JPH0712132Y2 - サンルーフ型車のルーフ開口部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はサンルーフ型車のルーフ開口部構造に関する。

従来の技術 第６〜９図は従来の構造を示すもので、１はルーフ開口
部２を形成したルーフパネルで、このルーフ開口部２に
は下側に向けて周縁フランジ３を曲折成形してある。こ
の周縁フランジ３のうち、後縁フランジ3aはその突出長
を側縁フランジ3bよりも短く設定し、図外のサンルーフ
リッドを後退スライドしてルーフパネル１下側に格納す
る際に干渉しないようにしてある。このように後縁フラ
ンジ3aと側縁フランジ3bとの突出長が異なるため、周縁
フランジ３のコーナー部Ｃには切欠部４を形成し、この
切欠部４を境にしてこれら後縁フランジ3aと側縁フラン
ジ3bとを連続成形してある。このルーフ開口部２の周縁
部はレインフォースによって補強されるが、両側縁部に
あってはサイドレインフォース30を側縁フランジ3bとそ
の曲折基部に亘って接合し、また、後縁部にあってはリ
ヤレインフォース31を後縁フランジ3aとその曲折基部に
亘って接合し、これらサイドレインフォース30,リヤレ
インフォース31によって補強してある。リヤレインフォ
ース31はその両端部をルーフサイドまで延設してある一
方、サイドレインフォース30の後端部は周縁フランジ３
のコーナー部Ｃ側に廻り込ませ、このコーナー部Ｃに沿
う湾曲コーナー部30aを形成してある。この湾曲コーナ
ー部30aでは、前記側縁フランジ3bと後縁フランジ3aの
突出長変化に合わせて、切欠部４と整合する切欠部30b
を形成してある。第7,8図中33はサイドレインフォース3
0に結合されて、図外のサンルーフリッドを摺動ガイド
するガイドレールを示す。この類似構造は、例えば特開
昭62-85716号公報に示されている。

考案が解決しようとする課題 周縁フランジ３のコーナー部Ｃには、側縁フランジ3bと
後縁フランジ3aの突出長を変化させるために切欠部４が
不可避的に生じ、これに合わせてサイドレインフォース
30の湾曲コーナー部30aにも前記切欠部４に整合する切
欠部30bが形成されるため、ルーフ開口部２の開放時
に、これら切欠部4,30bからルーフ内構造が見えて、見
栄えおよび品質感を著しく損なってしまう。そこで、本
考案は周縁フランジのコーナー部の側縁フランジと後縁
フランジとの連接部の切欠部を、特に専用のパッチ材を
必要とすることなく閉塞できて、見栄えおよび品質感を
向上することができるサンルーフ型車のルーフ開口部構
造を提供するものである。

課題を解決するための手段 ルーフ開口部の周縁に下側に向けて曲折成形した周縁フ
ランジのうち、後縁フランジの突出長を短く設定し、側
縁フランジと後縁フランジとを周縁フランジのコーナー
部で切欠部を境に連続成形すると共に、ルーフ開口部の
側縁部および後縁部に、各フランジとその曲折基部に亘
ってサイドレインフォース，リヤレインフォースを接合
して補強した構造において、前記リヤレインフォースの
両側端部に周縁フランジのコーナー部に沿う湾曲コーナ
ー部を形成する一方、サイドレインフォースの後端部を
ルーフ開口部後縁より後方に直状に延設してある。

作用 リヤレインフォースはルーフ開口部の後縁部に後縁フラ
ンジとその曲折基部に沿って重合すると共に、湾曲コー
ナー部を周縁フランジのコーナー部に沿って配置して接
合され、これら後縁フランジ，周縁フランジのコーナー
部周りを補強する。サイドレインフォースはルーフ開口
部の側縁部に後縁フランジとその曲折基部に沿って重合
すると共に、直状に延設した後端部の延設部をリヤレイ
ンフォースの端部に重合，配置して接合され、該側縁フ
ランジ周りを補強すると共に、延設部により周縁フラン
ジの湾曲コーナー部に形成された切欠部を閉塞する。

実施例 以下、本考案の一実施例を図面と共に詳述する。

第１〜５図において、１はルーフ開口部２を形成したル
ーフパネルで、このルーフ開口部２には下側に向けて周
縁フランジ３を曲折成形してある。この周縁フランジ３
のうち、後縁フランジ3aは、サンルーフリッド８をルー
フパネル１下側の格納部７内へスライド移動する時に干
渉することのないように、他のフランジ、例えば側縁フ
ランジ3bよりも突出長を短く設定してある。このように
後縁フランジ3aと側縁フランジ3bの突出長が異なるた
め、周縁フランジ３のコーナー部Ｃには、切欠部４を形
成して、この切欠部４を境にしてこれら後縁フランジ3a
と側縁フランジ3bとを連続成形してある。５はルーフ開
口部２の後縁部に後縁フランジ3aとその曲折基部に亘っ
て接合，配置されたリヤレインフォースで、両端部の端
末はルーフパネル１のルーフサイドに接合されていると
共に、該両端部には周縁フランジ３のコーナー部Ｃに廻
り込んで、該コーナー部Ｃに沿って接合，配置された湾
曲コーナー部5aを形成してある。６はルーフ開口部２の
側縁部に側縁フランジ3bとその曲折基部に亘って接合，
配置されたサイドレインフォースで、このサイドレイン
フォース６の後縁部には直状に延びる延設部6aを形成し
てあって、この延設部6aは前記リヤレインフォース５の
両端部に交差して該リヤレインフォース５に接合してあ
り、該延設部6aによって前記切欠部４を閉塞してある。

ここで、本実施例ではサイドレインフォース６の下縁の
ブラケット９を内側に曲折成形して、ルーフパネル１を
ルーフサイドレール10上に落し込んで接合する際に、ブ
ラケット９がルーフサイドレール10と干渉しないように
してあり、以って、ルーフ開口部２の車幅方向の寸法の
拡大化、およびこれに伴ってガイドレール11を極力ルー
フサイドレール10側に近接配置して、乗員のヘッドクリ
アランスの拡大化を図っている。また、ガイドレール11
はその外側縁に取付シート部12を形成してあると共に、
この取付シート部12に続いて立上り壁13を有段成形して
あり、この立上り壁13をサイドレインフォース６の外側
に配置し、取付シート部12を前記ブラケット９下面にビ
ス15固定することによって、前記サイドレインフォース
６の外側で外部から露見されることのない部位に前記立
上り壁13との間にドリップチャンネル14を構成して外観
の向上を図っている。また、立上り壁13の下側部にはブ
ラケット16を突設してあり、このブラケット16にボルト
・ナット17結合したボデイ側ブラケット18を介してルー
フサイドレール10にボルト・ナット19結合して、該ガイ
ドレール11を実質的に直接ルーフ骨格部材であるルーフ
サイドレール10に支持し、サンルーフリッド8,駆動リン
ク機構20等を含むサンルーフユニットの荷重を該ルーフ
サイドレール10に負担させて、取付剛性を高められるよ
うにしてある。更に、本実施例では前述のサンルーフリ
ッド８を、透明又は半透明の中央パネル21と、金属プレ
ート等の硬質薄板からなる周縁パネル22とで構成してい
る。周縁パネル22はその裏面に、ガイドレール11と平行
な水平部23aを有し、周縁パネル22の内周縁よりも内側
に延出したオーバーハング部23bを形成したインナパネ
ル23を接合してあり、周縁パネル22の内周縁を中央パネ
ル21の外周縁に固着したリテーナ24に上方から嵌着する
と共に、インナパネル23のオーバーハング部23bの端縁
を中央パネル21の裏面に弾接させて、これら中央パネル
21と周縁パネル22とを一体的に連結してある。そして、
前記周縁パネル22両側部の背部に形成された空間部を有
効利用して、この空間部に駆動リンク機構20を装着、具
体的には前記インナパネル23の水平部23aにボルト・ナ
ット25固定し、サンルーフリッド８からガイドレール11
までの間の上下方向寸法を極力狭められるようにしてあ
る。第3,4図中26はリヤドレーン、27はサンルーフリッ
ド８の下方で左右のガイドレール11に沿って前後方向に
摺動するシエードを示す。

以上の実施例構造によれば、ルーフ開口部２の周縁フラ
ンジ３のコーナー部Ｃは、リヤレインフォース５の両端
部に形成されて、該コーナー部Ｃに廻り込んで接合され
た湾曲コーナー部5aで補強されており、そして、前記コ
ーナー部Ｃの切欠部４はサイドレインフォース６の直状
に延びた延設部6aで隠蔽されているため、ルーフ開口部
２の開放時に該切欠部４からルーフパネル１の内部構造
が見えることがなく、従って、前記コーナー部Ｃの剛性
を確保した上で見栄え、品質感を向上することができ
る。また、本実施例のようにサイドレインフォース６の
延設部6aをリヤレインフォース５の両端部に完全にオー
バーラップさせて接合することによって、ルーフ開口部
２周りの剛性をより一層高めることができる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、リヤレインフォースの両
側端にはルーフ開口部の周縁フランジのコーナー部に廻
り込んで配設された湾曲コーナー部を形成してあるか
ら、該周縁フランジのコーナー部の剛性を従来のものと
何等遜色なく確保できると共に、サイドレインフォース
の後端部には直状の延設部を形成して、この延設部で前
記コーナー部に形成された切欠部を閉塞できるため、サ
ンルーフリッド開蓋時に該切欠部からルーフパネルの内
部構造が見えることがなく、従って、見栄えおよび品質
感を一段と向上することができるとい実用上多大な効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部を示す第５図Ｉ範囲部
の平面図、第２図は第１図のII矢視図、第３図，第４図
は同実施例の第５図III-III線,IV-IV線に相当する断面
図、第５図はサンルーフリッドの配置状態を示す自動車
の略示的平面図、第６図は従来の構造の要部を示す第１
図と同様の平面図、第７図は第６図のVII矢視図、第８
図，第９図は第６図のVIII-VIII線,IX-IX線に沿う断面
図である。 １……ルーフパネル、２……ルーフ開口部、３……周縁
フランジ、3a……後縁フランジ、3b……側縁フランジ、
４……切欠部、５……リヤレインフォース、5a……湾曲
コーナー部、６……サイドレインフォース、6a……延設
部、Ｃ……周縁フランジのコーナー部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ルーフ開口部の周縁に下側に向けて曲折成
   形した周縁フランジのうち、後縁フランジの突出長を短
   く設定し、側縁フランジと後縁フランジとをルーフ開口
   部のコーナー部で切欠部を境に連続成形すると共に、ル
   ーフ開口部の側縁部および後縁部に、各フランジとその
   曲折基部に亘ってサイドレインフォース，リヤレインフ
   ォースを接合して補強した構造において、前記リヤレイ
   ンフォースの両側端部に前記周縁フランジのコーナー部
   に沿う湾曲コーナー部を形成する一方、サイドレインフ
   ォースの後端部をルーフ開口部後縁より後方に直状に延
   設したことを特徴とするサンルーフ型車のルーフ開口部
   構造。