JPH0686109B2 - レトルト殺菌包装材料用複合フィルム積層体 - Google Patents
レトルト殺菌包装材料用複合フィルム積層体Info
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- JPH0686109B2 JPH0686109B2 JP60142415A JP14241585A JPH0686109B2 JP H0686109 B2 JPH0686109 B2 JP H0686109B2 JP 60142415 A JP60142415 A JP 60142415A JP 14241585 A JP14241585 A JP 14241585A JP H0686109 B2 JPH0686109 B2 JP H0686109B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はレトルト殺菌包装材料用複合フィルム積層体に
関する。
関する。
従来の技術 近年、消費者の便宜性と省エネルギーの点から調理済み
食品やレトルト殺菌済み食品として常温流通及び常温長
期保存を前提とした食品が増加してきているのは周知の
通りである。特にレトルト食品としてカレーをはじめ、
種々様々な多くの食品が利用されている。また包装食品
の加熱殺菌や加熱調理において内容物の食品の味覚、風
味、外観などを損なわないように高温短時間処理が行な
われている傾向にあり、最内層のシーラント層としては
ポリプロピレン系フィルムを用いた複合フィルムがこの
分野の主流になりつつあるのが現状である。
食品やレトルト殺菌済み食品として常温流通及び常温長
期保存を前提とした食品が増加してきているのは周知の
通りである。特にレトルト食品としてカレーをはじめ、
種々様々な多くの食品が利用されている。また包装食品
の加熱殺菌や加熱調理において内容物の食品の味覚、風
味、外観などを損なわないように高温短時間処理が行な
われている傾向にあり、最内層のシーラント層としては
ポリプロピレン系フィルムを用いた複合フィルムがこの
分野の主流になりつつあるのが現状である。
常温流通、常温長期保存といっても0℃以下の寒冷地で
の保存、流通も考えられることから、前記複合フィルム
には、耐熱性と同時に耐寒性も要求されている。かかる
要請から前記フィルムには、エチレン−プロピレンブロ
ック共重合体、又はエチレン−プロピレンランダム共重
合体にエチレン−プロピレン共重合ゴム(EPR)をブレ
ンドしたものやプロピレンホモ重合体にエチレン−プロ
ピレン共重合ゴム(EPR)をブレンドしたものなどから
成るフィルムが用いられている。即ち、これらのフィル
ムはエチレン−プロピレンブロック共重合体をベースに
するフィルムと、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EP
R)をブレンドしたフィルムの二種に大別される。
の保存、流通も考えられることから、前記複合フィルム
には、耐熱性と同時に耐寒性も要求されている。かかる
要請から前記フィルムには、エチレン−プロピレンブロ
ック共重合体、又はエチレン−プロピレンランダム共重
合体にエチレン−プロピレン共重合ゴム(EPR)をブレ
ンドしたものやプロピレンホモ重合体にエチレン−プロ
ピレン共重合ゴム(EPR)をブレンドしたものなどから
成るフィルムが用いられている。即ち、これらのフィル
ムはエチレン−プロピレンブロック共重合体をベースに
するフィルムと、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EP
R)をブレンドしたフィルムの二種に大別される。
一方レトルト食品包材としては透明包材と不透明包材に
大別できる。一般に透明包材とはポリエチレンテレフタ
レートフィルム/未延伸ナイロンフィルム/ポリプロピ
レンフィルムの構成のものであり、多くはポリプロピレ
ンフィルムとしてエチレン−プロピレン共重合ゴムをエ
チレン−プロピレンランダム共重合体もしくはプロピレ
ンホモ重合体にブレンドして成形したフィルムが用いら
れる。
大別できる。一般に透明包材とはポリエチレンテレフタ
レートフィルム/未延伸ナイロンフィルム/ポリプロピ
レンフィルムの構成のものであり、多くはポリプロピレ
ンフィルムとしてエチレン−プロピレン共重合ゴムをエ
チレン−プロピレンランダム共重合体もしくはプロピレ
ンホモ重合体にブレンドして成形したフィルムが用いら
れる。
不透明包材は一般にはポリエチレンテレフタレートフィ
ルム/アルミニウム箔/ポリプロピレンフィルムの構成
のものであり、ポリプロピレンフィルムとしてはエチレ
