JPH0690745A - Lps産生菌、lps、lpsを含む医薬及び動物薬 - Google Patents
Lps産生菌、lps、lpsを含む医薬及び動物薬Info
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- JPH0690745A JPH0690745A JP4332205A JP33220592A JPH0690745A JP H0690745 A JPH0690745 A JP H0690745A JP 4332205 A JP4332205 A JP 4332205A JP 33220592 A JP33220592 A JP 33220592A JP H0690745 A JPH0690745 A JP H0690745A
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- Japan
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- lps
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 経口、経皮、注射のいずれでも投与可能な新
規な免疫機能活性化剤、鎮痛剤、及びそれらの動物薬、
それらの活性成分である新規LPS、及びそれらLPS
を産生する新規な細菌を提供する。 【構成】 次の物性を有する3種のLPSを特徴とす
る。 LPS1 主要分子量:5,000±1,000
(SDS−PAGE法) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:9±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000 LPS2 主要分子量:6,500±2,500
(SDS−PAGE法) リン数:1〜2/分子量5,000 ヘキソサミン数:7±1/分子量5,000 KDO数:1〜2/分子量5,000 LPS3 主要分子量:6,500±2,500
(SDS−PAGE法) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:5±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000
規な免疫機能活性化剤、鎮痛剤、及びそれらの動物薬、
それらの活性成分である新規LPS、及びそれらLPS
を産生する新規な細菌を提供する。 【構成】 次の物性を有する3種のLPSを特徴とす
る。 LPS1 主要分子量:5,000±1,000
(SDS−PAGE法) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:9±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000 LPS2 主要分子量:6,500±2,500
(SDS−PAGE法) リン数:1〜2/分子量5,000 ヘキソサミン数:7±1/分子量5,000 KDO数:1〜2/分子量5,000 LPS3 主要分子量:6,500±2,500
(SDS−PAGE法) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:5±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なLPS産生菌、
新規なLPS、新規なLPSを含む医薬及び動物薬に関
する。より詳細には、本発明は、LPSを産生する3種
の新規なブドウ糖発酵性のグラム陰性短桿菌、それに由
来する新規なLPS、及びそれらLPSを含む新規な免
疫機能活性化剤、鎮痛剤、及び動物用の新規な免疫機能
活性化剤、鎮痛剤に関する。
新規なLPS、新規なLPSを含む医薬及び動物薬に関
する。より詳細には、本発明は、LPSを産生する3種
の新規なブドウ糖発酵性のグラム陰性短桿菌、それに由
来する新規なLPS、及びそれらLPSを含む新規な免
疫機能活性化剤、鎮痛剤、及び動物用の新規な免疫機能
活性化剤、鎮痛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】生物には、生体の内部環境が外来性及び
内因性の異物によって攪乱されるのを防ぎ、生体の恒常
性を維持するための免疫機能が備わっている。従って、
免疫機能の低下は健康の悪化、各種疾病の発病、老化促
進の原因となり、その活性化は健康向上、各種疾病の発
病阻止、治癒、老化防止につながる。このため、免疫機
能を活性化させる物質の提供が要請されており、現在、
PSK[別名クレスチン(呉羽化学株式会社の登録商
標)]、レンチナン(味の素株式会社の登録商標)、ベ
スタチン(日本化薬株式会社の登録商標)、ソニフィラ
ン(科研製薬株式会社の登録商標)、OK−432[キ
ャンサ− ケモセラピ−レポ−トゥ パ−トゥ 1(C
ancer Chemotherapy Report
s Part1)、vol.58、No.1、10頁
(1972)、別名ピシバニ−ル(中外製薬株式会社の
登録商標)]等が知られている。
内因性の異物によって攪乱されるのを防ぎ、生体の恒常
性を維持するための免疫機能が備わっている。従って、
免疫機能の低下は健康の悪化、各種疾病の発病、老化促
進の原因となり、その活性化は健康向上、各種疾病の発
病阻止、治癒、老化防止につながる。このため、免疫機
能を活性化させる物質の提供が要請されており、現在、
PSK[別名クレスチン(呉羽化学株式会社の登録商
標)]、レンチナン(味の素株式会社の登録商標)、ベ
スタチン(日本化薬株式会社の登録商標)、ソニフィラ
ン(科研製薬株式会社の登録商標)、OK−432[キ
ャンサ− ケモセラピ−レポ−トゥ パ−トゥ 1(C
ancer Chemotherapy Report
s Part1)、vol.58、No.1、10頁
(1972)、別名ピシバニ−ル(中外製薬株式会社の
登録商標)]等が知られている。
【0003】鎮痛剤は麻薬系鎮痛剤と非麻薬系鎮痛剤と
に大別される。麻薬系鎮痛剤は、麻薬であることからし
て、投与に際しては最大限の注意が必要とされている。
(昭和56年に株式会社メヂカルフレンド社が発行した
「痛みの臨床」の70〜74頁) 一方、非麻薬系鎮痛剤の鎮痛作用は一般に麻薬系に比べ
て弱く、非習慣性であることが特徴であるが、長期使用
においては耐性、依存性がみられるなど、薬理学的には
麻薬系鎮痛剤と全く同様に取り扱われるべき薬剤である
と考えるべきとされている。(前掲「痛みの臨床」の7
4頁)
に大別される。麻薬系鎮痛剤は、麻薬であることからし
て、投与に際しては最大限の注意が必要とされている。
(昭和56年に株式会社メヂカルフレンド社が発行した
「痛みの臨床」の70〜74頁) 一方、非麻薬系鎮痛剤の鎮痛作用は一般に麻薬系に比べ
て弱く、非習慣性であることが特徴であるが、長期使用
においては耐性、依存性がみられるなど、薬理学的には
麻薬系鎮痛剤と全く同様に取り扱われるべき薬剤である
と考えるべきとされている。(前掲「痛みの臨床」の7
4頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の免疫機能活性化
剤のうちで、PSK、レンチナン、ベスタチン、ソニフ
ィランはTNF産生能がないので、それらの免疫機能活
性化能は低い。一方、OK−432にはTNF産生能が
あるが、大量投与が必要であることから、発熱、悪寒、
血圧低下、血小板減少等の副作用の発生が避けられず、
従って化学療法係数が小さい。更に、簡便な経口投与や
経皮投与では効果がないので、投与上の便宜に欠ける。
ここで、「TNF」とは、マクロファ−ジにより産生さ
れる腫瘍障害因子(Tumor Necrosis F
actor)の総称[ザ ジャ−ナル オブバイオロジ
カル ケミストリ−(The Journal of
Biol.Chem.)、260、2345〜2354
頁(1985年)]であり、マクロファ−ジの活性が高
まるにつれてその産生量は増していく。「マクロファ−
ジ」は、免疫担当細胞の一種であり、動物体内のほとん
ど全ての組織に分布し、粒子状の異物や体内の老廃細胞
などを捕食して消化する大型のアメ−バ状細胞の総称で
ある。「化学療法係数」は、薬剤に対する宿主の最大耐
量と病原菌に対する薬剤の最小有効濃度の比をいい、こ
の値が大きい程すぐれた化学療法剤とされる。
剤のうちで、PSK、レンチナン、ベスタチン、ソニフ
ィランはTNF産生能がないので、それらの免疫機能活
性化能は低い。一方、OK−432にはTNF産生能が
あるが、大量投与が必要であることから、発熱、悪寒、
血圧低下、血小板減少等の副作用の発生が避けられず、
従って化学療法係数が小さい。更に、簡便な経口投与や
経皮投与では効果がないので、投与上の便宜に欠ける。
ここで、「TNF」とは、マクロファ−ジにより産生さ
れる腫瘍障害因子(Tumor Necrosis F
actor)の総称[ザ ジャ−ナル オブバイオロジ
カル ケミストリ−(The Journal of
Biol.Chem.)、260、2345〜2354
頁(1985年)]であり、マクロファ−ジの活性が高
まるにつれてその産生量は増していく。「マクロファ−
ジ」は、免疫担当細胞の一種であり、動物体内のほとん
ど全ての組織に分布し、粒子状の異物や体内の老廃細胞
などを捕食して消化する大型のアメ−バ状細胞の総称で
ある。「化学療法係数」は、薬剤に対する宿主の最大耐
量と病原菌に対する薬剤の最小有効濃度の比をいい、こ
の値が大きい程すぐれた化学療法剤とされる。
【0005】又、現在使用されている鎮痛剤には前記の
通り欠点があり、未だ満足すべきものは提供されていな
い。特に、慢性痛に対する鎮痛剤として、安全性が高
く、副作用がなく、安価で投与方法が簡便な薬剤の開発
が強く待たれている。
通り欠点があり、未だ満足すべきものは提供されていな
い。特に、慢性痛に対する鎮痛剤として、安全性が高
く、副作用がなく、安価で投与方法が簡便な薬剤の開発
が強く待たれている。
【0006】本発明は、前記各従来技術の諸欠点が解消
された新規な免疫機能活性化剤、鎮痛剤、及び動物用の
新規な免疫機能活性化剤、鎮痛剤を提供すること、それ
らの活性成分である新規LPSを提供すること、及びそ
れらLPSを産生する新規細菌を提供することを技術的
課題とするものである。
された新規な免疫機能活性化剤、鎮痛剤、及び動物用の
新規な免疫機能活性化剤、鎮痛剤を提供すること、それ
らの活性成分である新規LPSを提供すること、及びそ
れらLPSを産生する新規細菌を提供することを技術的
課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、高い
免疫機能活性化能、鎮痛効果を有し、化学治療係数が高
く、長期使用が可能であり、経口、経皮、注射のいずれ
の経路でも投与可能であり、しかも、生産コストが安
く、大量に供給可能な新規なLPSを提供すること、及
びそれらLPSの供給源となる新規な細菌を提供するこ
とにより達成される。
免疫機能活性化能、鎮痛効果を有し、化学治療係数が高
く、長期使用が可能であり、経口、経皮、注射のいずれ
