じて差し支
えない。但し、この場合には、プリフォーマット用光学
定数変化膜が主面全面に形成されており、記録信号が記
録される領域にも該プリフォーマット用光学定数変化膜
が積層されているので、従来の光磁気記録媒体とは最適
膜厚構成が異なる。したがって、これら各機能層の膜厚
は新たに設計する必要がある。
【0073】なお、上記光磁気記録媒体においては、上
記プリフォーマット用光学定数変化層の積層位置は任意
であり、例えば基板上に第1の誘電体層,光磁気記録
層,第2の誘電体層,反射層が形成されてなる構成の光
磁気記録媒体に適用する場合には、基板と第1の誘電体
層の間,第1の誘電体層と光磁気記録層の間,光磁気記
録層と第2の誘電体層の間,第2の誘電体層と反射層の
間等の層間に形成しても良く、あるいは第1の誘電体
層,第2の誘電体層の膜内を横切るようにして挿入させ
ても差し支えない。
記プリフォーマット用光学定数変化層の積層位置は任意
であり、例えば基板上に第1の誘電体層,光磁気記録
層,第2の誘電体層,反射層が形成されてなる構成の光
磁気記録媒体に適用する場合には、基板と第1の誘電体
層の間,第1の誘電体層と光磁気記録層の間,光磁気記
録層と第2の誘電体層の間,第2の誘電体層と反射層の
間等の層間に形成しても良く、あるいは第1の誘電体
層,第2の誘電体層の膜内を横切るようにして挿入させ
ても差し支えない。
【0074】
【作用】透明基板上にプリフォーマット信号に対応する
パターンでプリフォーマット用反射膜が形成された光磁
気記録媒体では、例えば基板側からレーザ光を照射し反
射光量を検出すると、プリフォーマット用反射膜が形成
された領域とプリフォーマット用反射膜が形成されてい
ない領域とで反射光量が異なる。したがって、このよう
な反射光量の差異を検出することにより光学定数変化部
分の形成パターンが識別され、これによりプリフォーマ
ット信号が検出される。
パターンでプリフォーマット用反射膜が形成された光磁
気記録媒体では、例えば基板側からレーザ光を照射し反
射光量を検出すると、プリフォーマット用反射膜が形成
された領域とプリフォーマット用反射膜が形成されてい
ない領域とで反射光量が異なる。したがって、このよう
な反射光量の差異を検出することにより光学定数変化部
分の形成パターンが識別され、これによりプリフォーマ
ット信号が検出される。
【0075】一方、透明基板上にプリフォーマット信号
に対応するパターンで光学定数変化部分が形成されたプ
リフォーマット用光学定数変化層が積層された光磁気記
録媒体では、基板側からレーザ光を照射し反射光量を検
出すると、プリフォーマット用光学定数変化膜の光学定
数変化部分に対応する領域と光学定数が変化していない
光学定数未変化部分に対応する領域とで反射光量が異な
る。したがって、このような反射光量の差異を検出する
ことによりプリフォーマット用反射膜の光学定数変化部
分に形成パターンが識別され、これによりプリフォーマ
ット信号が検出される。
に対応するパターンで光学定数変化部分が形成されたプ
リフォーマット用光学定数変化層が積層された光磁気記
録媒体では、基板側からレーザ光を照射し反射光量を検
出すると、プリフォーマット用光学定数変化膜の光学定
数変化部分に対応する領域と光学定数が変化していない
光学定数未変化部分に対応する領域とで反射光量が異な
る。したがって、このような反射光量の差異を検出する
ことによりプリフォーマット用反射膜の光学定数変化部
分に形成パターンが識別され、これによりプリフォーマ
ット信号が検出される。
【0076】このようにこれら光磁気記録媒体では、そ
れぞれ反射光量を検出することにより、プリフォーマッ
ト信号が検出されるので、透明基板に、さらに凹凸パタ
ーンを形成することでプリフォーマット信号を書き込む
必要がない。したがって、透明基板に凹凸パターンを持
たせることによって生じる形状的欠陥,製造工程の煩雑
化が回避され、特に凹凸パターンの形成が煩雑なガラス
基板を透明基板に使用した場合でも簡易な工程で光磁気
記録媒体が製造される。
れぞれ反射光量を検出することにより、プリフォーマッ
ト信号が検出されるので、透明基板に、さらに凹凸パタ
ーンを形成することでプリフォーマット信号を書き込む
必要がない。したがって、透明基板に凹凸パターンを持
たせることによって生じる形状的欠陥,製造工程の煩雑
化が回避され、特に凹凸パターンの形成が煩雑なガラス
基板を透明基板に使用した場合でも簡易な工程で光磁気
記録媒体が製造される。
【0077】なお、プリフォーマット用反射膜のパター
ン形成は、例えば反射膜材料として昇華性金属材料を用
いた場合には、該昇華性金属材料を透明基板上に一様に
成膜して反射膜を成膜した後、この反射膜のうちプリフ
ォーマット信号パターンに対応した部分にレーザ光を照
