JPH07102194A - 磁性塗料及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁性塗料及び磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH07102194A JPH07102194A JP5246855A JP24685593A JPH07102194A JP H07102194 A JPH07102194 A JP H07102194A JP 5246855 A JP5246855 A JP 5246855A JP 24685593 A JP24685593 A JP 24685593A JP H07102194 A JPH07102194 A JP H07102194A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 塗布型の磁気記録媒体を製造するにあたり、
非磁性支持体上に、平均長軸長0.13μm 以下、結晶子サ
イズ160 Å以下、保磁力1850(Oe)以上、飽和磁化130(em
u/g)以上の鉄を主体とする強磁性金属粉末と、結合剤
と、テトラヒドロフランを含有する磁性塗料を塗布し
て、少なくとも一層の磁性層を形成する。 【効果】 磁性層の表面平滑性が向上し、且つ高周波特
性に優れた磁気記録媒体が得られる。
非磁性支持体上に、平均長軸長0.13μm 以下、結晶子サ
イズ160 Å以下、保磁力1850(Oe)以上、飽和磁化130(em
u/g)以上の鉄を主体とする強磁性金属粉末と、結合剤
と、テトラヒドロフランを含有する磁性塗料を塗布し
て、少なくとも一層の磁性層を形成する。 【効果】 磁性層の表面平滑性が向上し、且つ高周波特
性に優れた磁気記録媒体が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高保磁力で微細な粒径
を有する磁性粉末が均一に分散された磁性塗料に関す
る。
を有する磁性粉末が均一に分散された磁性塗料に関す
る。
【0002】また、本発明は磁気記録媒体の製造方法に
関し、更に詳しくは磁性層の表面性が改良され、高域出
力に優れた磁気記録媒体を製造する方法に関する。
関し、更に詳しくは磁性層の表面性が改良され、高域出
力に優れた磁気記録媒体を製造する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】塗布型の磁気記録媒体は、磁性粉末を結
合剤と有機溶剤に分散してなる磁性塗料をポリエステル
等の基材上に塗布、乾燥して得られるものであるが、今
日、高画質ビデオテープ、大容量フロッピーディスク等
の更なる高密度記録に対する要求が高まっている。
合剤と有機溶剤に分散してなる磁性塗料をポリエステル
等の基材上に塗布、乾燥して得られるものであるが、今
日、高画質ビデオテープ、大容量フロッピーディスク等
の更なる高密度記録に対する要求が高まっている。
【0004】この目的を達成する磁性粉末としては、微
細な粒子であって、保磁力、飽和磁化の高いものが好ま
しく、その中でも、最も多く用いられるのは鉄を主体と
する強磁性金属粉末である。
細な粒子であって、保磁力、飽和磁化の高いものが好ま
しく、その中でも、最も多く用いられるのは鉄を主体と
する強磁性金属粉末である。
【0005】近年、磁気ヘッドの進歩に伴い、従来の鉄
を主体とする強磁性金属粉末に比べ、更に高い磁気特性
を有し、且つ更に微粒子化を進めた鉄を主体とする強磁
性金属粉末が検討されており、例えば、平均長軸長0.13
μm 以下、結晶子サイズ160Å以下、保磁力1850(Oe)以
上、飽和磁化130(emu/g)以上の金属粉末が、高密度記録
に適した磁性粉末として注目されている。
を主体とする強磁性金属粉末に比べ、更に高い磁気特性
を有し、且つ更に微粒子化を進めた鉄を主体とする強磁
性金属粉末が検討されており、例えば、平均長軸長0.13
μm 以下、結晶子サイズ160Å以下、保磁力1850(Oe)以
上、飽和磁化130(emu/g)以上の金属粉末が、高密度記録
に適した磁性粉末として注目されている。
【0006】また、塗布型の磁気記録媒体において、磁
性塗料を調製する際に用いられる塗料用溶剤としては、
通常、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンのようなケトン系溶剤、酢酸エチル、
酢酸ブチルのようなエステル系溶剤が使用され、これら
は数種を混合して使用されることが多く、また、コスト
の問題からトルエンを希釈剤として混合する場合が多
い。
性塗料を調製する際に用いられる塗料用溶剤としては、
