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JPH07138205A - ノルボルネン類のジアルコキシカルボニル化法 - Google Patents

ノルボルネン類のジアルコキシカルボニル化法

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Publication number
JPH07138205A
JPH07138205A JP5288168A JP28816893A JPH07138205A JP H07138205 A JPH07138205 A JP H07138205A JP 5288168 A JP5288168 A JP 5288168A JP 28816893 A JP28816893 A JP 28816893A JP H07138205 A JPH07138205 A JP H07138205A
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JP
Japan
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copper
atom
reaction
palladium
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JP5288168A
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Usaji Takagi
夘三治 高木
Shinobu Aoki
忍 青木
Yoshihisa Inoue
佳尚 井上
Retsu Hara
烈 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノルボルネン類からその炭素炭素二重結合に
2個のカルボン酸エステル基が導入されたノルボルナン
類を高い反応成績と高い触媒活性で製造する。 【構成】 ノルボルネン類とアルコール、一酸化炭素お
よび酸素とを、(1) パラジウム金属またはその化合物、
(2) 銅の化合物、(3) 塩素化合物および(4) マンガンま
たは亜鉛の化合物を含有する触媒の存在下に反応させ
て、該ノルボルネン類の炭素炭素二重結合に2個のカル
ボン酸エステル基が導入されたノルボルナン類を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノルボルネン類とアル
コール、一酸化炭素および酸素から、ノルボルネン類の
炭素炭素二重結合に2個のカルボン酸エステル基(−C
OOR基)が導入されたノルボルナン類の製造方法に関
する。これらの化合物およびその誘導体は種々の化合物
の原料や樹脂への添加剤として重要な化合物である。ま
た一般式(1)〔化3〕
【0002】
【化3】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子またはメチ
ル基であり同一でも異種でもよく、R3 およびR4 はそ
れぞれ水素原子または−COOR5 基であり同一でも異
種でもよく、R5 は水素原子または炭素数1ないし3の
アルキル基を示す。)で表される原料のノルボルネン類
の置換基R3 および/またはR4 がカルボキシル基また
はカルボン酸エステル基である場合には、生成物のノル
ボルナン類は3もしくは4個のカルボン酸を有した化合
物またはその誘導体に変換でき、それらはイミド樹脂や
アミドイミド樹脂の原料となる重要な化合物である。
【0003】
【従来の技術】ノルボルネン類の炭素炭素二重結合に2
個のカルボン酸エステル基を導入した例はいくつかあ
る。例えば、特開昭63-57557号公報では、ビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン
酸ジエステルをパラジウム触媒、酸化剤(銅化合物ある
いは鉄化合物などで、原料のノルボルネン類に対して2
倍モル必要)の存在下、アルコールおよび一酸化炭素と
反応させてビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,
5,6−テトラカルボン酸テトラエステルを得ており、
また特開昭60-104039 号公報では、ジシクロペンタジエ
ン、一酸化炭素、アルコール及び/又はその誘導体であ
るアセタール、ケタール、オルト蟻酸アルキルを、パラ
ジウム触媒、銅又は鉄化合物及び/又は酸素の存在下に
反応させて〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸ジエステルを得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
方法では、いずれにおいても反応成績は充分満足すべき
ものではなく、また特にパラジウム触媒の活性が極めて
低く、工業的プロセスへの応用は到底望むべき程度には
なかった。本発明の目的はノルボルネン類とアルコー
ル、一酸化炭素および酸素を反応させて、反応成績を損
なうことなく高い触媒活性で、該ノルボルネン類の炭素
炭素二重結合に2個のカルボン酸エステル基が導入され
たノルボルナン類を製造する方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意触媒系の検討を続けた結果、ノル
ボルネン類とアルコール、一酸化炭素および酸素とを、
(1) パラジウム金属またはその化合物、(2) 銅の化合
物、(3) 塩素化合物および(4) マンガンまたは亜鉛の化
合物を含有する触媒の存在下に反応させると、該ノルボ
ルネン類の炭素炭素二重結合に2個のカルボン酸エステ
ル基が導入されたノルボルナン類が高い反応成績でかつ
高いパラジウムの触媒活性で得られることを見出し、本
発明を完成した。すなわち、本発明は、一般式(1)
〔化4〕
【0006】
【化4】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子またはメチ