射して昇華除去することによって行われる。このプリフ
ォーマット用反射膜のパターン形成に先行して、チャッ
キング部材を透明基板に予め装着しておくと、ハブの装
着ずれによるプリフォーマット信号とスピンドル軸の偏
芯量が低減する。
ン形成は、例えば反射膜材料として昇華性金属材料を用
いた場合には、該昇華性金属材料を透明基板上に一様に
成膜して反射膜を成膜した後、この反射膜のうちプリフ
ォーマット信号パターンに対応した部分にレーザ光を照
射して昇華除去することによって行われる。このプリフ
ォーマット用反射膜のパターン形成に先行して、チャッ
キング部材を透明基板に予め装着しておくと、ハブの装
着ずれによるプリフォーマット信号とスピンドル軸の偏
芯量が低減する。
【0078】一方、プリフォーマット用光学定数変化膜
の光学定数変化部分の形成は、プリフォーマット用光学
定数変化膜を成膜した後、あるいは該プリフォーマット
用光学定数変化膜とこれ以外の機能膜を形成して媒体形
態とした後、プリフォーマット用光学定数変化膜のうち
プリフォーマット信号パターンに対応した部分にレーザ
光を照射して光学定数を変化させることによって行われ
る。
の光学定数変化部分の形成は、プリフォーマット用光学
定数変化膜を成膜した後、あるいは該プリフォーマット
用光学定数変化膜とこれ以外の機能膜を形成して媒体形
態とした後、プリフォーマット用光学定数変化膜のうち
プリフォーマット信号パターンに対応した部分にレーザ
光を照射して光学定数を変化させることによって行われ
る。
【0079】このプリフォーマット用光学定数変化膜の
光学定数変化部分の形成を、プリフォーマット用光学定
数変化膜とこれ以外の機能膜を形成した後、該光磁気記
録媒体に対して記録及び/又は再生を行う記録再生用デ
ィスクドライブを用いて行うと、プリフォーマット信号
と記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸の偏芯量
が低減する。
光学定数変化部分の形成を、プリフォーマット用光学定
数変化膜とこれ以外の機能膜を形成した後、該光磁気記
録媒体に対して記録及び/又は再生を行う記録再生用デ
ィスクドライブを用いて行うと、プリフォーマット信号
と記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸の偏芯量
が低減する。
【0080】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面を参照
しながら説明する。
しながら説明する。
【0081】実施例1 本実施例は、円板状の透明基板上にプリフォーマット用
反射膜,第1の誘電体層,光磁気記録層,第2の誘電体
層,反射層が順次形成された光磁気記録媒体の例であ
る。
反射膜,第1の誘電体層,光磁気記録層,第2の誘電体
層,反射層が順次形成された光磁気記録媒体の例であ
る。
【0082】まず、図6に示すように、ガラス基板1上
に、膜厚10nmのBiTe合金膜2をスパッタリング
法によって成膜し、このBiTe合金膜2のうちプリフ
ォーマット信号に対応した部分に高強度のレーザ光LB
を照射した。その結果、レーザ光を照射した部分のBi
Te合金膜2が昇華し、図7に示すようにプリフォーマ
ット信号に対応したパターンのプリフォーマット用反射
膜3が形成された。なお、レーザ光照射による昇華条件
は以下の通りである。 昇華条件 線速:10m/秒 レーザ出力:10mW トラックピッチ:2μm
に、膜厚10nmのBiTe合金膜2をスパッタリング
法によって成膜し、このBiTe合金膜2のうちプリフ
ォーマット信号に対応した部分に高強度のレーザ光LB
を照射した。その結果、レーザ光を照射した部分のBi
Te合金膜2が昇華し、図7に示すようにプリフォーマ
ット信号に対応したパターンのプリフォーマット用反射
膜3が形成された。なお、レーザ光照射による昇華条件
は以下の通りである。 昇華条件 線速:10m/秒 レーザ出力:10mW トラックピッチ:2μm
【0083】このようにして形成されたプリフォーマッ
ト用反射膜3上に、図8に示すように第1のSi3 N4
誘電体層4、TbFeCo光磁気記録層5〔組成:Tb
x (Fe1-y Coy )1-x (但し、x=15〜20原子
%,y=7〜9原子%)、キュリー温度Tc≒190
℃〕、第2のSi3 N4 誘電体層6、Al反射層7をス
パッタリング法にて順次成膜し光磁気記録媒体を作製し
た。なお、これら各機能層の膜厚は以下の通りである。 機能膜の膜厚 プリフォーマット用反射膜:10nm 第1のSi3 N4 誘電体膜:40nm TbFeCo光磁気記録層:15nm 第2のSi3 N4 誘電体膜:20nm Al反射膜 :40nm
ト用反射膜3上に、図8に示すように第1のSi3 N4