の経路でも投与可能であり、しかも、生産コストが安
く、大量に供給可能な新規なLPSを提供すること、及
びそれらLPSの供給源となる新規な細菌を提供するこ
とにより達成される。
【0008】細菌分離源 本発明の3種の細菌は、本発明者等が検討した小麦から
はその産地、種類を問わず分離されている。従って、い
ずれの産地、種類の小麦及びその加工品からも分離され
ると推定される。本発明者等がそれら3種の細菌を分離
できることを確認した小麦粉の産地、種類は次の通りで
ある。 小 麦 粉 の 名 称 産 地 ダ−ク・ノザン・スプリングス 米国 1・カナディアン・ホイ−ト カナダ ハ−ド・レッド・ウインタ−・セミハ−ド 米国 オ−ストラリアン・スタンダ−ド・ホイ−ト オ−ストラリア ホロシリ 日本
はその産地、種類を問わず分離されている。従って、い
ずれの産地、種類の小麦及びその加工品からも分離され
ると推定される。本発明者等がそれら3種の細菌を分離
できることを確認した小麦粉の産地、種類は次の通りで
ある。 小 麦 粉 の 名 称 産 地 ダ−ク・ノザン・スプリングス 米国 1・カナディアン・ホイ−ト カナダ ハ−ド・レッド・ウインタ−・セミハ−ド 米国 オ−ストラリアン・スタンダ−ド・ホイ−ト オ−ストラリア ホロシリ 日本
【0009】LPSの分離 上記細菌から本発明のLPSを分離するには、ウェスト
ファル(Westphal)等が「メソッズ イン カ
−ボハイドレ−ト ケミストリ−(Methods i
n Carbohydrate Chemistry)
のvol.V[米国ニュ−ヨ−クのアカデミック プレ
ス(Academic Press)社が1965年に
発行]の83頁に記載した熱フェノ−ル法を用い、更
に、陰イオン交換樹脂で精製すればよい。即ち、菌体を
蒸留水に懸濁した後、蒸留水と等容量の熱フェノ−ルと
共に攪拌し、次いで、遠心分離により水層を回収し、こ
の水層を透析に付してフェノ−ルを除去し、限外濾過に
より濃縮して粗LPS画分を得、この画分を常法に従
い、例えば、ファルマシア社製のFPLCシステムでフ
ァルマシア社製のモノQ−セファロ−ス(Sephar
ose)、Q−セファロ−ス(Sepharose)を
使用して陰イオン交換クロマトグラフィ−に付して精製
し、更に、常法に従って脱塩すればよい。以上の操作に
より、純度96%以上の精製標品が得られる。
ファル(Westphal)等が「メソッズ イン カ
−ボハイドレ−ト ケミストリ−(Methods i
n Carbohydrate Chemistry)
のvol.V[米国ニュ−ヨ−クのアカデミック プレ
ス(Academic Press)社が1965年に
発行]の83頁に記載した熱フェノ−ル法を用い、更
に、陰イオン交換樹脂で精製すればよい。即ち、菌体を
蒸留水に懸濁した後、蒸留水と等容量の熱フェノ−ルと
共に攪拌し、次いで、遠心分離により水層を回収し、こ
の水層を透析に付してフェノ−ルを除去し、限外濾過に
より濃縮して粗LPS画分を得、この画分を常法に従
い、例えば、ファルマシア社製のFPLCシステムでフ
ァルマシア社製のモノQ−セファロ−ス(Sephar
ose)、Q−セファロ−ス(Sepharose)を
使用して陰イオン交換クロマトグラフィ−に付して精製
し、更に、常法に従って脱塩すればよい。以上の操作に
より、純度96%以上の精製標品が得られる。
【0010】LPSの物性 追って実施例中で詳述する如く、本発明の3種のLPS
(96%以上純度標品)の物性は次の通りであった。
(SDS−PAGE法は実施例1で定義する) LPS1 主要分子量:5,000±1,000(S
DS−PAGE法) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:9±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000 LPS2 主要分子量:6,500±2,500(S
DS−PAGE法) リン数:1〜2/分子量5,000 ヘキソサミン数:7±1/分子量5,000 KDO数:1〜2/分子量5,000 LPS3 主要分子量:6,500±2,500(S
DS−PAGE法) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:5±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000
(96%以上純度標品)の物性は次の通りであった。
(SDS−PAGE法は実施例1で定義する) LPS1 主要分子量:5,000±1,000(S
DS−PAGE法) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:9±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000 LPS2 主要分子量:6,500±2,500(S
DS−PAGE法) リン数:1〜2/分子量5,000 ヘキソサミン数:7±1/分子量5,000 KDO数:1〜2/分子量5,000 LPS3 主要分子量:6,500±2,500(S
DS−PAGE法) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:5±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000
【0011】提供の形態 本発明のLPSはそのまま、或いは任意の程度に濃縮し
た形で提供できる。又、保存性を高めるために、凍結乾
燥や噴霧乾燥などの任意の手段により乾燥粉末として提
供することもできる。これらはいずれも常法で生産でき
る。
た形で提供できる。又、保存性を高めるために、凍結乾
燥や噴霧乾燥などの任意の手段により乾燥粉末として提
供することもできる。これらはいずれも常法で生産でき
る。
【0012】免疫活性化能の測定 本発明のLPSの免疫活性化能は、マクロファ−ジ活性
を通じての内因性TNF産生能により確認した。
を通じての内因性TNF産生能により確認した。
【0013】動物体内にTNFを産生させるためには、
産生前駆(プライミング)段階と産生開始(トリガリン
グ)段階とが必要であることは、カ−ズウェル(Car
swell)らにより、プロシ−ディング オブ ナシ
ョナル アカデミ− サイエンス オブ ユ−エスエ−
(Proc.Natl.Acad.Sci.US
A.)、72、3666〜3670頁(1975年)に
報告されており、その後、各段階で使用出来る薬剤の検
討もすすめられている。プライミング段階開始のために
投与される薬剤が「プライマ−」(内因性TNF産生促
進剤)であり、トリガリング段階開始のために投与され
る薬剤が「トリガ−」(内因性TNF産生剤)である。
産生前駆(プライミング)段階と産生開始(トリガリン
グ)段階とが必要であることは、カ−ズウェル(Car
swell)らにより、プロシ−ディング オブ ナシ
ョナル アカデミ− サイエンス オブ ユ−エスエ−
(Proc.Natl.Acad.Sci.US
A.)、72、3666〜3670頁(1975年)に
報告されており、その後、各段階で使用出来る薬剤の検
討もすすめられている。プライミング段階開始のために
投与される薬剤が「プライマ−」(内因性TNF産生促
進剤)であり、トリガリング段階開始のために投与され
る薬剤が「トリガ−」(内因性TNF産生剤)である。
【0014】TNF活性は、L−929細胞[プロシ−
ディング オブ ナショナル アカデミ− サイエンス
オブ ユ−エスエ− 72、 3666〜3670頁]
に対する細胞毒性を基にして、次のようにして測定す
る。L929細胞を、5%仔牛胎児血清を加えたイ−グ
ルミニマムエッセンシャル培地(以下、MEM培地と表
す)で育成し、8×104 個の細胞が100μlの同上
培地に含まれる様にし、96穴の平底プレ−トで育種す
る。育種条件は370C、2時間、5%CO2、100%
H2Oであり、通常の細胞培養に用いられる方法でよ
い。その後、アクチノマイシンDを培地中に終濃度1μ
g/mlとなるように加え、培養液の液量を150μl
とする。即座に、検体を適当にMEM培地で稀釈したも
のを50μl加える(この際稀釈率を適宜調製し、ED
50を求める事ができる)。更に、最終液量200μlと
なったL929細胞を上記条件で18時間培養する。
ディング オブ ナショナル アカデミ− サイエンス
オブ ユ−エスエ− 72、 3666〜3670頁]
に対する細胞毒性を基にして、次のようにして測定す
る。L929細胞を、5%仔牛胎児血清を加えたイ−グ
ルミニマムエッセンシャル培地(以下、MEM培地と表
す)で育成し、8×104 個の細胞が100μlの同上
培地に含まれる様にし、96穴の平底プレ−トで育種す
る。育種条件は370C、2時間、5%CO2、100%
H2Oであり、通常の細胞培養に用いられる方法でよ
い。その後、アクチノマイシンDを培地中に終濃度1μ
g/mlとなるように加え、培養液の液量を150μl
とする。即座に、検体を適当にMEM培地で稀釈したも
のを50μl加える(この際稀釈率を適宜調製し、ED
50を求める事ができる)。更に、最終液量200μlと
なったL929細胞を上記条件で18時間培養する。
【0015】細胞障害活性を測定するには、まず全培地
を除去し、ついで0.1%クリスタルバイオレットを含
む1%メチルアルコ−ル溶液を加えて固定染色する。ク
リスタルバイオレットは全有核細胞を染色するが、死細
胞は染色後にプレ−ト底面より水洗で除去されるので、
生存細胞の結果から細胞障害活性を直接測定できる。こ
の染色度をOD(590nm)での吸光度を指標として
測定し、対照群に対する染色度と比較する事で細胞障害
活性を測定する。活性の定義は次の様に行う。L929
細胞が50%生存できる検体の稀釈率(N)を求める。
対照としてウサギTNS[腫瘍障害血清(Tumor
Necrosis Serum)]を使用し、このウサ
ギTNSの活性n(単位/ml)を2.4×106 単位
/mg/mlのTNF−αを用いて決定する。このウサ
ギTNSのED50を与える稀釈率(C)を求める。検体
活性(単位/ml)は N/C × n で計算する。
を除去し、ついで0.1%クリスタルバイオレットを含
む1%メチルアルコ−ル溶液を加えて固定染色する。ク
リスタルバイオレットは全有核細胞を染色するが、死細
胞は染色後にプレ−ト底面より水洗で除去されるので、
生存細胞の結果から細胞障害活性を直接測定できる。こ
の染色度をOD(590nm)での吸光度を指標として
測定し、対照群に対する染色度と比較する事で細胞障害
活性を測定する。活性の定義は次の様に行う。L929
細胞が50%生存できる検体の稀釈率(N)を求める。
対照としてウサギTNS[腫瘍障害血清(Tumor
Necrosis Serum)]を使用し、このウサ
ギTNSの活性n(単位/ml)を2.4×106 単位
/mg/mlのTNF−αを用いて決定する。このウサ
ギTNSのED50を与える稀釈率(C)を求める。検体
活性(単位/ml)は N/C × n で計算する。
【0016】鎮痛効果の測定 本発明のLPSの鎮痛効果は、非麻薬系鎮痛剤検定法の