ン−プロピレン共重合ゴムをエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体もしくはプロピレンホモ重合体にブレンド
して成形したフィルム及びエチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体を成形したフィルムの両方が用いられてい
る。
ルム/アルミニウム箔/ポリプロピレンフィルムの構成
のものであり、ポリプロピレンフィルムとしてはエチレ
ン−プロピレン共重合ゴムをエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体もしくはプロピレンホモ重合体にブレンド
して成形したフィルム及びエチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体を成形したフィルムの両方が用いられてい
る。
つまり、エチレン−プロピレン共重合ゴムをエチレン−
プロピレンランダム共重合体もしくはプロピレンホモ重
合体にブレンドして成形した透明なフィルムは包材とし
て透明、不透明の両分野に使用することが可能である。
しかし、エチレン−プロピレンブロック共重合体を成形
した不透明なフィルムは包材として不透明な分野には使
用できるが、透明性を必要とする分野には使用できな
い。
プロピレンランダム共重合体もしくはプロピレンホモ重
合体にブレンドして成形した透明なフィルムは包材とし
て透明、不透明の両分野に使用することが可能である。
しかし、エチレン−プロピレンブロック共重合体を成形
した不透明なフィルムは包材として不透明な分野には使
用できるが、透明性を必要とする分野には使用できな
い。
発明が解決しようとする問題点 レトルトの条件が高温短時間化していることは既に述べ
た通りであるが、今日では、多量の商品を処理する上で
もレトルトの条件は、更に一層高温短時間化しつつあ
る。しかるに、現在最も多量に使われているエチレン−
プロピレン共重合ゴムをエチレン−プロピレンランダム
共重合体にブレンドして成形した透明なフィルムは高温
のレトルト温度でフィルム同士が融着を起し、実用上ま
たは外観上大きな障害となっている。更に、透明性の悪
いエチレン−プロピレンブロック共重合体を成形したフ
ィルムもエチレン−プロピレン共重合ゴムをエチレン−
プロピレンランダム共重合体にブレンドして成形したフ
ィルムも高温短時間殺菌用の透明包材としては使用し得
ないのがこれまでの実情であった。
た通りであるが、今日では、多量の商品を処理する上で
もレトルトの条件は、更に一層高温短時間化しつつあ
る。しかるに、現在最も多量に使われているエチレン−
プロピレン共重合ゴムをエチレン−プロピレンランダム
共重合体にブレンドして成形した透明なフィルムは高温
のレトルト温度でフィルム同士が融着を起し、実用上ま
たは外観上大きな障害となっている。更に、透明性の悪
いエチレン−プロピレンブロック共重合体を成形したフ
ィルムもエチレン−プロピレン共重合ゴムをエチレン−
プロピレンランダム共重合体にブレンドして成形したフ
ィルムも高温短時間殺菌用の透明包材としては使用し得
ないのがこれまでの実情であった。
従って、前記したように従来のエチレン−プロピレンブ
ロック共重合体を成形したフィルムやエチレン−プロピ
レン共重合ゴムをエチレン−プロピレンランダム共重合
体にブレンドして成形したフィルムが時代の要請に沿っ
た高温短時間殺菌用の透明包材として使用し得ないこと
であり、本発明者らはかかる観点から高温短時間殺菌の
可能な透明包材複合ポリプロピレンフィルム及びその積
層体を開発すべき鋭意研究を進めたのである。
ロック共重合体を成形したフィルムやエチレン−プロピ
レン共重合ゴムをエチレン−プロピレンランダム共重合
体にブレンドして成形したフィルムが時代の要請に沿っ
た高温短時間殺菌用の透明包材として使用し得ないこと
であり、本発明者らはかかる観点から高温短時間殺菌の
可能な透明包材複合ポリプロピレンフィルム及びその積
層体を開発すべき鋭意研究を進めたのである。
問題点を解決するための手段及びその作用効果 本発明に従えば、(i)ポリプロピレン又はエチレン−
プロピレンランダム共重合体から成る第1層、 (ii)エチレン−プロピレンブロック共重合体と該ブロ
ック共重合体中のゴム成分と良相溶性のポリオレフィン
系重合体とのブレンドから成る第2層、及び (iii)ポリプロピレンホモ重合体又はエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体から成る第3層の複合フィルム
を透明な基材フィルムに積層して成るレトルト殺菌包装
