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JPH07126781A - ハロゲン化水素ガスに対して優れた耐食性を有するNi基合金およびその合金からなる配管 - Google Patents

ハロゲン化水素ガスに対して優れた耐食性を有するNi基合金およびその合金からなる配管

Info

Publication number
JPH07126781A
JPH07126781A JP29415993A JP29415993A JPH07126781A JP H07126781 A JPH07126781 A JP H07126781A JP 29415993 A JP29415993 A JP 29415993A JP 29415993 A JP29415993 A JP 29415993A JP H07126781 A JPH07126781 A JP H07126781A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
corrosion resistance
hydrogen halide
alloy
halide gas
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP29415993A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuo Sugawara
克生 菅原
Hideo Kitamura
英男 北村
Tsutomu Takahashi
務 高橋
Yasushi Toyokura
康司 豊蔵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP29415993A priority Critical patent/JPH07126781A/ja
Publication of JPH07126781A publication Critical patent/JPH07126781A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体製造プロセスに使用する含水ハロゲン
化水素ガスに対する耐食性に優れたNi基合金およびそ
のNi基合金からなる配管を提供する。 【構成】 重量%で、Cr:16〜21%、Mo:16
〜21%、Ta:1.5〜3.5%、Fe:0.01〜
4.0%を含有し、さらに、必要に応じて、Nb:0.
1〜0.5%、Cu:0.1〜2.0%のうち1種以上
を4Nb+Cu≦2%となる条件を満足するように含有
し、残りがNiおよび不可避不純物からなるNi基合
金、および上記Ni基合金からなる配管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、HCl,HBrなど
のハロゲン化水素ガスに対して優れた耐食性を有するN
i基合金、およびこのNi基合金からなる配管に関する
ものであり、この配管は主として半導体製造プロセス用
ガス配管として用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造プロセスにおけるHC
l,HBr等のハロゲン化水素ガスの利用が進んでい
る。半導体製造技術は、既にデザインルールのサブミク
ロン時代を迎えており、現在なお更なる超高集積度をめ
ざした微細化技術の開発が進められている。
【0003】このため、半導体に使用されるガスには、
より厳しい高清浄化と高純度化が求められるとともに微
細パターンを実現する特殊ガスには、フロン規制に伴い
CF4 の仕様が減少しHClやHBrなどのラジカルな
ハロゲン化水素系の反応性ガスが採用されるようになっ
た。そして、安定した長期操業と安全性確保のため、こ
れらのガスに対して、充分な耐食性を有する配管や装置
構成部材の要請が高まってきた。
【0004】これらのハロゲン化水素ガスは完全にドラ
イであれば、腐食の問題は発生しない。しかし、ボンベ
交換などによって、わずかながらもH2 Oがプロセス内
に入り込むと、ハロゲン化水素が電離、イオン化して局
所的に濃縮し酸を生じて、配管材料等の表面を腐食さ
せ、この腐食生成物が、微細粒子(パーティクル)とな
って浮遊発散する。
【0005】従来、半導体製造プロセス用配管として、
内面を光輝焼鈍したり電解研摩したSUS316Lから
なる配管が使用されていたが、十分な耐食性が得られな
いところから、水分を含むHClやHBrなどのハロゲ
ン化水素ガスに対してSUS316Lをはるかに凌ぐ耐
食性を示すハステロイC−22(公称組成:21%Cr
−13%Mo−4%Fe−3%W−Bal.Ni)など
のNi基合金製配管が用いられるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、半導体
製造プロセスで使用する配管として、含水ハロゲン化水
素ガスに対する耐食性の一層すぐれた配管が求められて
おり、この配管を製造するためのNi基合金が研究され
ているが、含水ハロゲン化水素ガスに対する耐食性を一