誘電体層4、TbFeCo光磁気記録層5〔組成:Tb
x (Fe1-y Coy )1-x (但し、x=15〜20原子
%,y=7〜9原子%)、キュリー温度Tc≒190
℃〕、第2のSi3 N4 誘電体層6、Al反射層7をス
パッタリング法にて順次成膜し光磁気記録媒体を作製し
た。なお、これら各機能層の膜厚は以下の通りである。 機能膜の膜厚 プリフォーマット用反射膜:10nm 第1のSi3 N4 誘電体膜:40nm TbFeCo光磁気記録層:15nm 第2のSi3 N4 誘電体膜:20nm Al反射膜 :40nm
【0084】このようにして作製された光磁気記録媒体
について、線速10m/秒,読み取りレーザ出力1.5
mWの条件でプッシュプル変調度を求めた。なお、ここ
で、プッシュプル変調度とはプッシュプル法によって信
号レベルを測定したときの、プリフォーマット用反射膜
が形成された部分の和信号レベルIpoとプリフォーマッ
ト用反射膜が形成されていない部分の和信号レベルI
mit の比Ipo/Imit であり、このプッシュプル変調度
が大きい場合程、プッシュプル方式によってトラッキン
グサーボを行うのに有利であることを示す。
について、線速10m/秒,読み取りレーザ出力1.5
mWの条件でプッシュプル変調度を求めた。なお、ここ
で、プッシュプル変調度とはプッシュプル法によって信
号レベルを測定したときの、プリフォーマット用反射膜
が形成された部分の和信号レベルIpoとプリフォーマッ
ト用反射膜が形成されていない部分の和信号レベルI
mit の比Ipo/Imit であり、このプッシュプル変調度
が大きい場合程、プッシュプル方式によってトラッキン
グサーボを行うのに有利であることを示す。
【0085】測定の結果、上記光磁気記録媒体のプッシ
ュプル変調度は約1.3であり、プッシュプル方式でト
ラッキングサーボを行うのに十分なプッシュプル変調度
が得られた。このことから、所定のパターンで形成され
たプリフォーマット用反射膜は、トラッキングサーボを
行うためのトラック信号として有効であることがわかっ
た。
ュプル変調度は約1.3であり、プッシュプル方式でト
ラッキングサーボを行うのに十分なプッシュプル変調度
が得られた。このことから、所定のパターンで形成され
たプリフォーマット用反射膜は、トラッキングサーボを
行うためのトラック信号として有効であることがわかっ
た。
【0086】実施例2 本実施例は、円板状の透明基板上にプリフォーマット用
光学定数変化層,第1の誘電体層,光磁気記録層,第2
の誘電体層,反射層が順次形成されてなる光磁気記録媒
体の例である。
光学定数変化層,第1の誘電体層,光磁気記録層,第2
の誘電体層,反射層が順次形成されてなる光磁気記録媒
体の例である。
【0087】図9に示すように、ポリカーボネート基板
11上に、膜厚9nmのSbTe合金膜12,膜厚1n
mのBiTe合金膜13をスパッタリング法にて順次成
膜し、これら2層の合金膜12,13よりなるプリフォ
ーマット用光学定数変化層14を形成した。
11上に、膜厚9nmのSbTe合金膜12,膜厚1n
mのBiTe合金膜13をスパッタリング法にて順次成
膜し、これら2層の合金膜12,13よりなるプリフォ
ーマット用光学定数変化層14を形成した。
【0088】次いで、このようにして形成されたプリフ
ォーマット用光学定数変化層14上に第1のSi3 N4
誘電体層15、TbFeCo光磁気記録層16、第2の
Si 3 N4 誘電体層17、Al反射層18をスパッタリ
ング法にて順次成膜し未プリフォーマット媒体を作製し
た。なお、これら各機能層の膜厚は以下の通りである。 機能層の膜厚 プリフォーマット用光学定数変化層 SbTe合金膜 :9nm BiTe合金膜 :1nm 第1のSi3 N4 誘電体膜:1nm TbFeCo光磁気記録層:15nm 第2のSi3 N4 誘電体膜:12nm Al反射膜 :40nm
ォーマット用光学定数変化層14上に第1のSi3 N4
誘電体層15、TbFeCo光磁気記録層16、第2の
Si 3 N4 誘電体層17、Al反射層18をスパッタリ
ング法にて順次成膜し未プリフォーマット媒体を作製し
た。なお、これら各機能層の膜厚は以下の通りである。 機能層の膜厚 プリフォーマット用光学定数変化層 SbTe合金膜 :9nm BiTe合金膜 :1nm 第1のSi3 N4 誘電体膜:1nm TbFeCo光磁気記録層:15nm 第2のSi3 N4 誘電体膜:12nm Al反射膜 :40nm
【0089】このようにして作製された未プリフォーマ
ット媒体についてプリフォーマット信号に対応した部分
に高強度のレーザ光を照射した。その結果、図10に示
すようにレーザ光を照射した部分では、プリフォーマッ
ト用光学定数変化層14のSbTe合金とBiTe合金
が合金化して反射率が減少し、光学定数変化部分14a
