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JPH0656370B2 - 連続式アルカリまたは酸濃度測定方法 - Google Patents

連続式アルカリまたは酸濃度測定方法

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Publication number
JPH0656370B2
JPH0656370B2 JP23984088A JP23984088A JPH0656370B2 JP H0656370 B2 JPH0656370 B2 JP H0656370B2 JP 23984088 A JP23984088 A JP 23984088A JP 23984088 A JP23984088 A JP 23984088A JP H0656370 B2 JPH0656370 B2 JP H0656370B2
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JP
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reagent gas
gas
reagent
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JP23984088A
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憲治 八木
八郎 梅本
勝雄 山田
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0656370B2 publication Critical patent/JPH0656370B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、試料溶液のアルカリまたは酸濃度を測定す
る方法に関するものである。更に詳しくは、この発明
は、試薬として酸性またはアルカリ性のガスを用い、該
ガスが試料溶液に溶解ならびに中和反応する際発生する
熱量を反応前後の温度差で測定し、試料溶液中のアルカ
リまたは酸濃度を測定する方法において、酸性またはア
ルカリ性の試薬ガスの反応帯域への導入方法に関するも
のである。
〔従来技術の説明〕
従来試料溶液中のアルカリまたは酸濃度を連続測定する
方法および装置は、特公昭第49-16516号公報、特公昭第
56-48062号公報などに開示された方法および装置が採用
されてきた。
これらの測定方法および装置は、装置が極めて複雑で高
価であり、かつ、試料溶液を調合して既知濃度にしなけ
ればならないなどの従来周知のタイトレーターのような
欠点をなくし、実用上満足するべき測定方法および測定
装置の研究開発結果として提案されたものであることは
言うまでもない。
すなわち、特公昭第49-16516号公報では、試薬として酸
性またはアルカリ性のガスを用い、該ガスが試料溶液に
溶解ならびに中和反応する際発生する熱量を、反応前後
の温度差で測定することを特徴とする試料溶液のアルカ
リまたは酸濃度の測定方法、ならびに、連続的に供給さ
れる該試料溶液および該試薬ガスを所定温度に温度調節
させる温度調節部、該試料溶液導入口と該試薬ガス導入
口および反応完結に充分な配合帯域とを有する反応部、
余剰試薬ガス排出口と反応液排出口とを有する気液分離
部、反応前の試料と反応後の温度とを測定する温度検出
部および得られた該反応前後の温度差を該試料溶液のア
ルカリまたは酸濃度に換算して指示する指示部とからな
る前記試料溶液のアルカリまたは酸濃度を測定するため
に用いる連続式アルカリまたは酸濃度測定装置が提案さ
れている。
そして、特公昭第56-48062号公報では、酸性またはアル
カリ性の試薬ガスと試料溶液とを反応帯域に連続的に供
給し、反応帯域の前後の試料溶液の温度差から試料溶液
