JPH0674148U - 四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブ - Google Patents
四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブInfo
- Publication number
- JPH0674148U JPH0674148U JP2093393U JP2093393U JPH0674148U JP H0674148 U JPH0674148 U JP H0674148U JP 2093393 U JP2093393 U JP 2093393U JP 2093393 U JP2093393 U JP 2093393U JP H0674148 U JPH0674148 U JP H0674148U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- tear
- medical device
- tetrafluoroethylene resin
- molecular weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
(57)【要約】
【構成】 本考案は、カテーテル等の線状または管状の
医療器具(20)を生体内に導入するにあたり、チューブ
(1) 中空部内に該医療器具(20)を挿通し、導入後にハブ
(3) チューブ本体(2) を引き裂いて抜き去り、該医療器
具(20)を生体内に留置する医療器具導入用引裂きチュー
ブ(1) であって、チューブ材質が、97〜50重量%の四弗
化エチレン樹脂と3 〜50重量%の低分子量のフッ素樹脂
との混合物からなることを特徴とする四弗化エチレン樹
脂製引裂きチューブ。 【効果】 本考案によれば、引裂き強さが小さく、安定
した引裂き性の医療器具導入用引裂きチューブが得られ
る。
医療器具(20)を生体内に導入するにあたり、チューブ
(1) 中空部内に該医療器具(20)を挿通し、導入後にハブ
(3) チューブ本体(2) を引き裂いて抜き去り、該医療器
具(20)を生体内に留置する医療器具導入用引裂きチュー
ブ(1) であって、チューブ材質が、97〜50重量%の四弗
化エチレン樹脂と3 〜50重量%の低分子量のフッ素樹脂
との混合物からなることを特徴とする四弗化エチレン樹
脂製引裂きチューブ。 【効果】 本考案によれば、引裂き強さが小さく、安定
した引裂き性の医療器具導入用引裂きチューブが得られ
る。
Description
【0001】
この考案は、カテーテル、ガイドワイヤー等を生体内に挿入、留置する場合に 用いられる医療器具導入用の四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブに関する。
【0002】
従来、カテーテル、ガイドワイヤー等の線状あるいは管状の医療用器具を皮膚 を通して生体内に導入する場合、可撓性を有する合成樹脂製の医療器具導入用チ ューブが用いられている。
【0003】 図1は、本考案が関連する医療器具導入用引裂きチューブの正面図である。同 図の引裂きチューブ1において、2はチューブ本体、3は筒状のハブ、3a はハ ブ周壁の対向位置に軸心と平行に設けられた2 本のスリット、3b はハブの突片 である。次に、生体へカテーテルを挿入する場合の引裂きチューブの使用方法を 、図2によって説明する。まず、図示していないが、ハブ3からチューブ本体2 に注射筒の針を挿通し、針先端がチューブ本体2の先端から突出したところで、 注射針を図2の血管10内に穿刺する。次いで、注射筒を針とともに引き抜き、 カテーテル20をハブ3からチューブ本体2に挿通して血管10内にまで導入す る。
【0004】 この医療器具導入用チューブは、カテーテル、ガイドワイヤー等を体内に導入 した後では不要であり、衛生的にも好ましくなく、またその後の医療行為の妨げ にもなる。そこでカテーテル、ガイドワイヤー等を体内に導入したままの状態で この不要となった医療器具導入用チューブを取り除くために、そのチューブをそ の押出方向に引き裂く方法が行われている。すなわち、ハブ3の突片3b を掴ん で、スリット3a に沿って引き裂きながら体内からチューブ本体2を引き抜く。
【0005】 ペースト押出し法で成形される四弗化エチレン樹脂製チューブはチューブの押 出し方向への配向性が大きく、引き裂けるので上記用途に好適である。しかし従 来のペースト押出し法で成形される四弗化エチレン樹脂製チューブは、そのまま では医療器具導入用チューブとして必要な易引裂き性、即ち軽く引き裂ける低い 引裂き強さとチューブの長さの最後まで安定した引裂き性が得られないため、よ り配向性を持たせる方法が種々提案されている。例えば四弗化エチレン樹脂チュ ーブに延伸加工を施す方法やペーストを押し出す時の押出し速度を上げ、焼成温 度を下げて四弗化エチレン樹脂チューブの焼成度合いを低くする方法等が提案さ れている。
【0006】
