JPH07110282B2 - 自動搬送滅菌装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、物品を自動的に搬送して滅菌するための自
動搬送滅菌装置に関する。

［従来の技術］ 従来より、例えば、医療用品の製造技術においては、医
療用の物品を自動的に搬送して滅菌するための自動搬送
滅菌装置が種々開発され、実際に用いられている。この
従来の自動搬送滅菌装置においては、滅菌装置は、所謂
バツチシステムが採用されており、一旦、収納庫に滅菌
前の物品を収納しておき、この収納庫から所定数の物品
を滅菌装置まで搬送し、この滅菌装置において、一度に
滅菌した後、再び、収納庫に戻して収納する構成が採用
されている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、このような従来の自動搬送滅菌装置にお
いては、滅菌された物品と滅菌前の物品とは、見た目で
何等変化していないものであるにもかかわらず、滅菌前
の物品と、滅菌済みの物品とが、同一の収納庫に収納さ
れることになり、作業者が、滅菌済みの物品を出庫しよ
うとする際に、誤って滅菌前の物品を出向する可能性が
ある問題点が指摘されている。

この発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、こ
の発明の目的は、作業者が、間違えることなく、滅菌済
みの物品を出庫することの出来るようにした自動搬送滅
菌装置を提供することである。

［問題点を解決するための手段］ 上述した問題点を解決し、目的を達成するため、この発
明に係わる自動搬送滅菌装置は、滅菌前の物品を収納す
る滅菌前物品収納手段と、入り口部と出口部とを別々に
有し、入り口部から内部に取り入れられた物品を滅菌す
る滅菌手段と、この滅菌手段により滅菌された物品を収
納する滅菌済み物品収納手段と、前記滅菌前物品収納手
段と滅菌手段の入り口部とを接続し、滅菌前の物品を滅
菌手段まで搬送する滅菌前物品搬送手段と、前記滅菌手
段の出口部と滅菌済み物品収納手段とを接続し、滅菌済
みの物品を滅菌済み物品収納手段まで搬送する滅菌済み
物品搬送手段と、この滅菌済み物品搬送手段に介設さ
れ、滅菌済み物品を所定の個数毎に積み上げし結束する
積み上げ結束手段とを具備し、前記滅菌済み物品収納手
段には、滅菌済みの物品が積み上げ結束された状態で収
納される事を特徴としている。

また、この発明に係わる自動搬送滅菌装置の第１の実施
態様によれば、前記滅菌手段は、連続的に物品を滅菌す
るよう構成されている事を特徴としている。

［作用］ 以上のように構成される自動搬送滅菌装置においては、
滅菌前の物品は、滅菌前収納手段において収納され、滅
菌前搬送手段を介して滅菌手段まで搬送される。一方、
滅菌手段において滅菌された物品は、滅菌済み搬送手段
を介して滅菌済み収納手段まで搬送され、ここにおいて
収納されることになる。このようにして、本願発明の自
動搬送滅菌装置を採用することにより滅菌前の物品と滅
菌済みの物品との混同が、確実に回避されることにな
る。

［実施例］ 以下に、この発明に係わる自動搬送滅菌装置の一実施例
の構成を添付図面を参照して、詳細に説明する。

第１図に示すように、この自動搬送滅菌装置10は、滅菌
前の物品、例えば、医療用の輸液バツグが複数個収容さ
れた中間箱12を、出荷に先立ち一旦収納しておき、これ
を滅菌した状態で保管して出荷するための装置である。
この自動搬送滅菌装置10は、滅菌前の中間箱12を多数積
み上げた状態で収納しておく滅菌前収納庫14を備えてい
る。この滅菌前収納庫14には、図示しない箱積めセクシ
ヨンにおいて輸液バツグを複数個収容された中間箱12
が、図示しない制御機構により運行制御される無人車16
により運搬されてきて、搬入口18から搬入路20を介して
取り入れ口14aから収納されるように構成されている。

