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JPH0680752A - ポリウレタン製制振用成形物及びその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン製制振用成形物及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0680752A
JPH0680752A JP3274792A JP27479291A JPH0680752A JP H0680752 A JPH0680752 A JP H0680752A JP 3274792 A JP3274792 A JP 3274792A JP 27479291 A JP27479291 A JP 27479291A JP H0680752 A JPH0680752 A JP H0680752A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
polyurethane
group
damping
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3274792A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Miyawaki
正 宮脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP3274792A priority Critical patent/JPH0680752A/ja
Publication of JPH0680752A publication Critical patent/JPH0680752A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリウレタン製制振用成形物の制振性を一段
と向上させ、また制振材中に固体充填材を均一に分散さ
せて、制振性を更に向上させたポリウレタン製制振用成
形物及びその製造方法を提供する。 【構成】 予め金型のキャビティ面11に固体充填材9
を散布し、キャビティ面11に密着して置かれた接着層
8に固着した後、該キャビティ内にC5からC9系の脂
環族樹脂と、室温で液状であるポリオキシアルキレンポ
リオールを主成分とする、室温から100°Cで液状流
動性を持つポリオール系と、分子内に2官能以上のイソ
シアネート基を持つ液状流動性物質を触媒の存在下で攪
拌混合し、得られた液状原料を注型し、重付加反応す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン製制振用成
形物及びその製造方法に係り、詳しくはエンジン、モー
ター等の振動によって車体、船体、航空機体、事務機器
のシャーシ、洗濯機等の家庭電化製品、空調機、局所排
風機のダクト等が振動し、騒音が発生する場合にこの振
動を制するために振動部に貼り付けて使用されるポリウ
レタン製制振用成形物及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から主に用いられている制振材は、
アスファルト、ゴム状粘弾性物質、プラスチック等と、
無機質充填材とをバンリーミキサー等で混練後、シート
状にカレンダー成形されたものである。これらは、既に
室温で固体であるポリマー状態にした材料から加工する
ため、また2層構造の非拘束タイプ制振材として使われ
る場合、制振効果を向上するために多量の無機質充填材
を配合するので、射出成形、押し出し成形しょうとして
も多くの制限が加わり、かつ成形には熱と圧力のエネル
ギーを多く要した。
【0003】一方、エポキシ樹脂による制振材は、エポ
キシ基を有する液状オリゴマーと液状のポリアミンとに
よって反応固化させるので、液状で型内へ注型して自由
な成形物を得ることができる。しかし、エポキシ樹脂は
上記シート状成形物と比べても制振性能が低い。その理
由の1つに液状原料中に無機質充填材を混合した後、攪
拌混合して固化させるので、充分な量の無機質充填材を
充填しようとすると、粘度が上昇して攪拌混合が出来な
くなるからである。
【0004】また、エポキシ基のアミンとの開環反応
は、芳香族イソシアネートとポリオールとの重付加反応
に比べると反応が起こりにくい。一方、衛生面において
も従来品は問題があった。即ち、エポキシ樹脂中のエポ
キシ基、芳香族ポリアミン、及びシート状成形物中のア
スファルトには発ガン性が認められている。
【0005】更に、従来のポリウレタン製制振材は、ポ
リオールとしてポリプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリエステルを用い、これを芳香族イソ
シアネートと重付加反応させて得ている。これらの従来
のポリウレタンは硬度を上げる際、ポリオール成分のO
H値を高くし、分子網目を密にすることによる効果を狙
ったものであるが、これによってセグメント間のミクロ
ブラウン運動が起きにくくなり、動的弾性率E’は上が
るが、tanδは小さくなり、制振性は向上しない。即