しかしながら、このような従来の四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブに延伸 加工を施すためには、特殊な装置が必要であり、操作も面倒で、得られたチュー ブは高価なものになるという問題点があった。また四弗化エチレン樹脂チューブ の焼成度合いを下げる方法では、焼成ムラが起こりやすく、その結果チューブの 引裂き強さのバラツキが大きく、安定した引裂き性が得られないという問題点が あった。
【0007】
この考案は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、カテーテル 等の線状または管状の医療器具を生体内に導入するにあたり、チューブ中空部内 に該医療器具を挿通し、導入後にチューブを引き裂いて抜き去り、該医療器具を 生体内に留置する医療器具導入用引裂きチューブであって、チューブ材質が、97 〜50重量%の四弗化エチレン樹脂と3 〜50重量%の低分子量のフッ素樹脂との混 合物からなることを特徴とする四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブである。特 に好適な引裂きチューブは、低分子量のフッ素樹脂が、分子量 5,000〜600,000 であり、且つ粒径が40μm 以下であるものである。
【0008】 本考案で使用される四弗化エチレン樹脂は、ペースト押出し用ファインパウダ ーなどで粒径300 μm 程度のものが好ましい。
【0009】 本考案で使用される低分子量のフッ素樹脂のフッ素樹脂としては、四弗化エチ レン(PTFE)樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニル エーテル共重合体(PFA)樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプ ロピレン共重合体(FEP)樹脂などが挙げられる。また低分子量のフッ素樹脂 粉末は、それ自身押し出し時に繊維化しないフッ素樹脂として、分子量 5,000〜 600,000 、特に250,000 〜600,000 であることがより好ましい。また、その粒径 が40μm 以下であれば、均質肉厚のチューブを押し出すことができる。
【0010】 上述したペースト押出し用四弗化エチレン樹脂粉末に低分子量のフッ素樹脂粉 末を添加すると、添加した低分子量のフッ素樹脂粉末は繊維化しないため押し出 し時にペースト押出し用四弗化エチレン樹脂粉末により一層剪断力が加わり、押 出しチューブの配向性が増し、引裂き安定性が向上する。
【0011】 低分子量のフッ素樹脂粉末の配合量が3 重量%より少ないと配向性が低く、安 定した引裂き性が得られない。また50重量%より多いと成形性が悪くなりチュー ブ表面の平滑性が低下する。なお、チューブの焼成条件等の選択は、本考案の場 合、引裂き強さ、引裂き安定性には関係がない。
【0012】
以下、この考案を実施例に基づいて説明する。
【0013】 実施例1 ペースト押し出し用四弗化エチレン樹脂粉末(三井デュポンフロロケミカル( 株)製テフロン6J)80重量%と低分子量の四弗化エチレン樹脂粉末(三井デュ ポンフロロケミカル(株)製TLP10F−1)20重量%とを混合後、全量に対 し17.5重量%の押出し助剤(エクソン化学(株)製アイソバーG)を加え、混合 、24℃、1 昼夜熟成してチューブ成形用原料とした。この成形用原料を用いて、 ペースト押出し成形機で、内径 1.8mm、外径 2.1mmのチューブを押し出した。押 し出したチューブは、連続的に400 〜450 ℃の乾燥炉、焼成炉を通して焼成した 。こうして得られた四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブの引裂き強さと引裂き 安定性を下記の方法で試験し、その結果を表1に示した。
【0014】 実施例2〜5 四弗化エチレン(PTFE)樹脂に対して、低分子量の四弗化エチレン(PT FE)樹脂粉末の添加量を第1表に示したように変えた実施例2〜4と、低分子 量のテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体( PFA)樹脂粉末を添加した実施例5は、実施例1と同様の方法でチューブを作 成した。その結果を表1に示した。
【0015】 比較例1〜2 低分子量のフッ素樹脂粉末を添加せず、実施例1と同じ条件で作成した比較例 1のチューブと、低分子量のフッ素樹脂粉末を添加せず、乾燥炉、焼成炉の設定 温度を30℃低くした以外は実施例1と同じ条件で作成した比較例2のチューブを 得た。これらの結果も表1に示した。
【0016】 試験方法は次のとおりである。
【0017】 (1) 引裂き強さ チューブを長さ100mm にカットし、片端の中心に40mmの長さにスリットを入れ 、このスリットにより分割されたチューブ両端を引張試験機のチャックでつかみ 、引張速度 200mm/min で引き裂き、その最大値を引裂き強さの測定値とした。 そしてn =20の測定値の平均を引裂き強さとし、また 3σを求めた。
