JPH0697880B2 - 同期機の励磁制御装置 - Google Patents
同期機の励磁制御装置Info
- Publication number
- JPH0697880B2 JPH0697880B2 JP62286167A JP28616787A JPH0697880B2 JP H0697880 B2 JPH0697880 B2 JP H0697880B2 JP 62286167 A JP62286167 A JP 62286167A JP 28616787 A JP28616787 A JP 28616787A JP H0697880 B2 JPH0697880 B2 JP H0697880B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- control
- synchronous machine
- power system
- phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Control Of Eletrric Generators (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は同期機の励磁制御装置に係り、特に電力系統の
動態安定度向上を行なうのに好適な電力系統安定化装置
に関する。
動態安定度向上を行なうのに好適な電力系統安定化装置
に関する。
従来の電力系統の動態安定度向上を目的としたものに、
日立評論VoL.56,No.12(1974-12)第35頁から第40頁に
述べられているように電力動揺抑制を目的とした電力系
統安定化装置(Power System Stabilizer以下Pssと略
す)がある。
日立評論VoL.56,No.12(1974-12)第35頁から第40頁に
述べられているように電力動揺抑制を目的とした電力系
統安定化装置(Power System Stabilizer以下Pssと略
す)がある。
この動作原理は次のようなものである。
第2図はリアクトルXe24を介して無限大母線23に接続さ
れた1つの同期機22を示すところの、1機無限大系と呼
ばれる系統モデルで、この電力動揺は同期機22の運転特
性と系統インピーダンスとの関係により説明される。こ
の動作を微少電力動揺について線形近似化するとトルク
ΔT及び速度Δω,相差角Δδ,端子電圧ΔVgとして第
3図に示すブロック図のように表わすことができる。こ
こでΔは変化分を示した以下同様である。第3図におい
てK1〜K6であらわされるゲイン特性のうち、K3のみが同
期機22と系統のインピーダンスのみで定まるが、残りは
全てインピーダンスの他に同期機22の運転状態によつて
変わる。そこで同期機22の運動を振動系として取扱い相
差角δと同相の同期化トルクΔTs及び速度Δωと同相の
制動トルクΔTdで表わせば第4図に示したブロツク図と
なり、その振動特性は振動周波数 制動特性ρを有し、次式で示される。
れた1つの同期機22を示すところの、1機無限大系と呼
ばれる系統モデルで、この電力動揺は同期機22の運転特
性と系統インピーダンスとの関係により説明される。こ
の動作を微少電力動揺について線形近似化するとトルク
ΔT及び速度Δω,相差角Δδ,端子電圧ΔVgとして第
3図に示すブロック図のように表わすことができる。こ
こでΔは変化分を示した以下同様である。第3図におい
てK1〜K6であらわされるゲイン特性のうち、K3のみが同
期機22と系統のインピーダンスのみで定まるが、残りは
全てインピーダンスの他に同期機22の運転状態によつて
変わる。そこで同期機22の運動を振動系として取扱い相
差角δと同相の同期化トルクΔTs及び速度Δωと同相の
制動トルクΔTdで表わせば第4図に示したブロツク図と
なり、その振動特性は振動周波数 制動特性ρを有し、次式で示される。
ここで S:微分演算子(d/dt) D:制動トルク係数 K1 :同期化トルク係数 M:同期機の慣性定数 ω0 :ベース回転角速度 通常この角周波数ωnは5〜10rad/s程度であり系統構
成が大きく変つてもせいぜい2〜20rad/s程度である。
第4図においてK1はd軸鎖交磁束ΔEq′一定のとき相差
角の変化分に対する同期機固有の電気トルクの変化係数
であり、K1′は励磁制御系から発生する電気トルク係数
である。一方同期化トルクと90度位相が異なり回転速度
と同相の信号としたフイードバツクされる電気トルク係