層向上させると一般に機械的特性が低下し、配管に加工
することが困難であったり、曲げ加工が出来ないなどの
課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
機械的特性を劣化せしめることなく従来より含水ハロゲ
ン化水素ガスに対する耐食性の優れたNi基合金からな
る配管を得るべく研究を行った結果、重量%で、Cr:
16〜21%、Mo:16〜21%、Ta:1.5〜
3.5%、Fe:0.01〜4%を含有し、さらに、必
要に応じて、Nb:0.1〜0.5%、Cu:0.1〜
2.0%のうち1種以上を4Nb+Cu≦2%となる条
件を満足するように含有し、残りがNiおよび不可避不
純物からなるNi基合金は、従来のハステロイC−22
などのNi基合金よりも含水ハロゲン化水素ガスに対す
る耐食性に優れ、機械的特性は劣ることはないという研
究結果が得られたのである。
【0008】この発明は、かかる研究結果に基づいてな
されたものであって、重量%で、Cr:16〜21%、
Mo:16〜21%、Ta:1.5〜3.5%、Fe:
0.01〜4%を含有し、さらに、必要に応じて、N
b:0.1〜0.5%、Cu:0.1〜2.0%のうち
1種以上を4Nb+Cu≦2%の条件を満足するように
含有し、残りがNiおよび不可避不純物からなるNi基
合金およびこのNi基合金からなる配管に特徴を有する
ものである。
【0009】この発明のNi基合金およびこのNi基合
金からなる配管の成分組成を上述の如く限定した理由は
下記の理由によるものである。
【0010】(a) Cr Crは、配管表面に保護皮膜を形成するに必要な成分で
あり、あらかじめ配管に不働態化処理を施して皮膜を形
成しておくと一層耐食性を高めることができる成分であ
るが、16%未満では皮膜は形成しづらく、一方21%
を越えるとCrとMoのバランスを崩し、含水ハロゲン
化水素ガスに対する耐食性が低下し、さらに機械的特性
も低下するので好ましくない。
【0011】したがって、Cr含有量は16〜21%に
定めた。
【0012】(b) Mo Moは、ハロゲン化水素ガスに対して最も有効に耐食性
を向上させる成分であるが、その含有量が16%未満で
は十分な耐食性を得ることができず、一方、21%を越
えて含有しても硬さが増し、塑性加工性が低下するので
好ましくない。
【0013】したがって、Moの含有量は16〜21%
に定めた。
【0014】(c) Ta Taは、Moの耐食効果を助長すると同時に、不働態化
による皮膜形成を促進させる作用を有するが、その含有
量が1.5%未満では十分な効果が得られず、一方、
3.5%を越えて含有すると有害相の析出を誘発し、含
水ハロゲン化水素ガスに対する耐食性の低下と共に機械
的特性も低下するので好ましくない。したがって、Ta
の含有量は1.5〜3.5%に定めた。
【0015】(d) Fe Feは、加工性、特に曲げ加工性を向上させるために必
須な成分であるが、その含有量が0.01%未満では加
工性向上効果が認められず、一方、4.0%を越えて含
有すると含水ハロゲン化水素ガスに対する耐食性が低下
するところから、Fe含有量は0.01〜4.0%に定
めた。
【0016】(e) Nb,Cu NbおよびCuは共に含水ハロゲン化水素ガスに対する
耐食性を向上させる成分であるが、Nb:0.1%未
満、Cu:0.1%未満であると十分な耐食性が得られ
ず、一方、Nbが0.5%を越えると有害相の析出を促
進させて含水ハロゲン化水素ガスに対する耐食性および
機械的性質を低下させ、さらにCuが2.0%を越えて
含有しても含水ハロゲン化水素ガスに対する耐食性およ
び機械的性質が低下するようになって好ましくない。
【0017】従って、NbおよびCuの含有量は、それ
ぞれNb:0.1〜0.5%、Cu:0.1〜2.0%
の範囲内にあることが必要であるが、NbおよびCu
は、さらに、4Nb+Cuが2%を越えると含水ハロゲ
ン化水素ガスに対する耐食性および機械的性質が低下す
るので好ましくない。
【0018】(f) 不可避不純物 なお、非金属介在物の主成分となる不可避不純物もパー
ティクルの発生源となるために、できるだけ少ない方が
よく、したがって、不可避不純物の範囲は下記の如く限
定した。
【0019】Mn:0.05%以下、Mg:0.04%
以下、C:0.01%以下、Si:0.03%以下、
P:0.02%以下、S:0.02%以下、V:0.1
0%以下。
【0020】
【実施例】表1〜表2に示される成分組成の本発明Ni
基合金1〜11、比較Ni基合金1〜10およびハステ
ロイC−22からなる従来Ni基合金を用意し、これら
Ni基合金からなる幅:6mm、長さ:100mm、厚さ:
1mmの寸法を有する合金板を作製し、この合金板の表面
を通常の条件で電解研摩し、試験片を作製した。
【0021】これら試験片を石英チャンバーに装入し、
まず石英チャンバー内の水分を除去するために石英チャ
ンバーを150℃に加熱し、その石英チャンバーにN2
ガスを24時間流した後、N2 ガスを流しながら常温ま