この無人車16は、第２図に示すように、その荷台に、専
用パレツト16aを取り外し自在に載置しているものであ
り、この専用パレツト16aは、所謂３段棚の構成で形成
されている。即ち、各専用パレツト16aには、各段毎に
３個の中間箱12が計９個備えられることになる。この専
用パレツト16aは、図示するように、一側が開放され、
他の三側に起立した側壁が設けられた状態に形成されて
おり、開放側面と対向する側壁には、後述する中間箱取
り出し部28において、中間箱12を確実に取り出すことが
出来るように、押し出しロツド38が挿通されるスリツト
（第３図に示す。）16bが、各段毎に形成されている。

尚、搬入口18には、この専用パレツト16a毎無人車16か
ら移し替えられ、この専用パレツト16aのまま、搬送路2
0を介して搬送され、滅菌前収納庫14に収納されるよう
構成されている。

一方、再び第１図に示すように、この滅菌前収納庫14か
ら離間した位置に、中間箱12を全体的に滅菌するための
第１及び第２の滅菌ステーシヨン22,24が設けられてい
る。これら第１及び第２の滅菌ステーシヨン22,24は、
共に、γ線照射による滅菌装置を備えており、互いに独
立して中間箱12を滅菌できるように構成されている。

各滅菌ステーシヨン22,24は、後述するように中間箱12
を複数個積み上げた状態で収容した滅菌キヤリア26をエ
ンドレスに搬送する滅菌搬送機構22a,24aと、各滅菌搬
送機構22a,24aの一部が取り入れられ、ここに入つたキ
ヤリア26をγ線を照射することにより滅菌するための滅
菌装置22b,24bとを備えている。ここで、各滅菌搬送機
構22a,22bには、中に滅菌前の中間箱12が積み上げられ
たキヤリア26を受け入れるための入り口部22c,24cと、
対応する滅菌装置22b,24bにおいて滅菌された中間箱12
が積み上げられたキヤリア26が取り出されるための出口
部22d,24dとが設けられている。

ここで、前述した滅菌前収納庫14には、ここに専用パレ
ツト16aを介して収納された滅菌前の中間箱12を、滅菌
計画に従つて滅菌すべく、滅菌ステーシヨン22,24の何
か一方に搬送するために取り出すための取り出し口14b
が設けられている。この取り出し口14bに取り出された
専用パレツト16aを、中間箱取り出し部28まで搬送する
ために、専用パレツト搬出路30が設けられている。ま
た、この専用パレツト搬出路30の末端部に隣接した状態
で、中間箱取り出し部28により取り出された中間箱12を
前述した第１の滅菌搬送ステーシヨン22の入り口部22c
まで搬送するための、中間箱搬送路32が設けられてい
る。

尚、この専用パレツト搬出路30の末端部には、第１図に
示すように、これに連続した状態で、中間箱取り出し部
28により中間箱12が取り出された後の空の専用パレツト
16aを返送するための空専用パレツト返送路34が接続さ
れている。この空専用パレツト返送路34の端部は、空専
用パレツト16aを無人車16の荷台に積み込む為の積み込
み部36が、前述した搬入口18に近接した状態で設けられ
ている。

前述した中間箱取り出し部28は、第３図に示すように、
専用パレツト搬出路30の末端部に至つた専用パレツト16
aに収容されている中間箱12を、中間箱搬送路32の始端
部に移すための押し出しロツド38を備えている。この押
し出しロツド38は、前述したように、専用パレツト16a
の各段のスリツト16bを介して、各段に収容された中間
箱12を押し出すように構成されている。

ここで、詳細な構成は図示していないが、専用パレツト
搬出路30の末端部は、ここに至つた専用パレツト16aを
上下方向に沿つて移動できるように、上下動可能に構成
されている。このようにして、専用パレツト16aにおい
て、互いに高さの異なる各段は、順次、中間箱搬送路32
と同一高さ位置にもたらされることになり、専用パレツ
ト16aの各段に収容された中間箱12は、確実に中間箱搬
送路32に移し替えられることになる。

