[go: up one dir, main page]

JPH0710494B2 - ラッピング装置 - Google Patents

ラッピング装置

Info

Publication number
JPH0710494B2
JPH0710494B2 JP16053188A JP16053188A JPH0710494B2 JP H0710494 B2 JPH0710494 B2 JP H0710494B2 JP 16053188 A JP16053188 A JP 16053188A JP 16053188 A JP16053188 A JP 16053188A JP H0710494 B2 JPH0710494 B2 JP H0710494B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
lap
lapping
surface plate
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16053188A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH029572A (ja
Inventor
明夫 小村
紳司 宮本
重喜 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Zosen Corp filed Critical Hitachi Zosen Corp
Priority to JP16053188A priority Critical patent/JPH0710494B2/ja
Publication of JPH029572A publication Critical patent/JPH029572A/ja
Publication of JPH0710494B2 publication Critical patent/JPH0710494B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ラッピング装置、さらに詳しくは、ラップ
定盤によりたとえばシリコンウェハなどを研磨するラッ
ピング装置に関する。
従来の技術および発明の課題 ラップ定盤を用いたラッピングマシンにおいては、加工
精度を上げるために、ラップ定盤の平面精度を計測して
これを修正する必要がある。
従来のラッピングマシンにおいては、ラップ定盤の平面
精度の測定は、複数のダイヤルゲージを直線状に配列し
た真直度測定バーを用いて行なっているが、ラップ定盤
の任意直線上の二次元情報しか得られず、高精度ラップ
に必要な三次元形状が不明である。しかも、この計測は
下部ラップ定盤のみの管理であり、両面ラッピングマシ
ンの場合の上部ラップ定盤の管理は半径方向のみであ
り、理想平面とはほど遠い平面形状になっている。
また、ラップ定盤の修正作業は、ラップ定盤の中央部が
高くなった中凸形または中央部が低くなった中凹形など
の形状によって、作業者の勘でドレッシングギヤとラッ
プ定盤の回転方向および回転速度を組合わせることによ
り行なっている。ラップ定盤はラップ加工熱や荷重によ
って熱変形や弾性変形をするため、加工中の摩耗も考慮
されて修正形状がノウハウ的に決められており、一般的
には、下部ラップ定盤が中凹形、上部ラップ定盤が中凸
形になっている。このため、修正作業は、かなりの時間
と経験を要し、熟練度の高い作業である。
この発明の目的は、上記の問題を解決し、上下のラップ
定盤の平面精度の計測および修正が簡単かつ確実にで
き、よって精度の高い製品が得られるラッピング装置を
提供することにある。
課題を解決するための手段 この発明によるラッピング装置は、 上向きに配置された下部ラップ定盤と、 下部ラップ定盤の上方に下向き対向状に配置された上部
ラップ定盤と、 下部ラップ定盤上面の平面精度を計測する下部計測位置
と上部ラップ定盤下面の平面精度を計測する上部計測位
置とに回動させられる反転可能な計測バーに取付けられ
た複数の距離センサーを有し、各計測位置において、距
離センサーからの出力信号と、距離センサーの位置関係
と、対応するラップ定盤の回転角度位置とを対応付けし
た処理を行なうことによりラップ定盤表面の平面精度を
計測する平面精度計測手段と、 下部ラップ定盤上面を修正する下部修正位置と上部ラッ
プ定盤下面を修正する上部修正位置とに回動させられる
反転可能な砥石支持部材に取付けられた修正砥石を有
し、各修正位置において、砥石が対応するラップ定盤の
表面に接触して回転し、ラップ定盤に対する砥石の位
置、砥石の接触圧力および回転速度の調整ができる修正
手段と、 各計測位置における平面精度計測手段の計測結果に基づ
いて対応する修正位置における修正手段を制御すること
により対応するラップ定盤の表面を修正する制御手段と
