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JPH0662810B2 - ポリオレフイン粉末組成物 - Google Patents

ポリオレフイン粉末組成物

Info

Publication number
JPH0662810B2
JPH0662810B2 JP60141320A JP14132085A JPH0662810B2 JP H0662810 B2 JPH0662810 B2 JP H0662810B2 JP 60141320 A JP60141320 A JP 60141320A JP 14132085 A JP14132085 A JP 14132085A JP H0662810 B2 JPH0662810 B2 JP H0662810B2
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JP
Japan
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polymerization
polyolefin
molecular weight
ethylene
range
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP60141320A
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JPS621736A (ja
Inventor
道春 菅
義徳 赤名
英男 石川
章文 加藤
Original Assignee
三井石油化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三井石油化学工業株式会社 filed Critical 三井石油化学工業株式会社
Priority to JP60141320A priority Critical patent/JPH0662810B2/ja
Publication of JPS621736A publication Critical patent/JPS621736A/ja
Publication of JPH0662810B2 publication Critical patent/JPH0662810B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は極限粘度の大巾に異なる2種のポリオレフイン
から実質的になるポリオレフイン粉末組成物に関する。
さらに詳しくはポリオレフイン樹脂の如き熱可塑性樹脂
の改質剤として均一配合性および改質効果に優れたポリ
オレフイン粉末組成物に関する 従来の技術 ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフインは
軽量で経済性に優れかつ溶融成形性に優れていることか
ら、押出成形、ブロー成形、射出成形などの溶融成形に
よつて容易に成形され、汎用用途に利用されている。し
かし、これらのポリオレフインのうちでエチレンを主成
分として含むエチレン系重合体、とりわけチーグラー型
重合触媒によつて重合したエチレン系重合体は溶融成形
性には優れているものの、とくにブロー成形の分野にお
いては溶融張力及び溶融弾性が不足し、その結果成形時
にドローダウンの現象が起り易かつたり、成形品にウエ
ルドラインが発生するという欠点があり、それらの改善
が強く要望されている。従来、ポリオレフインのかかる
物性を改善しようとする試みが提案されている。例え
ば、ポリオレフインの製造時における触媒およびその組
成や重合処方を改良することによりその目的を達成しよ
うとする方法、改質剤を配合することにより同様の目的
を達成しようとする方法或いはポリオレフインを部分的
に架橋させることにより同様の目的を達成しようとする
方法などが試みられている。
しかしながら、いずれの方法も煩雑でありまたその改善
の程度も小さいという難点がある。それ故、上記提案に
もかかわらずさらに溶融張力及び溶融弾性に優れたポリ
オレフインが求められている。
また、ポリオレフインのうちでポリプロピレンやポリ‐
1-ブテンなどは溶融成形性には優れているが、成形物の
耐衝撃性、とくに低温耐衝撃性に劣るという欠点があ
り、その改善が要望されている。ポリプロピレンやポリ
‐1-ブテンなどの耐衝撃性を改善する方法としても、重
合時における触媒およびその組成や重合処方を改良する
ことによりその目的を達成しようとする方法、エチレン
などの異なるオレフイン成分を共重合することにより同
様の目的を達成しようとする方法、ゴム状重合体や低結
晶性オレフイン系重合体などの種々の改質剤を配合する
方法などが提案されている。
しかしながら、これらのいずれの方法でもポリプロピレ
ンやポリブテンなどの耐衝撃性は改善されるが、クリー
プ特性などの他の力学的物性が低下する欠点がある。そ
れ故、上記提案にもかかわらず、ポリプロピレンやポリ
‐1-ブテンについて、耐衝撃性および力学物性に優れた
組成物を与えることのできる改質剤が求められている。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ‐
1-ブテンなどの熱可塑性樹脂の物性がそれぞれ前述の欠
点を有しており、これらの改質に関する従来の技術が前
記状況にあることを認識し、これらのポリオレフインの
性質の改善に優れた効果を発揮することのできる改質剤
について鋭意研究した結果、超高分子量ポリオレフイン
及び低分子量ないし高分子量ポリオレフインから実質的
になる特定のポリオレフイン粉末組成物が前記ポリオレ
フインなどの熱可塑性樹脂の改質剤として優れているこ
とを見出し、本発明に到達したものである。
それ故、本発明の目的は超高分子量ポリオレフイを含む
ポリオレフイン粉末組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、ポリエチレンなどのエチレンを主
成分とするエチンレン系重合体に配合することにより、
フイツシユアイなどの形成がなく均一配合性に優れ、か
つ溶融張力及び溶融弾性などの溶融成形性に優れたエチ
レン系重合体組成物を形成することのできるポリオレフ
イン粉末組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ポリプロピレン、ポリ‐1-
ブテンなどの熱可塑性樹脂に配合することにより、同様
に均一配合性に優れ、かつ耐衝撃性に優れしかも他機械
的特性にも優れた熱可塑性樹脂を形成することのできる
ポリオレフイン粉末組成物を提供することにある。
本発明のさらに他も目的および利点は以下の説明から明
らかとなろう。
問題点を解決するための手段および作用 本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、 (1) 多段重合により調製された135℃のデカリン中
で測定した極限粘度が少くとも15dl/gである超高分子
量ポリオレフインと、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度が0.1〜10dl/gの範囲にある低分子量ないし高
分子量ポリオレフインとから実質的になるポリオレフイ
ン組成物であって、 (2) 上記超高分子量ポリオレフインは該超高分子量
ポリオレフインと上記低分子量ないし高分子量ポリオレ
フインとの総重量に対し10〜95重量%の範囲にあり、そ
して (3) 上記ポリオレフイン組成物は、その形状が平均
粒径が1〜50μmの範囲にあり、且つ少くとも50重量%
が0.5〜60μmの範囲にある粒径を有する粉末である、 ことを特徴とするポリオレフイン粉末組成物によつて達
成される。
本発明においていう超高分子量ポリオレフインは、135
℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕uが少くとも
15dl/gであるものである。極限粘度〔η〕uが15〜55
dl/gの範囲にある超高分子量ポリオレフインが有利で
ある。
本発明においていう他方の低分子量ないし高分子量ポリ
オレフインは、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
〔η〕hが0.1〜10dl/gの範囲にあるものである。極
限粘度〔η〕hが0.2〜7dl/gの範囲にある低分子量な
いし高分子量ポリオレフインが好ましい。
本発明におけるポリオレフインは、例えばエチレン、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル‐1-ペンテン、
3-メチル‐1-ペンテンの如きα‐オレフインの単独重合
体又は共重合体である。エチレンの単独重合体又はエチ
レンと他のα‐オレフインとからなり、エチレンを主成
分として成る共重合体が望ましい。
上記超高分子量ポリオレフインが〔η〕uが15dl/gの
超高分子量ポリエチレンである場合には、約165万の粘
度平均分子量を有する。また、上記低分子量ないし高分
子量ポリオレフインが〔η〕hが0.1〜10dl/gのポリ
エチレンであるときには、約1500〜約95万の粘度平均分
子量を有する。
上記超高分子量ポリオレフインと低分子量ないし高分子
量ポリオレフインとの量的割合は、上記超高分子量ポリ
オレフインが両ポリオレフインの総重量に対し10〜95重
量%を占める範囲、換言すれば上記低分子量ないし高分
子量ポリオレフインが両ポリオレフインの総重量に対し
90〜5重量%を占める範囲である。好ましい量的割合
は、超高分子量ポリオレフインが両ポリオレフインの総
重量に対し20〜75重量%を占める範囲である。
本発明のポリオレフイン組成物は上記の如き量的割合で
超高分子量ポリオレフインと低分子量ないし高分子量ポ
リオレフインとから実質的に成つている。
超高分子量ポリオレフインが95重量%より多く、低分子
量ないし高分子量ポリオレフインが5重量%より少ない
粉末組成物では、熱可塑性樹脂への均一分散性が劣るよ
うになり、とくにエチレン系重合体に配合した場合には
該エチレン系樹脂組成物から形成された成形物にはフイ
ツシユアイなどの生成が多くなり、溶融張力及び溶融弾
性などの溶融成形性の改善効果が小さくなる。また、ポ
リプロピレン、ポリ‐1-ブテンなどのポリオレフイン又
は他のエンジニアリング樹脂に配合した場合にも均一分
散性が劣るようになり、成形物にはフイツシユアイ、分
散ムラ、ヘアークラツクなどの生成が多くなり、耐衝撃
性の改善効果が小さくなる。また、超高分子量ポリオレ
フインが5重量%より少なく、低分子量ないし高分子量
ポリオレフインが95重量%より多い粉末組成物では、該
ポリオレフイン粉末組成物をエチレン系重合体に配合し
た場合には該エチレン系重合体組成物の溶融張力及び溶
融弾性などの溶融成形性の改善効果が小さくなる。ま
た、このようなポリオレフイン粉末組成物をポリプロピ
レン、ポリ‐1-ブテンなどのポリオレフイン又は他のエ
ンジニアリング樹脂に配合した場合にも成形物の耐衝撃
性の改善効果が小さくなる。
本発明のポリオレフイン粉末組成物の粉末性状は、平均
粒径が1ないし50μm、好ましくは2ないし40μmの範
囲にあり、かつ粒度分布は0.5ないし60μmの範囲にあ
る粉末が通常は50重量%以上、好ましくは80ないし100
重量%の範囲にある。その嵩密度は通常は0.1ないし0.5
g/cmの範囲にある。その形状は種々の形態にあるこ
とができる。例えば、後記する多段重合法により本発明
のポリオレフイン組成物を製造した場合、その形状は通
常は実質上球状に近い形状であり、球状、こんぺい糖
状、ぶどうの房状等である。
本発明のポリオレフイン粉末組成物では、超高分子量ポ
リオレフインと低分子量ないし高分子量ポリオレフイン
とがそれぞれ物理的に区別しうる別個の粉末粒子を形成
していてもよくまた個々の粉末粒子が超高分子量ポリオ
レフインと低分子量ないし高分子量ポリオレフインとか
らなつていてもよいが、とくに後者の形態を構成するポ
リオレフイン組成物が好ましい。
各ポリオレフインが別個の粉末粒子を形成している場合
には、各ポリオレフインの粉末粒子はその平均粒径が好
ましくは1ないし50μm、より好ましくは2ないし40μ
mの範囲にあり、その粒度分布は0.5ないし60μmの範
囲にある粉末が好ましくは50重量%以上、より好ましく
は80ないし100重量%の範囲にあり、またその嵩密度は
好ましくは0.1ないし0.5g/cmの範囲にある。その形
状は、例えば実質上球状に近い形状であり、球状、こん
ぺい糖状、ぶどうの房状などである。
本発明のポリオレフイン粉末組成物には、その物性を損
ねない範囲で酸化防止剤、ハロゲン化水素吸収剤、凝集
防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、核剤、顔料などを各種の添加剤を必要
に応じて配合することもできる。その配合割合は適宜で
ある。
本発明のポリオレフイン粉末組成物を調製する方法とし
ては、次の方法を例示することができる。特定の高活性
固体状チタン触媒成分および有機アルミニウム化合物触
媒成分から形される触媒の存在下に多段階の重合を行う
ことにより、本発明のポリオレフイン粉末組成物を調製
する方法。
上記の多段階重合法を採用すると、本発明のポリオレフ
イン組成物の粉末性状を容易に制御することができ、ま
た得られたポリオレフイン粉末組成物は個々の粉末粒子
が超高分子量ポリオレフインと低分子量ないし高分子量
ポリオレフインとが近密に分散した組成物を形成してお
り、ポリオレフインなどの熱可塑性樹脂への均一分散性
に優れているので好適である。以下に、この多段階重合
法について説明する。この多段階重合法には次に示す2
つの方法があり、いずれの方法を採用することもでき
る。
〔1〕 オレフインを特定のチーグラー型触媒の存在下
に特定の条件で少なくとも2段以上の多段階の重合工程
で重合させることによつて得られる極限粘度の異なるポ
リオレフイン粉末組成物のスラリーに、さらに高速の剪
断処理を施す方法。
〔2〕 前記特定の触媒にさらに高速剪断処理を施すこ
とによつて得られる特定の微細分散型のチーグラー型触
媒の存在下に特定の条件下で少なくとも2段以上の多段
階の重合工程でオレフイン重合させることによつて極限
粘度の異なるポリオレフイン粉末組成物を直接得ること
もできる。さらに必要に応じてこの方法で得られるポリ
オレフイン粉末組成物のスラリーに高速で剪断処理を施
すことにより、形状及び性状に優れたポリオレフイン粉
末組成物が得られるので好適である。
次に、これらの方法に関して具体的に説明する。
前記〔1〕および〔2〕の方法において使用される特定
のチーグラー型触媒は、いずれも基本的には固体状チタ
ン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分から形成
される特定の性状の触媒である。前記〔1〕の方法にお
いて使用される触媒を構成する該固体状チタン触媒節分
としては、粒度分布が狭く、平均粒径が0.1ないし3μ
程度であつて、微小球体が数個固着したような高活性微
粉末状触媒成分を用いればよいことが判つた。かかる性
状を有する高活性微粉末状チタン触媒成分は、例えば特
開昭56-811号開示の固体チタン触媒成分において、液状
状態のマグネシウム化合物と液状状態のチタン化合物を
接触させて固体生成物を析出させる際に析出条件を厳密
に調整することによつて製造することができる。例え
ば、該公報開示の方法において、塩化マグネシウムと高
級アルコールとを溶解した炭化水素溶液と、四塩化チタ
ンとを低温で混合し、次いで50ないし100℃程度に昇温
して固体生成物を析出させる際に、塩化マグネシウム1
モルに対し、0.01ないし0.2モル程度の微量のモノカル
ボン酸エステルを共存させるとともに強力な撹拌条件下
に該析出を行うものである。さらに必要ならば四塩化チ
タンで洗浄してもよい。かくして、活性、粒子性状共に
満足すべき固体触媒成分を得ることができる。かかる触
媒成分は、例えばチタンを約1ないし約6重量%程度含
有し、ハロゲン/チタン(原子比)が約5ないし約90、
マグネシウム/チタン(原子比)が約4ないし約50の範
囲にある。
また、前記〔2〕の方法において使用される特定のチー
グラー型重合触媒を構成する固体状チタン触媒成分とし
ては粒度分布が狭く、平均粒径が通常0.01ないし5μ、
好ましくは0.05ないし3μの範囲の微小球体を使用すれ
ばよいことがわかつた。このような性状を有する高活性
粉末状チタン触媒成分は、前記〔1〕の方法において調
製された該固体状チタン触媒成分のスラリーを高速で剪
断処理することにより得られる。高速剪断処理の方法と
しては、具体的にはたとえば不活性ガス雰囲気中で固体
状チタン触媒成分のスラリーを市販のホモミキサーを用
いて適宜時間処理する方法が採用されている。この際触
媒性能の低下防止を目的として、あらかじめチタンと当
モル量の有機アルミニウム化合物を添加しておく方法を
採用することもできる。さらに、処理後のスラリーを篩
いで濾過し、粗粒を除去する方法を採用することもでき
る。これらの方法によつて、前記微小粒径の高活性微小
粉末状チタン触媒成分が得られる。
本発明のポリオレフイン粉末組成物は、上記の如き高活
性微小粉末状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物
触媒成分、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリドのようなジアルミニウムクロリド、エチル
アルミニウムセスキクロリドのようなアルキルアルミニ
ウムセスキクロリド、あるいはこれらの混合物とを用
い、必要に応じ電子供与体を併用してペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、灯油の如き炭化水素媒体中で通常、0な
いし100℃の範囲の温度条件下、少なくとも2段以上の
多段階重合工程でオレフインをスリラー重合することに
よつて極限粘度の異なるポリオレフイン粉末組成物のス
ラリーを製造することができる。
該オレフインの多段重合工程には、1個の重合槽でバツ
チ式で多段階で重合する方法、あるいは少なくとも2個
以上の重合槽が通常は直列に連結された多段階の重合方
法が採用され、たとえば2段重合法、3段重合法、・・
・、n段重合法が採用される。該多段階重合工程のうち
の少なくとも1個の重合槽においては特定量の超高分子
量ポリオレフインを生成させることが必要である。該超
高分子量ポリオレフインを生成させる重合工程は、第一
段重合工程であつてもよいし、中間の重合工程であつて
もよいしあるいは最終段の重合工程であつてもよいし、
また2段以上の複数段であつても差しつかえないが、第
一段重合工程であることが重合処理操作及び生成ポリオ
レフインの物性の制御の点から好適である。該重合工程
においては、全工程で重合されるオレフインの10ないし
95重量%を重合させることにより、極限粘度〔η〕u
(デカリン溶媒中で135℃で測定した値)が15dl/g以
上の超高分子量ポリオレフインを生成させることが必要
であり、さらには全重合工程で重合されるオレフインの
25ないし75重量%、とくに30ないし70重量%を重合させ
ることにより、極限粘度〔η〕uが15ないし55dl/g、
とくに20ないし50dl/gの超高分子量ポリオレフインを
生成させることが好ましい。重合工程において、生成す
る超高分子量ポリオレフインの極限粘度〔η〕uが15dl
/g未満であつても、また該重合工程で生成する超高分
子量ポリオレフインが10ないし95重量%の範囲を外れて
も前述の本発明のポリオレフイン粉末組成物の効果が達
成できなくなる。
該多段階重合工程において、超高分子量ポリオレフイン
を生成させる重合工程では前記高活性チタン触媒成分
(A)及び前記有機アルミニウム化合物触媒成分(B)からな
る触媒の存在下に重合が実施される。重合は気相重合法
で実施することもできるし、液相スラリー懸濁重合法で
実施することもできる。いずれの場合にも、超高分子量
ポリオレフインを生成させる重合工程では、重合反応は
必要に応じて不活性媒体の存在下に実施され、たとえば
気相重合法では必要に応じて不活性媒体からなる希釈剤
の存在下に実施され、液相重合法では必要に応じて不活
性媒体からなる溶媒の存在下に実施される。
該超高分子量ポリオレフインを生成させる重合工程で
は、触媒として高活性チタン触媒成分(A)を例えば媒体
1当りのチタン原子として約0.01ないし約200ミリグ
ラム原子、とくには約0.05ないし約100ミリグラム原
子、有機アルミニウム化合物触媒成分を、Al/Ti(原子
比)が約0.01ないし約1000、とくには約0.1ないし約500
となるような割合で使用するのがよい。前記超高分子量
ポリオレフインを生成させる重合工程の温度は通常約‐
20ないし約100℃、好ましくは約5ないし約80℃、とく
に好ましくは約10ないし約60℃の範囲である。また、重
合反応の際の圧力は、前記温度で液相重合又は気相重合
が可能な圧力範囲であり、例えば大気圧ないし約100Kg
/cm、好ましくは大気圧ないし約50Kg/cmの範囲で
ある。また、重合工程における重合時間は、重合ポリオ
レフインの生成量が該高活性チタン触媒成分中のチタン
1ミリグラム原子当たり約1000g以上、好ましくは約500
0g以上となるように設定すればよい。また、該重合工程
において、前記超高分子量ポリオレフインを生成させる
ためには、重合反応を水素の不存在下に実施するのが好
ましい。さらには、該重合反応を実施後、重合体を不活
性媒体雰囲気下で一旦単離し、保存しておくことも可能
である。
該超高分子量ポリオレフインを生成させる重合工程にお
いて使用することのできる不活性媒体としては、例えば
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペ
ンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジグロ
ルエタン、メチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素;あるいはこれらの混合物などを挙げ
ることができるが、とくに脂肪族炭化水素の使用が望ま
しい。
また、本発明の方法において、前記超高分子量ポリオレ
フインを生成させる重合工程以外の他の重合工程におい
ては水素の存在下に残余のオレフインの重合反応が実施
される。超高分子量ポリオレフインを生成させる重合工
程が第一段階重合工程であれば、第二段階以降の重合工
程が当該重合工程に該当する。当該重合工程が超高分子
量ポリオレフイン生成重合工程の後に位置している場合
には、当該重合工程には該超高分子量ポリオレフインを
含むポリオレフインが供給され、当該重合工程が超高分
子量ポリオレフイン生成重合工程以外の重合工程の後に
位置する場合には前段階で生成したポリオレフインが供
給され、いずれの場合にも連続して重合が実施される。
その際、当該重合工程には通常原料オレフイン及び水素
が供給される。当該重合工程が第一段階の重合工程であ
る場合には、前記高活性チタン触媒成分及び有機アルミ
ニウム化合物触媒成分からなる触媒が供給され、当該重
合工程が第二段階以降の重合工程である場合には、前段
階で生成した重合生成液中に含まれている触媒をそのま
ま使用することもできるし、必要に応じて前記高活性チ
タン触媒成分及び/又は有機アルミニウム化合物触媒成
分を追加補充しても差しつかえない。当該重合工程で重
合される原料オレフインの割合は、全重合工程で重合さ
れる全オレフイン成分に対して5ないし90重量%、好ま
しくは25ないし80重量%、とくに好ましくは30ないし70
重量%の範囲である。
前記超高分子量ポリオレフイン生成重合工程以外の重合
工程における水素の供給割合は当該各重合工程に供給さ
れるオレフイン1モルに対して通常は0.01ないし50モ
ル、好ましくは0.1ないし30モルの範囲である。
前記超高分子量ポリオレフイン生成重合工程以外の重合
工程における重合槽内の重合生成液中の各触媒成分の濃
度は、重合容積1当り、前記処理した触媒をチタン原
子に換算して約0.001ないし約0.1ミリグラム原子、好ま
しくは約0.005ないし約0.1ミリグラム原子とし、重合系
のAl/Ti(原子比)が約1ないし約1000、好ましくは約
2ないし約500となるように調製するのが好ましい。そ
のために必要に応じ、有機アルミニウム化合物触媒成分
を追加使用することができる。重合系には、他に分子
量、分子量分布等を調節する目的で水素、電子供与体、
ハロゲン化炭化水素などを共存させてもよい。
重合温度はスラリー重合、気相重合が可能な温度範囲
で、かつ約50℃以上、より好ましくは約60ないし約100
℃の範囲が好ましい。また、重合圧力は、例えば大気圧
ないし約100Kg/cm、とくには大気圧ないし約50Kg/c
mの範囲が推奨できる。そして重合体の生成量が、チ
タン触媒成分中のチタン1ミリグラム原子当り約5000g
以上、とくには約10000g以上となるような重合時間を設
定するのがよい。
前記超高分子量ポリオレフイン生成重合以外の重合工程
と同様に気相重合法で実施することもできるし、液相ス
ラリー懸濁重合法で実施することもできるし、もちろん
各重合工程で異なる重合方法を採用することも可能であ
る。液相重合法のうちではスラリー懸濁重合法が好適に
採用される。いずれの場合にも、該重合工程では重合反
応は通常は不活性媒体の存在下に実施される。たとえば
気相重合法では不活性媒体希釈剤の存在下に実施され、
液相スラリー懸濁重合法では不活性媒体溶媒の存在下に
実施される。不活性媒体としては前記超高分子量ポリオ
レフインを生成させる重合工程において例示した不活性
媒体を同様に例示することができる。
最終段階の重合工程で得られるポリオレフイン粉末組成
物の〔η〕は通常は0.1ないし10dl/g、好ましくは0.2
ないし7dl/g、とくに好ましくは0.3ないし5dl/gに
達するまで重合反応が実施される。
前記多段階重合法は、回分式、半連続式又は連続式のい
ずれの方法でも実施することができる。
前記多段階重合方法が適用できるオレフインとしては、
エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキ
セン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル‐
1-ペンテン、3-メチル‐1-ペンテンなどのα‐オレフイ
ンを例示することができ、これらのα‐オレフインの単
独重合体の製法に適用することもできるし、二種以上の
混合成分からなる共重合体の製法に適用することもでき
る。超高分子量ポリオレフインの主α‐オレフインと超
高分子量ポリオレフイン以外のポリオレフインの主α‐
オレフインが異なつてもよい。これらのα‐オレフイン
のうちでは、エチレン又はエチレンと他のα‐オレフイ
ンとの共重合体であつてエチレン成分を主成分とするエ
チレン系重合体の製法に本発明の方法を適用するのが好
ましい。
前記方法で調製されたポリオレフイン粉末組成物は、前
記〔1〕の方法または必要に応じて〔2〕の方法におい
て、前述の方法で得られたポリオレフインの粉末をスラ
リー状態で高速で剪断処理を施すことによつて製造され
る。高速剪断処理の方法としては、具体的には、市販の
ホモミツクラインミルなどの粉砕を用いて粉砕処理する
方法を例示することができる。たとえば市販のホモミツ
クラインミルなどの粉砕を用いた場合には、ステーター
のクリアランスを0.2mmとし、スラリーをリサイクルし
ながら連続で1時間処理し、さらに次の後処理工程に送
液する際、スラリーを全量ホモミツクラインを通過さ
せ、剪断処理を効率よく行うことができる。これらの方
法によつて、前記ポリオレフイン粉末のスラリーを高速
剪断処理することによつて本発明のポリオレフイン粉末
組成物が得られる。
本発明のポリオレフイン粉末組成物は種々の熱可塑性樹
脂に、その改質剤として配合することができる。
本発明のポリオレフイン粉末組成物をポリエチレンなど
のエチレンを主成分として含むエチレン系重合体に配合
することにより、該エチレン系重合体の溶融成形の際の
溶融張力及び溶融弾性を改善することができ、その結果
溶融成形時のドローダウン現象の抑制、スウエル比の向
上、成形品のウエルドラインの発生の抑制が達成できる
ようになる。エチレン系重合体としては高密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチ
レンとプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル‐
1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テ
トラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイ
コセンなどの炭素原子数が3ないし20のα‐オレフイン
との共重合体であつてエチレンを主成分として含むエチ
レン系共重合体などを例示することができる。その135
℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕は通常は0.5
ないし20dl/gの範囲にある。
該エチレン系重合体に本発明のポリオレフイン粉末組成
物を配合する場合の配合割合は、該エチレン系重合体10
0重量部に対して通常0.5ないし20重量部、好ましくは1
ないし10重量部の範囲である。該エチレン系重合体組成
物には、必要に応じて酸化防止剤、塩酸吸収剤、凝集防
止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、耐候安定剤、
帯電防止剤、核剤、顔料、充填剤などの各種添加剤を配
合することもできる。その配合割合は適宜である。該エ
チレン系重合体組成物は従来から知られている方法に従
つて調製することができる。
また、本発明のポリオレフイン粉末組成物を前記エチレ
ン系重合体以外の結晶性オレフイン系重合体に配合する
ことにより、該結晶性オレフイン系重合体からなる成形
物の耐衝撃性、とくに低温耐衝撃性を改善することがで
きる。該エチレン系重合体以外の結晶性オレフイン系重
合体として具体的には、ポリプロピレン、ポリ‐1-ブテ
ン、ポリ‐4-メチル‐1-ペンテン、ポリ‐1-ヘキセンな
どの他に、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン
・1-ブテン共重合体、1-ブテン・エチレン共重合体、1-
ブテン・プロピレン共重合体などのように、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ヘキセンなどのα‐オレフイン
(a)とエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル‐1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセン、1-エイコセンなどの炭素原子数が2ないし20の
α‐オレフインであつて前記α‐オレフイン(a)と
は異なるα‐オレフイン(a)とからなる結晶性α‐
オレフイン系共重合体などを例示することができる。該
結晶性オレフイン系重合体お135℃のデカリン中で測定
した極限粘度〔η〕は通常は0.5ないし10dl/gの範囲
であり、結晶化度が5%以上、好ましくは20%以上であ
る。
該結晶性α‐オレフイン系重合体に本発明のポリオレフ
イン粉末組成物を配合する場合の配合割合は、該結晶性
α‐オレフイン系重合体100重量部に対して通常は0.5な
いし20重量部、好ましくは1ないし10重量部の範囲であ
る。該結晶性α‐オレフイン系重合体組成物には必要に
応じて酸化防止剤、塩酸吸収剤、凝集防止剤、耐熱安定
剤、紫外線吸収剤、滑剤、耐候安定剤、帯電防止剤、核
剤、顔料、充填剤などの各種添加剤を配合することもで
きる。該結晶性α‐オレフイン系重合体組成物は従来か
ら知られている方法に従つて調製することができる。
さらに、本発明のポリオレフイン粉末組成物は種々のエ
ンジニアリング樹脂に配合することにより、該エンジニ
アリング樹脂の物性、たとえば耐衝撃性、摺動特性など
を改善することができる。該エンジニアリング樹脂が極
性基を有するエンジニアリング樹脂である場合には、該
エンジニアリング樹脂への親和性または分散性を良好に
するために、本発明のポリオレフイン粉末組成物に、マ
レイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸ジ
メチル、シトラコン酸ジメチル、イタコン酸ジメチルな
どの不飽和カルボン酸またはその誘導体成分をグラフト
共重合した変性ポリオレフイン粉末組成物を使用するの
が好ましい。該不飽和ジカルボン酸またはその誘導体成
分のグラフト割合は、該ポリオレフイン粉末組成物100
重量部に対して通常0.02ないし50重量部の範囲である。
エンジニアリング樹脂として具体的には、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポ
リエステル、ヘキサメチレンアジパミド、オクタメチレ
ンアジパミド、デカメチレンアジパミド、ドデカメチレ
ンアジパミド、ポリカプロラクトン、などのポリアミ
ド、ポリフエニレンオキシドなどのポリアリーレンオキ
シド、ポリアセタール、ABS、AES、ポリカーボネートな
どを例示することができる。該ポリオレフイン粉末組成
物またはその変性物の配合割合は該エンジニアリング樹
脂100重量部に対して通常0.2ないし20重量部の範囲であ
る。該エンジニアリング樹脂組成物には必要に応じて酸
化防止剤、塩酸吸収剤、凝集防止剤、耐熱安定剤、紫外
線吸収剤、滑剤、耐候安定剤、帯電防止剤、核剤、顔
料、充填剤などの各種添加剤を配合することができる。
該エンジニアリング樹脂組成物も従来から知られている
方法に従つて調製することができる。
本発明のポリオレフイン粉末組成物は種々のゴム状重合
体に配合することにより該ゴム状重合体の物性、たとえ
ば、耐薬品性、剛性などを改善することができる。該ゴ
ム状重合体として具体的には、たとえばエチレン・プロ
ピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1-ブテン・
非共役ジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、ポリイソ
プレンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロツク
共重合体などを例示することができる。該ポリオレフイ
ン粉末組成物の配合割合は前記ゴム状重合体100重量部
に対して通常1〜100重量部の範囲である。該ゴム状重
合体組成物には必要に応じて充填剤、架橋剤、架橋助
剤、顔料、安定剤などの各種の充填剤を配合することが
できる。該ゴム状重合体組成物は従来から知られている
方法に従つて調製することができる。
〔実施例〕
次に、本発明のポリオレフイン粉末組成物を実施例によ
つて具体的に説明する。なお、実施例および比較例にお
いて、粒度分布、平均粒度および嵩密度については次の
方法で測定した。
(1) 粒度分布 コールターカウンターTAII型を用いて測定した。
(2) 平均粒径 同 上 (3) 嵩密度 JIS K6721-1966(ASTMD1895-657)に準じて測定した。
(4) 安息角 ホリカワミクロン製パウダーテスター(PT-E型)を使用
し入角法で測定した。
実施例 1 <固体状チタン触媒成分の調製> 無水塩化マグネシウム47.6g(0.5mol)、デカン0.25
および2-エチルヘキシルアルコール0.23(1.5mol)
を、130℃で2時間加熱反応を行ない均一溶液とした
後、安息香酸エチル7.4ml(50mmol)を添加する。この
均一溶液を‐5℃に保持した1.5のTiClに1時間に
渡つて撹拌下滴下する。使用した反応器はガラス製3
のセパラブルフラスコで撹拌速度は950rpmとした。滴下
後90℃に昇温し、90℃で2時間の反応を行なつた。反応
終了後、固体部を濾過にて採取し、更にヘキサンにて十
分に洗浄し、高活性微粉末状チタン触媒成分を得た。該
触媒成分は、3.8WT%のチタン原子を含んでいた。
<重 合> 内容積53の重合器にn-ヘキサン30、トリエチルアル
ミニウム(TEA)30mMolおよび微粒子状チタン触媒をチ
タン原子に換算して0.6ミリグラム原子を加え35℃に昇
温した。しかるのちに、エチレンガスを1470NL/Hrの速
度で重合器に導入した。重合器のジヤケツトに温水を流
し、重合温度を40℃以下に保つた。重合圧力は1〜Kg/
cmGであつた。エチレンの導入積算量が2400NLになつ
た時点でエチレンをフイードカツトし、後重合を1時間
実施して超高分子量ポリエチレンを得た。
引き続き、この重合器にHを導入して13Kg/cmGま
で加圧した。重合器の温度を80℃に昇温し、エチレンガ
スを1470NL/Hrの速度で導入した。重合器のジヤケツト
に温水を流し、重合温度を80℃に保つた。重合圧力は13
〜16Kg/cmGであつた。エチレンの導入積算量が2400
NLになつた時点でエチレンをフイードカツトし後重合を
30分間実施した後、冷却、脱圧することにより、目的と
するポリエチン組成物のスラリーを得た。市販のホモミ
キサーを用いこのスラリーの高速剪断処理を1時間実施
した後、溶媒を分離し、N雰囲気下で減圧乾燥を行な
つた。得られたポリマーは収量5990g、分子量は135のデ
カリン中で測定した極限粘度で15.0dl/gで、またその
性状は、平均粒径が18μであり、粒度分布は0.1〜60μ
の間に81%があつた。また嵩密度は0.282g/cmであり
安息角は45℃であつた。また、1段目で重合した超高分
子量ポリエチンの分子量は極限粘度で34.0dl/gであ
り、超高分子量ポリエチレンが全体の重量に対して占め
る割合は、50%であつた。2段目で重合したポリエチレ
ンの分子量は、極限粘度で0.4dl/gであり、量は全体
の50%であつた。重合条件を表1に示し、得られた結果
を表2に示した。
実施例 2 内容積2750の重合器にn-ヘキサン1800、トリエチル
アルミニウム1800mMolおよび微粒子状チタン触媒15mMol
を加えた後、エチレンガスを20Nm/Hrの速度で重合器
に導入した。重合器のジヤケツトに冷却水を流し、重合
温度を40℃以下に保つた。重合圧力は1〜3.2Kg/cm
