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JPH07126364A - 低誘電性ポリエステル - Google Patents

低誘電性ポリエステル

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JPH07126364A
JPH07126364A JP27031493A JP27031493A JPH07126364A JP H07126364 A JPH07126364 A JP H07126364A JP 27031493 A JP27031493 A JP 27031493A JP 27031493 A JP27031493 A JP 27031493A JP H07126364 A JPH07126364 A JP H07126364A
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JP
Japan
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polyester
low
propanediol
low dielectric
mol
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JP27031493A
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Atsushi Takahashi
厚志 高橋
Fusao Hanzawa
房夫 半沢
Mamoru Fujita
守 藤田
Toru Kurabayashi
徹 倉林
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JNC Corp
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Chisso Corp
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のポリエステルは耐薬品性、機械的特
性、耐熱性、電気抵抗等にバランス良く優れた特性を有
するが、比較的高い比誘電率の高分子に属する。一般的
に低い比誘電率を期待する電子電気材料の分野におい
て、ポリエステルの低比誘電率化が好ましく、かつ必要
である。また、ポリエステルは吸水して加水分解し易い
ため、分子内に加水分解物や水の不純物が残り、この不
純物が比誘電率を大きくすると考えられる。これらの問
題点を解決するために、本発明の低誘電性ポリエステル
を提供するものである。 【構成】 テレフタル酸または/およびテレフタル酸誘
導体を含む酸成分と2,2−アルキル置換−1,3−プ
ロパンジオ−ルを含むジオール成分とを共重合して得ら
れる固有粘度0.3〜1.2dl/gを有する低誘電性
ポリエステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気機器、電子機器の部
品材料などに用いられる低誘電性ポリエステルに関す
る。さらに詳しく述べるならば、日常の状態において周
波数の依存性がなく安定な低い比誘電率を示し、高温多
湿下または高温多湿処理後の状態においても、低い比誘
電率を維持し、かつ安定な比誘電率を有するフィルム、
熱収縮フィルム、熱融着フィルム、シートなどに有用な
低誘電性ポリエステルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電材料として、古くは紙、クロス、マ
イカなどが使用されてきたが、各種高分子の登場により
高分子材料を用いた誘電材料の開発がなされてきた。こ
の高分子材料中でも、優れた誘電特性、電気絶縁性を示
す他に、比較的低価格で、化学的に安定で、機械強度が
大きく、耐熱性および耐寒性に優れたポリエステルが注
目されるようになり、近年このポリエステルが誘電材料
の多くを占めるようになってきた。ポリエステルの特性
を生かしたポリエステル単独の材料の他に、鉄、銅、ア
ルミニウム、錫などの金属を蒸着法やスパッタでポリエ
ステルフィルムに積層した材料も多く、使用目的を考慮
して、ポリエステルの比誘電率が高いと認められる場合
にはコンデンサ−、低いと認められる場合には主にフィ
ルム、プリント配線基板、磁気テープに応用されてき
た。
【0003】通常、電気・電子機器材料は比誘電率の低
い材料が優れた材料とされ好まれてきた。一般に、高価
な樹脂は、低い比誘電率にする手法として、フッ素系化
合物、フッ素系高分子などのブレンド方法を広く用いら
れてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のポリエ