が形成された。なお、光学定数変化部分14aの形成に
際するレーザ光照射条件は以下の通りである。 光学定数変化条件 線速:2m/秒 レーザパワー:12mW 周波数:500kHz パルス幅:1msec
ット媒体についてプリフォーマット信号に対応した部分
に高強度のレーザ光を照射した。その結果、図10に示
すようにレーザ光を照射した部分では、プリフォーマッ
ト用光学定数変化層14のSbTe合金とBiTe合金
が合金化して反射率が減少し、光学定数変化部分14a
が形成された。なお、光学定数変化部分14aの形成に
際するレーザ光照射条件は以下の通りである。 光学定数変化条件 線速:2m/秒 レーザパワー:12mW 周波数:500kHz パルス幅:1msec
【0090】この光学定数変化部分が形成された光磁気
記録媒体について、反射率変化信号として光学定数変化
部分の検出を行い、光学定数未変化部分に光磁気記録信
号を記録して再生を行い、それぞれC/N比を測定し
た。光学定数変化部分の検出条件及び光磁気記録信号の
再生条件は以下の通りである。 光学定数変化部分の読出し条件 線速:10m/秒 レーザパワー:1.5mW 光学定数未変化部分に記録した光磁気記録信号の書き込
み条件 線速:10m/秒 周波数:6.67MHz パルス幅:50nsec
記録媒体について、反射率変化信号として光学定数変化
部分の検出を行い、光学定数未変化部分に光磁気記録信
号を記録して再生を行い、それぞれC/N比を測定し
た。光学定数変化部分の検出条件及び光磁気記録信号の
再生条件は以下の通りである。 光学定数変化部分の読出し条件 線速:10m/秒 レーザパワー:1.5mW 光学定数未変化部分に記録した光磁気記録信号の書き込
み条件 線速:10m/秒 周波数:6.67MHz パルス幅:50nsec
【0091】その結果、光学定数変化部分は40dBの
C/N比で検出され、光学定数未変化部分に記録した光
磁気記録信号は49dB(at Popt =5.8mW)
のC/N比で再生され、いずれの場合にも十分なC/N
比が得られた。このことから、プリフォーマット用光学
定数変化層に形成された光学定数変化部分は、プリフォ
ーマット信号として検出可能であり、トラッキングサー
ボのトラック信号としても有効であることがわかった。
C/N比で検出され、光学定数未変化部分に記録した光
磁気記録信号は49dB(at Popt =5.8mW)
のC/N比で再生され、いずれの場合にも十分なC/N
比が得られた。このことから、プリフォーマット用光学
定数変化層に形成された光学定数変化部分は、プリフォ
ーマット信号として検出可能であり、トラッキングサー
ボのトラック信号としても有効であることがわかった。
【0092】なお、プリフォーマット用光学定数変化層
としてCuN膜を用いた場合にも、プリフォーマット用
光学定数変化層に形成された光学定数変化部分は、プリ
フォーマット信号として検出可能であることが確認され
ている。
としてCuN膜を用いた場合にも、プリフォーマット用
光学定数変化層に形成された光学定数変化部分は、プリ
フォーマット信号として検出可能であることが確認され
ている。
【0093】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
の光磁気記録媒体においては、透明基板上にプリフォー
マット信号に対応するパターンでプリフォーマット用反
射膜が形成され、あるいはプリフォーマット信号に対応
するパターンで光学定数変化部分が形成されたプリフォ
ーマット用光学定数変化層が積層されており、これらプ
リフォーマット用反射膜の形成パターン,プリフォーマ
ット用光学定数変化膜に形成された光学定数変化部分の
形成パターンを識別することにより、プリフォーマット
信号が検出できる。したがって、さらに透明基板に凹凸
を形成することで、プリフォーマット信号を書き込む必
要がなく、透明基板に凹凸パターンを持たせることによ
って生じる形状的欠陥,製造工程の煩雑化が回避でき、
特に凹凸パターンの形成が煩雑なガラス基板を透明基板
に使用した場合でも簡易な工程で光磁気記録媒体が製造
できる。これによりガラス基板の大量生産プロセスへの
導入も容易になり、ガラス基板の透明基板として適した
特性を光磁気記録媒体に活かすことが可能になる。
の光磁気記録媒体においては、透明基板上にプリフォー
マット信号に対応するパターンでプリフォーマット用反
射膜が形成され、あるいはプリフォーマット信号に対応
するパターンで光学定数変化部分が形成されたプリフォ
ーマット用光学定数変化層が積層されており、これらプ
リフォーマット用反射膜の形成パターン,プリフォーマ
ット用光学定数変化膜に形成された光学定数変化部分の
形成パターンを識別することにより、プリフォーマット