通常、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンのようなケトン系溶剤、酢酸エチル、
酢酸ブチルのようなエステル系溶剤が使用され、これら
は数種を混合して使用されることが多く、また、コスト
の問題からトルエンを希釈剤として混合する場合が多
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な更に高い磁気特性を有し、且つ微粒子化された金属粉
末は、分散性が悪く、表面平滑性が損なわれ、磁性粉末
が本来持っている能力を充分には発揮できない。
な更に高い磁気特性を有し、且つ微粒子化された金属粉
末は、分散性が悪く、表面平滑性が損なわれ、磁性粉末
が本来持っている能力を充分には発揮できない。
【0008】一方、従来、磁性塗料に使用されている溶
剤は沸点が70℃以上のものが主流であり、乾燥炉での消
費熱量という点で不利である。また、前記の溶剤を混合
した混合溶剤は、回収して再使用する場合に、回収が困
難である。更に、量産性という点からは高速で磁性塗料
を塗工する方がよいと言われているが、この場合も乾燥
炉での熱量が大きくなる。また、高速塗工する場合、ま
た乾燥速度を速くする必要があり、その結果、塗膜の表
面性が低下するという問題が生じる。
剤は沸点が70℃以上のものが主流であり、乾燥炉での消
費熱量という点で不利である。また、前記の溶剤を混合
した混合溶剤は、回収して再使用する場合に、回収が困
難である。更に、量産性という点からは高速で磁性塗料
を塗工する方がよいと言われているが、この場合も乾燥
炉での熱量が大きくなる。また、高速塗工する場合、ま
た乾燥速度を速くする必要があり、その結果、塗膜の表
面性が低下するという問題が生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、高保磁力且つ微小な金属
粉末を磁性粉末として用い、磁性塗料における溶剤とし
てテトラヒドロフランを用いることにより、磁性粉末が
安定に分散され、磁性粉末本来の性能が充分発揮できる
磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
解決すべく鋭意研究した結果、高保磁力且つ微小な金属
粉末を磁性粉末として用い、磁性塗料における溶剤とし
てテトラヒドロフランを用いることにより、磁性粉末が
安定に分散され、磁性粉末本来の性能が充分発揮できる
磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0010】すなわち本発明は、平均長軸長0.13μm 以
下、結晶子サイズ160 Å以下、保磁力1850(Oe)以上、飽
和磁化130(emu/g)以上の鉄を主体とする強磁性金属粉末
と、結合剤と、テトラヒドロフランを含有する磁性塗料
を提供するものである。
下、結晶子サイズ160 Å以下、保磁力1850(Oe)以上、飽
和磁化130(emu/g)以上の鉄を主体とする強磁性金属粉末
と、結合剤と、テトラヒドロフランを含有する磁性塗料
を提供するものである。
【0011】また、本発明は、平均長軸長0.13μm 以
下、結晶子サイズ160 Å以下、保磁力1850(Oe)以上、飽
和磁化130(emu/g)以上の鉄を主体とする強磁性金属粉末
(以下、本発明の金属粉末と略記する)と、結合剤と、
テトラヒドロフラン(以下、THF と略記する)を含有す
る磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、少なくとも一層
の磁性層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製
造方法を提供するものである。
下、結晶子サイズ160 Å以下、保磁力1850(Oe)以上、飽
和磁化130(emu/g)以上の鉄を主体とする強磁性金属粉末
(以下、本発明の金属粉末と略記する)と、結合剤と、
テトラヒドロフラン(以下、THF と略記する)を含有す
る磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、少なくとも一層
の磁性層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製
造方法を提供するものである。
【0012】〔本発明の磁性塗料〕先ず、本発明の磁性
塗料について説明する。本発明の磁性塗料に用いられる
金属粉末は、平均長軸長0.13μm 以下、好ましくは0.05
〜0.13μm 、結晶子サイズ160 Å以下、好ましくは 120
〜160 Å、保磁力1850(Oe)以上、好ましくは1850〜2000
