JPH06331582A - 陽極酸化膜の欠陥発生の評価方法 - Google Patents
陽極酸化膜の欠陥発生の評価方法Info
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- JPH06331582A JPH06331582A JP11705793A JP11705793A JPH06331582A JP H06331582 A JPH06331582 A JP H06331582A JP 11705793 A JP11705793 A JP 11705793A JP 11705793 A JP11705793 A JP 11705793A JP H06331582 A JPH06331582 A JP H06331582A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 陽極酸化中に起こるピンホール(欠陥)の発生
を陽極酸化するのと同時にリアルタイムで測定し、ピン
ホールの発生した基板を除くことにより最終的に歩留ま
りの高い薄膜トランジスタをうる。 【構成】 薄膜トランジスタのゲート電極表面に形成す
るゲート絶縁膜の製造時に、ポテンショスタット10から
の直流電圧にファンクションジェネレーター12からの微
小な交流電圧を重畳し、ロックインアンプ11を用いてイ
ンピーダンスを測定することにより陽極酸化膜生成途中
でピンホールが発生したために膜に変化が生じた場合、
あるいは膜中のピンホール以外の原因により目的の膜が
生成していない状態を、リアルタイムで観察できるよう
にし、不良品を除くことによりゲート・ソース間ショー
トの発生を防ぐ。
を陽極酸化するのと同時にリアルタイムで測定し、ピン
ホールの発生した基板を除くことにより最終的に歩留ま
りの高い薄膜トランジスタをうる。 【構成】 薄膜トランジスタのゲート電極表面に形成す
るゲート絶縁膜の製造時に、ポテンショスタット10から
の直流電圧にファンクションジェネレーター12からの微
小な交流電圧を重畳し、ロックインアンプ11を用いてイ
ンピーダンスを測定することにより陽極酸化膜生成途中
でピンホールが発生したために膜に変化が生じた場合、
あるいは膜中のピンホール以外の原因により目的の膜が
生成していない状態を、リアルタイムで観察できるよう
にし、不良品を除くことによりゲート・ソース間ショー
トの発生を防ぐ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量,薄型で視認性が
優れ、OA機器の端末ディスプレイとして最適である液
晶表示素子に用いられる薄膜トランジスタの陽極酸化膜
の欠陥発生の評価方法に関するものである。
優れ、OA機器の端末ディスプレイとして最適である液
晶表示素子に用いられる薄膜トランジスタの陽極酸化膜
の欠陥発生の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、非晶質シリコン薄膜トランジスタ
(amorphous Silicon Thin FilmTransistor 以下、a−
SiTFTと略す)をスイッチング素子として用いたアク
ティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基
板を用いた液晶ディスプレイ(LCD.Liquid Crystal
Display)は、a−SiTFTが高いスイッチング比を持つ
こと,ガラス基板が利用できる低温工程で製造できる等
の特徴があり、大面積,高精細化に対して最も有利な方
法と考えられており、各社で研究,開発が活発に行われ
製品化されている。
(amorphous Silicon Thin FilmTransistor 以下、a−
SiTFTと略す)をスイッチング素子として用いたアク
ティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基
板を用いた液晶ディスプレイ(LCD.Liquid Crystal
Display)は、a−SiTFTが高いスイッチング比を持つ
こと,ガラス基板が利用できる低温工程で製造できる等
の特徴があり、大面積,高精細化に対して最も有利な方
法と考えられており、各社で研究,開発が活発に行われ
製品化されている。
【0003】図4は薄膜トランジスタの構造を示す模式
断面図であり、これはガラスや石英など、表面が絶縁膜
からなる基板1上にアルミニウム(Al)を主成分とした