を備えているものである。
作用 下部ラップ定盤上面の平面精度を計測する下部計測位置
と上部ラップ定盤下面の平面精度を計測する上部計測位
置とに回動させられる反転可能な計測バーに取付けられ
た複数の距離センサーを有し、各計測位置において、距
離センサーからの出力信号と、距離センサーの位置関係
と、対応するラップ定盤の回転角度位置とを対応付けし
た処理を行なうことによりラップ定盤表面の平面精度を
計測する平面精度計測手段を備えているので、計測バー
を下部計測位置と上部計測位置に反転させて距離センサ
ーの向きを変えることにより、下部ラップ定盤はもちろ
ん、上部ラップ定盤であっても、その三次元形状を簡単
に精度良く計測することができる。
また、下部ラップ定盤上面を修正する下部修正位置と上
部ラップ定盤下面を修正する上部修正位置とに回動させ
られる反転可能な砥石支持部材に取付けられた修正砥石
を有し、各修正位置において、砥石が対応するラップ定
盤の表面に接触して回転し、ラップ定盤に対する砥石の
位置、砥石の接触圧力および回転速度の調整ができる修
正手段を備えているので、砥石支持部材を下部修正位置
と上部修正位置に反転させて砥石の向きを変えることに
より、下部ラップ定盤はもちろん、上部ラップ定盤であ
っても、その表面の任意の位置を任意の量だけ簡単に精
度良く修正することができる。
さらに、各計測位置における平面精度計測手段の計測結
果に基づいて対応する修正位置における修正手段を制御
することにより対応するラップ定盤の表面を修正する制
御手段を備えているので、平面精度の計測結果に基づい
て、上下のラップ定盤を任意の形状に簡単に精度良く修
正することができる。
実施例 以下、図面を参照して、この発明の一実施例を説明す
る。
第1図は、両面ラッピングマシンの平面精度測定と修正
に関する部分の概略構成を示す。
ラッピング装置は、上下のラップ定盤(10)(11)、平
面精度計測装置(12)、修正装置(13)および制御装置
(14)を備えている。
下部ラップ定盤(下部定盤)(11)は、上向きに配置さ
れている。
上部ラップ定盤(上部定盤)(10)は、下部定盤(11)
の上方に下向き対向状に配置され、上下に移動して下部
定盤(11)との間隔が調整できるようになっている。
制御装置(14)はたとえばパーソナルコンピュータより
なり、これにはグラフィックディスプレイ(15)などが
接続されている。
平面精度計測装置(12)は、次のように構成されている
(第2図および第3図参照)。
平面精度計測装置(12)は、1本の計測バー(16)を備
えている。計測バー(16)の両端部は支持ブロック(1
7)に支持されており、ブロック(17)は支持台(18)
に高さの調整ができるように取付けられている。支持台
(18)は、計測バー(16)が上下の定盤(10)(11)の
間に位置するように、下部定盤(11)の外側の装置上に
据付けられている。計測バー(16)には複数個(たとえ
ば10個程度)の距離センサー(19)が直線状に配列され
ている。また、計測バー(16)の両端寄りの部分には高
さ調整用光スイッチ(20)が設けられている。計測バー
(16)は、ブロック(17)に対して180度反転させるこ
とにより、距離センサー(19)が下部定盤(11)上面に
対向する下部計測位置と距離センサー(19)が上部定盤
(10)下面に対向する上部計測位置とに切換えられる。
そして、上部または下部計測位置において、それぞれ、
光スイッチ(20)を用いてブロック(17)の高さを調整
することにより、距離センサー(19)がすべて定盤(1
0)(11)の表面とほぼ平行な1つの平面内好ましくは
水平面内に位置するように計測バー(16)の高さが調整
される。
上部定盤(10)の上面周縁部にマーカ(21)が取付けら
れ、装置の固定部分にはこのマーカ(21)を検出するこ
とにより上部定盤(10)の回転角度を求めるためのマー
カセンサー(22)が設けられている。同様に、下部定盤
(11)の下面周縁部にマーカ(23)が取付けられ、装置
の固定部分にはこのマーカ(23)を検出することにより
下部定盤(11)の回転角度を求めるためのマーカセンサ
ー(24)が設けられている。
計測バー(16)の距離センサー(19)および高さ調整用
光スイッチ(20)ならびにマーカセンサー(22)(24)
は、制御装置(14)に接続されている。制御装置(14)
は、計測バー(16)の複数の距離センサー(19)の出力
と、これら各距離センサー(19)の位置関係と、定盤
(10)(11)の回転角度とを対応づけした処理を行なう
ことにより、定盤(10)(11)の平面精度を計測する。
次に、第3図を参照して、上記の平面精度計測装置(1
2)による下部定盤(11)の平面精度計測の原理を説明
する。
第3図は計測バー(16)をラッピングマシン上に据付け
て下部定盤(11)を回転させたときの40°ごとの回転位