(Oe)、飽和磁化130(emu/g)以上、好ましくは 130〜140
(emu/g) という磁気特性、粒径を有する。これらの磁気
特性、粒径が本発明で規定する範囲を外れると、得られ
た磁気記録媒体の高周波特性が悪くなる。特に、飽和磁
化が130(emu/g)以上でないと飽和磁束密度が低くなり、
また、結晶子サイズが160 Å以下でないと、軸比が大き
くなり、配向性が不利となり、その結果、残留磁束密度
が低下する。
塗料について説明する。本発明の磁性塗料に用いられる
金属粉末は、平均長軸長0.13μm 以下、好ましくは0.05
〜0.13μm 、結晶子サイズ160 Å以下、好ましくは 120
〜160 Å、保磁力1850(Oe)以上、好ましくは1850〜2000
(Oe)、飽和磁化130(emu/g)以上、好ましくは 130〜140
(emu/g) という磁気特性、粒径を有する。これらの磁気
特性、粒径が本発明で規定する範囲を外れると、得られ
た磁気記録媒体の高周波特性が悪くなる。特に、飽和磁
化が130(emu/g)以上でないと飽和磁束密度が低くなり、
また、結晶子サイズが160 Å以下でないと、軸比が大き
くなり、配向性が不利となり、その結果、残留磁束密度
が低下する。
【0013】本発明において、金属粉末の結晶子サイズ
(D110)は、X線回折測定装置で測定した(110) 面のピー
クの半値巾のβ〔ラジアン〕を用い、下記式(1) に示す
シェーラー(Scherrer)の式にて算出したものと定義す
る。
(D110)は、X線回折測定装置で測定した(110) 面のピー
クの半値巾のβ〔ラジアン〕を用い、下記式(1) に示す
シェーラー(Scherrer)の式にて算出したものと定義す
る。
【0014】
【数1】
【0015】ここで、λはX線の波長(Å)、θは(11
0) 面の回折線のブラッグ角である。本発明で用いる結
晶子サイズの定義は、一般的なものであり、詳細な説明
は「X線回折要論」(カリティ著,アグネ出版)の91〜
96ページの記載を参考にできる。
0) 面の回折線のブラッグ角である。本発明で用いる結
晶子サイズの定義は、一般的なものであり、詳細な説明
は「X線回折要論」(カリティ著,アグネ出版)の91〜
96ページの記載を参考にできる。
【0016】本発明の金属粉末としては、前記したよう
な特定の磁気特性・粒径を有するものであれば、組成は
限定されないが、鉄粉末、或いは鉄とコバルト、ニッケ
ル等の合金粉末、更にこれらにアルミニウム、クロム、
マンガン、珪素、亜鉛、遷移金属元素、希土類金属元素
等を含む合金粉末が挙げられる。
な特定の磁気特性・粒径を有するものであれば、組成は
限定されないが、鉄粉末、或いは鉄とコバルト、ニッケ
ル等の合金粉末、更にこれらにアルミニウム、クロム、
マンガン、珪素、亜鉛、遷移金属元素、希土類金属元素
等を含む合金粉末が挙げられる。
【0017】なお、金属粉末の分散性を更に向上させる
ために、表面処理を施してもよい。かかる金属粉末の表
面処理は、「Characterization of Powder Surfaces
」; Academic Pressを参考にすることができ、例え
ば、金属粉末表面を無機質酸化物で被覆する方法が挙げ
られる。ここで用いられる無機質酸化物としては、Al2O
3 、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb2O3 、ZnO 等が挙げら
れる。これらは、組み合わせて使用してもよいし、単独
で用いることもできる。
ために、表面処理を施してもよい。かかる金属粉末の表
面処理は、「Characterization of Powder Surfaces
」; Academic Pressを参考にすることができ、例え
ば、金属粉末表面を無機質酸化物で被覆する方法が挙げ
られる。ここで用いられる無機質酸化物としては、Al2O
3 、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb2O3 、ZnO 等が挙げら
れる。これらは、組み合わせて使用してもよいし、単独
で用いることもできる。
【0018】本発明の磁性塗料では溶剤としてTHF が使
用されるが、その他の有機溶媒、例えば、シクロヘキサ
ノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等を本発明の効
果を損なわない範囲で併用することができるが、一般に
THF:その他の使用= 100:0〜50:50である。THF
(その他の有機溶媒を併用する場合はその総量)は、磁
性塗料中に20〜80重量%程度配合される。
