JPH0647722B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH0647722B2 JPH0647722B2 JP22560786A JP22560786A JPH0647722B2 JP H0647722 B2 JPH0647722 B2 JP H0647722B2 JP 22560786 A JP22560786 A JP 22560786A JP 22560786 A JP22560786 A JP 22560786A JP H0647722 B2 JPH0647722 B2 JP H0647722B2
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- Japan
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- alloy
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、スパッタ法により形成した強磁性金属薄膜を
記録層とする磁気記録媒体の製造方法に関する。
記録層とする磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、磁気記録装置に用いられる磁気ディスクなどの磁
気記録媒体はますます高密度記録化が要請されてきてお
り、それに対応するために、磁性層の薄膜化,磁力の強
化が必要であり、従来の非磁性基板上にγ−Fe2O3粒子
をバインダ中に分散させたものを塗布して焼成して磁性
層とする塗布型媒体にかわって、非磁性基板上にめっき
法,真空蒸着法またはスパッタ法などで強磁性金属から
なる薄膜磁性層を形成する金属薄膜型磁気記録媒体の開
発がさかんに進められている。
気記録媒体はますます高密度記録化が要請されてきてお
り、それに対応するために、磁性層の薄膜化,磁力の強
化が必要であり、従来の非磁性基板上にγ−Fe2O3粒子
をバインダ中に分散させたものを塗布して焼成して磁性
層とする塗布型媒体にかわって、非磁性基板上にめっき
法,真空蒸着法またはスパッタ法などで強磁性金属から
なる薄膜磁性層を形成する金属薄膜型磁気記録媒体の開
発がさかんに進められている。
塗布型媒体では、現在0.7μm程度の膜厚が実用化され
ている最も薄い膜厚であるのに対し、めっき,蒸着やス
パッタなどでは0.03〜0.05μmという塗布の場合の1/10
以下の薄膜が容易に実現できる。しかも、塗布型媒体は
磁性層が非磁性バインダを多量に含んだ層であるのに対
し、薄膜型媒体は磁性層が強磁性薄膜で形成されるから
非常に優れた磁気特性を有し、飽和磁化が大きく保磁力
も十分大きいので、このような薄膜化にも特性上対応で
きるので、高密度記録化には金属薄膜型媒体の方が好適
である。
ている最も薄い膜厚であるのに対し、めっき,蒸着やス
パッタなどでは0.03〜0.05μmという塗布の場合の1/10
以下の薄膜が容易に実現できる。しかも、塗布型媒体は
磁性層が非磁性バインダを多量に含んだ層であるのに対
し、薄膜型媒体は磁性層が強磁性薄膜で形成されるから
非常に優れた磁気特性を有し、飽和磁化が大きく保磁力
も十分大きいので、このような薄膜化にも特性上対応で
きるので、高密度記録化には金属薄膜型媒体の方が好適
である。
現在、高密度磁気記録装置として主流となってきている
固定磁気ディスク装置の記録媒体として用いられる金属
薄膜型の磁気ディスクは一般に第3図に模式的に示した
ような層構成である。第3図において、31は例えばアル
ミニウム合金からなるディスク状基板であり、その表面
はNi-P合金からなる非磁性基体層32で被覆されている。
基体層32は記録・再生に際して媒体表面に磁気ヘッドが
接触し摺動するときの薄膜磁性層の機械的変形損傷を防
ぎ、かつ、媒体表面に十分な平滑性を付与するために設
けられるもので、その表面は鏡面仕上げされている。基
体層32の上にCrからなる非磁性金属下地層33が、蒸着,
スパッタ,イオンプレーティングなどで形成される。こ
の下地層33は、その上に設けられる磁性層の磁気特性を
向上させるために設けられるものである。下地層33の上
に、蒸着,スパッタ,イオンプレーティングなどでCo合
金からなる薄膜磁性層34が形成される。最後に、この磁
性層の上に,例えばカーボンからなる保護潤滑層35が形
成される。この層は腐食,磨耗し易い金属薄膜磁性層を
被覆保護し、耐食性,耐久性を向上させるために設ける
ものである。
固定磁気ディスク装置の記録媒体として用いられる金属
薄膜型の磁気ディスクは一般に第3図に模式的に示した
ような層構成である。第3図において、31は例えばアル
ミニウム合金からなるディスク状基板であり、その表面
はNi-P合金からなる非磁性基体層32で被覆されている。
基体層32は記録・再生に際して媒体表面に磁気ヘッドが
接触し摺動するときの薄膜磁性層の機械的変形損傷を防
ぎ、かつ、媒体表面に十分な平滑性を付与するために設
けられるもので、その表面は鏡面仕上げされている。基
体層32の上にCrからなる非磁性金属下地層33が、蒸着,
スパッタ,イオンプレーティングなどで形成される。こ
の下地層33は、その上に設けられる磁性層の磁気特性を
向上させるために設けられるものである。下地層33の上
に、蒸着,スパッタ,イオンプレーティングなどでCo合
金からなる薄膜磁性層34が形成される。最後に、この磁
性層の上に,例えばカーボンからなる保護潤滑層35が形
成される。この層は腐食,磨耗し易い金属薄膜磁性層を
被覆保護し、耐食性,耐久性を向上させるために設ける
ものである。
以上のような各薄膜の形成技術としては、真空蒸着法,
スパッタ法,イオンプレーティング法,めっき法,スピ
ンコート法などがあるが、スパッタ法が媒体作製法とし
て注目されている。均質な組成の薄膜が得られ易い,膜
厚管理が比較的容易,非磁性金属下地層以降をすべてス
パッタ法で連続して行うことができ量産に適しているな
ど利点が多いからである。
スパッタ法,イオンプレーティング法,めっき法,スピ
ンコート法などがあるが、スパッタ法が媒体作製法とし
て注目されている。均質な組成の薄膜が得られ易い,膜
厚管理が比較的容易,非磁性金属下地層以降をすべてス
パッタ法で連続して行うことができ量産に適しているな
ど利点が多いからである。
Co合金薄膜磁性層は、従来,磁気テープによく使われて
きたが、その際、斜め蒸着法が採られていた。斜め蒸着
法によりCo合金薄膜の磁化容易軸が面内に倒れ、磁気異
方性が現れて保磁力が大幅に向上することを利用してい
たのである。一方、前述の金属薄膜型磁気ディスクをス
パッタ法で作製する場合には、非磁性基体層上に非磁性
金属下地層としてスパッタリングされたCr薄膜上に、連
続してスパッタリングされたCo合金はCr薄膜上にエピタ
キシャル的に成長して薄膜磁性層を形成する。このと
き、下地層のCr薄膜の結晶配向性により、その上に成長
したCo合金薄膜は磁化容易軸が膜面内に揃うようにな
り、水平方向の磁気異方性が大きく現れて十分高い保磁
力が得られることになる。
きたが、その際、斜め蒸着法が採られていた。斜め蒸着
法によりCo合金薄膜の磁化容易軸が面内に倒れ、磁気異
方性が現れて保磁力が大幅に向上することを利用してい
たのである。一方、前述の金属薄膜型磁気ディスクをス
パッタ法で作製する場合には、非磁性基体層上に非磁性
金属下地層としてスパッタリングされたCr薄膜上に、連
続してスパッタリングされたCo合金はCr薄膜上にエピタ
キシャル的に成長して薄膜磁性層を形成する。このと
き、下地層のCr薄膜の結晶配向性により、その上に成長
したCo合金薄膜は磁化容易軸が膜面内に揃うようにな
り、水平方向の磁気異方性が大きく現れて十分高い保磁
力が得られることになる。
スパッタ法により磁気ディスクを製造する場合、第1図
に要部を模式的に示すようなスパッタ装置が多く用いら
れる。図示されてはいない真空チャンバー内にCrターゲ
ット13とCo合金ターゲット14が並置されており、非磁性
基体層で被覆されたディスク基板11がCrターゲット側か
らCo合金ターゲット側へ矢印Aのように基板搬送レール
12により搬送されながらCr下地層とCo合金磁性層とが順
次スパッタにより積層形成される。その後、基板は基板
搬送レールにより図示はされていない保護潤滑層用材料
のターゲットのところまで搬送され、保護潤滑層をスパ
ッタリングにより形成されて媒体となる。
に要部を模式的に示すようなスパッタ装置が多く用いら
れる。図示されてはいない真空チャンバー内にCrターゲ
ット13とCo合金ターゲット14が並置されており、非磁性
基体層で被覆されたディスク基板11がCrターゲット側か
らCo合金ターゲット側へ矢印Aのように基板搬送レール
12により搬送されながらCr下地層とCo合金磁性層とが順
次スパッタにより積層形成される。その後、基板は基板
搬送レールにより図示はされていない保護潤滑層用材料
のターゲットのところまで搬送され、保護潤滑層をスパ
ッタリングにより形成されて媒体となる。
このようにして作製された磁気ディスクは、十分な保磁
力を有するものの、実際に記録装置に搭載し、磁気ヘッ
ドと組み合わせて書き込み,読み出しを行った場合、第
2図に示すように、再生出力のエンベロープ曲線Bが変
動し電磁変換特性が変動するという問題がしばしば発生
した。特に、保磁力を高くしたときにこのエンベロープ
曲線の変動率(Emax−Emin)/E0×100(%)が大きく
なる。この原因について調査を行ったところ、エンベロ
ープ曲線の変動は磁性層内の場所による磁気異方性の強
さの差異によることが判った。
力を有するものの、実際に記録装置に搭載し、磁気ヘッ
ドと組み合わせて書き込み,読み出しを行った場合、第
2図に示すように、再生出力のエンベロープ曲線Bが変
動し電磁変換特性が変動するという問題がしばしば発生
した。特に、保磁力を高くしたときにこのエンベロープ
曲線の変動率(Emax−Emin)/E0×100(%)が大きく
なる。この原因について調査を行ったところ、エンベロ
ープ曲線の変動は磁性層内の場所による磁気異方性の強
さの差異によることが判った。
この問題の解決方法の一つとして、磁性層をスパッタで
形成する際に、雰囲気のArガスの圧力を高くしてスパッ
タ粒子とAr原子との衝突回数を増やし、スパッタ粒子の
基板への入射方向をランダムにすることが有効であっ
た。具体的にはArガス圧を3.5×10-2Torr まで高めたと
きに、ほぼ実用上問題のない程度の再生出力のエンベロ
ープ曲線が得られた。
形成する際に、雰囲気のArガスの圧力を高くしてスパッ
タ粒子とAr原子との衝突回数を増やし、スパッタ粒子の
基板への入射方向をランダムにすることが有効であっ
た。具体的にはArガス圧を3.5×10-2Torr まで高めたと
きに、ほぼ実用上問題のない程度の再生出力のエンベロ
ープ曲線が得られた。
しかしながら、Arガス圧を3.5×10-2Torr まで高める
と、スパッタリングによる成膜速度が非常に低下し、か
つ、下地層のCr膜への密着性の弱い膜となる。さらに磁
気特性の劣化も生じるようになる。
と、スパッタリングによる成膜速度が非常に低下し、か
つ、下地層のCr膜への密着性の弱い膜となる。さらに磁
気特性の劣化も生じるようになる。
本発明は、前述の点に鑑みてなされたものであって、保
磁力が大きく、かつ、磁気特性の経時変化が少なく、ま
た、再生出力のエンベロープ曲線の均一化にみられるご
とく、優れた電磁変換特性をもつ磁気記録媒体の製造方
法を提供することを目的とする。
磁力が大きく、かつ、磁気特性の経時変化が少なく、ま
た、再生出力のエンベロープ曲線の均一化にみられるご
とく、優れた電磁変換特性をもつ磁気記録媒体の製造方
法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するため、搬送方向に並べ
て設けたCrターゲット及びCo合金ターゲットに沿って非
磁性基板を搬送し、該搬送時に、前記Crターゲット及び
Co合金ターゲットを順次スパッタリングすることによ
り、前記非磁性基板上にCr下地層及びCo合金磁性層を積
層形成するようにした磁気記録媒体の製造方法におい
て、前記Cr下地層及びCo合金磁性層を形成する際に前記
非磁性基板の表面から前記Crターゲットのエロージョン
領域及び前記Co合金ターゲットのエロージョン領域を見
込む角度が、それぞれ前記非磁性基板の法線に対して40
゜以内であることを特徴としている。
て設けたCrターゲット及びCo合金ターゲットに沿って非
磁性基板を搬送し、該搬送時に、前記Crターゲット及び
Co合金ターゲットを順次スパッタリングすることによ
り、前記非磁性基板上にCr下地層及びCo合金磁性層を積
層形成するようにした磁気記録媒体の製造方法におい
て、前記Cr下地層及びCo合金磁性層を形成する際に前記
非磁性基板の表面から前記Crターゲットのエロージョン
領域及び前記Co合金ターゲットのエロージョン領域を見
込む角度が、それぞれ前記非磁性基板の法線に対して40
゜以内であることを特徴としている。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説
明する。
明する。
本発明の実施に際しては、第1図に装置の要部を模式的
に示したような従来から使用されているスパッタリング
装置を用いることができる。基板11としてはディスク状
Al合金基板の表面に非磁性基体層としてNi-P合金を無
電解めっきで形成し鏡面研磨を施したものを用いる。基
板11は図示されていない真空槽内に並置されたCrターゲ
ット13,Co-30at%Ni-7.5at%CrのCo合金ターゲット14
の上を基板搬送レール12により矢印Aの方向に90mm/分
の速さで搬送されながら、その表面にまず下地層として
Crを膜厚1500Åに成膜され、続いてこの下地層の上にCo
合金を膜厚 500Åに成膜されて磁性層とされる。基板11
は、さらに搬送されていって図示されていないカーボン
ターゲットからカーボンを 500Åの厚みに成膜されて保
護潤滑層とされ、磁気記録媒体とされる。これらの成膜
は、すべてArガス雰囲気中でDCマグネトロン方式のス
パッタで行われる。
に示したような従来から使用されているスパッタリング
装置を用いることができる。基板11としてはディスク状
Al合金基板の表面に非磁性基体層としてNi-P合金を無
電解めっきで形成し鏡面研磨を施したものを用いる。基
板11は図示されていない真空槽内に並置されたCrターゲ
ット13,Co-30at%Ni-7.5at%CrのCo合金ターゲット14
の上を基板搬送レール12により矢印Aの方向に90mm/分
の速さで搬送されながら、その表面にまず下地層として
Crを膜厚1500Åに成膜され、続いてこの下地層の上にCo
合金を膜厚 500Åに成膜されて磁性層とされる。基板11
は、さらに搬送されていって図示されていないカーボン
ターゲットからカーボンを 500Åの厚みに成膜されて保
護潤滑層とされ、磁気記録媒体とされる。これらの成膜
は、すべてArガス雰囲気中でDCマグネトロン方式のス
パッタで行われる。
ターゲットにはマスク15が設けられているが、このマス
ク15の形状およびマスク15と基板11との間隔により、基
板上からターゲットのエロージョン領域16を見込む基板
の法線に対する最大角度θmax が決まる。この角度は、
スパッタ粒子が基板に入射する最大角度であり、スパッ
タ粒子がこの角度以上に傾いて斜めに基板に入射するこ
とはない。
ク15の形状およびマスク15と基板11との間隔により、基
板上からターゲットのエロージョン領域16を見込む基板
の法線に対する最大角度θmax が決まる。この角度は、
スパッタ粒子が基板に入射する最大角度であり、スパッ
タ粒子がこの角度以上に傾いて斜めに基板に入射するこ
とはない。
Cr下地層を形成された基板がCo合金ターゲットの方へ搬
送されてくると、ほぼ角度θmax の位置からCo合金のス
パッタ粒子が基板上に付着しはじめ、磁性層の成膜がは
じまる。その後、基板が搬送されるにつれて、スパッタ
粒子の入射角は小さくなり、基板がCo合金ターゲットの
上にきたとき垂直となり、その後基板がCo合金ターゲッ
ト上を通過して、離れていくにつれてスパッタ粒子の入
射角は増大していき、最大角度θmax となった位置でス
パッタ粒子の基板への付着は止まり、磁性層の成膜は終
了する。
送されてくると、ほぼ角度θmax の位置からCo合金のス
パッタ粒子が基板上に付着しはじめ、磁性層の成膜がは
じまる。その後、基板が搬送されるにつれて、スパッタ
粒子の入射角は小さくなり、基板がCo合金ターゲットの
上にきたとき垂直となり、その後基板がCo合金ターゲッ
ト上を通過して、離れていくにつれてスパッタ粒子の入
射角は増大していき、最大角度θmax となった位置でス
パッタ粒子の基板への付着は止まり、磁性層の成膜は終
了する。
このように、基板がターゲットに対して移動しながらス
パッタが行われるために、基板へのスパッタ粒子の入射
角が変化し、基板内の場所により形成された膜の結晶の
成長方向が変わり、その結果、磁性層の磁気特性が場所
により変わることになる。このことが、媒体の再生出力
のエンベロープ曲線が変動し、電磁変換特性が変動する
原因と考えられる。基板へのスパッタ粒子の入射角の変
化が少ない程、磁性層内の磁気特性の変動幅は小さくな
る。スパッタ粒子の入射角の変化はθmaxが小さい程少
なくなる。従って、θmax を小さくすると、再生出力の
エンベロープ曲線の変動率を小さく抑えることができ
る。
パッタが行われるために、基板へのスパッタ粒子の入射
角が変化し、基板内の場所により形成された膜の結晶の
成長方向が変わり、その結果、磁性層の磁気特性が場所
により変わることになる。このことが、媒体の再生出力
のエンベロープ曲線が変動し、電磁変換特性が変動する
原因と考えられる。基板へのスパッタ粒子の入射角の変
化が少ない程、磁性層内の磁気特性の変動幅は小さくな
る。スパッタ粒子の入射角の変化はθmaxが小さい程少
なくなる。従って、θmax を小さくすると、再生出力の
エンベロープ曲線の変動率を小さく抑えることができ
る。
そこで、磁性層を形成するときのスパッタ雰囲気のArガ
ス圧が、5×10-3Torrの場合と、1×10-2Torrの場合と
について、θmax を20゜,40゜,50゜,60゜と変化させ
て磁気記録媒体を作製し、これらの媒体について、再生
出力のエンベロープ曲線の変動率を調べた。その結果、
どちらのArガス圧の場合にも、θmax が20゜,40゜のと
きにはエンベロープ曲線の変動率が±10%以内であっ
て、十分に実用に供せられるものであった。これ以外の
媒体については、エンベロープ曲線の変動率が±15%か
ら±25%の間にあり実用上問題であった。
ス圧が、5×10-3Torrの場合と、1×10-2Torrの場合と
について、θmax を20゜,40゜,50゜,60゜と変化させ
て磁気記録媒体を作製し、これらの媒体について、再生
出力のエンベロープ曲線の変動率を調べた。その結果、
どちらのArガス圧の場合にも、θmax が20゜,40゜のと
きにはエンベロープ曲線の変動率が±10%以内であっ
て、十分に実用に供せられるものであった。これ以外の
媒体については、エンベロープ曲線の変動率が±15%か
ら±25%の間にあり実用上問題であった。
また、Arガス圧1×10-2Torrでθmax を40゜,60゜とし
て作製した前記媒体について、温度60℃,相対湿度90%
の雰囲気中に2週間放置する環境試験を行った。その結
果、電磁変換特性において、θmax 40゜で作製した媒体
はエラー数の増加はみられなかったが、θmax 60゜で作
製した媒体においては5個/面のエラー数の増加が観測
された。
て作製した前記媒体について、温度60℃,相対湿度90%
の雰囲気中に2週間放置する環境試験を行った。その結
果、電磁変換特性において、θmax 40゜で作製した媒体
はエラー数の増加はみられなかったが、θmax 60゜で作
製した媒体においては5個/面のエラー数の増加が観測
された。
以上の結果により、θmax を40゜以内にすると、圧力10
-2Torr以下のArガス雰囲気において、成膜速度をおとす
ことなく、Co合金をスパッタして磁性層を形成し、再生
出力のエンベロープ曲線の変動率が十分小さくて実用上
問題とならない媒体を作製できることが判る。
-2Torr以下のArガス雰囲気において、成膜速度をおとす
ことなく、Co合金をスパッタして磁性層を形成し、再生
出力のエンベロープ曲線の変動率が十分小さくて実用上
問題とならない媒体を作製できることが判る。
この実施例においては、磁性層材料としてCo-30at%Ni-
7.5at%Crを用いたが、この組成に限られることはな
く、Niの含有量20at%〜35at%,Crの含有量5at%〜10a
t%で残部がCoであるような組成比の合金は好適に用い
ることができ、さらに他の組成のCo合金を用いてもよ
い。
7.5at%Crを用いたが、この組成に限られることはな
く、Niの含有量20at%〜35at%,Crの含有量5at%〜10a
t%で残部がCoであるような組成比の合金は好適に用い
ることができ、さらに他の組成のCo合金を用いてもよ
い。
また、Cr下地層の上に形成されたCo-30at%Ni-7.5at%C
rからなる磁性層の磁気特性は、第4図に示すとおり、
下地層としてのCr膜の膜厚に依存する。実施例において
は、このCr膜厚を1500Åとしたが、1000Å以上あれば実
用上問題ない。
rからなる磁性層の磁気特性は、第4図に示すとおり、
下地層としてのCr膜の膜厚に依存する。実施例において
は、このCr膜厚を1500Åとしたが、1000Å以上あれば実
用上問題ない。
以上のような本発明によればCr下地層及びCo合金磁性層
をスパッタ形成する際に非磁性基板の表面からCrターゲ
ットのエロージョン領域及びCo合金ターゲットのエロー
ジョン領域を見込む角度が、それぞれ非磁性基板の法線
に対して40゜以内であるようにして、Cr及びCo合金スパ
ッタ粒子の基板への入射角の変動幅を小さくすることに
より、基板内の磁性特性の変動を抑えて均一にすること
ができ、再生出力のエンベロープ曲線の変動率が小さく
均一で、電磁変換特性が優れ、かつ、保磁力の大きい磁
気記録媒体を製造することが可能となる。
をスパッタ形成する際に非磁性基板の表面からCrターゲ
ットのエロージョン領域及びCo合金ターゲットのエロー
ジョン領域を見込む角度が、それぞれ非磁性基板の法線
に対して40゜以内であるようにして、Cr及びCo合金スパ
ッタ粒子の基板への入射角の変動幅を小さくすることに
より、基板内の磁性特性の変動を抑えて均一にすること
ができ、再生出力のエンベロープ曲線の変動率が小さく
均一で、電磁変換特性が優れ、かつ、保磁力の大きい磁
気記録媒体を製造することが可能となる。
また、本発明の方法によれば、スパッタを行う雰囲気の
Arガス圧を高くする必要がないので、Co合金膜の成膜速
度が低下することなく、密着性良好でしかも磁気特性の
劣化の少ない磁性層が形成でき、この点でも優れた磁気
記録媒体を得ることができる。
Arガス圧を高くする必要がないので、Co合金膜の成膜速
度が低下することなく、密着性良好でしかも磁気特性の
劣化の少ない磁性層が形成でき、この点でも優れた磁気
記録媒体を得ることができる。
第1図は本発明を実施できるスパッタ装置の要部の模式
図、第2図は磁気記録媒体の再生出力のエンベロープ曲
線を示す図、第3図は磁気記録媒体の一例の層構成を示
す模式的断面図、第4図はCr下地層のCr膜厚と、Co-30a
t%Ni-7.5at%Cr の磁性層の磁気特性との関係を示す線図
である。 11……基板、12……基板搬送レール、13……Crターゲッ
ト、14……Co合金ターゲット、15……マスク、16……エ
ロージョン領域。
図、第2図は磁気記録媒体の再生出力のエンベロープ曲
線を示す図、第3図は磁気記録媒体の一例の層構成を示
す模式的断面図、第4図はCr下地層のCr膜厚と、Co-30a
t%Ni-7.5at%Cr の磁性層の磁気特性との関係を示す線図
である。 11……基板、12……基板搬送レール、13……Crターゲッ
ト、14……Co合金ターゲット、15……マスク、16……エ
ロージョン領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/85 C 7303−5D (56)参考文献 特開 昭57−8919(JP,A) 特開 昭62−185245(JP,A) 特開 昭60−67662(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】搬送方向に並べて設けたCrターゲット及び
Co合金ターゲットに沿って非磁性基板を搬送し、該搬送
時に、前記Crターゲット及びCo合金ターゲットを順次ス
パッタリングすることにより、前記非磁性基板上にCr下
地層及びCo合金磁性層を積層形成するようにした磁気記
録媒体の製造方法において、前記Cr下地層及びCo合金磁
性層を形成する際に前記非磁性基板の表面から前記Crタ
ーゲットのエロージョン領域及び前記Co合金ターゲット
のエロージョン領域を見込む角度が、それぞれ前記非磁
性基板の法線に対して40゜以内であることを特徴とする
磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22560786A JPH0647722B2 (ja) | 1986-09-24 | 1986-09-24 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22560786A JPH0647722B2 (ja) | 1986-09-24 | 1986-09-24 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6379968A JPS6379968A (ja) | 1988-04-09 |
JPH0647722B2 true JPH0647722B2 (ja) | 1994-06-22 |
Family
ID=16831972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22560786A Expired - Lifetime JPH0647722B2 (ja) | 1986-09-24 | 1986-09-24 | 磁気記録媒体の製造方法 |
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JP (1) | JPH0647722B2 (ja) |
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-
1986
- 1986-09-24 JP JP22560786A patent/JPH0647722B2/ja not_active Expired - Lifetime
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