ち、従来の柔らかいポリウレタンについては動的弾性率
E’が足りなく、一方,硬いポリウレタンについてはt
anδが小さいため、2層構造の非拘束制振材には不向
きであった。
【0006】また、従来の制振材は殆ど全ての場合、無
機質充填材を多量に配合し、動的弾性率E’を高めて制
振効果を上げているが、このためRIM等の液状反応成
形を困難にしている。RRIMによってかなり無機質充
填材を充填出来るが、制振材で充填される約20〜20
0重量%のレベルには反応しにくい。しかも、粉状でな
く鱗片状の充填材を用いる場合は、ミキシングへッドの
ノズルを充填材が通り抜けないので不可能に近い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を改善するもので、ポリウレタン製制振用成形物の
制振性を一段と向上させ、また制振材中に固体充填材を
均一に分散させて、制振性を更に向上させたポリウレタ
ン製制振用成形物及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の特徴とす
るところは、C5からC9系の脂環族樹脂と、室温で液
状であるポリオキシアルキレンポリオールを主成分とす
る、室温から100°Cで液状流動性を持つポリオール
と、分子内に2官能以上のイソシアネート基を持つ液状
流動性物質とを、触媒の存在下で攪拌混合した後、型内
へ注型し、重付加反応して得られることを特徴とするポ
リウレタン製制振用成形物にある。
【0009】更には、予め金型のキャビティ面に固体充
填材を散布し、キャビティ面に密着して置かれた接着層
に固着した後、該キャビティ内にC5からC9系の脂環
族樹脂と、室温で液状であるポリオキシアルキレンポリ
オールを主成分とするところの、室温から100°Cで
液状流動性を持つポリオールと、分子内に2官能以上の
イソシアネート基を持つ液状流動性物質とを触媒の存在
下で攪拌混合し、得られた液状原料を注型し、重付加反
応するポリウレタン製制振用成形物の製造方法にある。
【0010】即ち、本発明においては、室温で固体のC
5からC9系の脂環族樹脂と室温で約2,000cps
以下の低粘度のポリオキシアルキレンポリオールに溶解
して得る室温から100°Cで液状流動性を持つポリオ
ール、及び室温で液状流動性のイソシアネート基を分子
内に2官能以上持つ液状流動性物質を主原料とするの
で、従来のポリウレタンやエポキシ樹脂等と同じくRI
M等の注型機を用い、あるいは人手による攪拌で100
°C以下の温度で、且つ約10kg/cm2 の低圧で注
型出来るので、成形が自由であり成形にエネルギーを要
しない。
【0011】しかも、該ポリウレタンは従来のように分
子網目の密度を高くすることによって硬くしたのではな
く、C5からC9系の脂環族樹脂の分子主鎖の剛直性に
よって硬くしているので、振動エネルギーが分子網目間
のセグメントのミクロブラウン運動によって熱エネルギ
ーに変換されやすくなって制振性が向上している。
【0012】この効果は、C5からC9系の脂環族樹脂
が他のポリマー、例えばポリエチレン、ポリアクリロニ
トリルのように1個の炭素原子から側鎖がでているので
はなく、2個の炭素原子から側鎖が出て、それが環を形
成しているので、より効果的になっていると想像され
る。制振性は一般に制振用成形物のガラス転移付近で最
大となるが、この温度は使用用途に応じてポリオキシア
ルキレンポリオールとC5からC9系の脂環族樹脂との
配合比を変えることによって調整できる。
【0013】また、C5からC9系の脂環族樹脂をポリ
オール系中に配合することによってイソシアネート系と
の反応性が落ちる心配はない。なぜなら、分子末端に1
級OHを持つポリプロピレングリコールとポリエチレン
グリコールとの共重合体、及びイソシアネートとして芳
香族のものを用いれば反応性はエポキシ樹脂等と比べ極
めて速く、室温、常圧で数分以内に硬化する。なお、C
5からC9系の脂環族樹脂としてOH基、NH2 基、N
H基のいずれかを有するテレケリックポリマーを用いれ
ば、イソシアネートとの反応性が落ちることはない。
【0014】更に、本発明において固体充填材を注型前
の原料中に配合するのではなく、原料を注型する前の型
のキャビティ面に散布し、且つ注型原料の流れに押し流
されないように固着した後に注型するので、従来のカレ
ンダー成形機によるシート状成形物と同じく無機質充填
材を多量に含み、動的弾性率E’を高めることができる
る。
【0015】金型のキャビティ面に予め散布する固体充
填材の固着法としては、上面に接着層を有する膜をキャ
ビティ面に密着して置く方法や、キャビティ下面の全面
にわたり固体充填材の粒径と同程度の凹凸パターンを設
ける方法がある。更に、キャビティ面が曲面をもの場合
には、接着層を上面に有するシート、例えばポリエチレ
ン、ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性シート片面
に接着層を設けたものを吸引用の連通穴を有するキャビ
ティ面に設置し、真空成形することによって該面に密接
する方法がある。制振用成形物の動的弾性率E’を効果
的に上げるためには、キャビティ面に凹凸を設けて固体
