JPH0694994B2 - 蓄熱体 - Google Patents
蓄熱体Info
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- JPH0694994B2 JPH0694994B2 JP61248682A JP24868286A JPH0694994B2 JP H0694994 B2 JPH0694994 B2 JP H0694994B2 JP 61248682 A JP61248682 A JP 61248682A JP 24868286 A JP24868286 A JP 24868286A JP H0694994 B2 JPH0694994 B2 JP H0694994B2
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- heat
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28D—HEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
- F28D20/00—Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
- F28D20/02—Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28D—HEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
- F28D20/00—Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
- F28D2020/0004—Particular heat storage apparatus
- F28D2020/0008—Particular heat storage apparatus the heat storage material being enclosed in plate-like or laminated elements, e.g. in plates having internal compartments
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/14—Thermal energy storage
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- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は採暖・保温・加温装置に潜熱蓄熱材を用いる分
野に関する。
野に関する。
従来の技術 従来より潜熱を利用する潜熱蓄熱材は単位重量当りの蓄
熱量が大きい、一定温度の出力が得られるなどの利点を
有するため、給湯分野・暖房分野に用いられるようにな
ってきた。実用化にあたっては、蓄熱材の偏肉を防ぐた
め、蓄熱体の厚みを一定とし加熱(蓄熱)効率を良くす
るため、あるいは採暖装置として用いる場合、身体装着
時に可撓性をもたせ異和感を感じないようにするため、
蓄熱材を多数の小袋に分割して用いられてきた。
熱量が大きい、一定温度の出力が得られるなどの利点を
有するため、給湯分野・暖房分野に用いられるようにな
ってきた。実用化にあたっては、蓄熱材の偏肉を防ぐた
め、蓄熱体の厚みを一定とし加熱(蓄熱)効率を良くす
るため、あるいは採暖装置として用いる場合、身体装着
時に可撓性をもたせ異和感を感じないようにするため、
蓄熱材を多数の小袋に分割して用いられてきた。
蓄熱体を暖房装置として用いている従来例を第3図,第
4図により説明する。蓄熱体1は多数の小室2を連結し
て配設した構成となっている。蓄熱はそれぞれ前記小室
2に相対してほゞ同様の密度で取り付けられたヒータ3
に通電し、蓄熱材を溶解し蓄熱していた。蓄熱装置は前
記ヒータ3の外周を断熱材6で覆うことにより得てい
た。また、前記小室2には潜熱蓄熱材4とこの潜熱蓄熱
材の過冷却を防止するための過冷却防止材5とが収納さ
れている。
4図により説明する。蓄熱体1は多数の小室2を連結し
て配設した構成となっている。蓄熱はそれぞれ前記小室
2に相対してほゞ同様の密度で取り付けられたヒータ3
に通電し、蓄熱材を溶解し蓄熱していた。蓄熱装置は前