置での計測ラインを示している。計測バー(16)には10
個程度の距離センサー(19)を取付けるが、同図には原
理上必要な6個の距離センサー(19)の位置j=、
、、、、を示している。また、下部定盤(1
1)の回転による計測バー(16)の位置をi=
……、で表わしている。
計測バー(16)の距離センサー(19)の出力di,jは、 di,j=ai・xj+bi+fi,j ………(1) と表わすことにする。ただし、iは,……、の下部
定盤(11)の回転位置、jは、……、のセンサー位
置である。また、a、bは下部定盤の回転に伴って移動
する面を計測バーで切断したときの、切断面上部直線の
パラメータ、fはその直線からのずれ量すなわち平面歪
の量である。
この平面精度計測装置(12)による計測方法の基本的な
考え方は、第3図における3点A、B、Cでの測定値を
基本に、これらの点が水平面内にあるものとして、点
A、B、C以外の測定値di,jからfi,jを求めることであ
る。以下、その具体的な手順を述べる。
まず、点A、B、Cを通る位置上のfi,jを求
める。
点Aの測定データはの、のとして与えられるの
で、式(1)から、 di,=a ・x +b +f ………(2) d =a ・x +b +f ………(3) となる。 のとのは同じ位置(点A)であるから、 f =f である。
なお、この位置を基準とするので、f =0として
もよい。一方、計測バー(16)の中心をx=0となるよ
うにすると、センサー(19)の位置の対称性から、x
=−x となる。
点B、Cの位置についても同様であるので、 d =a ・x +b +f ………(4) d =a ・x +b +f ………(5) d =a ・x +b +f ………(6) d =a ・x +b +f ………(7) であり、 f =f =0 f =f =0 である。
式(2)、(5)から、 a =(d −d )/(2・x ) ………
(8) b =(d −d )/2 ………(9) 式(3)、(6)から、 a =(d −d )/(2・x ) ………
(10) b =(d −d )/2 ………(11) 式(4)、(7)から、 a =(d −d )/(2・x ) ………
(12) b =(d −d )/2 ………(13) したがって、上の平面歪fは、式(8)、(9)の値
を用いて、 f ,j=d ,j−a ・x−b ………(14) で得られる。
同様に、上の平面歪fは式(10)、(11)から、
の平面歪fは式(12)、(13)から求められる。
次に、以外の位置でのfi,jを求める。以外の位置でのa、bの値はとの
対応関係から求められる。
たとえば、第3図において、位置のa、bは次のよう
にして得られる。 のとの、およびのとのは同一点である
から、 f =f ………(15) f =f ………(16) ここでf およびf は、位置およびにお
いて前述のようにすでに得られている。
したがって、 d =a ・x +b +f ………(17) d =a ・x +b +f ………(18) であるので、 a =[(d −d )−(f −f
)]/(x −x ) ………(19) b =d −f −a ・x ………(20) で求められる。したがって、上のfはすべて求められ
ることになる。
他の位置に対しても、同様にしてf
を得ることができる。
di,jは測定値であるが、上述の手順で処理する場合に
は、各位置iに関して平滑化した値を用いるのが望まし
い。
また、各位置iでのデータは同時入力が望ましいが、実
際はセンサーをスキャンすることになり、下部定盤(1
1)が回転するため、本来の位置とはずれた位置を測定
することになる。いま、直径1mのワークが10rpmで回転
していると、最外周の周側は約500mm/secとなる。した
がって、10msec以内に入力することができれば、最大の
測定位置ずれ量は5mmとなるので、実用上問題はないと
考えられる。
上部定盤(10)の平面精度の計測も、計測バー(16)を
上部計測位置に切換えた状態で同様にして行なわれる。
修正装置(13)は、次のように構成されている(第4図
参照)。
ベース(25)に対して昇降するコラム(26)の上端に昇
降台(27)が固定されている。昇降台(27)には旋回台
(28)が取付けられ、昇降台(27)に取付けられた旋回
用モータ(29)により垂直軸を中心に旋回させられる。
旋回台(28)の上部にアーム(30)の基端側の部分が水
平ピン(31)により上下回動自在に取付けられている。
アーム(30)の先端部に砥石支持部材(32)が取付けら
れている。この部材(32)の先端部には砥石駆動モータ
(33)が取付けられ、そのモータ軸(34)の先端部に球
面継手(35)およびばね(36)を介して修正砥石(37)
が取付けられている。旋回台(28)には2個のレバー
(38)(39)がアーム(30)のピン(31)と平行なピン