材料用複合フィルム積層体が提供される。
プロピレンランダム共重合体から成る第1層、 (ii)エチレン−プロピレンブロック共重合体と該ブロ
ック共重合体中のゴム成分と良相溶性のポリオレフィン
系重合体とのブレンドから成る第2層、及び (iii)ポリプロピレンホモ重合体又はエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体から成る第3層の複合フィルム
を透明な基材フィルムに積層して成るレトルト殺菌包装
材料用複合フィルム積層体が提供される。
本発明の複合フィルムの第1層及び第3層フィルムはポ
リプロピレン及びエチレン−プロピレンランダム共重合
体から成形される。ポリプロピレンとしては特別に規定
はしないが、フィルムへの成形性からMFI(JIS−K−67
58に準じ、230℃にて測定)が0.5〜20のものが好まし
い。エチレン−プロピレンランダム共重合体としては、
レトルト処理に対する耐熱性の点から融点が145℃以上
であることが必要であり、コポリマーとなるエチレン濃
度は3重量%以下であるのが望ましい。
リプロピレン及びエチレン−プロピレンランダム共重合
体から成形される。ポリプロピレンとしては特別に規定
はしないが、フィルムへの成形性からMFI(JIS−K−67
58に準じ、230℃にて測定)が0.5〜20のものが好まし
い。エチレン−プロピレンランダム共重合体としては、
レトルト処理に対する耐熱性の点から融点が145℃以上
であることが必要であり、コポリマーとなるエチレン濃
度は3重量%以下であるのが望ましい。
本発明の複合フィルムの第2層フィルムはエチレン−プ
ロピレンブロック共重合体と該ブロック共重合体中のゴ
ム成分と良相溶性のポリオレフィン系樹脂とのブレンド
から成形される。エチレン−プロピレンブロック共重合
体としては耐寒性を維持するためにはエチレン濃度は高
いほどよいが、成形上と溶媒の抽出から20重量%以下で
あることが好ましい。
ロピレンブロック共重合体と該ブロック共重合体中のゴ
ム成分と良相溶性のポリオレフィン系樹脂とのブレンド
から成形される。エチレン−プロピレンブロック共重合
体としては耐寒性を維持するためにはエチレン濃度は高
いほどよいが、成形上と溶媒の抽出から20重量%以下で
あることが好ましい。
本発明者らは前記エチレン−プロピレンブロック共重合
体に該ブロック共重合体中のゴム成分と良相溶性のポリ
オレフィン系樹脂をブレンドして使用することにより当
該フィルムの透明性も改良できることを見出した。
体に該ブロック共重合体中のゴム成分と良相溶性のポリ
オレフィン系樹脂をブレンドして使用することにより当
該フィルムの透明性も改良できることを見出した。
即ち、本発明者らの知見によれば、エチレン−プロピレ
ンブロック共重合体は表面同様にその内部においてもゴ
ム成分の点在が認められた。このゴム成分の粒経は0.8
〜3μφ、光の波長0.4〜0.65μより大きいためフィル
ム内の通過する光の屈折と反射を生ぜしめ、フィルム全
体を通過する光の量(エネルギー)を低下させてしま
う。このために、エチレン−プロピレンブロック共重合
体フィルムの透明性(内部ヘイズ)は必ずしも十分でな
かったのである。つまり、ゴム成分の粒度を小さくすれ
ばかかる現象を排除することが可能となるのである。重
合的に粒度を小さくするためには、ゴム成分分子量を小
さくするなどの方法が考えられるが、ゴム成分の分子量
を小さくすると分子量とともにフィルムの低温耐衝撃性
を低下してしまうので本発明の前記用途には不適当にな
ってしまうので好ましくない。そこで本発明者らはゴム
成分の分子量を下げることなく、ゴム成分の粒径を小さ
くすべく検討をすすめた結果、周囲のプロピレン重合体
に対するよりもゴム成分との相溶性が良好であり、しか
もゴム成分よりも粘度の低いポリマーをエチレン−プロ
ピレンブロック共重合体に溶融ブレンドすることにより
かかる目的を達成することができることを見出したので
ある。
ンブロック共重合体は表面同様にその内部においてもゴ
ム成分の点在が認められた。このゴム成分の粒経は0.8
〜3μφ、光の波長0.4〜0.65μより大きいためフィル
ム内の通過する光の屈折と反射を生ぜしめ、フィルム全
体を通過する光の量(エネルギー)を低下させてしま
う。このために、エチレン−プロピレンブロック共重合
体フィルムの透明性(内部ヘイズ)は必ずしも十分でな
かったのである。つまり、ゴム成分の粒度を小さくすれ
ばかかる現象を排除することが可能となるのである。重
合的に粒度を小さくするためには、ゴム成分分子量を小
さくするなどの方法が考えられるが、ゴム成分の分子量
を小さくすると分子量とともにフィルムの低温耐衝撃性
を低下してしまうので本発明の前記用途には不適当にな
ってしまうので好ましくない。そこで本発明者らはゴム
成分の分子量を下げることなく、ゴム成分の粒径を小さ
くすべく検討をすすめた結果、周囲のプロピレン重合体
に対するよりもゴム成分との相溶性が良好であり、しか
もゴム成分よりも粘度の低いポリマーをエチレン−プロ
ピレンブロック共重合体に溶融ブレンドすることにより
かかる目的を達成することができることを見出したので
ある。
かかるブレンド成分としては好ましくは例えばMIが5以
上の低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレ
ン−プロピレン共重合ゴム及びエチレン−酢酸ビニル共
重合体などをあげることができる。溶融ブレンド法とし
ては通常の押出機を通す程度の簡単な方法でよい。かか
るブレンド成分のエチレン−プロピレンブロック共重合
体に対するブレンド割合には特に限定はないが、例え
ば、エチレン−プロピレンブロック共重合体に高フロー
低密度ポリエチレンをブレンドした例をSEM(走査型電
子顕微境)写真で観察すると、ゴム成分粒子径はブレン
ド量で増大とともに減少し、ブレンド量が10重量%以上
では、ゴム成分の粒子径は光の波長以下の平均0.4μφ
となることを確認した。エチレン−プロピレンブロック
共重合体中のゴム量と等しい量までブレンドするのが最
もよい。しかし、それ以上ブレンドした場合にはその透
明性は逆に低下していく傾向にある。これはゴム成分内
へ混入できる量を超えるためであり、余った重合体分は
ポリプロピレン相に残留し、ポリプロピレンとの相溶性
が悪いためにポリプロピレン部分本体の透明性を低下さ
せるためと考えられる。
上の低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレ
ン−プロピレン共重合ゴム及びエチレン−酢酸ビニル共
重合体などをあげることができる。溶融ブレンド法とし
ては通常の押出機を通す程度の簡単な方法でよい。かか
るブレンド成分のエチレン−プロピレンブロック共重合
体に対するブレンド割合には特に限定はないが、例え
ば、エチレン−プロピレンブロック共重合体に高フロー
低密度ポリエチレンをブレンドした例をSEM(走査型電
子顕微境)写真で観察すると、ゴム成分粒子径はブレン
ド量で増大とともに減少し、ブレンド量が10重量%以上
では、ゴム成分の粒子径は光の波長以下の平均0.4μφ
となることを確認した。エチレン−プロピレンブロック
共重合体中のゴム量と等しい量までブレンドするのが最
もよい。しかし、それ以上ブレンドした場合にはその透
明性は逆に低下していく傾向にある。これはゴム成分内
へ混入できる量を超えるためであり、余った重合体分は
ポリプロピレン相に残留し、ポリプロピレンとの相溶性
が悪いためにポリプロピレン部分本体の透明性を低下さ
せるためと考えられる。
前記透明基材フィルムに使用する基材フィルムとして
は、例えば、PETフィルム、ナイロンフィルム、エバー
ルフィルムなどの単味フィルムや2種以上のフィルムの
複合フィルムなどの透明で高光沢フィルムを用いること
ができ、前記第1層、第2層及び第3層からなる複合フ
ィルムを基材フィルムにドライラミ接着法をはじめとす
る任意の方法で接着剤を介して複合化せしめることがで
きる。
は、例えば、PETフィルム、ナイロンフィルム、エバー
ルフィルムなどの単味フィルムや2種以上のフィルムの
複合フィルムなどの透明で高光沢フィルムを用いること
ができ、前記第1層、第2層及び第3層からなる複合フ
ィルムを基材フィルムにドライラミ接着法をはじめとす
る任意の方法で接着剤を介して複合化せしめることがで
きる。
このようにして本発明者らは、エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体と該ブロック共重合体中のゴム成分と良
相溶性のポリオレフィン系重合体をブレンドした層の両
外面にポリプロピレン又はエチレン−プロピレン共重合
体を共押出ダイスでフィルム成形することにより、又は
これをドライラミネートなどの方法により接着剤を介し
て透明な基材フィルム層に積層せしめることによって、
透明なハイレトルト複合ポリプロピレンフィルム又は透
明レトルト用フィルム(含ボイル)を得ることに成功し
たのである。
ロック共重合体と該ブロック共重合体中のゴム成分と良
相溶性のポリオレフィン系重合体をブレンドした層の両
外面にポリプロピレン又はエチレン−プロピレン共重合
体を共押出ダイスでフィルム成形することにより、又は
これをドライラミネートなどの方法により接着剤を介し
て透明な基材フィルム層に積層せしめることによって、
透明なハイレトルト複合ポリプロピレンフィルム又は透
明レトルト用フィルム(含ボイル)を得ることに成功し
たのである。
レトルト殺菌時の高温により、フィルムが白化すること
がよくあるが、本発明の複合フィルムはゴム粒子自体が
光の波長以下の粒径であるため、二次結晶化の進行によ
る界面でのヒズミも光透過にあまり影響を与えず、プロ
ピレンホモ重合体と同程度の透明性をもち、一般に市販
されているエチレン−プロピレンランダム共重合体にエ
チレン−プロピレン共重合ゴムをブレンドしたフィルム
よりも透明性に優れている。複合フィルムの製造に際
し、各層を接合する方法は、共押出法、ラミネーション
法、接着剤による貼り合せ法などのいずれでもよいが、
共押出法が生産性に優れているので好ましい。
がよくあるが、本発明の複合フィルムはゴム粒子自体が
光の波長以下の粒径であるため、二次結晶化の進行によ
る界面でのヒズミも光透過にあまり影響を与えず、プロ
ピレンホモ重合体と同程度の透明性をもち、一般に市販
されているエチレン−プロピレンランダム共重合体にエ
チレン−プロピレン共重合ゴムをブレンドしたフィルム
よりも透明性に優れている。複合フィルムの製造に際
し、各層を接合する方法は、共押出法、ラミネーション
法、接着剤による貼り合せ法などのいずれでもよいが、
共押出法が生産性に優れているので好ましい。
例えば、以下の実施例でも説明するように、こうして得
られたエチレン−プロピレンブロック共重合体と良相溶
性のポリオレフィン系重合体を1種以上ブレンドしたフ
ィルムの両面に前記ポリプロピレン又はエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体を積層した3層複合フィルム又
はこれを透明なナイロン又はポリエチレンテレフタレー
トなどの基材樹脂フィルムとラミネーションした複合フ
ィルム積層耐熱性を、この本発明に従ったフィルムを内
面として13cm×17cmの3方シール袋を作成し、サラダ油
20/水80のブレンド液を150ml注入し、残る一方をヒート
シールし、135℃×20分のレトルト殺菌を行なって、外
観及び内容物の透視性を観察したが、同時テストを行な
ったエチレン−プロピレンランダム共重合体にエチレン
−プロピレンランダム共重合体ゴムをブレンドした現在
市販のフィルム製のものに比べ失透は少なく、外観の変
化もなく、状態は極めて良好であった。更に、エチレン
−プロピレンブロック共重合体を用いることにより、−
10℃以下の極低温域での耐寒強度も向上し、実用物性と
しての落下破袋率も小さくなり、包材としての安全性が
増した。
られたエチレン−プロピレンブロック共重合体と良相溶
性のポリオレフィン系重合体を1種以上ブレンドしたフ
ィルムの両面に前記ポリプロピレン又はエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体を積層した3層複合フィルム又
はこれを透明なナイロン又はポリエチレンテレフタレー
トなどの基材樹脂フィルムとラミネーションした複合フ
ィルム積層耐熱性を、この本発明に従ったフィルムを内
面として13cm×17cmの3方シール袋を作成し、サラダ油
20/水80のブレンド液を150ml注入し、残る一方をヒート
シールし、135℃×20分のレトルト殺菌を行なって、外
観及び内容物の透視性を観察したが、同時テストを行な
ったエチレン−プロピレンランダム共重合体にエチレン
−プロピレンランダム共重合体ゴムをブレンドした現在
市販のフィルム製のものに比べ失透は少なく、外観の変
化もなく、状態は極めて良好であった。更に、エチレン
−プロピレンブロック共重合体を用いることにより、−
10℃以下の極低温域での耐寒強度も向上し、実用物性と
しての落下破袋率も小さくなり、包材としての安全性が
増した。
実施例 以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲をこ
れらの実施例に限定するものでないことはいうまでもな
い。以下の例において「%」は特にことわらない限り
『重量%』を表わす。
れらの実施例に限定するものでないことはいうまでもな
い。以下の例において「%」は特にことわらない限り
『重量%』を表わす。
実施例1 MFR(JIS−K−6758に準じ230℃にて測定)が1.5、エチ
レン含量12%のエチレン−プロピレンブロック共重合体
にMFRが15の低密度ポリエチレン(L−LDPE)15%を溶
融プレブレンドした樹脂をベース層にし、その両面をMF
Rが10のポリプロピレンで構成する2種3層フィルムを
ダイ温度250℃のTダイ成形機で成形し、70μ厚の複合
フィルムを得た。
レン含量12%のエチレン−プロピレンブロック共重合体
にMFRが15の低密度ポリエチレン(L−LDPE)15%を溶
融プレブレンドした樹脂をベース層にし、その両面をMF
Rが10のポリプロピレンで構成する2種3層フィルムを
ダイ温度250℃のTダイ成形機で成形し、70μ厚の複合
フィルムを得た。
実施例2 実施例1のMFRが15のL−LDPEをMFRが6のエチレン−プ
ロピレン共重合ゴム(EPR)をかえた以外は実施例1と
同様にして複合フィルムを成形した。
ロピレン共重合ゴム(EPR)をかえた以外は実施例1と
同様にして複合フィルムを成形した。
実施例3 実施例1のMFRが15のL−LDPEをMFRが8の高密度ポリエ
チレンにかえた以外は実施例1と同様にして複合フィル
ムを成形した。
チレンにかえた以外は実施例1と同様にして複合フィル
ムを成形した。
実施例4 実施例1のMER=10のプロピレンホモポリマーに変えてM
FRが10のエチレン−プロピレンランダム共重合体を用い
て実施例1と同様にして複合フィルムを成形した。
FRが10のエチレン−プロピレンランダム共重合体を用い
て実施例1と同様にして複合フィルムを成形した。
比較例1 MFRが1.5でエチレン含量が12%のエチレン−プロピレン
ブロック共重合体を単独でダイ温度250℃のTダイ成形
機で成形し、厚さ70μのフィルムを得た。
ブロック共重合体を単独でダイ温度250℃のTダイ成形
機で成形し、厚さ70μのフィルムを得た。
比較例2 エチレン−プロピレンランダム共重合体にエチレン−プ
ロピレンゴム15%をブレンドし、単層のフィルムを成形
した。
ロピレンゴム15%をブレンドし、単層のフィルムを成形
した。
比較例3 MFRが1.5でエチレン含量が12%のエチレン−プロピレン
ブロック共重合体をベース層とし、その両面にMFRが10
のポリプロピレンホモ層(8μ)で構成する2種3層フ
ィルムをダイ温度250℃のTダイ成形機で成形し、厚さ7
0μのフィルムを得た。
ブロック共重合体をベース層とし、その両面にMFRが10
のポリプロピレンホモ層(8μ)で構成する2種3層フ
ィルムをダイ温度250℃のTダイ成形機で成形し、厚さ7
0μのフィルムを得た。
実施例1〜5及び比較例1〜2の各種3層のフィルムを
2種3層ダイを有するTダイ成形機で多層フィルム成形
し、その物性を測定するとともに、ナイロンフィルムと
ウレタン系接着剤でドライラミネートを実施し、170mm
×130mmの大きさの三方ヒートシールパウチを3kg/cm2の
加圧下250℃、0.5secの条件で作成し、水とサラダ油の
混合物180mlを充填し、もう一方の開口部をヒートシー
ルし、135℃×15分間の高温加熱レトルト殺菌処理を行
なった。レトルト殺菌処理後、その外観を観察するとと
もに、充填液の温度が−5℃となる雰囲気中で落袋を実
施した。
2種3層ダイを有するTダイ成形機で多層フィルム成形
し、その物性を測定するとともに、ナイロンフィルムと
ウレタン系接着剤でドライラミネートを実施し、170mm
×130mmの大きさの三方ヒートシールパウチを3kg/cm2の
加圧下250℃、0.5secの条件で作成し、水とサラダ油の
混合物180mlを充填し、もう一方の開口部をヒートシー
ルし、135℃×15分間の高温加熱レトルト殺菌処理を行
なった。レトルト殺菌処理後、その外観を観察するとと
もに、充填液の温度が−5℃となる雰囲気中で落袋を実
施した。
結果は第1表に示す通りであった。
(第1表脚注) *1:インパクトは東洋精機(株)製のフィルムインパク
トテスターを用い、低温とは−5℃雰囲気下で常温23℃
雰囲気下で測定を実施した。
トテスターを用い、低温とは−5℃雰囲気下で常温23℃
雰囲気下で測定を実施した。
*2:レトルト通性とは複合ポリプロピレンフィルム同士
を密着させた状態で四方ヒートシールを行ない、これを
135℃×30分のレトルト殺菌処理をしたうえで四方ヒー
トシール内のフィルム同士の融着状態を観察する。
を密着させた状態で四方ヒートシールを行ない、これを
135℃×30分のレトルト殺菌処理をしたうえで四方ヒー
トシール内のフィルム同士の融着状態を観察する。
*3:低温落袋とは130mm×170mmの形状のパウチを作成
し、水とサラダ油を50/50にブレンドした液を150ml充填
封入したのち−20℃の雰囲気下で1.0mの高さからコンク
リート面へ垂直落下させ、そのときの破袋率をとった。
し、水とサラダ油を50/50にブレンドした液を150ml充填
封入したのち−20℃の雰囲気下で1.0mの高さからコンク
リート面へ垂直落下させ、そのときの破袋率をとった。
Claims (1)