記ヒータ3の外周を断熱材6で覆うことにより得てい
た。また、前記小室2には潜熱蓄熱材4とこの潜熱蓄熱
材の過冷却を防止するための過冷却防止材5とが収納さ
れている。
前記従来の構成では、蓄熱はヒータを通電,非通電する
ことにより一定温度に制御して行う、または蓄熱後もこ
の状態を保持する場合もある。しかし、この蓄熱方法で
は蓄熱体1を構成する小室2の温度は、それが配設され
ている位置によって大きく異なっていた。すなわち、温
度分布には大きな高低の巾が発生していた。一方、過冷
却防止材5は耐熱温度を有しており、その温度以上に晒
されるともはや過冷却防止材5として働らかないように
なる。したがって、蓄熱材4をヒータ3で加熱し蓄熱す
る場合、その加熱温度は蓄熱材4の融点θ1以上で、過
冷却防止材5の耐熱温度θ2以下で温度制御をしなけれ
ばならない。この温度範囲θ2−O1は一般にはそれ程大
きくない。例えば、潜熱蓄熱材4として、酢酸ナトリウ
ム・3水塩を、過冷却防止材としてピロリン酸ナトリウ
ム・10水塩を用いた場合、融点θ1は58℃、耐熱温度θ2
は80℃と約20℃の巾しかない。温度分布が大きい場合、
容易にこの温度範囲を越えてしまう。この温度範囲を越
えないようにするには、ヒータ3の消費電力を少なくし
徐々に温度を上げ蓄熱しなければならず、このために蓄
熱時間が長くなるという問題があった。また、蓄熱時に
一部の小室2付近が局所的に保温材で覆われると、その
小室2に封入されている潜熱蓄熱材4の温度は上昇す
る。温度検出装置としてサーモスタットを用いる場合、
前記小室2がサーモスタットの近くにある場合はサーモ
スタットにより検知されるが、サーモスタットより離れ
ている場合は検知されずさらに温度は上昇する。これを
防ぐためにはサーモスタットの数を増やせば良いがこれ
は実用的でない。また、温度検出装置として温度検知線
を用いる場合、温度検知線は局部的な温度変化を測定す
ることができない。このため、前記保温材で局所的に覆
われた小室2の温度は上昇する。このようにして、潜熱
蓄熱材4の温度はさらに上昇し、過冷却防止材5の耐熱
温度θ2を容易に越えることとなる。そして潜熱蓄熱材
4の放熱利用時に、融点θ1以下になっても液体のまゝ
潜熱を放出しない過冷却現象が発生するという問題点を
有していた。
ことにより一定温度に制御して行う、または蓄熱後もこ
の状態を保持する場合もある。しかし、この蓄熱方法で
は蓄熱体1を構成する小室2の温度は、それが配設され
ている位置によって大きく異なっていた。すなわち、温
度分布には大きな高低の巾が発生していた。一方、過冷
却防止材5は耐熱温度を有しており、その温度以上に晒
されるともはや過冷却防止材5として働らかないように
なる。したがって、蓄熱材4をヒータ3で加熱し蓄熱す
る場合、その加熱温度は蓄熱材4の融点θ1以上で、過
冷却防止材5の耐熱温度θ2以下で温度制御をしなけれ
ばならない。この温度範囲θ2−O1は一般にはそれ程大
きくない。例えば、潜熱蓄熱材4として、酢酸ナトリウ
ム・3水塩を、過冷却防止材としてピロリン酸ナトリウ
ム・10水塩を用いた場合、融点θ1は58℃、耐熱温度θ2
は80℃と約20℃の巾しかない。温度分布が大きい場合、
容易にこの温度範囲を越えてしまう。この温度範囲を越
えないようにするには、ヒータ3の消費電力を少なくし
徐々に温度を上げ蓄熱しなければならず、このために蓄
熱時間が長くなるという問題があった。また、蓄熱時に
一部の小室2付近が局所的に保温材で覆われると、その
小室2に封入されている潜熱蓄熱材4の温度は上昇す
る。温度検出装置としてサーモスタットを用いる場合、
前記小室2がサーモスタットの近くにある場合はサーモ
スタットにより検知されるが、サーモスタットより離れ
ている場合は検知されずさらに温度は上昇する。これを
防ぐためにはサーモスタットの数を増やせば良いがこれ
は実用的でない。また、温度検出装置として温度検知線
を用いる場合、温度検知線は局部的な温度変化を測定す
ることができない。このため、前記保温材で局所的に覆
われた小室2の温度は上昇する。このようにして、潜熱
蓄熱材4の温度はさらに上昇し、過冷却防止材5の耐熱
温度θ2を容易に越えることとなる。そして潜熱蓄熱材
4の放熱利用時に、融点θ1以下になっても液体のまゝ
潜熱を放出しない過冷却現象が発生するという問題点を
