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JPH06335397A - ビッグエンドセリン−3に対する抗体およびその用途 - Google Patents

ビッグエンドセリン−3に対する抗体およびその用途

Info

Publication number
JPH06335397A
JPH06335397A JP6044496A JP4449694A JPH06335397A JP H06335397 A JPH06335397 A JP H06335397A JP 6044496 A JP6044496 A JP 6044496A JP 4449694 A JP4449694 A JP 4449694A JP H06335397 A JPH06335397 A JP H06335397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
big endothelin
endothelin
rat
big
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6044496A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Suzuki
伸宏 鈴木
Masataka Harada
征隆 原田
Chieko Kitada
千恵子 北田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP6044496A priority Critical patent/JPH06335397A/ja
Publication of JPH06335397A publication Critical patent/JPH06335397A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ラットビッグエンドセリン-3を感度よく特異
的に定量する方法を提供する。 【構成】ラットビッグエンドセリン-3のC端部に特異
的に反応する抗体を得た。この抗体を単独あるいはビッ
グエンドセリン−3のN端部を認識する抗体と組み合わ
せて用いることにより、 ビッグエンドセリン−3を高感
度にかつ特異的に定量することができる。 【効果】本発明の抗体は、ビックエンドセリン−3が関
与する種々の疾病、特にアルツハイマー病の診断剤とし
て有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビッグエンドセリン-
3のC端部に特異的結合性を有する抗体、それを産生す
る細胞および該抗体の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】エンドセリンには、エンドセリン−1、
エンドセリン−2、およびエンドセリン−3の3種類の
アイソタイプが存在する。エンドセリン−1は、血管内
皮細胞をはじめとしてさまざまな細胞により産生され、
脳血管攣縮や虚血性の心疾患、腎疾患などの病態に深く
関与していると考えられているが、エンドセリン−2お
よびエンドセリン−3の生理学的および病態生理学的役
割については、まだほとんど明らかにされていない。こ
れらエンドセリン−2およびエンドセリン−3の生理学
的および病態生理学的役割の解明には、高感度かつ特異
的な測定法の開発が必須であり、特にエンドセリン−3
の場合、その前駆体であるビッグエンドセリン−3の高
感度かつ特異的な測定法の開発が望まれる。この場合、
これらの測定法は、臨床上のみならず動物実験上も有用
であることが望ましく、種々の動物、とりわけ多くの疾
患モデルが確立されているラットのエンドセリン−3お
よびビッグエンドセリン−3を測定できるかどうかが重
要な点となる。これまでエンドセリンのような低分子ペ
プチドの測定には,1種類の抗体を用いる競合法の免疫
測定法が用いられてきたが、最近2種類の抗体を用いる
サンドイッチ-免疫測定法が、エンドセリンの測定に感
度、特異性のいずれの点においても競合法より優れてい
ることが明らかにされてきた(鈴木ら、臨床検査第35巻
第3号 p242-247, 1991、 H. Matsumoto et. al., Bioch
em. Biophys. Res. Commun. 164, 74-80, 1989、あるい
は N. Suzuki et al., J. Cardiovascular Pharmacolog
y 17(Suppl. 7):S420-S422, 1991, Raven Press, Ltd.,
New York)。しかしながら、これらの方法ではヒトの
ビックエンドセリンを測定することはできるが、ラット
のエンドセリン-3の測定を行うことができず、疾患モ
デルの確立には適していない。
【0003】なお、ビッグエンドセリン−3の配列に
は、そのC端部に動物種間でアミノ酸置換が認められ
る。以下に、ラットのビックエンドセリン−3の全アミ
ノ酸配列(配列番号:1−NH2)、ラットのビックエ
ンドセリン−3のC端部の20アミノ酸配列(配列番
号:2−NH2)、 ヒトのビッグエンドセリン−3のC
端部の20アミノ酸配列(配列番号:3−NH2)およ
びヒトのビッグエンドセリン−3のC端部の21アミノ
酸配列(配列番号:4)を示す。 配列番号:1−NH2 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His Leu Asp Ile Ile Trp Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn His Arg Gly Ser Leu Arg-NH2 (R. Shiba et. al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 186, 588-594, 1992) 配列番号:2−NH2 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn His Arg Gly Ser Leu Arg-NH2 (K.D.Bloch et. al., J. Biol. Chem. 264, 18156-18161,1989) 配列番号:3−NH2 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg-NH2 (H.Onda, et. al., FEBS Lett. 261, 327-330, 1990) 配列番号:4 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Gly (R. Shiba et. al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 186, 588-594, 1992)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、これ
までに報告されたビッグエンドセリン−3の測定法のな
かで、ラットおよびヒトのビッグエンドセリン−3を測
定できるものは知られていない。即ち、エンドセリン−
3に深い関心が寄せられているにもかかわらず、臨床上
において、また、ラットなどの動物実験上においても有
用なビッグエンドセリン−3の測定法はこれまで開発さ
れていない。そこで、本発明はラットまたは(および)
ヒトビッグエンドセリン−3のC端部領域に対して異な
る特異性を有する新規モノクローナル抗体を提供し、こ
れらを用いて臨床上も、また、動物実験上も有用なビッ
グエンドセリン−3の測定法を提供することを目的とす
る。さらには、この抗体を用いて、ビックエンドセリン
−3が関与している疾病を解明し、該抗体を医療の分野
でビックエンドセリン−3が関与している各種疾病の診
断に利用できる技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、ラットビッグエンドセリン−3のC端
部を認識する複数のモノクローナル抗体を作製し、種々
検討を重ねた結果、これら抗体が予想外にもヒトまたは
(および)ラットビッグエンドセリン−3を感度良く測
定することができることを見い出した。そして、該抗体
を用いてさらに研究を行った結果、アルツハイマー病患
者の血中においてビックエンドセリン−3の濃度が減少
しているという、いまだかつて報告も示唆もされていな
い全く新しい知見を得ることに成功し、これに基づいて
さらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はビッグエンドセリン−3に特異的に
反応するモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマ細胞、該抗体を用いた競合法あ
るいはサンドイッチ法によるビッグエンドセリン−3の
免疫測定法、および該抗体を含有するアルツハイマー病
診断剤に関する。具体的には、本発明は、(1)ラット
ビッグエンドセリン−3のC端部に反応する抗体、
(2)ラットビッグエンドセリン−3が式 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His Leu Asp Ile Ile Trp Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn His Arg Gly Ser Leu Arg-NH2 (配列番号:1−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するペプチドである第
(1)項記載の抗体、(3)ラットビッグエンドセリン
-3のC端部が式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn His Arg Gly Ser Leu Arg-NH2 (配列番号:2−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するペプチドである第
(1)〜(2)項記載の抗体、
【0006】(4)抗体が式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg-NH2 (配列番号:3−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
リン−3のC端ペプチドおよび式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Gly (配列番号:4) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
リン−3のC端ペプチドのいずれとも交差反応しない第
(1)〜(3)項記載の抗体、(5)抗体が式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg-NH2 (配列番号:3−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
リン−3のC端ペプチドとは反応するが、式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Gly (配列番号:4) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
リン−3のC端ペプチドとは交差反応しない第(1)〜
(3)項記載の抗体、(6)抗体が式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg-NH2 (配列番号:3−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
リン−3のC端ペプチドおよび式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Gly (配列番号:4) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
リン−3のC端ペプチドのいずれとも反応する第(1)
〜(3)項記載の抗体、(7)抗体がモノクローナル抗
体である第(1)〜(6)項記載の抗体、(8)抗体が
RbE−30aで標示されるモノクローナル抗体である
第(4)項記載の抗体、
【0007】(9)抗体がRbE−32aで標示される
モノクローナル抗体である第(5)項記載の抗体、(1
0)抗体がRbE−34aで標示されるモノクローナル
抗体である第(6)項記載の抗体、(11)第(7)項
記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞、(12)第(8)項記載のモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマ細胞、(13)第(9)項記載の
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞、
(14)第(10)項記載のモノクローナル抗体を産生
するハイブリドーマ細胞、(15)第(1)項記載の抗
体と、被検液および標識化ラットあるいはヒトビッグエ
ンドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
た標識化ビッグエンドセリン−3の割合を測定すること
を特徴とする被検液中のビッグエンドセリン−3の定量
法、
【0008】(16)被検液と担体上に不溶化した抗体
および標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応
させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定するこ
とを特徴とする被検液中のビッグエンドセリン−3の定
量法において、一方の抗体がビッグエンドセリン−3の
N端部を認識する抗体で、他方の抗体が第(1)項記載
の抗体であることを特徴とする被検液中のビッグエンド
セリン−3の定量法、および(17)第(1)項記載の
抗体と、被検液および標識化ラットあるいはヒトビッグ
エンドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合
した標識化ビッグエンドセリン−3の割合を測定して、
被検液中のビッグエンドセリン−3を定量することを特
徴とするアルツハイマー病の診断方法、(18)被検液
と担体上に不溶化した抗体および標識化された抗体とを
同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の
標識剤の活性を測定して、被検液中のビッグエンドセリ
ン−3を定量するアルツハイマー病の診断方法におい
て、一方の抗体がビッグエンドセリン−3のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が第(1)項記載の抗体であ
