[go: up one dir, main page]

JPH07134984A - 円筒型非水電解液二次電池 - Google Patents

円筒型非水電解液二次電池

Info

Publication number
JPH07134984A
JPH07134984A JP5281028A JP28102893A JPH07134984A JP H07134984 A JPH07134984 A JP H07134984A JP 5281028 A JP5281028 A JP 5281028A JP 28102893 A JP28102893 A JP 28102893A JP H07134984 A JPH07134984 A JP H07134984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
battery
secondary battery
electrolyte secondary
electrode mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5281028A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Kageyama
雅之 影山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP5281028A priority Critical patent/JPH07134984A/ja
Publication of JPH07134984A publication Critical patent/JPH07134984A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 円筒型非水電解液二次電池において、負極合
剤として、少なくとも(002)面の面間隔が3.70
Å以上,真密度が1.70g/cm3 未満,且つ空気気
流中における示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを
有しない炭素質材料と、炭素繊維及び結着剤よりなる混
合物を用いる。 【効果】 負極が十分に体積膨張し、これにより渦巻状
電極体外周と電池缶内周のクリアランスが埋まって電極
の巻き緩みが防止され、負極/正極間に適度な圧力が生
じる。したがって、電池反応が円滑に進行するようにな
り、高い電池容量が確保できるとともに優れたサイクル
特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円筒型非水電解液二次
電池に関し、特に充放電サイクル特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術のめざましい進歩は、電
子機器の小型・軽量化を次々と実現させている。それに
伴い、移動用電源としての電池に対しても、益々小型・
軽量且つ高エネルギー密度のものが求められるようにな
っている。
【0003】従来、一般用途の二次電池としては鉛電
池、ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系電池が主流
であった。しかし、これらの電池はサイクル特性には優
れるものの、電池重量やエネルギー密度の点で十分満足
できるものとは言えない。
【0004】一方、最近、負極にリチウムやリチウム合
金を用いた非水電解液二次電池が注目を集めている。こ
の電池は高エネルギー密度を有し、自己放電も少なく、
しかも軽量であり、二次電池として優れた特徴を有して
いる。しかし、充放電サイクルの繰り返しに伴い、リチ
ウムがデンドライト状に結晶成長し、セパレータの孔,
繊維の空隙を通過して、終には正極に到達し内部短絡を
起こすことや、リチウムが不活性化して粉末状に析出す
る等の欠点があり、このことが実用化への大きな障害に
なっている。
【0005】そこで、負極にリチウムやリチウムイオン
をドープ/脱ドープできるコークス類、グラファイト類
や有機高分子焼成体等の炭素質材料を使用する非水電解
液二次電池が提案されている。この電池は、上述のよう
な充放電サイクルの繰り返しによってリチウムがデンド
ライト状に結晶成長するといったことがなく、電池電圧
が高く、高エネルギー密度が得られることから大きな期
待がよせられている。
【0006】この場合、負極に用いる炭素質材料として