信号が検出できる。したがって、さらに透明基板に凹凸
を形成することで、プリフォーマット信号を書き込む必
要がなく、透明基板に凹凸パターンを持たせることによ
って生じる形状的欠陥,製造工程の煩雑化が回避でき、
特に凹凸パターンの形成が煩雑なガラス基板を透明基板
に使用した場合でも簡易な工程で光磁気記録媒体が製造
できる。これによりガラス基板の大量生産プロセスへの
導入も容易になり、ガラス基板の透明基板として適した
特性を光磁気記録媒体に活かすことが可能になる。
【0094】また、透明基板に凹凸を形成することでプ
リフォーマット信号を書き込む場合と異なり、透明基板
にハブを装着した後にプリフォーマット信号を書き込む
ことが可能となるので、ハブの装着ずれによるプリフォ
ーマット信号とスピンドル軸の偏芯が回避できる。特
に、プリフォーマット用光学定数変化層が形成された光
磁気記録媒体において、光学定数変化部分の形成を記録
再生用ディスクドライブで行うようにするとさらにプリ
フォーマット信号とスピンドル軸との偏芯量が低減し、
記録再生用ディスクドライブのサーボ系にかかる負担が
軽減できる。
リフォーマット信号を書き込む場合と異なり、透明基板
にハブを装着した後にプリフォーマット信号を書き込む
ことが可能となるので、ハブの装着ずれによるプリフォ
ーマット信号とスピンドル軸の偏芯が回避できる。特
に、プリフォーマット用光学定数変化層が形成された光
磁気記録媒体において、光学定数変化部分の形成を記録
再生用ディスクドライブで行うようにするとさらにプリ
フォーマット信号とスピンドル軸との偏芯量が低減し、
記録再生用ディスクドライブのサーボ系にかかる負担が
軽減できる。
【図1】プリフォーマット信号が書き込まれた透明基板
にハブが装着された様子を示す要部概略断面図である。
にハブが装着された様子を示す要部概略断面図である。
【図2】光磁気記録媒体を記録再生用ディスクドライブ
のディスクテーブルにチャッキングした状態を示す要部
概略断面図である。
のディスクテーブルにチャッキングした状態を示す要部
概略断面図である。
【図3】プリフォーマット信号の中心,ハブ孔の中心,
記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸の中心の関
係を示す模式図である。
記録再生用ディスクドライブのスピンドル軸の中心の関
係を示す模式図である。
【図4】プリフォーマット用反射膜が形成された透明基
板をプリフォーマット専用ディスクドライブのディスク
ドライブにチャッキングした状態を示す要部概略断面図
である。
板をプリフォーマット専用ディスクドライブのディスク
ドライブにチャッキングした状態を示す要部概略断面図
である。
【図5】CuN膜にレーザ光をDC照射したときのレー
ザパワーと戻り光強度の関係を示す特性図である。
ザパワーと戻り光強度の関係を示す特性図である。
【図6】プリフォーマット用反射膜の形成工程を示す概
略斜視図である。
略斜視図である。
【図7】形成されたプリフォーマット用反射膜の形成パ
ターンを示す概略斜視図である。
ターンを示す概略斜視図である。
【図8】プリフォーマット用反射膜が形成された光磁気
記録媒体の1構成例を示す要部概略断面図である。
記録媒体の1構成例を示す要部概略断面図である。
【図9】プリフォーマット用光学定数変化層が形成され
た光磁気記録媒体の1構成例を示す要部概略断面図であ
る。
た光磁気記録媒体の1構成例を示す要部概略断面図であ
る。
【図10】プリフォーマット用光学定数変化層に光学定
数変化部分が形成された状態を示す要部概略断面図であ
る。
数変化部分が形成された状態を示す要部概略断面図であ
る。
1,11・・・透明基板 3・・・・・・プリフォーマット用反射膜 4,15・・・第1の誘電体層 5,16・・・光磁気記録層 6,17・・・第2の誘電体層 7,18・・・反射層 14・・・・・プリフォーマット用光学定数変化層
フロントページの続き (72)発明者 菊地 稔 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 五十嵐 修一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 透明基板上に、少なくとも光磁気記録層
及びプリフォーマット信号に対応したパターンで光学定
数変化部分が形成されたプリフォーマット用光学定数変
化層が形成されてなることを特徴とする光磁気記録媒
体。 - 【請求項2】 透明基板上に、プリフォーマット信号に
対応したパターンでプリフォーマット用反射膜が形成さ
れ、このプリフォーマット用反射膜上に少なくとも光磁
気記録層が積層されてなることを特徴とする光磁気記録
媒体。 - 【請求項3】 請求項1記載の光磁気記録媒体のプリフ