(40)(41)により回動自在に取付けられ、各レバー
(38)(39)にはそれぞれ圧力調整用モータ(42)(4
3)により昇降させられる圧力調整ねじ(44)(45)が
押当てられている。第1のレバー(38)のねじ(44)と
反対側の部分とアーム(30)のピン(31)より先端側の
部分との間に第1の引張ばね(46)が取付けられ、第2
のレバー(39)のねじ(46)と反対側の部分とアーム
(30)のピン(31)より基端側の部分との間に第2の引
張ばね(47)が取付けられている。
砥石支持部材(32)をアーム(30)に対して180度反転
させることにより、砥石(37)は、下部定盤(11)の上
面に対向する下部修正位置と上部定盤(10)の下面に対
向する上部修正位置とに切換えられる。下部修正位置に
おいては、砥石(37)は第1のばね(46)の弾性力によ
り下部定盤(11)上面に押付けられ、球面継手(35)と
ばね(36)の働きによりこれに密着させられる。そし
て、駆動モータ(33)で砥石(37)を回転させることに
より下部定盤(11)の上面が研磨され、第1の圧力調整
用モータ(42)で第1の圧力調整ねじ(44)の位置を調
整することにより、砥石(37)の圧接力すなわち研磨量
が調整される。また、上部修正位置においては、砥石
(37)は第2のばね(47)の弾性力により上部定盤(1
0)の下面に押付けられ、同様にこれに密着させられ
る。そして、第2の圧力調整用モータ(43)で第2の圧
力調整用ねじ(45)の位置を調整することにより上部定
盤(10)に対する砥石(37)の圧接力すなわち研磨量が
調整される。なお、砥石(37)を反転させるときには、
これが上下の定盤(10)(11)と干渉しないように、上
部定盤(10)を上方に移動させ、かつ昇降台(27)およ
び旋回台(28)を上方に移動させる。
モータ(29)(33)(42)(43)は、制御装置(14)に
接続されている。制御装置(14)は、旋回用モータ(2
9)を制御することにより、旋回台(28)およびアーム
(30)を旋回させて、定盤(10)(11)に対する砥石
(37)の半径方向の位置を変え、かつマーカセンサー
(22)(24)により検出される定盤(10)(11)の回転
角度とこの半径方向の位置とから定盤(10)(11)に対
する砥石(37)の位置を求める。また、駆動モータ(3
3)を制御することにより砥石(37)の回転速度すなわ
ち研磨量を調整し、圧力調整用モータ(42)(43)を制
御することにより砥石(37)の圧接力を調整する。
定盤(10)(11)の修正作業は、たとえば次のように行
なわれる。
まず、計測装置(12)の計測バー(16)を下部計測位置
に切換えるとともに、修正装置(13)の砥石(37)を下
部修正位置に切換え、下部定盤(11)を低速で回転させ
る。制御装置(14)は、前述のように計測装置(12)か
らの出力信号を処理することにより下部定盤(11)の平
面形状を求めながら、これに基づいて修正装置(13)を
制御することにより下部定盤(11)の修正を行なう。す
なわち、平面精度計測装置(12)により計測した平面形
状の誤差が管理値より大きければ、これをフィードバッ
クして修正装置(13)に修正指令を出し、定盤(11)の
高い部分を研磨して、これを理想的な面に近付ける。こ
のとき、下部定盤(11)の高い部分では砥石(37)の圧
接力を高く、下部定盤(11)の低い部分では砥石(37)
の圧接力を低くすることにより、下部定盤(11)を理想
的な面に修正する。このような修正作業は、砥石(37)
の回転数を変えることによってもよいし、これら両方を
併用してもよい。そして、計測装置(12)により計測さ
れる平面形状が理想的なものになるまで、上記の動作を
行なう。
なお、上記の修正作業は、一旦計測装置(12)で平面形
状を計測した後、修正装置(13)だけを作動して行なっ
て、理想的な面が得られるまでこれを繰返すようにして
もよい。
下部定盤(11)の修正が終了したならば、平面精度計測
装置(12)の計測バー(16)を上部計測位置に切換える
とともに、修正装置(13)の砥石(37)を上部修正位置
に切換え、同様に、上部定盤(10)の修正を行なう。
第5図は、通常のラップ定盤を示す。
同図において、ラップ定盤の表面(ラップ面)(50)
に、互いに直交する複数のみぞ(51)が形成され、ラッ
プ定盤は、みぞ(51)の底より裏面(52)側のベースプ
レート部(53)と、みぞ(51)により互いに分離させら
れた複数のラップセル部(54)とに分けられている。寸
法の1例を挙げれば、ラップ定盤の全体厚さHが45mm、
ラップセル部(54)の高さすなわちみぞ(51)の深さ
(みぞ深さ)dが15〜17mm、ラップセル部(54)の幅
(ラップセル部幅)Bが最大40mmである(第6図参
照)。