は、例えば特開昭62−122066号公報,特開昭6
2−90863号公報等に開示されているように、(0
02)面の面間隔が3.40〜3.60Å、真密度が
1.70〜2.20g/cm3程度のものが用いられる
のが通常である。しかし、(002)面の面間隔,真密
度のような形態的パラメータが上記範囲の炭素質材料
は、リチウムのドープ可能量が不十分で、電池のエネル
ギー密度を決定する大きな要因であるところの炭素の単
位重量当たりの容量(mAh/g)を、理論値(理論的
には、炭素原子6個に対してリチウム原子1個の割合で
ドープされる)の半分程度しか得ることができないこと
が判明している。
【0007】そこで、さらに特開昭63−21795号
公報には(002)面の面間隔が、3.70Å以上,真
密度が1.70g/cm3 未満,且つ空気気流中に於け
る示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有しない炭
素質材料を負極に用いると、サイクル寿命に優れるだけ
でなく放電容量も大きな非水電解液二次電池が実現する
ことが示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開昭63
−21795号公報に開示されているような形態的パラ
メータを有する炭素質材料は、大きなリチウムドープ量
を有するもののリチウムドープによる体積膨張率が小さ
いといった欠点がある。
【0009】すなわち、リチウムのドープ/脱ドープが
可能な炭素質材料は、リチウムがドープされると体積が
膨張するといった特性を有する。炭素質材料を負極に用
いる非水電解液二次電池では、このような炭素質材料の
体積膨張を利用して各部材同士間に圧力を高め、接触性
を確保している。したがって、リチウムドープによる体
積膨張率の小さい炭素質材料を用いた場合には、このよ
うな作用が得られないために接触不良が生じ、電極反応
の円滑性が損なわれる。
【0010】このような不都合を解消するため、特開平
5−234593号公報では、コイン型の非水電解液二
次電池の負極ペレットに、上記形態的パラメータを有す
る炭素質材料の他に、リチウムのドープによって大きく
体積膨張する炭素質材料を添加することで、負極ペレッ
トとその上に積層される負極集電体との接触性を確保す
るようにしている。
【0011】しかしながら、これら炭素質材料を負極に
使用する非水電解液二次電池は、その高エネルギー密度
性,軽量性から、ビデオ・カメラやラップ・トップ・パ
ソコン等の比較的消費電流の大きな携帯電子機器への適
用が主流になるものと考えられる。比較的消費電流が大
きな電子機器に用いる供給電源の形式としては、板状負
極と板状正極とがセパレータを介して積層され、この積
層体が渦巻き状に巻回されてなる渦巻式電極体が円筒状
の電池缶内に収容された,円筒形式が好ましい。これ
は、上記渦巻式電極体が、電極面積が大きくとれ、耐重
負荷特性に優れるからである。
【0012】ところが、円筒型非水電解液二次電池の場
合には、コイン型の場合と異なり、炭素質材料の体積膨
張によって、渦巻式電極体の容量を大きくし、該渦巻式
電極体外周と電池缶内周のクリアランスを埋めて電極の
巻き緩みを防止するとともに、正極/負極間に適度な圧
力を生じさせることを期待している。したがって、コイ
ン型の非水電解液二次電池とは、炭素質材料に求められ
る体積膨張率や、炭素質材料の体積膨張が電極反応に及
ぼす効果が異なるものと考えられる。
【0013】このため、コイン型非水電解液二次電池に
用いた手法,条件をそのまま円筒型非水電解液二次電池
に適用しても充放電サイクル特性のさらなる改善にはつ
ながらず、新たに条件を詳細に設定することが必要であ
る。
【0014】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、負極が十分に体積膨張
し、渦巻式電極体外周と電池缶内周のクリアランスが適
正であるとともに負極/正極間に適度な圧力が生じてお
り、高電池容量であって且つサイクル特性に優れた円筒
型非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の円筒型非水電解液二次電池は、板状負極
と板状正極とがセパレータを介して積層され、この積層
体が渦巻き状に巻回されることで構成された渦巻式電極
を有し、上記板状負極は、板状の負極集電体表面に、少
なくとも(002)面の面間隔が3.70Å以上,真密