のアルカリまたは酸濃度を測定する連続式アルカリまた
は酸濃度測定方法において、試料溶液の0.1〜3容量倍
の水性媒体を試薬ガスおよび試料溶液と共に反応帯域に
導入することを特徴とする試料溶液のアルカリまたは酸
濃度の連続式測定方法が提案されている。
しかしながら、特公昭第49-16516号公報に開示された連
続式アルカリまたは酸濃度測定方法および測定装置は、
試料溶液の供給を停止しない限り、アルカリまたは酸濃
度の連続測定は可能であるが、反応帯域下部における試
薬ガスの試料溶液への溶解ならびに中和反応がバブリン
グにて行われるため、二次反応が起こり易く、これによ
り生成された反応生成物が、試料溶液の供給が一時中断
された場合には、反応帯域に長時間滞留するため試料溶
液中に反応生成物の析出が起こり、反応生成物の固結に
よって反応管の閉塞などの支障をきたす欠点があり、例
えば、試薬ガスとして炭酸ガス、試料溶液として苛性ソ
ーダ水溶液を用いる場合、通常は反応生成物として炭酸
ソーダ水溶液が得られるが、苛性ソーダ水溶液の供給が
中断すると、炭酸ソーダ水溶液と炭酸ガスとの反応が進
行して重炭酸ソーダが析出し、反応管内に付着して次の
分析に支障を生じることがある。
そして、特公昭第56-48062号公報に開示された連続式ア
ルカリまたは酸濃度測定方法においては、試料溶液の供
給を一時停止しても、反応帯域に絶えず水性媒体を供給
するため、バブリングによる試薬ガスの試料溶液への溶
解ならびに中和反応の結果として起きる二次反応で生成
する反応生成物が反応帯域に長時間滞留することがない
ので、アルカリまたは酸濃度の連続測定に支障をきたす
ことはないが、試料溶液を水性媒体と共に反応帯域に供
給することにより試料溶液の濃度変化に対する感度が低
下する欠点がある。
そこで、本発明者等は、前記特公昭第49-16516号公報や
特公昭第56-48062号公報に開示された試料溶液中のアル
カリまたは酸濃度を連続測定する方法および装置におけ
る上記のような欠点をなくすべく鋭意研究開発を重ねた
結果、先に、特願昭第63-42142号の出願において、『酸
性またはアルカリ性の試薬ガスと試料溶液とを反応帯域
に連続的に供給し、該反応帯域の前後の試料溶液の温度
差から試料溶液のアルカリまたは酸濃度を測定する連続
式アルカリまたは酸濃度測定方法において、該反応帯域
下部で試料溶液と試薬ガスとからそれぞれ試料溶液層と
試薬ガス層とを交互に形成させながら、該反応管を上昇
させて、試薬ガスの試料溶液への溶解ならびに中和反応
を行わせることを特徴とする試料溶液のアルカリまたは
酸濃度測定方法』を提案した。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記特願昭第63-42142号(特開平1−21
7251号)明細書における連続式アルカリまたは酸濃度測
定方法においては、試料溶液の供給を一時停止しても、
試薬ガスの試料溶液への溶解ならびに中和反応による反
応生成物が反応帯域に溜まらないため、試料溶液のアル
カリまたは酸濃度の連続測定は可能であるが、試薬ガス
の供給を一旦停止して再供給したり、試薬ガスの供給を
減量したりすると、反応帯域への試薬ガス導入口が前記
反応生成物の析出により閉塞し、試料溶液のアルカリま
たは酸濃度の連続測定に支障を生じることがある。
そこで、この発明の目的は、試料溶液の供給を一時停止
しても、あるいはまた、試薬ガスの供給を一旦停止して
再供給したり、試薬ガスの供給を減量したりしても、試
料溶液のアルカリまたは酸濃度の連続測定を可能にし、
かつ、酸性ガスまたはアルカリ性ガスを用い、該ガスが
試料溶液に溶解ならびに中和反応する際発生する熱量を
安価で極めて簡単な装置で感度よく測定する方法を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、この発明は、予め加湿されており、そして、
試料溶液に対して過剰量である中和用試薬ガスと試料溶