ステルは、高分子として比誘電率が比較的高く、その低
比誘電率化の対策として、ポリエステルにフッ素化合物
などの低誘電性添加剤や可塑剤をブレンドする手法が考
えられるが、ブレンドしたポリエステルは高価であり、
低分子のブレンド物のブリードも懸念される。
【0005】また、従来のポリエステルは、水中または
高温多湿の環境下で吸湿すると、加水分解し、樹脂劣化
し易かった。この結果、従来のポリエステルは浸水処理
後、高温多湿下または高温多湿処理後、ポリエステル樹
脂内に加水分解物および水の不純物が存在し、これら不
純物が影響して比誘電率を著しく増大させるのが問題点
であった。
【0006】本発明は上記の問題点を解消することを課
題とした低誘電性ポリエステルを提供するものであり、
さらに述べるならば、提供する低誘電性ポリエステルは
ブレンド品を認めることのできない単一組成のポリエス
テル、すなわち一定の組成比で構成されたポリエステル
で、低誘電性添加剤(低分子)などを含まないか、含ん
でいるとしてもその添加剤の定性が極めて困難なポリエ
ステルからなるものであり、日常の状態において、周波
数依存性がなく安定な低い比誘電率を有し、さらに、高
温多湿下または高温多湿処理前後の状態で、比誘電率が
ほとんど変化なく、充分に安定な誘電特性を有する低誘
電性ポリエステルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、特定の2,2−アルキル置換−1,3−プ
ロパンジオールを共重合成分とするポリエステルが優れ
た誘電特性を有することを見い出して本発見を完成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は (1)テレフタル酸または/およびテレフタル酸誘導体
を含む酸成分と、2,2−アルキル置換−1,3−プロ
パンジオールを含むジオール成分とを共重合反応して得
られる固有粘度が0.3〜1.2dl/gである低誘電
性ポリエステルであり、(2)ジオール成分中の2,2
−アルキル置換−1,3−プロパンジオールが3〜50
モル%であることを特徴とする(1)項の低誘電性ポリ
エステルであり、(3)2,2−アルキル置換−1,3
−プロパンジオールのアルキルがエチル、プロピル、ブ
チル、ペンチルおよびヘキシルから選ばれる(1)項の
低誘電性ポリエステルであり、(4)周波数依存性がほ
とんどなく、安定な低い比誘電率を有する低誘電性ポリ
エステルであり、具体的には、周波数100〜1GHz
の範囲で安定な低い比誘電率であり、好ましくは、10
0〜1MHzの範囲でより安定な低い比誘電率であり、
この低誘電率が3.1〜2.4の範囲である(1)項の
低誘電性ポリエステルであり、(5)加湿または浸水処
理前後で比誘電率の変化が極めて小さい低誘電性ポリエ
ステルであり、具体的には、周波数100〜1MHzの
範囲で、1週間以上の加湿または浸水処理の場合で比誘
電率の最大変化が各々0.2を越えず、さらに、1週間
未満の加湿または浸水処理の場合で比誘電率の最大変化
が各々0.15以下である(1)項の低誘電性ポリエス
テルである。
【0009】本発明のポリエステルを得るためのジオー
ル成分は特定のジオール成分であり2,2−アルキル置
換−1,3−プロパンジオールを含むジオール成分から
なる。ジオール成分中で、2,2−アルキル置換−1,
3−プロパンジオールのモル比は3〜50モル%が好ま
しい。すなわち、2,2−アルキル置換−1,3−プロ
パンジオールが3モル%未満では低誘電性ポリエステル
成形体の溶融粘度を下げる減粘効果に乏しく低誘電性ポ
リエステル成形体の安定生産が困難であり、しかも、加
湿または浸水処理前後において体積抵抗率の低下が著し
く大きく、2,2−アルキル置換−1,3−プロパンジ
オールの効果が発現し難い。また、モル比が50モル%
を越えるとポリエステルの重合度が著しく低下する傾向
にあり成形体としての強度を失う。
【0010】2,2−アルキル置換−1,3−プロパン
ジオールとしては、そのアルキルがエチル、プロピル、
ブチル、ペンチルおよびヘキシルの群から選ばれる。具
体的には、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル(以下DMPと記す)、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール(以下DMHと記す)、2−
ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール
(以下DMNと記す)、2−ブチル−2−ヘキシル−
1,3−プロパンジオール(以下DMUと記す)を例示
することができる。これらは使用目的に応じて単独また