数には制御係数Dとして表わされる同期機固有の係数と
励磁制御による制動トルク係数D′がある。
成が大きく変つてもせいぜい2〜20rad/s程度である。
第4図においてK1はd軸鎖交磁束ΔEq′一定のとき相差
角の変化分に対する同期機固有の電気トルクの変化係数
であり、K1′は励磁制御系から発生する電気トルク係数
である。一方同期化トルクと90度位相が異なり回転速度
と同相の信号としたフイードバツクされる電気トルク係
数には制御係数Dとして表わされる同期機固有の係数と
励磁制御による制動トルク係数D′がある。
このうちK1′は通常の機器定数の範囲ではK1の10〜20%
以下であり、これが負値となつても余り問題とならない
が、D′はDと同じ大きさの負値となり得るのでD+
D′<0となるとその振動は発散系となり動態安定度が
失われることが考えられる。そこで動態安定度の確保の
ためには、負の制動トルクを補償するように正の制動ト
ルクを加えることが必要であり、このためには同期機の
相差角Δδの動揺信号を検出し、ゲイン及び位相を調整
し電圧制御系へ補正信号として与え、励磁系の制動トル
クを増加させる制御を行なえば良く、これを行なうのが
Pssである。
以下であり、これが負値となつても余り問題とならない
が、D′はDと同じ大きさの負値となり得るのでD+
D′<0となるとその振動は発散系となり動態安定度が
失われることが考えられる。そこで動態安定度の確保の
ためには、負の制動トルクを補償するように正の制動ト
ルクを加えることが必要であり、このためには同期機の
相差角Δδの動揺信号を検出し、ゲイン及び位相を調整
し電圧制御系へ補正信号として与え、励磁系の制動トル
クを増加させる制御を行なえば良く、これを行なうのが
Pssである。
第4図に戻り以上の考えを整理すると、動態安定度の向
上を行なうためには相差角動揺Δδに対する励磁系トル
クΔTexが角周波数Δωに同相のほぼ90度進み又は−Δ
δに対して90度遅れとなる電圧一定制御系AVRの制御を
行なえば良いことがわかる。次に第3図から同期機の界
磁電圧ΔVfと励磁系トルクΔTexとの関係を求めると となる。ここで電機子反作用による効果K4・ΔδはΔVf
と比較し小さな値であるので無視している。(1)式に
おいてK3・Tdo′は通常数秒のオーダであり及び通常の
電力動揺角周波数が2〜20red/Sの範囲内であることを
考えると励磁系トルクΔTexは界磁電圧ΔVfに対しほぼ9
0度遅れることがわかる。
上を行なうためには相差角動揺Δδに対する励磁系トル
クΔTexが角周波数Δωに同相のほぼ90度進み又は−Δ
δに対して90度遅れとなる電圧一定制御系AVRの制御を
行なえば良いことがわかる。次に第3図から同期機の界
磁電圧ΔVfと励磁系トルクΔTexとの関係を求めると となる。ここで電機子反作用による効果K4・ΔδはΔVf
と比較し小さな値であるので無視している。(1)式に
おいてK3・Tdo′は通常数秒のオーダであり及び通常の
電力動揺角周波数が2〜20red/Sの範囲内であることを
考えると励磁系トルクΔTexは界磁電圧ΔVfに対しほぼ9
0度遅れることがわかる。
以上の位相関係を相差角Δδとともにベクトル表示する
と第5図と第6図の関係を得る。励磁系トルクΔTexは
軸回転速度Δωにほぼ同相か遅れ気味となるように、即
ち斜線領域になるように制御を行なえば良いことにな
る。図中ΔTex′はΔωに対するΔTexの許容最大位相遅
れを示している。さらに(1)式からΔVfはΔTexより9
0度進みの位置にあるので、最適な制動トルクを得るた
めにはΔVfがΔδと180度あるいはΔVfと(−Δδ)が
ほぼ同相となるよう制御を行なえば良いことがわかる。
と第5図と第6図の関係を得る。励磁系トルクΔTexは
軸回転速度Δωにほぼ同相か遅れ気味となるように、即
ち斜線領域になるように制御を行なえば良いことにな
る。図中ΔTex′はΔωに対するΔTexの許容最大位相遅
れを示している。さらに(1)式からΔVfはΔTexより9
0度進みの位置にあるので、最適な制動トルクを得るた
めにはΔVfがΔδと180度あるいはΔVfと(−Δδ)が
ほぼ同相となるよう制御を行なえば良いことがわかる。
以上がPssの動作原理についての説明である。
上記従来技術は、電力系統安定化装置の制御安定数を所
定の系統構成に合せ固定的定数として設定するものであ
り、又特開昭61-15599号公報に記載のように系統構成及
び負荷状態に応じブロツクを選択することで最適な特性
