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JPH07134295A - 錐体物を用いた応用装置 - Google Patents

錐体物を用いた応用装置

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Publication number
JPH07134295A
JPH07134295A JP5253353A JP25335393A JPH07134295A JP H07134295 A JPH07134295 A JP H07134295A JP 5253353 A JP5253353 A JP 5253353A JP 25335393 A JP25335393 A JP 25335393A JP H07134295 A JPH07134295 A JP H07134295A
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JP
Japan
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light
cone
display device
light source
type display
Prior art date
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Granted
Application number
JP5253353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3283361B2 (ja
Inventor
Yoshiharu Oi
好晴 大井
Tsuneo Wakabayashi
常生 若林
Nariyuki Serizawa
成幸 芹澤
Yoshiyuki Sonda
嘉之 尊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AG Technology Co Ltd
Original Assignee
AG Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AG Technology Co Ltd filed Critical AG Technology Co Ltd
Priority to JP25335393A priority Critical patent/JP3283361B2/ja
Publication of JPH07134295A publication Critical patent/JPH07134295A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】均一な高コントラスト高輝度の表示を得る。 【構成】楕円鏡12、その第1焦点位置に光源11、第
2焦点位置に錐体物として凸錐体状プリズム1か凹錐体
状プリズム2か凸錐体状反射体10か凹錐体状反射体2
0のいずれかが配置され、集光用レンズ13が配置され
た光源装置と、表示素子15R〜15B、色分離合成光
学系、第2の集光用レンズ16R〜16B、投射用レン
ズ19等を備えた投射型表示装置で、光源からの光が錐
体物に入射せしめられ、そして錐体物の錐面から出射さ
れ拡散光となって集光用レンズ13に入射され、この集
光用レンズ13で平行光とされた後、色分離され各色毎
に設けられた表示素子15R〜15Bに入射されて、表
示色光とされた後、再び色合成され、そして投射用レン
ズ19によってフルカラーの画像がスクリーンに投射表
示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、錐体物を用いた光源装
置およびその応用装置、例えば照明装置や表示装置、な
かでも透過散乱型の動作モードの表示素子と前記光源装
置とを組み合わせた投射型表示装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】図23〜図26に従来例を示す。また、
本発明と以下に説明する従来例との性能等についての対
比を表6〜表11に示す。
【0003】まず、特開平4−113344に開示され
た発明を説明する。図26に、楕円鏡12と、楕円鏡1
2の第1の焦点と第2に焦点の位置近傍にそれぞれ配置
された光源11と第1の絞り17とから構成された光源
装置を示す。これを従来例100Aと呼ぶ。さらに、透
過散乱型の表示素子および投射光学系とが組み合わされ
た投射型表示装置を想定し従来例150Aと呼ぶ。この
発明は、指向性の高い平行光束かつ強い光束を得ること
に目的がある。
【0004】次に、図24に特開平4−142528の
発明を示す。これは、光源11と楕円鏡12と長尺台形
ロッド状のプリズム体5と第1の絞り17と集光性手段
13とで構成された光源装置を開示する。これを従来例
100Bと呼ぶ。さらに、透過散乱型の表示素子15と
第2の絞り18および投射レンズ19とが組み合わされ
た投射型表示装置が記載されており、これを従来例15
0Bと呼ぶ。
【0005】図23にプリズム体5の拡大断面図を示
す。このプリズム体5は、光の入射面側に凸状の錐面
(符号5a、5b)、出射面側に凸曲面(符号5e)を
備え、入射面側から出射面側に先細りの長尺の錐体形状
をなし、プリズム体5の内部の斜面(符号5f)におい
て光が多数回全反射することを特徴とする。
【0006】次に、国際公開WO92/16871に開
示された発明を挙げる。図25に、光源11と放物面鏡
14と、断面円錐形の二個の光学素子6a、6bから構
成された光源装置を従来例100Cとして示す。さら
に、透過散乱型の表示素子および投射光学系とを組み合
わせた投射型表示装置を想定し、これを従来例150C
と呼ぶ。ここで、光学素子6a、6bはその底面が向き
合うように配置され、二個が組み合わされて、二つの平
行光束の光路を平行移動して影のない略平行光束を得
る。
【0007】次に、特開平4−138410の発明を挙
げる。これには、光源と第1コンデンサーレンズと二個
のコーンレンズから構成された平行光光源部と、さら
に、第2コンデンサーレンズや投影レンズ等から構成さ
れた投影装置が開示される。この発明の主題は、スクリ
ーン上で略均一な照度分布の投影像を得ることにある。
本発明との対比のために想定した平行光光源部を従来例
100D、投影装置を従来例150Dと呼ぶ。
【0008】また、特開昭63−293547の発明を
挙げる。これには、二個の楕円鏡と光束変換部材として
機能するコーンプリズムから構成された照明光学装置が
記載されている。この発明の主題は高強度の1つの光束
を得ることにある。
【0009】また、日経エレクロトニクス第494号第
122頁には、光源部と、ダイクロイックミラーを入射
角45゜に配置した色分離合成光学系と、RGB毎に液
晶素子が配置構成された液晶フルカラーの投射型表示装
置が開示されている。この種の構成を有する装置を想定
し従来例300と呼ぶ。
【0010】以上、例示した従来例のうち、光源装置と
して機能する従来例100A〜100Dでは、光源から
発射された光を表示素子等の大きさに合わせて導き、そ
して適度な輝度の光束が得られるような幾つかの手段が
開示されている。つまり、非点光源である現実のランプ
光源からの光束の光路を、例えば平行移動して利用効率
を上げ、かつ均一化を達成しようとしている。
【0011】しかし、これらの従来例においても、光源
系から表示素子に照射される光の強度分布の均一性およ
び集光効率がまだ充分でなかった。何故なら、光源の有
限長の発光部の発光分布に起因する集光性の低下および
光束の不均一性を十分に補償することと、同時に指向性
の高い光束を得ることが困難であった。例えば、放物面
鏡による平行光束の集光角はおよそ12゜〜15゜程度
であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】まず、本発明では改良
された光源装置によって、従来例では得られなかった、
光の高い指向性、高い照射面光量均一性、そして極めて
高い照度を同時に達成する。また、高透過性と高散乱性
を備えた透過散乱型の表示素子と、この光源装置とを組
み合わせて構成した投射型表示装置によって、従来例の
投射型表示装置では得られなかった光の利用効率を達成
し、投射画像の高コントラスト比と高均一性を得ようと
する。また、小型でかつ堅牢な構造にせしめ、さらに投
射画像の光束およびコントラスト比の調整を達成しよう
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、まず、楕円鏡
12の第1焦点の位置近傍に光源11、楕円鏡12の第
2焦点位置近傍に錐体物がその頂点をほぼ光軸付近に位
置するように配置され、さらに集光性手段13が配置さ
れ、光源11から発した光は楕円鏡12で反射収束され
て該錐体物に入射され、該錐体物の錐面から出射され、
集光性手段13に拡散光となって入射され、そして、集
光性手段13によってほぼ平行な光束にせしめられるこ
とを特徴とする第1の光源装置を提供する。
【0014】また、上記の第1の光源装置において、該
錐体物の光軸を含む断面における頂角α1 に90゜〜1
75゜の角度を備え、入射面が平坦とされた凸錐体状プ
リズム1が用いられたことを特徴とする第2の光源装置
を提供する。また、上記の第1の光源装置において、該
錐体物の光軸を含む断面における頂角β1 に185゜〜
270゜の角度を備え、入射面が平坦とされた凹錐体状
プリズム2が用いられたことを特徴とする第3の光源装
置を提供する。また、上記の第1の光源装置において、
該錐体物の光軸を含む断面における頂角α2 に150゜
〜177゜の角度を備えた凸錐体状反射体10が用いら
れたことを特徴とする第4の光源装置を提供する。ま
た、上記の第1の光源装置において、該錐体物の光軸を
含む断面における頂角β2 に183゜〜210゜の角度
を備えた凹錐体状反射体20が用いられたことを特徴と
する第5の光源装置を提供する。
【0015】また、上記の第1〜5のいずれか1つの光
源装置において、該錐体物の光軸を含む断面における頂
角が少なくとも二つの断面において異なる形状を備えた
ことを特徴とする第6の光源装置を提供する。
【0016】また、上記の第1〜5のいずれか1つの光
源装置において、光軸を法線とする平面における該錐体
物の断面形状の少なくとも一つが楕円または長方形とさ
れたことを特徴とする第7の光源装置を提供する。
【0017】また、上記の第1〜7のいずれか1つの光
源装置において、該錐体物の前または後の位置に第1の
絞り17が設けられたことを特徴とする第8の光源装置
を提供する。
【0018】また、楕円鏡12の第1焦点の位置近傍に
光源11、楕円鏡12の第2焦点位置近傍に錐体物の頂
点がほぼ光軸付近に位置するように配置され、さらに集
光性手段13が配置され、光源11から発した光は楕円
鏡12で反射収束されて該錐体物に入射され、該錐体物
の錐面から出射され、集光性手段13に拡散光となって
入射され、そして、集光性手段13によってほぼ平行な
光束にせしめられてなる光源装置と、色分離手段の光学
面と光軸とのなす入射角度が15゜〜40゜、より好ま
しくは15゜〜35゜とされた色分離光学系と、色合成
手段の光学面と光軸とのなす入射角度が15゜〜40
゜、より好ましくは15゜〜35゜とされた色合成光学
系とからなる色分離合成光学系と、該色分離光学系から
該色合成光学系に至る光路の途中に配置された表示素子
15と、投射光学系とが設けられたことを特徴とする第