は任意の組合せにより使用できる。
【0011】本発明のポリエステルを得るためのジオー
ル成分は2,2−アルキル置換−1,3−プロパンジオ
ールが必須であり、その他にエチレングリコールなどが
好ましく用いられるが、必要に応じて他の成分、例えば
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ビスフェ
ノールA、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ペン
タエリストールなどのポリオールなどを含有してもよ
い。
【0012】本発明のポリエステルを得るための共重合
の酸成分は、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジエス
テル、テレフタル酸塩化物などのテレフタル酸誘導体ま
たはこれらの混合物であるが、他の成分として、ポリエ
ステルの特性が大きく変化しない範囲で、例えば、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、1,2−ビス(4−カルボ
フェノキシ)エタン、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、シュウ酸などの脂肪族ジカルボン
酸またはこれらのエステルなどの誘導体を共重合成分と
して含有してもよい。
【0013】本発明のポリエステルを得るための共重合
法としては、通常の種々の方法が利用できる。例えば、
ジカルボン酸のジメチルエステルとジオールのエステル
交換反応を行いメタノールを留出した後、徐々に減圧し
高真空下で重縮合反応を行う方法、または、ジカルボン
酸とジオールのエステル化反応を行い水を留出した後、
徐々に減圧し高真空下で重縮合反応を行う方法、また
は、原料として、ジカルボン酸のジメチルエステルとジ
カルボン酸を併用する場合、ジカルボン酸のジメチルエ
ステルとジオールのエステル交換反応を行い、更に、ジ
カルボン酸を加えてエステル化反応を行い、高温下で重
縮合反応を行う方法がある。エステル交換反応触媒とし
ては酢酸マンガン、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛などを使
用し、重縮合触媒としては三酸化アンチモン、酸化ゲル
マニウム、ジブチル錫オキシド、チタンテトラブトキシ
ドなど公知のものを使用することができる。
【0014】安定剤は必要に応じて加えることができ
る。安定剤としては、リン酸トリメチル、リン酸トリフ
ェニルなどのリン酸化合物、イルガノックス1010な
どのヒンダードフェノール系化合物を使用してもよい。
また、その他の添加剤を含有してもよい。
【0015】他の添加剤は品質や特性が変わらない限
り、必要に応じて、ポリエステルに加えることができ
る。添加剤としては、機械的強度向上をねらったガラス
ファイバーなどのケイ酸化合物、難燃効果をねらったク
ロロ化合物、ブロム化合物、低誘電性と低吸収性をねら
ったフッ素化合物などが挙げられる。重合法、触媒、安
定剤などの種々の条件は上記の例に限定されるものでは
ない。
【0016】本発明のポリエステルの固有粘度は、0.
3〜1.2dl/g、好ましくは0.5〜0.8dl/
g、特に0.55〜0.75dl/gがより好ましい。
固有粘度が1.2dl/gを越えると溶融粘度が高くな
りすぎオリフィス内に汚れを生じて長期の安定生産が困
難である。一方、0.3dl/g未満になると低誘電性
ポリエステル成形体としての強度が不十分である。
【0017】本発明のポリエステルは驚くべきことに約
2000ppmの含水率にもかかわらず、絶乾とよばれ
る極微量水分率50〜200ppmまで乾燥したポリエ
ステルと同様に、260〜300℃で熱溶融し、ダイよ
り押出し、50〜60℃のキャスティングドラム上で急
冷固化することで、低誘電性ポリエステル成形体として
シート形状に加工できる。その後、このシート形状は熱
延伸されフィルム形状になるが、その延伸方法として
は、80〜110℃で縦1軸延伸、縦横同時または縦延
伸後横延伸の二段階逐次2軸延伸するテンター法があげ
られ、別の延伸方法としてチューブ法が可能である。さ
らに、フィルム形状は110〜200℃で熱処理され
る。これら加工雰囲気は大気下、不活性ガス下、高真空
下またはいずれの組合せの雰囲下であっても構わない。
フィルム形状の成膜方法は上記の方法に限るものではな
く、一般に知られるカレンダー法などの成膜方法でも加
工できる。このようにポリエステルに任意の金型を用
い、適当な加工の諸条件を選ぶことで、従来の加工機を
改良することなく、目的の用途に適合した低誘電性ポリ
エステル成形体を得ることができる。
【0018】かくして得られた低誘電性ポリエステルは