このようなラップ定盤では、みぞ深さdとラップセル部
幅Bの比(d/B)が小さいため、第6図に示すように、
ラップ加工により発生する熱量qはラップ面(50)から
ベースプレート部(53)側へ直線的に流れ、ベースプレ
ート部(53)内の厚さ方向に大きな温度勾配が生じ、ラ
ップ定盤は、中央部がラップ面(50)側に突出する中凸
形の球面状に熱変形する。この熱変形の半径Rは、ラッ
プ定盤の周辺を自由状態と仮定すると、次の式(21)で
表わされる。
R=t/α・θ ………(21) なお、上式において、tはベースプレート部の厚さ(ベ
ースプレート部厚さ)、αはラップ定盤の線膨張係数、
θはベースプレート部(53)の表側と裏側の温度差を表
わす。
式(21)より明らかなように、tを一定として熱変形を
小さく(Rを大きく)するには、αおよびθを小さくす
る必要がある。
ところが、上記のラップ定盤の場合は、ベースプレート
部(53)の温度差θが大きいため、熱変形が大きい。こ
のため、現状では、始業時に、熱定常状態になるまで空
運転を行なっている。
このため、たとえば第7図に示すように、ラップセル部
に、ベースプレート部の厚さ方向の温度分布をほぼ均一
にするための手段が設けられているラップ定盤を使用す
るのが望ましい。
第7図において、ラップ定盤のみぞ深さdが従来のもの
に比べてたとえば3倍程度に深くなっている。
みぞ深さdとラップセル部幅Bの比(d/B)が大きいた
め、第8図に示すように、熱量qは主にラップセル部
(54)の側面(55)の方向に流れる。したがって、ベー
スプレート部(53)への熱の流入が防がれ、ベースプレ
ート部(53)では厚さ方向の温度分布がほぼ均一にな
り、ベースプレート部(53)では熱変形は発生しない。
また、ラップセル部(54)では軸対称型の温度分布とな
り、温度差が生じるが、ラップセル部(54)がみぞ(5
1)により分離されており、しかもラップセル部幅Bが
ラップ定盤の直径に比べて小さいため、ラップセル部
(54)の変形は無視することができる。このため、ラッ
プ面(50)の熱変形は、非常に小さい。
ラッピングマシンにおいては、通常、上部ラップ定盤
は、定盤取付プレートの下面にボルトにより固定されて
いる。
一般に、ラッピングマシンにおいては、前述のように、
加工熱の発生によってラップ定盤の温度が上昇し、熱膨
張が生じる。ところが、ラップ定盤はボルトにより定盤
取付プレートに固定されているため、この熱膨張を吸収
することができず、ラップ定盤は中央側が突出す中凸形
に熱変形する。
このため、第9図に示すような上部定盤の取付け方法を
採用するのが望ましい。
第9図は、ラッピングマシンの定盤取付プレート(60)
とこれに取付けられた上部ラップ定盤(10)の部分を示
す。
ラップ定盤(10)の上面には、その中心を中心とする円
周を等分する複数箇所に、ねじ穴(62)が形成され、こ
れに第1のねじ(63)がねじ込まれている。このねじ
(63)の上端には、穴付ブラケット(63a)が一体に形
成されている。また、ラップ定盤(10)の上面の内径側
の部分には、その中心を中心とする円周を等分する複数
箇所に、トルクピン穴(64)が形成されている。
取付プレート(60)には、ラップ定盤(10)のねじ穴
(62)に対応する複数の貫通穴(65)が形成されてい
る。貫通穴(65)の上部に、第2のねじ(66)の下部が
挿入されている。第2のねじ(66)の下端には、穴付ブ
ラケット(66a)が一体に形成されている。第2のねじ
(66)には調整用ナット(67)とロックナット(68)が
はめられており、調整用ナット(67)の下面が貫通穴
(65)の周縁部上面に接している。貫通穴(65)には引
張コイルばね(69)が挿入され、その下端が第1のねじ
(63)のブラケット(63a)の穴に、上端が第2のねじ
(66)のブラケット(66a)の穴にそれぞれ固定されて
いる。そして、このばね(69)により、ラップ定盤(1
0)が上に引張られて、取付プレート(60)の下面に圧
接させられている。第2のねじ(66)の上部にはスパナ
掛け部(66b)が形成されており、ロックナット(68)
を緩めて第2のねじ(66)を回転させることにより、ば
ね(69)によるラップ定盤(11)の圧接力が調整できる
ようになっている。
取付プレート(60)には、ラップ定盤(11)のピン穴
(64)にはまる複数のトルクピン(70)が固定されてい
る。トルクピン(70)とピン穴(64)の間には若干のが
たがあり、ラップ定盤(11)が取付プレート(60)に対
して半径方向に移動しうるようになっている。
この場合、取付プレート(60)の回転は、トルクピン
(70)を介してラップ定盤に伝えられ、ラップ定盤(1
0)が回転する。
加工熱によりラップ定盤(10)の温度が上昇すると、ラ
ップ定盤(10)に熱膨張が生じる。ところが、ラップ定
盤(10)は、ばね(69)による連結部分およびトルクピ
ン(70)の部分のいずれにおいても取付プレート(60)
に対して半径方向に移動しうるので、この部分で熱膨張
が吸収され、中凸形の熱変形は非常に小さくなる。
第10図は、上記の両面ラッピングマシンの加工に関する
部分の概略構成を示す。
両面ラッピングマシンは、上下の定盤(10)(11)の他
に、太陽歯車(72)、内歯歯車(73)および遊星歯車
(74)を備えている。
太陽歯車(72)は、上下の定盤(10)(11)の間の中心
に同心状に配置されている。
内歯歯車(73)は、上下の定盤(10)(11)の間の周囲
に同心状に配置されている。
遊星歯車(74)は、上下の定盤(10)(11)の間で太陽
歯車(72)と内歯歯車(73)の間に配置されて、これら
とかみ合っている。遊星歯車(74)には、ワーク収容ポ
ケット(穴)(75)が形成され、このポケット(75)に
ワーク(76)が入れられて、その上下両面が遊星歯車
(74)から上下に出ている。
定盤(10)(11)、太陽歯車(72)および内歯歯車(7
3)は、適宜な駆動手段により、互いに独立して、また
は相互に関連して回転させられる。
通常のラッピングマシンでは、上下の定盤(10)(11)
の回転方向が常に逆方向になっており、たとえ下部定盤
(11)側で理想的な相対回転条件が成立していても、上
部定盤(10)側では遊星歯車(74)の自転回転速度の分
だけ加工相対速度が異なり、理想条件と離れた加工状態
となる。したがって、上下両面の理想的な平面加工は不
可能である。
このため、ラッピング初期の荒加工(重荷重)時には上
記のような方法でもよいが、中・仕上加工(軽荷重)時
には次のような加工方法を採用するのが望ましい。
すなわち、まず、上下の定盤(10)(11)を同じ方向に
等しい速度で回転させる。また、遊星歯車(74)の公転
に対する定盤(10)(11)の相対回転の方向(以下単に
相対回転方向という)および速度(以下単に相対回転速
度という)を遊星歯車(74)の自転の方向および速度と
等しくする。
このようにすると、上下の定盤(10)(11)が同じ方向
に同じ速度で回転するので、ワーク(76)の上下両面の
加工状態が同じになる。また、定盤(10)(11)の相対
回転方向および相対回転速度が遊星歯車(74)の自転方
向および自転速度と等しいので、次に説明するように、
遊星歯車(74)と一体に回転するワーク(76)の各部分
において定盤(10)(11)との相対速度の平均値がほぼ
等しくなり、理想的な平面加工が行われる。
第11図において、定盤(10)(11)の相対回転方向を反
時計方向、相対回転速度をN(rpm)とし、遊星歯車(7
4)の自転方向を反時計方向、自転速度をn(rpm)とす
る。また、太陽歯車(72)の中心OSと遊星歯車(74)の
中心OCを通る直線上にあってOCから外側にrだけ離れた
ワーク(76)上の点をA、OCから内側にrだけ離れたワ
ーク(76)上の点をBとし、OSからOCまでの距離をrC
OSからAまでの距離をrA、OSからBまでの距離をrBとす
る。
ラップ加工量Wは、次の式(22)で表わされる。
W∝p・v/t ………(22) ここで、p(kgf/cm2)はラップ圧力、v(cm/min)は
ラップ速度(ワーク(76)と定盤(10)(11)の相対速
度)、t(min)はラップ時間である。
式(22)より、ワークを理想平面に加工するには、加工
平面内でpとvの積を一定にすればよく、理想平面ラッ
プ定盤ではpは一定であるから、vは平均値(平均ラッ
プ速度)vMを一定にすればよい。
遊星歯車(74)が自転していないと仮定した場合のOC
AおよびBにおけるラップ速度(仮のラップ速度)をそ
れぞれvCR、vARおよびvBRとすると、これらは次の式(2
3)〜(25)で表わされる。
vCR=2πrC・N ………(23) vAR=2πrA・N ………(24) vBR=2πrB・N ………(25) また、遊星歯車(74)が速度nで自転している場合の
OC、AおよびBにおけるラップ速度(真のラップ速度)
をそれぞれvC、vAおよびvBとすると、これらは次の式
(26)〜(28)で表わされる。
oCにおいては、自転による速度は0であるから、 vC=VCR =2πrC・N ………(26) Aにおいては、自転による速度の減少分が2πr・nで
あるから、 vA=vAR−2πr・n =2πrA・N−2πr・n ………(27) Bにおいては、自転による速度の増加分が2πr・nで
あるから、 vB=vBR+2πr・n =2πrB・N+2πr・n ………(28) 式(27)および(28)より、vA=vBとなるときのnとN
の関係を求めれば、次の式(29)のようになる。
n=(rA−rB)N/2r ………(29) ここで、rA−rB=2rであるから、 n=N ………(30) となる。
式(27)に式(30)を代入すると、 vA=2π(rA−r)・N ………(31) となり、rA−r=rCであるから、 vA=2πrC・N =vC ………(32) となる。
また、式(28)に式(30)を代入すると、 vB=2π(rB+r)・N ………(33) ここで、rB+r=rCであるから、 vB=2πrC・N =vC ………(34) したがって、n=Nとすると、 vA=vB=vCとなり、ワーク(76)上の全ての点につい
て、平均ラップ速度vMがほぼ一定になる。
上記の実施例に用いられている平面精度計測装置(12)
は、本発明者らが先に提案した特願昭62-36371号のもの
と同様のものであるが、平面精度計測装置(12)の構成
はこれに限定されない。
また、この発明は、片面ラッピング装置にも適用でき
る。
発明の効果 この発明のラッピング装置によれば、上述のように、上
下のラップ定盤の平面精度の計測および修正を簡単かつ
確実に行なうことができ、精度の高い製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の1実施例を示す両面ラッピングマシ
ンの平面精度測定と修正に関する部分の概略斜視図、第
2図は第1図の平面精度計測装置の部分を示す一部切欠
き側面図、第3図は平面精度計測の原理を説明するため
の図面、第4図は第1図の修正装置の部分を示す一部切
欠き側面図、第5図は通常のラップ定盤の要部を示す一
部切欠き斜視図、第6図は第5図のラップ定盤の熱の移
動および温度分布を示す説明図、第7図は熱変形の小さ
いラップ定盤の要部を示す一部切欠き斜視図、第8図は
第7図のラップ定盤の熱の移動および温度分布を示す説
明図、第9図は熱変形の小さい上部ラップ定盤の取付け
構造を示す垂直断面図、第10図は両面ラッピングマシン
の加工に関する部分の概略斜視図、第11図は加工の原理
を説明する説明図である。 (10)……上部ラップ定盤、(11)……下部ラップ定
盤、(12)……平面精度計測装置、(13)……修正装
置、(14)……制御装置、(16)……計測バー、(19)
……距離センサー、(32)……砥石支持部材、(37)…
…修正砥石。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上向きに配置された下部ラップ定盤と、 下部ラップ定盤の上方に下向き対向状に配置された上部
    ラップ定盤と、 下部ラップ定盤上面の平面精度を計測する下部計測位置
    と上部ラップ定盤下面の平面精度を計測する上部計測位
    置とに回動させられる反転可能な計測バーに取付けられ
    た複数の距離センサーを有し、各計測位置において、距
    離センサーからの出力信号と、距離センサーの位置関係
    と、対応するラップ定盤の回転角度位置とを対応付けし
    た処理を行なうことによりラップ定盤表面の平面精度を
    計測する平面精度計測手段と、 下部ラップ定盤上面を修正する下部修正位置と上部ラッ
    プ定盤下面を修正する上部修正位置とに回動させられる
    反転可能な砥石支持部材に取付けられた修正砥石を有
    し、各修正位置において、砥石が対応するラップ定盤の
    表面に接触して回転し、ラップ定盤に対する砥石の位
    置、砥石の接触圧力および回転速度の調整ができる修正
    手段と、 各計測位置における平面精度計測手段の計測結果に基づ
    いて対応する修正位置における修正手段を制御すること
    により対応するラップ定盤の表面を修正する制御手段と
    を備えているラッピング装置。
JP16053188A 1988-06-28 1988-06-28 ラッピング装置 Expired - Fee Related JPH0710494B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16053188A JPH0710494B2 (ja) 1988-06-28 1988-06-28 ラッピング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16053188A JPH0710494B2 (ja) 1988-06-28 1988-06-28 ラッピング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH029572A JPH029572A (ja) 1990-01-12
JPH0710494B2 true JPH0710494B2 (ja) 1995-02-08

Family