【0018】 (2) 引裂き安定性 チューブを長さ300mm にカットし、前記(1) と同様に40mmの長さにスリットを 入れ、スリットにより分割されたチューブ両端をつかんで、引張速度 200mm/mi n で引き裂き、チューブの全長にわたって引き裂けたものを良、引き裂けなかっ たものを不良と評価した。
【0019】
【表1】 (単位)
【0020】
表1の結果からわかるとおり、ペースト押出法で成形される四弗化エチレン樹 脂製チューブは、通常押し出しダイス通過時の繊維化により、押し出し方向に配 向しているが、従来チューブでは比較例1,2のように、医療器具導入用チュー ブとして必要な易引裂き性は得られない。本考案によれば、それ自身は繊維化せ ずに結果的に四弗化エチレン樹脂の配向を促進させる低分子量のフッ素樹脂を混 合した原料を用いることにより、通常のペースト押出し成形法で目的とする四弗 化エチレン樹脂製引裂きチューブが得られる。
【0021】 このように本考案の四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブは、特別な製造設備 や器具を用いることなく簡単に成形することができる。また焼成温度を下げる必 要がないので、焼成ムラによる引裂き強さのバラツキも小さく、安定した引裂き 性が得られる。またチューブの押出し方向の配向性が大きいので、引裂き強さを 小さくできる。さらに、チューブ端面の周方向のどの位置からも容易に引き裂く ことができ、また長さ方向に30cm以上にわたってまっすぐに引き裂くことができ るので、医療器具導入用の四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブとして必要な易 引裂き性を十分有しているものである。
【図1】図1は本考案に関連する引裂きチューブの正面
図である。
図である。
【図2】図2は本考案に関連する引裂きチューブの使用
説明図である。
説明図である。
1 引裂きチューブ 2 チューブ本体 3 ハブ 3a スリット 3b 突片 20 カテーテル
Claims (2)
- 【請求項1】 カテーテル等の線状または管状の医療器
具を生体内に導入するにあたり、チューブ中空部内に該
医療器具を挿通し、導入後にチューブを引き裂いて抜き
去り、該医療器具を生体内に留置する医療器具導入用引
裂きチューブであって、チューブ材質が、97〜50重量%
の四弗化エチレン樹脂と3 〜50重量%の低分子量のフッ
素樹脂との混合物からなることを特徴とする四弗化エチ
レン樹脂製引裂きチューブ。 - 【請求項2】 低分子量のフッ素樹脂が、分子量 5,000
〜600,000 であり、且つ粒径が40μm 以下である請求項
1記載の四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993020933U JP2528627Y2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993020933U JP2528627Y2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0674148U true JPH0674148U (ja) | 1994-10-21 |
JP2528627Y2 JP2528627Y2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=12041019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993020933U Expired - Lifetime JP2528627Y2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2528627Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007139044A1 (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-06 | Junkosha Inc. | フッ素樹脂製の引き裂き性のチューブ |
WO2008007680A1 (fr) * | 2006-07-14 | 2008-01-17 | Junkosha Inc. | Tube déchirable de fluororésine |
US11072107B2 (en) | 2019-04-05 | 2021-07-27 | Junkosha Inc. | Method for providing semi-worked product and mandrel covered with long body |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62101261A (ja) * | 1985-10-28 | 1987-05-11 | テルモ株式会社 | 医療器具導入用チユ−ブおよびそれを備えた医療器具導入用組立体 |