金属膜からなるゲート電極2、ゲート電極2上に陽極酸
化によるゲート絶縁膜3、第2のゲート絶縁膜(SiNx)
4、非晶質シリコン薄膜トランジスタ(a−Si)5、
断面図であり、これはガラスや石英など、表面が絶縁膜
からなる基板1上にアルミニウム(Al)を主成分とした
金属膜からなるゲート電極2、ゲート電極2上に陽極酸
化によるゲート絶縁膜3、第2のゲート絶縁膜(SiNx)
4、非晶質シリコン薄膜トランジスタ(a−Si)5、
【0004】
【外1】
【0005】、ソース,ドレイン電極8,9により構成
されていた。ここで、ゲート絶縁膜3である陽極酸化膜
は完全にゲート電極2の表面に均一に生成するわけでは
なく、ゲート電極2の表面の状態により、密な部分と疎
な部分が生成し、疎な部分が陽極酸化膜にかかる電界
(最高6MV/cm)によって破壊され、そこが欠陥(以下、
ピンホールという)として残ることがあり、またピンホ
ールにならなくても後のプロセス(例えば、P−CVD
の熱)で欠陥となり、それが最終的にゲート,ソース間
ショート(以下、GSショートという)の一要因になるこ
とがあった。
されていた。ここで、ゲート絶縁膜3である陽極酸化膜
は完全にゲート電極2の表面に均一に生成するわけでは
なく、ゲート電極2の表面の状態により、密な部分と疎
な部分が生成し、疎な部分が陽極酸化膜にかかる電界
(最高6MV/cm)によって破壊され、そこが欠陥(以下、
ピンホールという)として残ることがあり、またピンホ
ールにならなくても後のプロセス(例えば、P−CVD
の熱)で欠陥となり、それが最終的にゲート,ソース間
ショート(以下、GSショートという)の一要因になるこ
とがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、ゲート電極2の表面を陽極酸化することにより得ら
れるAl2O3(アルミナ)をゲート絶縁膜3として利用し
ていたが、得られる絶縁膜は完全ではなく、しばしばピ
ンホールを生じることがあり、これらが結果的にGSシ
ョートの発生原因になることがあった。
て、ゲート電極2の表面を陽極酸化することにより得ら
れるAl2O3(アルミナ)をゲート絶縁膜3として利用し
ていたが、得られる絶縁膜は完全ではなく、しばしばピ
ンホールを生じることがあり、これらが結果的にGSシ
ョートの発生原因になることがあった。
【0007】ここで、陽極酸化後に第2のゲート絶縁膜
4としてSiNxを堆積するが、この第2のゲート絶縁膜
4は緻密ではなく多孔質であり、陽極酸化膜に生じたピ
ンホールを抑えることができず、したがって陽極酸化膜
のピンホールによると思われるGSショートを減らし歩
留まりを上げるためには、陽極酸化膜形成途中に生じる
ピンホールを何らかの方法で見つけ出すことが考えられ
る。
4としてSiNxを堆積するが、この第2のゲート絶縁膜
4は緻密ではなく多孔質であり、陽極酸化膜に生じたピ
ンホールを抑えることができず、したがって陽極酸化膜
のピンホールによると思われるGSショートを減らし歩
留まりを上げるためには、陽極酸化膜形成途中に生じる
ピンホールを何らかの方法で見つけ出すことが考えられ
る。
【0008】しかし、陽極酸化プロセス中に発生したピ
ンホールを評価する測定系がないため、従来ではピンホ
ールが発生している基板1も最終工程まで流れ、不良と
なり歩留まりの低下、すなわちコストの上昇を招く要因
になるという問題があった。
ンホールを評価する測定系がないため、従来ではピンホ
ールが発生している基板1も最終工程まで流れ、不良と
なり歩留まりの低下、すなわちコストの上昇を招く要因
になるという問題があった。
【0009】本発明は、上記陽極酸化中に起こるピンホ
ールの発生を陽極酸化するのと同時にリアルタイムで測
定し、ピンホールの発生した基板を除くことにより最終
的に歩留まりの高い薄膜トランジスタを提供することを
目的とする。
ールの発生を陽極酸化するのと同時にリアルタイムで測
定し、ピンホールの発生した基板を除くことにより最終
的に歩留まりの高い薄膜トランジスタを提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
し、目的を達成するため、基板上にアルミニウムを主成
分とする金属薄膜を形成し、前記金属薄膜上に所定のパ
ターンのゲート電極を得るためのレジストを形成し、エ
ッチングにより前記ゲート電極を形成した後、前記ゲー
ト電極の表面を直流定電圧電源を用いて陽極酸化すると
きに、前記直流電圧に微小な交流電圧を重畳し陽極酸化
膜の膜質の変化,ピンホールの発生に応じたインピーダ
ンスの変化を測定することを特徴とする。
し、目的を達成するため、基板上にアルミニウムを主成
分とする金属薄膜を形成し、前記金属薄膜上に所定のパ
ターンのゲート電極を得るためのレジストを形成し、エ
ッチングにより前記ゲート電極を形成した後、前記ゲー
ト電極の表面を直流定電圧電源を用いて陽極酸化すると
きに、前記直流電圧に微小な交流電圧を重畳し陽極酸化
膜の膜質の変化,ピンホールの発生に応じたインピーダ
ンスの変化を測定することを特徴とする。
【0011】そして、前記直流電圧に重畳する微小な交
流電圧は正弦波を用い、このときの陽極酸化膜の膜質の
変化,ピンホール発生は、それに対応したインピーダン
スの変化を電圧の変化として見るようにしたものであ
る。
流電圧は正弦波を用い、このときの陽極酸化膜の膜質の
変化,ピンホール発生は、それに対応したインピーダン
スの変化を電圧の変化として見るようにしたものであ
る。
【0012】
【作用】本発明によれば、直流電圧に微小な交流電圧を
重畳して陽極酸化膜を形成する。これにより、陽極酸化
膜のインピーダンスの変化が電圧の変化としてリアルタ
イムで測定でき、膜質の変化,ピンホールの発生による
酸化膜表面の状態が観察でき、陽極酸化膜のピンホール
によるGSショートの発生を事前に防止することができ
る。
重畳して陽極酸化膜を形成する。これにより、陽極酸化
膜のインピーダンスの変化が電圧の変化としてリアルタ
イムで測定でき、膜質の変化,ピンホールの発生による
酸化膜表面の状態が観察でき、陽極酸化膜のピンホール
によるGSショートの発生を事前に防止することができ
る。
【0013】
【実施例】図1は本発明方法を実施する陽極酸化膜の膜
質およびピンホール発生の測定装置の構成図である。図
1において、本実施例に直接関係するブロックとして、
10は直流安定化電源としてのポテンショスタット、11は
陽極酸化膜の膜質の変化,ピンホールの発生に対応した
インピーダンスの変化を電圧の変化として測定するロッ
クインアンプ、12は微小な交流電圧をポテンショスタッ
ト10からの直流電圧に重畳する交流電圧発生のファンク
ションジェネレーター、13は作用電極、14は作用電極13
に対する対極である。その他、CRT15,メインCPU
16,プロッター17,プリンター18,ADコンバータ19,
DAコンバータ20,デジタルI/O21,サブCPU22,
フレゲンシーカウンター23,オシロスコープ24およびサ
ーモスタット25を有する。
質およびピンホール発生の測定装置の構成図である。図
1において、本実施例に直接関係するブロックとして、
10は直流安定化電源としてのポテンショスタット、11は
陽極酸化膜の膜質の変化,ピンホールの発生に対応した
インピーダンスの変化を電圧の変化として測定するロッ
クインアンプ、12は微小な交流電圧をポテンショスタッ
ト10からの直流電圧に重畳する交流電圧発生のファンク
ションジェネレーター、13は作用電極、14は作用電極13
に対する対極である。その他、CRT15,メインCPU
16,プロッター17,プリンター18,ADコンバータ19,
DAコンバータ20,デジタルI/O21,サブCPU22,
フレゲンシーカウンター23,オシロスコープ24およびサ
ーモスタット25を有する。
【0014】次に測定装置の動作を、前記図4に示す薄
膜トランジスタの構造を示す模式図を参照しながら説明
する。
膜トランジスタの構造を示す模式図を参照しながら説明
する。
【0015】まず、ゲート絶縁膜3の製造方法は、スパ
ッタリングによりガラス基板等からなる透光性絶縁物の
基板1上にAl薄膜を堆積させ、次にゲートパターンを
得るためのレジストパターンを形成し、フォトリソ,エ
ッチングによりゲート電極2を形成する。次に陽極酸化
を行うが、従来の方法として直流安定化電源を用い、図
5に示す定電流上昇定電圧化成の電流電圧曲線に示すよ
うに、一定の電流I(mA)で所定の電圧V(v)まで印加
し、その耐圧を持つ絶縁物であるAl2O3を生成させ、
所定電圧Vになった時点で電流Iが十分小さくなるまで
(エージング)、その電圧で一定に保つ定電流上昇定電圧
化成という手法によりゲート絶縁膜3を製造していた。
ッタリングによりガラス基板等からなる透光性絶縁物の
基板1上にAl薄膜を堆積させ、次にゲートパターンを
得るためのレジストパターンを形成し、フォトリソ,エ