1の投射型表示装置を提供する。また、上記の光学面と
光軸との入射角度は、具体的には30゜がさらに好まし
い。また、光源装置から投射光学系に至る光路がほぼZ
字型をなしている。入射角によって透過分離特性が異な
り、45°で配置構成した場合に比して、光の波長に応
じた良好な特性が得られる。
【0019】また、上記の第1の投射型表示装置におい
て、色分離光学系の色分離手段と、色合成光学系の色合
成手段としてダイクロイックミラーが用いられ、色分離
せしめられた各色分離光の光路の途中に表示素子15が
配置され、さらに、この透過散乱型の表示素子15の前
または後の光路に第2の集光性手段16が配置されたこ
とを特徴とする第2の投射型表示装置を提供する。
【0020】また、上記の第2の投射型表示装置におい
て、第2の集光性手段16のほぼ焦点位置に開口部を有
する第2の絞り18が配置されたことを特徴とする第3
の投射型表示装置を提供する。
【0021】また、上記の第1〜第3のいずれか1つの
投射型表示装置において、該錐体物として凸錐体状プリ
ズム1が用いられたことを特徴とする第4の投射型表示
装置を提供する。
【0022】また、上記の第1〜第3のいずれか1つの
投射型表示装置において、該錐体物として凹錐体状プリ
ズム2が用いられたことを特徴とする第5の投射型表示
装置を提供する。
【0023】また、上記の第1〜第3のいずれか1つの
投射型表示装置において、該錐体物として凸錐体状反射
体10が用いられたことを特徴とする第6の投射型表示
装置を提供する。
【0024】また、上記の第1〜第3のいずれか1つの
投射型表示装置において、該錐体物として凹錐体状反射
体20が用いられたことを特徴とする第7の投射型表示
装置を提供する。
【0025】また、上記の第1〜第7のいずれか1つの
投射型表示装置において、表示素子15が、電極付き基
板間に正の誘電異方性のネマチック液晶が固化物マトリ
クス中に分散保持された液晶固化物複合体を有し、電圧
の印加時または非印加時のいずれかの状態において、そ
の固化物マトリクスの屈折率が用いられる液晶の屈折率
と一致せしめられた透過散乱型の動作モードを備えた表
示素子15とされたことを特徴とする第8の投射型表示
装置を提供する。また、上記の第1〜第8のいずれか1
つの投射型表示装置を用いたカラー照明装置を提供す
る。
【0026】また、複数分離光束を発する光源部と錐体
物と集光性手段13とを備えた光源装置と、外部信号に
より光の透過散乱の状態を可変せしめる機能を有する液
晶固化物複合体を備えた表示素子15とが組み合わされ
た光学装置であって、光源装置から出射された略平行光
束が前記液晶固化物複合体を複数回通過せしめられるこ
とを特徴とする第1の反射式光学装置を提供する。
【0027】また、この第1の反射式光学装置におい
て、表示素子15に対応するカラーフィルタが備えられ
るか、または、色分離合成光学系が設けれらてカラー光
が得られることを特徴とする第2の反射式光学装置を提
供する。また、この色分離合成光学系が設けられた反射
式光学装置においては、色分離合成光学系における光の
入射角がほぼ45゜とされる。
【0028】さらに、光源装置について説明する。光源
11の発光部は、実際には有限な寸法を有する円筒状物
体である。この場合、上記の第1の光源装置〜第8の光
源装置のいずれか1つの光源装置において、楕円鏡12
の第1焦点距離がF1 および、第2焦点距離がF2 (F
2 >F1 )とされ、楕円鏡12の回転対称軸に対する平
行方向および垂直方向における、光源11の発光部の長
さが各々R、Sとされ、錐体物の頂点が楕円鏡12の回
転対称軸に対する平行方向および、垂直方向における第
2焦点との各々の距離△R、△Sが、
【0029】△R≦0.25×R×(F2 /F12
つ、
【0030】△S≦0.5 ×S×(F2 /F1 )とさ
れてなることを特徴とする第9の光源装置を提供する。
【0031】また、上記の第9の光源装置において、光
源11の発光部の長さRと、錐体物の光入射側の有効面
積SA がそれぞれ、0.2mm≦R≦10mmおよび、
【0032】0.2×(R×F2 /F12 ≦SA
0.8×(F2 ×F1 )とされてなることを特徴とする
第10の光源装置を提供する。実際には1mm≦R≦7
mmの範囲にある光源ランプが多く用いられ得る。
【0033】上記の第1の光源装置〜第10の光源装置
のいずれか1つの光源装置において、集光性手段13の
焦点距離がf1 とされ、錐体物の光出射側の拡散光有効
面積となる、錐体物の光軸に垂直な有効断面積または第
1の絞り17の開口面積をSB とすると、
【0034】f1 2 /1000≦SB ≦f1 2/40の関
係が満たされてなることを特徴とする第11の光源装置
を提供する。
【0035】さらに説明を行う。楕円鏡の回転対称軸を
X軸、楕円鏡の第1焦点位置側の端点において、X軸と
垂直な直交軸をY軸およびZ軸とする直交座標系を考
え、楕円鏡の第1焦点位置に置かれた光源の発光部を、
X軸の長さがR、Y軸およびZ軸方向の直径がSである
円柱形状を仮定する。
【0036】このとき、楕円鏡の集光作用から、第1焦
点に置かれた発光体の像が第2焦点位置近傍に円柱形発
光体の拡大像として形成される。その大きさR’および
S’は近似的に次の関係が成立する。
【0037】R’=R×(F2 /F12 、かつS’=
S×(F2 /F1
【0038】これを図27に模式的に示す。錐体物とし
て凹錐体状プリズムを用いた場合であり、図2に示す光
源装置102の発光部11aと凹錐体状プリズム2と、
発光部の仮想結像と光軸axとを示す。また、凹錐体状
プリズムの中心付近の拡大模式図を図28に示し、L
cen は発光部の中心である。△Rと△Sについては後述
する。発光部の発光中心が楕円鏡の第1焦点にほぼ配置
され、錐体物(凹錐体状プリズム)の錐面の頂点がほぼ
第2焦点位置に配置されている。
【0039】したがって、第2焦点位置近傍に配置され
た錐体物は、その頂点がこの円柱形発光体の拡大像の範
囲内に存在すれば、光束均一化および集光作用が発現す
る。より好ましくは、錐体物の頂点は楕円鏡の第2焦点
位置から下式で規定されるR方位およびS方位の範囲に
配置される。なお、この仮想結像の原理は、他の錐体物
にも適用できる。
【0040】 △R≦0.25×R’=0.25×R×(F2 /F12 ………………(A) △S≦0.5 ×S’=0.5×S×(F2 /F1 )……………………(B)
【0041】楕円鏡を集光鏡として用いた場合、点光源
でない現実の発光部は長辺方向が楕円鏡の回転対称軸方
向に配置され、例えばR≧2×Sの長い円柱形で近似さ
れる。したがって、△Sの範囲を次の(C)式のように
規定することもできる。 △S≦0.25×R’=0.25×R×(F2 /F1 )…………………(C)
【0042】また、錐体物の光入射側の有効面積SA
は、第2焦点位置の発光体の拡大像を包含していること
が好ましい。一方、楕円鏡のY−Z軸方向の最大半径は
(F2×F11/2 であるため、錐体物の光入射側の有
効面の直径の上限は楕円鏡の最大直径の半分(F2 ×F
11/2 程度が好ましい。したがって、次の(D)式の
条件をみたすことが好ましい。
【0043】 0.2×(R×F2 /F12 ≦SA ≦0.8×(F2 ×F1 )………(D)
【0044】また、光源装置から出射される光束の平行
度Σは、集光性手段(13)である集光レンズの焦点距
離f1 と錐体物の光出射面の有効口径D1 とによって、
【0045】tan(Σ)=D1 /f1 と関係づけられ
る。このとき、錐体物の光出射面の有効口径D1 は錐体
物自体の有効断面積直径の場合と、開口絞り17の開口
径の場合の二つがあり得る。具体的には、図30に示す
コリメーション角ζがΣに相当する。
【0046】本発明の光源装置から得られる平行化光束
の好ましい範囲を、2。≦Σ≦10。とすると、錐体物
の光出射面の有効面積SB は、
【0047】 f1 2/1000≦SB ≦f1 2/40…………………………………………(E)の 関係をみたすことに対応する。さらに、平行度Σが2。
≦Σ≦6。の場合には、 f1 2/1000≦SB ≦f1 2/115………………………………………(F)の 関係をみたすことに対応する。さらに、平行度Σが4。
≦Σ≦8。の場合には、 f1 2/260≦SB ≦f1 2/64……………………………………………(G)の 関係をみたすことに対応する。
【0048】また、上記の各光源装置のうち透過型の錐
体物を用いるいずれかの光源装置において、発光部の長
さRと、第1焦点距離F1 と、第2焦点距離F2 と、表
示素子15の対角寸法DS と、集光性手段13の焦点距
離f1 と、透過型の錐体状プリズムの屈折率nP との間
に、次に示す数1の関係が満たされることを特徴とする
第12の光源装置を提供する。
【0049】
【数1】 1mm≦R≦7mm …………………………(a1 ) 1.5R≦F1 ………………………………(a2 ) 3≦F2 /F1 ≦8 …………………………(a3 ) 25≦f1 /DS ≦70 ……………………(a4 ) 40≦f1 2/SB ≦1000 ………………(a5 ) 1.45≦nP ≦1.65 …………………(a6 ) および、凸錐体状プリズムにおいては、 100゜≦α1 ≦150゜ …………………(a7 ) 又は凹錐体状プリズムにおいては、 210゜≦β1 ≦260゜ …………………(a8
【0050】また、上記の各光源装置のうち反射体の錐
体物を用いるいずれかの光源装置において、発光部の長
さRと、第1焦点距離F1 と、第2焦点距離F2 と、表
示素子15の対角寸法DS と、集光性手段13の焦点距
離f1 との間に、次に示す数2の関係が満たされること
を特徴とする第13の光源装置を提供する。
【0051】
【数2】 1mm≦R≦7mm …………………………(b1 ) 1.5R≦F1 ………………………………(b2 ) 3≦F2 /F1 ≦8 …………………………(b3 ) 25≦f1 /DS ≦70 ……………………(b4 ) 40≦f1 2/SB ≦1000 ………………(b5 ) および、凸錐体状反射体においては、 154゜≦α2 ≦169゜……………………(b6 ) 又は凹錐体状反射体においては、 191゜≦β2 ≦206゜ …………………(b7
【0052】そして、これらの第9〜第13の光源装置
を用いた第9の投射型表示装置を提供する。この場合、
表示素子周辺の色分離合成光学系等の光学系は上記の第
1〜第8の投射型表示装置と同様に構成する。次に、ま
ず図1を参照して本発明の投射型表示装置を概説する。
【0053】基本的な配置構成は、従来例300等と同
様に、光源装置とRGB3色の色分離合成光学系と投射
光学光学系とからなる。本発明の光源装置によって、高
指向性のほぼ平行な光束であり、かつ、大きな光束が得
られることにまず第1の特徴がある。そして、光源から
の光を有効利用し、不要な光を除去できる光学系と組み
合わせて高性能の投射型表示装置301を得る。
【0054】その光源装置101には、楕円鏡12と光
源11と光透過型の凸錐体状プリズム1もしくは凹錐体
状プリズム2、または凸錐体状反射体10もしくは凹錐
体状反射体20と集光性手段として集光用レンズ13と
を備える。この光源装置によって、例えば、集光角が2
゜〜10゜が得られる。好ましくは、R=2〜3mmの
場合におよそ2゜〜6゜、R=5mmの場合では、およ
そ4゜〜6゜の範囲の高指向性の強い光束を得ることが
できる。光源の発光部がより理想的な点光源に近づけ
ば、それだけ高い平行度が得られる。
【0055】本発明においては、有限の発光長を有する