ることを特徴とするアルツハイマー病の診断方法、およ
び(19)第(1)項記載の抗体を含有することを特徴
とするアルツハイマー病診断剤に関する。
【0009】さらに具体的には、(20)第(1)項記
載の抗体が第(2)、(3)または(4)項記載の抗体
である第(15)項記載のビッグエンドセリン−3の定
量法、(21)第(1)項記載の抗体がRbE−30a
またはRbE−32aで標示されるモノクローナル抗体
であり、ビックエンドセリン−3がラットビックエンド
セリン−3である第(15)項記載のビッグエンドセリ
ン−3の定量法、(22)第(1)項記載の抗体がRb
E−34aで標示されるモノクローナル抗体であり、ビ
ックエンドセリン−3がラットビックエンドセリン−3
またはヒトビックエンドセリン−3である第(15)項
記載のビッグエンドセリン−3の定量法、(23)ビッ
グエンドセリン−3のN端部を認識する抗体がAET−
30aで標示されるモノクローナル抗体である第(1
6)項記載のビッグエンドセリン−3の定量法、(2
4)第(1)項記載の抗体が第(2)、(3)または
(4)項記載の抗体である第(16)または(23)項
記載のビッグエンドセリン−3の定量法、(25)第
(1)項記載の抗体がRbE−30a、RbE−32a
またはRbE−34aで標示されるモノクローナル抗体
である第(16)または(23)項記載のビッグエンド
セリン−3の定量法、(26)ビッグエンドセリン−3
のN端部を認識する抗体がAET−30aで標示される
モノクローナル抗体であり、第(1)項記載の抗体がR
bE−30aまたはRbE−32aで標示されるモノク
ローナル抗体であり、ビックエンドセリン−3がラット
ビックエンドセリン−3である第(16)項記載のビッ
グエンドセリン−3の定量法、
【0010】(27)ビッグエンドセリン−3のN端部
を認識する抗体がAET−30aで標示されるモノクロ
ーナル抗体であり、第(1)項記載の抗体がRbE−3
4aで標示されるモノクローナル抗体であり、ビックエ
ンドセリン−3がラットビックエンドセリン−3または
ヒトビックエンドセリン−3である第(16)項記載の
ビッグエンドセリン−3の定量法、(28)第(1)項
記載の抗体が第(2)、(3)または(4)項記載の抗
体である第(17)項記載のアルツハイマー病の診断方
法、(29)第(1)項記載の抗体がRbE−30aま
たはRbE−32aで標示されるモノクローナル抗体で
あり、ビックエンドセリン−3がラットビックエンドセ
リン−3である第(17)項記載のアルツハイマー病の
診断方法、(30)第(1)項記載の抗体がRbE−3
4aで標示されるモノクローナル抗体であり、ビックエ
ンドセリン−3がラットビックエンドセリン−3または
ヒトビックエンドセリン−3である第(17)項記載の
アルツハイマー病の診断方法、(31)ビッグエンドセ
リン−3のN端部を認識する抗体がAET−30aで標
示されるモノクローナル抗体である第(18)項記載の
アルツハイマー病の診断方法、(32)第(1)項記載
の抗体が第(2)、(3)または(4)項記載の抗体で
ある第(18)または(31)項記載のビッグエンドセ
リン−3の定量法、(33)第(1)項記載の抗体がR
bE−30a、RbE−32aまたはRbE−34aで
標示されるモノクローナル抗体である第(18)または
(31)項記載のアルツハイマー病の診断方法、(3
4)ビッグエンドセリン−3のN端部を認識する抗体が
AET−30aで標示されるモノクローナル抗体であ
り、第(1)項記載の抗体がRbE−30aまたはRb
E−32aで標示されるモノクローナル抗体であり、ビ
ックエンドセリン−3がラットビックエンドセリン−3
である第(18)項記載のアルツハイマー病の診断方
法、および(35)ビッグエンドセリン−3のN端部を
認識する抗体がAET−30aで標示されるモノクロー
ナル抗体であり、第(1)項記載の抗体がRbE−34
aで標示されるモノクローナル抗体であり、ビックエン
ドセリン−3がラットビックエンドセリン−3またはヒ
トビックエンドセリン−3である第(18)項記載のア
ルツハイマー病の診断方法に関する。
【0011】さらに、本発明は(36)ビックエンドセ
リン−3を認識する抗体と、被検液および標識化ビッグ
エンドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合
した標識化ビッグエンドセリン−3の割合を測定して、
被検液中のビッグエンドセリン−3を定量することを特
徴とするアルツハイマー病の診断方法、(37)ビック
エンドセリン−3を認識する抗体がAET−30a、b
ET−31a、bET−32a、RbE−30a、Rb
E−32aまたはRbE−34aで標示されるモノクロ
ーナル抗体である第(36)項記載のアルツハイマー病
の診断方法、(38)AET−30a、RbE−30
a、RbE−32aまたはRbE−34aで標示される
モノクローナル抗体と、被検液および標識化ラットビッ
グエンドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結
合した標識化ビッグエンドセリン−3の割合を測定し
て、被検液中のビッグエンドセリン−3を定量すること
を特徴とするラットのアルツハイマー病の診断方法、
(39)AET−30a、bET−31a、bET−3
2aまたはRbE−34aで標示されるモノクローナル
抗体と、被検液および標識化ヒトビッグエンドセリン−
3とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化ビッ
グエンドセリン−3の割合を測定して、被検液中のビッ
グエンドセリン−3を定量することを特徴とするヒトの
アルツハイマー病の診断方法、(40)被検液と担体上
に不溶化した抗体および標識化された抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定して、被検液中のビッグエンドセリン−3を
定量することを特徴とするアルツハイマー病の診断方法
において、一方の抗体がビッグエンドセリン−3のN端
部を認識する抗体で、他方の抗体がビッグエンドセリン
−3のC端部を認識する抗体であることを特徴とするア
ルツハイマー病の診断方法、(41)ビッグエンドセリ
ン−3のN端部を認識する抗体がAET−30aで標示
されるモノクローナル抗体である第(40)項記載のア
ルツハイマー病の診断方法、
【0012】(42)ビッグエンドセリン−3のC端部
を認識する抗体がbET−31a、bET−32a、R
bE−30a、RbE−32aまたはRbE−34aで
標示されるモノクローナル抗体である第(40)または
(41)項記載のアルツハイマー病の診断方法、(4
3)被検液と担体上に不溶化した抗体および標識化され
た抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定して、被検液中のビッグ
エンドセリン−3を定量することを特徴とするアルツハ
イマー病の診断方法において、一方の抗体がAET−3
0aで標示されるモノクローナル抗体で、他方の抗体が
RbE−30a、RbE−32aまたはRbE−34a
で標示されるモノクローナル抗体であることを特徴とす
るラットのアルツハイマー病の診断方法、(44)被検
液と担体上に不溶化した抗体および標識化された抗体と
を同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上
の標識剤の活性を測定して、被検液中のビッグエンドセ
リン−3を定量することを特徴とするアルツハイマー病
の診断方法において、一方の抗体がAET−30aで標
示されるモノクローナル抗体で、他方の抗体がbET−
31a、bET−32aまたはRbE−34aで標示さ
れるモノクローナル抗体であることを特徴とするヒトの
アルツハイマー病の診断方法、(45)エンドセリン−
3を認識する抗体と、被検液および標識化エンドセリン
−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化エ
ンドセリン−3の割合を測定して、被検液中のエンドセ
リン−3を定量することを特徴とするアルツハイマー病
の診断方法、(46)エンドセリン−3を認識する抗体
がAET−30aで標示されるモノクローナル抗体であ
る第(45)項記載のアルツハイマー病の診断方法、
(47)AET−30aで標示されるモノクローナル抗
体と、被検液および標識化エンドセリン−3とを競合的
に反応させ、該抗体に結合した標識化エンドセリン−3
の割合を測定して、被検液中のエンドセリン−3を定量
することを特徴とするラットまたはヒトのアルツハイマ
ー病の診断方法、
【0013】(48)被検液と担体上に不溶化した抗体
および標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応
させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定して、
被検液中のエンドセリン−3を定量することを特徴とす
るアルツハイマー病の診断方法において、一方の抗体が
エンドセリン−3のN端部を認識する抗体で、他方の抗
体がエンドセリン−3のC端部を認識する抗体であるこ
とを特徴とするヒトのアルツハイマー病の診断方法、
(49)ビッグエンドセリン−3または(および)エン
ドセリン−3を認識する抗体を含有することを特徴とす
るアルツハイマー病診断剤、(50)ビッグエンドセリ
ン−3または(および)エンドセリン−3を認識する抗
体がAET−30a、bET−31a、bET−32
a、RbE−30a、RbE−32aまたはRbE−3
4aで標示されるモノクローナル抗体である第(49)
項記載のアルツハイマー病診断剤、(51)AET−3
0a、RbE−30a、RbE−32aまたはRbE−
34aで標示されるモノクローナル抗体を含有すること
を特徴とするラットのアルツハイマー病診断剤、および
(52)AET−30a、bET−31a、bET−3
2aまたはRbE−34aで標示されるモノクローナル
抗体を含有することを特徴とするヒトのアルツハイマー
病診断剤に関する。
【0014】より詳しくは、本発明者等は、配列番
号:2で示されるラットビッグエンドセリン−3のC端
ペプチドに特異的であり、配列番号:3および配列番
号:4で示されるヒトビッグエンドセリン−3のC端ペ
プチドとは交差反応しない抗体(以下、クラス1抗体と
略す場合がある)、配列番号:2および配列番号:3
で示されるC端部にアミド基を有するラットおよびヒト
ビッグエンドセリン−3のC端ペプチドに反応し、配列
番号:4で示されるC端部が遊離カルボン酸であるヒト
ビッグエンドセリン−3のC端ペプチドとは交差反応し
ない抗体(以下、クラス2抗体と略す場合がある)およ
び配列番号:2、配列番号:3および配列番号:4で
示されるC端部の構造および種差をとわず、いずれのビ
ッグエンドセリン−3のC端ペプチドとも同程度に反応
する抗体(以下、クラス3抗体と略す場合がある)の3
種類のモノクローナル抗体を作製し、これらの抗体とビ
ッグエンドセリン−3のN端部を認識する抗体と組み合
わせることにより、ビッグエンドセリン−3を高感度に
かつ特異的に検出し得るサンドイッチ−免疫測定法を開
発した。とりわけ、クラス2あるいはクラス3の抗体を
用いるサンドイッチ−免疫測定法は、臨床上も、また、
ラットなどの動物実験上も有用な測定法を提供する。
【0015】本明細書においてアミノ酸等を略号で表示
する場合、IUPAC−IUB Commision on Biochemi
cal Nomenclature による略号あるいは当該分野におけ
る慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。ア
ミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示し
なければL−体を示すものとする。 PAM :フェニルアセタミドメチル Boc :t−ブチルオキシカルボニル Cl−Z:2−クロロ−ベンジルオキシカルボニル Bг−Z:2−ブロモーベンジルオキシカルボニル Bzl :ベンジル OcHex:シクロヘキシルエステル OBzl:ベンジルエステル Tos :p−トルエンスルホニル HOBt:1−ベンゾトリアゾール MeBzl:4−メチルベンジル Bom :ベンジルオキシメチル DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン
【0016】Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン 本発明で得られた抗ラットビッグエンドセリン−3のC
端抗体を産生するハイブリドーマ細胞のうち、RbE−
30、RbE−32およびRbE−34はそれぞれ平成
5年2月26日から通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所(NIBH)に次に示す受託番号で寄託され
ている。 ハイブリドーマ細胞 受託番号 RbE−30 FERM BP-4207 RbE−32 FERM BP-4208 RbE−34 FERM BP-4209 なお、各ハイブリドーマ細胞から得られる抗体について
は、細胞名の後にaを付けた形で表している。
【0017】本発明のラットビックエンドセリン−3の
C端部に反応する抗体は、配列番号:1−NH2で表さ
れるアミノ酸配列を有するラットビックエンドセリン−
3のC端部のペプチドを特異的に認識する抗体(ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体など)である。該C
端部のペプチドとしては、例えば配列番号:2−NH2
で表わされるアミノ酸配列を有するペプチドなどが挙げ
られる。このような特徴を有する抗体であれば何れの抗
体であってもよいが、例えばさらに (1)配列番号:3−NH2で表わされるアミノ酸配列
を有するヒトビッグエンドセリン−3のC端ペプチドお
よび配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するヒ
トビッグエンドセリン−3のC端ペプチドのいずれとも
交差反応しないという特徴を有する抗体、 (2)配列番号:3−NH2で表わされるアミノ酸配列
を有するヒトビッグエンドセリン−3のC端ペプチドと
は反応するが、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
を有するヒトビッグエンドセリン−3のC端ペプチドと
は交差反応しないという特徴を有する抗体、 (3)配列番号:3−NH2で表わされるアミノ酸配列
を有するヒトビッグエンドセリン−3のC端ペプチドお
よび配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するヒ
トビッグエンドセリン−3のC端ペプチドのいずれとも
反応するという特徴を有する抗体などが用いられる。こ
のような抗体の中でも、モノクローナル抗体が好適であ
る。
【0018】上記(1)に該当する具体的なモノクロー
ナル抗体としては、RbE−30aで標示されるモノク
ローナル抗体などが用いられ、上記(2)に該当する具
体的なモノクローナル抗体としては、RbE−32aで
標示されるモノクローナル抗体などが用いられ、上記
(3)に該当する具体的なモノクローナル抗体として
は、RbE−34aで標示されるモノクローナル抗体な
どが用いられる。このように、本発明の抗体はラットビ
ックエンドセリン−3のC端部に反応するという点では
共通するが、ヒトビックエンドセリン−3のC端ペプチ
ドに対する反応性が異なるとういユニークな性質を有す
るものである。特に、上記(3)の特徴を有す抗体(例
えば、RbE−34aで標示されるモノクローナル抗体
など)は、ラットおよびヒトのビックエンドセリン−3
のC端部のペプチドを認識することができるユニークな
抗体である。以下に、抗原の調製方法およびモノクロー
ナル抗体の作成方法について詳細に説明する。 (1)抗原の調製 本発明の抗体を調製するために使用するラットビッグエ
ンドセリン−3のC端部ペプチドとしては、 動物より
調製した天然精製標品、該ラットビッグエンドセリン−
3を加水分解して得られるフラグメント、または 該ビ
ッグエンドセリン−3のC端部ペプチドと同一の抗原決
定基を1種あるいは2種以上有する合成標品等いずれも
使用できる(以下、これらを単に「ラットビッグエンド
セリン−3のC端部ペプチド抗原」と称することもあ
る)。
【0019】ラットビッグエンドセリン−3を加水分解
して得られるフラグメントとしては、例えば、アミノペ
プチダーゼやカルボキシペプチダーゼなどのエキソプロ
テアーゼによりN末端および/あるいはC末端から順次
加水分解して得られるフラグメントおよびそれらの混合
物、または種々のエンドペプチダーゼにより加水分解し
て得られるフラグメントおよびそれらの混合物を例示す
ることができる。また、合成ペプチドとしては、例えば
上述した天然より精製したラットビッグエンドセリン−
3のC端部ペプチド抗原と同一の構造を有するものや、
ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチドのア
ミノ酸配列において3個以上、好ましくは6個以上のア
ミノ酸からなる任意の箇所のアミノ酸配列と同一のアミ
ノ酸配列を1種あるいは2種以上含有するペプチドなど
を例示することができる。本発明で用いられるペプチド
の合成は、公知の常套手段で行いうるものであり、固相
合成法、液相合成法のいずれによってもよい。ペプチド
合成の方法としては、例えば以下の報告に記載された方
法がある。B. Merrifield 〔ジャーナルオブ アメリカ
ン ケミカル ソサイェティ(J. Am. Chem. Soc.),85. 21
49(1963)〕, M. BodanszkyおよびM. A. Ondetti〔ペプ
チド シンセーシス(Peptide Synthesis), Interscience
Publishers, New York,1966年〕, SchroderおよびLubk
e〔ザ ペプチド(The Peptide), Academic Press, New Y
ork, 1965年〕、泉屋信夫他〔ペプチド合成の基礎と実
験、丸善、1985年〕矢島治明および榊原俊平〔生化学実
験講座1、タンパク質の化学IV, 205,1977年〕等。
【0020】例えば固相法によりラットビッグエンドセ
リン−3のC端部ペプチド抗原を合成する場合には、不
溶性樹脂として当該技術分野で知られたもの、例えばク
ロロメチル樹脂、4−オキシメチルフェニルアセタミド
メチル樹脂等これら何れかの樹脂を用い、ラットビッグ
エンドセリン−3のC端部ペプチド抗原のC末端側から
保護アミノ酸を常法に従って順次縮合する。次いでフッ
化水素処理で全保護基を除去して、高速液体クロマトグ
ラフィー等のそれ自体公知の方法による精製後、目的と
するラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド抗
原を得ることが出来る。例えば、N−保護アミノ酸とし
ては、α−アミノ基はBoc基で保護し、さらに例えば
セリンおよびスレオニンの水酸基はBzl基で保護し、
グルタミン酸、アスパラギン酸のω−カルボン酸はOB
zl基で保護し、リジンのε−アミノ基はCl−Z基で
保護し、チロシンの水酸基はBr−Z基で保護し、アル
ギニンのグアニド基はTos基で保護し、ヒスチジンの
イミダゾール基はBom基で保護する方法で製造するこ
とが出来る。ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペ
プチド抗原は、適当な担体に結合または吸着させ、複合
体としたのち免疫してもよい。該担体および担体(キャ
リアー)とラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプ
チド抗原(ハプテン)との混合比は、担体に結合あるい
は吸着させた該C端部ペプチド抗原に対して抗体が効率
よく出来れば、どの様なものをどの様な比率で結合ある
いは吸着させてもよく、 通常ハプテン抗原に対する抗
体の作製にあたり常用されている天然もしくは合成の高
分子担体を重量比でハプテン1に対し0.1〜100の
割合で結合あるいは吸着させたものを使用することがで
きる。天然の高分子担体としては、ウシ、ウサギあるい
はヒトなどの動物の血清アルブミンやウシ、ウサギなど
の動物のチログロブリン、ウシ、ウサギ、ヒト、ヒツジ
などの動物のヘモグロビン、キーホールリンペットヘモ
シアニン等が用いられる。合成の高分子担体としては、
ポリアミノ酸類、ポリスチレン類、ポリアクリル類、ポ
リビニル類、ポリプロピレン類などの重合物または供重
合物などの各種ラテックスなどを例示することができ
る。
【0021】また、ハプテンとキャリアーのカプリング
には、種々の縮合剤を用いることが出来る。例えば、チ
ロシン、ヒスチジン、トリプトファンを架橋するビスジ
アゾ化ベンジジンなどのジアゾニウム化合物、アミノ基
同志を架橋するグルタルアルデビトなどのジアルデヒド
化合物、トルエン-2, 4−ジイソシアネートなどのジ
イソシアネート化合物、チオール基同志を架橋するN,
N’−o−フェニレンジマレイミドなどのジマレイミド
化合物、アミノ基とチオール基を架橋するマレイミド活
性エステル化合物、アミノ基とカルボキシル基とを架橋
するカルボジイミド化合物等が好都合に用いられる。ま
た、アミノ基同志を架橋する際にも、一方のアミノ基に
ジチオピリジル基を有する活性エステル試薬を反応させ
た後還元することによりチオール基を導入し、他方のア
ミノ基にマレイミド活性エステル試薬によりマレイミド
基を導入後、両者を反応させることもできる。 (2)モノクローナル抗体の作製 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 縮合生成物は温血動物に対して投与により抗体産生が可
能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与
される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フ
ロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバント
を投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、
計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物として
は、たとえばサル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウ
ス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげられるが、
マウスおよびラットが好ましく用いられる。
【0022】モノクローナル抗体産生細胞の作製に際し
ては、ビッグエンドセリン−3抗原を免疫された温血動
物、たとえばマウスから抗体価の認められた個体を選択
し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取
し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合
させることにより、抗ラットビッグエンドセリン−3の
C端部ペプチドモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ
を調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、
例えば後記の標識化ラットビッグエンドセリン−3のC
端部ペプチドと抗血清とを反応させたのち、抗体に結合
した標識剤の活性を測定することによりなされる。融合
操作は既知の方法、たとえばケーラーとミルスタインの
方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い
実施できる。融合促進剤としてはポリエチレングリコー
ル(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、
好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞としてはた
とえばNS−1、P3U1、SP2/0、AP−1など
があげられるが、P3U1が好ましく用いられる。用い
られる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との
好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG
(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10
〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好まし
くは30〜37℃で1〜10分間インキュベートするこ
とにより効率よく細胞融合を実施できる。抗ラットビッ
グエンドセリン−3のC端部ペプチド抗体産生ハイブリ
ドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できる
が、たとえばラットビッグエンドセリン−3のC端部ペ
プチド抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相
(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を
添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グ
ロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場
合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)または
プロテインAを加え、固相に結合した抗ラットビッグエ
ンドセリン−3のC端部ペプチドモノクローナル抗体を
検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテイン
Aを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加
し、放射性物質や酵素などで標識したラットビッグエン
ドセリン−3のC端部ペプチドを加え、固相に結合した
抗ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチドモノ
クローナル抗体を検出する方法などがあげられる。
【0023】抗ラットビッグエンドセリン−3モノクロ
ーナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに準じる方
法に従って行なうことができる。通常HAT(ヒポキサ
ンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細
胞用培地で行なわれる。選別および育種用培地として
は、ハイビリドーマが生育できるものならばどのような
培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは
10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培
地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純
薬工業(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培
地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いるこ
とができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましく
は約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好
ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸
ガス下で行なわれる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価
は、上記の抗血清中の抗ラットビックエンドセリン−3
のC端部ペプチド抗体価の測定と同様にして測定でき
る。 (b)モノクロナール抗体の精製 抗ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチドモノ
クローナル抗体の分離精製は通常のポリクローナル抗体
の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法〔例、
塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動
法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超
遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテイン
AあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体の
みを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製
法〕に従って行われる。以上の(1)および(2)の方
法に従って製造させる本発明の抗体は、ラットまたは
(および)ヒトビッグエンドセリン−3のC端部を特異
的に認識することができるので、被検液中のラットまた
は(および)ヒトビッグエンドセリン−3の定量、特に
サンドイッチ免疫測定法による定量などに使用すること
ができる。
【0024】すなわち、本発明は、(1)本発明のラッ
トヒトビッグエンドセリン−3のC端部に反応する抗体
と、被検液および標識化ラットあるいはヒトビッグエン
ドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合した
標識化ビッグエンドセリン−3の割合を測定することを
特徴とする被検液中のビッグエンドセリン−3の定量
法、および(2)被検液と担体上に不溶化した抗体およ
び標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させ
たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを
特徴とする被検液中のビッグエンドセリン−3の定量法
において、一方の抗体がビッグエンドセリン−3のN端
部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のラットヒト
ビッグエンドセリン−3のC端部に反応する抗体である
ことを特徴とする被検液中のビッグエンドセリン−3の
定量法を提供する。上記の定量法において、本発明のラ
ットヒトビッグエンドセリン−3のC端部に反応する抗
体としては、前述の特徴を有するRbE−30a、Rb
E−32aまたはRbE−34aで標示されるモノクロ
ーナル抗体などが用いられ、ビッグエンドセリン−3の
N端部を認識する抗体としては、AET−30(FERM B
P-2523)で標示されるハイブリドーマから産生されるA
ET−30aで標示されるモノクローナル抗体などが用
いられる。上記の定量法(1)の好ましい態様として
は、(1a)RbE−30aまたはRbE−32aで標
示されるモノクローナル抗体と、被検液および標識化ラ
ットビッグエンドセリン−3とを競合的に反応させ、該
抗体に結合した標識化ビッグエンドセリン−3の割合を
測定することを特徴とする被検液中のラットビッグエン
ドセリン−3の定量法、(1b)RbE−34aで標示
されるモノクローナル抗体と、被検液および標識化ラッ
トビッグエンドセリン−3またはヒトビッグエンドセリ
ン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化
ビッグエンドセリン−3の割合を測定することを特徴と
する被検液中のラットビッグエンドセリン−3またはヒ
トビッグエンドセリン−3の定量法などが挙げられる。
【0025】上記の定量法(2)の好ましい態様として
は、(2a)被検液と担体上に不溶化した抗体および標
識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させたの
ち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴
とする被検液中のビッグエンドセリン−3の定量法にお
いて、一方の抗体がAET−30aで標示されるモノク
ローナル抗体で、他方の抗体がRbE−30a、RbE
−32aまたはRbE−34aで標示されるモノクロー
ナル抗体であることを特徴とする被検液中のラットビッ
グエンドセリン−3の定量法、(2b)被検液と担体上
に不溶化した抗体および標識化された抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中のビッグエン
ドセリン−3の定量法において、一方の抗体がAET−
30aで標示されるモノクローナル抗体で、他方の抗体
がRbE−34aで標示されるモノクローナル抗体であ
ることを特徴とする被検液中のヒトビッグエンドセリン
−3の定量法などが挙げられる。本発明のラットビッグ
エンドセリン−3のC端部ペプチドを認識するモノクロ
ーナル抗体(以下、抗ビッグエンドセリン−3抗体と称
する場合がある)を用いてビッグエンドセリン−3の測
定を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこと
もできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用い
てもよく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あ
るいはFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用い
る測定法は、 特に制限されるべきものではなく、被測
定液中の抗原量(例えばビッグエンドセリン−3量)に
対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化
学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗
原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する
測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例え
ば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およ
びサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性
の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ま
しい。
【0026】標識物質を用いる測定法に用いられる標識
剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物
質などが挙げられる。放射性同位元素としては、例えば
125I,131I,3H,14Cなどが、上記酵素としては、
安定で比活性の大きなものが好ましく、例えばβ−ガラ
クトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスフ
ァターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素等
が、蛍光物質としては、フルオレスカミン、フルオレッ
センイソチオシアネートなどが、発光物質としては、ル
ミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニ
ンなどがそれぞれ挙げられる。さらに、抗体あるいは抗
原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いるこ
ともできる。抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常蛋白質あるいは酵素等
を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる
方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラ
ン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガ
ラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては不溶化
した抗ビッグエンドセリン−3抗体に被検液を反応させ
(1次反応)、さらに標識化抗ビッグエンドセリン−3
抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標
識剤の活性を測定することにより被検液中のビッグエン
ドセリン−3量を定量することができる。1次反応と2
次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なっても
よいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および
不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。ま
た、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用
抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1
種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的
で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
【0027】本発明のサンドイッチ法によるビッグエン
ドセリン−3の測定法においては、1次反応と2次反応
に用いられる抗ビッグエンドセリン−3抗体はビッグエ
ンドセリン−3の結合する部位が相異なる抗体が好まし
く用いられる。即ち、1次反応および2次反応に用いら
れる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、ビ
ッグエンドセリン−3のC端部を認識する場合、1次反
応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えば
N端部を認識する抗体が用いられる。ビッグエンドセリ
ン−3のN端部は、エンドセリン−3と共通であり、さ
らに、これまでエンドセリン−3に動物種によるアミノ
酸置換は認められないことから、ビッグエンドセリン−
3のN端部に対する抗体としては、エンドセリン−3の
N端部に対する抗体が好ましく用いられる。具体的に
は、AET−30(FERM BP-2523)で標示されるハイブ
リドーマ細胞から産生されるAET−30aで標示され
るモノクローナル抗体などが用いられる。本発明の抗ラ
ットビッグエンドセリン−3のC端ペプチド抗体のう
ち、クラス1の抗体、即ちラットビッグエンドセリン−
3のC端部ペプチドに特異的に反応し、ヒトビッグエン
ドセリン−3のC端部ペプチド(C端部がArgアミド
基およびGlyカルボン酸いずれの場合も含む)に交差
反応しない抗体と、エンドセリン−3のN端部に対する
抗体とを組み合わせることにより、ラットビッグエンド
セリン−3に特異的であり、ヒトビッグエンドセリン−
3と反応しないサンドイッチ-免疫測定法を確立するこ
とができる。また、本発明の抗ラットビッグエンドセリ
ン−3のC端ペプチド抗体のうち、クラス2の抗体、即
ちC端部にArgアミド基を有するラットビッグエンド
セリン−3のC端部ペプチドおよびヒトビッグエンドセ
リン−3のC端部ペプチドと特異的に反応し、C端部に
Glyカルボン酸を有するヒトビッグエンドセリン−3
のC端部ペプチドに交差反応しない抗体と、エンドセリ
ン−3のN端部に対する抗体とを組み合わせることによ
り、C端部にArgアミド基を有するビッグエンドセリ
ン−3に特異的であり、C端部にGlyカルボン酸を有
するビッグエンドセリン−3と反応しないサンドイッチ
-免疫測定法を確立することができる。
【0028】また、本発明の抗ラットビッグエンドセリ
ン−3のC端ペプチド抗体のうち、クラス3の抗体、即
ちC端部がArgアミド基かGlyカルボン酸かにかか
わらず、ヒトおよびラットビッグエンドセリン−3と特
異的に反応する抗体と、エンドセリン−3のN端部に対
する抗体とを組み合わせることにより、C端部の構造に
かかわらず動物種を越えて広くビッグエンドセリン−3
を検出できるサンドイッチ-免疫測定法を確立すること
ができる。本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ
法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリ
ック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができ
る。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に
対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原と
(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量僅かであり、少量の沈降
物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレ
ーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0029】これら個々の免疫学的測定法を本発明法に
適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必
要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操
作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてビッグエンド
セリン−3の測定系を構築すればよい。これらの一般的
な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照す
ることができる〔例えば、入江 寛編「ラジオイムノア
ッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続
ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発行)、
石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53
年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)
(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免
疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、
「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Te
chniques(Part A))、 同書 Vol.73(Immunochemical Tec
hniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Tec
hniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Tec
hniques(Part D:SelectedImmunoassays))、 同書 Vol.
92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Ant
ibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 V
ol. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma
Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカ
デミックプレス社発行)など参照〕。以上のように、本
発明の抗体を用いることによって、ビックエンドセリン
−3を感度良く定量することができる。さらに、本発明
者らは、後述する実施例12において本発明のビックエ
ンドセリン−3のC端部に対する抗体を用いて、アルツ
ハイー病患者におけるビックエンドセリン−3の脳脊髄
液中の濃度を測定したところ、ビックエンドセリン−3
の有意な減少が見られた。このことから、ビックエンド
セリン−3または(および)エンドセリン−3がアルツ
ハイマー病の診断上有用なマーカーとなり、またその減
少がアルツハイマー病の要因の1つであることが考えら
れる。したがって、本発明の抗体を用いる上記の定量法
を用いることによって、アルツハイー病の診断を行なう
ことができる。
【0030】すなわち、本発明は、(1)本発明のラッ
トビックエンドセリン−3のC端部ペプチドを認識する
抗体と、被検液および標識化ラットあるいはヒトビッグ
エンドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合
した標識化ビッグエンドセリン−3の割合を測定して、
被検液中のビッグエンドセリン−3を定量することを特
徴とするアルツハイマー病の診断方法、および(2)被
検液と担体上に不溶化した抗体および標識化された抗体
とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体
上の標識剤の活性を測定して、被検液中のビッグエンド
セリン−3を定量するアルツハイマー病の診断方法にお
いて、一方の抗体がビッグエンドセリン−3のN端部を
認識する抗体で、他方の抗体が本発明のラットビックエ
ンドセリン−3のC端部ペプチドを認識する抗体である
ことを特徴とするアルツハイマー病の診断方法を提供す
る。上記の診断方法において、ラットビックエンドセリ
ン−3のC端部ペプチドを認識する抗体としては前述し
た特徴を有する抗体、すなわち、例えばRbE−30
a、RbE−32aまたはRbE−34aで標示される
モノクローナル抗体などが用いられる。ビッグエンドセ
リン−3のN端部を認識する抗体としては、例えばAE
T−30aで標示されるモノクローナル抗体などが用い
られる。上記の診断方法(1)の好ましい態様として
は、例えば(1a)RbE−30a、RbE−32aま
たはRbE−34aで標示されるモノクローナル抗体
と、被検液および標識化ラットビッグエンドセリン−3
とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化ビッグ
エンドセリン−3の割合を測定して、被検液中のビッグ
エンドセリン−3を定量することを特徴とするラットの
アルツハイマー病の診断方法、(1b)RbE−34a
で標示されるモノクローナル抗体と、被検液および標識
化ヒトビッグエンドセリン−3とを競合的に反応させ、
該抗体に結合した標識化ビッグエンドセリン−3の割合
を測定して、被検液中のビッグエンドセリン−3を定量
することを特徴とするヒトのアルツハイマー病の診断方
法などが挙げられる。
【0031】上記の診断方法(2)の好ましい態様とし
ては、例えば(2a)被検液と担体上に不溶化した抗体
および標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応
させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定して、
被検液中のビッグエンドセリン−3を定量するアルツハ
イマー病の診断方法において、一方の抗体がAET−3
0aで標示されるモノクローナル抗体で、他方の抗体が
RbE−30a、RbE−32aまたはRbE−34a
で標示されるモノクローナル抗体であることを特徴とす
るラットのアルツハイマー病の診断方法、(2b)被検
液と担体上に不溶化した抗体および標識化された抗体と
を同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上
の標識剤の活性を測定して、被検液中のビッグエンドセ
リン−3を定量するアルツハイマー病の診断方法におい
て、一方の抗体がAET−30aで標示されるモノクロ
ーナル抗体で、他方の抗体がRbE−34aで標示され
るモノクローナル抗体であることを特徴とするヒトのア
ルツハイマー病の診断方法などが挙げられる。これらの
診断方法は、前述したビッグエンドセリン−3の定量法
あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができ
る。このように本発明のビッグエンドセリン−3のC端
部に反応する抗体は、アルツハイマー病の診断剤として
使用することができる。さらに、本発明のアルツハイマ
ー病の診断方法において使用される抗体としては、本発
明のラットビックエンドセリン−3のC端部ペプチドを
認識する抗体に限らず、公知のビックエンドセリン−3
を認識する抗体、エンドセリン−3を認識する抗体やこ
れから見いだされであろうビックエンドセリン−3を認
識する抗体、エンドセリン−3を認識する抗体なども用
いることができる。これら抗体が認識する抗原は、ラッ
ト、ヒトに限られず、マウス、モルモット、ブタ、ウ
シ、ヒツジ、サル、トリ、イヌ由来のビックエンドセリ
ン−3またはエンドセリン−3であってよい。また、こ
れら抗体の認識部位は、C端部ペプチド、N端部ペプチ
ド、中心部ペプチドなど何れの部位でもよい。
【0032】すなわち、本発明は、(1)ビックエンド
セリン−3を認識する抗体と、被検液および標識化ビッ
グエンドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結
合した標識化ビッグエンドセリン−3の割合を測定し
て、被検液中のビッグエンドセリン−3を定量すること
を特徴とするアルツハイマー病の診断方法、(2)被検
液と担体上に不溶化した抗体および標識化された抗体と
を同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上
の標識剤の活性を測定して、被検液中のビッグエンドセ
リン−3を定量することを特徴とするアルツハイマー病
の診断方法において、一方の抗体がビッグエンドセリン
−3のN端部を認識する抗体で、他方の抗体がビッグエ
ンドセリン−3のC端部を認識する抗体であることを特
徴とするアルツハイマー病の診断方法、(3)エンドセ
リン−3を認識する抗体と、被検液および標識化エンド
セリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
識化エンドセリン−3の割合を測定して、被検液中のエ
ンドセリン−3を定量することを特徴とするアルツハイ
マー病の診断方法、および(4)被検液と担体上に不溶
化した抗体および標識化された抗体とを同時あるいは連
続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を
測定して、被検液中のエンドセリン−3を定量すること
を特徴とするアルツハイマー病の診断方法において、一
方の抗体がエンドセリン−3のN端部を認識する抗体
で、他方の抗体がエンドセリン−3のC端部を認識する
抗体であることを特徴とするアルツハイマー病の診断方
法を提供する。
【0033】上記の診断方法において、ビックエンドセ
リン−3を認識する抗体としては、例えばAET−30
a、bET−31a、bET−32a、RbE−30
a、RbE−32aまたはRbE−34aで標示される
モノクローナル抗体などが用いられる。エンドセリン−
3を認識する抗体としては、例えばAET−30aで標
示されるモノクローナル抗体などが用いられる。より具
体的に分類すると、AET−30aで標示されるモノク
ローナル抗体はラット、ヒトなどのビックエンドセリン
−3またはエンドセリン−3のN端部ペプチドを認識す
る抗体である。bET−31aまたはbET−32aで
標示されるモノクローナル抗体はヒトビックエンドセリ
ン−3のN端部ペプチドを認識する抗体である。RbE
−30aまたはRbE−32aで標示されるモノクロー
ナル抗体はヒトビックエンドセリン−3のC端部ペプチ
ドを認識する抗体である。RbE−34aで標示される
モノクローナル抗体はラット、ヒトなどのビックエンド
セリン−3のC端部ペプチドを認識する抗体である。上
記の診断方法(1)の好ましい態様としては、(1a)
AET−30a、bET−31a、bET−32a、R
bE−30a、RbE−32aまたはRbE−34aで
標示されるモノクローナル抗体と、被検液および標識化
ビッグエンドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体
に結合した標識化ビッグエンドセリン−3の割合を測定
して、被検液中のビッグエンドセリン−3を定量するこ
とを特徴とするアルツハイマー病の診断方法、、(1
b)AET−30a、RbE−30a、RbE−32a
またはRbE−34aで標示されるモノクローナル抗体
と、被検液および標識化ラットビッグエンドセリン−3
とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化ビッグ
エンドセリン−3の割合を測定して、被検液中のビッグ
エンドセリン−3を定量することを特徴とするラットの
アルツハイマー病の診断方法、(1c)AET−30
a、bET−31a、bET−32aまたはRbE−3
4aで標示されるモノクローナル抗体と、被検液および
標識化ヒトビッグエンドセリン−3とを競合的に反応さ
せ、該抗体に結合した標識化ビッグエンドセリン−3の
割合を測定して、被検液中のビッグエンドセリン−3を
定量することを特徴とするヒトのアルツハイマー病の診
断方法などが挙げられる。
【0034】上記の診断方法(2)の好ましい態様とし
ては、(2a)被検液と担体上に不溶化した抗体および
標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させた
のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定して、被検液
中のビッグエンドセリン−3を定量することを特徴とす
るアルツハイマー病の診断方法において、一方の抗体が
AET−30aで標示されるモノクローナル抗体で、他
方の抗体がbET−31a、bET−32a、RbE−
30a、RbE−32aまたはRbE−34aで標示さ
れるモノクローナル抗体であることを特徴とするアルツ
ハイマー病の診断方法、(2b)被検液と担体上に不溶
化した抗体および標識化された抗体とを同時あるいは連
続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を
測定して、被検液中のビッグエンドセリン−3を定量す
ることを特徴とするアルツハイマー病の診断方法におい
て、一方の抗体がAET−30aで標示されるモノクロ
ーナル抗体で、他方の抗体がRbE−30a、RbE−
32aまたはRbE−34aで標示されるモノクローナ
ル抗体であることを特徴とするラットのアルツハイマー
病の診断方法、(2c)被検液と担体上に不溶化した抗
体および標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反
応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定し
て、被検液中のビッグエンドセリン−3を定量すること
を特徴とするアルツハイマー病の診断方法において、一
方の抗体がAET−30aで標示されるモノクローナル
抗体で、他方の抗体がbET−31a、bET−32a
またはRbE−34aで標示されるモノクローナル抗体
であることを特徴とするヒトのアルツハイマー病の診断
方法などが挙げられる。
【0035】上記の診断方法(3)の好ましい態様とし
ては、(3a)AET−30aで標示されるモノクロー
ナル抗体と、被検液および標識化エンドセリン−3とを
競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化エンドセリ
ン−3の割合を測定して、被検液中のエンドセリン−3
を定量することを特徴とするアルツハイマー病の診断方
法、(3b)AET−30aで標示されるモノクローナ
ル抗体と、被検液および標識化ラットあるいはヒトエン
ドセリン−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合した
標識化エンドセリン−3の割合を測定して、被検液中の
エンドセリン−3を定量することを特徴とするラットま
たはヒトのアルツハイマー病の診断方法などが挙げられ
る。これらの診断方法は、前述したビッグエンドセリン
−3の定量法あるいはそれに準じる方法に従って行なう
ことができる。このようにビッグエンドセリン−3また
は(および)エンドセリン−3を認識する抗体は、アル
ツハイマー病の診断剤として使用することができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるべきものでは
ない。
【実施例1】ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペ
プチド(22−41)NH2: Ile-Asn-Thr-Pro-Glu-Gln-Thr-Val-Pro-Tyr-Gly-Leu-Se
r-Asn-His-Arg-Gly-Ser-Leu-Arg-NH2(配列番号:2−
NH2)の製造 市販のp-メチルBHA樹脂(アプライド バイオシステムズ
社製)0.76g(0.5ミリモル)を用い、ペプチド
合成機(アプライド バイオシステムズ社製モデル43
0A)を使用し合成した。樹脂上のアミノ基に2ミリモ
ルのBoc-Arg(Tos)をHOBt/DCCで活性化して縮合した。
樹脂上のBoc基を50%トリフルオロ酢酸/塩化メチ
レンで処理しアミノ基を遊離させた後、このアミノ基に
各2ミリモルのBoc-Leu, Boc-Ser(Bzl), Boc-Gly, Boc-
Arg(Tos), Boc-His(Bom), Boc-Asn, Boc-Tyr(Br-Z), Bo
c-Pro, Boc-Val, Boc-Thr(Bzl), Boc-Gln, Boc-Glu(OcH
ex), Boc-Ileをラットビッグエンドセリン−3のC端部
ペプチド(22−41)NH2のアミノ酸配列通りにHOB
t/DCCで活性化して縮合し、保護ラットビッグエンドセ
リン−3のC端部ペプチド(22−41)NH2樹脂
2.29gを得た。この樹脂0.38gをp-クレゾー
ル共存下無水弗化水素10mlで0℃、60分間処理し
た後、弗化水素を減圧留去し残渣をエーテル10mlで
2回洗浄した。これを50%−酢酸水で抽出し、不溶物
を濾去し50%−酢酸水で洗浄した。濾液、洗浄液を合
わせ、減圧濃縮し、1N−酢酸2mlに溶解した。これ
を1N−酢酸水で充填したセファデックスLH−20の
カラム(2.0×85cm)に付し、同溶媒で展開し
た。主要画分を集め凍結乾燥し黄白色の粉末83mgを
得た。 アミノ酸分析値:Gly 2.00(2), Val 0.92(1), Leu 2.00
(2), Ile 0.97(1), Pro 1.92(2), Ser 1.91(2), Thr 2.