用されるが、その他の有機溶媒、例えば、シクロヘキサ
ノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等を本発明の効
果を損なわない範囲で併用することができるが、一般に
THF:その他の使用= 100:0〜50:50である。THF
(その他の有機溶媒を併用する場合はその総量)は、磁
性塗料中に20〜80重量%程度配合される。
【0019】本発明に使用される結合剤としては、ウレ
タン樹脂、特にスルホン酸基、スルホン酸金属塩基、ス
ルホベタイン基、カルボベタイン基、アミノ基、水酸
基、エポキシ基等の極性基を含有するポリウレタン樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル
共重合体等の塩化ビニル系共重合体であって、特にスル
ホン酸基、スルホン酸金属塩基、アミノ基等の極性基を
含有する塩化ビニル共重合体、ブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラー
ル、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース
等)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、各種の合成ゴム系、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコ
ン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリエステル樹
脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートの混合物、尿素ホル
ムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオ
ール/イソシアネートの混合物、及びこれらの混合物等
が例示される。通常、結合剤は磁性塗料中に 3.0〜10.0
重量%程度配合される。
タン樹脂、特にスルホン酸基、スルホン酸金属塩基、ス
ルホベタイン基、カルボベタイン基、アミノ基、水酸
基、エポキシ基等の極性基を含有するポリウレタン樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル
共重合体等の塩化ビニル系共重合体であって、特にスル
ホン酸基、スルホン酸金属塩基、アミノ基等の極性基を
含有する塩化ビニル共重合体、ブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラー
ル、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース
等)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、各種の合成ゴム系、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコ
ン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリエステル樹
脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートの混合物、尿素ホル
ムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオ
ール/イソシアネートの混合物、及びこれらの混合物等
が例示される。通常、結合剤は磁性塗料中に 3.0〜10.0
重量%程度配合される。
【0020】また、本発明の磁性塗料中には、通常、磁
性塗料に使用されている各種添加剤、例えば分散剤、研
磨剤、潤滑剤などを適宜に添加使用してもよい。分散剤
としては、レシチン、ノニオン系界面活性剤、アニオン
系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が使用できる。
研磨剤としては、α−アルミナ、溶融アルミナ、酸化ク
ロム(Cr2O3) 、酸化鉄、炭化ケイ素、コランダム、ダイ
ヤモンド等の平均粒子径0.05〜1μm の微粉末が使用で
き、通常前記したような結合剤100 重量部に対し0.5 〜
100 重量部加えられる。また、潤滑剤としては、各種の
ポリシロキサン等のシリコーンオイル、グラファイト、
二硫化モリブデン等の無機粉末、ポリエチレン、ポリテ
トラフルオロエチレン等のプラスチック微粉末、高級脂
肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、フルオロ
カーボン類などが前述した結合剤 100重量部に対して0.