充填材を固定するよりは、上面に接着層を有する膜を設
ける方法が良い。尚、衛生面については、本発明のポリ
ウレタンはアスファルトやエポキシ樹脂のエポキシ基
や、芳香族ポリアミド硬化剤が持つ発ガン性がないとい
う長所も持っている。
【0016】本発明で使用するC5からC9系の脂環族
樹脂としては、石油のC5又はC9系留分で、ジシクロ
ペンタジエン、ビニルトルエン、インデン等の環状の分
子構造と重合用の二重結合を持つモノマーからの重合物
であり、加熱溶融後、ポリオキシアルキレンポリオール
に溶解する都合上、軟化点が100°C付近のものが良
い。また、ポリオキシアルキレンポリオールとの相溶性
の点から、分子内にカルボニル基やOH基、NH基、N
2 基等の極性基を持つものが良い。OH基、NH基、
NH2 基を持つものは相溶性のみならず、イソシアネー
トとの反応性を有するのでより望ましい。具体例として
は、C5系石油留分からのジシクロペンタジエン樹脂で
末端OH基を持ち、数平均分子量が400程度のものが
ある。また、C9系石油樹脂としては水添又は未水添の
ビニルトルエンとインデンの重合体がある。
【0017】ポリオキシアルキレンポリオールとして
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル及びこれらの共重合体があるが、分子末端に1級OH
基を持つものが反応性が高いので望ましい。官能基数と
して2つものが粘度を上げない点と、分子網目を粗にし
制振性が高くなり易い点で望ましい。分子量は500〜
2,000程度のもが良い。2,000より分子量が高
いと、C5からC9系の脂環族樹脂を溶かした場合、粘
度が上がり注型機のポンプ用モーターに負荷が大きくか
かる。一方、分子量が500未満であると、粘度が低く
なるが、C5からC9系の脂環族樹脂との相溶性が悪く
なる。
【0018】分子内に2官能以上のイソシアネート基を
持つ液状流動性物質としては、反応性の点で芳香族イソ
シアネートが望ましいが、変色してはならないので用途
には脂肪族イソシアネートが使われるが、その場合は強
い触媒が必要である。具体的には、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、P−フェ
ニレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジメチルト
リフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネート、ポリフェニレンポリメチル
イソシアネート等が挙げられる。また、ポリオキシアル
キレンポリオールが2官能として分子量を下げて粘度を
低くし、C5からC9系の脂環族樹脂を出来るだけ粘度
を上げずに配合できる効果を有するため、イソシアネー
ト側で多官能のものを用いる法が良い。そのため、ジフ
ェニルメタンジイソシアネートやトリレンジイソシアネ
ートよりは、ポリフェニレンポリメチルイソシアネー
ト、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネートが望まし
い。
【0019】触媒には、トリエチレンジアミン、トリエ
チルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチル
エタノールアミン等の3級アミン、有機スズ等がある。
【0020】固体充填材としては、従来制振材に用いら
れているマイカ、ガラス繊維、タルク、炭酸カルシウ
ム、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、鉄、鉛等の
小粒があげられる。本発明においては従来再生利用され
なかった熱硬化性樹脂、例えばポリウレタン、エポキ
シ、フェノールノボラック樹脂等を数mm大に砕いた粒
も使える。特に、成形機にかけないので粉状にする必要
はない。逆に粉状にすると、型内で原料が粉の間に浸透
しにくいので不利である。例えば、粉状の炭酸カルシウ
ムよりは、数mm大の寒水石の方が望ましい。マイカに
あっては色々な粒径のものがあるが、従来成形機の都合
上使用出来なかった数mm大の粒径のものが、むしろ本
発明においては向いている。
【0021】尚、無くてもよいがジメチルポリシロキサ
ン化合物を若干量加えると、ポリオール系とイソシアネ
ート系の相溶性が上がり攪拌ムラの少ない均一なポリウ
レタンが得られやすい。
【0022】
【実施例】以下に本発明を具体的な実施例により、更に
詳細に説明する。 実施例1 ポリオール系としてC5系脂環族樹脂としてジシクロペ
ンタジエン樹脂(数平均分子量380、OH価220
〔mgKOH/g〕、軟化点100°C)を60重量
部、ポリオキシアルキレンポリオールとして末端1級O
H化ポリプロピレングリコール(官能基数2、OH価1
11〔mgKOH/g〕、粘度〔cps、25°C〕)
を40重量部用い、120°C下の液状で両者を混合し
た。得られたポリオール系は、粘度が7400〔cp
s、25°C〕、1200〔cps、60°C〕の液状
であった。
【0023】これを、ポリフェニレンポリメチルイソシ