ル基であり同一でも異種でもよく、R3 およびR4 はそ
れぞれ水素原子または−COOR5 基であり同一でも異
種でもよく、R5 は水素原子または炭素数1ないし3の
アルキル基を示す。)で表されるノルボルネン類と、ア
ルコ−ル、一酸化炭素および酸素とを、(1) パラジウム
金属またはその化合物、(2) 銅の化合物、(3) 塩素化合
物および(4) マンガンまたは亜鉛の化合物を含有する触
媒の存在下に反応させることを特徴とする、一般式
(2)〔化5〕
【0007】
【化5】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子またはメチ
ル基であり同一でも異種でもよく、R3 およびR4 はそ
れぞれ水素原子または−COOR5 基であり同一でも異
種でもよく、R5 は水素原子または炭素数1ないし3の
アルキル基であり、R6 は反応に用いたアルコールR6
OHの有機残基を示す。)で表される該ノルボルネン類
の炭素炭素二重結合に2個のカルボン酸エステル基が導
入されたノルボルナン類の製造方法である。
【0008】本発明の方法における原料の一般式(1)
で表されるノルボルネン類としては、例えば、ビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−2−エン(慣用名ノルボルネ
ン)、5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2
−エン、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2
−カルボン酸、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エ
ン−2−カルボン酸のメチル、エチルまたはプロピルエ
ステル、2−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−
5−エン−2−カルボン酸、2−メチル−ビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2−カルボン酸のメ
チル、エチルまたはプロピルエステル、ビシクロ〔2.
2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸また
はビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸のジメチル、ジエチルまたはジプロピルエ
ステルなどが挙げられ、その多くはディールズ・アルダ
ー反応で容易に製造される。
【0009】アルコールとしては,メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、オク
タノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、
フェノール、ベンジルアルコール、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコー
ルなどのアルコール類であり、更にはハロゲンやアルコ
キシ基等の反応を阻害しない置換基を有するアルコール
類でもよい。これらのアルコールの使用量は、特に制限
されるものではないが、通常ノルボルネン類1モルに対
して2モル以上であり、好ましくは2.5 ないし250 モル
の範囲であり、より好ましくは5ないし100モルであ
る。アルコールは反応原料としてのみならず溶媒として
使用してもよい。
【0010】本発明の方法に使用する一酸化炭素および
酸素は爆発範囲をさけるため、窒素、アルゴンまたは二
酸化炭素などの反応を阻害しないガスで希釈して用いる
ことが好ましい。酸素源としては空気を使用することも
できる。本発明の方法で実施する一酸化炭素の分圧は、
5メガパスカル(絶対圧、以下同様)以下であり、好ま
しくは0.0005ないし4メガパスカルの範囲である。酸素
の分圧は5メガパスカル以下であり、好ましくは0.0002
ないし3メガパスカルの範囲である。これらの一酸化炭
素、酸素および希釈ガスは必要量を反応器に一括して仕
込んでもよいし、必要な気体を連続的もしくは間欠的に
追加する方法、またはそれらの混合気体を連続的もしく
は間欠的に流通させる方法でもよい。反応に供する混合
気体は、毎回新たに調製されたものでもよいが、一度反
応に使用した残気体や流通させる方法における排ガスを
各成分気体の濃度を調整した後に、繰り返して使用する
こともできる。
【0011】本発明の方法による反応では、原料のアル
コールを実質的に溶媒とすることもできるが、反応を阻
害しないものであれば溶媒を使用することもできる。そ
のような溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジ
プロピルエーテル、メチルエチルエーテル、フェニルエ
チルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル
またはトリエチレングリコールジメチルエーテルなどの
エーテル類、アセトン、メチルエチルケトンまたはアセ
トフェノンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルま
たはプロピオン酸メチルなどのエステル類、ベンゼン、
トルエン、p-キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼ
ンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類また
はその置換化合物、n-ヘキサン、n-ペンタン、イソオク
タンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族または脂環族の
炭化水素類、プロピレンカーボネートや炭酸ジメチルな
どのカーボネート類、アセトニトリルやベンゾニトリル
などのニト類、ジメチルホルムアミドなどのアミド化合
物類、またはスルホランなどのスルン化合物類などが挙
げられる。