発光部から放射され空間中で一様でない分離された不均
一な光束を錐体物を用いることで実用的な平行化光束を
生成する点に第1の特徴がある。
【0056】この場合、表示素子上での光照射面または
表示素子の表示面の対角寸法DS と発光部の長さRとの
比DS /Rを指数とすると、上述した集光角で表される
平行光の度合いと光利用効率との調和する好ましい範囲
がある。集光角の範囲が2゜〜10゜の場合は、およそ
10≦DS /R≦200の範囲にあることが好ましく、
2゜〜6゜の場合には、20≦DS /R≦200の範囲
にあることが好ましい。
【0057】次に、各部の構造について説明する。凸錐
体状プリズム1は、その断面での頂角が90゜〜175
゜の凸状頂角、凹錐体状プリズム2の場合は185゜〜
270゜の凹状頂角を有する。凸錐体状反射体10はそ
の断面での頂角が150゜〜177゜の凸状頂角、凹錐
体状反射体20の場合は、183゜〜210゜の凹状頂
角を有する。
【0058】つまり、光軸を含む断面での形状が凸型も
しくは凹型の構造であり、透過型のプリズムにおいては
入射面側は平坦面、出射面側が錐面となっていてプリズ
ム表面で屈折される。透過型のプリズムでは入射面側が
錐面、出射面側が平坦面の構造もとり得るが、前述した
構造の方が好ましい。反射体の場合は錐面に直接入射さ
れ、またこの錐面によって反射される。それらの形状お
よび配置については後述する。
【0059】楕円鏡12の第1の焦点位置近傍に光源1
1を配置し、光源11からの光は第2の焦点位置近傍に
楕円鏡12で反射集光され、そこに配置された錐体物、
すなわち凸型もしくは凹型の断面形状を有する錐体状の
プリズムもしくは反射体に入射される。そして、次に表
示素子15の方向に位置する凸面または凹面の錐面から
光が錐体物への入射光とは異なった配光分布をもって出
射され、集光性手段である集光レンズ13に到達し、こ
の集光レンズによってほぼ平行光化された光束となる。
【0060】なお、錐体物は楕円鏡12の第2の焦点位
置に配置することが、最も効率が良いが、場合によって
はその光軸方向の前後にずれて配置されることもあり得
る。厳密には、光源11の光の配向分布によって最適位
置が決まる。理想的第2焦点位置に対し、例えば、楕円
鏡の形状や発光部の長さに依存するが、三次元空間中に
直径2cm程度の許容範囲があり得る。
【0061】
【作用】本発明では有限の発光長を有する発光部からの
光を、まずその光束密度を高めて特定方向に指向性およ
び均一性の高い平行光束を生成する。また、楕円鏡で光
源のかなりの部分を覆っているので、光源から出た光の
多くが楕円鏡の反射により有効に利用でき効率が大きく
向上する。さらに、集光用レンズを用いているので、小
型の錐体物かつ小型の楕円鏡ですみ、表示素子の有効面
に対応した大型の放物面鏡を用いる必要はない。また、
錐体物と楕円鏡の体積比はおよそ1/10〜1/100
程度である。
【0062】また、錐体物の前または後に、錐体物の有
効光学面以外に到達した光が集光性手段に届かないよ
う、錐体物の有効光学面に対応した開口を有する第1の
絞りを設置する。実際には、錐体物を保持するホルダー
が、絞りの機能を果たすことになる。円形や、正方形
や、楕円形や、長方形などのように、表示素子の光学的
形状に合った開口部を有する絞りが好ましい。
【0063】これにより、有限長の発光部から発し、第
2焦点位置近傍に集光されない光成分および楕円鏡で反
射しなくて第2焦点位置近傍を通らず直接集光性手段に
向かう光成分を除去し、光束の指向性を揃えることがで
き、表示素子が散乱状態のときスクリーンに到達する不
要な光を減少させ、コントラスト比を飛躍的に向上させ
ることができる。特に、表示素子とスクリーンとの間
に、散乱光を除去する手段として第2の絞りを設けると
この効果はさらに高まる。この第2の絞りの開口形状は
第1の絞りと相似形であることが好ましい。
【0064】ここで、図30を参照して、本発明の基本
的光学構成について説明する。表示素子への入射光の指
向性は、関係式(A1 ):tanζ≒D1 /f1 によっ
てコリメーション角ζとして定義される。ここで、D1
は楕円鏡の第2焦点位置に設けられた第1の開口絞り1
7の平均直径、f1 は集光レンズ(第1の集光性手段1
3)の焦点距離を示す。表示素子の透過光のうちスクリ
ーンに投射される光は、関係式(A2 ):tanη≒D
2 /f2 で定義される集光角ηまでの指向性の光であ
る。
【0065】ここで、D2 はフィールドレンズ(第2の
集光性手段16)の焦点位置に設けられた第2の絞り1
8の平均直径、f2 はフィールドレンズの焦点距離を示
す。このように配置構成された光学系において、集光角
ηは上記のコリメーション角ζとほぼ等しく設定するこ
とが好ましい。
【0066】さらに、透過散乱モードを有する液晶光学
素子を用いた投射型の液晶光学装置におけるコリメーシ
ョン角ζとスクリーン上に投射された光のコントラスト
を図29に示す。表示素子は後述する液晶固化物複合体
を機能層とする液晶光学素子であり、その駆動電圧が6
Vの場合を示す。なお、この場合矩形波による駆動であ
って、その振幅値を指す。
【0067】そして、楕円鏡を用いた場合に生じる第2
焦点位置での光軸のなす角度の小さな光成分の不足に起
因した表示素子の面内光強度分布の不均一性が、光源お
よび楕円鏡の形状および表示素子の表示面積に応じて頂
角α1 が90゜〜175゜の凸錐体状プリズムまたは頂
角β1 が185゜〜270゜の凹錐体状プリズム、また
は、頂角α2 が150゜〜177゜の凸面錐体状反射体
または頂角β2 が183゜〜210゜の凹面錐体状反射
体を用いることにより、改善され均一化される。光の使
用効率および投射スクリーン上での輝度分布の点で、さ
らに好ましくは、上記各角度範囲の中央付近がよい。ま
た、入射面側の複数の分離光束が出射面側で密に折り重
なった方がより好ましい。
【0068】好ましくは、光軸を法線とする面に平行な
断面において光束の60%以上が重なった方がよい。さ
らに、これらの錐体物の錐面と第1の絞りを通過した光
のみが表示素子に入射するため光束の指向性が極めて揃
うことになる。そして、散乱光を除去する手段である第
2の絞りにより透過散乱型の表示素子を通過した透過光
から高い効率で散乱光を除去でき、高コントラスト比の
投射画像を得ることができる。
【0069】さらに、本発明では楕円鏡12の第2の焦
点位置に設置された錐体物の頂角に応じて、集光用レン
ズ13に入射する光束の配向分布が調整できるため、表
示素子15が非正方形の場合でも有効に表示素子面に光
を集光できる。
【0070】例えば、縦横比が3:4のNTSCおよび
9:16のハイビジョンに対しては、光軸を含むプリズ
ムの断面において、凸錐体状プリズム1を用いる場合は
縦方向の頂角が横方向(長手方向)の頂角より小さな角
度となるよう、例えば、凹錐体状プリズム2を用いる場
合には、縦方向の頂角が横方向の頂角より大きな角度に
なるよう、光軸に垂直な断面での形状が楕円形または長
方形であるプリズムを用いることにより可能となった。
反射型の錐体物を用いる場合も同様である。
【0071】また、投射型表示装置においては、楕円鏡
12の第2の焦点位置近傍に設置された第1の絞り17
と、散乱光を除去する手段として設置された第2の絞り
18との開口度を可変とし、例えば、周囲が暗い際に
は、周囲からの光によるスクリーンへの影響は少なく、
投射画像上の暗い点も判別できるので、二つの絞りを絞
りこんで通過光量は減っても、コントラスト比は高くな
るように調整することもでき、コントラスト比が高く見
やすい明るさの表示画像が得られる。
【0072】また、逆に周囲が明るい際には、周囲から
の光がスクリーンに写り込むため、投射型表示装置によ
る投射像の暗部が、ある程度明るく見えてしまうため、
この際には2つの絞りを開けて、投射光量を上げ、スク
リーンを明るくすることにより、高コントラスト比とす
ることができ、より見やすくすることができる。このよ
うにして、二つの絞りを連動させて周囲の明るさ環境に
応じて最適な投射画像が得られる。
【0073】
【実施例】
(実施例1)図19に、実施例1として投射型表示装置
151を示す。本実施例では、光源11は楕円鏡12の
第1の焦点に配置され、光源11から出た光は楕円鏡1
2で反射され、ほぼ第2の焦点位置に設けられた透過型
の凸錐体状プリズム1の入射面に入射し屈折した後、そ
の内部を光が進行し、凸錐面で屈折し出射し、その結
果、光束方位角が変化し、集光性手段として設けられた
集光性手段13(集光用レンズ)に向かって進行せしめ
られた。そして集光性手段13でほぼ平行にされた。ま
た、凸錐体状プリズム1と集光性手段13との間に第1
の絞り17が設けられた。
【0074】さらに、光束が揃えられて平行となった光
は、透過散乱型の表示素子15を通過して、第2の集光
性手段16(集光用レンズ)で集光され、散乱光を除去
する手段としての第2の絞り18により散乱光が除去さ
れ、投射用レンズ19により図示されていないスクリー
ンに投射された。
【0075】この投射型表示装置151において、光源
11、楕円鏡12、凸錐体状プリズム1、第1の絞り1
7で光源装置101Aが構成された。そして集光用レン
ズ16、第2の絞り18、投射用レンズ19で投射光学
系が構成された。
【0076】光源11としては、放電発光型のメタルハ
ライドランプ、キセノンランプおよびフィラメント発光
型のハロゲンランプ等で、いずれも光源11を構成する
電極、管球ガラス、保温膜、フィラメント等の遮光部が
存在し、光源11から放出される光は、光軸と平行方位
近傍の出射光が少ないとともに、楕円鏡12からの反射
光も光軸と平行方位近傍の出射光成分が少なかった。
【0077】上述した従来例では、楕円鏡12の第2焦
点における光軸とのなす角度が約10゜以下の光が不足
しがちのため表示素子15の中心付近に影が生じるか照
射面内での照度むらが生じるか、または光束全体での指
向性が劣化し、そのため高コントラスト表示ができなか
ったか、または集光効率が低かった。本実施例では、プ
リズムと空気との界面での屈折により、出射後の光束方
位角が変化し、光軸とのなす角度が約10゜以下の光の
不足を補い、表示素子15の中心付近(およそ光軸の近
傍)の光強度不均一性が修正され面全体でも光強度が均
一化された。
【0078】楕円鏡12の第2焦点付近において不足す
る平行光近傍角度成分は、光源11の遮光部の形状およ
び楕円鏡12の形状に応じて変わる。従って、凸錐体状
プリズム1の頂角の形状は光源11の発光角度分布、楕
円鏡12の形状および必要とする表示素子15における
光強度分布に応じて最適値が存在する。その原理につい
ては後述する。また、本実施例では、1個の表示素子1
5としているが、画素毎にモザイク状のカラーフィルタ
を形成するか、各色毎に複数個の表示素子15を用いて
フルカラー表示を行うこともできる。
【0079】本実施例の各部についてさらに説明する。
表示素子15は正の誘電異方性のネマチック液晶をカプ
セルに封入してなる液晶固化物複合体を備えたもので、
その表示部は対角3. 4サイズ、TFTの開口率は50
%で、透過時の光の最大透過率は38%であった。
【0080】光源装置としての構成は、光源11(発光
アーク長R=5mm、250Wのメタルハライドラン
プ)、楕円鏡12(第1の焦点距離F1 =15mm、第
2の焦点距離F2 =100mm、奥行全長h=50m
m、開口直径=76.8mm)、凸錐体状プリズム1
(頂角α1 =120゜、底面断面直径30mm、高さ1
2mm、ただし錐体状のプリズムの傾斜面の高さは8.