を実現しようとするものがあるが、パラメータがステツ
プ状に変化するため必ずしも最適ではないこと、又系統
構成がプラント計画時点における机上検討を越えるケー
スの場合、不安定な制御となるなどの問題点を有してい
た。
定の系統構成に合せ固定的定数として設定するものであ
り、又特開昭61-15599号公報に記載のように系統構成及
び負荷状態に応じブロツクを選択することで最適な特性
を実現しようとするものがあるが、パラメータがステツ
プ状に変化するため必ずしも最適ではないこと、又系統
構成がプラント計画時点における机上検討を越えるケー
スの場合、不安定な制御となるなどの問題点を有してい
た。
本発明の目的は、電力系統の状態に応じて常に最適な動
態安定度向上を行なうために、ゲイン制御を行なうゲイ
ン制御信号を電力系統の状態に応じ最適に自動調整を行
ない、更に位相制御における位相制御信号も電力系統の
状態に応じ最適に自動調整する同期機の励磁制御装置を
提供することにある。
態安定度向上を行なうために、ゲイン制御を行なうゲイ
ン制御信号を電力系統の状態に応じ最適に自動調整を行
ない、更に位相制御における位相制御信号も電力系統の
状態に応じ最適に自動調整する同期機の励磁制御装置を
提供することにある。
上記目的は、同期機の端子電圧と設定端子電圧との偏差
信号に対応して前記同期機の界磁量を定め前記端子電圧
を制御する端子電圧一定制御手段を備える同期機の励磁
制御装置において、前記同期機の有効電力値を検出し該
有効電力値に所定のゲイン制御と位相制御を施した電力
系統安定化信号を出力する電力系統安定化手段と、該電
力系統安定化信号と前記偏差信号との比率を所定の値と
するゲイン制御信号を演算し前記ゲイン制御の制御信号
として出力する出力比率制御手段と、を備え前記偏差信
号に前記電力系統安定化信号を加え、前記電力系統安定
化信号のゲインを前記出力比率制御手段の出力によって
自動変更することを特徴とする同期機の励磁制御装置と
すること、又は電力系統安定化手段と出力比率制御手段
とを備えた該同期機の励磁制御装置に前記同期機の界磁
電圧と前記偏差信号と前記有効電力値とを入力し該界磁
電圧と前記偏差信号とから前記電力系統安定化信号が寄
与した界磁電圧成分を演算し該界磁電圧成分と前記有効
電力値との位相差を所定の値とする位相制御信号を演算
し前記位相制御の制御信号として出力する位相差制御手
段を付加し、前記電力系統安定化信号の位相を前記位相
差制御手段の出力によって自動変更することを特徴とす
る同期機の励磁制御装置とすることで達成される。
信号に対応して前記同期機の界磁量を定め前記端子電圧
を制御する端子電圧一定制御手段を備える同期機の励磁
制御装置において、前記同期機の有効電力値を検出し該
有効電力値に所定のゲイン制御と位相制御を施した電力
系統安定化信号を出力する電力系統安定化手段と、該電
力系統安定化信号と前記偏差信号との比率を所定の値と
するゲイン制御信号を演算し前記ゲイン制御の制御信号
として出力する出力比率制御手段と、を備え前記偏差信
号に前記電力系統安定化信号を加え、前記電力系統安定
化信号のゲインを前記出力比率制御手段の出力によって
自動変更することを特徴とする同期機の励磁制御装置と
すること、又は電力系統安定化手段と出力比率制御手段
とを備えた該同期機の励磁制御装置に前記同期機の界磁
電圧と前記偏差信号と前記有効電力値とを入力し該界磁
電圧と前記偏差信号とから前記電力系統安定化信号が寄
与した界磁電圧成分を演算し該界磁電圧成分と前記有効
電力値との位相差を所定の値とする位相制御信号を演算
し前記位相制御の制御信号として出力する位相差制御手
段を付加し、前記電力系統安定化信号の位相を前記位相
差制御手段の出力によって自動変更することを特徴とす
る同期機の励磁制御装置とすることで達成される。
前記構成において、電力系統安定化手段は同期機の有効
電力値を検出して所定のゲイン制御と位相制御を施した
電力系統安定化信号を出力し、前記同期機の端子電圧と
設定端子電圧との偏差信号に加え、その補正された偏差
信号に対応して端子電圧一定制御手段は界磁量を定め前
記端子電圧の制御をし、出力比率制御手段は前記電力系
統安定化信号と補正前の前記偏差信号との比率を所定の
値とする前記ゲイン制御を行なうゲイン制御信号を演算
出力し、更に位相差制御手段は前記同期機の界磁電圧と
補正前の前記偏差信号とから前記電力系統安定化信号が
寄与した界磁電圧成分を演算して前記位相制御が該界磁
