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JPH0657319B2 - 酸素吸収剤及び該酸素吸収剤を用いた樹脂組成物並びに樹脂組成物からなるフィルム又はシート,包装用容器 - Google Patents

酸素吸収剤及び該酸素吸収剤を用いた樹脂組成物並びに樹脂組成物からなるフィルム又はシート,包装用容器

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Publication number
JPH0657319B2
JPH0657319B2 JP2206190A JP20619090A JPH0657319B2 JP H0657319 B2 JPH0657319 B2 JP H0657319B2 JP 2206190 A JP2206190 A JP 2206190A JP 20619090 A JP20619090 A JP 20619090A JP H0657319 B2 JPH0657319 B2 JP H0657319B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
resin composition
sheet
film
iron powder
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP2206190A
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JPH0490848A (ja
Inventor
正泰 小山
泰宏 小田
宗機 山田
邦彦 水谷
臣慈 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd, Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2206190A priority Critical patent/JPH0657319B2/ja
Publication of JPH0490848A publication Critical patent/JPH0490848A/ja
Publication of JPH0657319B2 publication Critical patent/JPH0657319B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,酸素吸収剤と,該酸素吸収剤を用いた酸素
吸収性を有する樹脂組成物,並びに酸素吸収性を有する
樹脂組成物を用いたフィルム又はシートおよび包装用容
器に関するものである。
〔従来の技術〕 酸素吸収剤は,酸素による品質低下が問題とされる加工
食品,農水産品,金属製品,精密部品,さらには繊維製
品などの分野に幅広く使用されている。
かゝる酸素吸収剤は,前記各分野の商品を収納する包装
用の袋乃至は容器などの中に,透気性のある小袋に入れ
た酸素吸収剤を,商品と別体に同封し,この酸素吸収剤
によって内部の酸素を吸収して商品の保存効果を高める
ようにしていた。
しかしながら,このような手段は酸素吸収剤の小袋への
収納包装や,これを商品と共に包装する作業がきわめて
煩瑣であると共に,食品包装においては,小袋に収納さ
れた酸素吸収剤を誤って食べたりする事故を防止するた
め,近年,商品の包装材料自体に酸素吸収剤を直接担持
させて内部の酸素を吸収するという脱酸素方式が提案さ
れ,これに使用する酸素吸収シートとして特公昭63−
2648号,特開昭56−26524号等が存在してい
る。
一方,酸素吸収剤を含有したフィルム又はシートに酸素
吸収剤を含まない他のシートを積層し,例えばレトルト
殺菌等の沸騰水加熱の条件下など水分と熱とが同時に作
用する条件下で酸素バリヤー性能を発揮する多層構造の
包装容器等も,特公昭62−1824号,特開昭63−
137838号,特開平1−278335号,特開平1
−278344号などで提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
これら従前の技術に開示されている酸素吸収シート及び
多層構造の包装容器等は,いずれもシートや包装容器自
体に特徴を持たせて酸素吸収性能がガスバリヤー性能を
発現させているもので,これに使用する酸素吸収剤自体
には格別の特徴がなく,従来から実用に供されている酸
素吸収剤の酸素吸収効果に専ら依存しているものであ
る。
この発明の発明者等は,酸素吸収シート或いは多層構造
の包装容器等に使用される前記公知の酸素吸収剤は,シ
ート或いは容器等の材料を構成している熱可塑性樹脂に
混練分散されることによって酸素吸収速度が低下し,こ
れに起因して充分なガスバリヤー性を付与することがで
きないという事実を見出し,これを補うためには多量の
酸素吸収剤を使用する必要のあることを認めた。
その結果,かゝる多量の酸素吸収剤の使用は,必然的に
シートや包装材料が厚手となることに加えて,強度や柔
軟性,軽量性などが犠牲になって実用に耐えるものが得
られないという致命的な欠点が存在し,前記酸素吸収シ
ート或いはガスバリヤー性の包装容器には、これに適合
する性能の酸素吸収剤が必要であることを認識するに至
ったのである。
発明者等は,このような特定の適用分野に適合した酸素
吸収剤について鋭意研究の結果,新規な構成からなるこ
の発明の酸素吸収剤及び該酸素吸収剤を用いた酸素吸収
性を有する樹脂組成物,並びに前記樹脂組成物を用いた
フィルム又はシート及び包装用容器を完成させたもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の基本をなす酸素吸収剤は,比表面積が0.5
/g以上,見掛け密度が2.2g/cm以下の鉄粉
と,ハロゲン化金属とからなることを特徴とするもので
ある。
前記酸素吸収剤を用いた樹脂組成物は,比表面積が0.
5m/g以上,見掛け密度が2.2g/cm以下の鉄
粉と,ハロゲン化金属とからなる酸素吸収剤を分散担持
させた熱可塑性樹脂であることを特徴とするものであ
る。
この酸素吸収性を有する樹脂組成物は,これをフィルム
又はシートに,さらには包装用容器に成形して使用する
ものであるが,包装用容器は,樹脂組成物をフィルム又
はシートに形成したものからも成形することができる。
しかして,この発明は酸素吸収剤の一成分を構成してい
る鉄粉は,比表面積が0.5m/g以上,好ましくは
1.0m/g以上,より好ましくは2.0m/g以
上で,かつ,見掛け密度が2.2g/cm以下,好まし
くは2.9g/cm以下,特に好ましくは1.6g/cm
以下のものである。
かゝる比表面積と見掛け密度の鉄粉は,還元鉄粉,噴霧
鉄粉,搗砕鉄粉などの各種の製法で得られた鉄粉で,表
面から内部にかけて多数の微細孔を有する海綿状の多孔
質細粒で構成されたものである。
前記鉄粉の比表面積が0.5m/g未満の鉄粉を使用
すると,これを酸素吸収剤とした場合,酸素の吸収速度
が低下し、フィルム又はシート或いは包装用容器に適用
した場合,充分な酸素吸収能力が発揮できなくなり,包
装された商品の品質維持が困難となる。
一方,見掛け密度が2.2g/cmを超えると,酸素吸
収速度が低下するだけでなく,得られたフィルム又はシ
ート,あるいは包装用容器は,柔軟性や軽量性等が低下
し,また強度も減少する。
かゝる酸素吸収剤に使用する鉄粉の鉄成分としては、金
属鉄又は酸化鉄の単独,若しくはこれらに水酸化鉄を含
んだものを使用できるが,実質的に金属鉄と酸化鉄とが
共存するものであることが望ましく,その鉄含量は,全
鉄(金属鉄+酸化鉄等)含量として80重量%以上で,
かつ金属鉄含量で40重量%であることが望ましい。
使用する鉄粉の粒径は,ハロゲン化金属粉末との分散性
をよくするために,通常,平均粒径として150μ以
下,好ましくは100μ以下のものが用いられるが,あ
まり微粉のものは,混合及び充填などの製造工程におい
て粉立ちしたり,流動性が悪くなるので,平均粒径とし
て10μ以上のものが好適である。
他方,前記鉄粉と併用するハロゲン化金属としては,塩
化ナトリウム,臭化ナトリウム,ヨウ化ナトリウム,塩
化カリウム,臭化カリウム,ヨウ化カリウム,塩化カル
シウム,塩化マグネシウム又は塩化バリウム等で示され
るアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物の
1種若しくは2種以上が好ましく用いられる。
このハロゲン化金属の前記鉄粉に対する配合量は,鉄粉
100重量部に対して0.05〜50重量部が好まし
く,さらには0.1〜20重量部が特に好ましい。
ハロゲン化金属の配合量が0.05重量部未満の場合に
は,優れた酸素吸収性能が発揮されず,50重量部を超
える配合量は,酸素吸収反応に対して過剰なものであ
り,かゝる過剰なハロゲン化金属が酸素吸収反応に際し
てこれを担持したフィルム又はシート等から染み出して
商品に悪影響を与えるおそれがあるので好ましくない。
このハロゲン化金属を粉末として使用する場合には,鉄
粉との分散性を良くするために,鉄粉とほゞ同じ粒径で
あることが望ましく,平均粒径は好ましくは150μ以
下,より好ましくは100μ以下の微粉末として用い
る。
かゝる鉄粉とハロゲン化金属とからなる酸素吸収剤の製
造は,鉄粉とハロゲン化金属粉末の両者を単に混合する
方法,或いは鉄粉の表面に各種の手段でハロゲン化金属
粉末を被覆する方法によって行うことができる。
この発明の酸素吸収剤を用いた酸素吸収性を有する樹脂
組成物において,酸素吸収剤を配合して樹脂組成物とす
るための熱可塑性合成樹脂としては,オレフィン系樹
脂,例えば低−,中−,高密度のポリエチレン,ポリプ
ロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリブテン
−1,エチレン−ブテン−1共重合体,プロピレン−ブ
テン−1共重合体,エチレン−プロピレン−ブテン−1
共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,イオン架橋
オレフィン共重合体(アイオノマー)或いはこれらのブ
レンド物などのオレフィン系樹脂,ポリスチレン,スチ
レン−ブタジエン共重合体,スチレン−イソプレン共重
合体などのスチレン系樹脂,ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリテトラメチレンテレフタレートなどの熱可塑性
ポリエステルやナイロン−6,ナイロン66,ナイロン
610,ナイロン11,ナイロン12,メタキシリレン
アジパミド(MXナイロン)などのポリアミド系樹脂,
エチレン−ビニルアルコール共重合体,ビニルアルコー
ル,ポリアクリル酸,ビニルアルコール−アクリル酸共
重合体,ポリビニルピロリドン,ポリエチレンオキサイ
ド及びその変成物,さらにはアクリル酸ソーダ重合体な
どを挙げることができ,これらはいずれも単独で,ある
いは複数のブレンド物として使用することができるもの
である。
これら熱可塑性樹脂と酸素吸収剤からなる酸素吸収性を
有する樹脂組成物は,カレンダー法或いはT−ダイ法,
リングダイ法など公知の溶融製膜法によってフィルムと
することができ,T−ダイ法によってシートに成形する
こともできる。
かゝる樹脂組成物において,酸素吸収剤は、熱可塑性樹
脂に対して好ましくは80%重量以下,より好ましくは
50重量%以下で配合する。
この配合量が80重量を%を超えると,樹脂組成物の成
形性が悪くなると共に,得られるフィルムやシートの強
度も低下し,また重量のある鉄粉によって得られたフィ
ルムやシートの重量が増して取扱いが不便となり,好適
なフィルムやシートを得ることができなくなる。
この樹脂組成物によって形成されるフィルムやシートの
厚みには特に制限はないが,概ね0.1mm〜3.0mmの
範囲が好適である。
なお,この発明の樹脂組成物で成形されたフィルムやシ
ートは,必要に応じて他の熱可塑性樹脂や金属箔と積層
して使用することができる。
積層する熱可塑性樹脂は、既述の酸素吸収剤を混合する
ものと同種の熱可塑性樹脂,あるいは別種のものでもよ
いが,酸素透過性の見地からはオレフィン系樹脂が好ま
しく,金属箔を使用する場合には、アルミ箔,鉄箔が用
いられる。
積層する方法は,ウェットラミネーション,ドライラミ
ネーション,押出ラミネーションなど公知の技術を使用
して行うことができるが、積層する樹脂に限っては、シ
リコーン系樹脂の分散液をコーティング法によって積層
することも可能で,これらの樹脂層は,酸素吸収剤を含
む樹脂層の片側だけであっても両側であってもよい。
さらに,この発明の包装用容器は,前記の酸素吸収剤を
分散させた酸素吸収性を有する樹脂組成物を用いて成形
するもので,前記の材料構成に関する点を除けば,それ
自体公知の方法で製造することができる。
なお,この発明において包装用容器とは,カップ,トレ
イ,チューブ,ボトル,キャップ,袋,蓋など包装用に
使用できるものであれば,その形状には特別な制限はな
い。
しかして,包装用容器の成形に際し,多層同時押出によ
って成形する場合には、各樹脂層に対応する押出機で溶
融混練したのち,T−ダイ,サーキュラーダイ等の多層
多重ダイスを通じて所定の形状に押し出す。
また,各樹脂層に対応する射出機で溶融混練したのち,
射出金型中に共射出又は逐次射出して多層容器又は容器
用のプリフォームを製造する。
さらに,ドライラミネーション,サンドイッチラミネー
ション,押出しコート等の積層方式も採用することがで
きる。
この樹脂組成物による包装用容器の成形物は,ボトル乃
至チューブ形成用パリソン,或いはパイプ,ボトル乃至
チューブ形成用プリフォーム等の形を取り得る。
パリソン,パイプ或いはプリフォームからのボトルの成
形は,押出物を一対の割型でピンチオフし,その内部に
流体を吹き込むことによって容易に行うことができる。
また,パイプ乃至プリフォームを冷却した後,延伸温度
に加熱し,軸方向に延伸することによって延伸ブローボ
トル等が得られる。
また,前記樹脂組成物によって得たフィルム又はシート
を,真空成形,圧空成形,射出成形又はプラグアシスト
成形等の手段によってカップ状,トレイ状の包装用容器
を得ることができる。
さらに,多層フィルムにあっては,これを袋状に重ね合
わせ,或いは折り畳み,周囲をヒートシールして袋状の
包装用容器とすることもでき,押出機からキャップ殻中
に溶融押出し,冷却しながら型押して,所定形状のライ
ナーとすること,又は,蓋上に樹脂組成物のペレット乃
至はプリフォームを施し,加熱下に型押し,ついで冷却
することによって所定形状のライナーとすることや,シ
ート及び多層シートを円板状に打ち抜くことによってラ
イナーとすることもできる。
〔作 用〕
この発明の酸素吸収剤は,比表面積が0.5m/g以
上,見掛け密度が2.2g/cm以下の鉄粉と,ハロゲ
ン化金属とから構成されるものであって,使用する鉄粉
は,表面から内部にかけて多数の微細孔を有する海綿状
の多孔質細粒からなる比表面積が大きなものであるの
で,酸素吸収速度が大きく,また酸素吸収容量も顕著に
増加し,併用するハロゲン化金属と相俟って,少量で優
れた酸素吸収性能を発揮することができると共に,使用
する鉄粉の見かけ密度が小さいので、きわめて軽量なも
のとなる。
また,この酸素吸収剤を熱可塑性樹脂に分散担持させる
ことによって得た樹脂組成物は,きわめて優れた酸素吸
収性を発揮すると共に,酸素吸収剤の熱可塑性樹脂への
分散性が良好なため,柔軟性や軽量性に富んだ成形物を
得ることができる。
さらに,前記樹脂組成物の成形によって得られるフィル
ム又はシートや,包装用容器は,いずれもそれ自体が優
れた酸素吸収性を有するので,ガスバリヤー性能に富ん
だ成形物となる。
〔実 施 例〕
以下,実施例及び比較例を示してこの発明をさらに具体
的に説明するが,実施例1〜9及び比較例1〜4におけ
るガスバリヤー性能の評価は下記の方法によるものであ
る。
《ガスバリヤー性能の評価方法》 実施例1〜9及び比較例1〜4において,多層積層体か
らなるシートを用いて得た内容積120ml〔表面積:
内容積=1:1(cm/cm)〕のカップ状の各包装用
容器中に,窒素雰囲気中で水2mlを充填し,12μm
ポリエチレンテレフタレート,接着剤,9μmアルミニ
ウム箔,30μmポリプロピレンフィルムからなるヒー
トシール性の蓋を加熱圧着して密封したのち,温度12
0℃で30分間のレトルト処理を行い,しかるのち温度
22℃−湿度60%RHにて保存し,一定期間毎に包装
用容器内のガス組成をガスクロマトグラフ装置にて分析
し,外部から包装用容器中へ透過してきた酸素量を求
め,酸素透過の程度を1〜10の段階に分けて判定した
もので,大きな数値のものほどガスバリヤー性が良好で
あり,小さくなるに従って劣弱と判定したものである。
実施例1 比表面積が0.79m/g,見掛け密度が1.33g
/cmで,平均粒径が42μ,全鉄含量90%,金属鉄
含量が81%の還元鉄粉275部(重量部;以下同じ)
に,平均粒径が30μの塩化ナトリウム粉末5部を加え
てよく混合し,酸素吸収剤を得た。
この酸素吸収剤と,エチレン−ビニルアルコール共重合
体(エチレン含有量32モル%,ケン化度99.6モル
%)とを,バッチ式高速撹拌翼型混合機(ヘンシェルミ
キサー)にて混合した。
混合割合は,酸素吸収剤が30重量%になるように行っ
た。
ついで,この混合物を50mm径のスクリューを内蔵する
押出機,ストランドダイ,ブロワー冷却槽及びカッター
で構成されるペレタイザーにてペレット化し,ペレット
化したエチレンビニルアルコール共重合体と酸素吸収剤
混合物(EO)を中間層とし,メルトインデックスが
0.5g/10min (温度230℃)のポリプロピレン
(PP)を内外層とし,メルトインデックスが1.0g
/10min の無水マレイン酸変性PP(ADH)を接着
剤層とした対称3種5層シート(全厚み0.9mm,構成
比PP:ADH:EO:ADH:PP=12:1:2:
1:12)を,50mm径の内外層押出機,32mm径の接
着剤押出機,32mm径の中間層押出機,フィードブロッ
ク,T−ダイ,冷却ロール及びシート引取機で構成され
る多層シート成形装置にて成形してガスバリヤー性の多
層シートを得た。
かくして得た多層シートを温度190℃に加熱したの
ち,真空成形機にて内容積120mlのカップ状の包装
用容器に成形した。
実施例2〜実施例9 酸素吸収剤において,鉄粉の比表面積,見掛け密度,平
均粒径及び鉄含量等を種々に相違させた以外は,前記実
施例1と同様にして実施例2〜9の酸素吸収剤を得た。
かくて得た酸素吸収剤を使用して実施例1と同様に熱可
塑性樹脂に混合し,樹脂組成物となしたのち,これを多
層シートに成形し,これを更に実施例2〜9のカップ状
の包装用容器に成形した。
比較例1〜4 酸素吸収剤として,鉄粉の比表面積,見掛け密度,平均
粒径及び鉄含量等を種々に相違させたさせた以外は,実
施例1と同様にして比較例1〜4の酸素吸収剤を得,こ
れらの酸素吸収剤を使用して実施例1と同様に熱可塑性
樹脂に分散混合し,厚さ0.9mmの多層シートに成形し
たのち,これを更に成形して比較例1〜4に示すカップ
状の包装用容器を得た。
これらの実施例1〜9及び比較例1〜4に使用した酸素
吸収剤の諸物性値及び酸素吸収性を有する包装用容器つ
いて,ガスバリヤー性能を評価した結果を第1表に示
す。
実施例10 実施例1と同じく,エチレンビニルアルコール共重合体
と酸素吸収剤を同様の方法にて混合ペレット(EO)し
たものを中間層とし,メルトインデックスが0.5g/
10min (温度230℃)のポリプロピレン(PP)を
内外層とし,メルトインデックスが1.0g/10min
の無水マレイン酸変性PP(AD)を接着剤層として対
称3種5層の包装用の立体容器(表面積:内容積=1:
7,胴部厚さ0.4mm,構成比はPP:AD:EO:A
D:PP=8:1:2:1:8)をブロー成形によって
得た。この立体容器の内容席は75cm,表面積125
cmであった。
窒素雰囲気中で,この立体容器に蒸留水2mlを充填
し,アルミ箔とPPからなるシール材にて加熱シールを
行い密封したのち,温度120℃で30分間の熱殺菌処
理を行い,この殺菌後温度22℃,湿度60%RHで保
存し,一定期間毎に立体容器内の酸素濃度をガスクロマ
トグラフ装置にて測定した。
また,対照品として比較例1の酸素吸収剤を使用して,
実施例10と同様の立体容器をブロー成形にて得,前記
と同じ試験を行った。この時の立体容器内の酸素濃度
(%)の経時的変化を第2表に示す。
この表によって,この発明の酸素吸収剤を用いた樹脂組
成物の成形品である立体容器内の酸素濃度が,比較例の
それに比し明らかに低いことが判る。
〔発明の効果〕 この発明の酸素吸収剤は,酸素吸収剤の一成分である鉄
粉に,比表面積が0.5m/g以上で,見掛け密度が
2.2g/cm以下のものを使用すると共に,これにハ
ロゲン化金属の所定量を配合したもので、かゝる構成に
よって大きな酸素吸収速度で酸素を素早く捕捉し,しか
も優れた酸素吸収能力によって持続的な酸素吸収を行う
ことができるものである。
一方,前記酸素吸収剤を使用した酸素吸収性を有する樹
脂組成物は,前記の優れた効果を有する酸素吸収剤を熱
可塑性樹脂に担持させることによって得られるのもで,
得られた樹脂組成物は,酸素吸収剤が樹脂中に均一に分
散し,優れた酸素吸収性を有するものである。
他方,前記樹脂組成物を成形することによって得られる
フィルム又はシートは,優れた酸素吸収性を有する酸素
吸収剤がフィルム又はシート中に均一に分散して存在す
るため、フィルム又はシート自体の有する強度や,柔軟
性,軽量性を一切損なうことがなく,優れたガスバリヤ
ー性を有し,得たフィルム又はシートを商品を収納した
包装用の袋や容器内に同封するだけで、酸素吸収機能を
充分に発揮し,収納された商品の品質を確実に維持する
ものである。
かゝるフィルム又はシートは,これを単独で使用するこ
ともできるが,多層構造の包装袋或いは包装容器の内層
または中間層に使用して内部の酸素の捕捉と,外部から
通過してくる酸素の吸収遮断を的確に行うことができる
と共に,シートと酸素吸収剤を担持していない他のシー
トとを積層して多層構造とすることによっても,優れた
ガスバリヤー性の保持と共に,水分や熱などによるガス
バリヤー性能の低下を防止することができるものであ
る。
さらに,前記樹脂組成物,又はこの樹脂組成物から成形
されたフィルム,若しくはシートを使用して成形された
包装用容器は,それ自体が優れた酸素吸収性を有してい
るので,得られた包装用容器に商品を収納するだけでよ
く,万一酸素吸収剤を充填する必要が有ったとしても,
その量がきわめて少量で済むなど実用上多大の利点を有
するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/16 KAD 7242−4J C08L 101/00 KAD (72)発明者 水谷 邦彦 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 中村 臣慈 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (56)参考文献 特開 昭56−60642(JP,A) 特開 昭55−34164(JP,A) 特開 昭63−214351(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積が0.5m/g以上,見掛け密
    度が2.2g/cm以下の鉄粉と,ハロゲン化金属とか
    らなることを特徴とする酸素吸収剤。
  2. 【請求項2】比表面積が0.5m/g以上,見掛け密
    度が2.2g/cm以下の鉄粉と,ハロゲン化金属とか
    らなる酸素吸収剤を分散担持させた熱可塑性樹脂である
    ことを特徴とする酸素吸収性を有する樹脂組成物。
  3. 【請求項3】比表面積が0.5m/g以上,見掛け密
    度が2.2g/cm以下の鉄粉と,ハロゲン化金属とか
    らなる酸素吸収剤を分散担持させた熱可塑性樹脂からな
    る酸素吸収性を有する樹脂組成物で成形されたことを特
    徴とするフィルム又はシート。
  4. 【請求項4】比表面積が0.5m/g以上,見掛け密
    度が2.2g/cm以下の鉄粉と,ハロゲン化金属とか
    らなる酸素吸収剤を分散担持させた熱可塑性樹脂からな
    る酸素吸収性を有する樹脂組成物で成形されたことを特
    徴とする包装用容器。
  5. 【請求項5】比表面積が0.5m/g以上,見掛け密
    度が2.2g/cm以下の鉄粉と,ハロゲン化金属とか
    らなる酸素吸収剤を分散担持させた熱過塑性樹脂からな
    る酸素吸収性を有する樹脂組成物からなるフィルム又は
    シートで成形された包装用容器。
JP2206190A 1990-08-03 1990-08-03 酸素吸収剤及び該酸素吸収剤を用いた樹脂組成物並びに樹脂組成物からなるフィルム又はシート,包装用容器 Expired - Lifetime JPH0657319B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2206190A JPH0657319B2 (ja) 1990-08-03 1990-08-03 酸素吸収剤及び該酸素吸収剤を用いた樹脂組成物並びに樹脂組成物からなるフィルム又はシート,包装用容器

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JP2206190A JPH0657319B2 (ja) 1990-08-03 1990-08-03 酸素吸収剤及び該酸素吸収剤を用いた樹脂組成物並びに樹脂組成物からなるフィルム又はシート,包装用容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0490848A JPH0490848A (ja) 1992-03-24
JPH0657319B2 true JPH0657319B2 (ja) 1994-08-03

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ID=16519301

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