66mm)、そして透過散乱型の表示素子15の前に配
置された集光用レンズ13(焦点距離f1 =160mm
の凸レンズ)を用いた。および、凸錐体状プリズム1の
光出射側の凸面に近接して直径D1 =17mmの開口部
を有する第1の絞り17(例えば、単一円形開口)を用
いた。
【0081】これらの光源装置の部分拡大図を図15、
図16に示す。光源の発光部11aは、その構造のため
全方位に光を出射することができず、特に光軸の方位の
光が不足する。図16においてハッチングで示す範囲が
光の進行する主な光路であり、凸錐体状プリズム1から
発光部11a側においては光軸付近に光路がないことが
示されている。しかし、凸錐体状プリズム1の錐面から
出射した光は、光軸部分を含んで実用上ほぼ一様な光束
となって進行していく。
【0082】図19を参照しさらに説明を続ける。凸錐
体状プリズム1、および第1の絞り17の開口部を通過
した光は、光軸上で凸錐体状プリズム1から160mm
離れた位置に設けられた集光用レンズ13で平行光化さ
れ表示素子15に入射せしめられた。
【0083】この表示素子15を透過した光のうち、散
乱光の除去のために配置された集光用レンズ16(焦点
距離f2 =200mmの凸レンズ)とその焦点位置に設
置された第2の絞り18(開口直径D2 =21mm)を
通過した光のみが、投射レンズ19を通してスクリーン
上に液晶表示画像として結像された。
【0084】この投射型表示装置151を用いて、40
インチスクリーンに表示を投射した。この際の暗い室内
におけるスクリーン上の照度分布(中心、最大、周辺:
lux)、光束(lm)およびコントラスト比は表1に
示すようになった。同表には、従来例150Aを比較例
1とし、プリズムと絞りの両方を全く用いない光源装置
を用いた場合の投射型表示装置を比較例2とし、さらに
後述する実施例4を対比するため示す。
【0085】
【表1】
【0086】この結果からも明らかなように、投射像の
照度分布を均一化するとともに、スクリーン面内の積算
光量である光束(lm:ルーメン)をコントラスト比を
劣化させることなく増すことができた。特に、従来例に
おけるスクリーン中心付近の著しい光量不足(前述した
光軸付近の光量不足)が改善され、スクリーン中心で最
大照度が得られ、大面積表示画面として明るく見やすい
表示となった。
【0087】図5に、凸錐体状プリズム1の拡大断面と
近傍での光路を示す。これは4角錐または円錐もしく
は、入射面に平行な断面がほぼ楕円である楕円状円錐で
あり、その光軸に沿って切った断面はほぼ三角形とな
る。これらに類似する形状で光学的に同じ作用を果たす
ことができればよい。図5に楕円鏡12から放射されて
進行してきた入射光Aが、凸錐体状プリズム1の底面1
cに入射角度γ1 で入射屈折し、出射面1aから屈折出
射し(入射光Bは、入射角度γ2 であり出射面1bから
屈折出射する)、光軸とほぼ平行化された後、集光用レ
ンズ13へ出射光Cとして放出される状態を示す。ただ
し、錐体物の頂点位置が光軸近傍にあればよく、ややず
れても構わない。
【0088】凸錐体状プリズム1の頂角α1 の角度は、
光源11の幾何学的な発光配向分布、楕円鏡12の形
状、集光レンズ13の焦点距離、表示素子15の表示面
の大きさ、および投射光学系の有効Fナンバーなどで最
適の値があった。頂角α1 の頂点は光軸上にほぼ位置
し、頂角α1 の2等分線は光軸にほぼ一致している。
【0089】凸錐体状プリズム1の材質は透光性材料な
らば何れでもよい。界面反射に伴う光量損失を低減する
ため光の入射面(底面1c)および出射面(凸面1a、
1b)に反射防止膜を形成することが好ましい。不要な
光を表示素子に照射しないために、光学研磨した光学ガ
ラスの表面に必要な波長域の光を透過し、不要な光を反
射したり吸収するような、例えば可視光を透過し熱線を
反射する赤外線カットフィルター、あるいは紫外線カッ
トフィルターを形成することが好ましい。
【0090】図6は、凹錐体状プリズム2の場合を示
す。その頂角β1 が凹面によって形成される。頂角β1
が185゜から270゜の範囲であり、凹円錐または凹
角錐または底面に平行な断面の切り口の形状がほぼ楕円
となる楕円状の凹円錐である。凸錐体状プリズム1と同
様に、底面2cに入射光Dと入射光Eが斜めに入射屈折
し(入射角度γ3 、γ4 )、出射面2a、2bの界面で
屈折出射した後、光軸とほぼ平行に出射光Fとして出射
される。
【0091】なお、プリズムの錐体部は円錐または正4
角錐が加工しやすいが、錐体部の頂角の光軸上での2等
分線に垂直なプリズムの断面は必ずしも円形あるいは正
方形である必要はなく、楕円形または長方形であっても
よい。
【0092】このとき、錐体部の頂角の値は1つでな
く、上述したように複数或は分布した値となる。また、
錐体状プリズムの錐面の光軸に平行な断面線は直線以外
の曲線でもよい。つまり、錐体状プリズムの錐面は三次
元曲面体の表面であってもよい。
【0093】楕円鏡12の第2の焦点位置に配置された
凸錐体状プリズム1または凹錐体状プリズム2は、第2
の焦点位置近傍に集光された光のみを利用するとともに
光軸とのなす角度が約10゜以下の光軸付近の光の不足
をまず補う。この結果、透過散乱型の表示素子15の面
内光強度分布を均一化することができた。
【0094】特に、この凸錐体状プリズム1の有効面以
外からの光は集光レンズ13に到達しないで、あるいは
遮光されように絞りとなるものを配置しておくことが好
ましい。
【0095】凸錐体状プリズム1または凹錐体状プリズ
ム2の各部の寸法としては、第2の焦点位置近傍におい
て、プリズムへの入射光束の大きさを規定することとな
るプリズム底面および絞りの有効面積部は、光源11の
大きさ、所望の明るさ、コントラスト比等を考慮して定
めればよい。通常は、図19のように、平行光にする場
合には、第2の焦点位置において光束の大きさを規定す
るプリズムの有効面積の径、または、第1の絞り17の
開口部の平均径D1 と集光用レンズ13の焦点距離f1
との比D1 /f1 を0. 04〜0. 21にしておくこと
が好ましい。
【0096】次に他の構成部について説明する。投射光
源系には、本発明の効果を損しない範囲内でこのほか、
他の平面反射鏡、オプティカルファイバー、ファイバー
アレイプレイト、レンズ、冷却系、赤外線カットフィル
ター、紫外線カットフィルター等を組み合わせても用い
てもよい。
【0097】投射光学系は、従来からの公知のレンズ等
の投射光学系が使用できる。この投射光学系は、表示素
子15から出射してきた光のうち、非散乱透過光のみを
スクリーンに投射し、散乱透過光は除去されるような構
成を持っていればよい。
【0098】最も簡単な構成では、表示素子15の後に
投射用のレンズを設けるのみの構成があり、必要に応じ
て集光用のレンズ、反射用のミラー等を併用してもよ
い。しかし、このままでは表示素子15と投射レンズと
の距離を長くしないと散乱光を充分に除去できなく、実
用的でないので、散乱光を除去する手段をさらに設ける
ことが好ましい。
【0099】具体的には、表示素子15を通過後にいっ
たん透過光を集光し、その焦点位置に第2の絞り18を
設ければよい。この第2の絞り18としても前記した投
射光源系の第1の絞り17と同様の穴の開いたアパーチ
ャや、小型の鏡等が使用できる。
【0100】アパーチャの場合には、その孔がその開口
部になり、直線透過光(画素部分が透明状態の部分を透
過する光)のみがその孔を透過することができ、小型の
鏡の場合には、その反射面がその開口部になり、直線透
過光のみがその反射面で反射されて通過でき、いずれも
散乱光(画素部分が散乱状態の部分で散乱される光)は
焦点位置にほとんど到達しないので、ほとんど除去さ
れ、本来の画像に必要な直線透過光のみが投射されるこ
とになる。
【0101】この第2の絞りの開口部の径D2 は、所望
の明るさ、コントラスト比等を考慮して定めればよい。
また、それを調整可能にできるように開口部の大きさを
変化できるようにしておくことも好ましい。通常は、図
1のように第2の集光性手段として設けた集光用レンズ
16(焦点距離f2 )と第2の絞り18(開口部の平均
径D2 )を用いた場合、その比D2 /f2 は、前述の比
1 /f1 に比べて等しいか、または10〜20%程度
大きな値であることが好ましい。
【0102】複数の表示素子を各色毎に設けた場合に
は、図21のようにダイクロイックプリズムやダイクロ
イックミラー等で合成してから投射するように構成して
もよいし、個々に投射してスクリーン上で合成されるよ
うにしてもよいが、合成してから投射する方が光軸が一
本になるので、投射用レンズが一つですみ小型で携帯を
必要とする用途や、ズーミングの必要な用途においても
有利である。
【0103】なお、散乱光を除去する手段も、透過散乱
型表示素子47A、47B、47Cとスクリーンとの間
に配置されればよいので、図21のように合成後の光路
中に配置されてもよいし、個々の透過散乱型表示素子4
7A、47B、47Cの直後に集光レンズとともに配置
されて、散乱光を除去した後合成され、投射されるよう
にされてもよい。
【0104】本発明に用いる透過散乱型の表示素子は、
電圧の印加状態により、透過状態と散乱状態とをとりう
る平面型の表示素子であれば使用できる。具体的には、
DSM(動的散乱モード)の液晶表示素子、液晶が樹脂
等の固化物マトリクス中に分散保持され、その液晶の屈
折率と固化物マトリクスの屈折率との一致不一致により
透過散乱を制御する液晶固化物複合体を用いた液晶表示
素子、微細な針状粒子を溶液に分散させておき、電圧の
印加状態により透過散乱を制御する素子等がある。
【0105】中でも、液晶固化物複合体を用いた液晶表
示素子は良好な電圧−透過率(VT)特性を持ち、製造
プロセスも簡易であり、また汎用の駆動用ICを用いる
ことができる。この液晶固化物複合体は、電圧制御方式
屈折率マッチングによって電子光学的に動作する。ま
た、常透過部分等を形成することができる。
【0106】より好ましくは、誘電異方性が正のネマチ
ック液晶を用い固化物マトリクスの屈折率が使用する液
晶の常光屈折率(no )とほぼ一致するようにされるこ
とにより、電圧を印加した時に高い透過性を示し、又、
電極のない画素間の部分が散乱状態となる(スクリーン
に投射した際に黒くなる)ため、画素間に遮光膜を設け
なくても投射画像のコントラスト比が高くなるので好ま
しい。又、リバースモードの液晶固化物複合体も適用で
きる。
【0107】この液晶固化物複合体は、マイクロカプセ
ル形態か、多孔質体のように液晶の液泡が細隙を介して
完全に連通または一部連通していてもよい。この液晶固
化物複合体の製法としては、液晶と固化物マトリクスを