電圧成分と前記有効電力値との位相差を所定の値とする
位相差制御信号を演算出力する。
電力値を検出して所定のゲイン制御と位相制御を施した
電力系統安定化信号を出力し、前記同期機の端子電圧と
設定端子電圧との偏差信号に加え、その補正された偏差
信号に対応して端子電圧一定制御手段は界磁量を定め前
記端子電圧の制御をし、出力比率制御手段は前記電力系
統安定化信号と補正前の前記偏差信号との比率を所定の
値とする前記ゲイン制御を行なうゲイン制御信号を演算
出力し、更に位相差制御手段は前記同期機の界磁電圧と
補正前の前記偏差信号とから前記電力系統安定化信号が
寄与した界磁電圧成分を演算して前記位相制御が該界磁
電圧成分と前記有効電力値との位相差を所定の値とする
位相差制御信号を演算出力する。
以下、本発明による一実施例を第1図により説明する。
第1図はサイリスタ20を用いた静止形励磁装置の構成を
示す図である。
示す図である。
同期機22の端子電圧V101を計器用変成器PT25で降圧した
端子電圧Vg102と自動電圧調整装置AVR(端子電圧一定制
御手段)26の電圧設定値Vref(設定端子電圧)103との
偏差信号ε1104を検出する。偏差信号ε1104を増幅器
AMP1にて増幅し、さらに自動パルス位相器APPS2にてサ
イリスタゲード制御用パルスを発生させ、これによりサ
イリスタ20の出力電圧すなわち同期機22の界磁電圧Vf
(界磁量)109を制御し同期機22の端子電圧を一定に制
御する。また、電力系統の動態安定度向上を計るため有
効電力Pg111を計器変成器PT25と計器用変流器CT27を介
し電力変換器3にて検出し、これに適正なゲイン・位相
制御を施したPss出力信号Vpss(電力系統安定化信号)1
05をAVR26の信号加算回路28へ補助信号として与える電
力系統安定化装置Pss(電力系統安定化手段)30を有し
ている。
端子電圧Vg102と自動電圧調整装置AVR(端子電圧一定制
御手段)26の電圧設定値Vref(設定端子電圧)103との
偏差信号ε1104を検出する。偏差信号ε1104を増幅器
AMP1にて増幅し、さらに自動パルス位相器APPS2にてサ
イリスタゲード制御用パルスを発生させ、これによりサ
イリスタ20の出力電圧すなわち同期機22の界磁電圧Vf
(界磁量)109を制御し同期機22の端子電圧を一定に制
御する。また、電力系統の動態安定度向上を計るため有
効電力Pg111を計器変成器PT25と計器用変流器CT27を介
し電力変換器3にて検出し、これに適正なゲイン・位相
制御を施したPss出力信号Vpss(電力系統安定化信号)1
05をAVR26の信号加算回路28へ補助信号として与える電
力系統安定化装置Pss(電力系統安定化手段)30を有し
ている。
まず、ゲイン制御について説明する。AVR26の偏差信号
ε1104にPss30の出力信号Vpss105とを加えた補正後の
偏差信号ε2106とVpss105とをそれぞれ絶対値検出回路
10a,10bとピーク値検出回路11a,11bとを介し絶対値のピ
ーク値を検出しさらに|ε2|ピーク値には演算器12で
K1倍した値を得る。|ε2・K1|ピーク値と|Vpss|ピー
ク値との偏差を一次遅れ回路13でリツプル分を除去し不
感帯回路17aを介してPss30のゲイン制御回路Kpss4のゲ
イン制御信号107として与える。ゲイン制御信号107が正
のときはPss30のゲインを上げ、負のときはPss30のゲイ
ンを下げる自動調整を行なうことにより、補正後の偏差
信号ε2106に含まれるPss30の成分、Vpss105を常に一
定比率とすることができる。このように絶対値検出回路
10a,10bとピーク値検出回路11a,11bと演算器12と一次遅
れ回路13と不感帯回路17aとを備えた出力比率制御回路
(出力比率制御手段)32で、系統条件の変化,潮流条件
の変化などにより電圧変動ΔVgが大きくなつても常にこ
れを上廻るPss30の出力信号Vpss105を確保することがで
きる。ここにΔは変化分を示し以下同様とする。また補
正後の偏差信号ε2106に含まれるPss30の出力信号Vpss
105の比率を一定とすることができ、以上の制御を行な
うことで、電力動揺に対する最適なPssゲインの自動チ
ユーニングができる。
ε1104にPss30の出力信号Vpss105とを加えた補正後の
偏差信号ε2106とVpss105とをそれぞれ絶対値検出回路
10a,10bとピーク値検出回路11a,11bとを介し絶対値のピ