液とを、断熱材で覆われた垂直な反応管にそれぞれ一定
量で連続的に供給し、該反応管の反応帯域下部で前記試
薬ガスと試料溶液とからそれぞれ試薬ガス層と試料溶液
層とを交互に形成させながら、該反応管を上昇させて、
前記試薬ガスの試料溶液への溶解ならびに中和反応を行
わせることにより発生する熱量を、該反応管入口および
出口の温度差から算出して試料溶液のアルカリまたは酸
濃度を連続的に測定することを特徴とする試料溶液のア
ルカリまたは酸濃度測定方法に関する。
〔本発明の各要件の詳しい説明〕
以下、この発明に使用する装置の一例を示す図面を参考
にしながら、この発明を詳しく説明する。
第1図は、連続式アルカリまたは酸濃度測定装置の一例
を示すフロー図である。図中1は、試料溶液を一定流量
流すための定量装置であり、定量ポンプなどが使用でき
る。2は、試薬ガスを一定流量流すための定量装置であ
り、減圧弁17、流量計18などから構成される。温度
調節部3は、試料溶液を予め温度調節するもので、細管
をコイル状にしたものを箱型槽19内に配置し、注入口
20より熱媒(例えば水)で箱型槽19を満たすことが
できる熱交換器など、通常知られている熱交換器が使用
できる。予め温度調節部3で温度調節され、定量装置1
を出た試料溶液ならびに定量装置2を出た試薬ガスは、
各々温度を同一とするため恒温槽4(例えば、内部の空
気を必要な場合加熱または冷却し、加熱または冷却した
空気を循環して槽内の温度を均一かつ一定に保つ装置)
にそれぞれ導入される。そして、試薬ガスは、恒温槽4
内において予め注入口23より導入される後記の水性媒
体(例えば水)で満たされた加湿装置22に導入され、
加湿された後、加湿装置22を出て細管をコイル状にし
たものの一方に導入される。一方、試料溶液は、恒温槽
4内において細管をコイル状にしたもののもう一方に導
入される。このようにして恒温槽4内で同一温度に温度
調節された試薬ガスおよび試料溶液は、次に反応部5に
それぞれ導入される。第2図に反応部5の拡大縦断面正
面略図を示す。第2図において、恒温槽4内で加湿装置
22を通り、次に一方の細管をコイル状にしたものを通
り、加湿調節および温度調節された試薬ガスは試薬ガス
入口10より入り、試料溶液と接触し、試料溶液層と試
薬ガス層とを交互に形成しながら反応管9に至る。一
方、恒温槽4内でもう一方の細管をコイル状にしたもの
を通り、温度調節された試料溶液は試料溶液入口7より
入り、反応前温度検出器8で温度を測定され、試薬ガス
と接触し、試料溶液層と試薬ガス層とを交互に形成しな
がら反応管9に至る。反応管9内の反応帯域下部では、
試料溶液層と試薬ガス層とが交互に形成されながら反応
管9内の反応帯域を上昇し、試薬ガスの一部が試料溶液
に溶解し、直ちに中和反応が行われ、試料溶液層および
試薬ガス層の温度は上昇する。反応後の余剰の試薬ガス
および試料溶液は、気液混合状態となり反応管9内上部
へ上昇し、反応管9上部に取り付けられた反応後の温度
検出器11で温度を測定され、反応管上部出口12に送
出される。反応管上部出口12より送出された気液混合
物は、気液分離部6で余剰の試薬ガスと反応済試料溶液
とに分離し、余剰の試薬ガスは気液分離部上部出口13
へ、反応済試料溶液は気液分離部下部出口14へそれぞ
れ排出される。このようにして、試薬ガスの試料溶液と
の接触前後の温度をそれぞれ温度検出器8および温度検
出器11で測定し、温度差測定器15で差動的に取り出
す。また、この温度差から、予めアルカリまたは酸濃度
で校正された目盛16を付しておくことにより、試料溶
液中のアルカリまたは酸濃度を直接目視することができ
る。
なお、第1図において、反応部5および気液分離部6
は、周囲温度の影響を受けないように恒温槽4に収納し
ており、第2図においても、反応部5は、さらに、例え
ば発砲スチレン、ウレタンフォームなどの断熱材で覆っ
た構造としている。
また、第1図においては、試料溶液の温度調節を定量装
置1を使用する前に予め行うとしているが、定量装置1
の使用に支障がなければ、定量装置1を使用後に温度調
節を箱型槽19で行っても良い。その場合には、箱型槽
19を恒温槽4内に収納しても良いし、恒温槽4の外側
に設置しても良い。また、試薬ガスの予めの加湿を、恒
温槽4内に設けられた加湿装置22内に満たされた水性
媒体中に該試薬ガスをバブリングさせることによって行
うとしているが、この試薬ガスの予めの加湿は、水性媒
体中に試薬ガスをバブリングさせる方法に限定されるも
のではなく、例えば、試薬ガス中にスチームを吹き込む
方法など通常用いられる加湿方法を用いても良い。な
お、第1図におけるように、水性媒体による加湿の場
合、水性媒体が水の場合には、加湿装置22を箱型槽1
9内に収納しても良い。
この発明の方法によって濃度を測定できる試料溶液とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリ
ウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸バリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア、
有機塩基などの一種またはそれ以上を含有するアルカリ
性溶液、塩酸、硫酸、硝酸、有機酸などの一種またはそ
れ以上を含有する酸性溶液などが挙げられる。
試薬ガスと試料溶液との溶解ならびに中和反応を反応帯
域内で完結させるためには、前記反応帯域下部で交互に
形成開始させる試料溶液層および試薬ガス層は、それぞ
れ0.02〜4mmおよび0.01〜2mmの薄膜層であることが望
ましい。
なお、試料溶液および試薬ガスの反応帯域でのそれぞれ
の流速が、この反応帯域下部における上記試料溶液薄膜
層と試薬ガス薄膜層との交互の形成のために重要な因子
となることは言うまでもない。
また、試薬ガスの流量は、理論上は当量以上で良いわけ
であるが、反応帯域下部で上記試料溶液薄膜層と試薬ガ
ス薄膜層とをそれぞれ交互に形成させながら反応帯域を
上昇させ反応を完結させるため、当量の0.7〜4.5倍、好
ましくは、当量の0.8〜4.0倍の流量が選定される。さら
に説明を加えれば、試薬ガスの試料溶液への溶解ならび
に中和反応を、反応帯域下部で試薬ガス薄膜層と試料溶
液薄膜層とを交互に形成させながら反応帯域内で完結さ
せるためには、設定された試料溶液および試薬ガスの供
給量に応じて反応管9は適切な管径を用いる必要があ
り、また、反応管9は試料溶液中の濃度変動を早く検出
するために一定の容積が必要である。従って、反応管9
の管径を選定すれば、おのずから反応管9の長さは決定
される。例えば、反応管9の管径を小さくし細長いチュ
ーブにした場合は、試薬ガス層と試料溶液層とが交互に
形成されるものの薄膜層にならず、反応が不完全のまま
反応管9から排出され、温度検出は不安定である。逆
に、反応管9の管径を大きくし短い反応管にした場合
は、反応帯域下部において試薬ガスが試料溶液中でバブ
リングされ、反応が進み、二次反応(例えば、試料溶液
が水酸化ナトリウム溶液、そして、試薬ガスが炭酸ガス
の場合には、炭酸ナトリウムが重炭酸ナトリウムに変化
するなど)が起き易く、試薬ガスが更に余剰に必要とな
るのである。なお、この際試料溶液の供給が中断した場
合、反応層9に液溜りができ、更に二次反応を受け易
く、試料溶液が水酸化ナトリウム溶液、そして、試薬ガ
スが炭酸ガスの場合は、析出物(重炭酸ナトリウムの結
晶)により反応管9が閉塞し、連続測定に支障を生じる
ことがあるので注意を要する。
以上説明した如く、この発明の方法における反応管9内
での試料溶液の流速は、0.25〜35.3cm/min、好ましくは
0.85〜4.50cm/min、そして試薬ガスの流速は、6.3〜884
cm/min、好ましくは28〜176cm/minであることが望まし
い。
また、反応管9の管径は、4〜15mmΦ、好ましくは6〜
8mmΦであることが望ましく、さらに、この反応管9の
管径に対する長さの比は、30〜200、好ましくは35〜60
であることが望ましい。
それ故、この発明の方法における試料溶液の供給量は、
2〜20ml/min、好ましくは3〜9ml/min、そして試薬ガス
の供給量は、50〜500Nml/min、好ましくは100〜350Nml/
minであることが望ましい。
また、試薬ガスは高純度であることが望ましいが、不活
性ガスで希釈されたものも使用できる。しかし、純度が
低すぎると反応後の試料溶液薄膜層と試薬ガス薄膜層と
に温度差が生じ、温度検出が不安定となり、測定感度の
低下が起こるため、低純度ガスを使用する場合は注意を
要する。
この発明の方法において用いられる試薬ガスとしては、
炭酸ガス、塩化水素ガス、亜硫酸ガス、酸化窒素ガスな
どの酸性ガス、またはアンモニア、メチルアミンなどの
アルカリ性ガスなどが挙げられる。これらの試薬ガス
は、被測定溶液中の濃度を測定すべき目的成分に応じて
適宜選択する必要がある。好ましい態様である酸性試薬
ガスによるアルカリ性試料溶液中のアルカリ濃度の測定
において、例えば、水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウム
が共存するアルカリ性水溶液系で、水酸化ナトリウムの
濃度のみを測定する場合は、試薬ガスとしては、炭酸ガ
スなどの弱酸性ガスなどが好ましく、塩化水素ガスなど
強酸性ガスを使用すると、炭酸ナトリウムとも反応する
ため正確な測定は不可能となる。
なお、この発明の方法において、加湿装置22内で予め
水性媒体を用い試薬ガスの加湿を行う場合には、その方
法としては、前述のように、水性媒体中で試薬ガスをバ
ブリングさせてもよいが、毛細管原理を利用した自動補
給の加湿装置(例えば、試薬ガス部と水性媒体部とをセ
ラミックフィルターまたは透過樹脂膜で仕切り、試薬ガ
スが水性媒体部へ溶解しないようにし、水性媒体のみが
セラミックフィルターまたは透過樹脂膜の毛細管を伝っ
て試薬ガス部へ自動補給されるようにした装置)を用い
てもよい。
すなわち、予め水性媒体を用いて試薬ガスの加湿を行わ
なかった場合は、試薬ガスの供給を一旦停止して再供給
したり、試薬ガスの供給を減量したりすると、反応部5
において、試料溶液入口7から導入された試料溶液が試
薬ガス入口10に逆に流入し、試薬ガス入口10で試薬
ガスの試料溶液への溶解ならびに中和反応が生じ、反応
生成物が析出し乾燥して、試薬ガス入口10を閉塞さ
せ、試料溶液のアルカリまたは酸濃度のの連続測定に支
障をきたすことがあるのである。
試薬ガスを加湿する水性媒体としては、通常、水が用い
られるが、メタノール、エタノール、ブタノールなどの
水溶性有機溶媒、食塩などの中性塩など、試薬ガスと試
料溶液との中和反応に不活性な物質を含んだ水を用いる
こともできる。
試薬ガスを加湿する程度は、相対湿度で30〜150%、好
ましくは50〜130%、さらに好ましくは80〜100%が望ま
しい。
上記のようにして予め加湿された試薬ガスならびに試料
溶液の供給温度は、中和反応が速やかに起こる温度であ
れば問題がないが、温度調節の容易さを考慮すると、室
温付近が望ましい。また、これらの供給温度に差がある
場合は、反応前後の温度差が小さくなり、測定感度が低
下することがあるので、試薬ガスおよび試料溶液の供給
温度は予め同一にすることが好ましい。温度の検出に
は、通常抵抗式温度計が使用されるが、熱電対素子ある
いはサーミスター素子などを使用することもできる。ま
た、温度差を得る手段としては、第1図では差動的抵抗
式温度計を使用しているが、他の方法、例えば、各熱電
対の電位差を増幅後、減算機で温度差を得ることもでき
る。熱電対としては、銅−コンスタンタン、クロメル−
アルメル、鉄−コンスタンタンなどの公知の熱電対を使
用することができる。
なお、温度差測定器15により差動的に取り出された反
応管9の入口および出口の温度差から試料溶液のアルカ
リまたは酸濃度へ換算するには、この発明の方法によっ
て濃度を測定できる試料溶液と、それに対しこの発明の
方法によって用いられる試薬ガスとの全組み合わせにつ
いて、予め、数種類のアルカリまたは酸濃度既知の試料
溶液を使用してこの発明の方法によって反応管入口およ
び出口の温度差を測定し、この温度差と試料溶液のアル
カリまたは酸濃度との関係を求めておけばよい。
以上詳述したように、この発明では、本発明者等が特願
昭第63-42142号(特開平1−217251号)明細書で先に提
案した測定方法における試料溶液中の反応生成物による
反応管の閉塞が防止できる効果はもちろんのこと、さら
に、予め加湿した試薬ガスを反応帯域に導入するため
に、試薬ガス入口の閉塞をも防止でき、試料溶液のアル
カリまたは酸濃度を精度良く連続的に測定することがで
きるのである。
しかも、周知のタイトレーターなどに比較して安価で、
操作原理が簡単、試薬の調合が不要であるなど種々利点
があり、特に前述の如く、反応管本体ならびに反応管の
試薬ガス入口の閉塞が起こらないので連続分析法に適し
ている。
また、この発明の方法により得られた検出値をアルカリ
または酸濃度調節用弁の開閉作動に利用すれば、該アル
カリまたは酸濃度を常に特定範囲内に自動的に保持する
ことができる。さらに、この発明の方法は、発熱反応を
伴う前記の中和反応だけでなく、他の発熱反応または吸
熱反応を起こす特にガスと溶液または液体との反応の測
定にも広く利用可能である。
〔実施例および比較例〕
次に、実施例および比較を挙げて、この発明の方法を具
体的に説明する。
実施例1 11−シアノウンデカン酸を水酸化ナトリウムで加水分
解し、ドデカン二酸−Na塩を生成する工程において、
ドデカン二酸−Na塩反応槽の循環液中の水酸化ナトリ
ウム濃度を、工業分析装置として第1図の構成装置を使
用し、この発明の方法により連続分析した。循環液中の
アルカリ水溶液にはドデカン二酸−Na塩および水酸化
ナトリウム(1.5〜3.5重量%)が共存しており、その下
で水酸化ナトリウム濃度のみを測定するために、試薬ガ
スとしては炭酸ガスを用いた。この測定目的は、水酸化
ナトリウムで11−シアノウンデカン酸を加水分解して
生成したドデカン二酸−Na塩に対して、共存する水酸
化ナトリウムの濃度を1.0〜2.0重量%の範囲内になるよ
う水酸化ナトリウムの供給を調整することである。第2
図の構成装置からなる反応管は、8mmΦ×300mm(材
質はテフロン)とし、温度の検出には抵抗式温度計(測
温体)を使用し、目盛16への濃度目盛表示は、温度差
測定器15により差動的に取り出された温度差を予め水
酸化ナトリウム濃度0〜5重量%に換算して目盛を付す
ことにより実施した。試料溶液の流量は8.5ml/minと
し、そして、試薬ガスとしての炭酸ガス(純度99%)
は、炭酸ガスボンベより流量160Nml/minで、予め水に加
湿(相対湿度100%)させた後供給することにより、測
定した。
結果は、測定感度も良く、測定誤差は全水酸化ナトリウ
ム濃度目盛の2%以下で極めて精度が高かった。
また、炭酸ガスの連続供給を続けるため、2ヵ月で炭酸
ガスボンベの取り替えを行い、その際、炭酸ガスの供給
を一旦停止して再供給したが、反応生成物の析出、固結
による反応管9内はもちろんのこと、反応管9への炭酸
ガス入口部(試薬ガス入口10)の閉塞のトラブルは全
くなかった。
さらに、測定目的である水酸化ナトリウムの濃度を1.0
〜2.0重量%の範囲内になるよう水酸化ナトリウムの供
給を調整することもできた。
比較例1 炭酸ガス(純度99%)を予め水によって加湿(相対湿
度100%)させなかったことの外は実施例1と同様に実
施した。炭酸ガスの流量を160Nml/minのまま供給し読
け、1.5ヵ月で炭酸ガスボンベの取り替えを行い、その
際、炭酸ガスの供給を一旦停止し再供給したところ、約
8時間後に炭酸ガスが流れなくなり、反応管9内での中
和反応が停止した。点検のため装置を解体したところ、
反応管9内には異常が認められなかったが、炭酸ガス入
口部(試薬ガス入口10)の閉塞がみられた。
実施例2 炭酸ガスの流量を160Nml/minから100Nml/minに減量して
供給したことの外は実施例1と同様に実施した。結果
は、測定感度も良く、測定誤差は全水酸化ナトリウム濃
度目盛の2%以下で極めて精度が高かった。
また、反応生成物の析出、固結による反応管9内はもち
ろんのこと、反応管9への炭酸ガス入口部(試薬ガス入
口10)の閉塞のトラブルは全くなかった。
さらに、測定目的である水酸化ナトリウムの濃度を1.0
〜2.0重量%の範囲内になるよう水酸化ナトリウムの供
給を調整することもできた。
比較例2 炭酸ガス(純度99%)を予め水によって加湿(相対湿
度100%)させなかったことおよび炭酸ガスの流量を160
Nml/minから100Nml/minに減量して供給したことの外は
実施例1と同様に実施した。約8時間後に炭酸ガスが流
れなくなり、反応管9内での中和反応が停止した。比較
例1と同様に、点検のため装置を解体したところ、反応
管9内には異常が認められなかったが、炭酸ガス入口部
(試薬ガス入口10)の閉塞がみられた。
〔作用効果の説明〕
この発明の方法は、前述したように、試料溶液を規定量
供給したままで、試薬ガスの供給を一旦停止して再供給
したり、試薬ガスの供給を減量したりする場合、測定装
置の試薬ガス入口部へ試料溶液が逆流し、試薬ガス入口
部での、試薬ガスと試料溶液との中和反応による反応生
成物の析出、固結、乾燥によって試薬ガス入口部の閉塞
が起こり、試料溶液のアルカリまたは酸濃度の連続測定
に支障をきたすなどの問題点があった。本発明者等が先
に提案した特願昭第63-42142号(特開平1−217251号)
明細書記載の連続式アルカリまたは酸濃度測定方法に対
して、試薬ガスの供給中断または供給量の減少が生じた
場合、試薬ガス入口部へ試料溶液が逆流し、試薬ガスと
試料溶液との中和反応により反応生成物が析出しても、
試薬ガスを予め例えば水性媒体で加湿して用いるため
に、試薬ガス入口部で析出した反応生成物が例えば水性
媒体に溶解した後反応管に供給されることにより、試薬
ガス入口部の閉塞が起こらない連続式アルカリまたは酸
濃度測定方法を提供し得る効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の方法に使用する連続式アルカリま
たは酸濃度測定装置の一例をを示すフロー図である。第
2図は、第1図における反応部5の拡大縦断面正面略図
である。 1;定量装置、2;定量装置、3;温度調節部、4;恒
温槽、5;反応部、6;気液分離部、7;試料溶液入
口、8;反応前温度検出器、9;反応管、10;試薬ガ
ス入口、11;反応後温度検出器、12;反応管上部出
口、13;気液分離部上部出口、14;気液分離部下部
出口、15;温度差測定器、16;目盛、17;減圧
弁、18;流量計、19;箱型槽、20;熱媒注入口、
21;熱媒排出口、22;加湿装置、23;水性媒体入
口、24;水性媒体出口。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め加湿されており、そして、試料溶液に
    対して過剰量である中和用試薬ガスと試料溶液とを、断
    熱材で覆われた垂直な反応管にそれぞれ一定量で連続的
    に供給し、該反応管の反応帯域下部で前記試薬ガスと試
    料溶液とからそれぞれ試薬ガス層と試料溶液層とを交互
    に形成させながら、該反応管を上昇させて、前記試薬ガ
    スの試料溶液への溶解ならびに中和反応を行わせること
    により発生する熱量を、該反応管入口および出口の温度
    差から算出して試料溶液のアルカリまたは酸濃度を連続
    的に測定することを特徴とする試料溶液のアルカリまた
    は酸濃度測定方法。
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