一方、中間箱搬送路32の末端部、即ち、第１の滅菌ステ
ーシヨン22の入り口部22cに隣接する部分には、ここに
もたらされた中間箱12を前述したキヤリア26内に押し込
めるための押し込み部40が配設されている。ここで、こ
の入り口部22cにおいては、このキヤリア26は、横倒し
の状態で待機されている。この横倒しのキヤリア26内
に、第４図に示すように、上述した押し込み部40から押
し込みロツド42が押し出されることにより、中間箱搬送
路32の末端部に至つた中間箱12は、複数個が同時にキヤ
リア26内に押し込められることになる。

ここで、前述した第１の滅菌ステーシヨン22における滅
菌搬送機構22aにおいては、各キヤリア26は、起立した
状態でエンドレスに搬送されるように構成されており、
詳細は図示していないが、入り口部22c及び出口部22dに
おいては、一旦、この起立されたキヤリア26を横倒しに
寝かせて、再び起立させて、搬送されるようにする倒し
機構が設けられている。

また、各キヤリア26は、上述したように、起立した状態
から横倒しに寝た状態に回転させたとしても、内部に収
納した中間箱12が外に出ないように、第５図に示すよう
に、中間箱12の出入口として機能する一側面に、中間箱
落下防止板44を開放可能に備えている。この中間箱落下
防止板44は、上縁及び下縁において夫々上方及び下方に
回動自在に、所謂観音開き状態で取り付けられた一対の
扉44a,44bから構成されている。通常状態において、こ
れら扉44a,44bは、キヤリア26の一側面を閉塞する様
に、図示しない付勢部材により付勢されている。

一方、このキヤリア26が滅菌搬送機構22aにおける入り
口部22cに至り、横倒し状態に寝せられて、中間箱12を
入れ込みする場合には、第６図に示すように、上下方向
から夫々吸盤46a,46bが移動してきて、対応する扉44a,4
4bに吸着して、これらを付勢部材の付勢力に抗して上下
に夫々回動して、一側面を開放するように構成されてい
る。

このようにして開放された一側面を介して、押し込みロ
ツド42により押し込まれた中間箱12は、キヤリア26内に
収納されることになる。尚、この収納動作が終了した後
においては、これら吸盤46a,46bによる吸引動作が停止
され、各扉44a,44bは、付勢部材の付勢力により、一側
面を閉塞するように回動することになる。

また、このキヤリア26が滅菌搬送機構22aにおける出口
部22dに至り、横倒し状態に寝せられて、中間箱12を排
出する場合には、図示していないが、キヤリア26の一側
面とは対向する他方の側面に形成されたスリツトを介し
て挿入された出口部22dに設けられた押し出しロツドに
より、中間箱12を押し出すと共に、扉44a,44bを押し開
いて回動して、一側面を開放するよう構成されている。

ここで、前述した専用パレツト搬出路30の途中部には、
第１図に再び示すように、滅菌前収納庫14から取り出さ
れて搬送されている最中の専用パレツト16aを、第２の
滅菌ステーシヨン24に搬送するための分岐搬送路48が接
続されており、この分岐搬送路48は、前述した第２の滅
菌ステーシヨン24における入り口部24cまで延出してい
る。

尚、この第２の滅菌ステーシヨン24の構成は、上述した
第１の滅菌ステーシヨン22における構成と同様であるの
で、その説明を省略する。また、この入り口部24cにお
いて中間箱12を押し出されて空になつた専用パレツト16
aを無人車16に返すために、分岐返送路50が、前述した
専用パレツト搬出路30の途中に接続されている。