有していた。
発明が解決しようとする問題点 本発明は前記蓄熱体の課題を解決しようとするものであ
る。すなわち、蓄熱体を短時間で蓄熱すると共に、蓄熱
体に過冷却状態を発生させないようにしたものである。
る。すなわち、蓄熱体を短時間で蓄熱すると共に、蓄熱
体に過冷却状態を発生させないようにしたものである。
問題点を解決するための手段 本発明は前記問題点を解決するために、フィルムまたは
チューブの適当箇所を接着して複数箇の小室をつくり、
これら小室に潜熱蓄熱材と過冷却防止材が封入されるよ
うにし、さらに本発明の特長とするところで、前記接合
部に前記小室間を連通する未接着の径路を設けるように
したものである。なお、本発明においては過冷却防止材
はすべての小室に必ずしも封入する必要はない。
チューブの適当箇所を接着して複数箇の小室をつくり、
これら小室に潜熱蓄熱材と過冷却防止材が封入されるよ
うにし、さらに本発明の特長とするところで、前記接合
部に前記小室間を連通する未接着の径路を設けるように
したものである。なお、本発明においては過冷却防止材
はすべての小室に必ずしも封入する必要はない。
作用 本発明は前記構成のため、蓄熱時間を短縮することがで
きると共に、過冷却現象が発生しない蓄熱体とすること
ができる。すなわち、前記蓄熱体は潜熱蓄熱材と過冷却
防止材とが小室に封入され、かつ、各小室が接合部に設
けられた未接着の径路で連通されている構成になってい
るので、潜熱蓄熱材は各小室に独立して封入されている
のでなく蓄熱体全体に亘って実質的につながっている。
前記のごとき構成の蓄熱体では多数の小室が過冷却状態
となっても、少くとも一つの小室が過冷却状態にならな
ければ蓄熱体は過冷却状態にならず、蓄熱体の熱を取り
出すことができる。すなわち、放熱時に一つの小室で潜
熱蓄熱材が液体から固体に相変化(結晶化)するとこの
変化は接合部の未接着の径路にある潜熱蓄熱材に伝播さ
れ、次の小室の潜熱蓄熱材に伝えられる。この小室の潜
熱蓄熱材が例えば過冷却状態にあっても、前記変化が伝
播されたということは過冷却状態に種結晶が挿入された
ことを意味するから、この過冷却状態は容易に破壊され
熱を放出する。この変化は接合部の未接着の径路を通し
て次々に伝播し小室全体にわたっていく。したがって、
蓄熱体より熱を取り出すことができる。
きると共に、過冷却現象が発生しない蓄熱体とすること
ができる。すなわち、前記蓄熱体は潜熱蓄熱材と過冷却
防止材とが小室に封入され、かつ、各小室が接合部に設
けられた未接着の径路で連通されている構成になってい
るので、潜熱蓄熱材は各小室に独立して封入されている
のでなく蓄熱体全体に亘って実質的につながっている。
前記のごとき構成の蓄熱体では多数の小室が過冷却状態
となっても、少くとも一つの小室が過冷却状態にならな
ければ蓄熱体は過冷却状態にならず、蓄熱体の熱を取り
出すことができる。すなわち、放熱時に一つの小室で潜
熱蓄熱材が液体から固体に相変化(結晶化)するとこの
変化は接合部の未接着の径路にある潜熱蓄熱材に伝播さ
れ、次の小室の潜熱蓄熱材に伝えられる。この小室の潜
熱蓄熱材が例えば過冷却状態にあっても、前記変化が伝
播されたということは過冷却状態に種結晶が挿入された
ことを意味するから、この過冷却状態は容易に破壊され
熱を放出する。この変化は接合部の未接着の径路を通し
て次々に伝播し小室全体にわたっていく。したがって、
蓄熱体より熱を取り出すことができる。
本発明の蓄熱体を従来の技術にしたがってヒータにより
加熱すると、蓄熱体の周辺部と中央部とでは大きな温度
差が生ずる。いま、周辺部の1つの小室の温度が過冷却
防止材の耐熱温度以下になるように設定し、できるだけ
短時間で蓄熱するようにヒータで加熱すると、当然中央
部の小室の温度は過冷却防止材の耐熱温度以上の温度と
なり、加熱終了後放熱させると過冷却状態が発生する。
しかるに本発明においては前述の説明でもわかるように
周辺部の1つの小室の潜熱蓄熱材は過冷却状態にならな
いようにしているため、潜熱蓄熱材の融点近傍で液体→
固体の相変化(結晶化)が起る。この変化は接合部の未
接着の径路を伝わって中央部まで伝わってゆくので中央
部の潜熱蓄熱材は過冷却状態を示さない。実際の放熱は
周辺部の方がはやいため、中央部が過冷却となることは
ない。したがって中央部の温度も連続的な温度変化であ