構成する材料とを混ぜ合わせて、これを光硬化、熱硬
化、溶媒除去による硬化、反応硬化等させて固化物マト
リクスを分離して形成する。
【0108】特に、光硬化または熱硬化タイプの固化物
を用いる場合、密閉系内で素子形成できるので有利であ
る。より具体的には、光硬化ビニル系樹脂の使用が好ま
しく、光硬化性アクリル系樹脂が例示され、特に、光照
射によって重合硬化するアクリルオリゴマーを含有する
ものが好ましい。
【0109】また、基板間隙制御用のセラミック粒子、
プラスチック粒子、ガラス繊維等のスペーサー、顔料、
色素、粘度調整剤、その他本発明の性能に悪影響を与え
ない添加剤を液晶固化物複合体層に添加してもよい。
【0110】このような液晶固化物複合体を使用した液
晶表示素子の応答時間は、電圧印加の立ち上りが3〜5
0msec程度、電圧除去の立ち下がりが10〜80m
sec程度で、従来のTN型液晶表示素子よりも速く、
VT特性も階調表示駆動に好適である。また、光の高い
透過特性と散乱能が得られるので好ましい。
【0111】液晶固化物複合体中の動作可能な液晶の体
積分率ξは、無電界時の散乱性の点からξ>20%が好
ましく、ξ>35%がより好ましい。一方ξがあまり大
きくなると、液晶固化物複合体の構造安定性が悪くなる
ため、ξ<70%が好ましい。
【0112】このような液晶固化物複合体を電極付基板
で挟持して用いる。この液晶固化物複合体を用いた液晶
表示素子は、マルチプレックス駆動特性との組み合わせ
性にやや難点があり、画素数の多い液晶表示素子とする
場合には、各画素に能動素子を配置する。もちろん、他
の透過散乱型表示素子の場合にも、必要に応じて能動素
子を配置する。この能動素子としてTFT(薄膜トラン
ジスタ)等の3端子素子を使用する場合、他方の電極付
基板は全画素共通のベタ電極を設ければよいが、MIM
素子、PINダイオード等の2端子素子を用いる場合に
は、他方の電極付基板はストライプ状のパターニングを
される。
【0113】また、能動素子として、TFTを用いる場
合には、半導体材料としてはシリコンが好適である。特
に多結晶シリコンは、非結晶シリコンのように感光性が
ないため、光源からの光を遮光膜により遮光しなくても
誤動作しなく、好ましい。非結晶シリコンを用いる場合
には、遮光膜を併用する。
【0114】また、電極は通常は透明電極とされるが、
反射型の液晶表示素子として使用する場合には、クロ
ム、アルミニウム等の反射電極としてもよい。投射型表
示装置は、通常は前述のように透過散乱型の表示素子を
透過型として使用し、別置したスクリーンに投射するよ
うにされる。この場合、前面投射型(観察者が投射型表
示装置側に位置して見る)であっても、背面投射型(観
察者が投射型表示装置と反対側に位置して見る)であっ
てもよい。
【0115】また、反射電極を用いたまたは素子の裏側
に反射層を設けた反射型の液晶表示素子を用い、出射光
を入射側に導き出して投射する反射式の投射型表示装置
とすることもできる。この透過散乱型の表示素子を全面
ベタ電極の透過散乱型の表示素子としたり、簡単な電極
パターニングをした透過散乱型の表示素子とし、さらに
投射型表示装置として構成する。また、これを照明装置
として用いることができる。
【0116】例えば、図19の投射型表示装置151自
体をそのような構成とし、壁、天井等に埋め込んで配置
しておくことにより、高速で色を変化させずに調光する
ことができる。また、図21のフルカラーの投射型表示
装置201自体をそのような構成とし、壁、天井等に埋
め込んで配置しておくことにより、高速で色を変化させ
ずに調光したり、または、色を変化させつつ調光したり
することができる。
【0117】(実施例2)図21のように、ダイクロイ
ックミラー51、53、54、56と金属ミラー52、
55を用いて、光源系からの光をRGB3色に分離し、
各色毎に実施例1と同様の液晶表示素子からなる透過散
乱型の表示素子47A、47B、47Cを配置して、さ
らに表示素子の前もしくは後に集光用のレンズ46A、
46B、46Cを配置して、集光しつつダイクロイック
ミラーで合成して、その焦点位置に配置した絞りと投射
用のレンズ(図示を省略してある)によりスクリーンに
投射した。
【0118】ただし、液晶からなる透過散乱型表示素子
47A、47B、47Cの表示部の形状は縦横比がハイ
ビジョン仕様である9:16の長方形とし、凸錐体状プ
リズム1はその底面形状が縦横比9:16の楕円形で横
方向の頂角が120゜となるようにした。また、PS偏
光による色純度の劣化を低減するために、液晶表示素子
である透過散乱型表示素子47A、47B、47Cにカ
ラーフィルターを併用することが好ましかった。
【0119】この結果、表示部の形状は縦横比がハイビ
ジョン仕様である9:16の長方形の場合でも、周辺で
の光損失は抑えられて、かつ実施例1と同程度のスクリ
ーン面内照度分布均一性が得られた。
【0120】次に、本発明に用いられる錐体物のうち凸
錐体状プリズム1または凹錐体状プリズム2の形状と角
度についてさらに説明する。
【0121】実際の錐体状プリズムは、三次元構造体で
あるが、錐体状プリズムの回転中心軸(通常は、投射表
示装置の光軸とほぼ一致する)を含む平面内で光の進行
を考えればよい。図14に、光が左方からのプリズム体
に入射され、入射面と出射面で屈折して透過出射される
様子を示す。この場合、入射角ωの入射光がプリズム体
で屈折され透過後、光路ptを進行するが、一例とし
て、この光路ptは光軸に平行であるものとする。
【0122】この図14において、ω:プリズム体への
入射角、x:入射面側での屈折角、y:出射面側での出
射面に対するプリズム内部での入射角、α1 :凸部の頂
角(α1 の2等分線は、光軸と平行とし、理想的には一
致する。)、β1 :凹部の頂角(α1 +β1 =360°
である。)、nP :錐体状プリズムの屈折率を示す。
【0123】このとき、スネルの法則等により、以下の
ようになる。
【0124】
【数3】 sin(ω)=nP ・sin(x) sin(90°−α1 /2)=nP ・sin(y) x+y=90°−α1 /2 cos(α1 /2) =nP ・sin(y) =nP ・sin(90°−α1 /2−x) =nP ・cos(α1 /2+x) =nP ・cos(α1 /2)・cos(x) −nP ・sin(α1 /2)・sin(x) =[(nP 2−nP 2・sin2 (x))1/2 ]・cos(α1 /2) −sin(α1 /2)・sin(ω) =[(nP 2−sin2 (ω))1/2 ]・cos(α1 /2) −sin(α1 /2)・sin(ω) (1+sin(ω)・tan(α1 /2))2 =nP 2−sin2 (ω) sin2 (ω)・tan2 (α1 /2) +2・sin(ω)・tan(α1 /2)+1+sin2 (ω)−nP 2=0
【0125】そして、数4の関係が成立する。
【0126】
【数4】 tan(α1 /2)=[(nP 2−sin2 (ω))1/2 −1]/sin(ω)
【0127】この数4中で、物理的な特性値は用いる材
料によって決まる。表2はホウケイ酸ガラス、プラスチ
ックの場合(屈折率はおよそ1.5)のデータ、表3は
フリントガラスの場合(屈折率はおよそ1.8)のデー
タを示す。ωは入射角度であり、α1 はプリズム体の凸
部の頂角の角度を示す。本発明において、プリズム体の
屈折率は、1.45〜1.65の範囲にあることがより
好ましい。
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】楕円鏡12を集光源とし、その第1焦点に
光源11を設け、楕円鏡12の反射面で収束せしめられ
第2焦点の位置に集光させられた光は、そこに配置され
た錐体状プリズムに入射される。この場合、図15に示
すように、光源装置において、次の数5の関係があり、
実用的な光源の発光管球径は=10〜30mmであるの
で本図中に示すDの値も近似した範囲にある。したがっ
て、錐体物への入射光の配向分布のうち光が存在しない
光軸とのなす角度γ以下の領域は数5で記述される。
【0131】
【数5】tan(γ)=D/(2・F2
【0132】また、実用的な楕円鏡12の第2焦点距離
2 は、50〜200mm程度である。したがって、数
5からγは、およそ3°〜30°となる。実用的には、
γの値は小さく抑えた方が好ましいとともに、D=30
mmとF2 =50mmの組み合わせでも決まるγ=30
°の場合は実際的ではない。
【0133】表2と表3に示す入射角ωとα1 との関係
からω=γの場合について考えると、凸錐体状プリズム
1の頂角α1 の値が、90°〜175°の範囲が適切で
あることがわかる。凹錐体状プリズム2の場合は、18
5°〜270°であることがわかる。ここでは、錐体状
プリズムから出射した光が光軸と平行になる場合を説明
したが、光軸近傍の光束配向分布の不足が補われるよう
に入射光が屈折するプリズム形状であればよい。
【0134】(実施例3)実施例1の光源装置の代わり
に、楕円鏡12(第1の焦点距離F1 =20mm、第2
の焦点距離F2 =105mm、奥行全長h=50mm、
開口直径=90mm、ランプ導入用穴径D=11m
m)、凸錐体状プリズム1(頂角α1 =114°、底面
の断面直径30mm、高さ12mm、ただし錐体状のプ
リズムの傾斜面の高さは9.74mm)、そして透過散
乱型の表示素子15の前に配置される集光用レンズ13
(焦点距離f1 =169mmの両凸レンズ)で構成し
た。
【0135】凸錐体状プリズム1の底面および凸面には
可視光の波長帯域用の反射防止膜を形成した。また、集
光用レンズ13は、BK7(屈折率約1.52)をガラ
ス材とする焦点距離1000mmの平凸レンズと焦点距
離200mmの平凸レンズとを用意し、有機材質の紫外
線吸収フィルムを2種の平凸レンズの平坦面側に挟み、
光学接着剤で接着して作製し、焦点距離1000mmの
平凸レンズを光入射側に、焦点距離200mmの平凸レ
ンズを光出射側になる向きに配置した。
【0136】このような構成および配置とすることによ
り、球面単レンズの収差が低減されるとともに、紫外線
吸収フィルムと空気との界面がなくなり界面反射に伴う
光利用効率の低下(約8%)が解消された。さらに、凸
錐体状プリズム1の光出射側の凸面に近接して直径1
7.7mmの開口部を有する第1の絞り17(アパーチ
ャ)を用いた。他の構成は実施例1と同様とした。
【0137】その結果、実施例1と比較して、スクリー
ン投射光束が約10%増大した。このとき、250W、
発光長5mmのメタルハライドランプの発光分布測定に
基づいて三次元発光体モデルを作成し、液晶表示素子が
透明状態の場合において、光線追跡法により、スクリー
ンに到達する光束およびスクリーン上での光量分布を計