【0012】本発明の触媒の第1成分であるパラジウム
金属またはその化合物としては、例えば、パラジウム金
属を活性炭、シリカゲル、アルミナ、シリカアルミナ、
ケイソウ土、マグネスア、軽石またはモレキュラーシー
ブなどの担体に担持させたもの、パラジウム黒などのパ
ラジウム金属、パラジウムのジベンジリデンアセトン錯
体やテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
などの0価のパラジウム錯体、塩化パラジウムや臭化パ
ラジウムなどのハロゲン化パラジウム、硫酸パラウム、
燐酸パラジウムまたは硝酸パラジウムなどのパラジウム
の無機酸塩、酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム
または安息香酸パラジウムなどのパラジムの有機酸塩、
またはビス(アセチルアセトナート)パラジウム、シク
ロオクタジエンジクロロパラジウム、塩化パラジウムベ
ンゾニトリル錯体または塩化パラジウムアンミン錯体な
どのパラジウムの錯体の2価のパラジウムの化合物など
が挙げられる。これらのパラジウム金属またはその化合
物の使用量は、パラジウム原子として原料のノルボルネ
ン類1モルに対して0.05グラム原子以下であり、好まし
くは5×10-7ないし1×10-2グラム原子の範囲であ
る。本発明の触媒の第2成分である銅の化合物として
は、例えば、塩化銅や臭化銅などのハロゲン化銅、炭酸
銅、硝酸銅などの銅の無機酸塩、酢酸銅、プロピオン酸
銅、ステアリン酸銅または安息香酸銅などの銅の有機酸
塩、または銅アセチルアトナートや銅ベンゾイルアセト
ナートなどのような銅の錯体化合物などが挙げらる。こ
れらの化合物の銅の原子価は1価であっても2価であっ
ても良い。
【0013】これらの銅の化合物は単独で使用しても、
または2種以上を混合して使用してもよい。これらの銅
の化合物は反応混合液に溶解していることが好ましい
が、一部が不溶のままであっても差支えない。これらの
銅の化合物の使用量は、銅原子として反応混合液1リッ
トル当たり2グラム原子以下であり、好ましくは0.0005
ないし0.5 原子の範囲である。ただし触媒の第3成分の
塩素化合物として銅の塩化物を使用する場合には、この
化合物の銅原子も前記範囲に含めて銅の化合物を使用す
る。
【0014】触媒の第3成分である塩素化合物として
は、例えば、塩素もしくはその溶液または塩化水素もし
くはその溶液があり、また、ターシャリーブチルクロラ
イドやターシャリーアミルクロライドなどの3級アルキ
ルクロライドまたは塩化アセチルや塩化ベンゾイルなど
の酸塩化物などの塩素イオンを発生し易い有機塩素化
物、ホスゲンやクロル蟻酸メチルなどの含塩素炭酸誘導
体、五塩化リンなどの塩化リン、三塩化ホスホリルなど
のオキシ塩化リン、四塩化テルルなどのテルルの塩化
物、塩化チオニル、さらにはチタンおよびジルコニウム
などの4A族、バナジウムおよびタンタルなどの5A
族、クロムおよびモリブデンなどの6A族、マンガンな
どの7A族、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、パ
ラジウム、白金などの8族、銅などの1B族、亜鉛およ
びカドミウムなどの2B族、ゲルマニウムおよび錫など
の4B族、およびアンチモンおよびビスマスなどの5B
族の金属のその価数に応じた塩化物またはオキシ塩化物
などが挙げられる。これらのうち塩素、塩化水素、五塩
化リン、三塩化ホスホリル、オキシ三塩化バナジウム、
三塩化クロム、塩化マンガン、塩化鉄、塩化銅、塩化亜
鉛、塩化錫、塩化ビスマスなどが好ましい。これらは単
独で用いても、2種以上を混合して用いても構わない。
また他の触媒成分が塩素化合物である場合には、それに
この触媒第3成分の塩素化合物の一部または全部を兼ね
させることができる。これらの塩素化合物の使用量は、
塩素原子として反応混合液1リットル当たり1グラム原
子以下であり、好ましくは0.0001ないし0.1 グラム原子
の範囲である。ただし他の触媒成分に塩素原子を含む化
合物が用いられる場合には、その塩素原子をも含めた量
としての範囲である。
【0015】本発明の方法においては、触媒第3成分の
塩素化合物を、反応混合液中に存在する塩素原子が同じ
く存在する銅原子に対して原子比で2未満となるように
使用するとより好ましい。さらに好ましくは0.05ないし
1.90の範囲である。本発明における触媒の第4成分であ
るマンガンまたは亜鉛の化合物としては、マンガンまた
は亜鉛の酸化物、水酸化物、塩化物、または炭酸塩など
の無機化合物、酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コ
ハク酸、フェニル酢酸、安息香酸、フタル酸またはトル
エンスルホン酸などの1価または2価の有機酸の塩、ま
たはアセチルアセトナート錯体、シクロペンタジエニル
錯体またはカルボニル錯体などの錯体化合物などが挙げ
られる。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上
を同時に使用してもよい。これらの化合物は反応混合液
に溶解していることが好ましいが、一部が不溶であって
も差支えない。これらの触媒第4成分の化合物の使用量
は、含まれる金属原子の反応混合液中に存在する銅原子
に対するグラム原子比が0.01ないし50範囲であり、好ま
しくは0.05ないし10の範囲である。
【0016】以上に述べた触媒の第1、第2、第3、お
よび第4成分の化合物は、そのような化合物を反応系内
で生ずるような化合物の組み合わせでも構わない。本発
明の方法の反応形式としては回分式、半回分式または連
続流通式のいずれでもよい。本発明の方法における反応
の全圧は、使用する一酸化炭素、酸素および希釈ガスの
分圧によるが、通常50メガパスカル以下であり、好ま
しくは0.1 ないし30メガパスカルの範囲である。反応温
度は200 ℃以下であり、好ましくは40ないし160 ℃の範
囲である。反応時間は反応条件により変わるが、通常0.