JPH02102668A (ja) * | 1988-10-04 | 1990-04-16 | Catheter Technol Corp | 剥脱中空シース及びその製作方法 |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP1993020933U patent/JP2528627Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62101261A (ja) * | 1985-10-28 | 1987-05-11 | テルモ株式会社 | 医療器具導入用チユ−ブおよびそれを備えた医療器具導入用組立体 |
JPH02102668A (ja) * | 1988-10-04 | 1990-04-16 | Catheter Technol Corp | 剥脱中空シース及びその製作方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007139044A1 (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-06 | Junkosha Inc. | フッ素樹脂製の引き裂き性のチューブ |
WO2008007680A1 (fr) * | 2006-07-14 | 2008-01-17 | Junkosha Inc. | Tube déchirable de fluororésine |
US11072107B2 (en) | 2019-04-05 | 2021-07-27 | Junkosha Inc. | Method for providing semi-worked product and mandrel covered with long body |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2528627Y2 (ja) | 1997-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4222655B2 (ja) | 医療用チューブ | |
US8192373B2 (en) | Medical guide wire and process for production thereof | |
US4381008A (en) | Methods of improving surface characteristics of extruded thermoplastic tubing and products produced thereby | |
US6358460B1 (en) | Method for tip forming peelable PTFE tubing | |
EP1110577A1 (en) | Peelable PTFE sheath and method of manufacture of same | |
CA1311590C (en) | Apparatus and method for extruding and expanding polytetrafluoroethylene tubing and the products produced thereby | |
KR101844628B1 (ko) | 인열성을 가지는 열수축 튜브 | |
JPS62101261A (ja) | 医療器具導入用チユ−ブおよびそれを備えた医療器具導入用組立体 | |
JP4968823B2 (ja) | フッ素樹脂製の引き裂き性のチューブ | |
WO2006077951A1 (ja) | カテーテルおよびその製造方法 | |
WO2007046348A1 (ja) | 医療用カテーテルチューブ及びその製造方法 | |
US20230277342A1 (en) | Low bleed implantable prosthesis with a taper | |
JPS63226361A (ja) | 多孔質柔軟性で放射状に膨張させたフルオロポリマー類及びその製造方法 | |
JPH0674148U (ja) | 四弗化エチレン樹脂製引裂きチューブ | |
JP2881939B2 (ja) | 手術用縫合糸及びその製造方法 | |
JP2007229452A (ja) | 医療用チューブ及びその製造方法 | |
JP3664169B2 (ja) | 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、その製造方法、及び複合体 | |
JP4889007B2 (ja) | フッ素樹脂製の引き裂き性のチューブ | |
JPWO2003093356A1 (ja) | 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体とその製造方法 | |
JP3124402U (ja) | ダイレーターおよびシースイントロデューサー | |
JP2006034894A (ja) | 医療用チューブ | |
JP5639354B2 (ja) | 医療用チューブ | |
JP2007130436A (ja) | 瘻孔造設術用拡張器 | |
CN115670769B (zh) | 一种消化道膜管及其制备方法 | |
CN118340937B (zh) | 穿刺后可止血的膨体ptfe人造血管及制备方法和应用 |