1 〜50重量部の割合で添加される。
性塗料に使用されている各種添加剤、例えば分散剤、研
磨剤、潤滑剤などを適宜に添加使用してもよい。分散剤
としては、レシチン、ノニオン系界面活性剤、アニオン
系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が使用できる。
研磨剤としては、α−アルミナ、溶融アルミナ、酸化ク
ロム(Cr2O3) 、酸化鉄、炭化ケイ素、コランダム、ダイ
ヤモンド等の平均粒子径0.05〜1μm の微粉末が使用で
き、通常前記したような結合剤100 重量部に対し0.5 〜
100 重量部加えられる。また、潤滑剤としては、各種の
ポリシロキサン等のシリコーンオイル、グラファイト、
二硫化モリブデン等の無機粉末、ポリエチレン、ポリテ
トラフルオロエチレン等のプラスチック微粉末、高級脂
肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、フルオロ
カーボン類などが前述した結合剤 100重量部に対して0.
1 〜50重量部の割合で添加される。
【0021】本発明では磁性塗料の溶剤としてTHF を用
いることにより、これを塗布した後の塗膜の表面性が良
くなる。その理由は明らかではないが、THF が良溶剤で
あり、結合剤の溶解性が良いため、分散性の悪い磁性粉
末であった金属粉末の分散性が向上するためと推定され
る。
いることにより、これを塗布した後の塗膜の表面性が良
くなる。その理由は明らかではないが、THF が良溶剤で
あり、結合剤の溶解性が良いため、分散性の悪い磁性粉
末であった金属粉末の分散性が向上するためと推定され
る。
【0022】〔本発明の製造方法〕次に本発明の磁気記
録媒体の製造方法について説明する。
録媒体の製造方法について説明する。
【0023】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、上記
のような本発明の金属粉末とTHF と結合剤を含む本発明
の磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して行われる。
のような本発明の金属粉末とTHF と結合剤を含む本発明
の磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して行われる。
【0024】また、本発明の磁性塗料から形成される磁
性層以外に、その他の磁性層、非磁性層を設けて、多層
構造の磁気記録媒体とすることができる。この場合、本
発明の磁性塗料から形成される磁性層を最上層(該磁性
層が形成される基材の面において、基材から最も遠い
層)とすることが望ましい。また、非磁性層は、適当な
非磁性粒子からなる中間層などである。
性層以外に、その他の磁性層、非磁性層を設けて、多層
構造の磁気記録媒体とすることができる。この場合、本
発明の磁性塗料から形成される磁性層を最上層(該磁性
層が形成される基材の面において、基材から最も遠い
層)とすることが望ましい。また、非磁性層は、適当な
非磁性粒子からなる中間層などである。
【0025】本発明において、磁性層の形成(塗布)方
法は、特に限定されず、ダイ塗工、グラビアロール塗工
等、通常の塗布型の磁気記録媒体の製造方法に準ずる。
法は、特に限定されず、ダイ塗工、グラビアロール塗工
等、通常の塗布型の磁気記録媒体の製造方法に準ずる。
【0026】また、多層構造とする場合、本発明に係る
磁性層と、その他の磁性層又は非磁性層を同時に形成す
る方法(多層同時形成方法)でも良いし、又は一層ずつ
順次形成する方法(逐次形成方法)のいずれでも良く、
一層ずつ形成する場合は一層ごとにカレンダー処理して
も良い。
磁性層と、その他の磁性層又は非磁性層を同時に形成す
る方法(多層同時形成方法)でも良いし、又は一層ずつ
順次形成する方法(逐次形成方法)のいずれでも良く、
一層ずつ形成する場合は一層ごとにカレンダー処理して
も良い。
【0027】また、本発明の磁性塗料により形成される
磁性層の厚さは、0.05〜9μm 、好ましくは 0.1〜5μ
m である。その他の磁性層及び非磁性層の厚さは、 0.1
〜5μm 、好ましくは 0.5〜4μm である。
磁性層の厚さは、0.05〜9μm 、好ましくは 0.1〜5μ
m である。その他の磁性層及び非磁性層の厚さは、 0.1
〜5μm 、好ましくは 0.5〜4μm である。
【0028】更に、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