1つとして確立されている「酢酸−ライズィング(Wr
ithing)法」(1982年に医歯薬出版株式会社
から発行された「炎症と抗炎症療法」の415頁)によ
る動物実験により確認した。
1つとして確立されている「酢酸−ライズィング(Wr
ithing)法」(1982年に医歯薬出版株式会社
から発行された「炎症と抗炎症療法」の415頁)によ
る動物実験により確認した。
【0017】本発明のLPSは各別に使用できることは
もちろん、その意図される用途が阻害されない限り、そ
れらの2種以上を任意に組み合わせて、或いは、更に
は、他のいずれの物質とも組み合わせて使用できる。
又、免疫機能検査薬、動物用免疫機能検査薬、医薬部外
品、化粧品、食品、機能性食品、飲料、飼料等として、
或いはその一成分としても用いることができる。
もちろん、その意図される用途が阻害されない限り、そ
れらの2種以上を任意に組み合わせて、或いは、更に
は、他のいずれの物質とも組み合わせて使用できる。
又、免疫機能検査薬、動物用免疫機能検査薬、医薬部外
品、化粧品、食品、機能性食品、飲料、飼料等として、
或いはその一成分としても用いることができる。
【0018】本発明のLPSを含む免疫機能活性化剤等
のいずれもが常法の製剤技術或は動物薬製造の常法によ
り、経口薬として、或いは静注薬、筋注薬、経皮薬とし
て単独で、或いは他薬との配合物として、散剤、顆粒
剤、丸剤、錠剤、トロ−チ剤、カプセル剤、液剤、貼付
剤、軟膏剤、リニメント剤、ロ−ション剤、坐剤、注射
剤等の形態で提供できる。特に、皮膚にはマクロファ−
ジが多いので、皮膚塗布剤として投与するとより高い効
果が得られる。又、動物用としては、更に、飼料添加
剤、プレミックス製剤、飲水添加剤として調製すること
もできる。飼料添加剤とする場合には、粉剤か顆粒剤と
することが好ましい。なお、プレミックス製剤とは、飼
料との混合を容易にするために澱粉などの飼料成分で希
釈されたものを指す。
のいずれもが常法の製剤技術或は動物薬製造の常法によ
り、経口薬として、或いは静注薬、筋注薬、経皮薬とし
て単独で、或いは他薬との配合物として、散剤、顆粒
剤、丸剤、錠剤、トロ−チ剤、カプセル剤、液剤、貼付
剤、軟膏剤、リニメント剤、ロ−ション剤、坐剤、注射
剤等の形態で提供できる。特に、皮膚にはマクロファ−
ジが多いので、皮膚塗布剤として投与するとより高い効
果が得られる。又、動物用としては、更に、飼料添加
剤、プレミックス製剤、飲水添加剤として調製すること
もできる。飼料添加剤とする場合には、粉剤か顆粒剤と
することが好ましい。なお、プレミックス製剤とは、飼
料との混合を容易にするために澱粉などの飼料成分で希
釈されたものを指す。
【0019】本発明のLPSを含む飼料添加剤、プレミ
ックス製剤を添加できる飼料は市販されている飼料のい
ずれでもよい。又、ミネラル、ビタミン、アミノ酸等の
飼料添加物を含む飼料であってもよい。
ックス製剤を添加できる飼料は市販されている飼料のい
ずれでもよい。又、ミネラル、ビタミン、アミノ酸等の
飼料添加物を含む飼料であってもよい。
【0020】これら製剤には、所望ならば、保存性、均
質性を保持するために、常法に従って、賦形剤、保存
剤、緩衝剤等の添加剤を加えることもできる。更に、矯
味剤、矯臭剤、着色剤を含めることもできる。賦形剤と
しては、例えば、乳糖、デンプンを使用できる。保存剤
としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオ
キシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等の
パラオキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、フェノ−ル、メチルパラベン、エチルパラベン、プ
ロピルパラベン等を使用できる。緩衝剤としては、例え
ば、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩等が使用できる。
質性を保持するために、常法に従って、賦形剤、保存
剤、緩衝剤等の添加剤を加えることもできる。更に、矯
味剤、矯臭剤、着色剤を含めることもできる。賦形剤と
しては、例えば、乳糖、デンプンを使用できる。保存剤
としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオ
キシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等の
パラオキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、フェノ−ル、メチルパラベン、エチルパラベン、プ
ロピルパラベン等を使用できる。緩衝剤としては、例え
ば、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩等が使用できる。
【0021】以下、実施例、製造例、実験例により、本
発明を更に詳細に説明する。なお、それらで使用された
「大腸菌LPS]は、米国ディフコ(Difco)社製
O128:B8である。
発明を更に詳細に説明する。なお、それらで使用された
「大腸菌LPS]は、米国ディフコ(Difco)社製
O128:B8である。
【0022】実施例1 50ml容コ−ニングチュ−ブに、1.09%の灰分
を含む硬質小麦粉(カナダ産の1・カナディアン・ホイ
−ト)1.04gを秤量して入れ、20mlの蒸留水を
加えて50mg/mlの小麦粉液を調製した。
を含む硬質小麦粉(カナダ産の1・カナディアン・ホイ
−ト)1.04gを秤量して入れ、20mlの蒸留水を
加えて50mg/mlの小麦粉液を調製した。
【0023】この液を370Cの水浴中で振とう培養
し、経過時間0時、1時、2時、3時、4時、6時、8
時、10時、12時、20時、24時、45時に各0.
5mlを採取し、100〜105倍希釈して標準寒天培地
(日水製薬社製培地であり、下記の組成を持つ)に10
0μl宛をまき込み、生菌数の測定、コロニ−の観察を
行った。
し、経過時間0時、1時、2時、3時、4時、6時、8
時、10時、12時、20時、24時、45時に各0.
5mlを採取し、100〜105倍希釈して標準寒天培地
(日水製薬社製培地であり、下記の組成を持つ)に10
0μl宛をまき込み、生菌数の測定、コロニ−の観察を
行った。
【0024】標準寒天培地(日水製薬社コ−ド番号:05618) 1リットル中 酵母エキス 2.5g ペプトン 5.0g ブドウ糖 1.0g カンテン 15.0g pH 7.1±0.1
【0025】種類が異なると考えられた、培養経過時
間8時間目、10時間目に認められた黄〜クリ−ム色不
透明コロニ−(コロニ−1)、クリ−ム色不透明コロニ
−(コロニ−2)、黄色半透明コロニ−(コロニ−
3)、乳白色不透明コロニ−(コロニ−4)、白色不透
明な小さなコロニ−(コロニ−5)を上記と同種の別の
標準寒天培地にまき、植え継ぎ、一方で、コロニ−1〜
5の細菌のグラム染色性、リムラス活性を調べた。
間8時間目、10時間目に認められた黄〜クリ−ム色不
透明コロニ−(コロニ−1)、クリ−ム色不透明コロニ
−(コロニ−2)、黄色半透明コロニ−(コロニ−
3)、乳白色不透明コロニ−(コロニ−4)、白色不透
明な小さなコロニ−(コロニ−5)を上記と同種の別の
標準寒天培地にまき、植え継ぎ、一方で、コロニ−1〜
5の細菌のグラム染色性、リムラス活性を調べた。
【0026】ここで「リムラス活性」とは、1968年
にレヴィン(Levin)により創案された、カブトガ
ニ血球抽出液と発色合成基質を用いたエンドトキシン定
量法であるリムラステストで陽性を示すことをさす。こ
のリムラステストはLPS検出法として知られており、
例えば、生化学工業株式会社からトキシカラ−システム
という名称で市販されている試薬セットを使用して実施
できる。
にレヴィン(Levin)により創案された、カブトガ
ニ血球抽出液と発色合成基質を用いたエンドトキシン定
量法であるリムラステストで陽性を示すことをさす。こ
のリムラステストはLPS検出法として知られており、
例えば、生化学工業株式会社からトキシカラ−システム
という名称で市販されている試薬セットを使用して実施
できる。
【0027】上記コロニ−のうち、コロニ−4及びコロ
ニ−5(共にグラム染色性+)のリムラス活性はコロニ
−1〜3(共にグラム染色性−)に比べて極めて低かっ
たので、以後の検討から除き、日水製薬社製の培地及び
IDテスト・EB−20を使用し、コロニ−1〜3の形
態、生化学的性状を観察した。次の結果が得られた。
ニ−5(共にグラム染色性+)のリムラス活性はコロニ
−1〜3(共にグラム染色性−)に比べて極めて低かっ
たので、以後の検討から除き、日水製薬社製の培地及び
IDテスト・EB−20を使用し、コロニ−1〜3の形
態、生化学的性状を観察した。次の結果が得られた。
【0028】コロニ−1を形成する細菌(識別番号:9
00814−1) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11664号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第350
9号としてブダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)
00814−1) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11664号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第350
9号としてブダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)
【0029】以下に記載する形態、生化学的性状に基づ
き、本細菌は腸内細菌科のセラチア属に属すると推定さ
れる。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:黄〜クリ−ム色で丸形の不透明なコロ
ニ−を形成する。 SS寒天培地:白色で半透明なコロニ−を形成する。 [SS寒天培地:日水製薬社コ−ド番号:05031] 組成1リットル中 肉エキス 5.0g 胆汁酸塩 9.0g ペプトン 7.5g ラクト−ス 10.0g クエン酸ナトリウム 8.5g チオ硫酸ナトリウム 5.5g クエン酸第二鉄 1.0g ニュ−トラルレッド 0.025g ブリリアントグリン 0.033g カンテン 13.5g pH:7.1±0.1 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成する。 [TSI寒天培地:日水製薬社コ−ド番号:0510
3] 組成1リットル中 肉エキス 5.0g NaCl 5.0g ペプトン 15.0g ラクト−ス 10.0g シュクロ−ス 10.0g ブドウ糖 1.0g クエン酸第二鉄 0.2g チオ硫酸ナトリウム 0.2g フェノ−ルレッド 0.02g カンテン 15.0g pH:7.6±0.1 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:+ (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:− アルギニンの分解:− フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:−