り過冷却により一時的に温度がさがることはない。この
場合は、前記周辺部の一つの小室に過冷却防止材を挿入
しておけば充分である。
加熱すると、蓄熱体の周辺部と中央部とでは大きな温度
差が生ずる。いま、周辺部の1つの小室の温度が過冷却
防止材の耐熱温度以下になるように設定し、できるだけ
短時間で蓄熱するようにヒータで加熱すると、当然中央
部の小室の温度は過冷却防止材の耐熱温度以上の温度と
なり、加熱終了後放熱させると過冷却状態が発生する。
しかるに本発明においては前述の説明でもわかるように
周辺部の1つの小室の潜熱蓄熱材は過冷却状態にならな
いようにしているため、潜熱蓄熱材の融点近傍で液体→
固体の相変化(結晶化)が起る。この変化は接合部の未
接着の径路を伝わって中央部まで伝わってゆくので中央
部の潜熱蓄熱材は過冷却状態を示さない。実際の放熱は
周辺部の方がはやいため、中央部が過冷却となることは
ない。したがって中央部の温度も連続的な温度変化であ
り過冷却により一時的に温度がさがることはない。この
場合は、前記周辺部の一つの小室に過冷却防止材を挿入
しておけば充分である。
また、蓄熱体の蓄熱時に一部の小室付近が局所的に保温
材で覆われ、かつ、温度検出装置で検知されない場合
は、前記保温材で覆われた小室は温度上昇し過冷却防止
材の耐熱温度以上になることがある。しかし、前記保温
材で覆われていない正常部分は過冷却防止材の耐熱温度
以上にはならない。したがって、放熱時正常部分で液体
→固体の相変化が始まると結晶化は接合部の未接着の径
路を通して、前記保温材で覆われたために過冷却防止材
の耐熱温度以上になった小室に伝わっていき、その小室
の潜熱を取りだすことができる。以上のように、本発明
では各小室が接合部の未接着の径路を通して連結されて
いるので、どの小室も過冷却状態になることはない。
材で覆われ、かつ、温度検出装置で検知されない場合
は、前記保温材で覆われた小室は温度上昇し過冷却防止
材の耐熱温度以上になることがある。しかし、前記保温
材で覆われていない正常部分は過冷却防止材の耐熱温度
以上にはならない。したがって、放熱時正常部分で液体
→固体の相変化が始まると結晶化は接合部の未接着の径
路を通して、前記保温材で覆われたために過冷却防止材
の耐熱温度以上になった小室に伝わっていき、その小室
の潜熱を取りだすことができる。以上のように、本発明
では各小室が接合部の未接着の径路を通して連結されて
いるので、どの小室も過冷却状態になることはない。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。第1図は本発
明の蓄熱体1の平面図、第2図は断面図である。蓄熱体
1はフィルムまたはチューブ7の適当箇所を熱融着して
得られた接合部8によって複数箇の小室2に区分された
構成となっている。この小室2に潜熱蓄熱材4と過冷却
防止材5とが封入されている。さらに小室2は未接着部
分9によりお互いに連結されている。
明の蓄熱体1の平面図、第2図は断面図である。蓄熱体
1はフィルムまたはチューブ7の適当箇所を熱融着して
得られた接合部8によって複数箇の小室2に区分された
構成となっている。この小室2に潜熱蓄熱材4と過冷却
防止材5とが封入されている。さらに小室2は未接着部
分9によりお互いに連結されている。
以下、各要素について説明する。容器7は潜熱蓄熱材4
と非反応性・非相溶性の材料でつくられる。接合部8の
作製方法としては、一対のフィルムを熱融着するか、一
枚のフィルムを折り曲げ上下2枚として熱融着するか、
またはチューブ等の適当な箇所を熱融着するかして得ら
れる。熱融着以外でも接着剤による接着でもよい。特に
採暖装置に使用する場合は可撓性を必要とするためアル
ミラミネートフィルムがよい。以下、一対のフィルムを
用いた場合を記す。小室2は周囲を接合部8で囲われた
ものであり、使用目的により任意の大きさ、任意の形と
することができる。潜熱蓄熱材4は塩化カルシウム6水
塩,硫酸ナトリウム10水塩,チオ硫酸ナトリウム5水
塩,酢酸ナトリウム3水塩などの水和塩形蓄熱材であ
り、融点以上に加熱し冷却すると過冷却状態となるた
め、これを防ぐために過冷却防止材が混入される。ま
た、必要に応じて増粘剤,安定剤または熱伝導物質が混
入される。未接着部9は熱融着時、接着部分に溶融しな
い材料を挟み込んで熱融着すればよい。この溶融しない