おいては、カーボンブラック、その他の粒子を含有する
塗料を磁性層が形成されている面と反対の面に塗布して
バックコート層を形成してもよい。バックコート層の厚
さは 0.3〜2μm 程度である。
おいては、カーボンブラック、その他の粒子を含有する
塗料を磁性層が形成されている面と反対の面に塗布して
バックコート層を形成してもよい。バックコート層の厚
さは 0.3〜2μm 程度である。
【0029】本発明の製造方法において、磁性層を形成
する以外の工程は、通常の塗布型の製造方法に準じて、
配向、乾燥、表面処理、キュア、裁断、検査、カセット
組み込み等の工程を行えばよい。
する以外の工程は、通常の塗布型の製造方法に準じて、
配向、乾燥、表面処理、キュア、裁断、検査、カセット
組み込み等の工程を行えばよい。
【0030】本発明の磁気記録媒体に用いられる非磁性
支持体としては、合成樹脂(例えばポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース系誘導
体)、非磁性の金属、ガラス、セラミック、紙等が挙げ
られ、その形態は、フィルム、テープ、シート、カー
ド、ディスク等で使用される。非磁性支持体の厚さは3
〜50μm 程度である。
支持体としては、合成樹脂(例えばポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース系誘導
体)、非磁性の金属、ガラス、セラミック、紙等が挙げ
られ、その形態は、フィルム、テープ、シート、カー
ド、ディスク等で使用される。非磁性支持体の厚さは3
〜50μm 程度である。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、高保磁力で微細な磁性
粉末が均一に分散された磁性塗料が得られ、これを非磁
性支持体に塗布することにより、磁性層の表面性が良好
で、且つ高周波出力に優れた磁気記録媒体が得られる。
粉末が均一に分散された磁性塗料が得られ、これを非磁
性支持体に塗布することにより、磁性層の表面性が良好
で、且つ高周波出力に優れた磁気記録媒体が得られる。
【0032】
【実施例】以下実施例にて本発明を更に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】実施例1 下記の成分をサンドミルにて分散し、磁性塗料を調製し
た。 <磁性塗料配合> (1) 針状強磁性粉末 100 重量部 〔Fe:Ni:Al:Si=93:3:2:2(重量比)からなる合金粉末、 平均長軸長=0.12μm、D110=155Å、 保磁力=1880 Oe、飽和磁化=132 emu/g〕 (2) アルミナ 4 重量部 (平均粒子径 0.3μm のものと平均粒子径 0.5μm のものを1:1の重量比で混 合したもの) (3) カーボンブラック 2 重量部 (平均粒子径=55nm、吸油量=180ml/100g、比表面積=35m2/g) (4) スルホン酸基含有塩化ビニル−アクリル酸エステルの共重合体 7 重量部 (重合度=300 、スルホン酸基濃度=0.1meq/g、Tg=60℃) (5) スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂 7 重量部 〔テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールをソフトセグメントとする MDI 系ポリウレタン樹脂、重量平均分子量60000(ポリスチレン換算のGPC によ る)、スルホン酸基濃度=0.1meq/g、Tg=25℃〕 (6) ミリスチン酸 1 重量部 (7) オレイン酸 0.5 重量部 (8) 2−エチルヘキシルステアレート 2 重量部 (9) ポリイソシアネート 2 重量部 〔D-114N 武田薬品工業 (株) 製〕 (10)THF 220 重量部。
た。 <磁性塗料配合> (1) 針状強磁性粉末 100 重量部 〔Fe:Ni:Al:Si=93:3:2:2(重量比)からなる合金粉末、 平均長軸長=0.12μm、D110=155Å、 保磁力=1880 Oe、飽和磁化=132 emu/g〕 (2) アルミナ 4 重量部 (平均粒子径 0.3μm のものと平均粒子径 0.5μm のものを1:1の重量比で混 合したもの) (3) カーボンブラック 2 重量部 (平均粒子径=55nm、吸油量=180ml/100g、比表面積=35m2/g) (4) スルホン酸基含有塩化ビニル−アクリル酸エステルの共重合体 7 重量部 (重合度=300 、スルホン酸基濃度=0.1meq/g、Tg=60℃) (5) スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂 7 重量部 〔テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールをソフトセグメントとする MDI 系ポリウレタン樹脂、重量平均分子量60000(ポリスチレン換算のGPC によ る)、スルホン酸基濃度=0.1meq/g、Tg=25℃〕 (6) ミリスチン酸 1 重量部 (7) オレイン酸 0.5 重量部 (8) 2−エチルヘキシルステアレート 2 重量部 (9) ポリイソシアネート 2 重量部 〔D-114N 武田薬品工業 (株) 製〕 (10)THF 220 重量部。
【0034】上記磁性塗料の配合成分のうち、 (1)〜
(4) をスクリュー羽根式の粉体混合機を用いて混合した
後、配合成分(5), (6)、及び(10)のうちの35重量部を加
え、更に攪拌混合を行った。次いでこの混合物を連続式
二軸押出式混練装置により混練し、(10)の残りを加えて
希釈した。得られた混合物を連続式サンドミルを用いて
分散させた後、配合成分(8),(9)を加え、平均孔径が1
μm のフィルターを用いてろ過し、通過分を磁性塗料と
した。
(4) をスクリュー羽根式の粉体混合機を用いて混合した
後、配合成分(5), (6)、及び(10)のうちの35重量部を加
え、更に攪拌混合を行った。次いでこの混合物を連続式
二軸押出式混練装置により混練し、(10)の残りを加えて
希釈した。得られた混合物を連続式サンドミルを用いて
分散させた後、配合成分(8),(9)を加え、平均孔径が1
μm のフィルターを用いてろ過し、通過分を磁性塗料と
した。
【0035】かくして調製された磁性塗料を、グラビア
ロールにて乾燥後の厚さが2.5 μmになるように厚さ7
μm のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
上に上記磁性塗料を塗布し、5000 Gの磁場強度で長手配
向した後、乾燥して磁性層を形成し、更にカレンダー処
理(80℃)後、50℃で24時間エージングした。
ロールにて乾燥後の厚さが2.5 μmになるように厚さ7
μm のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
上に上記磁性塗料を塗布し、5000 Gの磁場強度で長手配
向した後、乾燥して磁性層を形成し、更にカレンダー処
理(80℃)後、50℃で24時間エージングした。
【0036】続いて、下記成分をサンドミルにて混合し
て調製したバックコート層用塗料を、フィルムの磁性層
を設けた面の反対の面に、乾燥厚み 0.5μm となるよう
に塗布し、その後、50℃で24時間エージングした。 <バックコート層用塗料成分> ・カーボンブラック(平均粒子径0.02μm ) 32 重量部 ・カーボンブラック(平均粒子径0.06μm ) 8 重量部 ・ポリウレタン樹脂 20 重量部 (日本ポリウレタン (株) 製、ニッポラン2301) ・ニトロセルロース 20 重量部 (Hercules Powder CO. による粘度表示が1/2秒のもの) ・ポリイソシアネート 4 重量部 〔コロネートHX、日本ポリウレタン工業 (株) 製の硬化剤〕 ・ステアリン酸 1 重量部 ・溶剤 320 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=1/1/1、重量比)。
て調製したバックコート層用塗料を、フィルムの磁性層
を設けた面の反対の面に、乾燥厚み 0.5μm となるよう
に塗布し、その後、50℃で24時間エージングした。 <バックコート層用塗料成分> ・カーボンブラック(平均粒子径0.02μm ) 32 重量部 ・カーボンブラック(平均粒子径0.06μm ) 8 重量部 ・ポリウレタン樹脂 20 重量部 (日本ポリウレタン (株) 製、ニッポラン2301) ・ニトロセルロース 20 重量部 (Hercules Powder CO. による粘度表示が1/2秒のもの) ・ポリイソシアネート 4 重量部 〔コロネートHX、日本ポリウレタン工業 (株) 製の硬化剤〕 ・ステアリン酸 1 重量部 ・溶剤 320 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=1/1/1、重量比)。
【0037】以上のようにして、磁性層及びバックコー
ト層が形成されたフィルムを8mm幅のテープ状に裁断