透明で結晶性が小さく、その比誘電率が広域な周波数範
囲で安定した低誘電性を示した。また、この低誘電性ポ
リエステルの比誘電率は浸水処理後、高温多湿下または
高温多湿処理後も処理以前とほとんど変化なく安定して
いた。この優れた誘電性を生かし、電気機器、電子機器
の高信頼性部品材料として、低誘電性ポリエステルを提
供することができる。
【0019】優れた低い比誘電性を有する理由は、必ず
しも明確ではないが、本発明のポリエステルの共重合成
分である2,2−アルキル置換−1,3−プロパンジオ
ールの有するアルキル側鎖の存在で分子構造が非晶性に
なり、自由体積が大きい構造となった結果、電荷が動き
易い状態になりポリエステルに低い比誘電率を発現させ
たと推定できる。
【0020】また、このアルキル置換は、いわゆる疎水
性を有する側鎖であるために、浸水処理後、高温加湿下
または高温加湿処理後でも、樹脂中の水を主鎖中のエス
テル結合まで到達させず、加水分解を妨げる。加水分解
に伴う不純物発生が少ないため、浸水処理後、高温加湿
下または高温加湿処理後に比誘電率の増大は極めて小さ
くて済むと考えられる。
【0021】
【実施例】次に実施例で本発明を具体的に説明する。実
施例および比較例中に示された物性測定は以下のとおり
行われた。 (1)ポリエステルのジオール成分のモル比 ジオール成分のモル比は核磁気共鳴スペクトルの測定よ
り求めた。 (2)固有粘度 フェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混
合溶媒を使用し、30℃で溶液の落下時間を測定し算出
した。 (3)水分率 微量水分測定装置を使用し、カールフィッシャー法によ
り測定した。
【0022】(4)結晶性 X線回折装置に平板カメラを装着し、X線透過写真を撮
影して結晶性を調べ、つぎのように評価した。 A:非晶性である。 B:結晶性がほとんどない。
C:結晶性が少しある。 (5)比誘電率 直径30mmの錫箔主電極を作り、ブリッジ法にて、1
00Hz、1kHz、1MHzの周波数でフィルムをつ
ぎの処理後測定した。 (a)未処理 (b)浸水処理 液温24〜26℃の水槽中で、1日、7日および14日
浸漬した。 (c)恒温多湿処理 恒温恒湿槽を使用し、温度50℃、相対湿度90%雰囲
気下に、1日、7日および14日保持した。 (6)絶縁破壊の強さ JIS C 2318に準じて、油中で測定した。
【0023】実施例1 ジメチルテレフタレ−ト(以下、DMTという)16.
1モルに2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール(以下、DMHという)1.8モルを混合し、触
媒として酢酸亜鉛を0.01モル、三酸化アンチモンを
0.004モルを用い、窒素気流下、200〜205℃
で1時間加熱し、メタノール3.1モルを留去した。次
ぎにエチレングリコール(以下、EGという)を30.
4モル加えて、更に6時間加熱し28.6モルのメタノ
ールを留去した。そして、270〜275℃で1時間加
熱し、更に約0.3〜0.5Torrの減圧下で280
〜285℃で16モルの過剰のジオールを留去し、所定
の固有粘度となるように重縮合してポリエステルを得
た。得られたポリエステルをペレットとし、このペレッ
トのジオール成分比、固有粘度および水分率を測定し
た。その後このペレットを真空雰囲気の押出機を使用し
て、270〜285℃で加熱溶融しTダイから厚さ約
0.5mmのシート状に押出し、60℃のキャステイン
グドラムで急冷固化させ透明なシートを得た。このシー
トを窒素ガス雰囲気の2軸延伸機を使用して、90〜1
10℃で延伸速度300%/minで3倍×3倍の縦横
同時に二軸延伸し、厚さ約0.05mmの低誘電性ポリ
エステルフィルムを得た。得られたフィルムについて、
結晶性を調べ、固有粘度を測定後、各周波数の比誘電率
と絶縁破壊の強さを測定した。次に、所定の日数で浸水
処理、恒温加湿処理した後に、各周波数で比誘電率を測
定した。測定結果を表1に示した。
【0024】実施例2 DMHを3.5モル、EGを28.7モルに代え、この
時に留去するアルコール量を各々6.1モル、25.6
モルとする以外は、実施例1に準拠して行った。
【0025】実施例3 DMHを5.3モル、EGを26.9モルに代え、この
時に留去するアルコール量を各々9.4モル、22.2
モルとする以外は、実施例1に準拠して行った。
【0026】実施例4 DMHを2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール
(以下、DMPという)に代える以外は、実施例1に準
拠して行った。