き、本細菌は腸内細菌科のセラチア属に属すると推定さ
れる。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:黄〜クリ−ム色で丸形の不透明なコロ
ニ−を形成する。 SS寒天培地:白色で半透明なコロニ−を形成する。 [SS寒天培地:日水製薬社コ−ド番号:05031] 組成1リットル中 肉エキス 5.0g 胆汁酸塩 9.0g ペプトン 7.5g ラクト−ス 10.0g クエン酸ナトリウム 8.5g チオ硫酸ナトリウム 5.5g クエン酸第二鉄 1.0g ニュ−トラルレッド 0.025g ブリリアントグリン 0.033g カンテン 13.5g pH:7.1±0.1 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成する。 [TSI寒天培地:日水製薬社コ−ド番号:0510
3] 組成1リットル中 肉エキス 5.0g NaCl 5.0g ペプトン 15.0g ラクト−ス 10.0g シュクロ−ス 10.0g ブドウ糖 1.0g クエン酸第二鉄 0.2g チオ硫酸ナトリウム 0.2g フェノ−ルレッド 0.02g カンテン 15.0g pH:7.6±0.1 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:+ (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:− アルギニンの分解:− フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:−
【0030】コロニ−2を形成する細菌(識別番号:9
00814−2) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11665号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第351
0号としてブダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)
00814−2) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11665号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第351
0号としてブダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)
【0031】以下に記載する形態、生化学的性状に基づ
き、本細菌は腸内細菌科のエンテロバクタ−属に属する
と推定される。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:クリ−ム色で不透明なコロニ−を形成
する。 SS寒天培地:赤色で不透明なコロニ−を形成する。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成する。 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:+ (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:+ アルギニンの分解:+ フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:+
き、本細菌は腸内細菌科のエンテロバクタ−属に属する
と推定される。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:クリ−ム色で不透明なコロニ−を形成
する。 SS寒天培地:赤色で不透明なコロニ−を形成する。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成する。 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:+ (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:+ アルギニンの分解:+ フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:+
【0032】コロニ−3を形成する細菌(識別番号:9
00814−3) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11666号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第351
1号としてブダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)
00814−3) (通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に平成2
年8月17日から微工研菌寄第11666号として国内
寄託され、平成3年8月12日より微工研条寄第351
1号としてブダペスト条約に従った国際寄託に移管され
た)
【0033】以下に記載する形態、生化学的性状に基づ
き、本細菌は腸内細菌科のパントエア属に属すると推定
される。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:黄色で丸形の半透明なコロニ−を形成
する。 SS寒天培地:コロニ−を形成しない。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成しない。 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:− (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:+ アルギニンの分解:− フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:−
き、本細菌は腸内細菌科のパントエア属に属すると推定
される。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:黄色で丸形の半透明なコロニ−を形成
する。 SS寒天培地:コロニ−を形成しない。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成しない。 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:− (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:+ アルギニンの分解:− フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:−
【0034】コロニ−1、2、3をそれぞれ1リット
ルのL−肉汁培地に移し、370Cで一夜振とうし、
5,000G、40Cで20分間遠心処理して集菌し
た。なお 、このL−肉汁培地は、ディフコ(Difc
o)社のポリペプトン10g、同社の酵母エキス5g、
和光純薬社の特級NaCl(5g)を蒸留水に入れ、N
aOHでpH7.5に合わせ、オ−トクレ−ブし、別
途、予め調製済みの和光純薬社の特級グルコ−スの40
%溶液を400倍に希釈して加えて調製したものであ
る。
ルのL−肉汁培地に移し、370Cで一夜振とうし、
5,000G、40Cで20分間遠心処理して集菌し
た。なお 、このL−肉汁培地は、ディフコ(Difc
o)社のポリペプトン10g、同社の酵母エキス5g、
和光純薬社の特級NaCl(5g)を蒸留水に入れ、N
aOHでpH7.5に合わせ、オ−トクレ−ブし、別
途、予め調製済みの和光純薬社の特級グルコ−スの40
%溶液を400倍に希釈して加えて調製したものであ
る。
【0035】各菌体をそれぞれ50mlの蒸留水に懸
濁し、これに50mlの90%熱フェノ−ルを加えて6
5〜700Cで20分間攪拌し、冷却後に、10,00
0G、40Cで20分間遠心処理して、水層を回収し
た。フェノ−ル層を更に2回上記と同一の操作に付し
た。3つの水層を合わせ、一夜透析してフェノ−ルを除
去し、内液を、アドヴァンテック・ト−ヨ−(ADVA
NTEC TOYO)社のUK−200を使用して限外
濾過に付して分子量20万カット−オフにより濃縮した
(N2圧:2気圧)。
濁し、これに50mlの90%熱フェノ−ルを加えて6
5〜700Cで20分間攪拌し、冷却後に、10,00
0G、40Cで20分間遠心処理して、水層を回収し
た。フェノ−ル層を更に2回上記と同一の操作に付し
た。3つの水層を合わせ、一夜透析してフェノ−ルを除
去し、内液を、アドヴァンテック・ト−ヨ−(ADVA
NTEC TOYO)社のUK−200を使用して限外
濾過に付して分子量20万カット−オフにより濃縮した
(N2圧:2気圧)。
【0036】この濃縮サンプルを、ファルマシア社製
のQ−セファロ−ス ファスト フロ−(Q−Seph
arose Fast Flow)を使って陰イオン交
換クロマトグラフィ−に付した。即ち、10mMトリス
−HCl(pH7.5)と10mMのNaClを含む緩
衝液で試料をカラムに付した後、400mMNaCl/
10mMトリス−HCl(pH7.5)でリムラス活性
画分を溶出させた。この溶出液を上記と同じ条件で限外
濾過に付して脱塩、濃縮して、純度96%以上のLPS
を得た。なお、核酸は1MNaCl/10mMトリス−
HCl(pH7.5)で溶出した。
のQ−セファロ−ス ファスト フロ−(Q−Seph
arose Fast Flow)を使って陰イオン交
換クロマトグラフィ−に付した。即ち、10mMトリス
−HCl(pH7.5)と10mMのNaClを含む緩
衝液で試料をカラムに付した後、400mMNaCl/
10mMトリス−HCl(pH7.5)でリムラス活性
画分を溶出させた。この溶出液を上記と同じ条件で限外
濾過に付して脱塩、濃縮して、純度96%以上のLPS
を得た。なお、核酸は1MNaCl/10mMトリス−
HCl(pH7.5)で溶出した。
【0037】各菌体の結果は次表1〜3の通りであっ
た。なお、LPS量は、リムラステストによる大腸菌L
PS換算値であり、糖はフェノ−ル−硫酸法[エム.デ
ユボイス(M.Dubois)等著、アナリテイカル
ケミストリ(Analytical Chemistr
y)、vol.28、350頁、1956年]、蛋白は
ロ−リ−法[オ−.エイチ.ロ−リ−(O.H.Low
ry)等著、ジャ−ナルオブ バイオロジカル ケミス
トリ(Journal of Biological
Chemistry)]、vol.193、65頁、1
951年]で測定した。又、核酸量はOD(260n
m)での測定値に基づき(1OD=50μg)、純度
(%)は次式に基づき計算した。
た。なお、LPS量は、リムラステストによる大腸菌L
PS換算値であり、糖はフェノ−ル−硫酸法[エム.デ
ユボイス(M.Dubois)等著、アナリテイカル
ケミストリ(Analytical Chemistr
y)、vol.28、350頁、1956年]、蛋白は
ロ−リ−法[オ−.エイチ.ロ−リ−(O.H.Low
ry)等著、ジャ−ナルオブ バイオロジカル ケミス
トリ(Journal of Biological
Chemistry)]、vol.193、65頁、1
951年]で測定した。又、核酸量はOD(260n
m)での測定値に基づき(1OD=50μg)、純度
(%)は次式に基づき計算した。
【0038】
【数1】
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】分子量 各菌体から得られたLPSを各々蒸留水に溶解して2m
g/ml溶液を調製し、その10μlを1.5ml容プ
ラスチックチュ−ブに入れた。これに、別途、180μ
lの10%(w/v)SDS、45μlの5%β−メル
カプトエタノ−ル、90μlのCBB色素溶液、11
2.5μlの0.5Mトリス塩酸(pH6.8)及び2
2.5μlの蒸留水を加えて調製したSDS処理液10
μlを加えてよく混合し、次いで5分間沸騰水浴中に浸
した。この加熱後直ちに氷水中に浸して急冷した。
g/ml溶液を調製し、その10μlを1.5ml容プ
ラスチックチュ−ブに入れた。これに、別途、180μ
lの10%(w/v)SDS、45μlの5%β−メル
カプトエタノ−ル、90μlのCBB色素溶液、11
2.5μlの0.5Mトリス塩酸(pH6.8)及び2
2.5μlの蒸留水を加えて調製したSDS処理液10
μlを加えてよく混合し、次いで5分間沸騰水浴中に浸
した。この加熱後直ちに氷水中に浸して急冷した。
【0043】10mlの10%(w/v)SDS、1
7.9gのトリシン及び3.03gのトリスを1リット
ルの蒸留水に溶解して調製した泳動緩衝液をマリソル社
製のスラブゲル電気泳動槽に入れた。20%ポリアクリ
ルアミドゲルを泳動槽に固定し、サンプル溝に検体を入
れ、電圧を50vに1時間、次いで、150vに固定し
て、色素がゲルより溶出するまで泳動を続けた(本明細
書でこの泳動法をSDS−PAGE法と称する)。泳動
終了後に、バイオラッド社の銀染色キット161−04
43を使い銀染色を室温で行って、挙動を確認した。
7.9gのトリシン及び3.03gのトリスを1リット
ルの蒸留水に溶解して調製した泳動緩衝液をマリソル社
製のスラブゲル電気泳動槽に入れた。20%ポリアクリ
ルアミドゲルを泳動槽に固定し、サンプル溝に検体を入
れ、電圧を50vに1時間、次いで、150vに固定し
て、色素がゲルより溶出するまで泳動を続けた(本明細
書でこの泳動法をSDS−PAGE法と称する)。泳動
終了後に、バイオラッド社の銀染色キット161−04
43を使い銀染色を室温で行って、挙動を確認した。
【0044】同時に泳動させた蛋白分子量マ−カ−[フ
ァルマシア社製のLMWキットE:ホスホリラ−ゼb
(94k)、アルブミン(67k)、オブアルブミン
(43k)、カ−ボニックアンヒドラ−ゼ(30k)、
トリプシンインヒビタ−(20k)、α−ラクトアルブ
ミン(14k)]、ペプチド分子量マ−カ−[ファルマ
シア社製の1860−101分子量マ−カ−:ミオグロ
ビン(16.9k)、ミオグロビンI&II(14.4
k)、ミオグロビンI(8.2k)、ミオグロビンII
(6.0k)、ミオグロビンIV(2.5k)]の泳動
位置から本発明のLPSの分子量を計算したら、5,0
00±1,000(菌体900814−1に由来するL
PS1)、6,500±2,500(菌体900814
−2に由来するLPS2及び菌体900814−3に由
来するLPS3)であった。同様にして測定された大腸
菌LPS(ディフコ社製の大腸菌0127:B8LP
S)の分子量は30,000±20,000であった。
ァルマシア社製のLMWキットE:ホスホリラ−ゼb
(94k)、アルブミン(67k)、オブアルブミン
(43k)、カ−ボニックアンヒドラ−ゼ(30k)、
トリプシンインヒビタ−(20k)、α−ラクトアルブ
ミン(14k)]、ペプチド分子量マ−カ−[ファルマ
シア社製の1860−101分子量マ−カ−:ミオグロ
ビン(16.9k)、ミオグロビンI&II(14.4
k)、ミオグロビンI(8.2k)、ミオグロビンII
(6.0k)、ミオグロビンIV(2.5k)]の泳動
位置から本発明のLPSの分子量を計算したら、5,0
00±1,000(菌体900814−1に由来するL
PS1)、6,500±2,500(菌体900814
−2に由来するLPS2及び菌体900814−3に由
来するLPS3)であった。同様にして測定された大腸
菌LPS(ディフコ社製の大腸菌0127:B8LP
S)の分子量は30,000±20,000であった。
【0045】上記銀染色におけるLPS1、LPS2、
LPS3の染色帯を図1に示す。図1において、番号1
がLPS1の、番号2がLPS2の、番号3がLPS3
の染色帯である。図1に示されるように、LPS1は分
子量3万付近にもややまとまった染色帯を示した。LP
S2は30,000から43,000の間にも染色帯が
認められるが、14,000以下の染色帯の染色度と比
較すると、高分子のものは極めて少ないと推定される。
後述する糖量、ヘキソサミン量から判断してもLPS2
は最も糖含有率が低く、ついでLPS3、LPS1の順
で高くなり、電気泳動で観察されたパタ−ンと一致する
と考えられる。又、LPS量/総乾燥収量の比もLPS
2、LPS3、LPS1の順に低くなっている。以上の
観察結果から、LPS2は比較的低分子のLPSが多
く、次いで、LPS3、LPS1の順にその割合は少な
くなると推定される。
LPS3の染色帯を図1に示す。図1において、番号1
がLPS1の、番号2がLPS2の、番号3がLPS3
の染色帯である。図1に示されるように、LPS1は分
子量3万付近にもややまとまった染色帯を示した。LP
S2は30,000から43,000の間にも染色帯が
認められるが、14,000以下の染色帯の染色度と比
較すると、高分子のものは極めて少ないと推定される。
後述する糖量、ヘキソサミン量から判断してもLPS2
は最も糖含有率が低く、ついでLPS3、LPS1の順
で高くなり、電気泳動で観察されたパタ−ンと一致する
と考えられる。又、LPS量/総乾燥収量の比もLPS
2、LPS3、LPS1の順に低くなっている。以上の
観察結果から、LPS2は比較的低分子のLPSが多
く、次いで、LPS3、LPS1の順にその割合は少な
くなると推定される。
【0046】リン含有量 チェン−トリバラ(Chen−Toribara)法
[チェン等著、「アナリティカル ケミストリ(Ana
lytical Chemistry)、vol.2
8、1756〜1758頁(1956年)に準拠して次
の通りに行った。
[チェン等著、「アナリティカル ケミストリ(Ana
lytical Chemistry)、vol.2
8、1756〜1758頁(1956年)に準拠して次
の通りに行った。
【0047】LPS1、LPS2、LPS3を各別に蒸
留水に溶解して、それぞれ、31.6μg、57.6μ
g、103.6μgのLPSを含む20μlの溶液を調
製し、小試験管に入れた。20μlの50v/v%硫酸
を添加し、1600Cで2時間加熱した。次いで、20
μlの10v/v%過塩素酸を添加した後にガスバ−ナ
−で1分間加熱して灰化させた。その後に0.5mlの
蒸留水、次いで0.5mlの反応試薬(1mlの6N硫
酸、2mlの蒸留水、2mlの2.5v/w%モリブデ
ン酸アンモニウム及び1mlの10v/w%のアスコル
ビン酸を混合して調製し、その0.5mlを使用)を添
加して室温で30分間放置した後に、820nmでの吸
光度OD(820nm)を測定した。なお、検量線作成
用の試料としては、リン酸二水素カリウム(和光純薬社
製)を蒸留水で希釈し、リン酸重量としてそれぞれ2.
5μg、1μg、0.25μg、0μgを含む0.5m
lの溶液を調製して使用した。なお、リン1gはリン酸
二水素カリウム4.39gに相当する。結果を次表4に
示す。表中、吸光度を示す数値は、無機リンの混入(例
えば、リン酸緩衝液に由来する)による誤差を避けるた
めに、加熱処理をしていない対照のデ−タを減じた値で
ある。リン量(μg)は吸光度から計算された値であ
る。リン量(重量%)は、次式により計算した。なお、
式中の「0.67」は、標準のリン1μgのOD値を指
し、サンプル濃度は、蒸留水に溶解した各LPSの濃度
(mg/ml)を指す。
留水に溶解して、それぞれ、31.6μg、57.6μ
g、103.6μgのLPSを含む20μlの溶液を調
製し、小試験管に入れた。20μlの50v/v%硫酸
を添加し、1600Cで2時間加熱した。次いで、20
μlの10v/v%過塩素酸を添加した後にガスバ−ナ
−で1分間加熱して灰化させた。その後に0.5mlの
蒸留水、次いで0.5mlの反応試薬(1mlの6N硫
酸、2mlの蒸留水、2mlの2.5v/w%モリブデ
ン酸アンモニウム及び1mlの10v/w%のアスコル
ビン酸を混合して調製し、その0.5mlを使用)を添
加して室温で30分間放置した後に、820nmでの吸
光度OD(820nm)を測定した。なお、検量線作成
用の試料としては、リン酸二水素カリウム(和光純薬社
製)を蒸留水で希釈し、リン酸重量としてそれぞれ2.
5μg、1μg、0.25μg、0μgを含む0.5m
lの溶液を調製して使用した。なお、リン1gはリン酸
二水素カリウム4.39gに相当する。結果を次表4に
示す。表中、吸光度を示す数値は、無機リンの混入(例
えば、リン酸緩衝液に由来する)による誤差を避けるた
めに、加熱処理をしていない対照のデ−タを減じた値で
ある。リン量(μg)は吸光度から計算された値であ
る。リン量(重量%)は、次式により計算した。なお、
式中の「0.67」は、標準のリン1μgのOD値を指
し、サンプル濃度は、蒸留水に溶解した各LPSの濃度
(mg/ml)を指す。
【0048】
【数2】
【0049】 リン数は、次式により計算した、分子量
5,000当たりの換算数である。
5,000当たりの換算数である。
【0050】
【数3】
【0051】
【表4】
【0052】ヘキソサミン含有量 エルソン−モルガン(Elson−Morgan)法
(東京化学同人出版「生化学実験講座」No.4の37
7〜379頁)に準拠して次の通りに行った。
(東京化学同人出版「生化学実験講座」No.4の37
7〜379頁)に準拠して次の通りに行った。
【0053】LPSを蒸留水に溶解して1.58mg
(LPS1)、2.88mg(LPS2)、5.18m
g(LPS3)/mlの溶液を調製し、その100μl
をスクリュ−キャップ付きスピッツ(イワキガラス社
製)に入れ、これに100μlの8NHClを添加して
1100Cで16時間加熱した。4NNaOHを約20
0μl添加してpH7とした。その100μlを分取
し、別のスクリュ−キャップ付きスピッツに入れ、20
0μlの下記試薬Aを加えた後に、1050Cで1.
5時間加熱し、次いで流水で冷却した。次いで、100
μlを分取し、670μlの96%エタノ−ルを加え、
更に、67μlの下記試薬Bを加えた後に室温で1時間
放置し、535nmで吸光度を測定した。検量線作製用
試料としては0.20〜200μg/mlのN−アセチ
ル グルコサミン(和光純薬社製)を使った。
(LPS1)、2.88mg(LPS2)、5.18m
g(LPS3)/mlの溶液を調製し、その100μl
をスクリュ−キャップ付きスピッツ(イワキガラス社
製)に入れ、これに100μlの8NHClを添加して
1100Cで16時間加熱した。4NNaOHを約20
0μl添加してpH7とした。その100μlを分取
し、別のスクリュ−キャップ付きスピッツに入れ、20
0μlの下記試薬Aを加えた後に、1050Cで1.
5時間加熱し、次いで流水で冷却した。次いで、100
μlを分取し、670μlの96%エタノ−ルを加え、
更に、67μlの下記試薬Bを加えた後に室温で1時間
放置し、535nmで吸光度を測定した。検量線作製用
試料としては0.20〜200μg/mlのN−アセチ
ル グルコサミン(和光純薬社製)を使った。
【0054】(試薬A)75μlのアセチルアセトンと
2.5mlの1.25N炭酸ナトリウムを混合して調製
した。
2.5mlの1.25N炭酸ナトリウムを混合して調製
した。
【0055】(試薬B)1.6gのp−ジメチルベンズ
アルデヒドと30mlの濃塩酸と30mlの96%エタ
ノ−ルを混合して調製した。結果、LPS1、LPS
2、LPS3のヘキソサミン数は各々9±1/分子量
5,000、7±1/分子量5,000、5±1/分子
量5,000だった。
アルデヒドと30mlの濃塩酸と30mlの96%エタ
ノ−ルを混合して調製した。結果、LPS1、LPS
2、LPS3のヘキソサミン数は各々9±1/分子量
5,000、7±1/分子量5,000、5±1/分子
量5,000だった。
【0056】(10)KDO含有量 KDO(2−ケト−3−デオキシオクトネ−ト)含有量
をジフェニルアミン法[シャビ ア−ル(Shaby
R.)等著、アナリティカル バイオケム(Analy
tical Biochem.)、58(1)、123
〜129頁(1974年)]に準拠して次の通りに行っ
た。
をジフェニルアミン法[シャビ ア−ル(Shaby
R.)等著、アナリティカル バイオケム(Analy
tical Biochem.)、58(1)、123
〜129頁(1974年)]に準拠して次の通りに行っ
た。
【0057】500mgのジフェニルアミン、5mlの
エタノ−ル、45mlの氷酢酸、50mlの濃塩酸(全
て和光純薬社製)を合わせてKDO検出試薬を調製し
た。その500μlに、(1)0.505mg/mlの
LPS1を含む250μl蒸留水溶液;(2)0.57
6mg/mlのLPS2を含む250μl蒸留水溶液;
(3)0.518mg/mlのLPS3を含む250μ
l蒸留水溶液;のいずれかを合わせ、1000Cの沸騰
水浴中で33分間加熱後に冷水(24.50C)中で3
0分間冷却し、ついで日立分光光度計320を使い42
0、470、630、650nmでの紫外部吸収を測定
した(測定値を各々A420、A470、A630、A
650とする)。標準試料としては、0.5μモル/m
lのKDOアンモニウム塩[米国シグマ(Sigma)
社製]を含む蒸留水250μlを使用した。
エタノ−ル、45mlの氷酢酸、50mlの濃塩酸(全
て和光純薬社製)を合わせてKDO検出試薬を調製し
た。その500μlに、(1)0.505mg/mlの
LPS1を含む250μl蒸留水溶液;(2)0.57
6mg/mlのLPS2を含む250μl蒸留水溶液;
(3)0.518mg/mlのLPS3を含む250μ
l蒸留水溶液;のいずれかを合わせ、1000Cの沸騰
水浴中で33分間加熱後に冷水(24.50C)中で3
0分間冷却し、ついで日立分光光度計320を使い42
0、470、630、650nmでの紫外部吸収を測定
した(測定値を各々A420、A470、A630、A
650とする)。標準試料としては、0.5μモル/m
lのKDOアンモニウム塩[米国シグマ(Sigma)
社製]を含む蒸留水250μlを使用した。
【0058】検体試料、標準試料それぞれについて、次
式の値を求めた。 S=A420−A470+A630−A650
式の値を求めた。 S=A420−A470+A630−A650
【0059】検体試料の値(ST)はLPS1で0.1
09、LPS2で0.078、LPS3で0.099で
あった。標準試料の値(SS)は0.246であり、蒸
留水 のみの値は0.005であった。
09、LPS2で0.078、LPS3で0.099で
あった。標準試料の値(SS)は0.246であり、蒸
留水 のみの値は0.005であった。
【0060】この値の比較により、LPS1には2±1
/分子量5,000、LPS2には1〜2/分子量5,
000、LPS3には2±1/分子量5,000のKD
Oが含まれると推定された。
/分子量5,000、LPS2には1〜2/分子量5,
000、LPS3には2±1/分子量5,000のKD
Oが含まれると推定された。
【0061】なお、これらの値は、LPS1を例にとる
と、次のように計算される。溶液に含まれるKDDの濃
度をχ(μモル/ml)とすると、
と、次のように計算される。溶液に含まれるKDDの濃
度をχ(μモル/ml)とすると、
【0062】
【数4】
【0063】上記式から、χ=0.221となる。従っ
て、LPS1の1モル(5,000と仮定)に含まれる
KDDのモル数をyとすると、次式により、y=2.1
9となる。
て、LPS1の1モル(5,000と仮定)に含まれる
KDDのモル数をyとすると、次式により、y=2.1
9となる。
【0064】
【数5】
【0065】以下は、本発明のLPSを含む製剤の処方
例である。なお、実施例2〜5におけるLPS量は、リ
ムラステストによる大腸菌LPS換算量である。
例である。なお、実施例2〜5におけるLPS量は、リ
ムラステストによる大腸菌LPS換算量である。
【0066】実施例2(錠剤) LPS1 0.04g 6%HPC乳糖 178g ステアリン酸タルク 8g バレイショデンプン 14g 以上を混和し、打錠して、0.1mgの小麦LPSを含
む0.5gの錠剤400個を調製した。
む0.5gの錠剤400個を調製した。
【0067】実施例3(内用液剤) LPS1 1mg 精製水 100ml
【0068】実施例4(軟膏剤)
【0069】実施例5(注射剤)
【0070】製造例1(百日咳菌LPSの製造) 千葉県血清研究所から入手した試験用百日咳菌液(2.
0×1010細胞/ml)を死菌体として用いた。
0×1010細胞/ml)を死菌体として用いた。
【0071】上記死菌体を25mg(乾燥重量)/ml
となるように滅菌水に懸濁した。これに等量の90%熱
フェノ−ル液(68〜700C)を添加し、680Cで1
時間振盪しながら抽出した。8,000G、40Cで2
0分間遠心分離して水層を分取した。残りのフェノ−ル
層に、上記水層と等量の滅菌水を加えて同様の抽出を行
った。得られた水層を先の水層と合わせて流水中で一晩
透析後に、ロ−タリ−エバポレ−タで1/10に濃縮し
た。これを8,000G、40Cで20分間遠 心分離
した。上清を分取し、酢酸ナトリウムを少量加え、0〜
40Cの冷エタノ −ルを6倍量加えて−200Cで一晩
放置した。4,000G、40Cで30分間遠心分離し
て回収した沈殿物をエタノ−ルで2回、次いでアセトン
で1回遠心洗浄し、アスピレ−タで乾燥させた。
となるように滅菌水に懸濁した。これに等量の90%熱
フェノ−ル液(68〜700C)を添加し、680Cで1
時間振盪しながら抽出した。8,000G、40Cで2
0分間遠心分離して水層を分取した。残りのフェノ−ル
層に、上記水層と等量の滅菌水を加えて同様の抽出を行
った。得られた水層を先の水層と合わせて流水中で一晩
透析後に、ロ−タリ−エバポレ−タで1/10に濃縮し
た。これを8,000G、40Cで20分間遠 心分離
した。上清を分取し、酢酸ナトリウムを少量加え、0〜
40Cの冷エタノ −ルを6倍量加えて−200Cで一晩
放置した。4,000G、40Cで30分間遠心分離し
て回収した沈殿物をエタノ−ルで2回、次いでアセトン
で1回遠心洗浄し、アスピレ−タで乾燥させた。
【0072】残さを、20mg/mlとなるように蒸留
水に懸濁し、米国ブランソン(Branson)社製の
ソニファイア185型で超音波処理(出力コントロ−ル
5、15分、室温)に付した。次いで2,500G、4
0Cで10分間遠心分離し、上清を分取した。
水に懸濁し、米国ブランソン(Branson)社製の
ソニファイア185型で超音波処理(出力コントロ−ル
5、15分、室温)に付した。次いで2,500G、4
0Cで10分間遠心分離し、上清を分取した。
【0073】この上清を40Cで、米国シグマ(Sig
ma)社製の核酸分解酵素DNaseI、RNase
Aで15〜16時間処理した(最終的には10μg/m
lのDNase Iと、20μg/mlのRNase
Aを使用した)。更に同じ濃度の核酸分解酵素を加えて
370Cで2時間加温した。次いで2,500G、40C
で10分間遠心分離し、上清を分取した。
ma)社製の核酸分解酵素DNaseI、RNase
Aで15〜16時間処理した(最終的には10μg/m
lのDNase Iと、20μg/mlのRNase
Aを使用した)。更に同じ濃度の核酸分解酵素を加えて
370Cで2時間加温した。次いで2,500G、40C
で10分間遠心分離し、上清を分取した。
【0074】この上清を米国ゲルマン(Gelman)
社のアクロディスク(Acrodisc)を使い、孔径
0.2μmで濾過した。濾液を分子篩にかけ[樹脂:米
国ファルマシア(Pharmacia)社製セファロ−
ス(Sepharose)6B、カラムサイズ=内径5
cm×長さ100cm、緩衝液=10mMのトリス−H
Cl、10mMのNaCl(pH7.5)、流速=約3
ml/cm2/時)、生化学工業社製のLS−1キット
を用いてリムラス活性陽性画分を調べて合わせ、上記ゲ
ルマン社のアクロディスクを使い、孔径0.2μmで濾
過した。濾液をイオン交換にかけ[装置:米国ファルマ
シア(Pharmacia)社製FPLC、樹脂:米国
ファルマシア社製モノQ HR10/10、緩衝液=1
0mMのトリス−HCl+10mMのNaCl(pH
7.5)で15分洗浄し、次いで、NaCl量を165
mMに増加して30分洗浄し、次いで、20分かけて、
NaCl量が165mMから1Mの濃度勾配になるよう
にNaCl量を増加させながら洗浄し、次いで、1Mの
NaCl量で30洗浄する、流速=2ml/分]、生化
学工業社製のLS−1キットを用いてリムラス活性陽性
画分を調べて合わせた。合わせた画分をカラムで脱塩し
[樹脂:米国ファルマシア(Pharmacia)社製
セファデックスG−25ファイン(fine)、カラム
サイズ=内径2cm×長さ25cm、溶出液=蒸留
水]、次いで凍結乾燥した。
社のアクロディスク(Acrodisc)を使い、孔径
0.2μmで濾過した。濾液を分子篩にかけ[樹脂:米
国ファルマシア(Pharmacia)社製セファロ−
ス(Sepharose)6B、カラムサイズ=内径5
cm×長さ100cm、緩衝液=10mMのトリス−H
Cl、10mMのNaCl(pH7.5)、流速=約3
ml/cm2/時)、生化学工業社製のLS−1キット
を用いてリムラス活性陽性画分を調べて合わせ、上記ゲ
ルマン社のアクロディスクを使い、孔径0.2μmで濾
過した。濾液をイオン交換にかけ[装置:米国ファルマ
シア(Pharmacia)社製FPLC、樹脂:米国
ファルマシア社製モノQ HR10/10、緩衝液=1
0mMのトリス−HCl+10mMのNaCl(pH
7.5)で15分洗浄し、次いで、NaCl量を165
mMに増加して30分洗浄し、次いで、20分かけて、
NaCl量が165mMから1Mの濃度勾配になるよう
にNaCl量を増加させながら洗浄し、次いで、1Mの
NaCl量で30洗浄する、流速=2ml/分]、生化
学工業社製のLS−1キットを用いてリムラス活性陽性
画分を調べて合わせた。合わせた画分をカラムで脱塩し
[樹脂:米国ファルマシア(Pharmacia)社製
セファデックスG−25ファイン(fine)、カラム
サイズ=内径2cm×長さ25cm、溶出液=蒸留
水]、次いで凍結乾燥した。
【0075】この凍結乾燥標品(4.50mg)に混入
している可能性の最も高い物質は核酸である。そこで、
紫外吸収曲線(200〜400nm)をとり、260n
mでの吸光度を求めた。吸光度1のときの核酸濃度が5
0μg/mlであることを用いて上記吸光度から核酸濃
度を算出したら1%以下であった。又、SDS−PAG
E法では蛋白質は明確には検出されなかった。従って、
検出感度を考慮すると、上記凍結乾燥標品に混入してい
る蛋白質は高々0〜3%と推定される。従って、上記凍
結乾燥標品の純度は96%以上と推定された。
している可能性の最も高い物質は核酸である。そこで、
紫外吸収曲線(200〜400nm)をとり、260n
mでの吸光度を求めた。吸光度1のときの核酸濃度が5
0μg/mlであることを用いて上記吸光度から核酸濃
度を算出したら1%以下であった。又、SDS−PAG
E法では蛋白質は明確には検出されなかった。従って、
検出感度を考慮すると、上記凍結乾燥標品に混入してい
る蛋白質は高々0〜3%と推定される。従って、上記凍
結乾燥標品の純度は96%以上と推定された。
【0076】実施例1に記載の方法と同様にして測定さ
れたこの百日咳菌LPSの物性は次の通りであった。百日咳菌LPSの物性 主要分子量=6,000±1,000(SDS−PAG
E法による) リン数=4/分子量6千 ヘキソサミン数=12/分子量6千 脂肪酸数=4/分子量6千 KDO数=2±1/分子量6千
れたこの百日咳菌LPSの物性は次の通りであった。百日咳菌LPSの物性 主要分子量=6,000±1,000(SDS−PAG
E法による) リン数=4/分子量6千 ヘキソサミン数=12/分子量6千 脂肪酸数=4/分子量6千 KDO数=2±1/分子量6千
【0077】又、同様にして測定された大腸菌LPSの
物性は次の通りであった。大腸菌LPSの物性 主要分子量=40,000±10,000 8,000±4,000 (SDS−PAGE法によ
る) リン数=12/分子量3万 ヘキソサミン数=45±6/分子量3万 脂肪酸数=18/分子量3万 KDO数=5±1/分子量3万
物性は次の通りであった。大腸菌LPSの物性 主要分子量=40,000±10,000 8,000±4,000 (SDS−PAGE法によ
る) リン数=12/分子量3万 ヘキソサミン数=45±6/分子量3万 脂肪酸数=18/分子量3万 KDO数=5±1/分子量3万
【0078】実験例1(免疫機能活性化効果) 各群2匹又は3匹のマウス(7週齢のオスC3H/H
e。平均体重25g。)の尾静脈に、1匹当たりリムラ
ス活性量で1、10、又は100μgのLPS1、LP
S2、LPS3を含む生理的食塩水0.2mlを注射
し、その1時間後に血清を採取し、L929細胞に対す
る毒性に基づいてTNF活性を測定した。結果を、各群
2匹又は3匹の平均として次表5に示す。なお、表中、
( )内はマウスの匹数を表す。
e。平均体重25g。)の尾静脈に、1匹当たりリムラ
ス活性量で1、10、又は100μgのLPS1、LP
S2、LPS3を含む生理的食塩水0.2mlを注射
し、その1時間後に血清を採取し、L929細胞に対す
る毒性に基づいてTNF活性を測定した。結果を、各群
2匹又は3匹の平均として次表5に示す。なお、表中、
( )内はマウスの匹数を表す。
【0079】
【表5】
【0080】実験例2(鎮痛効果) 7〜10週齢の各群5匹のC3H/He雄マウス(平均
体重約28g)に、LPS換算でそれぞれ0、1、5、
25、400μg/匹ずつの本発明のLPS3或は大腸
菌LPSを含むように調製した200μlの蒸留水をゾ
ンデで経口投与した。その1.5時間後に500μlの
0.7%酢酸を5分かけて腹腔内投与し、その後30分
間にわたり、各マウスの身もだえ回数を計数し、表6に
示す結果が得られた(各群5匹の平均)。表中、「−」
は該当量では測定しなかったことを示す。又、「身もだ
え阻止率(%)」は、次式により計算した。
体重約28g)に、LPS換算でそれぞれ0、1、5、
25、400μg/匹ずつの本発明のLPS3或は大腸
菌LPSを含むように調製した200μlの蒸留水をゾ
ンデで経口投与した。その1.5時間後に500μlの
0.7%酢酸を5分かけて腹腔内投与し、その後30分
間にわたり、各マウスの身もだえ回数を計数し、表6に
示す結果が得られた(各群5匹の平均)。表中、「−」
は該当量では測定しなかったことを示す。又、「身もだ
え阻止率(%)」は、次式により計算した。
【0081】
【数6】
【0082】
【表6】
【0083】図2は表6に示した結果をグラフ化したも
のである。図2より、LPS3の身もだえ阻止率ED50
は2.8μg/匹、大腸菌LPSのそれは17μg/匹
と推定された。従って、鎮痛効果に関しては、LPS3
は大腸菌LPSの約6倍の効果があると推定される。
のである。図2より、LPS3の身もだえ阻止率ED50
は2.8μg/匹、大腸菌LPSのそれは17μg/匹
と推定された。従って、鎮痛効果に関しては、LPS3
は大腸菌LPSの約6倍の効果があると推定される。
【0084】投与量、投与間隔、毒性値 本発明のLPSを免疫機能活性化剤或いは鎮痛剤とし
て、或いは、動物用の免疫機能活性化剤、或いは鎮痛剤
として投与するさいの量、投与間隔は、当然、担当医師
或いは獣医師の厳重な管理下、投与対象の年齢、症状、
体重、投与効果を勘案して個別に決定されるが、人間の
成人(60kg)で、経口投与で1μg〜100mg、
静脈投与で10ng〜10mg、経皮投与で100ng
〜1mgが1日1回の投与量の一応の目安となる。な
お、動物では、牛、馬等の大型動物は上記の量の60分
の1を体重1kg当たりの量の目安とし、豚、犬、猫等
の中型、小型の動物ではその2倍量を体重1kg当たり
の量の目安とし、鶏等の鳥類では更にその2倍量を体重
1kg当たりの量の目安とし投与できる。
て、或いは、動物用の免疫機能活性化剤、或いは鎮痛剤
として投与するさいの量、投与間隔は、当然、担当医師
或いは獣医師の厳重な管理下、投与対象の年齢、症状、
体重、投与効果を勘案して個別に決定されるが、人間の
成人(60kg)で、経口投与で1μg〜100mg、
静脈投与で10ng〜10mg、経皮投与で100ng
〜1mgが1日1回の投与量の一応の目安となる。な
お、動物では、牛、馬等の大型動物は上記の量の60分
の1を体重1kg当たりの量の目安とし、豚、犬、猫等
の中型、小型の動物ではその2倍量を体重1kg当たり
の量の目安とし、鶏等の鳥類では更にその2倍量を体重
1kg当たりの量の目安とし投与できる。
【0085】なお、ベ−レンス ケルバ−(Behre
ns K
ns K
【外1】 rber)法により測定した、7週齢の平均体重22g
のC3H/He雄マウスにおけるLPS1、LPS2、
LPS3のLD50はそれぞれ150、180、180
μg/匹であり、大腸菌LPSの値300μg/匹の6
0%以下であった。又、大腸菌LPS、百日咳菌LPS
(製造例1)の毒性値LD50 (1群2匹の雄BALB
/Cマウス、平均体重45g、における平均値)は静脈
内投与でそれぞれ3.4、11mg/kgであり、皮内
投与でそれぞれ16、32mg/kgだった。
のC3H/He雄マウスにおけるLPS1、LPS2、
LPS3のLD50はそれぞれ150、180、180
μg/匹であり、大腸菌LPSの値300μg/匹の6
0%以下であった。又、大腸菌LPS、百日咳菌LPS
(製造例1)の毒性値LD50 (1群2匹の雄BALB
/Cマウス、平均体重45g、における平均値)は静脈
内投与でそれぞれ3.4、11mg/kgであり、皮内
投与でそれぞれ16、32mg/kgだった。
【0086】
【発明の効果】本発明により新規な細菌、それに由来す
る新規なLPS、及びそれを含む新規な免疫機能活性化
剤、鎮痛剤、動物用の免疫機能活性化剤、鎮痛剤が提供
される。
る新規なLPS、及びそれを含む新規な免疫機能活性化
剤、鎮痛剤、動物用の免疫機能活性化剤、鎮痛剤が提供
される。
【0087】又、本発明のLPSは、常法により容易に
医薬、動物薬、検査薬、医薬部外品、化粧品、食品、機
能性食品、飲料、飼料その他の主成分として或は一成分
として配合することができる。
医薬、動物薬、検査薬、医薬部外品、化粧品、食品、機
能性食品、飲料、飼料その他の主成分として或は一成分
として配合することができる。
【図1】本発明のLPSの、SDS−PAGE法におけ
るパタ−ンを示す図である。
るパタ−ンを示す図である。
【図2】本発明のLPSの鎮痛効果を、大腸菌LPSと
の対比で示すグラフである。
の対比で示すグラフである。
図1において、1はLPS1の、2はLPS2の、3は
LPS3のパタ−ンを示す。図2において、□は本発明
のLPSの、○は大腸菌LPSのデ−タを示す。
LPS3のパタ−ンを示す。図2において、□は本発明
のLPSの、○は大腸菌LPSのデ−タを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 37/20 ADR AER C08B 37/00 P 7329−4C C12P 19/04 C 7432−4B //(C12N 1/20 C12R 1:01) (C12P 19/04 C12R 1:01) (72)発明者 月岡 大輔 千葉県千葉市春日1−21−17 (72)発明者 水野 伝一 神奈川県鎌倉市岡本18 (72)発明者 大島 治之 東京都八王子市館町1097館ケ丘団地2−1 −513
Claims (10)
- 【請求項1】 次の性質を有するLPS産生グラム陰性
短桿菌。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:黄〜クリ−ム色で丸形の不透明なコロ
ニ−を形成する。 SS寒天培地:白色で半透明なコロニ−を形成する。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成する。 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:+ (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:− アルギニンの分解:− フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:− - 【請求項2】 次の性質を有するLPS産生グラム陰性
短桿菌。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:クリ−ム色で不透明なコロニ−を形成
する。 SS寒天培地:赤色で不透明なコロニ−を形成する。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成する。 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:+ (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:+ アルギニンの分解:+ フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:+ - 【請求項3】 次の性質を有するLPS産生グラム陰性
短桿菌。 (a)形態 短桿状 運動性なし グラム染色性:− (b)生育状態 標準寒天培地:黄色で丸形の半透明なコロニ−を形成
する。 SS寒天培地:コロニ−を形成しない。 TSI寒天培地:斜面部での変化はないが、高層部は
黄変する。ガスを生成しない。 (c)生理的性質 フォ−ゲス・プロスカウエル反応:+ インド−ルの生成:− 硫化水素の生成:− クエン酸の利用:+ ウレア−ゼ:− オキシダ−ゼ:− O−Fテスト:+ (d)炭素源の利用性 ラクト−ス:+ アドニット:− ラムノ−ス:+ マンニット:+ エスクリン:+ イノシット:− ソルビット:+ アラビノ−ス:+ ラフィノ−ス:− (10)シュクロ−ス:+ (e)その他 リジンの脱炭酸反応:− マロン酸の利用:+ アルギニンの分解:− フェニルアラニンの脱アミノ化反応:− オルニチンの脱炭酸反応:− - 【請求項4】 次の物性を示す、請求項1記載の細菌に
由来するLPS。 主要分子量:5,000±1,000(SDS−PAG
E法による) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:9±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000 - 【請求項5】 次の物性を示す、請求項2記載の細菌に
由来するLPS。 主要分子量:6,500±2,500(SDS−PAG
E法による) リン数:1〜2/分子量5,000 ヘキソサミン数:7±1/分子量5,000 KDO数:1〜2/分子量5,000 - 【請求項6】 次の物性を示す、請求項3記載の細菌に
由来するLPS。 主要分子量:6,500±2,500(SDS−PAG
E法による) リン数:2±1/分子量5,000 ヘキソサミン数:5±1/分子量5,000 KDO数:2±1/分子量5,000 - 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかの項に記載のL
PS及びそれらの混合物からなる群から選択されるLP
Sを含む免疫機能活性化剤。 - 【請求項8】 請求項4〜6のいずれかの項に記載のL
PS及びそれらの混合物からなる群から選択されるLP
Sを含む鎮痛剤。 - 【請求項9】 請求項4〜6のいずれかの項に記載のL
PS及びそれらの混合物からなる群から選択されるLP
Sを含む動物用免疫機能活性化剤。 - 【請求項10】 請求項4〜6のいずれかの項に記載の
LPS及びそれらの混合物からなる群から選択されるL
PSを含む動物用鎮痛剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4332205A JPH0690745A (ja) | 1990-08-20 | 1992-11-19 | Lps産生菌、lps、lpsを含む医薬及び動物薬 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2218599A JPH0499481A (ja) | 1990-08-20 | 1990-08-20 | 新規細菌、新規lps、新規免疫機能活性化剤、新規動物用免疫機能活性化剤 |
JP2-312932 | 1990-11-20 | ||
JP31293290 | 1990-11-20 | ||
JP2-218599 | 1990-11-20 | ||
JP4332205A JPH0690745A (ja) | 1990-08-20 | 1992-11-19 | Lps産生菌、lps、lpsを含む医薬及び動物薬 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3291845A Division JPH0678756A (ja) | 1990-08-20 | 1991-08-20 | Lps産生菌、lps、lpsを含む医薬及び動物薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0690745A true JPH0690745A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=27330168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4332205A Pending JPH0690745A (ja) | 1990-08-20 | 1992-11-19 | Lps産生菌、lps、lpsを含む医薬及び動物薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0690745A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006518350A (ja) * | 2003-02-18 | 2006-08-10 | クリニーク ラ プレリー リサーチ エスエー | 胎児ヘモグロビン、細菌エンドトキシン、および任意でさらなる胎児肝成分を含む組成物 |
JP2007202562A (ja) * | 2003-09-26 | 2007-08-16 | Genichiro Soma | 発酵及び培養方法、植物発酵エキス、植物発酵エキス末並びに該植物発酵エキス配合物 |
JP2013136787A (ja) * | 2005-11-28 | 2013-07-11 | Genichiro Soma | リポ多糖、リポ多糖製造方法及びリポ多糖配合物 |
JP2018044038A (ja) * | 2016-09-12 | 2018-03-22 | 有限会社バイオメディカルリサーチグループ | リポ多糖、リポ多糖製造方法及びリポ多糖配合物 |
-
1992
- 1992-11-19 JP JP4332205A patent/JPH0690745A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006518350A (ja) * | 2003-02-18 | 2006-08-10 | クリニーク ラ プレリー リサーチ エスエー | 胎児ヘモグロビン、細菌エンドトキシン、および任意でさらなる胎児肝成分を含む組成物 |
JP2007202562A (ja) * | 2003-09-26 | 2007-08-16 | Genichiro Soma | 発酵及び培養方法、植物発酵エキス、植物発酵エキス末並びに該植物発酵エキス配合物 |
JP2008183011A (ja) * | 2003-09-26 | 2008-08-14 | Genichiro Soma | 発酵及び培養方法、植物発酵エキス、植物発酵エキス末並びに該植物発酵エキス配合物 |
JP2011193877A (ja) * | 2003-09-26 | 2011-10-06 | Genichiro Soma | 発酵及び培養方法、植物発酵エキス、植物発酵エキス末並びに該植物発酵エキス配合物 |
US8075928B2 (en) | 2003-09-26 | 2011-12-13 | Gen-Ichiro Soma | Method for fermentation and cultivation, fermented plant extract, fermented plant extract powder, and composition containing the extract of fermented plant |
US9394513B2 (en) | 2003-09-26 | 2016-07-19 | Gen-Ichiro Soma | Method for fermentation and cultivation, fermented plant extract, fermented plant extract powder, and composition containing the extract of fermented plant |
JP2013136787A (ja) * | 2005-11-28 | 2013-07-11 | Genichiro Soma | リポ多糖、リポ多糖製造方法及びリポ多糖配合物 |
US10017727B2 (en) | 2005-11-28 | 2018-07-10 | Gen-Ichiro Soma | Method for fermentation and culture, fermented plant extract, fermented plant extract composition, method for producing lipopolysaccharide and lipopolysaccharide |
JP2018044038A (ja) * | 2016-09-12 | 2018-03-22 | 有限会社バイオメディカルリサーチグループ | リポ多糖、リポ多糖製造方法及びリポ多糖配合物 |
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