01ないし24時間、好ましくは0.05ないし15時間である。
反応終了後、蒸留、抽出、再沈澱あるいは再結晶などの
常用の分離方法により、生成物を取り出すことができ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 ガラス製の円筒容器に、酢酸パラジウム3.14ミリグラム
(0.0140ミリモル)、酢酸第二銅・1水塩 699ミリグラ
ム(3.50ミリモル)、酢酸第一マンガン・4水塩 1.03
グラム(4.20ミリモル)を秤取し、これに80グラムのメ
タノールを加えたのち、ビシクロ[2.2.1 ]ヘプト−5
−エン−2 endo, 3 endo−ジカルボン酸ジメチルエステ
ルを29.4グラム(140 ミリモル)秤り取った。これに予
め直前に濃度を測っておいた塩化水素ガスをメタノール
に吸収させた液( 濃度0.7 N)を2.5 ミリリットル(塩
化水素量は1.75ミリモル)加え、さらに150 グラムのメ
タノールを加えた。この容器を1リットルのオートクレ
ーブに挿入した。オートクレーブの撹拌翼は弗素樹脂製
であり、温度測定管もガラスで保護されている。
【0018】オートクレーブに、全圧を 5メガパスカル
に保ちながら、一酸化炭素:酸素:窒素の分圧比が8.8
: 6.0 : 85.2の混合ガスを0.5 リットル/分(標準状
態)となるよう通じながら撹拌を続け100 ℃で9時間反
応させた。この間出口ガスは還流冷却器を通して排出さ
れた。反応終了後冷却放圧し、取り出した反応液をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、原料はなく、4
2.3グラム(129 ミリモル)のビシクロ[2.2.1 ]ヘプ
タン−2 endo, 3 endo, 5 exo, 6 exo−テトラカルボン
酸テトラメチルエステルが含まれていた。収率は92.1%
であり、パラジウム1グラム原子当たりに生成した目的
生成物のモル数(以降、Pdターンオーバーと略称す
る)は9210であり、極めて高い値であった。
【0019】比較例1 酢酸第一マンガン・4水塩を用いなかった以外は実施例
1と全く同様にした。原料の転化率は23.1%であり、ビ
シクロ[2.2.1 ]ヘプタン−2 endo, 3 endo,5 exo, 6
exo−テトラカルボン酸テトラメチルエステルの収率は
8.7%であった。Pdターンオーバーは870 である。
【0020】比較例2 塩化水素を用いなかった以外は実施例1と全く同様にし
た。原料の転化率は15.2%であり、ビシクロ[2.2.1 ]
ヘプタン−2 endo, 3 endo, 5 exo, 6 exo−テトラカル
ボン酸テトラメチルエステルは痕跡程度であった。
【0021】実施例2 塩化パラジウム2.48ミリグラム(0.0140ミリモル)、酢
酸第二銅・1水塩527ミリグラム(2.64ミリモル)、塩
化第二銅 115.8ミリグラム(0.861 ミリモル)、酢酸第
一マンガン・4水塩1.03グラム(4.20ミリモル)を秤取
し、一部のメタノールを加えた後、ビシクロ[2.2.1 ]
ヘプト−5 −エン−2 −メチル−2 −カルボン酸メチル
エステルを23.3グラム(140 ミリモル)とり、さらにメ
タノールを加えその全量を230 グラムとした。この原料
にはビシクロ環の2位のカルボン酸メチルエステルの e
ndo/exo 比が1/2.5 で含まれている。実施例1と同様に
反応させたところ、原料の転化率は100 %であり、ビシ
クロ[2.2.1 ]ヘプタン−2 exo −メチル−2 endo, 5
exo, 6 exo−トリカルボン酸トリメチルエステルが25.8
%の収率で、そしてビシロ[2.2.1 ]ヘプタン−2 endo
−メチル−2 exo, 5exo, 6 exo −トリカルボン酸トリ
メチルエステルが収率64.5%で生成しており、合計収率
は90.3%であった。生成物の両異性体の比は1/2.5 であ
り原料の異性体比と変わっていない。Pdターンオーバ
ーは9030であった。
【0022】実施例3 実施例2の原料をビシクロ[2.2.1 ]ヘプト−5 −エン
−2 −カルボン酸メチルエステル 21.3 グラム(140 ミ
リモル)に代えた以外は全く実施例2と同様にした。原
料にはビシクロ環の2位のカルボン酸メチルエステルの
endo/exo 比が3.2/1 で含まれている。その結果、原料
転化率は100 %であり、ビシクロ[2.2.1 ]ヘプタン−
2 endo, 5 exo, 6 exo−トリカルボン酸トリメチルエス
テルが収率67.4%、そしてビシロ[2.2.1 ]ヘプタン−
2 exo, 5 exo, 6 exo −トリカルボン酸トリメチルエス
テルが収率21.7%で生成しており、合計収率は89.1%で
あった。生成物の両異性体の比は3.1/1 であり原料の異
性体比とさほど変わっていない。Pdターンオーバーは
8910であった。
【0023】実施例4−14 表1に示す触媒成分の種類とその量および反応条件で、
実施例3と同様に反応させた。結果を実施例3の結果と
ともに表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例15 実施例1において、塩化水素のメタノール溶液(濃度
1.25 N ) を7.0 ミリリットル( 塩化水素量は8.75ミリ
モル) 用いた以外は実施例1と全く同様にした。反応混
合液中の塩素原子の銅原子に対するグラム原子比は、実
施例1では0.5 であったものが、ここでは2.5 となっ
た。その結果、ビシクロ[2.2.1 ]ヘプタン−2 endo,
3 endo, 5 exo, 6 exo−テトラカルボン酸テトラメチル
エステルの収率は80.4%であり、Pdターンオーバーは
8040であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ノルボルネン類
とアルコール、一酸化炭素および酸素を反応させて、該
ノルボルネン類の炭素炭素二重結合に2個のカルボン酸
エステル基が導入されたノルボルナン類を、高いパラジ
ウムの触媒活性でかつ高い反応成績で製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 烈 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子またはメチ
    ル基であり同一でも異種でもよく、R3 およびR4 はそ
    れぞれ水素原子または−COOR5 基であり同一でも異
    種でもよく、R5 は水素原子または炭素数1ないし3の
    アルキル基を示す。)で表されるノルボルネン類と、ア
    ルコ−ル、一酸化炭素および酸素とを、(1) パラジウム
    金属またはその化合物、(2) 銅の化合物、(3) 塩素化合
    物および(4) マンガンまたは亜鉛の化合物を含有する触
    媒の存在下に反応させることを特徴とする、一般式
    (2)〔化2〕 【化2】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子またはメチ
    ル基であり同一でも異種でもよく、R3 およびR4 はそ
    れぞれ水素原子または−COOR5 基であり同一でも異
    種でもよく、R5 は水素原子または炭素数1ないし3の
    アルキル基であり、R6 は反応に用いたアルコールR6
    OHの有機残基を示す。)で表される該ノルボルネン類
    の炭素炭素二重結合に2個のカルボン酸エステル基が導
    入されたノルボルナン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 ノルボルネン類がビシクロ〔2.2.
    1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジエステ
    ルであって、ノルボルナン類がビシクロ〔2.2.1〕
    ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸テトラエ
    ステルである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 反応混合液中の塩素原子の銅原子に対す
    るグラム原子比を2未満にする請求項1記載の方法。
JP28816893A 1993-11-17 1993-11-17 ノルボルネン類のジアルコキシカルボニル化法 Expired - Fee Related JP3342938B2 (ja)

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