度が1.70g/cm3 未満,且つ空気気流中における
示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有しない炭素
質材料と結着剤よりなる負極合剤が塗布されてなり、上
記板状正極は、板状の正極集電体表面に、少なくともリ
チウム遷移金属複合酸化物,導電剤及び結着剤よりなる
正極合剤が塗布されてなる非水電解液二次電池におい
て、上記負極合剤に、炭素繊維が添加されていることを
特徴とするものである。
【0016】また、上記負極合剤は、非水電解液の吸液
あるいはリチウムのドープによって体積が3〜14%の
膨張率で膨張することを特徴とするものである。
【0017】円筒型非水電解液二次電池は、板状負極と
板状正極とがセパレータを介して積層され、この積層体
が渦巻き状に巻回されてなる渦巻式電極体が、円筒状の
電池缶内に収容されて構成されている。
【0018】本発明では、上記板状負極に用いる負極合
剤として、少なくとも(002)面の面間隔が3.70
Å以上,真密度が1.70g/cm3 未満,且つ空気気
流中における示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを
有しない炭素質材料と、炭素繊維及び結着剤よりなる混
合物を用いることで、電池容量とサイクル特性の両立を
図ることとする。
【0019】すなわち、上記形態的パラメータを有する
炭素質材料は、リチウムドープ可能量が大きく、電池容
量を高める上では適している。しかし、リチウムがドー
プされたときの体積膨張率が小さく、負極合剤を体積膨
張させて渦巻式電極体外周と電池缶内周のクリアランス
を埋める,負極/正極間の圧力を高めるといった作用が
ほとんど得られない。このため、これと結合剤のみで負
極合剤を構成しても、電極反応の円滑性が得られない。
【0020】ここで、負極合剤に上記形態的パラメータ
を有する炭素質材料の他に炭素繊維を添加すると、炭素
繊維はその炭素層間にリチウムがドープされること,及
び電解液を吸液することによって大きく体積膨張するの
で、上記形態的パラメータを有する炭素質材料が体積膨
張しなくとも、この炭素繊維によって渦巻式電極体外周
と電池缶内周のクリアランスが埋まり、負極/正極間の
圧力が十分高められる。したがって電極反応が円滑に進
行し、高い電池容量が確保されるとともに、優れた充放
電サイクル特性が得られることになる。
【0021】上記炭素繊維を選択するに際しては、体積
膨張したときの形状,負極合剤に生じせしめる体積膨張
率,負極活物質としての性能に着目することが望まし
い。
【0022】まず、体積膨張したときの形状が繊維の軸
方向に対して垂直方向に膨張するもの,いわゆる繊維の
径方向に膨張する結晶構造をもつものが好適である。こ
れは、炭素繊維が重なり合うことにより炭素繊維の膨れ
が直接電極体積の増加に反映され、効率の良い体積膨張
が得られるからである。
【0023】また、負極合剤を厚み方向に3〜14%体
積膨張させ得るもの、さらに好ましくは負極合剤を厚み
方向に5〜12%体積膨張させ得るものを選定すること
が望ましい。負極合剤の体積膨張率が3%未満である
と、正極/負極間の圧力が不足し、電極反応が良好に進
行しない虞れがある。逆に、負極合剤の体積膨張率が1
4%を超えると、電池缶内における渦巻式電極体の占有
体積が大きくなり過ぎ、電解液の注入スペースが確保で
きなくなって電解液が不足する。
【0024】さらに、リチウムのドープ/脱ドープ量が
大きく、充放電の繰り返しによって不活性化するリチウ
ム量の少ないもの,すなわち体積膨張性能のみならず負
極活物質としての性能にも優れたものを用いるとより望
ましい。
【0025】ここで、この炭素繊維を負極合剤に多量に
含有させて負極活物質としての機能のほとんどを担わせ
ることも考えられるが、負極合剤中の炭素繊維の含有量
があまり多くなると、負極合剤体積密度が上がらない、
負極合剤スラリーを負極集電体に塗布する際に電極不良
が多発する等の繊維形状であるが故の様々な不都合が生
じ、好ましくない。なお、通常の場合、炭素繊維は、極
少量の添加によって負極合剤に3〜14%体積膨張させ
ることができ、この範囲の体積膨張を生じさせるだけの
添加量であれば、以上のような不都合を生じることはな
い。
【0026】以上のような負極合剤に混合される、(0
02)面の面間隔が3.70Å以上,真密度が1.70
g/cm3 未満,且つ空気気流中に於ける示差熱分析で