一方、この自動搬送滅菌装置10は、第１図に示すよう
に、第１及び第２の滅菌ステーシヨン22,24を間におい
た状態で、滅菌前収納庫14が設けられた側とは反対側
に、第１及び第２の滅菌ステーシヨン22,24において滅
菌された中間箱12を収納するための滅菌済み収納庫52を
備えている。この滅菌済み収納庫52は、滅菌された中間
箱12を、後述するようにして梱包した状態で収納するよ
う構成されている。

また、この滅菌済み収納庫52は、第１の滅菌ステーシヨ
ン22で滅菌された中間箱12を取り入れるための入口52a
と、第２の滅菌ステーシヨン24で滅菌された中間箱12を
取り入れるための入口52bとを、別々に備えている。更
に、この滅菌済み収納庫52は、出荷計画に従つて滅菌さ
れた中間箱12を出荷するための出荷口52cを備えてい
る。

ここで、第１の滅菌ステーシヨン22の出口部22dと、滅
菌済み収納庫52の第１の入口52aとの間には、第１の滅
菌ステーシヨン22において滅菌された中間箱12を滅菌済
み収納庫52まで搬送するための第１の滅菌済み中間箱搬
送路54が設けられている。この第１の滅菌済み中間箱搬
送路54の中途部には、搬送途中の滅菌済み中間箱12を所
定数毎に積み上げてまとめる第１のパレタイザ56が介設
されている。この第１のパレタイザ56は、第７図に示す
ように、所定数の中間箱12を搬送方向に沿つて並べると
共に、この並べた状態で複数段積み上げてまとめるよう
に構成されている。

また、この第１のパレタイザ56と第１の入口52aとの間
には、第１のパレタイザ56によりまとめられた中間箱12
の積み上げ体を結束して、荷崩れしないようにする第１
の結束装置58が介設されている。この第１の結束装置58
は、第８図に示すように、中間箱12の積み上げ体の最上
位置にある段の中間箱12のみを横方向に結束するよう構
成されている。このようにこの第１の結束装置58により
結束された中間箱12の積み上げ体は、滅菌済み収納庫52
内に、第１の入口52aを介して取り入れられ、ここに収
納されることになる。

一方、第２の滅菌ステーシヨン24の出口部24dと、滅菌
済み収納庫52の第２の入口52bとの間には、第２の滅菌
ステーシヨン24において滅菌された中間箱12を滅菌済み
収納庫52まで搬送するための第２の滅菌済み中間箱搬送
路60が設けられている。この第２の滅菌済み中間箱搬送
路60の中途部には、補助搬送路62がループした状態で接
続されており、この補助搬送路62には、第９図にも示す
ように、ここを搬送されてきた滅菌済みの中間箱12を複
数個まとめて出荷箱64に梱包するための梱包装置66が介
設されている。そして、この梱包装置66において梱包箱
64に梱包された中間箱12は、再び、第２の滅菌済み中間
箱搬送路60に戻されるよう構成されている。

また、この第２の滅菌済み中間箱搬送路60には、前述し
た第１の滅菌済み中間箱搬送路54に介設された第１のパ
レタイザ56及び第１の結束装置58と夫々同様な構成の第
２のパレタイザ68及び第２の結束装置70が介設されてい
る。ここで、第２のパレタイザ68及び第２の結束装置70
は、中間箱12を複数個積み上げて結束することが出来る
と共に、中に複数の中間箱12が梱包された梱包箱64を複
数個積み上げて結束することも出来るように構成されて
いる。

尚、中間箱12自身の積み上げ体は、例えば、国内向けに
出荷されるものとして用意され、一方、梱包箱64の積み
上げ体は、外国向けに出荷されるものとして用意される
ものである。

また、第１及び第２の滅菌済み中間箱搬送路54,60の夫
々の中途部には、滅菌された中間箱12を滅菌済み収納庫
52には入れずに、抜き取りサンプル取り出し用の取り出
し搬送路72a,72bが接続されている。

以上のように構成される自動搬送滅菌装置10において、
中間箱12の自動搬送滅菌動作について、以下に説明す
る。

図示しない箱積めセクシヨンにおいて輸液バツグが箱詰
めされた中間箱12は、無人車16の荷台上に載置された専
用パレツト16a内に収納され、この無人車16の走行に伴
なって、自動搬送滅菌装置10の搬入口18まで移送され
る。そして、この搬入口18において、中間箱12は、無人
車16から専用パレツト16aごと搬送路20に移し替えられ
ることになる。この後、搬送路20における搬送動作に伴
なって、搬入口18に移された専用パレツト16aは、取り
入れ口14aから滅菌前収納庫14に取り入れられ、ここに
収納されることになる。

そして、所定の滅菌計画に従つて、この滅菌前収納庫14
に収納されていた中間箱12は、専用パレツト16aに収容
された状態で、取り出し口14bから専用パレツト搬出路3
0に取り出され、この専用パレツト搬出路30における搬
送動作に伴なって、第１の滅菌ステーシヨン22の入り口
部22cまで搬送される。ここで、搬送計画において、第
１の滅菌ステーシヨン22のみで滅菌するには能力が不足
する場合、及び、外国用に出荷する予定のある中間箱12
を滅菌する場合には、この専用パレツト搬出路30の途中
において、専用パレツト16aごと分岐搬送路48に移し替
えられ、この分岐搬送路48を介して、第２の滅菌ステー
シヨン24の入り口部24cまで搬送されることになる。

そして、この専用パレツト搬出路30の末端部において中
間箱取り出し部28に対向する位置まで搬送された専用パ
レツト16aにおいては、下側の段に載せられた中間箱12
から順次、押し出しロツド38の押し出し動作に伴い、中
間箱搬送路32まで押し出される。ここで、次の上側の段
に載せられた中間箱12を押し出す際には、この専用パレ
ツト搬出路30の末端部ごと下降し、次の上側の段に載せ
られた中間箱12に押し出しロツド38が係合するようにな
される。このようにして、専用パレツト16aに載せられ
ていた中間箱12は、順次、中間箱搬送路32に移し替えら
れることになる。

次に、第１の滅菌ステーシヨン22の入り口部22cに搬送
された中間箱12は、押し込み部40から押し出された押し
込みロツド42により、横向きに寝かされたキヤリア26内
に、複数個を一度に積め込まれることになる。この後、
複数個の中間箱12が付け込まれたキヤリア26は起立さ
れ、滅菌搬送機構22aの搬送動作に伴い、滅菌装置22bに
向けて搬送され、この滅菌装置22b内を通過している間
に、キヤリア26内の中間箱12は、γ線により滅菌される
ことになる。

一方、専用パレツト搬出路30の末端部において、中間箱
12を取り出されて空になつた専用パレツト16aは、空専
用パレツト返送路34を介して、積み込み部36まで搬送さ
れ、ここで、荷台の空いた無人車16に積み込まれる。
尚、この積み込み部36に空の無人車が待機していない場
合には、この空の専用パレツト16aは、搬送路20を介し
て、空のまま、滅菌前収納庫14内に搬送され、ここに収
納されることになる。

また、前述したように、滅菌装置22b内において滅菌さ
れた中間箱12を収納したキヤリア26は、滅菌装置22bを
出た後、出口部22dまで搬送され、ここで、再び、横倒
し状態に寝せられることになる。そして、この状態か
ら、押し出しロツドにより、滅菌済みの中間箱12はキヤ
リア26から押し出されて、第１の滅菌済み中間箱搬送路
54に移し替えられることになる。

この後、第１の滅菌済み中間箱搬送路54を介して、この
滅菌済みの中間箱12は、滅菌済み収納庫52に向けて搬送
されることになる。ここで、この搬送途中において、滅
菌済みの中間箱12は、第１のパレタイザ56において所定
数だけ積み上げられ、この積み上げ体は、第１の結束装
置58により結束され、荷崩れしないようになされる。こ
のようにして、結束された滅菌済みの中間箱12の積み上
げ体は、滅菌済み収納庫52内に第１の入り口部52aを介
して取り入れられ、ここに収納されることになる。

そして、所定の出庫計画に従つて、この滅菌済みの中間
箱12の積み上げ体は、出荷口52cから取り出され、出荷
されることになる。

一方、前述したように、搬送計画において、第１の滅菌
ステーシヨン22のみで滅菌するには第１の滅菌ステーシ
ヨン22における能力が不足する場合、及び、外国用に出
荷する予定のある中間箱12を滅菌する場合には、この専
用パレツト搬出路30の途中において、専用パレツト16a
ごと分岐搬送路48に移し替えられ、この分岐搬送路48を
介して、第２の滅菌ステーシヨン24の入り口部24cまで
搬送されることになる。

そして、第１の滅菌ステーシヨン22において滅菌される
動作と同様な動作を受けて、第２の滅菌ステーシヨン24
において、中間箱12は、キヤリア26ごと滅菌動作を受け
ることになる。この後、滅菌済みの中間箱12は、出口部
24dにおいて、キヤリア26から取り出され、第２の滅菌
済み中間箱搬送路60に移し替えられる。

ここで、この滅菌済みの中間箱12が国内向けのものであ
る場合には、この第２の滅菌済み中間箱搬送路60を介し
て第２のパレタイザ68で積み上げられ、第２の結束装置
70において結束されることになる。そして、このように
結束された滅菌済みの中間箱12の積み上げ体は、第２の
入り口部52bを介して、滅菌済み収納庫52内に取り入れ
られ、ここに収納されることになる。

一方、この滅菌済み中間箱12が外国向けのものである場
合には、この第２の滅菌済み中間箱搬送路60を搬送され
ていく途中において、補助搬送路62に移し替えられ、梱
包装置66において、梱包箱64内に複数個を一度にまとめ
て梱包されることになる。このように梱包箱64に梱包さ
れた中間箱12は、再び、第２の滅菌済み中間箱搬送路60
に戻され、前述した中間箱12が単体の場合と同様に、第
２のパレタイザ68で積み上げられ、第２の結束装置70に
おいて結束されることになる。そして、このように結束
された滅菌済みの中間箱12の梱包された梱包箱64の積み
上げ体は、第２の入り口部52bを介して、滅菌済み収納
庫52内に取り入れられ、ここに収納されることになる。

以上詳述したように、この一実施例によれば、滅菌前の
中間箱12と、滅菌後の中間箱12とが、空間的に隔てられ
た状態で、夫々収納されることになるので、滅菌前の中
間箱12を滅菌済みの中間箱12と間違えて出荷する虞は、
確実に防止されることになる。また、この滅菌動作に際
して必要となる搬送動作は、全て、人手のかからないよ
うに全自動化されている。このようにして、人手による
間違えが防止されると共に、人手により中間箱12が汚さ
れる虞も確実に防止されることになる。

この発明は、上述した一実施例の構成に限定されること
なく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能
であることは言うまでもない。

例えば、上述した一実施例においては、滅菌される対象
として、輸液バツグを用いるように説明したが、この発
明においては、これに限定されることなく、血液バツ
グ、注射針等、滅菌して出荷する必要のある医療用品等
に適用出来ることは言うまでもない。

また、上述した一実施例においては、滅菌装置として、
γ線（放射線）を照射して滅菌する構成を採用するよう
に説明したが、この発明はこれに限定されることなく、
ガス滅菌装置も適用出来るし、また、高圧蒸気滅菌装置
も適用出来ることは言うまでもない。

［発明の効果］ 以上詳述したように、この発明に係わる自動搬送滅菌装
置は、滅菌前の物品を収納する滅菌前物品収納手段と、
入り口部と出口部とを別々に有し、入り口部から内部に
取り入れられた物品を滅菌する滅菌手段と、この滅菌手
段により滅菌された物品を収納する滅菌済み物品収納手
段と、前記滅菌前物品収納手段と滅菌手段の入り口部と
を接続し、滅菌前の物品を滅菌手段まで搬送する滅菌前
物品搬送手段と、前記滅菌手段の出口部と滅菌済み物品
収納手段とを接続し、滅菌済みの物品を滅菌済み物品収
納手段まで搬送する滅菌済み物品搬送手段と、この滅菌
済み物品搬送手段に介設され、滅菌済み物品を所定の個
数毎に積み上げし結束する積み上げ結束手段とを具備
し、前記滅菌済み物品収納手段には、滅菌済みの物品が
積み上げ結束された状態で収納される事を特徴としてい
る。

従つて、この発明によれば、作業者が、間違えることな
く、滅菌済みの物品を出庫することの出来るようにした
自動搬送滅菌装置が提供されることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係わる自動搬送滅菌装置の一実施例
の構成を概略的に示す斜視図； 第２図は無人車及びこれに載せられた専用パレツトの構
成を概略的に示す斜視図； 第３図は中間箱を専用パレツトから中間箱搬送路に移し
替えるための構成を示す斜視図； 第４図は中間箱をキヤリアに押し込めるための構成を示
す斜視図； 第５図はキヤリアの構成を示す斜視図； 第６図はキヤリアにおける扉の開放状態を示す斜視図； 第７図はパレタイザにおける積み上げ状態を示す斜視
図； 第８図は結束装置における結束状態を示す斜視図；そし
て、 第９図は梱包箱への中間箱の梱包状態を示す斜視図であ
る。 図中、10……自動搬送滅菌装置、12……中間箱、14……
滅菌前収納庫、14a……取り入れ口、14b……取り出し
口、16……無人車、16a……専用パレツト、16b……スリ
ツト、18……搬入口、20……搬入路、22……第１の滅菌
ステーシヨン、24……第２の滅菌ステーシヨン、22a;24
a……滅菌搬送機構、22b;24b……滅菌装置、22c;24c…
…入り口部、22d;24d……出口部、26……キヤリア、28
……中間箱取り出し部、30……専用パレツト搬出路、32
……中間箱搬送路、34……空専用パレツト返送路、36…
…積み込み部、38……押し出しロツド、40……押し込み
部、42……押し込みロツド、44a;44b……扉、46a;46b…
…吸盤、48……分岐搬送路、50……分岐返送路、52……
滅菌済み収納庫、52a……第１の入口、52b……第２の入
口、52c……出荷口、54……第１の滅菌済み中間箱搬送
路、56……第１のパレタイザ、58……第１の結束装置、
60……第２の滅菌済み中間箱搬送路、62……補助搬送
路、64……梱包箱、66……梱包装置、68……第２のパレ
タイザ、70……第２の結束装置、72a;72b……取り出し
搬送路である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】滅菌前の物品を収納する滅菌前物品収納手
   段と、 入り口部と出口部とを別々に有し、入り口部から内部に
   取り入れられた物品を滅菌する滅菌手段と、 この滅菌手段により滅菌された物品を収納する滅菌済み
   物品収納手段と、 前記滅菌前物品収納手段と滅菌手段の入り口部とを接続
   し、滅菌前の物品を滅菌手段まで搬送する滅菌前物品搬
   送手段と、 前記滅菌手段の出口部と滅菌済み物品収納手段とを接続
   し、滅菌済みの物品を滅菌済み物品収納手段まで搬送す
   る滅菌済み物品搬送手段と、 この滅菌済み物品搬送手段に介設され、滅菌済み物品を
   所定の個数毎に積み上げし結束する積み上げ結束手段と
   を具備し、 前記滅菌済み物品収納手段には、滅菌済みの物品が積み
   上げ結束された状態で収納される事を特徴とする自動搬
   送滅菌装置。