ォーマット用光学定数変化層がCuの窒化物を主成分と
する材料よりなることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項4】 請求項1記載の光磁気記録媒体のプリフ
ォーマット用光学定数変化層に光学定数変化部分を形成
するに当たり、該光磁気記録媒体に対して記録及び/又
は再生を行う光磁気記録再生装置を用いることを特徴と
する光磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1又は請求項2記載の光磁気記録
媒体をプリフォーマットするに際し、透明基板にスピン
ドルチャック用治具を予め取り付けておくことを特徴と
する光磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22326793A JPH0714229A (ja) | 1993-04-30 | 1993-09-08 | 光磁気記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12469393 | 1993-04-30 | ||
JP5-124693 | 1993-04-30 | ||
JP22326793A JPH0714229A (ja) | 1993-04-30 | 1993-09-08 | 光磁気記録媒体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0714229A true JPH0714229A (ja) | 1995-01-17 |
Family
ID=26461318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22326793A Withdrawn JPH0714229A (ja) | 1993-04-30 | 1993-09-08 | 光磁気記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0714229A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6109408A (en) * | 1997-01-29 | 2000-08-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Driving force transmission system |
EP1205336A2 (en) | 2000-11-07 | 2002-05-15 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Power transmission apparatus for four-wheel drive vehicle |
-
1993
- 1993-09-08 JP JP22326793A patent/JPH0714229A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6109408A (en) * | 1997-01-29 | 2000-08-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Driving force transmission system |
US6315099B1 (en) | 1997-01-29 | 2001-11-13 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Driving force transmission system |
US6510932B2 (en) | 1997-01-29 | 2003-01-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Driving force transmission system |
EP1205336A2 (en) | 2000-11-07 | 2002-05-15 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Power transmission apparatus for four-wheel drive vehicle |
US6702706B2 (en) | 2000-11-07 | 2004-03-09 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Power transmission apparatus for four-wheel drive vehicle |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001128 |