700℃以上に発熱ピークを有しない炭素質材料として
は、以下に例示するものがある。
【0027】すなわち、有機材料を焼成等の手法により
炭素化して得られる炭素質材料が挙げられる。炭素化の
出発原料としてはフルフリルアルコールあるいはフルフ
ラールのホモポリマー、コポリマーよりなるフラン樹脂
が好適である。具体的にはフルフラール+フェノール、
フルフリルアルコール+ジメチロール尿素、フルフリル
アルコール+ホルムアルデヒド、フルフリルアルコール
+フルフラール、フルフラール+ケトン類等よりなる重
合体が非水電解液二次電池用負極活物質として良好な特
性を示す。
【0028】あるいは、原材料として水素/炭素原子比
0.6〜0.8の石油ピッチを用い、これらに酸素を含
む官能基を導入し、いわゆる酸素架橋を施して酸素含有
量10〜20重量%の前駆体とした後、焼成して得られ
る炭素質材料も好適である。
【0029】さらには、前記フラン樹脂や石油ピッチ等
を炭素化する際にリン化合物、あるいはホウ素化合物を
添加することにより、リチウムに対するドープ量を大き
なものとした炭素質材料も使用可能である。
【0030】また、上記炭素繊維としては、気相法によ
り得られる気相成長系炭素繊維、有機高分子繊維を一連
の段階的加熱処理によってもとの繊維の形状を保ったま
ま炭素化して得られるもの、ピッチなどの紡糸,不融化
処理等の後に炭素化して得られるもの等がある。例えば
ポリアクリロニトリル系、セルロース系、ポリビニルア
ルコール系、フェノール系、ピッチ系等の炭素質及び黒
鉛質繊維を単独もしくは二種類以上混合して使用するこ
とができる。
【0031】一方、上記板状正極に用いられる正極合剤
は、正極活物質,導電剤及び結着剤よりなる正極合剤が
塗布されてなるものである。正極活物質としては、二酸
化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属化合物
や、硫化鉄等の遷移金属カルコゲン化合物、さらにはこ
れらとリチウムとの複合化合物を用いることができる。
【0032】電解液としては、例えばリチウム塩を電解
質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられ
る。有機溶媒としては、特に限定されるものではない
が、例えばプロピレンカーボネイト、エチレンカーボネ
ート、ジエチルカーボネイト、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチ
ル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホ
ラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニ
トリル等の単独もしくは二種類以上の混合溶媒が使用で
きる。
【0033】電解質も従来より公知のものがいずれも使
用でき、LiClO4 、LiAsF 6 、LiPF6 、L
iBF4 、LiB(C6 5 4 、LiCl、LiB
r、CH3 SO3 Li、CF3 SO3 Li等がある。
【0034】
【作用】本発明の円筒型非水電解液二次電池は、円筒状
の電池缶内に渦巻式電極体が収納されてなるものであっ
て、特に負極を構成する負極合剤として、(002)面
の面間隔が3.70Å以上,真密度が1.70g/cm
3 未満,且つ空気気流中における示差熱分析で700℃
以上に発熱ピークを有しない炭素質材料と、炭素繊維及
び結着剤が混合されてなる混合物を用いる。
【0035】このような負極合剤を用いる円筒型の非水
電解液二次電池では、上記形態的パラメータを有する炭
素質材料がリチウムドープ可能量が大きいことから高電
池容量が獲得される。
【0036】また、この炭素質材料とともに混合される
炭素繊維が、その炭素層間にリチウムがドープされるこ
と及び電解液を吸液することによって大きく膨張するの
で、この膨張を反映して負極合剤が体積膨張し、渦巻式
電極体外周と電池缶内周のクリアランスが埋まって電極
の緩みが防止されるとともに負極/正極間に適度な圧力
が生じる。したがって、電極反応が円滑に進行し、良好
な充放電サイクル特性が得られる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図
1,図2を用いて詳細に説明する。
【0038】実施例1 本実施例で作成した円筒型非水電解液二次電池の縦断面