アネート(NCO%、31%、粘度200〔cps、2
5°C〕)を37.3重量部及び触媒としてトリエチレ
ンジアミンを0.72重量部、相溶化剤としてジメチル
ポリシロキサンを0.72重量部と60°Cで混合し、
直ちに図1に示すようなキャビティ2の断面形状を持つ
金型1に注型した。この時の型温は23°Cであった。
成形物の比重は1.1であつた。5分後脱型したところ
図2に示す形状のポリウレタン製制振用成形物3が得ら
れた。
【0024】該成形物3から200mm×10mmの短
冊を切り取り、220mm×10mm×0.8mmのS
PCCの冷間圧延鋼板に接着剤で貼り付け、JASO−
M306、M329に類似の方法により損失係数を測定
した。測定温度は室温、40°C、60°C、80°
C、100°Cとした。結果は図6に示すように下記の
比較例1、2、3と同等であり、且つ大きな成形エネル
ギーを使わなくても数分で自由な成形物を得られるの
で、これを複雑な形状の部分の制振に使用出来る。
【0025】実施例2 図3に示すように実施例1で用いた200mm×200
mm×3mmのキャビティ形状を持つ金型5に、約19
0mm×190mmの両面接着テープ6の一方の面から
剥離紙7を剥がしたものを、接着層8を上にして、該キ
ャビティ下面に置いた。次に該テープ6の上に粒径約3
mmの寒水石からなる固体充填材9を104g散布し
た。この型内に実施例1と同じ液状原料を攪拌混合直
後、注型し、5分後に脱型したところ、該寒水石粒が成
形物内にほぼ均一に分散したポリウレタン成形物が得ら
れた。
【0026】この時、型温は23°Cであり注型圧力は
ほぼ常圧に近かった。また、成形物の比重は1.4であ
り、寒水石粒の充填率は約35%であった。この成形物
から実施例1と同様に短冊を切り取り損失係数を測定し
た。その結果、図6に示すように本実施例2の成形物
は、30°C以上の温度で比較例1、2、3より高い制
振性を示した。
【0027】実施例3 図4のように型面に接着層8を設けたポリエチレンシー
トからなるシート10を接着層を上に向けて加熱真空成
形し、キャビティ面11に密着させた後、寒水石からな
る固体充填材9を104gを散布した。この型内に実施
例1と同じ液状原料を攪拌混合直後、注型し、5分後脱
型したところ寒水石が均一に分散した図5のようなポリ
ウレタン製制振用成形物12が得られた。型温は23°
Cであり、注型圧力は常圧に近かった。この制振用成形
物の制振性能は実施例2と同じであった。
【0028】実施例1と同原料で、型は200mm×2
00mm×3mmキャビティのものを用いたが、固体充
填材として自動車バンパー用にRRIM成形されたガラ
ス繊維含有ポリウレタンを約3mm大に破砕したものを
用いた。該固体充填材の充填量は42gであり、制振用
成形物の充填率は約18重量%であった。また、成形物
の比重は1.1であった。また、該成形物から実施例1
と同様に短冊を切り取り、損失係数を測定した結果を図
6に示す。
【0029】比較例1 シート状態で使われている塩ビ、アクリルゴム系制振材
(厚み3mm)を用いた。比重は1.8であった。これ
から実施例1と同様に短冊を切り取り、損失係数を測定
した。結果を図6に示す。
【0030】比較例2 同じくシート状態で使われている配向マイカ系制振材
(厚み3mm)を用いた。比重は1.7であった。これ
から実施例1と同様に短冊を切り取り損失係数を測定し
た。結果を図6に示す。この制振材はマイカを配向させ
て制振性を上げているので、成形上に多くの制約が加わ
ると想像される。
【0031】比較例3 エポキシ樹脂系制振材でガラス繊維をごく少量充填した
もので厚み3mmのシート状に成形されたものを用い
た。比重は1.1であった。これから実施例1と同様に
短冊を切り取って損失係数を測定した。結果を図6に示
す。
【0032】比較例4 実施例1の液状原料からC5系脂環族樹脂を除いたもの
を200mm×200mm×3mmのキャビティを有す
る型に注型した。注温は23°Cであった。5分後脱型
して成形物を得、これを実施例1と同様に短冊に切り取
り、損失係数を測定した。その結果、20°C〜100
°Cの範囲では、損失係数はほぼ0.01であり、実施
例1の成形物に比べてはるかに制振性が劣っていること
が判った。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明においては、ポリオ
ールと分子内に2官能以上のイソシアネート基を持つ液
状流動性物質の反応が容易であることに加え、C5から
C9系の脂環族樹脂にもOH基等の官能基を持たせてテ
レケリックポリマーとしているので、多くの触媒を使わ
なくとも硬化が速く、成形が迅速であり、しかも制振性
が格段に向上している。更に、本発明のように固体充填
材を予め型のキャビティ内面に分散着させた後、キャビ
ティ内に液状原料を注型するために固体充填材を均一に
分散させることができて、制振性を向上させた制振用成
形物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用する金型の断面図である。
【図2】図1で示す金型から得られたポリウレタン製制
振用成形物の斜視図である。