材料は熱融着後除去してもよいし、蓄熱体に悪影響を与
えないならそのまゝでもよい。また、金型を用いて熱融
着する場合は金型の一部を削り熱融着時未接着部分に圧
力が加わらないようにすればよい。
と非反応性・非相溶性の材料でつくられる。接合部8の
作製方法としては、一対のフィルムを熱融着するか、一
枚のフィルムを折り曲げ上下2枚として熱融着するか、
またはチューブ等の適当な箇所を熱融着するかして得ら
れる。熱融着以外でも接着剤による接着でもよい。特に
採暖装置に使用する場合は可撓性を必要とするためアル
ミラミネートフィルムがよい。以下、一対のフィルムを
用いた場合を記す。小室2は周囲を接合部8で囲われた
ものであり、使用目的により任意の大きさ、任意の形と
することができる。潜熱蓄熱材4は塩化カルシウム6水
塩,硫酸ナトリウム10水塩,チオ硫酸ナトリウム5水
塩,酢酸ナトリウム3水塩などの水和塩形蓄熱材であ
り、融点以上に加熱し冷却すると過冷却状態となるた
め、これを防ぐために過冷却防止材が混入される。ま
た、必要に応じて増粘剤,安定剤または熱伝導物質が混
入される。未接着部9は熱融着時、接着部分に溶融しな
い材料を挟み込んで熱融着すればよい。この溶融しない
材料は熱融着後除去してもよいし、蓄熱体に悪影響を与
えないならそのまゝでもよい。また、金型を用いて熱融
着する場合は金型の一部を削り熱融着時未接着部分に圧
力が加わらないようにすればよい。
実施例1 具体的な一実施例を第1図を用いて説明する。最内層が
ポリエチレンからなる二枚のアルミラミネートフィルム
の間に巾2mmのセロファンを熱シールによって得られる
接合部8に直角に挾み、巾5mmの熱シールを行なう。こ
の後、セロファンは除去する。これにより非接着部9が
得られる。これにより4×6cmの小室を得る。得られた
すべての小室が少なくとも1箇所で他の小室と未接着部
分で連結されるように蓄熱体を構成する。これらの小室
2に潜熱蓄熱材4として酢酸ナトリウム3水塩を充填し
た。但し、小室2aのみ酢酸ナトリウム3水塩以外に過冷
却防止剤5としてピロリン酢ナトリウム10水塩を充填し
た。それぞれの小室を減圧下で封口した。このようにし
て小室2が1列当り10ケ,3列合計30ケの小室からなる蓄
熱体を作成した。この蓄熱体に第1図に示すようにヒー
タ3を取り付けた。温度制御器は小室2a上に設け、小室
2aの温度が75℃以上にならないように温度設定し、通電
(蓄熱)を行なった。小室2aの蓄熱終了時における蓄熱
体の温度分布は、四隅(小室2aと対称位置)の小室2は
約75℃、前記以外の周辺部の小室2は85〜95℃、中央部
の小室2は90〜100℃であった。この温度では小室が夫
々完全に独立している場合は2a以外の小室は全部過冷却
現象を発生する温度である。また、蓄熱時間は従来の温
度制御方式に比し約半分ですんだ。蓄熱後直ちに放熱を
開始する。蓄熱体の温度低下は四隅が大きく、次いで周
辺部の小室2である。温度低下がすゝみ潜熱蓄熱材4の
融点近傍になると、小室2aで液体→固体への相変化が始
まり潜熱を放出する。次いでこの相変化は小室2aに隣接
する小室2の温度が潜熱蓄熱材4融点以下になると、こ
の小室に伝播しこの小室の液体→固体への相変化を誘発
する。この現象は次々に伝播し蓄熱体全体に及び、蓄熱
体の潜熱をすべて取り出すことができた。また、加熱中
小室の一つに150kgの応力を加えたが、未接着部分の壁
面の粘性抵抗のため蓄熱材の移動はほとんどみられなか
った。蓄熱材の移動と未接着部分の構成とは関係があ
る。未接着部分の巾がその長さの1/2以下が好ましい。
これ以上大きくなると流動が起りやすくなる。また、巾
が10mm以上になると流動しやすくなるのでそれ以下が好
ましい。
ポリエチレンからなる二枚のアルミラミネートフィルム
の間に巾2mmのセロファンを熱シールによって得られる
接合部8に直角に挾み、巾5mmの熱シールを行なう。こ
の後、セロファンは除去する。これにより非接着部9が
得られる。これにより4×6cmの小室を得る。得られた
すべての小室が少なくとも1箇所で他の小室と未接着部
分で連結されるように蓄熱体を構成する。これらの小室
2に潜熱蓄熱材4として酢酸ナトリウム3水塩を充填し
た。但し、小室2aのみ酢酸ナトリウム3水塩以外に過冷
却防止剤5としてピロリン酢ナトリウム10水塩を充填し
た。それぞれの小室を減圧下で封口した。このようにし
て小室2が1列当り10ケ,3列合計30ケの小室からなる蓄
熱体を作成した。この蓄熱体に第1図に示すようにヒー
タ3を取り付けた。温度制御器は小室2a上に設け、小室
2aの温度が75℃以上にならないように温度設定し、通電
(蓄熱)を行なった。小室2aの蓄熱終了時における蓄熱
体の温度分布は、四隅(小室2aと対称位置)の小室2は
約75℃、前記以外の周辺部の小室2は85〜95℃、中央部
の小室2は90〜100℃であった。この温度では小室が夫
々完全に独立している場合は2a以外の小室は全部過冷却
現象を発生する温度である。また、蓄熱時間は従来の温
度制御方式に比し約半分ですんだ。蓄熱後直ちに放熱を
開始する。蓄熱体の温度低下は四隅が大きく、次いで周
辺部の小室2である。温度低下がすゝみ潜熱蓄熱材4の
融点近傍になると、小室2aで液体→固体への相変化が始
まり潜熱を放出する。次いでこの相変化は小室2aに隣接
する小室2の温度が潜熱蓄熱材4融点以下になると、こ
の小室に伝播しこの小室の液体→固体への相変化を誘発
する。この現象は次々に伝播し蓄熱体全体に及び、蓄熱
体の潜熱をすべて取り出すことができた。また、加熱中
小室の一つに150kgの応力を加えたが、未接着部分の壁
面の粘性抵抗のため蓄熱材の移動はほとんどみられなか
った。蓄熱材の移動と未接着部分の構成とは関係があ
る。未接着部分の巾がその長さの1/2以下が好ましい。
これ以上大きくなると流動が起りやすくなる。また、巾
が10mm以上になると流動しやすくなるのでそれ以下が好
ましい。
実施例2 実施例1と同様に小室2が1列当り10ケ,3列合計30ケの
小室よりなる蓄熱体を作成した。本実施例においては各
小室には酢酸ナトリウム3水塩とピロリン酸ナトリウム
10水塩とが混合され封入されている。蓄熱時、この蓄熱
体の一部が保温材で局所的に覆われ、しかもこの保温材
で局所的に覆われた場合の異常が充分に検出され制御さ
れない場合、この部分は局所的に温度が高く、過冷却防
止材の耐熱温度80℃をはるかに越えるものとなった。小
室2が完全に独立している場合、過冷却現象が発生し、
この部分の小室2からは潜熱を取り出すことはできな
い。しかるに本願では接合部8の未接着部分9を通して
各小室2の潜熱蓄熱材4が連結されているため、放熱時
保温材で局所的に保温されていない箇所の潜熱蓄熱材4
が液体→固体の相変化を起こすと、これに隣接している
前記保温材で覆われている小室2も未接着部分9を通し
て液体→固体への相変化が伝播され、過冷却現象が発生
することなく潜熱蓄熱材4の潜熱を取り出すことができ
た。
小室よりなる蓄熱体を作成した。本実施例においては各
小室には酢酸ナトリウム3水塩とピロリン酸ナトリウム
10水塩とが混合され封入されている。蓄熱時、この蓄熱
体の一部が保温材で局所的に覆われ、しかもこの保温材
で局所的に覆われた場合の異常が充分に検出され制御さ
れない場合、この部分は局所的に温度が高く、過冷却防
止材の耐熱温度80℃をはるかに越えるものとなった。小
室2が完全に独立している場合、過冷却現象が発生し、
この部分の小室2からは潜熱を取り出すことはできな
い。しかるに本願では接合部8の未接着部分9を通して
各小室2の潜熱蓄熱材4が連結されているため、放熱時
保温材で局所的に保温されていない箇所の潜熱蓄熱材4
が液体→固体の相変化を起こすと、これに隣接している
前記保温材で覆われている小室2も未接着部分9を通し
て液体→固体への相変化が伝播され、過冷却現象が発生
することなく潜熱蓄熱材4の潜熱を取り出すことができ
た。
また、前記蓄熱体を人体に装着した場合、接合部を軸と
して容易に屈曲するため、なんら異和感を感じることな
く快適な暖房が得られた。
して容易に屈曲するため、なんら異和感を感じることな
く快適な暖房が得られた。
発明の効果 以上のように本発明の蓄熱体によれば次の効果が得られ
る。
る。
すなわち、本発明の蓄熱体は複数箇の小室より形成さ
れ、しかも各小室が接合部の未接着の径路を通して接続
されているので、1箇の小室だけでも過冷却現象になら
ず潜熱蓄熱材の融点付近で液体→固体の相変化を起すな
らば、この変化を蓄熱体全体に伝播し蓄熱体から潜熱を
取り出すことができる。これは温度上昇のしにくい小室
を選んで温度制御すればよく、他の小室の温度が過冷却
防止材の耐熱温度以上になってもよいので、熱源温度を
潜熱蓄熱材の融点よりも相当高い温度に設定することが
でき蓄熱時間を短縮することができる。また、人体に装
着した場合、小室と小室とを結ぶ接合部が屈曲し、外部
応力に容易に追従するため、ほとんど異和感を感じな
い。
れ、しかも各小室が接合部の未接着の径路を通して接続
されているので、1箇の小室だけでも過冷却現象になら
ず潜熱蓄熱材の融点付近で液体→固体の相変化を起すな
らば、この変化を蓄熱体全体に伝播し蓄熱体から潜熱を
取り出すことができる。これは温度上昇のしにくい小室
を選んで温度制御すればよく、他の小室の温度が過冷却
防止材の耐熱温度以上になってもよいので、熱源温度を
潜熱蓄熱材の融点よりも相当高い温度に設定することが
でき蓄熱時間を短縮することができる。また、人体に装
着した場合、小室と小室とを結ぶ接合部が屈曲し、外部
応力に容易に追従するため、ほとんど異和感を感じな
い。
以上のごとく、本発明の蓄熱体によれば、短時間で蓄熱
でき、蓄熱体の潜熱をすべて取り出すことができる。ま
た、採暖装置として用いる場合、可撓性を有するので異
和感のない蓄熱体とすることができる。
でき、蓄熱体の潜熱をすべて取り出すことができる。ま
た、採暖装置として用いる場合、可撓性を有するので異
和感のない蓄熱体とすることができる。
第1図は本発明の一実施例の蓄熱体の斜視図、第2図は
同断面図、第3図は従来例の斜視図、第4図は同断面図
である。 1……蓄熱体、2……小室、4……潜熱蓄熱材、5……
過冷却防止材、7……フィルムまたはチューブ、8……
接合部、9……未接着部。
同断面図、第3図は従来例の斜視図、第4図は同断面図
である。 1……蓄熱体、2……小室、4……潜熱蓄熱材、5……
過冷却防止材、7……フィルムまたはチューブ、8……
接合部、9……未接着部。
Claims (1)
- 【請求項1】フィルムまたはチューブの適当箇所を接着
して設けた接合部と、この接合部に区分けされた複数箇
の小室と、前記小室に封入された潜熱蓄熱材と、前記小
室の少なくとも一室に前記潜熱蓄熱材と共に封入された
過冷却防止材と、前記接合部に設けられ前記小室間を連
通する末接着の径路とよりなる蓄熱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61248682A JPH0694994B2 (ja) | 1986-10-20 | 1986-10-20 | 蓄熱体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61248682A JPH0694994B2 (ja) | 1986-10-20 | 1986-10-20 | 蓄熱体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63101657A JPS63101657A (ja) | 1988-05-06 |
JPH0694994B2 true JPH0694994B2 (ja) | 1994-11-24 |
Family
ID=17181761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61248682A Expired - Fee Related JPH0694994B2 (ja) | 1986-10-20 | 1986-10-20 | 蓄熱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0694994B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0675435U (ja) * | 1993-04-09 | 1994-10-25 | 東亜技研株式会社 | 蓄熱マット |
WO2020162252A1 (ja) * | 2019-02-06 | 2020-08-13 | シャープ株式会社 | 保冷具及びその製造方法 |
-
1986
- 1986-10-20 JP JP61248682A patent/JPH0694994B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63101657A (ja) | 1988-05-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |