JPH0658845B2 - マイクロ波素子 - Google Patents
マイクロ波素子Info
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- JPH0658845B2 JPH0658845B2 JP63062985A JP6298588A JPH0658845B2 JP H0658845 B2 JPH0658845 B2 JP H0658845B2 JP 63062985 A JP63062985 A JP 63062985A JP 6298588 A JP6298588 A JP 6298588A JP H0658845 B2 JPH0658845 B2 JP H0658845B2
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Links
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Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はマイクロ波素子、特には周波数100MHzから
数10GHzのマイクロ波帯で使用されるマイクロ波素
子、例えばアイソレーター、サーキュレーターとして有
用な新規な磁性膜を有する酸化物ガーネット単結晶より
なるマイクロ波素子に関するものである。
数10GHzのマイクロ波帯で使用されるマイクロ波素
子、例えばアイソレーター、サーキュレーターとして有
用な新規な磁性膜を有する酸化物ガーネット単結晶より
なるマイクロ波素子に関するものである。
(従来の技術とその問題点) 従来、マイクロ波素子用の磁性材料としてはフラックス
法で育成されたYIG結晶が使われていたが、フラックス
法で作られたマイクロ波素子は製造コストが高いという
不利があるためにこれについては半導体工業で開発され
たウエーハプロセス技術を応用した液相エピタクシャル
法で育成したYIG結晶を使用することが提案されてい
る。
法で育成されたYIG結晶が使われていたが、フラックス
法で作られたマイクロ波素子は製造コストが高いという
不利があるためにこれについては半導体工業で開発され
たウエーハプロセス技術を応用した液相エピタクシャル
法で育成したYIG結晶を使用することが提案されてい
る。
しかし、このYIG結晶には飽和磁化の温度依存性が大き
いことからマイクロ波素子を構成したときに共振周波数
の温度依存性が大きくなるという欠点があるため、YIG
結晶の組成中の鉄の一部を非磁性イオンとなるGaで置換
することが報告されているが、YIG結晶中の鉄の一部をG
aで置換すると置換量0のときでも生じているエピタク
シャル膜と基板結晶であるGGG単結晶との格子定数のミ
スマッチが増大し、このミスマッチに基づいて歪が増大
し、極端な場合にはエピタクシャル膜に割れが発生する
という不利が生じる。
いことからマイクロ波素子を構成したときに共振周波数
の温度依存性が大きくなるという欠点があるため、YIG
結晶の組成中の鉄の一部を非磁性イオンとなるGaで置換
することが報告されているが、YIG結晶中の鉄の一部をG
aで置換すると置換量0のときでも生じているエピタク
シャル膜と基板結晶であるGGG単結晶との格子定数のミ
スマッチが増大し、このミスマッチに基づいて歪が増大
し、極端な場合にはエピタクシャル膜に割れが発生する
という不利が生じる。
このため、エピタクシャル膜と基板結晶との格子定数を
合致させる目的において、 1)エピタクシャル膜中にイオン半径の大きいLa元素を添
加する、 2)基板結晶を通常この種の用途に使用されているGGG結
晶からGGG中のGd元素の一部をイオン半径の小さいY元
素で置換した(YGd)3Ga5O12結晶とする、 という方法がそれぞれ提案されているが、この1)の方法
ではエピタクシャル膜中のガリウム置換量が増加するに
したがって、エピタクシャル膜中のランタン置換量を増
加させる必要があるが、ランタン置換量が増加するとエ
ピタクシャル膜中にピットが生じ易いという問題点があ
り、2)の方法についてはエピタクシャル膜中のガリウム
置換量が増加するのにしたがって基板結晶中のイットリ
ウム置換量を増加させる必要がある、イットリウム置換
量を増加させると基板単結晶育成中にセル成長が起き易
いという問題点のあることが判った。
合致させる目的において、 1)エピタクシャル膜中にイオン半径の大きいLa元素を添
加する、 2)基板結晶を通常この種の用途に使用されているGGG結
晶からGGG中のGd元素の一部をイオン半径の小さいY元
素で置換した(YGd)3Ga5O12結晶とする、 という方法がそれぞれ提案されているが、この1)の方法
ではエピタクシャル膜中のガリウム置換量が増加するに
したがって、エピタクシャル膜中のランタン置換量を増
加させる必要があるが、ランタン置換量が増加するとエ
ピタクシャル膜中にピットが生じ易いという問題点があ
り、2)の方法についてはエピタクシャル膜中のガリウム
置換量が増加するのにしたがって基板結晶中のイットリ
ウム置換量を増加させる必要がある、イットリウム置換
量を増加させると基板単結晶育成中にセル成長が起き易
いという問題点のあることが判った。
(発明の構成) 本発明はこのような不利を解決した高品質のマイクロ波
素子に関するもので、これは組成式YaGd(b-a)Ga(8-b)O
12(ただし0.6≧a>0、3.1≧b>3.0)で示されるガ
ーネット基板上に、組成式LaxY(y-x)FezGa(8-y-z)O
12(ただし0.1>x>0、3.1>y>3.0、4.1>z>3.
6)で示される膜をエピタキシャル成長させてなる酸化
物ガーネット単結晶であって、前記ガーネット単結晶基
板と前記ガーネットエピタキシャル膜との格子定数の差
が±0.003Å以上である前記酸化物ガーネット単結晶よ
りなることを特徴とするものである。
素子に関するもので、これは組成式YaGd(b-a)Ga(8-b)O
12(ただし0.6≧a>0、3.1≧b>3.0)で示されるガ
ーネット基板上に、組成式LaxY(y-x)FezGa(8-y-z)O
12(ただし0.1>x>0、3.1>y>3.0、4.1>z>3.
6)で示される膜をエピタキシャル成長させてなる酸化
物ガーネット単結晶であって、前記ガーネット単結晶基
板と前記ガーネットエピタキシャル膜との格子定数の差
が±0.003Å以上である前記酸化物ガーネット単結晶よ
りなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明者らは共振周波数の温度依存性と基板
結晶とエピタクシャル成長層との格子定数のミスマッチ
がなく、育成される膜にピットを生じさせないマイクロ
波素子の開発について種々検討した結果、基板材料とし
て上記した(Y Gd Ga)8O12を使用すると、このものは格
子定数が12.367〜12.383Åの範囲内の比較的小さいもの
でありり、この基板上にエピタクシャル成長される後記
する(La Y Fe Ga)8O12も結晶格子の小さいものであるこ
とから格子定数のミスマッチが防がれること、この基板
上に育成させるべきエピタクシャル膜を(La Y Fe Ga)8O
12とし、この鉄の式量を4.1〜3.6とすれば、YIG中の主
に(d)サイトの鉄イオンが非イオン性のガリウム元素で
置換されているので(d)サイトの鉄イオンによる飽和磁
化の温度依存性を減少させることができること、また上
記した基板上にこのものをエピタクシャル成長させてこ
のもののランタン置換式量を0.1未満とすれば、ピット
が生じ難く、飽和磁化の温度依存性のないエピタクシャ
ル膜を育成することができることを確認し、これを使用
したマイクロ波素子について研究を進めて本発明を完成
させた。
結晶とエピタクシャル成長層との格子定数のミスマッチ
がなく、育成される膜にピットを生じさせないマイクロ
波素子の開発について種々検討した結果、基板材料とし
て上記した(Y Gd Ga)8O12を使用すると、このものは格
子定数が12.367〜12.383Åの範囲内の比較的小さいもの
でありり、この基板上にエピタクシャル成長される後記
する(La Y Fe Ga)8O12も結晶格子の小さいものであるこ
とから格子定数のミスマッチが防がれること、この基板
上に育成させるべきエピタクシャル膜を(La Y Fe Ga)8O
12とし、この鉄の式量を4.1〜3.6とすれば、YIG中の主
に(d)サイトの鉄イオンが非イオン性のガリウム元素で
置換されているので(d)サイトの鉄イオンによる飽和磁
化の温度依存性を減少させることができること、また上
記した基板上にこのものをエピタクシャル成長させてこ
のもののランタン置換式量を0.1未満とすれば、ピット
が生じ難く、飽和磁化の温度依存性のないエピタクシャ
ル膜を育成することができることを確認し、これを使用
したマイクロ波素子について研究を進めて本発明を完成
させた。
本発明の酸化物ガーネット単結晶を構成するガーネット
基板単結晶(Y Gd Ga)8O12は組成式YaGdb-aGa8-bO12で示
され、このaは0.6≧a>0、bは3.1≧b>3.0で示さ
れる数とされるものであり、これは{c}サイトにYと
Gd、[a]サイトにYの一部とGa、(d)サイトにGaを配
置したものとされるが、これには式 Y0.6Gd2.55Ga4.95O12、Y0.3Gd2.71Ga4.99O1.2 で示されるものが例示される。このものは例えばY2O33.
5〜7.5モル%、Gd2O30〜34モル%およびGa2O361
〜63モル%をルツボに仕込み、高周波誘導で1,730℃
に加熱して溶融したのち、この溶液からチヨクラルスキ
ー法で単結晶を引き上げることによって得ることができ
る。なお、このものはこの単結晶から切り出したウェー
ハを例えば熱リン酸でエッチングしたのち格子定数と測
定すると12.367〜12.383Åを示すことが確認された。
基板単結晶(Y Gd Ga)8O12は組成式YaGdb-aGa8-bO12で示
され、このaは0.6≧a>0、bは3.1≧b>3.0で示さ
れる数とされるものであり、これは{c}サイトにYと
Gd、[a]サイトにYの一部とGa、(d)サイトにGaを配
置したものとされるが、これには式 Y0.6Gd2.55Ga4.95O12、Y0.3Gd2.71Ga4.99O1.2 で示されるものが例示される。このものは例えばY2O33.
5〜7.5モル%、Gd2O30〜34モル%およびGa2O361
〜63モル%をルツボに仕込み、高周波誘導で1,730℃
に加熱して溶融したのち、この溶液からチヨクラルスキ
ー法で単結晶を引き上げることによって得ることができ
る。なお、このものはこの単結晶から切り出したウェー
ハを例えば熱リン酸でエッチングしたのち格子定数と測
定すると12.367〜12.383Åを示すことが確認された。
また、この基板単結晶上に成長させるエピタキシャル膜
(La Y Fe Ga)8O12は組成式が LaxYy-xFezGa8-y-zO12で示され、このx,y、zは0.1
>x>0、3.1>y>3.0、4.1>z>3.6とされるもので
あり、これは{c}サイトにLaとY、〔a〕サイトにFe
とYの一部とGaの一部、(d)サイトにFeとGaを配置した
もので、これには式La0.04Y3.00Fe3.86Ga1.10O12、La
0.1Y2.97Fe3.78Ga1.15O12が例示される。このものはそ
の格子定数が12.363〜12.372Åのものとされるが、これ
をエピタクシャル成長させる基板単結晶の格子定数が上
記したように12.367〜12.383Åとされていて両者の格子
定数は±0.003Åの範囲内で一致しているのでミスマッ
チがなく、容易にエピタクシャル成長させることがで
き、得られたエピタクシャル成長層は亀裂が入ることも
ない。
(La Y Fe Ga)8O12は組成式が LaxYy-xFezGa8-y-zO12で示され、このx,y、zは0.1
>x>0、3.1>y>3.0、4.1>z>3.6とされるもので
あり、これは{c}サイトにLaとY、〔a〕サイトにFe
とYの一部とGaの一部、(d)サイトにFeとGaを配置した
もので、これには式La0.04Y3.00Fe3.86Ga1.10O12、La
0.1Y2.97Fe3.78Ga1.15O12が例示される。このものはそ
の格子定数が12.363〜12.372Åのものとされるが、これ
をエピタクシャル成長させる基板単結晶の格子定数が上
記したように12.367〜12.383Åとされていて両者の格子
定数は±0.003Åの範囲内で一致しているのでミスマッ
チがなく、容易にエピタクシャル成長させることがで
き、得られたエピタクシャル成長層は亀裂が入ることも
ない。
なお、このエピタクシャル膜についてはこれを従来公知
のYIGとすると、このYIGでは〔a〕サイトに約2.0式量
の鉄イオン、〔d〕サイトに約3.0式量の鉄イオンがあ
り、この〔a〕、〔d〕サイトが殆ど鉄イオンで占有さ
れているために飽和磁化としては約1.0式量に相当する
値1.760Gが生じ、また〔d〕サイトの鉄イオンによっ
てこのものはその飽和磁化の温度依存性の強いものにな
るのであるが、本発明において使用される上記した組成
式で示されるものはこのYIGの主に〔d〕サイトの鉄イ
オンをガリウム元素で置換し、この鉄イオンの量Z値を
4.1>Z>3.6となるようにしてあるので、このものは飽
和磁化の温度依存性の小さいものとされている。
のYIGとすると、このYIGでは〔a〕サイトに約2.0式量
の鉄イオン、〔d〕サイトに約3.0式量の鉄イオンがあ
り、この〔a〕、〔d〕サイトが殆ど鉄イオンで占有さ
れているために飽和磁化としては約1.0式量に相当する
値1.760Gが生じ、また〔d〕サイトの鉄イオンによっ
てこのものはその飽和磁化の温度依存性の強いものにな
るのであるが、本発明において使用される上記した組成
式で示されるものはこのYIGの主に〔d〕サイトの鉄イ
オンをガリウム元素で置換し、この鉄イオンの量Z値を
4.1>Z>3.6となるようにしてあるので、このものは飽
和磁化の温度依存性の小さいものとされている。
また、このように鉄イオンをガリウム元素で置換したも
のについてはさらにランタン元素を添加し、ランタン置
換量x値を0.24>x>0.13としたものが知られている
が、(La Y Fe Ga)8O12の結晶中におけるランタン値をこ
のようにするとエピタクシャル膜中にピットが多く発生
するので、本発明のものはこのx値を0.1≧x>0とし
たのでピットの発生がないものになっている。
のについてはさらにランタン元素を添加し、ランタン置
換量x値を0.24>x>0.13としたものが知られている
が、(La Y Fe Ga)8O12の結晶中におけるランタン値をこ
のようにするとエピタクシャル膜中にピットが多く発生
するので、本発明のものはこのx値を0.1≧x>0とし
たのでピットの発生がないものになっている。
このエピタクシャル成長は液相法で行えばよく、したが
ってこれはLa2O3、Y2O3、Fe2O3、Ga2O3とフラックス成
分であるPbOとB2O3とを白金ルツボに収容し、950〜
1,100℃に加熱して溶融し、この融液中に上記した基板
単結晶を浸漬すればよい。このエピタクシャル成長法で
作られたエピタクシャル層の厚さは目的とするマイクロ
波素子で使われる周波数で異なるが、通常は5μmから
40μmの範囲とすればよい。
ってこれはLa2O3、Y2O3、Fe2O3、Ga2O3とフラックス成
分であるPbOとB2O3とを白金ルツボに収容し、950〜
1,100℃に加熱して溶融し、この融液中に上記した基板
単結晶を浸漬すればよい。このエピタクシャル成長法で
作られたエピタクシャル層の厚さは目的とするマイクロ
波素子で使われる周波数で異なるが、通常は5μmから
40μmの範囲とすればよい。
上記したような方法で得られる本発明のマイクロ波素子
は共振周波数の温度依存性がが小さく、その基板単結晶
とエピタクシャル成長層との格子定数のミスマッチもな
く、さらには育成されたエピタクシャル膜にピットを生
じることもないので、マイクロ波素子としてすぐれた特
性をもつものとなり、これは例えば周波数100MHzか
ら数10GHzのマイクロ波帯で使用されるフィルター、
遅延線、共振子、発振器などのマイクロ波素子としてす
ぐれているほか、アイソレーター、サーキュレーターと
しても有用である。
は共振周波数の温度依存性がが小さく、その基板単結晶
とエピタクシャル成長層との格子定数のミスマッチもな
く、さらには育成されたエピタクシャル膜にピットを生
じることもないので、マイクロ波素子としてすぐれた特
性をもつものとなり、これは例えば周波数100MHzか
ら数10GHzのマイクロ波帯で使用されるフィルター、
遅延線、共振子、発振器などのマイクロ波素子としてす
ぐれているほか、アイソレーター、サーキュレーターと
しても有用である。
つぎに本発明の実施例をあげるが、例中における共鳴磁
界の測定、飽和磁化の算出および飽和磁化の温度依存性
を定量的に示す温度係数の算出は次記によって行なった
ものである。
界の測定、飽和磁化の算出および飽和磁化の温度依存性
を定量的に示す温度係数の算出は次記によって行なった
ものである。
試料から2.6×2.6mmの小片を切出し、温度可変装置付き
の強磁性共鳴装置を用いて、エピタクシャル膜と印加磁
場との方向が水平の場合および垂直の場合についての共
鳴磁界値を試料温度を変えながら測定する。
の強磁性共鳴装置を用いて、エピタクシャル膜と印加磁
場との方向が水平の場合および垂直の場合についての共
鳴磁界値を試料温度を変えながら測定する。
上記で測定された共鳴磁界値から次式を用いて算出す
る。
る。
こゝに4πMs…飽和磁化、 Ha…異方性磁界、 H⊥…エピタクシャル膜を印加磁界に垂直に置いたとき
の共鳴磁界値、 H||…エピタクシャル膜を印加磁界に平行に置いたと
きの共鳴磁界値。
の共鳴磁界値、 H||…エピタクシャル膜を印加磁界に平行に置いたと
きの共鳴磁界値。
各試料についての飽和磁化の温度依存性のグラフから−
30℃〜80℃の範囲における飽和磁化の温度依存性を
示す温度係数を次式から算出する。
30℃〜80℃の範囲における飽和磁化の温度依存性を
示す温度係数を次式から算出する。
(注)4πMs(80℃)…80℃における飽和磁化 4πMs(−30℃)…−30℃における飽和磁化 実施例1 (1)エピタクシャル膜を形成させる成分としてのLa2O3、
Y2O3、Fe2O3およびGa2O3を白金ルツボ中に仕込み、これ
にさらにフラックス成分としてのPbO、B2O3を仕込んで
から、1,100℃に加熱してこれを溶融させ、ついでこの
融液中に式Y0.5Gd2.55Ga4.95O12で示されるガーネット
基板単結ウェーハを浸漬してその(111)方式に式La0.04Y
3.00Fe3.86Ga1.10O12で示されるエピタクシャル膜を厚
さ約2μmに成長させた。
Y2O3、Fe2O3およびGa2O3を白金ルツボ中に仕込み、これ
にさらにフラックス成分としてのPbO、B2O3を仕込んで
から、1,100℃に加熱してこれを溶融させ、ついでこの
融液中に式Y0.5Gd2.55Ga4.95O12で示されるガーネット
基板単結ウェーハを浸漬してその(111)方式に式La0.04Y
3.00Fe3.86Ga1.10O12で示されるエピタクシャル膜を厚
さ約2μmに成長させた。
この酸化物ガーネット単結晶の格子定数は12.366、基板
単結晶とエピタクシャル膜のミスマッチ度(Å)は0、
およびこの温度係数は−0.2G/℃の結果が得られた。ま
たこのエピタクシャル膜はピット数も少なく良質なもの
であり、温度係数もYIGの−3.2G/℃にくらべて非常に
少ないものであることが確認された。
単結晶とエピタクシャル膜のミスマッチ度(Å)は0、
およびこの温度係数は−0.2G/℃の結果が得られた。ま
たこのエピタクシャル膜はピット数も少なく良質なもの
であり、温度係数もYIGの−3.2G/℃にくらべて非常に
少ないものであることが確認された。
(2)ついで、上記の(1)の方法で作成した(La Y Fe Ga)8O
12/(Y Gd Ga)8O12基板を材料として、(La Y Fe Ga)8O
12膜を伝搬する静磁前進体積波(MSFVW)を用いた高周波
チューナブルフィルターを構成した(第1図a)、b)参
照)。MSFVW励振・検出用のアルミニウム電極は通常の
フォトリソグラフィ法により作成した。第2図はこの素
子の周波数特性を示したものであるが、この高周波チュ
ーナブルフィルターの中心周波数は周波数可変用のコイ
ルの電流値の制御により0.3〜10GHzで可変である。つ
ぎにこれを用いて下式 にしたがってフィルターの中心周波数の温度依存性(TC
F)を60℃、20℃ならびに−20℃の周波数の測定値
より求めたところ、第3図の曲線Aに示したとおりの結
果が得られた。なお、本実施例における外部磁場発生装
置には、周囲の温度によらず任意の一定磁場を発生でき
るものを用いた。
12/(Y Gd Ga)8O12基板を材料として、(La Y Fe Ga)8O
12膜を伝搬する静磁前進体積波(MSFVW)を用いた高周波
チューナブルフィルターを構成した(第1図a)、b)参
照)。MSFVW励振・検出用のアルミニウム電極は通常の
フォトリソグラフィ法により作成した。第2図はこの素
子の周波数特性を示したものであるが、この高周波チュ
ーナブルフィルターの中心周波数は周波数可変用のコイ
ルの電流値の制御により0.3〜10GHzで可変である。つ
ぎにこれを用いて下式 にしたがってフィルターの中心周波数の温度依存性(TC
F)を60℃、20℃ならびに−20℃の周波数の測定値
より求めたところ、第3図の曲線Aに示したとおりの結
果が得られた。なお、本実施例における外部磁場発生装
置には、周囲の温度によらず任意の一定磁場を発生でき
るものを用いた。
また、比較のために行った従来公知のYIG/GGGの基板に
ついては第3図の曲線Bに示した温度依存性であること
から、本発明のものが非常にすぐれたTCFを示すことが
確認された。
ついては第3図の曲線Bに示した温度依存性であること
から、本発明のものが非常にすぐれたTCFを示すことが
確認された。
実施例2 実施例1の高周波チューナブルフィルターを用いて第4
図に示した構造の高周波チューナブル発振器を構成し、
この発振器の発振スペクトルを観測したところ、第5図
に示した結果が得られた。
図に示した構造の高周波チューナブル発振器を構成し、
この発振器の発振スペクトルを観測したところ、第5図
に示した結果が得られた。
この発振器は周波数可変用コイルの電流値を制御するこ
とによって0.3〜10GHzの任意の周波数出力を示した
が、この発振器を用いて下式 にしたがってこの発振器の発振周波数の温度依存性(TC
F)を60℃、20℃ならびに−20℃の周波数の測定値
より求めたところ、実施例1における第3図の曲線Aと
同一の結果が得られた。なお、この実施例において外部
磁場発生には周囲の温度によらず任意の一定磁場を発生
できるものを用いた。
とによって0.3〜10GHzの任意の周波数出力を示した
が、この発振器を用いて下式 にしたがってこの発振器の発振周波数の温度依存性(TC
F)を60℃、20℃ならびに−20℃の周波数の測定値
より求めたところ、実施例1における第3図の曲線Aと
同一の結果が得られた。なお、この実施例において外部
磁場発生には周囲の温度によらず任意の一定磁場を発生
できるものを用いた。
また、比較のために従来公知のYIG/GGG基板を用いた場
合について同様な方法でそのTCFを求めたところ、この
ものは実施例1における第3図の曲線Bと同一の結果を
示したので、本発明のものが非常にすぐれたTCFを示す
ものであることが確認された。
合について同様な方法でそのTCFを求めたところ、この
ものは実施例1における第3図の曲線Bと同一の結果を
示したので、本発明のものが非常にすぐれたTCFを示す
ものであることが確認された。
第1図(a)は本発明のマイクロ波素子よりなる高周波チ
ューナブルフィルターの斜視図、第1図(b)はその縦断
面図、第2図は第1図(a)、(b)の高周波チューナブルフ
ィルターの特性例を示すグラフ、第3図は第1図(a)、
(b)の高周波チューナブルフィルタおよび比較例として
のYIG/GGGを用いたフィルターの周波数温度依存性(TC
F)を示したグラフであり、第4図は第1図(a)、(b)のフ
ィルターを用いた高周波チューナブル発振器の縦断面
図、第5図は第4図の高周波チューナブル発振器の発振
スペクトルを示したものである。
ューナブルフィルターの斜視図、第1図(b)はその縦断
面図、第2図は第1図(a)、(b)の高周波チューナブルフ
ィルターの特性例を示すグラフ、第3図は第1図(a)、
(b)の高周波チューナブルフィルタおよび比較例として
のYIG/GGGを用いたフィルターの周波数温度依存性(TC
F)を示したグラフであり、第4図は第1図(a)、(b)のフ
ィルターを用いた高周波チューナブル発振器の縦断面
図、第5図は第4図の高周波チューナブル発振器の発振
スペクトルを示したものである。
Claims (1)
- 【請求項1】組成式YaGd(b-a)Ga(8-b)O12(ただし0.6≧
a>0、3.1≧b>3.0)で示されるガーネット基板上
に、組成式LaxY(y-x)FezGa(8-y-z)O12(ただし、0.1>
x>0、3.1>y>3.0、4.1>z>3.6)で示される膜を
エピタキシャル成長させてなる酸化物ガーネット単結晶
であって、前記ガーネット単結晶基板と前記ガーネット
エピタキシャル膜との格子定数の差が±0.003Å以下で
ある前記酸化物ガーネット単結晶よりなることを特徴と
するマイクロ波素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63062985A JPH0658845B2 (ja) | 1988-03-16 | 1988-03-16 | マイクロ波素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63062985A JPH0658845B2 (ja) | 1988-03-16 | 1988-03-16 | マイクロ波素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01235316A JPH01235316A (ja) | 1989-09-20 |
JPH0658845B2 true JPH0658845B2 (ja) | 1994-08-03 |
Family
ID=13216164
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63062985A Expired - Lifetime JPH0658845B2 (ja) | 1988-03-16 | 1988-03-16 | マイクロ波素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0658845B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL7406382A (nl) * | 1974-05-13 | 1975-11-17 | Philips Nv | Werkwijze ter vervaardiging van een magnetiseer- bare laag voor een magnetische inrichting met domeinen. |
US4263374A (en) * | 1978-06-22 | 1981-04-21 | Rockwell International Corporation | Temperature-stabilized low-loss ferrite films |
DE3234853A1 (de) * | 1982-09-21 | 1984-03-22 | Philips Patentverwaltung Gmbh, 2000 Hamburg | Scheibenresonator mit einem substrat aus einem granatmaterial und mit einer auf dem substrat angebrachten epitaxialen schicht aus einem ferrimagnetischen granatmaterial |
-
1988
- 1988-03-16 JP JP63062985A patent/JPH0658845B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01235316A (ja) | 1989-09-20 |
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