算した。
【0138】変数として、楕円鏡12の形状(第1の焦
点距離F1 と第2の焦点距離F2 の比F2 /F1 )、凸
錐体状プリズム1の頂角α1 および集光レンズ13の焦
点距離f1 を選んだ。
【0139】また、楕円鏡12の第1の焦点距離F1
10〜30mm程度とし、奥行全長hをh=2・(F1
+F2 )とした。液晶表示素子の表示部が縦横比3:4
の場合について、各表示部の対角寸法に対して計算した
結果、表4に示す範囲において良好なスクリーン光束が
得られることがわかった。ただし、表示部の対角10サ
イズ(インチを意味する)の液晶表示素子については、
1 =400mmの場合についての結果を示す。なお、
凹錐体状プリズム2を用いた場合、その頂角β1 は、表
4の凸錐体状プリズム1の頂角α1 に対して近似的にβ
1 =360°−α1 で定まる範囲に対応する。
【0140】
【表4】
【0141】図9と図10に円錐台形状の錐体物の斜視
図を示す。図9は、凸円錐台状の構造の凸錐体物Pと出
射光Caとの位置関係の一例を斜視図で示している。ま
た、図10は凹錐体物Qの場合であり、出射光Faとの
位置関係の一例を示す。図11には凸角錐台形状の、図
12には凹角錐台形状の錐体物の斜視図を示す。これら
の図中、Zは錐体物の頂点を示す。各出射光は光軸を含
む面と、光軸を法線とする面を断面としてその一部を模
式的に示す。透過型の錐体物の場合は、錐体物の対称軸
またはその中心軸は装置全体の光軸とほぼ一致させて設
けられる。
【0142】次に、反射型の錐体物を用いた場合の本発
明の光源装置と投射型表示装置について説明する。図2
0を参照する。ここに示された光源装置102Aは、楕
円鏡12と光源11と凸面の錐体状反射体10もしくは
後述する凹面の錐体状反射体20と集光用レンズ13と
を有する。
【0143】なお、凸型もしくは凹型の錐体状反射体も
透過型の錐体状プリズムと同様に楕円鏡12の第2焦点
位置に配置することが、最も効率が良いが、場合によっ
てはその光軸方向の前後にずれて配置されることもあり
うる。厳密には、光源11の配向分布によって最適位置
が決まる。第1の絞り17を設けるかどうかによって
も、その位置が変わる。凸型の反射体よりも凹型の反射
体の方が、楕円鏡12からやや離れた位置に配置され
る。表示素子15に対して均一な光束を作り出せればよ
い。
【0144】上述した透過型プリズムの場合と同様に光
を有効利用できる。さらに、球面鏡のように大部分の反
射光が光源に戻ってきて、光源自体が反射して戻ってき
た光を通過させないことによる損失が少なく、光の利用
効率が向上する。
【0145】また、凸型もしくは凹型の錐体状反射体の
有効反射面以外に到達した光が集光用レンズ13に届か
ないようにすることが好ましい。場合によっては、楕円
鏡12の第2焦点位置近傍で、錐体状反射体と集光用レ
ンズ13の間に第1の絞り17をさらに設けてもよい。
【0146】そして、上述した透過型の錐体物と同様に
指向性を劣化させる光成分を除去し、光束を揃えること
ができ、透過散乱型表示素子が散乱状態のときスクリー
ンに到達する不要な光を減少させ、コントラスト比を向
上させることができる。また、反射面となる錐面にコー
ルドミラーを形成することにより熱線を除去することが
できる。さらに、錐体状反射体の一般的作用に関して以
下に説明する。実際の錐体状反射体は三次元構造体であ
るが、錐体状反射体の回転対称軸を含む平面内で光線を
考えれば十分である。
【0147】図17に示すように、錐体状反射体の回転
対称軸に対して入射角ωで入射した光が錐体状反射体の
側面で錐体状反射体の回転対称軸と平行に反射する場合
を考える。ここでは便宜上、反射体側面の回転対称軸と
光軸が一致している場合について作図されている。
【0148】反射体断面内の頂角を、凸型錐体状反射体
の場合α2 、凹型錐体状反射体の場合β2 とすると、こ
の反射体側面の回転対称軸に対する傾斜角は、α2 /2
または180°−β2 /2となる。上記条件を満たす凸
型錐体状反射体の頂角α2 は次の数6で記述される。
【0149】
【数6】ω+α2 =180°
【0150】楕円鏡12を集光鏡とし、その第1焦点に
光源11の発光部を設置し、楕円鏡12の反射面より反
射した光が集光される第2焦点位置近傍に上記の錐体状
反射体を設置した本発明の光源装置において、図18に
示すように、F2 を第2焦点距離、Dを光源の遮蔽物あ
るいは楕円鏡の底穴によって規定される遮光径とする。
このとき、錐体状反射体への入射光の内光軸と垂直な面
に対して入射角γ以下の光線は存在しないとすると、γ
とF2 とDの関係は数7のようになる。
【0151】
【数7】tan(γ)=D/(2・F2
【0152】実用的な光源11の発光管球径は10mm
〜30mm程度であり、Dもその範囲と考えられる。ま
た、実用的な楕円鏡12の第2焦点距離F2 は50mm
〜200mm程度である。したがって、数7よりγ=3
°〜30°となる。
【0153】数7より、ω=γの場合について考える
と、各γについて光線が存在しないγ以下の角度領域の
光線を補うような錐体状反射体の頂角α2 を算出した結
果を次の表5に示す。
【0154】
【表5】
【0155】以上より、凸型錐体状反射体10を用いた
場合、頂角α2 の範囲は150°〜177°以下である
ことが好ましい。
【0156】同様に、凹型錐体状反射体20を用いた場
合、β2 =360°−α2 のため頂角β2 の範囲は18
3°以上210°以下であることが好ましい。図8で
は、錐体状反射体により反射した光が光軸と平行になる
場合を示しているが、光軸近傍の光束配向分布の不足が
補われるように入射光が反射される錐体物の形状であれ
ばよい。
【0157】錐体状反射体の場合も透過型の錐体状プリ
ズムと同様に反射体の頂角に応じて、集光用レンズ13
に入射する光の指向性が調整できるため表示素子15が
非正方形の場合でも有効に表示素子面に光を集光でき
る。
【0158】そして、光束を揃えることができ散乱光を
除去できるので高コントラスト比の投射画像を得ること
ができる。
【0159】また、透過型錐体物と同様に、画面の縦横
比に応じて、凸面反射体の場合と凹面反射体それぞれの
場合で、縦方向の頂角と横方向の頂角を調整することが
できる。さらに反射面を可変制御することができる。
【0160】また、周囲の照明環境に応じて、第1の絞
り17および第2の絞り18の開口部を可変とすること
により所望のコントラスト比が高く見やすい明るさの表
示画像が得られた。
【0161】(実施例4)図20は投射型表示装置15
2を示す。基本的な構成は他の実施例と同様である。
【0162】本実施例では錐体物として凸型の錐体状反
射体10が用いられ、楕円鏡12からの光がその反射面
で反射することで反射後の光束方位角分布が変化し、集
光用レンズ13に入射し、ほぼ平行光にされる。必要に
応じて第1の絞り17を設けてもよい。
【0163】ここで用いられる光源11は、上述した透
過型錐体物の場合と同様であるがより発光強度の強いも
のを用いることができる。本実施例においても、反射面
での反射により光束方位角が変化し、光軸とのなす角度
が約10゜以下の光の不足を補い、表示素子15の中心
付近の光強度不均一性を修正し均一化される。
【0164】また、錐体状反射体の頂角形状は光源11
の発光角度分布、楕円鏡12の形状および必要とする透
過散乱型の表示素子15における表示面積と光強度分布
に応じて最適値が存在する。
【0165】反射体を用いた本実施例では、集光用レン
ズ13〜第2の集光用レンズ16の光学系の設置方位に
応じて光軸が変わり、錐体状反射体の反射面の有効径が
絞りの機能を同時に果たすことも可能である。
【0166】本実施例を構成する各部について説明す
る。表示素子15の表示部を対角3.4サイズ、TFT
の開口率は50%で、透過散乱型の表示素子15の最大
透過率を38%とする。
【0167】光源装置102Aとしては、光源11(発
光アーク長R=5mm、250Wのメタルハライドラン
プ)、楕円鏡12(第1焦点距離F1 =15mm、第2
焦点距離F2 =100mm、奥行全長h=50mm、開
口直径=76.8mm)、凸錐体状反射体10(頂角α
2 =165゜、底面断面直径30mm、高さ12mm、
ただし錐体状の反射体の傾斜面の高さは1.97m
m)、表示素子15の前に配置された集光用レンズ13
(焦点距離f1 =160mmの凸レンズ)を用いる。
【0168】必要に応じて、凸錐体状反射体10の凸面
に近接して直径17mmの開口部を有する第1の絞り1
7を用いる。この第1の絞り17は、それ自身の開口部
形状を楕円形や、円形や、長方形や、正方形にして表示
素子15の形状に適合せしめることが好ましい。
【0169】光軸上で凸錐体状反射体10と160mm
離れた位置に集光用レンズ13を配置し凸錐体状反射体
10、および設けられた場合には第1の絞り17を通過
した光を平行光化し液晶表示素子からなる透過散乱型表
示素子15に入射せしめる。
【0170】表示素子15には、正の誘電異方性のネマ
チック液晶をカプセルに封入したものを用いる。この表
示素子15を透過した光のうち、散乱光の除去のために
配置された第2の集光性手段として配置された集光用レ
ンズ16(焦点距離f2 =200mmの凸レンズ)と、
その焦点位置に設置された第2の絞り18(開口直径D
2 =21mm)を通過した光のみが、投射用レンズ19
を通してスクリーン上に液晶表示画像として結像され
る。
【0171】この投射型表示装置152を用いて、40
インチスクリーンに表示を投射する場合を計算した。こ
の際の暗い室内におけるスクリーン上の照度分布(中
心、最大、周辺)、光束およびコントラスト比は上記し
た表1の実施例4に示すようになった。このことから、
錐体状反射体によっても透過型の錐体状プリズムと同様
に機能させ得ることがわかる。
【0172】図7に、凸錐体状反射体の拡大断面とその
周辺での光路を示す。凸錐体状反射体10は四角錐また
は円錐もしくは楕円状の円錐であり、その反射体対称軸
を含む断面で切った断面形状はほぼ三角形である。その
錐面が反射面として機能する。
【0173】図20に示すように、楕円鏡12から放射
されて進行してきた光は凸錐体状反射体10の対称軸に
対して、一定の光軸傾斜角ψで入射する。図7を参照、
ここで、ψ=ψ5 =ψ6 である。そして、反射面10a
または反射面10bで反射した後、反射体の対称軸に対
して角度ψだけ傾斜した光軸方向に出射する。
【0174】頂角の角度は、光源11の発光分布や楕円
鏡12の形状、表示素子15の表示面積および投射光学
系の有効Fナンバーなどで最適の値があった。頂角α2
の頂点は光軸上にほぼ位置し、凸錐体状反射体10の対
称軸すなわち頂角の2等分線は光軸に対して傾いてい
る。その傾き角ψは20゜〜50゜の範囲である。小型
化のためには、ψは25゜〜35゜の範囲が好ましい。
【0175】錐体状反射体の場合、その材質は光学的平
面が得られるものならばいずれでもよい。光学的平面を
有する錐体状プリズムの側面に金属反射層または誘電体
多層膜反射層を形成すれば反射型プリズムとなる。光学
研磨した光学ガラスプリズム面に必要な波長域の光を反
射し、不要な光を透過・吸収するような、例えば可視光
を反射し熱線を透過するコールドミラー、光干渉誘電体
多層膜層を形成することが好ましい。
【0176】図8に凹錐体状反射体20の拡大断面とそ
の周辺での光路を示す。凹錐体状反射体20の錐体部の
うち、その頂角β2 は凹面であり、頂角β2 が183゜
〜210゜の範囲であり、主たる形状は円錐または角錐
状である。頂角β2 の頂点は光軸上にほぼ位置し、頂角
の2等分線は光軸に対して傾いている。その傾き角ψ
(ここで、ψ=ψ7 =ψ8 )は20゜〜50゜の範囲で
ある。凸錐体状反射体10と同様、小型化のためには、
ψは25゜〜35゜の範囲が好ましい。
【0177】なお、錐体部を円錐または角錐状とした
が、錐体部の頂角の2等分線に垂直な反射体の断面は必
ずしも円形または正方形である必要はなく、楕円形また
は長方形であってもよい。
【0178】この時、錐体部の頂角の値は1つでなく複
数または分布した値となる。また、、錐体状反射体の錐
面の光軸に平行な断面線10a、10b、20a、20
bは直線以外の曲線でもよい。また、反射体の裏側に冷
却器を設けることができ好ましい。また、高反射率(9
5%以上、好ましくは99%程度)を達成することがで
きさらに好ましい。また反射体は、錐面の成形でよいの
でバルク体を用いる透過プリズムより製造上好ましいと
いえる。
【0179】特に、この凸錐体状反射体10の有効反射
面以外からの光は集光用レンズに到達しないように後方
に通過してしまう、あるいは遮光するように黒色の絞り
となるものを配置しておくことが好ましい。
【0180】凸錐体状反射体10もしくは凹錐体状反射
体20の反射面の有効面積部は、光源の大きさ、所望の
明るさ、コントラスト比等を考慮して定めればよい。通
常は、図20のように、平行光にする場合には、第2焦
点位置において光束の大きさを規定する凸錐体状反射体
10もしくは凹錐体状反射体20の有効面積の径または
第1の絞り17の開口部の平均径D1 と集光用レンズ1
3の焦点距離f1 との比D1 /f1 を0. 04〜0. 2
1にしておくことが好ましい。
【0181】また、錐体物は図13に示すように多面体
角錐台10Vのような形状とすることができ、さらに各
面(10V−C〜10V−H)の角度を機械的な傘状の
重ね合わせ構造や、柔軟な反射板を裏側からフレームで
押さえてフレームの組み合わせ角度を移動することもで
きる。また、その他の可変構造とすることができる。こ
のような構成により、映像信号方式毎の画面の縦横比に
応じて最適な条件設定が可能となる。
【0182】他の構成部については上述した透過型の錐
体状プリズムの場合と同様である。例えば、図20のよ
うに、第2の集光用レンズ16(焦点距離f2 )と第2
の絞り18(開口部の平均径D2 )を用いた場合、その
比D2 /f2 は、前述の比D1 /f1 に比べて等しい
か、または10〜20%程度大きな値であることが好ま
しい。
【0183】その結果、実施例1と比較して、スクリー
ン投射光束が約10%増大した。このとき、250W、
発光長5mmのメタルハライドランプの発光分布測定に
基づいて三次元発光体モデルを作成し、液晶表示素子が
透明状態の場合において、光線追跡法により、スクリー
ンに到達する光束およびスクリーン上での光量分布を計
算した。
【0184】変数として、楕円鏡12の形状(第1の焦
点距離F1 と第2の焦点距離F2 の比F2 /F1 )、凸
錐体状反射体10の頂角α2 および集光レンズ13の焦
点距離f1 を選んだ。
【0185】また、楕円鏡12の第1の焦点距離F1
10〜30mm程度とし、奥行全長hをh=2・(F1
+F2 )とした。液晶表示素子の表示部が縦横比3:4
の場合について、各表示部の対角寸法に対して計算した
結果、上述した表4に示す範囲において良好なスクリー
ン光束が得られることがわかった。ただし、表示部の対
角10インチの液晶表示素子については、f1 =400
mmの場合についての結果を示す。なお、凹錐体状反射
体20を用いた場合、その頂角β2 は、表4の凸錐体状
反射体1の頂角α2 に対して近似的にβ2 =360°−
α2 で定まる範囲に対応する。
【0186】(実施例5)図1に本発明の投射型表示装
置301を示す。これは、凸錐体状プリズム1を備えた
光源装置101を用いている。また、色分離合成光学系
(ダイクロイックミラーDM1、DM2、DM3、DM
4およびミラーM1とM2)は、その光学面の法線が光
軸に対して15゜〜40゜の角度の範囲、好ましくは1
5゜〜35゜の範囲であり、本実施例では30゜で菱型
状に光路が配置構成される。また、光軸axの構成から
読み取れるように、光源装置から投射光学系に至る光路
がほぼZ字型をなしている。この入射角度または出射角
度によって、ダイクロイックミラーDM1〜DM4の波
長光学特性が向上するため光の損失を抑制して、色純度
のよい光変調とカラー表示投射が可能となる。
【0187】光源装置101から発した指向性の良い、
強い平行化光束L−COHを液晶固化物複合体を備え、
透過散乱型の動作モードを有するRGB三色毎に設けら
れた表示素子15R、15G、15Bに導き、第2の集
光性手段16R、16G、16Bを通過し、そして最後
に投射光学系から図示を省略したスクリーンに投射す
る。終段の投射光学系は3枚のレンズから構成されてい
る。主たる機能を果たすものを投射レンズ19として示
す。
【0188】この投射型表示装置301は、基本的に強
い光束を投射できるだけでなく、二個の絞りを調節する
ことで、周囲の明るさ環境に応じて最適な投射条件を設
定することができる。例えば、明るい部屋では、絞りを
大きくして、画面の明るさを上げて、コントラスト比を
30:1程度にして用いる。この場合、明るい会議室等
においても照明を暗くすることなく大画面・高精細の情
報端末画像表示装置として用いることができる。
【0189】また、暗い部屋では絞りを小さくして、画
面明るさを中程度とし、コントラスト比を150:1程
度とし、薄暗い部屋でミニシアターとして用いることが
できる。さらに、周囲の光量を光センサでモニターし、
それに応じて開口絞りを可変することで、最適な画面表
示を得ることができる。
【0190】また、指向性の揃った光束を用いているた
め、ブラックストライプ付きレンチキュラーレンズを用
いた背面投射用スクリーンを併用した場合、相対的にブ
ラックストライプの占有面積を大きくとり開口率を低下
させて、室内照明灯でなく外光下でも黒レベルが浮き上
がらない画面表示が得られるとともに、実効的な開口率
を低下させず十分な明るさが得られる。
【0191】(実施例6)図2に本発明の投射型表示装
置302を示す。これは、凹錐体状プリズム2を備えた
光源装置102を用いる。本図において、各符号は上述
した構成要素を示す。光源11の光源部11aの発光長
をRとし、その発光中心と楕円鏡12との位置関係によ
ってF1 が定められている。また、色分離合成光学系と
表示素子とをブロック80として、投射光学系を90と
して図示する。第2の集光性手段の焦点距離をf2とす
る。本実施例においても光源装置102から発した指向
性の良い、強い平行化光束L−COHを表示素子に導
き、そして最後に投射光学系90から図示を省略したス
クリーンに投射される。なお、光源部の一部分を拡大し
た模式図を図27と図28に示す。色分離合成光学系お
よび投射光学系は、実施例5または次の実施例6と同様
に構成できる。
【0192】(実施例7)図3に本発明の投射型表示装
置303を示す。これは、凸錐体状反射体10を備えた
光源装置103を用いる。また、色分離合成光学系(ダ
イクロイックミラーDM1、DM2、DM3、DM4お
よびミラーM1とM2)は光軸に対して実施例5と同様
の角度関係にある。本実施例も、30゜で菱型状に配置
構成する。
【0193】光源装置103から発した指向性の良い、
強い平行化光束L−COHを液晶固化物複合体を備えた
透過散乱型の動作モードを有するRGB三色毎に設けら
れた表示素子15R、15G、15Bに導き、さらに光
束の指向性を失うことなく集束せしめる手段として単純
なレンズではなく、FOW−R、FOW−G、FOW−
B(FOWとはファイバー・オプティクス・ウインドの
略である)をRGB各色毎に設け、そして、最後に投射
光学系から図示を省略したスクリーンに投射される。
【0194】FOWは、屈折率の相対的に大きなガラス
をコア、屈折率の相対的に小さなガラスをクラッドとす
る直径10μm程度の光ファイバーを束ねて融着したも
のをスライス研磨したガラス素子である。ここで用いる
FOWは光ファイバのクラッド周囲に光吸収材であるE
MAが形成されたものを束ねた構造を有し、平凸レンズ
状に加工され第2の集光性手段として機能する。その結
果、コア−クラッド間の屈折率値によって規定されるN
A以外の入射光は吸収され出射されない。したがって、
表示素子15の散乱光成分がFOW内で吸収され不要光
が低減されて投射画像の黒レベルが低下し高コントラス
ト化される。
【0195】また、表示素子に能動素子を用いた場合、
さらにそれらの画素に対応したマイクロレンズアレイ等
の光学要素を付帯せしめると、さらに光の指向性と平行
光化の効果がより高められる。また、この錐体状反射体
の場合においては、その配置を工夫することで透過型の
場合よりも装置の容積をよりコンパクトにすることがで
きる。本発明においては、光の高指向性を得ることに大
きな特徴がある。
【0196】(実施例8)図4に本発明の投射型表示装
置304を示す。これは、凹錐体状反射体20を備えた
光源装置104を用いる。また、色分離合成光学系と表
示素子とをブロック80として、投射光学系を90とし
て図示する。第2の集光性手段の焦点距離をf2 とす
る。本実施例においても光源装置104から発した指向
性の良い、強い平行化光束L−COHを表示素子に導
き、そして最後に投射光学系90から図示を省略したス
クリーンに投射される。本図では、凹錐体状反射体20
の頂点が楕円鏡12の第2焦点位置にあるように図示し
ているが、これに限定されることはなく、その近傍に位
置して出射光の好ましい配向分布が得られればよい。光
学系には、上記の実施例5または実施例7のものが同様
に用いられ得る。
【0197】(実施例9)実施例9として実施例8で述