図を図1に示す。上記円筒型非水電解液二次電池は以下
のようにして作成した。
【0039】まず、負極1は次のようにして作製した。
出発原料として石油ピッチを用い、これに酸素を含む官
能基を10〜20重量%導入(いわゆる酸素架橋)した
後、不活性ガス気流中1000℃で焼成して、ガラス状
炭素に近い性質を持った炭素質材料を得た。この材料に
ついてX線回折測定を行った結果、(002)面の面間
隔は3.76Åであった。またピクノメータ法により真
比重を測定したところ、1.58g/cm3 であった。
この炭素質材料を粉砕し、平均粒径10μmの炭素質材
料粉末とした。
【0040】このようにして得た炭素質材料粉末を負極
活物質担持体とし、これを87重量部、気相成長法炭素
繊維(VGCF:昭和電工社製)を3重量部、さらに結
着剤となるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を10重
量部をはかり採って混合し、負極合剤を調製した。この
負極合剤を、溶剤であるN−メチルピロリドンに分散さ
せて負極合剤スラリー(ペースト状)とした。
【0041】そして、負極集電体9となる厚さ10μm
の帯状銅箔の両面に、この負極合剤スラリーを塗布、乾
燥させた後、圧縮成型して帯状負極1を作製した。な
お、電極の寸法は、幅41.5mm、長さ720mmに
設計し、成型後の負極合剤の厚さは両面共に80μmで
同一とした。
【0042】正極2は次のようにして作製した。炭酸リ
チウム0.5モルと炭酸コバルト1モルを混合し、空気
中、温度900℃で5時間焼成してLiCoO2 を得
た。
【0043】このLiCoO2 を正極活物質とし、これ
を91重量部、導電剤となるグラファイトを6重量部、
結着剤となるポリフッ化ビニリデンを3重量部はかりと
って混合し、正極合剤を調製した。この正極合剤をN−
メチルピロリドンに分散させて正極スラリー(ペースト
状)とした。
【0044】この正極スラリーを、正極集電体10とな
る厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔の両面に均一に
塗布,乾燥させた後、圧縮成型して帯状正極2を作製し
た。なお、電極の寸法は、幅39.5mm、長さ660
mmに設計し、成型後の合剤厚さは両面共に80μmで
同一とした。
【0045】以上のようにして作成された帯状負極1と
帯状正極2を、厚さ25μm,幅44.0mmの微多孔
性ポリプロピレンフィルムをセパレータ3として、負極
1、セパレータ3、正極2、セパレータ3の順に積層
し、この積層体を渦巻状に多数回巻回した。そして、最
外周に位置するセパレータ最終端部を、幅40mmのテ
ープで固定することで外径19.6mm,高さ44.0
mmの渦巻式電極体を作製した。
【0046】上記渦巻式電極体を、ニッケルめっきを施
した鉄製電池缶5内に収納し、電極体上下両面に絶縁板
4を配置した。そして、正極集電体10からアルミニウ
ム製正極リード12を導出して電池蓋7に、負極集電体
9からニッケル製負極リード11を導出して電池缶5に
溶接した。
【0047】この渦巻式電極体が収納された電池缶5の
中に、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート
との等容量混合溶媒にLiPF6 を1モル/1なる割合
で溶解させた電解液を注入した。そして、アスファルト
で表面を塗布した絶縁封口ガスケット6を介して電池缶
5をかしめることにより、電流遮断機構を有する安全弁
装置8並びに電池蓋7を固定し、電池内の気密性を保持
させることで直径20mm、高さ50mmの円筒型非水
電解液二次電池を作成した。
【0048】実施例2 負極合剤の、負極活物質担持体として混合する炭素質材
料の混合量を89重量部、気相法炭素繊維(VGCF:
昭和電工社製)の混合量を1重量部にしたこと以外は実
施例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池を作成し
た。
【0049】実施例3 負極合剤の、負極活物質担持体として混合する炭素質材
料の混合量を89重量部、気相法炭素繊維(VGCF:
昭和電工社製)の混合量を5重量部にしたこと以外は実
施例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池を作成し
た。
【0050】比較例1 負極合剤に、気相法炭素繊維(VGCF:昭和電工社