【図3】実施例2におけるポリウレタン製制振用成形物
の製造方法を示す図である。
【図4】実施例3におけるポリウレタン製制振用成形物
の製造方法を示す図である。
【図5】実施例3の方法によって得られたポリウレタン
製制振用成形物の斜視図である。
【図6】本発明の実施例及び比較例の制振用成形物の損
失係数と温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 3 ポリウレタン製制振用成形物 6 両面接着テープ 7 剥離紙 8 接着層 9 固体充填材 10 シート 11 キャビティ面 12 ポリウレタン製制振用成形物
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】 また、エポキシ基のアミンとの開環反応
は、芳香族イソシアネートとポリオールとの重付加反応
に比べると反応が起こりにくい。一方、衛生面において
も従来品は問題があった。即ち、エポキシ樹脂中のエポ
キシ基、芳香族ポリアミンには発がん性が認められてい
る。又、アスファルトは繰り返し暴露によってざ瘡、角
化症がおこり、まれには皮膚および肺の悪性腫瘍をおこ
す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 金型のキャビティ面に予め散布する固
体充填材の固着法としては、上面に接着層を有する膜を
キャビティ面に密着して置く方法や、キャビティ下面の
全面にわたり固体充填材の粒径と同程度の凹凸パターン
を設ける方法がある。更に、キャビティ面が曲面をも
場合には、接着層を上面に有するシート、例えばポリエ
チレン、ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性シート
片面に接着層を設けたものを吸引用の連通穴を有するキ
ャビティ面に設置し、真空成形することによって該面に
密接する方法がある。制振用成形物の動的弾性率E’を
効果的に上げるためには、キャビティ面に凹凸を設けて
固体充填材を固定するよりは、上面に接着層を有する膜
を設ける方法が良い。尚、衛生面については、本発明の
ポリウレタンはエポキシ樹脂のエポキシ基や、芳香族ポ
リアミド硬化剤が持つ発ガン性がなく、又、アスファル
トの持つざ瘡、角化症、皮膚および肺の悪性腫瘍に対す
る危険性もないという長所も持っている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】 本発明で使用するC5からC9系の脂
環族樹脂としては、石油のC5又はC9系留分で、ジシ
クロペンタジエン等の環状の分子構造と重合用の二重結
合を持つモノマーからの重合物、クマロンインデン樹
脂、ロジン変成樹脂、ポリテルペン樹脂、脂環族系水添
石油樹脂等がある。これらは加熱溶融後、ポリオキシア
ルキレンポリオールに溶解する都合上、軟化点が150
°C以下のものが良い。また、ポリオキシアルキレンポ
リオールとの相溶性の点から、分子内にカルボニル基や
OH基、NH基、NH基等の極性基を持つものが良
い。OH基、NH基、NH基を持つものは相溶性のみ
ならず、イソシアネートとの反応性を有するのでより望
ましい。具体例としては、C5系石油留分からのジシク
ロペンタジエン樹脂で末端OH基を持ち、数平均分子量
が400程度のものがある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C5からC9系の脂環族樹脂と、室温で
    液状であるポリオキシアルキレンポリオールを主成分と
    する、室温から100°Cで液状流動性を持つポリオー
    ルと、分子内に2官能以上のイソシアネート基を持つ液
    状流動性物質とを、触媒の存在下で攪拌混合した後、型
    内へ注型し、重付加反応して得られることを特徴とする
    ポリウレタン製制振用成形物。
  2. 【請求項2】 C5からC9系の脂環族樹脂が、分子内
    に少なくともOH基、NH2 基、NH基のいずれかを有
    するテレケリックポリマーである請求項1記載のポリウ
    レタン製制振用成形物。
  3. 【請求項3】 イソシアネート基を持つ液状流動性物質
    が、芳香族イソシアネートである請求項1記載のポリウ
    レタン製制振用成形物。
  4. 【請求項4】 成形物中に粒状固体充填材が分散してい
    る請求項1記載のポリウレタン製制振用成形物。
  5. 【請求項5】 予め金型のキャビティ面に固体充填材を
    散布し、キャビティ面に密着して置かれた接着層に固着
    した後、該キャビティ内にC5からC9系の脂環族樹脂
    と、室温で液状であるポリオキシアルキレンポリオール
    を主成分とする、室温から100°Cで液状流動性を持
    つポリオールと、分子内に2官能以上のイソシアネート
    基を持つ液状流動性物質とを触媒の存在下で攪拌混合
    し、得られた液状原料を注型し、重付加反応することを
    特徴とするポリウレタン製制振用成形物の製造方法。
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