べた光源装置104と色分離合成光学系と反射式の透過
散乱型液晶表示素子を3個用いた投射型表示装置の構成
例を図22に示す。この場合、強い平行光束が液晶固化
物複合体を複数回通過するので、高効率で表示素子の透
過散乱を変調・制御でき、より高コントラストで明るい
投射画像が得られた。なお、本実施例では直交交差型ダ
イクロイックミラーが用いられてRGB3色に色分離せ
しめられ、そして各色光毎に表示素子66A〜66C
と、上述した集光性手段13と第2の集光性手段(集光
用レンズ16)とを兼用して集光性レンズ65A〜65
Cが用いられる。また、投射表示だけでなく強い光量の
アナログ制御にも用いられ得る。
【0198】以上、説明した本発明の各実施例と従来例
とを表6〜表11に示す。ここに用いる符号は、Rが光
源の発光長、F1 が楕円鏡の第1焦点距離、F2 が第2
焦点距離、hが楕円鏡の深さ寸法、錐体物の型としてT
Rは透過型、RFは反射型を意味する。また、表示素子
のサイズとは長方形の表示部分の対角方向の実寸でイン
チを意味する。また、第2の集光性手段(集光レンズ1
6)の配置として、表示素子の光入射側の場合をF、出
射側の場合をBと記した。以下に注を記載する。
【0199】注1)指向性は全角平行度内の指向性の光
が90%以上を占めるものとする。 注2)均一性とは照射面内照度の最大値をImax、最小値
をIminとした場合、(Imax−Imin)/(Imax+Imin)×
100で決まる値を均一性の指標値(%)と定義する。 注3)投射レンズの透過率を85%とする。 注4)色純度は、NTSC規格程度を◎、直視型CRT
程度を○とした。 注5)表6と表7は従来例と本発明の対比表である。表
8と表9、および表10と表11は一つの表を二表に分
けて表わしている。 注6)透過型のプリズムの場合に、その屈折率nP とし
て平均的な値である1.52を用いた。
【0200】
【表6】
【0201】
【表7】
【0202】
【表8】
【0203】
【表9】
【0204】
【表10】
【0205】
【表11】
【0206】
【発明の効果】本発明の光学的応用装置では、まず、光
源11から出射された光を楕円鏡12を用いて集光した
光源装置を用いているため、集光効率が高く、明るい表
示や照明等が可能である。
【0207】また、楕円鏡12の第2の焦点位置に特定
の形状の凸錐体状プリズム1または凹錐体状プリズム2
と第1の絞りを設けて、発散光を除去しているため、光
源がの発光部が有限長を有するため楕円鏡12で反射し
て第2の焦点位置を通過せずに透過散乱型の表示素子1
5に向かう光を除去でき、投射画像のコントラスト比を
向上できる。
【0208】また、錐体物を用いているため、遮光部を
有する光源11と楕円鏡12を用いた場合に生じる楕円
鏡12の第2の焦点位置における光軸と平行な光成分の
不足に起因した表示素子15の面内光強度分布の不均一
性が著しく改善され、投射像の光量を多く取りながら、
特に中心部の照度均一性が優れた、明るく、高コントラ
スト比の投射表示装置を得ることができる。
【0209】例えば、光源装置をOHPの投射用光源と
して用いることができる。また、高性能の照明装置とし
て用いることができる。また、高速の調光装置として用
いることができる。
【0210】本発明では、錐体物のそれぞれの頂角に応
じて、集光用レンズ13に入射する光の配向分布が調整
できるため、表示素子15が非正方形の場合でも有効に
表示素子面に光を集光できる。
【0211】本発明は、このほか、本発明の効果を損し
ない範囲内で種々の応用が可能である。例えば、線光源
と、これに対応して光の出射方向に平行な断面が楕円で
ある長尺の形状を有する反射鏡を用い、さらに一方向に
長尺である凹凸面を備えた錐体状プリズムと透過散乱型
の表示素子を組み合わせることによって光プリンタ用の
シャッタアレイが構成できる。この場合には、高コント
ラストのプリント像を得ることができる。
【0212】また、本発明は本発明の効果を損しない範
囲で種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射型表示装置301の構成を示すブ
ロック図。
【図2】本発明の投射型表示装置302の構成を示すブ
ロック図。
【図3】本発明の投射型表示装置303の構成を示すブ
ロック図。
【図4】本発明の投射型表示装置304の構成を示すブ
ロック図。
【図5】凸錐体状プリズム付近での光路図。
【図6】凹錐体状プリズム付近での光路図。
【図7】凸錐体状反射体付近での光路図。
【図8】凹錐体状反射体付近での光路図。
【図9】凸円錐台形状の錐体物と出射光の斜視図。
【図10】凹円錐台形状の錐体物と出射光の斜視図。
【図11】凸角錐台形状の錐体物の斜視図。
【図12】凹角錐台形状の錐体物の斜視図。
【図13】凸多面体型の錐体物の斜視図。
【図14】透過型の錐体物における光路図。
【図15】凸錐体状プリズムを用いた光源装置の第1の
部分拡大断面図。
【図16】凸錐体状プリズムを用いた光源装置の第2の
部分拡大断面図。
【図17】反射型の錐体物における光路図。
【図18】凸錐体状反射体を用いた光源装置の部分拡大
断面図。
【図19】実施例1のブロック図。
【図20】実施例4のブロック図。
【図21】実施例2のブロック図。
【図22】実施例9のブロック図。
【図23】従来例150Bに用いられたロッド状のプリ
ズム体の断面図。
【図24】従来例150Bのブロック図。
【図25】従来例150Cのブロック図。
【図26】従来例150Aのブロック図。
【図27】光源の発光部とその仮想結像を示す模式図。
【図28】仮想結像の変位量を示す模式図。
【図29】コリメーション角とコントラストとの関係を
示す特性図。
【図30】本発明の投射型表示装置における基本的な光
路図。
【符号の説明】
1:凸錐体状プリズム 11:光源 12:楕円鏡 13:集光性手段 15:表示素子 17:第1の絞り 19:投射用レンズ DM1、DM2、DM3、DM4:ダイクロイックミラ
ー M0、M1、M2:ミラー ax:光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芹澤 成幸 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号 旭 硝子株式会社内 (72)発明者 尊田 嘉之 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楕円鏡(12)の第1焦点の位置近傍に光
    源(11)、楕円鏡(12)の第2焦点位置近傍に錐体
    物がその頂点をほぼ光軸付近に位置するように配置さ
    れ、さらに集光性手段(13)が配置され、光源(1
    1)から発した光は楕円鏡(12)で反射収束されて該
    錐体物に入射され、該錐体物の錐面から出射され、集光
    性手段(13)に拡散光となって入射され、そして、該
    集光性手段(13)によってほぼ平行な光束にせしめら
    れてなる光源装置と、色分離手段の光学面の垂線と光軸
    とのなす入射角度が15゜〜40゜とされた色分離光学
    系と、色合成手段の光学面の垂線と光軸とのなす入射角
    度が15゜〜40゜とされた色合成光学系とからなる色
    分離合成光学系と、該色分離光学系から該色合成光学系
    に至る光路の途中に配置された表示素子(15)と、投
    射光学系とが設けられたことを特徴とする投射型表示装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1の投射型表示装置において、色分
    離光学系の色分離手段と、色合成光学系の色合成手段と
    してダイクロイックミラーが用いられ、色分離せしめら
    れた各色分離光の光路の途中に表示素子(15)が配置
    され、さらに、この透過散乱型の表示素子(15)の前
    または後の光路に第2の集光性手段(16)が配置され
    たことを特徴とする投射型表示装置。
  3. 【請求項3】請求項2の投射型表示装置において、第2
    の集光性手段(16)のほぼ焦点位置に開口部を有する
    第2の絞り(18)が配置されたことを特徴とする投射
    型表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項の投射型表示
    装置において、該錐体物として凸錐体状プリズム(1)
    が用いられたことを特徴とする投射型表示装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか1項の投射型表示
    装置において、該錐体物として凹錐体状プリズム(2)
    が用いられたことを特徴とする投射型表示装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれか1項の投射型表示
    装置において、該錐体物として凸錐体状反射体(10)
    が用いられたことを特徴とする投射型表示装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜3のいずれか1項の投射型表示
    装置において、該錐体物として凹錐体状反射体(20)
    が用いられたことを特徴とする投射型表示装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項の投射型表示
    装置において、表示素子(15)は、電極付き基板間に
    正の誘電異方性のネマチック液晶が固化物マトリクス中
    に分散保持された液晶固化物複合体を有し、電圧の印加
    時または非印加時のいずれかの状態において、その固化
    物マトリクスの屈折率が用いられる液晶の屈折率と一致
    せしめられた透過散乱型の動作モードを備えた表示素子
    (15)とされたことを特徴とする投射型表示装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項の投射型表示
    装置において、表示素子(15)はその一方の面から光
    が入射され、他方の面から出射される透過モードで用い
    られることを特徴とする投射型表示装置。
  10. 【請求項10】請求項9の投射型表示装置において、光
    源(11)から投射光学系に至る光路がほぼZ字型とさ
    れてなることを特徴とする投射型表示装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1項の投射型
    表示装置を用いたカラー照明装置。
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