06(2), Asp 1.95(2), Glu 2.11(2), His 0.95(1), Arg
2.05(2),Tyr 0.97(1) 質量分析による(M+H)+ 2239.1(理論値 223
9.5) HPLC溶出時間 16.2分 カラム条件 カラム:Wakosil-5C18 HG (4.6×100mm) 溶離液:A液(0.1%−トリフルオロ酢酸水溶液) B液(0.1%−トリフルオロ酢酸含有アセトニトリ
ル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速:1.0 ml/分
【0037】
【実施例2】ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペ
プチド(22−41)NH2を含む免疫原の作製 上記実施例1で得られたラットビッグエンドセリン−3
のC端部ペプチド(22−41)NH2と牛チログロブ
リン(BTG)との複合体を作製し免疫原とした。即
ち、ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド
(22−41)NH2 2.6mg(1.1μmol)
を0.4mlの0.1Mリン酸緩衝液、pH6.8に溶
解させ、N−(γ−マレイミドブチリロキシ)サクシニ
ミド(GMBS)6.4mg(23μmol)を含むD
MF溶液100μlと混合し、室温で45分間反応させ
た。セファデックスG−25カラムで分画し、マレイミ
ド基導入ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチ
ド(22−41)NH22mg(0.8μmol)を得
た。一方、BTG20mgを、0.1M NaClを含
む0.02Mリン酸緩衝液(pH6.8)1.4mlに
溶解させ、N−スクシニミジル−3−(2−ピリミジル
ジチオ)プロピオネート(SPDP)2.5mg(8.
0μmol)を含むDMF溶液100μlと混合し、室
温で60分間反応させた。この反応液に、ジチオスレイ
トール(DTT)24.6mg(160μmol)を含
む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)500μlを加
え、室温で30分間還元した後、0.1Mリン酸緩衝液
を展開溶媒とするセファデックスG−25カラムで分画
し、SH基導入BTG14mgを得た。次に、マレイミ
ド基の導入されたラットビッグエンドセリン−3のC端
部ペプチド(22−41)NH2 2mgとSH基の導入
されたBTG 8mgとを混合し、4℃で1日間反応さ
せた。反応後、生理食塩水に対し、4℃で2日間透析し
た。
【0038】
【実施例3】免疫 6〜8週令のBALB/C雌マウスに上記実施例2記載
の免疫原ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチ
ド(22−41)NH2−BTG複合体、約80μg/
匹を完全フロイントアジュバントとともに皮下免疫し
た。以後3週間おきに同量の免疫原を不完全フロイント
アジュバントとともに2〜3回追加免疫した。
【0039】
【実施例4】西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)標
識化ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド
(22−41)NH2の作製 上記実施例1で得られたラットビッグエンドセリン−3
のC端部ペプチド(22−41)NH2とHRPとの複
合体を作製し、酵素免疫測定法(EIA)の標識体とし
た。即ち、ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプ
チド(22−41)NH2 2.6mg(1.1μmo
l)を0.4mlの0.1Mリン酸緩衝液、pH6.8
に溶解させ、GMBS2.2mg(8.0μmol)を
含むDMF溶液50μlと混合し、室温で40分間反応
させた。セファデックスG−25カラムで分画し、マレ
イミド基導入ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペ
プチド(22−41)NH22mg(0.8μmol)
を得た。一方、HRP5mgを、0.1M NaClを含
む0.02Mリン酸緩衝液(pH6.8)1mlに溶解
させ、SPDP0.3mg(1μmol)を含むDMF
溶液50μlと混合し、室温で45分間反応させた。この
反応液に、DTT2.3mg(15μmol)を含む
0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)500μlを加え、
室温で30分間還元した後、セファデックスG−25カ
ラムで分画し、SH基導入HRP4mgを得た。次に、
マレイミド基の導入されたラットビッグエンドセリン−
3のC端部ペプチド(22−41)NH22mgとSH
基の導入されたHRP4mgを混合し、4℃で1日間反
応させた。反応後、ウルトロゲルAcA44(LKB−
ファルマシア社製)カラムで分画し、HRP標識化ラッ
トビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22−4
1)NH2を得た。
【0040】
【実施例5】ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペ
プチド(22−41)NH2を免疫したマウスの抗血清
中の抗体価の測定 ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22
−41)NH2を免疫したマウス抗血清中の抗体価を測
定した。抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプ
レートを作製するため、まず抗マウスイムノグロブリン
抗体(IgG画分、カッペル社製)を100μg/ml
含む0.1M炭酸緩衝液、pH9.6溶液を96ウェル
マイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24
時間放置した。次に、プレートをPBSで洗浄した後、
ウエルの余剰の結合部位をふさぐため25%ブロックエ
ース(雪印乳業社製)を含むPBSを300μlずつ分
注し、少なくとも4℃で24時間処理した。上記、抗マ
ウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートの各ウ
エルにバッファーEC〔10%ブロックエース、0.2
%BSA、0.4M NaCl、2mM EDTA、0.
05%CHAPS{3-〔(コラミドプロピル)ジメチル
アンモニオ〕プロパンスルホン酸}および0.1% Na
3を含む0.02Mリン酸緩衝液、pH7.0〕50
μl、バッファーECで希釈したマウス抗ラットビッグ
エンドセリン−3のC端部ペプチド(22−41)NH
2抗血清100μlを加え4℃で16時間反応させた。
次に、該プレートをPBSで洗浄したのち、上記実施例
4で作製したHRP標識化ラットビッグエンドセリン−
3のC端部ペプチド(22−41)NH2をバッファー
C〔1%BSA、0.4M NaCl、2mM EDT
A、0.02Mリン酸緩衝液、pH7.2〕で3000
倍希釈し、100μlを加え4℃で1日反応させた。次
に、該プレートをPBSで洗浄したのち、固相上の酵素
活性をTMBマイクロウエルパーオキシダーゼ基質シス
テム(KIRKEGAARD&PERRY LAB, INC、フナコシ薬品取扱
い)100μlを加え室温で10分間反応させることに
より測定した。反応を1Mリン酸100μl加えること
により停止させたのち、450nmの吸収をプレートリ
ーダー(MTP−32、コロナ社製)で測定した。結果
を〔図1〕に示す。免疫した8匹のマウス全てにラット
ビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22−4
1)NH2に対する抗体価の上昇が認められた。
【0041】
【実施例6】細胞融合 比較的高い抗体価を示したマウスに対して200〜30
0μgの免疫原を生理食塩水0.25〜0.3mlに溶
解させたものを静脈内に接種することにより最終免疫を
行なった。最終免疫3〜4日後のマウスから脾臓を摘出
し、ステンレスメッシュで圧迫、ろ過し、イーグルズ・
ミニマム・エッセンシャルメデイウム(MEM)に浮遊
させ、脾臓細胞浮遊液を得た。細胞融合に用いる細胞と
して、BALB/Cマウス由来ミエローマ細胞P3−X
63.Ag8.U1(P3U1)を用いた〔カレント ト
ピックス イン マイクロバイオロジー アンド イムノロ
ジー、81、1(1978)〕。細胞融合は、原法〔ネイチャ
ー、256、495(1975)〕 に準じて行なった。即ち、脾臓
細胞およびP3U1をそれぞれ血清を含有しないMEM
で3度洗浄し、脾臓細胞とP3U1数の比率を5:1に
なるよう混合して、800回転で15分間遠心を行なっ
て細胞を沈澱させた。上清を充分に除去した後、沈殿を
軽くほぐし、45%ポリエチレングリコール(PEG)
6000(コッホライト社製)を0.3ml加え、37
℃温水槽中で7分間静置して融合を行なった。融合後細
胞に毎分2mlの割合でMEMを添加し、合計15ml
のMEMを加えた後600回転15分間遠心して上清を
除去した。この細胞沈殿物を10%牛胎児血清を含有す
るGITメデイウム(和光純薬)(GIT−10FC
S)にP3U1が1ml当り2×105個になるように
浮遊し、24穴マルチデイシュ(リンブロ社製)に1ウ
ェル1mlずつ120ウェルに播種した。播種後、細胞
を37℃で5%炭酸ガスインキュベーター中で培養し
た。24時間後HAT(ヒポキサンチン1×10-4M、
アミノプテリン4×10-7M、チミジン1.6×10-3
M)を含んだGIT−10%FCS培地(HAT培地)
を1ウェル当り1mlずつ添加することにより、HAT
選択培養を開始した。HAT選択培養は、培養開始3、
6、9日後に旧液を1ml捨てたあと、1mlのHAT
培地を添加することにより継続した。ハイブリドーマの
増殖は、細胞融合後9〜14日で認められ、培養液が黄
変したとき(約1×106セル/ml)、上清を採取し、
実施例5に記載の方法に従って抗体価を測定した。
【0042】
【実施例7】モノクローナル抗ラットビッグエンドセリ
ン−3抗体の作製 高い抗体価が認められた14種類のハイブリドーマの培
養上清について、ラットビッグエンドセリン−3のC端
部ペプチド(22−41)NH2、ヒトビッグエンドセ
リン−3のC端部ペプチド(22−41)NH2(特開平
04−152894公報)、およびヒトビッグエンドセ
リン−3のC端部ペプチド(22−42)(特開平04
−152894公報)に対する反応特異性を下記に示す
方法により調べた。即ち、実施例5に記載の方法に従っ
て、抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレー
トとHRP標識化ラットビッグエンドセリン−3のC端
部ペプチド(22−41)NH2(50μl)およびハ
イブリドーマ培養上清(50μl)とを、4℃で1日反
応させることにより培養上清の抗体価を調べた。このと
き、1μg/mlのラットビッグエンドセリン−3のC
端部ペプチド(22−41)NH2、ヒトビッグエンド
セリン−3のC端部ペプチド(22−41)NH2、ヒ
トビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22−4
2)を50μl、あるいは対照としてバッファーCを5
0μl加え、HRP標識化ラットビッグエンドセリン−
3のC端部ペプチド(22−41)NH2の抗体への結
合が阻害されるかどうか調べた。結果を〔表1〕に示
す。選択したモノクローナル抗体14種類のうち、3種
類がラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド
(22−41)NH2に特異的に反応し(クラス1抗
体)、7種類がラットおよびヒトビッグエンドセリン−
3のC端部ペプチド(22−41)NH2に特異的に反
応し(クラス2抗体)、4種類がヒトビッグエンドセリン
−3のC端部ペプチド(22−42)を含む上記3種類
のペプチドいずれにも反応した(クラス3抗体)。
【0043】次に、〔表1〕に記載のNo.1、No.2、No.
3、No.4、No.5、No.6、No.7、No.11の8つのハイブリド
ーマを限界希釈法によるクローニングに付した。クロー
ニングに際しては、フィーダー細胞としてBALB/C
マウスの胸腺細胞をウェル当り5×105 個になるように
加えた。クローニング後得られたモノクローナルハイブ
リドーマのうち、〔表1〕記載のNo.4、No.7およびNo.1
1由来のものをそれぞれRbE−32(FERM BP-420
8)、RbE−34(FERM BP-4209)およびRbE−3
0(FERM BP-4207)と呼び、それらが産生するモノクロ
ーナル抗体をそれぞれRbE−32a、 RbE−34
a およびRbE−30aと呼ぶ。これらのハイブリド
ーマを、あらかじめミネラルオイル0.5mlを腹腔内
投与されたマウス(BALB/C)に1〜3×106
ル/匹を腹腔内投与したのち、6〜20日後に抗体含有
腹水を採取した。 モノクローナル抗体は得られた腹水
よりプロテイン−Aカラムにより精製した。即ち、腹水
6〜20mlを等量の結合緩衝液(3.5M NaC
l、0.05%NaN3を含む1.5Mグリシン、pH
9.0)で希釈したのち、あらかじめ結合緩衝液で平衡
化したリコンビナントプロテイン−A−セファロース
(Repligen社製)カラムに供し、特異抗体を溶離緩衝液
(0.05%NaN3を含む0.1Mクエン酸緩衝液、
pH3.0)で溶出した。溶出液はPBSに対して4
℃、2日間透析したのち、0.22μmのフィルター
(ミリポア社製)により除菌濾過し4℃あるいは−80
℃で保存した。モノクローナル抗体のクラス・サブクラ
スの決定に際しては、MOUSE MONOCLONAL ANTIBODY ISOT
YPING KIT(アマシャム・ジャパン(株)社製)を用い
て行った〔表1〕。
【0044】
【表1】 対照として用いたbET−31は、FERM BP−2
949で標示されるハイブリドーマ細胞から産生される
抗ビックエンドセリン−3抗体を示す。
【0045】
【実施例8】競合法酵素免疫測定法(競合法−EIA) ラットビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22
−41)NH2に対して高い特異性を示したモノクロー
ナル抗体RbE−30a(IgG1,κ)、ラットおよ
びヒトビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22
−41)NH2に対して反応特異性を示したモノクロー
ナル抗体RbE−32a(IgG1,λ)、ヒトビッグ
エンドセリン−3のC端部ペプチド(22−42)を含
む上記3種類のペプチドいずれにも反応性を示したモノ
クローナル抗体RbE−34a(IgG2a,κ)の反
応性特異性を競合法−EIAにより調べた。まず、各モ
ノクローナル抗体溶液の抗体価を実施例5記載の方法に
より調べ、競合法−EIAに用いる抗体濃度として、標
識体の結合量が飽和結合量の約40%となる抗体濃度
(100ng/ml)を決定した。次に、抗マウスイム
ノグロブリン抗体結合マイクロプレートに、決定された
濃度にバッファーCで希釈された抗体溶液50μl、上
記実施例4記載HRP標識化ラットビッグエンドセリン
−3のC端部ペプチド(22−41)NH2(バッファー
Cで1000倍希釈)を50μl、種々の濃度のビッグ
エンドセリン部分ペプチド、即ちラットビッグエンドセ
リン−3のC端部ペプチド(22−41)NH2、ヒト
ビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22−4
1)NH2、ヒトビッグエンドセリン−3のC端部ペプ
チド(22−42)、ヒトビッグエンドセリン−1のC
端部ペプチド(22−38)(特開平02−23889
4公報)、ヒトビッグエンドセリン−2のC端部ペプチ
ド(22−37)(特願平02−282024公報)の
バッファーC溶液 50μlを加え、4℃で16時間反
応させた。反応後、PBSで洗浄したのち固相上の酵素
活性を上記実施例5記載の方法により測定した。結果を
〔図2〕に示す。
【0046】RbE−30aはラットビッグエンドセリ
ン−3のC端部ペプチド(22−41)NH2に特異的
であり他のペプチドとは交差反応性を示さなかった。
RbE−32aはヒトビッグエンドセリン−3のC端部
ペプチド(22−41)NH2に対し20%の交差反応
性を有していたが、 他のペプチドとは交差反応性を示
さなかった。一方、RbE−34aはラットおよびヒト
ビッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22−4
1)NH2およびヒトビッグエンドセリン−3のC端部
ペプチド(22−42)に対して同等の反応性を有して
おり、僅かにヒトビッグエンドセリン−1のC端部ペプ
チド(22−38)と交差反応性(0.5%以下)を示
した。また、これらの抗体を用いる競合法−EIAによ
りおよそ0.2pmol/wellのラットビッグエンドセ
リン−3のC端部ペプチド(22−41)NH2を測定
可能であった〔(B/B。)=0.8を与える濃度とし
て計算〕。
【0047】
【実施例9】HRP標識化モノクローナル抗体F(a
b')2 画分の調製 上記実施例7記載のRbE−30a、RbE−32aお
よびRbE−34a各35mgをコロジオンバッグ(エ
ムエス機器社製)で2mlにまで濃縮したのち、0.1
M NaClを含む0.1M酢酸緩衝液に対し透析し
た。該抗体溶液にペプシン(シグマ社、2回結晶)2m
gを加え、37℃、48時間反応させたのち、0.1M
リン酸緩衝液、pH6.8で平衡化したスーパーロース
12カラムを用いるFPLC(ファルマシア社製)でF
(ab')2画分を精製した。RbE−30aあるいはRb
E−32aのF(ab')2 画分6mg(40nmol)
を含む0.1Mリン酸緩衝液1mlにGMBS、0.1
4mg(500nmol)を含むDMF50μlを加
え、室温で40分反応させた。反応液をセファテックス
G−25カラム(1×30cm、溶離液、0.1Mリン
酸緩衝液、pH6.7)で分離し、得られたマレイミド
基の導入されたF(ab')2 画分4mgと、上記実施例
4記載の方法により調製されたSH基の導入されたHR
P7mgとを混合し、コロジオンバッグで約0.3ml
にまで濃縮したのち、4℃で16時間放置した。反応液
を溶離液に0.1Mリン酸緩衝液、pH6.5を用いる
ウルトロゲルAcA34カラム(10φ×40cm)に
供し、F(ab')2−HRP複合体画分を精製した。同様
に、 RbE−34aのF(ab')2 画分4.4mg(2
9nmol)とGMBS0.1mg(360nmol)
を反応させ、抗体にマレイミド基を導入した。一方、上
記実施例4記載の方法に従ってHRP30mg(750
nmol)にSPDP0.7mg(2200nmol)
を反応させた後、DTT4mgを加え還元することによ
り、HRPにSH基を導入した。両者を反応させRbE
−34a-F(ab')2を作製した。
【0048】
【実施例10】サンドイッチ法−EIAによるラットビ
ッグエンドセリン−3の測定 サンドイッチ法−EIAの一般的な方法を以下に示す。
まず、エンドセリン−3に対するモノクローナル抗体A
ET−30a(Biochem. Biophys. Res. Commun.164, 7
4-80, 1989)を10μg/ml含む0.1M炭酸緩衝
液、pH9.6溶液を96ウェルマイクロプレートに1
00μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。ウェル
の余剰の結合部位をPBSで4倍希釈したブロックエー
ス300μlを加え不活化した。以上のように調製した
プレートに、バッファーECで希釈したビッグエンドセ
リン−3標準液あるいは試料溶液150μlを加え、4
℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、上記
実施例9で作製したRbE−30a−HRP, RbE−
32a−HRPまたはRbE−34a−HRP(バッフ
ァーCで1500倍希釈)100μlを加え、4℃で2
4時間反応させた。PBSで洗浄したのち、上記実施例
5記載の方法によりTMBを用いて固相上の酵素活性を
測定した(酵素反応20分)。
【0049】試料として、 ラット血漿中のビッグエン
ドセリン−3を測定した結果を〔図3〕に示す。ラット
血漿、 mlをPBSで5倍希釈したのち、 AET−
30a結合トレシルトヨパール〔3mgの精製抗体を1
gのトレシルトヨパールゲル(東ソー(株))に指針書
に従い結合させたもの〕に通し、3mlの60%アセト
ニトリルを含む0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)で
溶出した。溶出液を濃縮したのち、逆相-HPLCで分
離した。分離条件を下記に示す。 カラム: TSK ODS−80TM〔4.5×250m
m、東ソー(株)〕 溶出液 A:0.05%TFAを含む5%アセトニトリ
ル水溶液 溶出液 B:0.05%TFAを含む60%アセトニト
リル水溶液 溶出条件: 溶出液Bの比率: 0〜40%直線濃度勾配
(5分間) 40〜65%直線濃度勾配(25分間) 65〜100%直線濃度勾配(5分間) 溶出速度:1ml/分 分取:0.5ml/チューブ 溶出液はバッファーECで5倍に希釈したのち、サンド
イッチ-EIAの試料とした。〔図4〕に示すように、
RbE−30a−HRP, RbE−32a−HRP,お
よびRbE−34a−HRPいずれを用いるサンドイッ
チ−EIAにおいても、 ラット血漿中のビッグエンド
セリン−3が単一ピークとして検出された。
【0050】
【実施例11】サンドイッチ法−EIAによるヒトビッ
グエンドセリン−3の測定 標識体としてRbE−32a−HRPあるいはおよびR
bE−34a−HRPを用いるサンドイッチ-EIAに
おいて、試料としてヒトビッグエンドセリン−3(1−
41)NH2(ペプチト研より購入)を用いたときの標
準曲線を〔図4〕に示す。いずれのサンドイッチ-EI
Aも3〜4pg/wellのヒトビッグエンドセリン-3
(1−41)NH2を検出した。
【0051】
【実施例12】アルツハイマー病患者脳脊髄液中のビッ
グエンドセリン−3の測定 アルツハイマー病患者(n=5、年齢64±8歳)、 ア
ルツハイマー型老年痴呆患者(n=7、年齢78±5
歳)、および対照患者(非アルツハイマー患者、例えば結
核性髄膜炎、パーキンソン症候群など、n=10、年齢
56±8歳)の脳脊髄液をバッファーECで3倍希釈し
たのち、 実施例10記載のRbE−34a−HRPを用
いるサンドイッチ−EIAによりビッグエンドセリン−
3を測定した。 結果を〔表2〕に示す。
【0052】
【表2】 〔表2〕より、アルツハイマー病患者およびアルツハイ
マー型老年痴呆患者においては、対照患者と比較して有
意にビッグエンドセリン−3濃度が減少していることが
分かった。
【0053】
【発明の効果】本発明の抗体を用いることにより、感度
が良く、優れた特異性を有するビッグエンドセリン−3
測定法が提供される。それらのなかには、ヒトおよびラ
ットビッグエンドセリン−3いずれをも、また、C端部
がアミド基でもカルボン酸でも、いずれをも認識する測
定法が含まれており、臨床上もラットなどの動物実験上
も極めて有用な測定法として使用できる。また、アルツ
ハイマー病患者では、ビックエンドセリン−3の血中濃
度が増加していることから、ビックエンドセリン−3を
感度良く認識できる本発明の抗体は、アルツハイマー病
の診断剤として使用できる。
【0054】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:41 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His Leu Asp Ile Ile Trp Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn His Arg Gly Ser Leu Arg
【0055】
【配列番号:2】 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn His Arg Gly Ser Leu Arg
【0056】
【配列番号:3】 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro
Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg
【0057】
【配列番号:4】 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro
Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Gly
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】ラットビッグエンドセリン−3(22−41)
NH2をマウスに免疫した際の各マウスの抗体価をパー
オキシダーゼ標識ラットビッグエンドセリン−3(22
−41)NH2を用いる酵素免疫測定法で調べた結果を
示す。
【図2】パーオキシダーゼ標識ラットビッグエンドセリ
ン−3(22−41)NH2を用いる競合法酵素免疫測
定法により本発明のモノクローナル抗体RbE−30
a、RbE−32aおよびRbE−34aの反応特異性
を調べた結果を示す。図中の記号はそれぞれ、ラットビ
ッグエンドセリン−3のC端部ペプチド(22−41)
NH2(○)、ヒトビッグエンドセリン−3のC端部ペ
プチド(22−41)NH2(△)、ヒトビッグエンド
セリン−3のC端部ペプチド(22−42)(□)、ヒ
トビッグエンドセリン−1のC端部ペプチド(22−3
8)(●)、ヒトビッグエンドセリン−2のC端部ペプ
チド(22−37)(■)を表す。また、図中、Bは抗
原存在下での標識抗原の抗体への結合量を、またB。は
抗原非存在下での標識抗原の抗体への結合量を示す。
【図3】本発明のサンドイッチ-酵素免疫測定法によ
り、逆相−HPLCで分離されたラット血漿中のビッグ
エンドセリン−3を検出した結果を示す。RbE−30
a、RbE−32aおよびRbE−34aいずれの酵素
標識体を用いるサンドイッチ−酵素免疫測定法において
もラット血漿中のビッグエンドセリン−3が単一ピーク
として検出された。
【図4】RbE−32aおよびRbE−34aを用いる
サンドイッチ−酵素免疫測定法におけるヒトビッグエン
ドセリン−3(1−41)NH2の標準曲線を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 D 8310−2J // C07K 7/08 8318−4H (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラットビッグエンドセリン−3のC端部に
    反応する抗体。
  2. 【請求項2】ラットビッグエンドセリン−3が式 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His Leu Asp Ile Ile Trp Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn His Arg Gly Ser Leu Arg-NH2 (配列番号:1−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するペプチドである請求
    項1記載の抗体。
  3. 【請求項3】ラットビッグエンドセリン−3のC端部が
    式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn His Arg Gly Ser Leu Arg-NH2 (配列番号:2−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するペプチドである請求
    項1〜2記載の抗体。
  4. 【請求項4】抗体が式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg-NH2 (配列番号:3−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
    リン−3のC端ペプチドおよび式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Gly (配列番号:4) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
    リン−3のC端ペプチドのいずれとも交差反応しない請
    求項1〜3記載の抗体。
  5. 【請求項5】抗体が式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg-NH2 (配列番号:3−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
    リン−3のC端ペプチドとは反応するが、式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Gly (配列番号:4) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
    リン−3のC端ペプチドとは交差反応しない請求項1〜
    3記載の抗体。
  6. 【請求項6】抗体が式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg-NH2 (配列番号:3−NH2) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
    リン−3のC端ペプチドおよび式 Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Gly (配列番号:4) で表わされるアミノ酸配列を有するヒトビッグエンドセ
    リン−3のC端ペプチドのいずれとも反応する請求項1
    〜3記載の抗体。
  7. 【請求項7】抗体がモノクローナル抗体である請求項1
    〜6記載の抗体。
  8. 【請求項8】抗体がRbE−30aで標示されるモノク
    ローナル抗体である請求項4記載の抗体。
  9. 【請求項9】抗体がRbE−32aで標示されるモノク
    ローナル抗体である請求項5記載の抗体。
  10. 【請求項10】抗体がRbE−34aで標示されるモノ
    クローナル抗体である請求項6記載の抗体。
  11. 【請求項11】請求項7記載のモノクローナル抗体を産
    生するハイブリドーマ細胞。
  12. 【請求項12】請求項8記載のモノクローナル抗体を産
    生するハイブリドーマ細胞。
  13. 【請求項13】請求項9記載のモノクローナル抗体を産
    生するハイブリドーマ細胞。
  14. 【請求項14】請求項10記載のモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ細胞。
  15. 【請求項15】請求項1記載の抗体と、被検液および標
    識化ラットあるいはヒトビッグエンドセリン−3とを競
    合的に反応させ、該抗体に結合した標識化ビッグエンド
    セリン−3の割合を測定することを特徴とする被検液中
    のビッグエンドセリン−3の定量法。
  16. 【請求項16】被検液と担体上に不溶化した抗体および
    標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させた
    のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特
    徴とする被検液中のビッグエンドセリン−3の定量法に
    おいて、 一方の抗体がビッグエンドセリン−3のN端
    部を認識する抗体で、他方の抗体が請求項1記載の抗体
    であることを特徴とする被検液中のビッグエンドセリン
    −3の定量法。
  17. 【請求項17】請求項1記載の抗体と、被検液および標
    識化ラットあるいはヒトビッグエンドセリン−3とを競
    合的に反応させ、該抗体に結合した標識化ビッグエンド
    セリン−3の割合を測定して、被検液中のビッグエンド
    セリン−3を定量することを特徴とするアルツハイマー
    病の診断方法。
  18. 【請求項18】被検液と担体上に不溶化した抗体および
    標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させた
    のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定して、被検液
    中のビッグエンドセリン−3を定量するアルツハイマー
    病の診断方法において、 一方の抗体がビッグエンドセ
    リン−3のN端部を認識する抗体で、他方の抗体が請求
    項1記載の抗体であることを特徴とするアルツハイマー
    病の診断方法。
  19. 【請求項19】請求項1記載の抗体を含有することを特
    徴とするアルツハイマー病診断剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108152490A (zh) * 2017-12-22 2018-06-12 太原瑞盛生物科技有限公司 一种大内皮素-1的化学发光检测试剂盒及其制备方法

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