し、8mmカセットケースに装填して録画時間 120分の8
mmビデオカセットを作製した。
ト層が形成されたフィルムを8mm幅のテープ状に裁断
し、8mmカセットケースに装填して録画時間 120分の8
mmビデオカセットを作製した。
【0038】比較例1〜3 実施例1の磁性塗料配合において、溶剤としてTHF に代
えて表1に示す溶剤を用い、その他は実施例1と同様に
して8mmビデオカセットを作製した。
えて表1に示す溶剤を用い、その他は実施例1と同様に
して8mmビデオカセットを作製した。
【0039】〔磁気記録媒体の性能評価〕上記実施例1
及び比較例1〜3によって得られた8mmビデオカセット
について、以下の方法で7MHz 又は10MHz における出力
を測定した。 ・7Hz又は10MHz での出力の測定方法 8mmビデオカセットを、市販のHi8VTRを改造した
装置に装着し、7MHz又は10MHz にて記録し、再生出力
を測定した。なお、表1中の数値は、比較例2を基準
(0dB)とする相対値である。
及び比較例1〜3によって得られた8mmビデオカセット
について、以下の方法で7MHz 又は10MHz における出力
を測定した。 ・7Hz又は10MHz での出力の測定方法 8mmビデオカセットを、市販のHi8VTRを改造した
装置に装着し、7MHz又は10MHz にて記録し、再生出力
を測定した。なお、表1中の数値は、比較例2を基準
(0dB)とする相対値である。
【0040】また、上記の製造工程において、磁性塗料
をPETフィルム上に塗布し、乾燥後カレンダー処理し
た磁性層について、表面粗さ(Ra)、保磁力、残留磁束密
度及び角形比を測定した。ここで、Ra(nm)は光干渉式表
面粗さ計(ZYGO社製)を用いて測定したものである。こ
れらの結果も表1に併せて示す。
をPETフィルム上に塗布し、乾燥後カレンダー処理し
た磁性層について、表面粗さ(Ra)、保磁力、残留磁束密
度及び角形比を測定した。ここで、Ra(nm)は光干渉式表
面粗さ計(ZYGO社製)を用いて測定したものである。こ
れらの結果も表1に併せて示す。
【0041】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/06
Claims (2)
- 【請求項1】 平均長軸長0.13μm以下、結晶子サイズ1
60Å以下、保磁力1850(Oe)以上、飽和磁化130(emu/g)以
上の鉄を主体とする強磁性金属粉末と、結合剤と、テト
ラヒドロフランを含有する磁性塗料。 - 【請求項2】 平均長軸長0.13μm以下、結晶子サイズ1
60Å以下、保磁力1850(Oe)以上、飽和磁化130(emu/g)以
上の鉄を主体とする強磁性金属粉末と、結合剤と、テト
ラヒドロフランを含有する磁性塗料を非磁性支持体上に
塗布し、少なくとも一層の磁性層を形成することを特徴
とする磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5246855A JPH07102194A (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 磁性塗料及び磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5246855A JPH07102194A (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 磁性塗料及び磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07102194A true JPH07102194A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17154726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5246855A Pending JPH07102194A (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 磁性塗料及び磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07102194A (ja) |
-
1993
- 1993-10-01 JP JP5246855A patent/JPH07102194A/ja active Pending
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