ID=15716983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16053188A Expired - Fee Related JPH0710494B2 (ja) 1988-06-28 1988-06-28 ラッピング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0710494B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6442857B1 (en) * 2000-11-10 2002-09-03 Toto Ltd. Portable surface inspector
KR100383324B1 (ko) * 2000-11-24 2003-05-12 삼성전자주식회사 반도체 장치의 제조에서 연마 패드 검사 방법과 이를 수행하기 위한 검사 장치 및 이를 채용한 연마 장치.
JP4886012B2 (ja) * 2009-08-27 2012-02-29 株式会社トプコン ポリッシング装置
JP5777469B2 (ja) * 2010-09-29 2015-09-09 キヤノン株式会社 現像剤補給容器及び現像剤補給システム
JP6250459B2 (ja) * 2014-04-09 2017-12-20 株式会社荏原製作所 ドレッシング装置、及び半導体製造装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52116995A (en) * 1976-03-27 1977-09-30 Toshiba Corp Lapping grinder
JPS593935Y2 (ja) * 1980-06-21 1984-02-03 繁 中井

Also Published As

Publication number Publication date
JPH029572A (ja) 1990-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6520845B2 (en) Polishing apparatus
US5812407A (en) Apparatus for correcting and holding front surface of sheet
US5816895A (en) Surface grinding method and apparatus
EP1616662B1 (en) Both side grinding method and both side grinder of thin disc-like work
KR100644144B1 (ko) 폴리싱 기계 및 방법
US5938884A (en) Apparatus for chemical mechanical polishing
US6077155A (en) Polishing device and correcting method therefor
KR100642879B1 (ko) 양면동시 연삭방법, 양면동시 연삭기, 양면동시 래핑방법및 양면동시 래핑기
US6301009B1 (en) In-situ metrology system and method
EP0860237A2 (en) Surface planarization apparatus and work measuring method
JPH0710494B2 (ja) ラッピング装置
US20130090039A1 (en) Coplanar alignment apparatus for rotary spindles
US8025554B2 (en) Method of polishing work
JP7254645B2 (ja) 両面研磨装置の制御システム、制御装置および基板の製造方法
JP2002307303A (ja) 薄板円板状ワークの両面研削方法および装置
JPH09174427A (ja) 三次元微傾斜装置
JPH11254312A (ja) 形状制御を伴ったウェーハの枚葉加工方法及び加工装置
JP3935756B2 (ja) ウエーハの両面研磨装置及び両面研磨方法
JP4072929B2 (ja) ラップ盤及びラップ加工方法
Kim et al. Active profiling and polishing for efficient control of material removal from large precision surfaces with moderate asphericity
KR100439564B1 (ko) 표면연마방법및장치
JP2941317B2 (ja) 定寸研磨加工方法
JP4994641B2 (ja) 研削盤におけるワークと砥石との相対角度変化検出装置
JPH11198010A (ja) 両頭研削盤
JP2002370161A (ja) ウェーハの両面加工方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees