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JPH0639351B2 - 単結晶棒の製造装置及び方法 - Google Patents

単結晶棒の製造装置及び方法

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Publication number
JPH0639351B2
JPH0639351B2 JP62222259A JP22225987A JPH0639351B2 JP H0639351 B2 JPH0639351 B2 JP H0639351B2 JP 62222259 A JP62222259 A JP 62222259A JP 22225987 A JP22225987 A JP 22225987A JP H0639351 B2 JPH0639351 B2 JP H0639351B2
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single crystal
cylinder
pulling
crystal rod
collar
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JP62222259A
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幹夫 好宮
友彦 太田
正 庭山
哲宏 小田
亨彦 水野
正巳 中野
啓 内川
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP62222259A priority Critical patent/JPH0639351B2/ja
Publication of JPS6465086A publication Critical patent/JPS6465086A/ja
Publication of JPH0639351B2 publication Critical patent/JPH0639351B2/ja
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  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は単結晶棒の製造装置及び方法に関し、特には積
層欠陥や微小欠陥のない高純度シリコン単結晶棒を高い
生産能率をもって製造する装置と方法に関するものであ
る。
(従来の技術とその問題点) 高純度単結晶棒の代表的な製造方法は、チョクラルスキ
ー法と浮遊帯域法であるが、半導体集積回路素子の製造
には、前者が多用されている。
このチョクラルスキー法でシリコン単結晶棒を製造する
場合を第3図により説明すると、引上室(金属製チャン
バー)のほぼ中央に、黒鉛サセプター2に保持された
石英るつぼ3を設け、黒鉛サセプターの底部中央を回転
・上下自在の支持軸4で下方より支持する。石英るつぼ
の中に原料の多結晶シリコンを装填し、これを保温体5
で囲繞された黒鉛ヒーター6により加熱、溶融して溶融
体7とする。引上室1の天井中央には開口部8を有し、
これに接続したサブチャンバー9の中を通って先端に種
結晶10を保持した回転、上下自在の引上軸11を降下し、
溶融体7に浸漬した後引上軸11、石英るつぼ3を回転し
ながら種結晶を引上げると、その下に単結晶棒12を成長
させることができる。この間保護ガスたとえばアルゴン
ガスをサブチャンバー9の上部より導入し、13→13′、
14→14′に示す流路を通して排出口15より排出する。
導入する保護ガスはきわめて高純度であるが、引上室内
において石英るつぼ3とシリコン溶融体7とが反応して
生成したSiO蒸気を含む。このSiO蒸気の大部分は流路13
→13′、14→14′を通り引上室外に排出されるが、一部
は石英るつぼの上端縁や引上室内壁にそれぞれアモルフ
ァス凝集体16、17となって付着する。これが引上げる単
結晶棒12と溶融体表面の周辺とに発生する乱流18、18′
によって導かれ、単結晶棒と溶融体との界面近くに落下
して単結晶棒の有転位化や多結晶化の原因となった。
また黒鉛サセプター2、黒鉛ヒーター6、保温体5(黒
鉛フェルト)等の素材に含まれ、空焼きによっても除去
し得なかった吸蔵酸素や水分が、高温に加熱されたこれ
らの炭素質材と反応してCOやCO2ガスを生成し、引
上室の排気置換が不十分のために引上室内に滞留してい
る不純物ガスと共に、乱流18、18′に導かれて溶融体表
面に還流接触し、単結晶シリコン棒中の炭素等の不純物
濃度を高め、この単結晶棒よりつくったウエーハの集積
回路素子の特性を劣化させる原因となっていた。最近の
技術の進歩によって、単結晶棒の炭素汚染はいちじるし
く減少しているが、必ずしも満足すべきものではなく、
場合によっては0.1〜0.3ppmaの汚染のみられることがあ
る。
単結晶棒12の引上速度は、固液界面における単結晶棒の
温度勾配によって調節しなければならないが、この温度
勾配は黒鉛サセプター2、石英るつぼ3、溶融体7等か
らの輻射熱の影響を大きく受ける。また引上単結晶棒の
直径が大きくなれば引上速度も低下しなければならな
い。通常この速度は、装置や製造条件によっても異なる
が、一例をあげると4″φの単結晶棒では1.0mm/分で
あるが、6″φでは0.8mm/分である。
シリコン単結晶基板上に集積回路素子を高密度で形成す
る場合は、熱酸化工程で基板表面に酸化誘起欠陥(Oxida
tion Induced Stacking Fault以下OISFという)、
スワール欠陥(Swirl Defect)その他の微小欠陥が形成さ
れ易く、電子回路素子の特性を劣化させ、製品収率をい
ちじるしく低下させるが、従来のチョクラルスキー法の
装置においてはこれらの諸欠陥の発生を抑制することは
困難であった。
かかる問題点を解決するため従来下記のような提案がな
されている。
特公昭51-47153号公報。
これには、引上げ中の単結晶棒を囲み、溶融体の上方に
熱遮蔽輪を配設し、これを単結晶棒に対し上下させて単
結晶棒の温度勾配を調節し、固液界面を平面化して転位
のような結晶欠陥のない単結晶棒を引上げることができ
るとの記載があるが、これには異物や不純物に対する対
策は記載されていない。
特公昭54-6511号公報。
これには、単結晶棒を囲繞する管を設け、棒と管の間隙
に雰囲気ガスを導入し、その吹付け効果により、単結晶
棒の引上げ系内にSiOが析出、散乱することを防止する
記載があるが、炭素不純物やOISFその他の引上条件
に伴う結晶欠陥発生に対する対策は考慮されていない。
特公昭57-40119号公報 これには、平たい環状リムと同リムに取付けた連結部よ
りなるカバー部材で石英るつぼと溶融体を部分的にカバ
ーする記載があるが、実施上の難点としては複雑な構造
であり、溶融体の全表面を覆っているカバー部材は高温
による損傷を受け易く、それによる製品への不純物混入
の危険性がある。
以上のほか、熱酸化後シリコン表面にOISF等の微小
欠陥が発生するのを防止するため種々研究が行われ、こ
の発生の原因はシリコン基板表面の微小機械歪または熱
処理過程に発生する点欠陥の凝集あるいはナトリウム、
アルミニウムまたは鉄による表面汚染などであることが
分かった。さらに最近の研究において、シリコン基板中
の酸素が原因となるいわゆる微小欠陥に注目し、高温に
おけるアウトデヒュージョンにより、熱酸化の際シリコ
ン基板表面に酸素欠乏層を意図的に作る集積回路素子製
造技術が開発された。さらにこのような熱酸化による積
層欠陥発生原因を追及した結果、ウエーハに含まれる酸
素のアウトデヒュージョンを主体とする熱処理技術の改
良によって、熱酸化時の積層欠陥発生を大幅に減少させ
ることができるようになった。しかしながら近年集積回
路素子が一層高密度化するにつれ、この積層欠陥密度を
さらに低下させ、実質的に零とすることが要請されるよ
うになった。
(問題点を解決するための手段) 本発明はかかる背景に基いて単結晶棒の引上げ条件を検
討し、特にシリコン多結晶の溶融体が単結晶化し、さら
に冷却される各過程の温度ならびに冷却速度を調節する
ことがOISFやスワール欠陥の減少に有効であること
に想到した。
このような改良を行う本発明は、引上げ中の単結晶棒を
囲繞する黒鉛円筒のほかに、その下端にカラーを設け、
その高さ、拡開角を適宜調節することにより、溶融体及
び黒鉛ヒーターから単結晶棒が受ける輻射熱を効果的に
遮断し、単結晶棒引上げ中の熱履歴を広範囲に調節制御
することを可能にする。
本発明の他の効果は、従来法で問題となった、SiOのシ
リコン溶融体表面への落下による単結晶化率の低下及び
引上げ単結晶棒の炭素汚染を阻止し、従来法に比較して
50〜100%以上の高速引上げを可能とし、きわめて効率
のよい生産を行い得ることである。すなわちかかる発明
のうち第1の発明は、 1)チョクラルスキー法による単結晶棒の製造装置におい
て、引上単結晶棒を同軸に囲繞する円筒を設け、その一
端は引上室天井中央の開口縁に気密結合し、他端は石英
るつぼ内の溶融体表面に向けて垂下し外上方に折り返し
て拡開されたカラーを有してなることを特徴とする単結
晶棒の製造装置を要旨とするものであり、この場合 2)前記円筒の下端と溶融体表面との距離が5〜50mmで、
該円筒と引上単結晶棒との間隙が5〜100mmで、前記カ
ラーの外側面と石英るつぼの内壁または上端いずれかと
の最短距離が5〜100mmであり、 3)前記カラーと円筒は、相互に着脱可能であることが特
徴である。
また第2の発明は、 4)引上単結晶棒を同軸に囲繞し、一端は引上室天井中央
の開口縁に気密結合し、他端は石英るつぼ内の溶融体表
面に向けて垂下し外上方に折り返して拡開されたカラー
を有する円筒を設けたチョクラルスキー法による単結晶
棒の製造装置を使用して、単結晶棒を1.1mm/分以上の
引上速度で製造することを特徴とする単結晶棒の製造方
法を要旨とするものであり、この場合 5)前記円筒の下端と溶融体表面との距離が5〜50mmで、
該円筒と引上単結晶棒との間隙が5〜100mmで、前記カ
ラーの外側面と石英るつぼの内壁または上端いずれかと
の最短距離が5〜100mmであることが特徴である。
(作用) 以下図面によって本発明の装置と方法を説明する。
第1図は本発明の一実施態様を示す装置で、引上室
中央に黒鉛サセプター2に保持された石英るつぼ3を設
け、黒鉛サセプターは底部中央を回転、上下自在の支持
軸4によって下方より支持される。引上室は天井中央に
開口部8を有し、サブチャンバー9はこれに接続し、サ
ブチャンバー内に回転、上下自在の引上軸11を備え、
前記開口部8の縁に一端を気密に結合し他端を溶融体に
向かって垂下する円筒19を設けるが、この他端には折返
して外上方に向かって拡開するカラー20が形成されてい
る。サブチャンバー上方には保護ガス導入口21が、引上
室底部には排出口15が開口している。
円筒19の上端と開口部8の縁との結合は、必ずしも高度
の気密性を要せず、円筒中に導入した保護ガスがある程
度洩れることはかまわない。
つぎに本発明の上記装置の構成と作用効果を述べる。
まず石英るつぼ3に原料の多結晶シリコンを装填し、引
上室1を排気し、保護ガスを導入口21より導入し、排出
口15より排出して引上室内を保護ガス雰囲気に置換す
る。ついで黒鉛ヒーター6に所定電流を流して原料を加
熱し溶融体7とした後、引上軸11を下降しその下端に保
持した種結晶10を一旦溶融体7に浸漬し、支持軸4、引
上軸11を回転しながら、種結晶10を引上げると、その下
端に単結晶棒12が成長する。
引上げ中の単結晶棒の温度は、固化界面からの熱伝導を
除けば、他は円筒を通じての間接輻射加熱によって決ま
るので、引上げ中の単結晶棒の冷却速度を早めるには、
カラーが溶融体、ヒーター及び黒鉛サセプターからの円
筒に対する直接輻射をさえぎることが必要であり、また
カラーと円筒とは近接しないのが望ましい。
このために前記カラーの幾何学的寸法はつぎのように設
定することが必要である。
たとえばカラーが鉛直線からの角度αだけ傾いた直線を
母線とする円筒下端よりただちに外上方に折返し拡開し
た中空截頭逆円錐形である場合、角度αは0〜90°が有
効であり、さらに好ましくはおよそ15〜70°である。
角度αが15〜70°の場合は、円筒ひいては単結晶棒に対
する熱遮蔽効果が大きく、引上げ中の単結晶棒の引上室
中央部における冷却が促進され、単結晶棒の急冷が行わ
れ、結晶内部に含まれる微量不純物特に酸素はほぼ溶存
状態で分散固定されるので微小欠陥の発生は大幅に抑制
され、特にOISFおよびスワール欠陥の全く発生しな
い単結晶棒を成長させることができる。この結果集積回
路素子製造工程で、デヌーデッドゾーン及びイントリン
シックゲッタリング形成のために低温たとえば600〜800
℃、高温たとえば1100〜1200℃の両処理を前処理として
行う必要がなくなり、ただちに中温処理たとえば1000℃
のみでデヌーデッドゾーン及びイントリンシックゲッタ
リングの同時形成が可能になるという利点が得られる。
角度αが15°より小さい場合、あるいは70°より大きい
場合には、いずれも15〜70°の範囲の場合と比較して円
筒の温度が上昇し、円筒からの輻射熱が強くなって、引
上げ中の単結晶棒が冷却されにくくなる。
角度αが15°より小さい場合には、もちろんシリコン溶
融体の表面、黒鉛サセプターおよびヒーターからの輻射
熱がカラーによって遮断され得るが、カラーと円筒が接
近するため円筒の温度が上昇し、引上げ中の単結晶棒の
冷却は困難となる。
引上げ中の単結晶棒の冷却は、単結晶棒上端の種結晶を
通じての熱伝導および円筒中で下方に流れる保護ガスの
単結晶棒表面との熱交換で行われるが、円筒からの輻射
熱が大きいと引上げ中の単結晶棒の冷却が困難となるの
である。
また角度αが70°を超える場合には、シリコン溶融体表
面の一部、黒鉛サセプターおよびヒーターからの直接輻
射が円筒に与えられ、角度が小さい場合と結果的には同
様な熱的効果が引上げ中の単結晶棒に起こり、充分な冷
却が困難となるのである。
以上の場合においてαの数値は15°または70°で区別さ
れたが、引上げ単結晶棒の直径、使用する円筒の直径、
その先端の溶融体からの距離、使用する石英るつぼの内
径、溶融体の石英るつぼ上端部からの深さによって多少
の変化があり、必ずしも厳密なものではない。αの値が
15〜70°以外の場合、あるいは15〜70°以内の場合であ
ってもその両側の上下限値に近い場合には、引上げ単結
晶棒中央部の冷却速度は緩やかになり、単結晶棒引上げ
中に微小欠陥が成長し、このような単結晶棒から得られ
たシリコン基板は、特に微小欠陥によるゲッター効果す
なわちイントリンシックゲッタリング効果の高い性質を
もたせることができる。
このような微小欠陥の意図的な成長は、αが15〜70°の
場合であっても、単結晶棒と円筒の間の間隙を小さくし
て単結晶棒の冷却効果を制限することによっても実現で
きる。またαの値が15°より小さく70°より大きい場合
にもOISFおよびスワール欠陥の発生は充分に抑制さ
れ、さらに集積回路素子製造工程の最初の熱処理工程
で、高温度たとえば1200℃を選択することにより、実用
に耐えるデヌーデッドゾーンを形成することができる。
本発明において、カラーの熱遮蔽効果を高めるには、角
度αを調節するとともに適当な高さと直径の選択が必要
であるが、カラーの高さには特に制限はないが、円筒の
長さを超えることはできない。
また本発明の円筒とカラーとの組合せによってつぎのよ
うなもう一つの効果が得られる。
カラーと石英るつぼ内壁と該石英るつぼ中に保持される
シリコン溶融体表面で形成される空間は、カラーのない
場合と比較して、いちじるしくシリコン溶融体表面の空
間が制限されるため、円筒とシリコン単結晶棒との間の
間隙を通って導入された保護ガスたとえばアルゴンガス
はシリコン溶融体表面に到達した後、反転して石英るつ
ぼ外へ排出されるとき、シリコン溶融体表面上での滞留
時間が短く制限され、石英るつぼ内壁とカラー上端縁と
の間の狭い間隙を比較的高速で通過し、石英るつぼ内壁
および/またはカラー上端縁の表面を洗うように流れる
ので、従来技術で問題となっていたシリコン溶融体から
蒸発するSiOの石英るつぼ上端縁への凝集が全くなく、
また引上室の黒鉛サセプター、ヒーター及びこれらを囲
繞する黒鉛保温体に起因するCO又はCO2が逆流して
シリコン溶融体を炭素で汚染することもなくなる。
以上のような炭素汚染やSiOの石英るつぼの内壁や上端
縁への凝集を妨げるためのカラーの形状寸法は、シリコ
ン溶融体表面上の保護ガスを制限するため、カラーとシ
リコン溶融体表面および石英るつぼ内壁との空間をほぼ
閉空間に制限し、カラーと石英るつぼ内壁または上端縁
との最小間隙は、引上げ開始から終了まで、5〜100mm
の間になるようカラーを設計し、円筒の下端に付設する
のが望ましい。引上げ過程のなかで、カラーが石英るつ
ぼの中に完全に入る場合には、たとえばそれが中空截頭
逆円錐形のときは、そのカラー上端の最大外径部と石英
るつぼ内壁との間隔は5〜100mmになるよう調節する。
つぎに本発明において、単結晶棒の引上速度はOISF
発生防止と生産性向上のため早くする必要がある。引上
げ単結晶棒の直径や引上げ条件により異なるが、速度が
1.0mm/分以下では、OISF及びスワール欠陥が多発
するので、速度は1.0mm/分以上にするのが望ましい。
高速引上げを実現するには、シリコン溶融体と成長しつ
つあるシリコン単結晶棒との固液界面すなわち成長界面
の固体側の成長軸方向の温度勾配を高めることが必要で
あり、このためには、円筒と単結晶棒との間の間隙を、
一定の範囲に制限することを要し、また円筒下端とシリ
コン溶融体表面との距離をある値に制限する必要のある
ことを実験的に確かめた。すなわち円筒内径と引上げ単
結晶棒との間隙が5〜100mmであり、また円筒先端とシ
リコン溶融体表面との距離は5〜50mmに制限するのが好
ましい。円筒と単結晶棒の間隙が5mm以下では、引上げ
単結晶棒が引上げ中若干の偏心運動を起こして円筒内壁
に接触したり、また引上げ単結晶棒の直径の制御不良の
ため接触することがあるのでこれらを避ける意味と、間
隙が小さくなりすぎると、ガス流の分散が不均一になっ
て上記カラー外面とシリコン溶融体表面及び石英るつぼ
内壁との間の空間におけるガス流が不均一となるのを防
ぐ意味である。また単結晶棒直径と円筒内径の間隙が10
0mmを超えると、この間隙を流れる保護ガスの流速が低
下し、保護ガスによる冷却効果が低下するうえ、保護ガ
スの浪費となる。つぎに円筒下端がシリコン溶融体表面
に5mm以下に近接すると、シリコン溶融体表面にガス流
により振動が起き単結晶化に悪い影響を及ぼし、50mm以
上離れると固化直後の単結晶部分に対する熱遮蔽が不充
分となり高速引上げが不可能となる。
要するに本発明は円筒の各寸法、すなわち引上げ単結晶
棒と円筒との間の間隙を5〜100mmとするとともに、円
筒の先端がシリコン溶融体表面に対し5〜50mm(このた
めには、通常シリコン溶融体表面は円筒下端に対し一定
距離にあるよう、単結晶棒引上げ工程に連動して自動的
にまたは手動で石英るつぼを上昇する)、円筒先端から
ただちに外上方に折返し拡開されたカラーは、たとえば
中空截頭逆円錐形の場合鉛直線からの角度αが0〜90
°、カラー外側面と石英るつぼ内壁または上端縁のいず
れかとの最小間隙が5〜100mmであるよう調節すること
によて、従来法に比較して単結晶棒引上速度を50〜100
%も大きくすることが可能となり、引上速度を1.0mm/
分以上に保つことによって、半導体素子製造上好ましく
ないOISFやスワール欠陥等の発生を実質的に零とす
ることができる。またシリコン単結晶棒の炭素による汚
染も無視できる程度に少なく、たとえば測定限界0.05pp
ma以下に、さらにしばしば従来法で問題となった石英る
つぼ上端縁に付着するSiOのアモルファス凝集体発生を
防止し、これの落下による単結晶棒の乱れを実質的に零
にできる。
カラーは第1図に示すように母線が直線である場合のほ
か、曲線を母線として、第2図(a)に示すように曲面で
構成したり、また(b)に示すように円筒の下端を先細と
したりして単結晶棒に対する熱遮蔽効果及びガス冷却効
果を高めることもできる。
第1図に示す22は、引上げ中の単結晶棒の観察用窓で、
さらに第2図(c),(d)に示すように円筒に窓23を設ける
ことにより、引上げ直後の単結晶棒の外観を観察するこ
とができる。
また、カラーと円筒の素材も、不定形炭素や黒鉛あるい
は窒化珪素または炭化珪素被覆の黒鉛として耐久性を高
めることもでき、またこれら素材の多層構造として断熱
効果をさらに大きくすることもできる。あるいは単結晶
棒を金属汚染させないことを配慮したうえでの耐熱金属
材料を用いることも可能である。
さらにカラー20は、円筒19にねじ等により着脱可能とす
れば製作が簡単となり、消耗し易いカラーの交換も容易
で経済的である。
(実施例) 本発明の引上室天井中央の開口部8の縁に、るつぼ内の
溶融体表面に向かって垂下する内径200mmの黒鉛製円筒
を気密に結合し、その円筒の先端に外上方に折り返し鉛
直線から60°の傾き角度の母線で形成され、その最大外
径が360mmであり、円筒と同材質の黒鉛製カラーを装着
した第1図に示す構造配置のチョクラルスキー法による
製造装置を使用してシリコン単結晶棒を引上げ製造し
た。
石英るつぼの内径は460mmで、これに高純度多結晶シリ
コン60Kgを装填して加熱溶融後、アルゴンガスを100
/分の流量で導入し、前記カラーを装着した円筒下端が
溶融体表面に対し30mmの高さになるよう、支持軸4で維
持しながら溶融体に種結晶を浸漬し、1.3mm/分の引上
速度で単結晶を引上げ、直径160mm、直胴長さ1200mmの
シリコン単結晶棒を10本製造した(以上を製造Aとす
る)。
つぎにカラー付きの円筒を有しない第3図に示す従来の
チョクラルスキー法による装置で、従来の製造条件であ
る引上速度0.9mm/分のほかはすべてAと同一条件によ
り、同一形状のシリコン単結晶を6本製造した(以上を
製造Bとする)。
次表に製造したA、B両単結晶棒の検査結果を示す。
(発明の効果) 本発明は上記のような方法及び装置により、引上げ単結
晶棒の結晶品質を向上し、単結晶乱れを防止し、さらに
引上速度を高めて生産能率を上げることができ、しかも
装置は構造が簡単で取扱いが容易であり、産業上の利用
性のきわめて優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の装置の縦断面図を、第2図は本発明の
装置の円筒とカラーの他の実施態様を示す図で、
(a),(b)は縦断面図を、(c),(d)は窓23
を設けた円筒とカラーの斜視図を、第3図は従来のチョ
クラルスキー法の装置の縦断面図を示す。 ……引上室、2……黒鉛サセプター、 3……石英るつぼ、4……支持軸、 5……保温体、6……黒鉛ヒーター、 7……溶融体、8……開口部、 9……サブチャンバー、10……種結晶、 11……引上軸、12……単結晶棒、 13、13′、14、14′……流路、15……排出口、 16、17……アモルファス凝集体、 18、18′……乱流、19……円筒、20……カラー、 21……導入口、22……観察用窓、23……窓、 α……角度。
フロントページの続き (72)発明者 小田 哲宏 福井県武生市北府2丁目13番50号 信越半 導体株式会社武生工場内 (72)発明者 水野 亨彦 福井県武生市北府2丁目13番50号 信越半 導体株式会社武生工場内 (72)発明者 中野 正巳 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越半 導体株式会社半導体研究所内 (72)発明者 内川 啓 福井県武生市北府2丁目13番50号 信越半 導体株式会社武生工場内 (56)参考文献 特開 昭64−61383(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チョクラルスキー法による単結晶棒の製造
    装置において、引上単結晶棒を同軸に囲繞する円筒を設
    け、その一端は引上室天井中央の開口縁に気密結合し、
    他端は石英るつぼ内の溶融体表面に向けて垂下し外上方
    に折返して拡開されたカラーを有してなることを特徴と
    する単結晶棒の製造装置。
  2. 【請求項2】前記円筒の下端と溶融体表面との距離が5
    〜50mmで、該円筒と引上単結晶棒との間隙が5〜100mm
    で、前記カラーの外側面と石英るつぼの内壁または上端
    いずれかとの最短距離が5〜100mmである特許請求の範
    囲第1項記載の単結晶棒の製造装置。
  3. 【請求項3】前記カラーと円筒は、相互に着脱可能であ
    る特許請求の範囲第1項または第2項記載の単結晶棒の
    製造装置。
  4. 【請求項4】引上単結晶棒を同軸に囲繞し、一端は引上
    室天井中央の開口縁に気密結合し、他端は石英るつぼ内
    の溶融体表面に向けて垂下し外上方に折り返して拡開さ
    れたカラーを有する円筒を設けたチョクラルスキー法に
    よる単結晶棒の製造装置を使用して、単結晶棒を1.1mm
    /分以上の引上速度で製造することを特徴とする単結晶
    棒の製造方法。
  5. 【請求項5】前記円筒の下端と溶融体表面との距離が5
    〜50mmで、該円筒と引上単結晶棒との間隙が5〜100mm
    で、前記カラーの外側面と石英るつぼの内壁または上端
    いずれかとの最短距離が5〜100mmである特許請求の範
    囲第4項記載の単結晶棒の製造方法。
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