製)を混合せずに、負極活物質担持体として混合する炭
素質材料の混合量を90重量部にしたこと以外は実施例
1と同様にして円筒型非水電解液二次電池を作成した。
【0051】さらに実施例1,実施例2,比較例1と同
様な方法で各合計20個の円筒型非水電解液二次電池を
作成した。
【0052】そして、これら電池について、上限電圧
4.2V,電流1Aの条件で定電流充電を2.5時間行
った後、抵抗6Ω,終止電圧2.75Vの条件で定抵抗
の放電を行うとった充放電サイクルを繰り返し行った。
そして、1サイクル終了後の電池を充電状態で分解し、
帯状負極の負極合剤厚みを測定した。また、10サイク
ル目の容量(以下、初期容量と称す)及び150サイク
ル目の容量を測定した。
【0053】各電池について、負極合剤へのVGCFの
添加量,負極を電池に組み込む前の負極合剤厚み,充放
電サイクルを1サイクル行った後の負極合剤厚み及び1
0サイクル目容量,150サイクル目容量(いずれも電
池20個の平均値)を表1に示す。また、負極合剤の膨
張率と容量保持率の関係を図2に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1からわかるように、負極合剤にVGC
Fを添加した実施例1〜実施例3の電池では、負極合剤
に炭素繊維を添加していない比較例の電池に比べて、充
放電を1サイクル行ったときの負極合剤の膨張量が大き
い。
【0056】このことから、負極合剤に添加する炭素繊
維を添加することは、負極合剤の体積膨張率を増大さ
せ、電極反応を円滑化する上で有効であることがわか
る。
【0057】しかし、図2を見ると、負極合剤の膨張率
には適正範囲があり、膨張率が3〜14%の範囲では高
い容量保持率が得られるものの、負極合剤の膨張率が3
%未満の範囲あるいは14%を超えた範囲では、十分な
容量保持率が得られないことがわかる。
【0058】負極合剤の膨張率が3%未満であるときに
容量保持率が不足したのは、渦巻式電極体外周と電池缶
内周のクリアランスが十分に埋まっておらず、正極/負
極間に十分な圧力が生じていないからである。一方、負
極合剤の膨張率が14%を超えた範囲で十分な容量保持
率が得られなかったのは、負極合剤の占有体積が大きく
なり過ぎて電解液を注入するスペースが確保できなくな
り、電解液が不足したからである。
【0059】したがって、炭素繊維を負極合剤に混合す
るに際しては、負極合剤の膨張率が3〜14%、より好
ましくは5〜12%となるような量で混合することが望
ましいことがわかる。
【0060】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の円筒型非水電解液二次電池は、負極合剤として、少
なくとも(002)面の面間隔が3.70Å以上,真密
度が1.70g/cm3 未満,且つ空気気流中における
示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有しない炭素
質材料と、炭素繊維及び結着剤よりなる混合物を用いる
ので、負極が十分に体積膨張し、これにより渦巻式電極
体外周と電池缶内周のクリアランスが埋まり、負極/正
極間に適度な圧力が生じる。したがって、電池反応が円
滑に進行し、高い電池容量が確保できるとともに優れた
サイクル特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した円筒型非水電解液二次電池の
一構成例を示す概略縦断面図である。
【図2】負極合剤の膨張率と容量保持率の関係を示す特
性図である。
【符号の説明】
1・・・帯状負極 2・・・帯状正極 3・・・セパレータ 4・・・絶縁板 5・・・電池缶 6・・・封口ガスケット 7・・・電池蓋 8・・・安全弁装置 9・・・負極集電体 10・・・正極集電体 11・・・負極リード 12・・・正極リード

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状負極と板状正極とがセパレータを介
    して積層され、この積層体が渦巻き状に巻回されること
    で構成された渦巻状電極を有し、 上記板状正極は、板状の正極集電体表面に、少なくとも
    リチウム遷移金属複合酸化物,導電剤及び結着剤よりな
    る正極合剤が塗布されてなり、 上記板状負極は、板状の負極集電体表面に、少なくとも
    (002)面の面間隔が3.70Å以上,真密度が1.