- 【請求項1】(i)ポリプロピレン又はエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体から成る第1層、 (ii)エチレン−プロピレンブロック共重合体と該ブロ
ック共重合体中のゴム成分と良相溶性のポリオレフィン
系重合体とのブレンドから成る第2層、及び (iii)ポリプロピレンホモ重合体又はエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体から成る第3層の複合フィルム
を透明な基材フィルムに積層して成るレトルト殺菌包装
材料用複合フィルム積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60142415A JPH0686109B2 (ja) | 1985-07-01 | 1985-07-01 | レトルト殺菌包装材料用複合フィルム積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60142415A JPH0686109B2 (ja) | 1985-07-01 | 1985-07-01 | レトルト殺菌包装材料用複合フィルム積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS623950A JPS623950A (ja) | 1987-01-09 |
JPH0686109B2 true JPH0686109B2 (ja) | 1994-11-02 |
Family
ID=15314800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60142415A Expired - Lifetime JPH0686109B2 (ja) | 1985-07-01 | 1985-07-01 | レトルト殺菌包装材料用複合フィルム積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0686109B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
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JP3817990B2 (ja) * | 1999-10-13 | 2006-09-06 | 大日本インキ化学工業株式会社 | 包装用積層フィルム |
JP4923338B2 (ja) * | 2001-06-20 | 2012-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 電池用包装材料 |
JP7047967B2 (ja) * | 2020-06-12 | 2022-04-05 | 凸版印刷株式会社 | 多層フィルム、包装材及び包装体 |
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TWI813315B (zh) * | 2022-05-30 | 2023-08-21 | 南亞塑膠工業股份有限公司 | 蒸煮袋用聚丙烯薄膜 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS598228B2 (ja) * | 1975-02-04 | 1984-02-23 | 吉崎 鴻造 | 食品包装用袋 |
JPS53128684A (en) * | 1977-04-15 | 1978-11-09 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | Food wrapping material |
JPS5672042A (en) * | 1979-11-16 | 1981-06-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | Polyolefin resin composition |
-
1985
- 1985-07-01 JP JP60142415A patent/JPH0686109B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS623950A (ja) | 1987-01-09 |
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Date | Code | Title | Description |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |