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JPH069908A - 改良されたカチオン電着塗料組成物 - Google Patents

改良されたカチオン電着塗料組成物

Info

Publication number
JPH069908A
JPH069908A JP16465292A JP16465292A JPH069908A JP H069908 A JPH069908 A JP H069908A JP 16465292 A JP16465292 A JP 16465292A JP 16465292 A JP16465292 A JP 16465292A JP H069908 A JPH069908 A JP H069908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
amino acid
cationic electrodeposition
added
electrodeposition coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16465292A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Nojiri
弘之 野尻
Mitsuo Yamada
光夫 山田
Yukitsugu Ito
幸嗣 伊藤
Tetsuo Yanagihara
徹雄 柳原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP16465292A priority Critical patent/JPH069908A/ja
Publication of JPH069908A publication Critical patent/JPH069908A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電着塗料の中和酸を改良することにより、安
全性が高く、かつ環境に影響を及ぼさず、装置腐食を起
こしにくく、かつ高い付き回り性、高いクーロン効率が
達成できる得ること目的とする。 【構成】 水性媒体中で分散した樹脂相を含有するカチ
オン電着組成物であって、該樹脂相が、次式で表わされ
るN置換アミノ酸で少なくとも部分的に中和された塩基
性窒素基および塩基性硫黄基を有するカチオン電着組成
物: 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン電着塗料組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】電着塗装は、自動車、電気器具等、袋部
構造を有する部材に対し、有機溶剤型塗料のエアスプレ
ー塗装や、静電スプレー塗装と比較して、付き回り性が
よく、また環境汚染も少ないことから、広く実用化され
ている。また、最近に至っては、初期に導入されたアニ
オン電着塗装から防食性に優れているカチオン電着塗装
に置き換えられつつある。特に自動車においては、全世
界生産量の80%以上がカチオン電着塗装により、下塗
り塗装が施されている。
【0003】カチオン電着に用いられる塗料組成物を調
製する際に、塩基性官能基(例えば、塩基性窒素基)を含
有する樹脂バインダーを酸で全部または部分的に中和す
る。得られたカチオン性樹脂は水中に分散され、カチオ
ン電着法で通常使用される塗料や他の添加剤と組み合わ
されて塗料となる。
【0004】中和に用いる酸は、酢酸や乳酸が一般的で
ある。なぜなら、これらの有機酸は比較的均一で安定な
分散体および良好な塗膜性能を提供するからである。た
だし、酢酸や乳酸は弱酸であるため、低中和率で分散体
を形成することができず、したがって、クーロン効率が
低くなる。硝酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸を中
和酸として使用すると、通常、良好な分散体および良好
な塗膜性能を提供しない。
【0005】また、有機酸のうちギ酸を中和酸として用
いると、低中和率で良好な分散体が提供されるため、比
較的良好な付き回り性が得られ、クーロン効率が向上で
きることが知られている。クーロン効率が高いと、単位
塗膜重量あたりの電力量が少なくて済むため、塗装コス
トを下げることができる。しかし、ギ酸は刺すような刺
激臭を持ち、皮膚に付着すると水泡を生じるなど、製造
および塗装作業者にとって安全に作業することが保証さ
れない。また、鉄配管、陽極などの装置を腐食してしま
う問題点がある。
【0006】特開平2−127481号では、中和酸と
してスルファミン酸を用いることにより、良好な分散体
が得られ、かつ良好な付き回り性が得られることが示さ
れている。ここで、自動車塗装ラインにおいて電着塗装
を行うと、カウンターアニオンである酸はアノード側の
極液にぬけるが、中和酸としてスルファミン酸を用いる
と低濃度で高電導度の極液を与えるため、大量の希釈水
が必要になり、コスト面、管理面で不利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】安全性が高く、かつ環
境に影響を及ぼさず、装置腐食を起こしにくく、かつ高
付き回り性、高クーロン効率が達成できる中和酸が望ま
れる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、N置換
アミノ酸、特にN−アセチルグリシンがカチオン性塗料
組成物、特にカチオン電着塗料に用いることができるこ
とがわかった。
【0009】得られた分散体は、更に低中和率で均一で
安定な小さい粒子を与える。これはいかなる理論に限定
されないが、N置換アミノ酸が持つアミド結合が分散体
の安定化に寄与していると考えられる。また、得られた
分散体から作成されたカチオン電着塗料は、酢酸、乳
酸、ギ酸と比較して、付き回り性の良好な塗膜を与え
る。
【0010】また、N置換アミノ酸はアミノ酸の誘導体
であるため、これまでの中和酸に比べて、自然環境およ
び人体への影響が少ない。また、スルファミン酸と比較
してN−アセチルグリシンは極液管理が容易である。ま
た、N−アセチルグリシンは、酢酸、乳酸、ギ酸と異な
り、結晶性を有するため、極液からの回収が容易であ
り、リサイクル可能である。
【0011】本発明は、水性媒体中で分散した樹脂相を
含有するカチオン電着組成物であって、該樹脂相が、次
式で表わされるN置換アミノ酸で少なくとも部分的に中
和された塩基性窒素基および塩基性硫黄基を有するカチ
オン電着組成物:
【0012】
【化2】
【0013】を提供する。
【0014】本発明のカチオン電着塗料組成物に用いる
N置換アミノ酸は、上記式[I]で表わされる。式中、R
1は好ましくは炭素数1〜7のアルキル基、より好まし
くはメチル基である。R2は好ましくは水素、炭素数1
〜4のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキ
ル基、より好ましくは水素である。N置換アミノ酸の例
としては、N−アセチルグリシン、N−アセチルアラニ
ン、N−アセチルバリン、N−アセチルロイシン、N−
アセチルセリン、N−アセチルトレオニン、N−アセチ
ルアスパラギン酸、N−アセチルグルタミン酸、N−ア
セチルチロシン、N−アセチルシスティン、N−アセチ
ルメチオニン、N−アセチルフェニルアラニン、馬尿
酸、N−ブチリルグリシン、N−オクタノイルグリシ
ン、N−アクリロイルグリシン、フェナセツル酸などで
あり、N−アセチルグリシンが最適である。
【0015】N置換アミノ酸は、アミノ酸と酸クロライ
ドおよびピリジンを反応させることによって得られる。
また、アミノ酸と無水酢酸との反応により、アセチル化
物を得ることができる。
【0016】N置換アミノ酸は、塩基性基(例えば、塩
基性窒素基)を含有する樹脂を少なくとも部分的に中和
するために用いられる。中和反応は、撹拌された水性媒
体中にN置換アミノ酸を添加し、その中に樹脂をゆっく
りと添加することによって行われ、分散体が形成され
る。または、撹拌しながら樹脂にN−アセチルグリシン
類を添加し、水性媒体中に中和された樹脂を分散するこ
とによっても分散体が得られる。小さく、安定な分散体
を得るためには、前者の方法が好ましい。尚、『中和』
という用語は『部分的な中和』も含有する。
【0017】中和の程度は、含有される特定の樹脂に依
存する。一般にN置換アミノ酸は、電着塗料組成物が一
般的にpH5〜8、好ましくはpH6〜7を有し、電着
塗装時に印加される電圧下でカソード上に電着し得る量
で使用される。通常、全理論中和当量の25%以上であ
る。
【0018】N置換アミノ酸の他に、例えば酢酸、乳酸
とN置換アミノ酸との混合物を用いてもよい。混合物を
用いる場合、N置換アミノ酸は典型的には、全中和酸の
重量に対して少なくとも50%含有される。
【0019】N置換アミノ酸で中和された樹脂は、電着
組成物の主要膜形成樹脂であり、このような膜形成樹脂
の例は、イソシアネートと架橋反応可能な基とN置換ア
ミノ酸での中和により水に分散可能な塩基性基とを有す
る樹脂である。イソシアネートと架橋反応可能な基と
は、活性水素を有する基(e.g.第1〜2級アミノ基、ヒ
ドロキシル基、チオール基、カルボキシル基等)であ
る。中和により水に分散可能にする基は具体的には種々
のカチオン性基(e.g.第1〜3級アミノ基、第4級アン
モニウム基、第3級スルホニウム基、ホスホニウム基)
が挙げられる。
【0020】この樹脂の基本骨格は種々のポリマー骨格
であり得るが、例えばエポキシ系、ポリブタジエン系、
アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリア
ミド系等が一般的である(例えば、米国特許3,92
2,253号(1975)、同3,947,338号
(1976)、同3,617,458号(1971)、
およびドイツ特許1,546,840号(196
5))。これらのポリマー骨格にそれぞれの基を導入す
る方法は公知であり、ここで詳しく述べない。
【0021】特にエポキシ樹脂系、オキサゾリドン変性
エポキシ樹脂系の中和酸にN置換アミノ酸、特にN−ア
セチルグリシンを用いると、ほかの酸を用いるよりも粒
子の小さい、安定な水分散体が得られる。このオキサゾ
リドン変性エポキシ樹脂は、具体的には分子中に複数の
オキサゾリドン環と末端エポキシ基を有するエポキシ樹
脂とイオン性基を有する活性水素化合物との反応によ
り、末端エポキシ基を開環してイオン性基を導入するこ
とにより、形成される(特願平3−349631号)。
【0022】通常、これらの樹脂は、ブロック化ポリイ
ソシアネート硬化剤と組み合わせて用いられる。ポリイ
ソシアネートはアルコール等で完全にブロック化されて
いてもよく、あるいは部分的にブロック化され、樹脂の
主鎖と反応してもよい。
【0023】使用し得るポリイソシアネート化合物とし
ては、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネー
ト、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、1−メチルシクロ
ヘキサン−2,4−ジイソシアネート、1,2−ジメチル
シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タン−4,4'−ジイソシアネート、およびこれらの3量
体などである。
【0024】ブロック剤としては、メタノール、エタノ
ール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの
脂肪族アルコール化合物;フェニルカルビノール、メチ
ルフェニルカルビノールなどの芳香族アルカノール化合
物;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテルなどのセルソルブ系化合
物;フェノール、クレゾールなどのフェノール化合物
類;アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシムなど
のオキシム化合物類;ε−カプロラクタムなどのラクタ
ム化合物;などが使用し得る。
【0025】また、米国特許第4,134,932号に記
載されているように、マンニッヒ塩基から調製されるカ
チオン電着組成物もまた用いられる。
【0026】本発明のカチオン電着組成物は、水性分散
体の形態をとる。本発明の分散体は、典型的な有機酸で
ある乳酸や酢酸を用いて調製された分散体と比較する
と、粒子の小さい、安定な分散体である。本発明の組成
物が電着浴の形態をとる場合、電着浴の樹脂固形分は、
通常、水分散体の全重量を基準にして、約5〜25重量
%である。
【0027】本発明のカチオン電着組成物には、必要に
応じて1種および複数の有機溶剤を使用してもよい。有
用な有機溶剤として、アルコール、ポリオール、ケト
ン、エステル系溶剤が挙げられる。更に具体的には、グ
リコールのモノアルコールエーテル(e.g.エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル)、アルコール(e.g.
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブ
タノール)、ケトン(e.g.メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、シク
ロヘキサノン)、エーテル (e.g.ジオキサン)、芳
香族溶媒 (e.g.トルエン、キシレン)、エステル
(e.g.酢酸エチル、酢酸ブチル)等である。添加す
る溶剤の量は、一般的には、水性媒体の重量を基準にし
て0.01〜25重量%であり、塗装時は0.01〜5
重量%が好ましい。
【0028】また、本発明のカチオン電着組成物には必
要に応じて従来から使用されている顔料、界面活性剤、
硬化促進剤、消泡剤、硬化触媒などの添加剤を使用する
ことができる。添加剤の総量は全固形分に対し、通常1
0〜50重量%である。
【0029】顔料の例としては、カーボンブラック、酸
化チタン、酸化鉄、シアニンブルー、シンカシャレッド
などの着色顔料、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、
炭酸カルシウムなどの体質顔料、塩基性ケイ酸鉛、リン
モリブデン酸アルミニウム、クロム酸ストロンチウム、
トリポリリン酸アルミニウムなどの防錆顔料が挙げられ
るが、これらに限定するものではない。
【0030】硬化触媒の例としては、ジラウリル酸−ジ
−n−ブチルスズ、オクテン酸スズ、ジブチルスズオキ
サイド、ジオクチルスズオキサイド、ジブチルスズアセ
テートなどの錫化合物、酢酸鉛、塩基性ケイ酸塩などの
鉛化合物、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチ
ルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N
−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]ウンデセン、イミダゾール化合物、ピリジンな
どの3級アミンが使用される。
【0031】本発明の組成物を電着塗装する場合は、従
来公知の方法が用いられ、通常浴温15〜35℃、固形
分濃度5〜30重量%、塗装電圧50〜400Vの範囲
で行なわれる。この場合、被塗物(アノード側)として
は、鉄、アルミニウム、亜鉛などの金属およびそれらの
合金あるいは導電性の有機物が挙げられる。硬化は通常
100〜250℃の温度で5〜40分行なわれる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、カチオン性塗料組成物
の中和剤としてN置換アミノ酸を用いることにより、付
き回り性の改良された塗膜を得ることができ、クローン
効率も高くなる。また、得られた分散体は均一で、安定
な粒子が得られる。更に、中和酸はアミノ酸の誘導体で
あるため、これまでに用いられてきた酸に比べて自然環
境および人体への影響が少ない。また、スルファミン酸
と比較してN置換アミノ酸を中和酸として用いると、ア
ノード側の極液の管理が容易である。特に、N−アセチ
ルグリシンは、酢酸、乳酸、ギ酸と異なり、結晶性を有
するため、極液からの回収が容易であり、リサイクル可
能である。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
「%」は断りない限り重量基準による。本発明はこれら実
施例に限定されない。
【0034】製造例1 N−アセチルグリシンの合成 適当な反応容器にグリシン75.1gおよび酢酸310g
を仕込む。これを窒素雰囲気下で60℃に加熱し、無水
酢酸107gを加える。この温度で撹拌しながら5時間
維持する。IRスペクトルでアミノ基の消失を確認した
後、冷却する。水を加え、減圧濾過した後、水で再結晶
し、融点206〜208℃の長針状結晶物を得た。
【0035】製造例2 アミン化エポキシ樹脂 適当な反応容器にエポキシ当量485のビスフェノール
A型エポキシ樹脂(エピコート1001、油化シェルエ
ポキシ(株)製)970gおよびポリカプロラクトンジオー
ル(PCPO200、ユニオンカーバイドコーポレーシ
ョン製)265gを仕込む。これを窒素雰囲気下で130
℃に加熱し、ジメチルベンジルアミン0.46gを加え
る。反応混合物を更に150℃に加熱し、この温度で3
時間維持する。このバッチを110℃に冷却し、メチル
イソブチルケトン110gを加え、次いで、ジエチレン
トリアミンのメチルイソブチルジケトイミン39.8
g、更にメチルイソブチルケトン100gを加える。バッ
チ温度が90℃になるまで冷却を続け、この温度でジエ
チルアミン53.1gを加えた後、反応温度を120℃
とし、2時間保持した後取り出す。
【0036】製造例3 ブロックポリイソシアネート硬化剤 2,4−/2,6−トルエンジイソシアネートの80/2
0(重量比)混合物291gを外部から冷却して反応温度
を40℃に保ちながら2−エチルヘキサノール218g
を滴下した。滴下後、40℃で30分反応させた後、6
0℃に昇温してトリメチロールプロパン75g、ジラウ
リン酸ジブチルスズ0.08gを加えた。さらに昇温
し、120℃で1時間反応させIRスペクトルを測定
し、イソシアネート基の吸収が消失しているのを確認し
た。生成物はエチレングリコールモノエチルエーテル2
49gで希釈した。
【0037】製造例4 顔料ペースト(使用樹脂は、特開昭52−18746に
例示されている樹脂である。)
【0038】[1]第4級化剤の調製 適当な反応容器中でジメチルエタノールアミン87.2
gに2−エチルヘキサノール半キャップ化トルエンジイ
ソシアネート(メチルイソブチルケトン(MIBK)で
希釈;固形分95%)320gを室温で加えた。発熱混合
物を80℃で1時間撹拌し、次いで、88%乳酸水溶液
117.6gを仕込み、さらにエチレングリコールモノ
ブチルエーテル39.2gを加えた。反応混合物を65
℃で30分撹拌し、第4級化剤を得た。
【0039】[2]カチオン化変性エポキシ樹脂の調製 エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(シェルケミカルカンパニー製)710gおよびビスフェ
ノールA289.6gを適当な容器に仕込み、窒素雰囲
気下150〜160℃に加熱し、1時間維持した。次に
120℃に冷却後、2−エチルヘキサノール半キャップ
化トルエンジイソシアネート(MIBKにて希釈、固形
分95%)406.4gを加えた。反応混合物の温度を1
時間120℃に維持し、IRスペクトルでイソシアネー
ト基の消失を確認した後、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル56.8gを加えた。次いで、容器を85〜
92℃に冷却し、均一化した後、水71.2gを加え、
さらに4級化剤496.3gを加えた。酸価が1以下に
なるまで反応混合物の温度を80〜85℃に保持してカ
チオン化変性エポキシ樹脂を得た。
【0040】[3]顔料ペーストの調製 上記カチオン化変性エポキシ樹脂34.2g、酸化チタ
ン68.9g、カーボンブラック1.7g、珪酸アルミニ
ウム14.4g、リンモリブデン酸アルミニウム15.
0g、水102.2gを混合し、鋼鉄製のボールミルを用
いて、グラインドゲージ計による粒度10μ以下に粉砕
し、顔料ペーストを調製した。
【0041】実施例1 カチオン性水性分散体およびカチオン電着塗料の調製 まず、適当な反応容器に実施例2のアミン化エポキシ樹
脂3012.8gと実施例3のブロックポリイソシアネ
ート硬化剤2000.0gを仕込み、120℃で均一に
なるまで混合し、カチオン化樹脂を調製した。
【0042】次に、製造例1で合成したN−アセチルグ
リシン34.6g(0.30モル)および脱イオン水37
9gの混合物に上記カチオン化樹脂1253gを添加する
ことによって水中に分散した。さらに脱イオン水111
1.1gを添加して希釈し、減圧下で有機溶媒を除去す
ることにより、固形分36%のカチオン性水性分散体を
得た。この時の分散体の粒子径は76nmであった。
【0043】次に、脱イオン水1931.2gに上記の
分散体1777.8g、製造例4の顔料ペースト291g
を添加して固形分20%のカチオン電着塗料を調製し
た。
【0044】この塗料を用いてリン酸亜鉛処理冷間延鋼
板およびリン酸亜鉛処理合金化溶融亜鉛メッキ鋼板(新
日本製鉄株式会社製: メッキ付着量40g/m2)に電着塗
装し、電着特性を評価した。塗装条件は、浴温28℃で
250Vの電圧で3分間電着した。その後、得られた塗
膜を175℃で20分間硬化させた。得られた結果を表
1に示す。
【0045】比較例1 ギ酸13.6g(0.30モル)および脱イオン水40
0.1gの混合物に実施例1で合成したカチオン化樹脂
1253gを添加することによって水中に分散した。さ
らに脱イオン水1111.1gを添加して希釈し、減圧
下で有機溶媒を除去することにより、固形分36%のカ
チオン性水性分散体を得た。この時の分散体の粒子径は
120nmであった。
【0046】次に、脱イオン水1931.2gに上記の
分散体1777.8g、製造例4の顔料ペースト291g
を添加して固形分20%のカチオン電着塗料を調製し
た。この塗料を用いて実施例1と同様に電着塗装を行
い、電着特性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0047】比較例2 氷酢酸20.3g(0.34モル)および脱イオン水39
3.4gの混合物に実施例1で合成したカチオン化樹脂
1253gを添加することによって水中に分散した。さ
らに脱イオン水1111.1gを添加して希釈し、減圧
下で有機溶媒を除去することにより、固形分36%のカ
チオン性水性分散体を得た。この時の分散体の粒子径は
160nmであった。
【0048】次に、脱イオン水1931.2gに上記の
分散体1777.8g、製造例4の顔料ペースト291g
を添加して固形分20%のカチオン電着塗料を調製し
た。
【0049】この塗料を用いて実施例1と同様に電着塗
装を行い、電着特性を評価した。得られた結果を表1に
示す。
【0050】比較例3 スルファミン酸28.7g(0.30モル)および脱イオ
ン水385.0gの混合物に実施例1で合成したカチオ
ン化樹脂1253gを添加することによって水中に分散
した。さらに脱イオン水1111.1gを添加して希釈
し、減圧下で有機溶媒を除去することにより、固形分3
6%のカチオン性水性分散体を得た。この時の分散体の
粒子径は105nmであった。
【0051】次に、脱イオン水1931.2gに上記の
分散体1777.8g、製造例4の顔料ペースト291g
を添加して固形分20%のカチオン電着塗料を調製し
た。
【0052】この塗料を用いて実施例1と同様に電着塗
装を行い、電着特性を評価した。得られた結果を表1に
示す。
【0053】以上、実施例1、比較例1、2、3の結果
より、中和酸としてN−アセチルグリシンを用いると、
ギ酸、酢酸、スルファミン酸を中和酸として用いるより
も小さな粒子が得られ、付き回り性、クーロン効率も向
上することがわかる。
【0054】また、実施例1と同様に中和酸としてN−
アセチルアラニン、N−アセチルメチオニン、N−アセ
チルロイシン、N−アセチルトレオニン、N−アセチル
グルタミン酸、馬尿酸、N−オクタノイルグリシンを用
いても安定で小さな粒子が得られた。
【0055】同様にして、オキサゾリドン環変性エポキ
シ樹脂を用いて検討を行った。
【0056】製造例5 オキサゾリドン環変性エポキシ樹脂(エポキシ当量46
5)の合成 適当な容器に4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト250gをジクロロメタン180gに溶解し、トリエチ
ルアミン0.4gを加えた。40℃に昇温し、エタノー
ル96.6gをジクロロメタン83.4gに溶かした溶液
を15分かけて滴下した。さらに40℃で1時間反応さ
せることにより、4,4'−ジフェニルメタンジイソシア
ネートのジエチルウレタンを合成した。
【0057】その後、エポキシ当量170のビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル680g、キシレン153
g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DB
U)6.0gおよびジラウリン酸ジブチル錫5.0gを加
え80℃に昇温し、ジクロロメタンを留去した。さらに
昇温し、130℃で副生するエタノールを留去しながら
加熱を4時間続け、生成物のIRスペクトルを測定した
ところ、ジエチルウレタンのカルボニル基に基づく17
30cm-1の吸収が完全に消失し、オキサゾリドン環のカ
ルボニル基に基づく1750cm-1の吸収のみが認められ
た。このようにしてオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂
を合成した。なお、エポキシ当量を測定したところ、4
65であった。
【0058】製造例6 アミン化オキサゾリドン環変性樹脂 適当な容器に実施例7のオキサゾリドン環含有エポキシ
樹脂2188g、ポリカプロラクトンジオール(PCPO
200、ユニオンカーバイドコーポレーション製)53
0gを加え、キシレン89gを入れて130℃に昇温し溶
解した。次にN,N−ジメチルベンジルアミン5.0g
を加えエポキシ当量が1195になるまで反応した。次
に、メチルイソブチルケトン31.8g、N−メチルエ
タノールアミン75.1g、およびジエタノールアミン
105.1gを加え、120℃で1時間反応し、アミン
化オキサゾリドン環変性樹脂を得た。よって、これを用
いて水性分散体およびカチオン電着塗料を作成する。
【0059】実施例2 カチオン性水性分散体およびカチオン電着塗料の調製
(オキサゾリドン環型) まず、適当な容器に製造例6のアミン化オキサゾリドン
環変性樹脂3296g、実施例3のブロックポリイソシ
アネート硬化剤1716gを仕込み、120℃で均一に
なるまで混合し、カチオン化樹脂を調製した。次に、製
造例1で合成したN−アセチルグリシン44.3g(0.
38モル)および脱イオン水369.4gの混合物に上記
樹脂1253gを添加することによって水中に分散し
た。さらに、脱イオン水1111.1gを添加して希釈
し、減圧下で有機溶媒を除去することにより、固形分3
6%のカチオン性水性分散体を得た。この時の分散体の
粒子径は95nmであった。
【0060】次に、脱イオン水1931.2gに上記の
分散体1777.8g、実施例4の顔料ペースト291g
を添加して固形分20%のカチオン電着塗料を調製し
た。この塗料を用いて実施例1と同様に電着塗装を行
い、電着特性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0061】比較例4 ギ酸17.4g(0.38モル)および脱イオン水39
6.3gの混合物に実施例2で合成したカチオン化樹脂
1253gを添加することによって水中に分散した。さ
らに、脱イオン水1111.1gを添加して希釈し、減
圧下で有機溶媒を除去することにより、固形分36%の
カチオン性水性分散体を得た。この時の分散体の粒子径
は150nmであった。
【0062】次に、脱イオン水1931.2gに上記の
分散体1777.8g、実施例4の顔料ペースト291g
を添加して固形分20%のカチオン電着塗料を調製し
た。この塗料を用いて実施例1と同様に電着塗装を行
い、電着特性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0063】比較例5 氷酢酸25.0g(0.42モル)および脱イオン水38
8.7gの混合物に実施例2で合成したカチオン化樹脂
1253gを添加することによって水中に分散した。さ
らに脱イオン水1111.1gを添加して希釈し、減圧
下で有機溶媒を除去することにより、固形分36%のカ
チオン性水性分散体を得た。この時の分散体の粒子径は
180nmであった。
【0064】次に、脱イオン水1931.2gに上記の
分散体1777.8g、製造例4の顔料ペースト291g
を添加して固形分20%のカチオン電着塗料を調製し
た。
【0065】この塗料を用いて実施例1と同様に電着塗
装を行い、電着特性を評価した。得られた結果を表1に
示す。
【0066】比較例6 スルファミン酸36.7g(0.38モル)および脱イオ
ン水377.0gの混合物に実施例2で合成したカチオ
ン化樹脂1253gを添加することによって水中に分散
した。さらに脱イオン水1111.1gを添加して希釈
し、減圧下で有機溶媒を除去することにより、固形分3
6%のカチオン性水性分散体を得た。この時の分散体の
粒子径は135nmであった。
【0067】次に、脱イオン水1931.2gに上記の
分散体1777.8g、製造例4の顔料ペースト291g
を添加して固形分20%のカチオン電着塗料を調製し
た。この塗料を用いて実施例1と同様に電着塗装を行
い、電着特性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0068】電着特性(付き回り性およびクーロン効率)
は次のように測定した:
【0069】 付き回り性試験: 円筒形のステンレス
容器にそれぞれの電着塗料を高さ29cmのところまで注
ぎ、浴温を28℃に調製してスターラーで均一に撹拌す
る。この容器中に内径16mmのステンレス製パイプ、そ
のパイプ内に試験板(15×300×0.4mm)、そのパ
イプ外に膜厚測定用板(30×150×0.8mm)を入
れ、パイプ、試験板および膜厚測定用板は陰極に、ステ
ンレス容器を陽極に接続し、電着を開始した。電着開始
後、5秒後に所定電圧(250V)まで上げ、3分間通電
を行った。膜厚が20〜25μであることを確認し、試
験板の塗装された高さを付き回り性とした。
【0070】 クーロン効率: 単位電気量あたりの焼
付け後の塗膜重量(mg/クーロン)
【0071】
【表1】
【0072】実施例3 アノード側の極液の管理のしやすさを検討するために、
スルファミン酸およびN−アセチルグリシンの水溶液を
調製し、酸濃度と液電導度の関係をみた。表2に液電導
度300μS/cmと3000μS/cm(極液電導度の
管理上・下限に相当する)のときの各水溶液の濃度を示
す。
【0073】
【表2】
【0074】表2から分かるように、スルファミン酸
は、10ミリモル/l以下の狭い濃度幅で管理しなけれ
ばいけないのに対し、N−アセチルグリシンは70〜3
30ミリモル/lと広い濃度幅で管理できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳原 徹雄 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中で分散した樹脂相を含有する
    カチオン電着組成物であって、該樹脂相が、次式で表わ
    されるN置換アミノ酸で少なくとも部分的に中和された
    塩基性窒素基および塩基性硫黄基を有するカチオン電着
    組成物: 【化1】
  2. 【請求項2】 該N置換アミノ酸の酸解離指数pKa(酸
    解離定数の逆数の対数)が2〜4である請求項1記載の
    カチオン電着組成物。
  3. 【請求項3】 該N置換アミノ酸がN−アセチルグリシ
    ンである請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. 【請求項4】 組成物のpHが5〜8である請求項1記
    載のカチオン電着組成物。
JP16465292A 1992-06-23 1992-06-23 改良されたカチオン電着塗料組成物 Pending JPH069908A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004269627A (ja) * 2003-03-06 2004-09-30 Mazda Motor Corp 無鉛性カチオン電着塗料組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004269627A (ja) * 2003-03-06 2004-09-30 Mazda Motor Corp 無鉛性カチオン電着塗料組成物

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