ッチングによりゲート電極2を形成する。次に陽極酸化
を行うが、従来の方法として直流安定化電源を用い、図
5に示す定電流上昇定電圧化成の電流電圧曲線に示すよ
うに、一定の電流I(mA)で所定の電圧V(v)まで印加
し、その耐圧を持つ絶縁物であるAl2O3を生成させ、
所定電圧Vになった時点で電流Iが十分小さくなるまで
(エージング)、その電圧で一定に保つ定電流上昇定電圧
化成という手法によりゲート絶縁膜3を製造していた。
【0016】このような直流安定化電源を用い、電圧を
一定の傾きで上昇させ、所定電圧の耐圧を持つAl2O3
を生成し、所定電圧に到達した時点で電流が十分小さく
なるまで、その電圧を一定に保つという前記図5に示す
定電流上昇定電圧化成における電流を規制する方法と異
なり、本発明の実施例では、図2に示す直流電圧に交流
電圧を重畳したときの電圧曲線図に示すように、電圧を
規制するという方法で陽極酸化を行う。このとき、前記
図1に示してある測定装置を使用する。
一定の傾きで上昇させ、所定電圧の耐圧を持つAl2O3
を生成し、所定電圧に到達した時点で電流が十分小さく
なるまで、その電圧を一定に保つという前記図5に示す
定電流上昇定電圧化成における電流を規制する方法と異
なり、本発明の実施例では、図2に示す直流電圧に交流
電圧を重畳したときの電圧曲線図に示すように、電圧を
規制するという方法で陽極酸化を行う。このとき、前記
図1に示してある測定装置を使用する。
【0017】直流安定化電源として定電位電界装置(ポ
テンショスタット)10を用い、電位を一定の傾きで変化
できるようにプログラム可能な設定電位可変装置(ポテ
ンシャルプログラマー)を接続し、任意の傾きで電位を
上昇できるようにする。この電位の傾きは定電流上昇定
電圧化成時に見られる電位の上昇と同じ傾きになるよう
にした。例えば、5mA/cm2で陽極酸化を行うと、電位
上昇の傾きは約25V/secとなり、この傾きで電位を変
化させた。
テンショスタット)10を用い、電位を一定の傾きで変化
できるようにプログラム可能な設定電位可変装置(ポテ
ンシャルプログラマー)を接続し、任意の傾きで電位を
上昇できるようにする。この電位の傾きは定電流上昇定
電圧化成時に見られる電位の上昇と同じ傾きになるよう
にした。例えば、5mA/cm2で陽極酸化を行うと、電位
上昇の傾きは約25V/secとなり、この傾きで電位を変
化させた。
【0018】次に、微小な交流電圧を重畳するためにフ
ァンクションジェネレーター12をポテンショスタット10
に接続し、電圧振幅10mVの正弦波交流電圧を重畳する。
このとき注意しなければならない点として、重畳交流電
圧は大きい方が測定誤差,ノイズに対して有利である
が、反応系を乱すおそれがあるので、できる限り小さく
して、なおかつ測定可能な電圧を選ぶ必要がある。本実
施例では、直流印加電圧が比較的高いので上記のような
電圧とした。
ァンクションジェネレーター12をポテンショスタット10
に接続し、電圧振幅10mVの正弦波交流電圧を重畳する。
このとき注意しなければならない点として、重畳交流電
圧は大きい方が測定誤差,ノイズに対して有利である
が、反応系を乱すおそれがあるので、できる限り小さく
して、なおかつ測定可能な電圧を選ぶ必要がある。本実
施例では、直流印加電圧が比較的高いので上記のような
電圧とした。
【0019】次いで、ゲート絶縁膜3である陽極酸化膜
のインピーダンスを測定するためにロックインアンプ11
をオシロスコープ24に接続し、ポテンショスタット10か
らの信号と、ロックインアンプ11からの信号を記録する
ためにADコンバータ19を介してX−Yレコーダーに接
続する。本実施例では、前記ポテンシャルプログラマ
ー,X−Yレコーダーとして汎用マイクロコンピュータ
(メインCPU16)を用い、測定の簡便化,データ処理の
簡便化を図った。
のインピーダンスを測定するためにロックインアンプ11
をオシロスコープ24に接続し、ポテンショスタット10か
らの信号と、ロックインアンプ11からの信号を記録する
ためにADコンバータ19を介してX−Yレコーダーに接
続する。本実施例では、前記ポテンシャルプログラマ
ー,X−Yレコーダーとして汎用マイクロコンピュータ
(メインCPU16)を用い、測定の簡便化,データ処理の
簡便化を図った。
【0020】最後に電解系であるが、陽極酸化槽(図略)
に電解液として酒石酸アンモニウムなどの有機カルボン
酸塩とエチレングリコールを体積比5:5〜1:9の範