Gであつた。エチレンの導入積算量が100Nmになつた
時点でエチレンをフイードカツトし、後重合を実施して
超高分子量ポリエチレンを得た。重合条件を表1に示
し、得られた結果を表2に示した。
一旦、脱圧した後、重合器にHを導入し、2.5Kg/cm
Gまで加圧した。重合器の温度を65℃に昇温し、エチ
レンガスを30Nm/Hrの速度で導入した。重合器のジヤ
ケツトに温水を流し、重合温度を65℃に保つた。重合圧
力は2.5〜4.1Kg/cmGであつた。エチレンの積算量が
100Nmになつた時点でエチレンをフイードカツトし、
後重合を実施した後、冷却、脱圧することにより、目的
とするポリエチレン組成物のスラリーを得た。市販のホ
モミツクラインミルを用い、このスラリーの高速剪断処
理を2時間実施した後溶媒を分離し、N雰囲気下で減
圧乾燥を行なつた。得られたポリマーは246Kgであつ
た。重合条件を表1に示し、得られた結果を表2に示し
た。
実施例 3 実施例1において、第1段目の重合反応へのエチレンの
導入積算量を3600Nl、2段目の重合反応へのエチレンの
導入積算量を1200Nlとし、表1記載重合条件を採用した
他は実施例1と同様に実施し、ポリエチレン粉末組成物
を得た。重合条件を表1に示し、得られた結果を表2に
示した。
実施例 4 実施例1において、第1段目の重合反応へのエチレンの
導入積算量を1200Nl、2段目の重合反応へのエチレンの
導入積算量を3600Nlとし、表1記載の重合条件を採用し
た他は実施例1と同様に実施し、ポリエチレン粉末組成
物を得た。重合条件を表1に示し、得られた結果を表2
に示した。
実施例 5 実施例1において、トリエチルアルミニウムの代りにト
リイソブチルアルミニウム(TIBA)を用い、表1記載の
重合条件を採用した他は実施例1と同様に実施し、ポリ
エチレン粉末組成物を得た。重合条件を表1に示し、得
られた結果を表2に示した。
実施例 6 実施例1において、スラリーの剪断処理を省いたとこ
ろ、その一部が互いに凝集して、流動性の悪いパウダー
が得られた。結果を表1に示す。
実施例 7 実施例1において、超微粒子状チタン触媒をチタン原子
換算で1.0mMolを用い、表1記載の重合条件を採用した
他は、実施例1と同様に実施し、ポリエチレン粉末組成
物を得た。重合条件を表1に示し、得られた結果を表1
に示した。
比較例 1 実施例1において、1段目の重合温度を80℃とし、表1
記載の重合条件を採用した他は実施例1と同様に実施
し、ポリエチレン粉末組成物を得た。重合条件を表1に
示し、得られた結果を表2に示した。
比較例 2 実施例1と同様な方法で、1段目のエチレンの導入積算
量を240Nl、2段目のエチレンの導入積算量を4560Nlと
して、ポリエチレン組成物を得た。結果を表1に示す。
比較例 3 実施例1において、チタン触媒として、平均粒径が8〜
10μのものを用いて重した。結果を表1に示す。
評価例1〜10,評価比較例1〜5 表3に示した熱可塑性樹脂とポリオレフイン粉末組成物
とを表3に示した割合でヘンシエルミキサーを用いてド
ライブレンドし、押出機で混練してペレツトを得た。こ
の熱可塑性樹脂組成物の物性を表3に示した。
評価例11〜12,評価比較例6 表4に示した熱可塑性樹脂とポリオレフイン粉末組成物
とをヘンシエルミキサーを用いてドライブレンドし、押
出機で混練してペレツトにした後、プレス成形により10
mm厚さのプレスシートを作成した。このプレスシートの
物性を表4に示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 多段重合により調製された135℃
    のデカリン中で測定した極限粘度が少くとも15dl/gで
    ある超高分子量ポリオレフインと、135℃のデカリン中
    で測定した極限粘度が0.1〜10dl/gの範囲にある低分
    子量ないし高分子量ポリオレフインとから実質的になる
    ポリオレフイン組成物であって、 (2) 上記超高分子量ポリオレフインは該超高分子量
    ポリオレフインと上記低分子量ないし高分子量ポリオレ
    フインとの総重量に対し10〜95重量%の範囲にあり、そ
    して (3) 上記ポリオレフイン組成物は、その形状が平均
    粒径が1〜50μmの範囲にあり、且つ少くとも50重量%
    が0.5〜60μmの範囲にある粒径を有する粉末である、 ことを特徴とするポリオレフイン粉末組成物。
  2. 【請求項2】(1) 多段重合により調製された135℃
    のデカリン中で測定した極限粘度が少くとも15dl/gで
    ある超高分子量ポリオレフインと、135℃のデカリン中
    で測定した極限粘度が0.1〜10dl/gの範囲にある低分
    子量ないし高分子量ポリオレフインとから実質的になる
    ポリオレフイン組成物であって、 (2) 上記超高分子量ポリオレフインは該超高分子量
    ポリオレフインと上記低分子量ないし高分子量ポリオレ
    フインとの総重量に対し10〜95重量%の範囲にあり、そ
    して (3) 上記ポリオレフイン組成物は、その形状が平均
    粒径が1〜50μmの範囲にあり、且つ少くとも50重量%
    が0.5〜60μmの範囲にある粒径を有する粉末である、 ポリオレフイン粉末組成物からなることを特徴とする熱
    可塑性樹脂用改質剤。
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