で徐冷した。次いで、HBrガス:90cc/min と10
00ppm H2 O+N2 ガス:10cc/min を同時に流す
ことにより、水分を含んだHBrガス(90%HBr+
100ppm H2 O+N2 )に置換し、この水分を含んだ
HBrガスを240時間流し続けた。
【0022】その後、N2 ガスを50cc/min で24時
間流して石英チャンバー内をN2 雰囲気に置換し、さら
にN2 ガスを1000cc/min 流しながら60分間に渡
りパーティクルカウンターにより腐食が原因で発生した
微細粒子(パーティクル)の個数を測定し、その結果を
表3〜表4に示した。
【0023】この場合、1リットル/min のN2 を60
分間流すことになるから、60リットル中にあるパーテ
ィクル個数を測定したことになる。
【0024】HClガスについても上記HBrガスと同
様にしてパーティクルカウンターによりパーティクル個
数を測定し、その結果も表3〜表4に示した。
【0025】さらに、上記本発明Ni基合金1〜11、
比較Ni基合金1〜10および従来Ni基合金について
引張り強さ、0.2%耐力および伸びを測定し、その結
果も表3〜表4に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】表1〜表4に示される結果から、本発明
Ni基合金1〜11は、従来Ni基合金に比べて、引張
り強さ、0.2%耐力および伸びなどの機械的特性は同
程度であるが、測定されたパーティクル個数が格段に少
ないところから含水ハロゲン化水素ガスに対する耐食性
が格段に優れており、したがって、本発明Ni基合金1
〜11で作製した配管は、半導体製造プロセス用配管と
して用いた場合に、従来Ni基合金で作製した配管に比
べて長期間の使用に耐えることができることがわかる。
【0031】しかし、この発明の範囲から外れた比較N
i基合金1〜10は、含水ハロゲン化水素ガスに対する
耐食性および機械的特性のうち少なくともいずれか一方
の特性が劣るところから半導体製造プロセス用配管材と
して好ましくないこともわかる。
【0032】上述のように、この発明のNi基合金は、
特に含水ハロゲン化水素ガスに対して優れた耐食性を示
すので、半導体製造プロセスの配管として用いた場合に
長期に渡って安定操業が可能となり、半導体製造コスト
の削減など産業上すぐれた効果をもたらすものである。
フロントページの続き (72)発明者 豊蔵 康司 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Cr:16〜21%、Mo:
    16〜21%、Ta:1.5〜3.5%、Fe:0.0
    1〜4%を含有し、残りがNiおよび不可避不純物から
    なることを特徴とするハロゲン化水素ガスに対して優れ
    た耐食性を有するNi基合金。
  2. 【請求項2】 重量%で、Cr:16〜21%、Mo:
    16〜21%、Ta:1.5〜3.5%、Fe:0.0
    1〜4%を含有し、さらに、 Nb:0.1〜0.5%、 Cu:0.1〜2%、の
    うち1種以上を4Nb+Cu≦2%の条件を満足するよ
    うに含有し、残りがNiおよび不可避不純物からなるこ
    とを特徴とするハロゲン化水素ガスに対して優れた耐食
    性を有するNi基合金。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のハロゲン化水素
    ガスに対して優れた耐食性を有するNi基合金からなる
    ことを特徴とする配管。
JP29415993A 1993-10-29 1993-10-29 ハロゲン化水素ガスに対して優れた耐食性を有するNi基合金およびその合金からなる配管 Withdrawn JPH07126781A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003012578A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Asahi Glass Co Ltd 有機ハロゲン化合物と高温高圧水との反応方法
JP2007332076A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Sumitomo Chemical Co Ltd アリルクロライドの製造方法。
JP2011046974A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Mitsubishi Materials Corp Ni基合金製ハロゲン系ガス用ボンベのバルブ部材

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Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

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Effective date: 20010130