    70g/cm3 未満,且つ空気気流中における示差熱分
    析で700℃以上に発熱ピークを有しない炭素質材料
    と、炭素繊維及び結着剤よりなる負極合剤が塗布されて
    なることを特徴とする円筒型非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 上記負極合剤は、非水電解液の吸液ある
    いはリチウムのドープによって3〜14%の膨張率で体
    積膨張することを特徴とする請求項1記載の円筒型非水
    電解液二次電池。
JP5281028A 1993-11-10 1993-11-10 円筒型非水電解液二次電池 Withdrawn JPH07134984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5281028A JPH07134984A (ja) 1993-11-10 1993-11-10 円筒型非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5281028A JPH07134984A (ja) 1993-11-10 1993-11-10 円筒型非水電解液二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07134984A true JPH07134984A (ja) 1995-05-23

Family

ID=17633288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5281028A Withdrawn JPH07134984A (ja) 1993-11-10 1993-11-10 円筒型非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07134984A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6117576A (en) * 1997-02-26 2000-09-12 Rohm Co., Ltd. Battery device
CN1061474C (zh) * 1996-12-25 2001-01-31 中国科学院化学研究所 一种锂离子电池及其制造方法
JP2002231316A (ja) * 2001-01-30 2002-08-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池とその製造方法
JP2003051309A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池
WO2003077346A1 (en) * 2002-03-13 2003-09-18 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Battery and method for manufacturing spiral electrode group for use therein
JP2005276516A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Nec Tokin Corp 二次電池およびその製造方法
CN113474911A (zh) * 2019-02-27 2021-10-01 松下知识产权经营株式会社 卷绕型非水电解质二次电池
CN114062929A (zh) * 2021-11-15 2022-02-18 蜂巢能源科技有限公司 锂电池膨胀空间的设计方法和设计锂电池膨胀空间的设备

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1061474C (zh) * 1996-12-25 2001-01-31 中国科学院化学研究所 一种锂离子电池及其制造方法
US6117576A (en) * 1997-02-26 2000-09-12 Rohm Co., Ltd. Battery device
JP2002231316A (ja) * 2001-01-30 2002-08-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池とその製造方法
JP4719982B2 (ja) * 2001-01-30 2011-07-06 パナソニック株式会社 非水電解液二次電池とその製造方法
JP2003051309A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池
WO2003077346A1 (en) * 2002-03-13 2003-09-18 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Battery and method for manufacturing spiral electrode group for use therein
CN100456548C (zh) * 2002-03-13 2009-01-28 松下电器产业株式会社 电池及其所使用的涡旋状电极组的制造方法
US7501201B2 (en) 2002-03-13 2009-03-10 Panasonic Corporation Battery and method for manufacturing spiral electrode group for use therein
JP2005276516A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Nec Tokin Corp 二次電池およびその製造方法
CN113474911A (zh) * 2019-02-27 2021-10-01 松下知识产权经营株式会社 卷绕型非水电解质二次电池
CN114062929A (zh) * 2021-11-15 2022-02-18 蜂巢能源科技有限公司 锂电池膨胀空间的设计方法和设计锂电池膨胀空间的设备
CN114062929B (zh) * 2021-11-15 2023-09-22 蜂巢能源科技有限公司 锂电池膨胀空间的设计方法和设计锂电池膨胀空间的设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109962213B (zh) 复合负极活性材料、其制备方法和负极
US6156457A (en) Lithium secondary battery and method for manufacturing a negative electrode
JP3019421B2 (ja) 非水電解質二次電池
US11784314B2 (en) Negative electrode for lithium secondary battery and lithium secondary battery including the same
JPH04237971A (ja) 非水電解液二次電池
JP3436033B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP5121035B1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP4595145B2 (ja) 非水電解質電池
KR20080029479A (ko) 양극 활물질, 이를 포함하는 리튬 이차 전지, 및 이를포함하는 하이브리드 커패시터
CA3241251A1 (en) Negative electrode and secondary battery including the same
JP3633223B2 (ja) 正極活物質及びその製造方法並びに非水電解質二次電池
JPH07134984A (ja) 円筒型非水電解液二次電池
JP2007048717A (ja) 電池
JP3579340B2 (ja) 非水電解質二次電池
JPH06295744A (ja) 非水二次電池
JPH1074502A (ja) 非水電解液二次電池
JP3153922B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP3309449B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP3458389B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP4717275B2 (ja) 非水系二次電池
JP3501365B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP3163642B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP3337077B2 (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP3104264B2 (ja) コイン型非水電解液二次電池
KR102450634B1 (ko) 신규한 복합 음극활물질, 이를 포함하는 리튬 전지, 및 상기 복합 음극활물질의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010130