【0027】実施例5 EGを25.1モル、DMHを2−ペンチル−2−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール(以下、DMNとい
う)7.1モルに代え、この時に留去するアルコール量
を各々19.4モル、14.2モルとする以外は、実施
例1に準拠して行った。
【0028】比較例1 DMH16.1モルにEGを32.2モル、触媒として
酢酸亜鉛を0.011モル、三酸化アンチモンを0.0
04モルを用い窒素気流下200〜205℃で加熱し、
32.0モルのメタノールを留去した。そして、270
〜275℃で1時間加熱し、更に約0.3〜0.5To
rrの減圧下280〜285℃で16モルの過剰のジオ
ールを留去し所定の固有粘度となるよう重縮合してポリ
エステルを得てペレットとした。ペレットの水分率は2
100ppm、固有粘度は0.78dl/gであった。
ペレットを270〜285℃に温度設定した真空雰囲気
の押出機で熱溶融し、Tダイから押出成形を試みたが成
形不良となり、目的のフィルムを得られなかった。
【0029】比較例2 比較例1で得られたペレットを、水分率150ppmま
で乾燥し、実施例1に準拠して目的のフィルムを得た。
得られたフィルムの測定値は表1に示す。
【0030】比較例3 DMHをネオペンチルグリコール(以下、NPGとい
う)に代える以外は、実施例1に準拠して行った。
【0031】結果を表1に示す。表1における粘度変化
率(*1)はつぎの式により算出した。
【数1】
【0032】
【表1】
【0033】表1から分かるように本発明の低誘電性ポ
リエステルは、比較例のポリエステルと比べて、電気・
電子材料として十分な絶縁破壊強さを有し、日常状態で
周波数を100〜1MHzに変えても安定な低い比誘電
率を示した。また、1日、1,2週間の浸水または高温
多湿処理後でも、比誘電率の変化が小さく、安定であっ
た。さらに、優れた誘電特性の他に、分子量の目安であ
る固有粘度の低下が極めて小さいため、加工後の分子量
低下の心配がなく、透明で、風合いの良い低誘電性ポリ
エステルフィルムである。
【0034】
【発明の効果】一般に、電気電子材料として、材料の比
誘電率は低いことが好ましいが、従来のポリエステル
は、高分子材料として、比較的高い比誘電率を有してい
た。また、従来のポリエステルは化学構造上、加水分解
しやすいために、浸水処理後、高温多湿下または高温多
湿処理後に比誘電率の増大が認められ、安定していなか
った。
【0035】これに対して、本発明の低誘電性ポリエス
テルは、2,2−アルキル置換−1,3−プロパンジオ
ールを含有したポリエステルを用いることで、日常の状
態において周波数依存性なく安定な低誘電性を有するポ
リエステルの出現を可能にした。さらに、驚くべきこと
には、高温多湿下または高温多湿処理後の状態でも比誘
電率がほとんど変化せず、安定な比誘電率を示した。こ
の優れた本発明の低誘電性ポリエステルは、フレキシブ
ルプリント基板、磁気テープ、コンデンサーおよび他の
成形体などに最適である。
【0036】かくして、本発明の低誘電性ポリエステル
は、電気機器、電子機器などに有用な材料として、従来
のポリエステルにない安定な低い比誘電率を認めるに至
った。この低誘電性ポリエステルは高温多湿等の厳しい
環境下にも適した新規なポリエステル材料として、電気
・電子、通信分野で大いに意義のあるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸または/およびテレフタル
    酸誘導体を含む酸成分と2,2−アルキル置換−1,3
    −プロパンジオ−ルを含むジオール成分とを共重合して
    得られる固有粘度0.3〜1.2dl/gを有する低誘
    電性ポリエステル。
  2. 【請求項2】 ジオール成分中の2,2−アルキル置換
    −1,3−プロパンジオールが3〜50モル%であるこ
    とを特徴とする請求項1の低誘電性ポリエステル。
  3. 【請求項3】 2,2−アルキル置換−1,3−プロパ
    ンジオールのアルキルがエチル、プロピル、ブチル、ペ
    ンチルおよびヘキシルから選ばれる請求項1の低誘電性
    ポリエステル。
  4. 【請求項4】 周波数100〜1GHzの範囲で安定な
    低い比誘電率であり、この比誘電率が3.1〜2.4の
    範囲である請求項1の低誘電性ポリエステル。
  5. 【請求項5】 1週間以上の加湿または浸水処理前後
    で、比誘電率の最大変化が0.2を越えず、1週間未満
    の加湿または浸水処理前後で、比誘電率の最大変化が
    0.15以下である請求項1の低誘電性ポリエステル。
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