ーク値を検出しさらに|ε2|ピーク値には演算器12で
K1倍した値を得る。|ε2・K1|ピーク値と|Vpss|ピー
ク値との偏差を一次遅れ回路13でリツプル分を除去し不
感帯回路17aを介してPss30のゲイン制御回路Kpss4のゲ
イン制御信号107として与える。ゲイン制御信号107が正
のときはPss30のゲインを上げ、負のときはPss30のゲイ
ンを下げる自動調整を行なうことにより、補正後の偏差
信号ε2106に含まれるPss30の成分、Vpss105を常に一
定比率とすることができる。このように絶対値検出回路
10a,10bとピーク値検出回路11a,11bと演算器12と一次遅
れ回路13と不感帯回路17aとを備えた出力比率制御回路
(出力比率制御手段)32で、系統条件の変化,潮流条件
の変化などにより電圧変動ΔVgが大きくなつても常にこ
れを上廻るPss30の出力信号Vpss105を確保することがで
きる。ここにΔは変化分を示し以下同様とする。また補
正後の偏差信号ε2106に含まれるPss30の出力信号Vpss
105の比率を一定とすることができ、以上の制御を行な
うことで、電力動揺に対する最適なPssゲインの自動チ
ユーニングができる。
次に、位相制御について説明する。従来技術のPss30の
動作原理の説明にもあるように、最適な制動トルクを得
るためには界磁電圧ΔVf108が相差角動揺Δδと180度あ
るいはΔVf108と(−Δδ)がほぼ同相となるような制
御を行なえば良い。しかしながらΔVf108には第3図の
ブロツク図からあきらかなように電圧制御系の電圧振動
モードも含むため、Pss出力信号Vpss105による電力動揺
モードと混合した複合信号となる。このため上記の位相
制御を行なうためには、ΔVf108に含まれるVpss105の動
揺成分(電力系統安定化信号寄与界磁電圧成分以下ΔVf
pss110と呼ぶ)、即ち系統動揺信号成分ΔVfpss110のみ
を検出し、このΔVfpss110とΔδとの位相を約180度と
なるよう制御する必要がある。
動作原理の説明にもあるように、最適な制動トルクを得
るためには界磁電圧ΔVf108が相差角動揺Δδと180度あ
るいはΔVf108と(−Δδ)がほぼ同相となるような制
御を行なえば良い。しかしながらΔVf108には第3図の
ブロツク図からあきらかなように電圧制御系の電圧振動
モードも含むため、Pss出力信号Vpss105による電力動揺
モードと混合した複合信号となる。このため上記の位相
制御を行なうためには、ΔVf108に含まれるVpss105の動
揺成分(電力系統安定化信号寄与界磁電圧成分以下ΔVf
pss110と呼ぶ)、即ち系統動揺信号成分ΔVfpss110のみ
を検出し、このΔVfpss110とΔδとの位相を約180度と
なるよう制御する必要がある。
有効電力Pg111を電力変換器3にて検出し、これを不完
全微分回路14aを介して有効電力Pg111の変化分ΔPg112
を得る。同様にして同期機22の界磁電圧Vf109から不完
全微分回路14bを介して界磁電圧変動ΔVf108を得る。こ
のΔVf108と同期機22の端子電圧を一定に制御するAVR26
の偏差信号ε1104をAVRモデル15に入力し、Pss出力信
号Vpss105を直接含まない同期機22の界磁電圧シミユレ
ーシヨン値ΔVfε1113を検出する。このΔVf108とΔVf
ε1113との偏差をとることによりPss30による同期機22
の界磁電圧成分ΔVfpss110を検出する。次に位相差検出
回路16で系統の電力動揺信号のひつでであるΔPg112と
ΔVfpss110との位相差を検出する。この位相差を位相差
設定値θref114と比較し、この位相偏差Δθ115を不感
帯回路17bを介してΔθ115の絶対値が一定以上のとき、
Δθ114の符号に従つてPss30の位相制御回路θpss5の位
相制御信号116として与えられPss30の位相を増減し、Δ
θ114が零となるような制御をする。ここで位相検出回
路16は有効電力ΔPg112及びΔVfpss110の絶対値が一定
以下のときはOFFし、一定以上でONする補助リレーを有
している。即ちΔPg112及びΔVfpss110の絶対値が小さ
いとき、つまり電力動揺が発生していないときには位相
制御信号を切離すものである。このようにAVRモデル15
と不完全微分回路14a,14bと位相差検出回路16と不感帯
回路17aとを備えた位相差制御回路(位相差制御手段)3
3によつて、電力動揺に対する最適な位相制御定数を自
動チユーニングすることができる。
全微分回路14aを介して有効電力Pg111の変化分ΔPg112
を得る。同様にして同期機22の界磁電圧Vf109から不完
全微分回路14bを介して界磁電圧変動ΔVf108を得る。こ
のΔVf108と同期機22の端子電圧を一定に制御するAVR26
の偏差信号ε1104をAVRモデル15に入力し、Pss出力信
号Vpss105を直接含まない同期機22の界磁電圧シミユレ
ーシヨン値ΔVfε1113を検出する。このΔVf108とΔVf
ε1113との偏差をとることによりPss30による同期機22
の界磁電圧成分ΔVfpss110を検出する。次に位相差検出
回路16で系統の電力動揺信号のひつでであるΔPg112と
ΔVfpss110との位相差を検出する。この位相差を位相差
設定値θref114と比較し、この位相偏差Δθ115を不感
帯回路17bを介してΔθ115の絶対値が一定以上のとき、
Δθ114の符号に従つてPss30の位相制御回路θpss5の位
相制御信号116として与えられPss30の位相を増減し、Δ
θ114が零となるような制御をする。ここで位相検出回
路16は有効電力ΔPg112及びΔVfpss110の絶対値が一定
以下のときはOFFし、一定以上でONする補助リレーを有
している。即ちΔPg112及びΔVfpss110の絶対値が小さ
いとき、つまり電力動揺が発生していないときには位相
制御信号を切離すものである。このようにAVRモデル15
と不完全微分回路14a,14bと位相差検出回路16と不感帯
回路17aとを備えた位相差制御回路(位相差制御手段)3
3によつて、電力動揺に対する最適な位相制御定数を自
動チユーニングすることができる。
以上のように本実施例によれば電力系統安定化装置のゲ
インと位相制御の定数の設定を行なう試運転時の調整
が、電圧制御系のステツプ状変化あるいは2回線送電系
統であれば、これらの1回線の入切をし過渡的な電力動
揺を発生させることでその系統における最適なPss定数
を自動設定できるため従来に比べ調整が簡略できる。又
系統構成など外部条件が変化しても定数の再設定をしな
くとも良い自動チユーニングができるといつた効果があ
る。
インと位相制御の定数の設定を行なう試運転時の調整
が、電圧制御系のステツプ状変化あるいは2回線送電系
統であれば、これらの1回線の入切をし過渡的な電力動
揺を発生させることでその系統における最適なPss定数
を自動設定できるため従来に比べ調整が簡略できる。又
系統構成など外部条件が変化しても定数の再設定をしな
くとも良い自動チユーニングができるといつた効果があ
る。
本発明によれば、同期機の励磁制御装置において電力系
統の動態安定向上を計る電力系統安定化装置を付加し、
該電力系統安定化装置のゲイン制御と位相制御にそれぞ
れの制御の定数を自動的に調整する手段を設けたことに
より、同期機の運転状態,系統構成の変化及び励磁装置
の種類にかかわらず常に最適な動態安定度を確保するよ
うに前記電力系統安定化装置の制御定数を自動調整する
自動チユーニングができるため、試運転時の試験調整を
簡略化し、系統構成,電力潮流などの外部条件が変化し
ても定数の再設定を省略でき、電力系統の振動周期に応
じた最適制御定数に自動調整するため0.2Hz〜2Hzの広範
囲な周波数帯域の動態安定度を確保することができると
いつた優れた効果がある。
統の動態安定向上を計る電力系統安定化装置を付加し、
該電力系統安定化装置のゲイン制御と位相制御にそれぞ
れの制御の定数を自動的に調整する手段を設けたことに
より、同期機の運転状態,系統構成の変化及び励磁装置
の種類にかかわらず常に最適な動態安定度を確保するよ
うに前記電力系統安定化装置の制御定数を自動調整する
自動チユーニングができるため、試運転時の試験調整を
簡略化し、系統構成,電力潮流などの外部条件が変化し
ても定数の再設定を省略でき、電力系統の振動周期に応
じた最適制御定数に自動調整するため0.2Hz〜2Hzの広範
囲な周波数帯域の動態安定度を確保することができると
いつた優れた効果がある。
第1図は本発明による一実施例の構成図、第2図は一機
無限大系統のモデル図、第3図は第2図に示したモデル
を電力動揺に関し線形近似したブロツク線図、第4図は
第3図を等価2似振動系で置き換えた図、第5図、ΔP
とΔωとΔVfの理想的なベクトル関係を示すベクトル
図、第6図は第5図を波形表現した波形図である。 4……ゲイン制御回路Kpss、5……位相制御回路θps
s、26……自動電圧調整装置AVR、30……電力系統安定化
装置Pss、32……出力比率制御回路、33……位相差制御
回路、102……端子電圧Vg、103……電圧設定値Vref、10
4……偏差信号ε1、105……Pss出力信号Vpss、107……
ゲイン制御信号、109……界磁電圧Vf、110……系統動揺
信号成分ΔVfpss、111……有効電力Pg、116……位相制
御信号。
無限大系統のモデル図、第3図は第2図に示したモデル
を電力動揺に関し線形近似したブロツク線図、第4図は
第3図を等価2似振動系で置き換えた図、第5図、ΔP
とΔωとΔVfの理想的なベクトル関係を示すベクトル
図、第6図は第5図を波形表現した波形図である。 4……ゲイン制御回路Kpss、5……位相制御回路θps
s、26……自動電圧調整装置AVR、30……電力系統安定化
装置Pss、32……出力比率制御回路、33……位相差制御
回路、102……端子電圧Vg、103……電圧設定値Vref、10
4……偏差信号ε1、105……Pss出力信号Vpss、107……
ゲイン制御信号、109……界磁電圧Vf、110……系統動揺
信号成分ΔVfpss、111……有効電力Pg、116……位相制
御信号。
Claims (2)
- 【請求項1】同期機の端子電圧と設定端子電圧との偏差
信号に対応して前記同期機の界磁量を定め前記端子電圧
を制御する端子電圧一定制御手段を備える同期機の励磁
制御装置において、前記同期機の有効電力値を検出し該
有効電力値に所定のゲイン制御と位相制御を施した電力
系統安定化信号を出力する電力系統安定化手段と、前記
電力系統安定化信号と前記制御信号との比率を所定の値
とするゲイン制御信号を演算し前記ゲイン制御の制御信
号として出力する出力比率制御手段とを備え、前記電力
系統安定化信号のゲインを前記出力比率制御手段の出力
によつて自動変更することを特徴とする同期機の励磁制
御装置。 - 【請求項2】同期機の端子電圧と設定端子電圧との偏差
信号に対応して前記同期機の界磁量を定め前記端子電圧
を制御する端子電圧一定制御手段を備える同期機の励磁
制御装置において、前記同期機の有効電力値を検出し該
有効電力値に所定のゲイン制御と位相制御を施した電力
系統安定化信号を出力する電力系統安定化手段と、該電
力系統安定化信号と前記偏差信号との比率を所定の値と
するゲイン制御信号を演算し前記ゲイン制御の制御信号
として出力する出力比率制御手段と、前記同期機の界磁
電圧と前記偏差信号と前記有効電力値とを入力し該界磁
電圧と前記偏差信号とから前記電力系統安定化信号が寄
与した界磁電圧成分を演算し該界磁電圧成分と前記有効
電力値との位相差を所定の値とする位相制御信号を演算
し前記位相制御の制御信号として出力する位相差制御手
段とを備え、前記電力系統安定化信号の位相を前記位相
差制御手段の出力によって自動変更することを特徴とす
る同期機の励磁制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62286167A JPH0697880B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 同期機の励磁制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62286167A JPH0697880B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 同期機の励磁制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01129800A JPH01129800A (ja) | 1989-05-23 |
JPH0697880B2 true JPH0697880B2 (ja) | 1994-11-30 |
Family
ID=17700811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62286167A Expired - Lifetime JPH0697880B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 同期機の励磁制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0697880B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2540202B2 (ja) * | 1989-03-01 | 1996-10-02 | 富士電機株式会社 | 発電機の多変数制御システムにおける補正制御方式 |
JP2540203B2 (ja) * | 1989-04-11 | 1996-10-02 | 富士電機株式会社 | 発電機励磁系の制御方式 |
JPH08182394A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-07-12 | Kumamoto Univ | 電力系統安定化装置 |
CN1053773C (zh) * | 1994-11-15 | 2000-06-21 | 株式会社东芝 | 发电机的电力稳定装置 |
JP2019079282A (ja) * | 2017-10-25 | 2019-05-23 | 三菱電機株式会社 | 電力系統安定化装置のチューニング装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01103199A (ja) * | 1987-10-13 | 1989-04-20 | Mitsubishi Electric Corp | 電力系統安定化装置 |
-
1987
- 1987-11-12 JP JP62286167A patent/JPH0697880B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01103199A (ja) * | 1987-10-13 | 1989-04-20 | Mitsubishi Electric Corp | 電力系統安定化装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01129800A (ja) | 1989-05-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4982147A (en) | Power factor motor control system | |
US5650700A (en) | Electric vehicle torque controller | |
JPH07114559B2 (ja) | 電力系統安定化装置 | |
US4335343A (en) | Circuit for generating an electric signal proportional to a flux component of a rotating-field machine | |
EP0227014A1 (en) | Turbine helper drive apparatus | |
JPH0350492B2 (ja) | ||
US4980629A (en) | AC-excited generator/motor apparatus | |
KR960001956B1 (ko) | 전기 모터 회전 속도 제어 시스템 | |
JPH0697880B2 (ja) | 同期機の励磁制御装置 | |
US3465235A (en) | Control of rotating exciters for power system damping | |
JPH0998600A (ja) | 発電機励磁制御装置 | |
JPH1080198A (ja) | 発電機励磁制御装置 | |
JP2749728B2 (ja) | 同期機の励磁制御装置 | |
JP3944659B2 (ja) | 誘導電動機の制御装置 | |
JP2535210B2 (ja) | 同期発電機の自動電圧調整装置 | |
JP3021552B2 (ja) | パルス移相装置 | |
JPH0632597B2 (ja) | 同期機の励磁制御装置 | |
JPH0638718B2 (ja) | 同期機励磁制御装置 | |
JP3495140B2 (ja) | 巻線形誘導機の電圧制御装置 | |
JP3770286B2 (ja) | 誘導電動機のベクトル制御方法 | |
JPH0568391A (ja) | 誘導電動機のベクトル制御におけるすべり補償回路 | |
JPH0343878B2 (ja) | ||
JPH08237867A (ja) | 電力変換装置の制御装置 | |
JP2001103668A (ja) | 系統安定化装置 | |
JPH06315300A (ja) | 電力系統安定化装置 |