囲で混合し、液温を30〜40℃の範囲で設定する。次い
で、ポテンショスタット10に作用電極13としてゲートを
パターニングした基板,対極14を接続し、陽極酸化槽に
入れ、陽極酸化を開始すると同時に交流によるインピー
ダンス測定も行う。
に電解液として酒石酸アンモニウムなどの有機カルボン
酸塩とエチレングリコールを体積比5:5〜1:9の範
囲で混合し、液温を30〜40℃の範囲で設定する。次い
で、ポテンショスタット10に作用電極13としてゲートを
パターニングした基板,対極14を接続し、陽極酸化槽に
入れ、陽極酸化を開始すると同時に交流によるインピー
ダンス測定も行う。
【0021】ここで、測定の基本的な概念について説明
する。
する。
【0022】図1に示した測定装置で、対極14と作用電
極13の電位はポテンシャルプログラマーとポテンショス
タット10によって規制する。ここで、電圧振幅Vpp=5
〜10mV程度の交流をファンクションジェネレーター12に
よって重畳する。この電位規制の様子は前記図2に示す
通りである。
極13の電位はポテンシャルプログラマーとポテンショス
タット10によって規制する。ここで、電圧振幅Vpp=5
〜10mV程度の交流をファンクションジェネレーター12に
よって重畳する。この電位規制の様子は前記図2に示す
通りである。
【0023】電位走査を行うとき、作用電極13に流れる
電流は、直流電流と交流電流の和である。電流計によっ
て電圧に変換された信号の直流成分から電流−電位曲線
が得られ、交流成分からインピーダンス成分が得られ
る。このインピーダンス測定では、電位の変化に伴う抵
抗成分の逆数(アドミタンスY)との関係を表すY−V曲
線と、電位に対する電流の位相のずれを表すφ−V曲線
(理想的コンデンサの場合90度となり、この値に近いほ
ど生成した陽極酸化膜は絶縁膜として完全であると考え
る)を測定した。本実施例では、この2つの測定により
陽極酸化膜の膜質の変化,欠陥の発生について評価し
た。
電流は、直流電流と交流電流の和である。電流計によっ
て電圧に変換された信号の直流成分から電流−電位曲線
が得られ、交流成分からインピーダンス成分が得られ
る。このインピーダンス測定では、電位の変化に伴う抵
抗成分の逆数(アドミタンスY)との関係を表すY−V曲
線と、電位に対する電流の位相のずれを表すφ−V曲線
(理想的コンデンサの場合90度となり、この値に近いほ
ど生成した陽極酸化膜は絶縁膜として完全であると考え
る)を測定した。本実施例では、この2つの測定により
陽極酸化膜の膜質の変化,欠陥の発生について評価し
た。
【0024】一例として、上記の方法で陽極酸化した場
合の各測定結果を示す。
合の各測定結果を示す。
【0025】図3(a)は電流−電位曲線である。電位を
プラスの方向に印加すると、ある電位で電流I(mA)が急
激に立ち上がりピークを示した後、一定の電流を示し、
所定の電圧に達すると直ちに電流が減少し、漏れ電流と
呼ばれる数μA程度のわずかな電流が流れる。ここで電
流が急激に上昇する電位は、Al表面に存在する自然酸
化被膜を破壊する電位であり、定電流法にみられる電位
の急激な立ち上がりと等しい。また、電位と電流の関係
は定電流法における電流と電位の関係と等しい。したが
って、定電流法によって生成した酸化被膜と定電位法に
よって生成した被膜は同質と考えられる。
プラスの方向に印加すると、ある電位で電流I(mA)が急
激に立ち上がりピークを示した後、一定の電流を示し、
所定の電圧に達すると直ちに電流が減少し、漏れ電流と
呼ばれる数μA程度のわずかな電流が流れる。ここで電
流が急激に上昇する電位は、Al表面に存在する自然酸
化被膜を破壊する電位であり、定電流法にみられる電位
の急激な立ち上がりと等しい。また、電位と電流の関係
は定電流法における電流と電位の関係と等しい。したが
って、定電流法によって生成した酸化被膜と定電位法に
よって生成した被膜は同質と考えられる。
【0026】次に、インピーダンス測定した結果を図3
(b),(c)に示す。図3(c)に示したY−V曲線で、電位
走引初期から図3(a)におけるピークの電位までアドミ
タンス成分Yが増加し、その後は電位の増加と共に減少
し所定の電位に達した後も減少し続ける。これは、電位
の上昇とともに酸化被膜が生成し、抵抗成分が増加した
と考えられ、所定の電圧に達した後も減少していること
から、エージングにおいて所定の耐圧の酸化被膜が、よ
り密になっていくと考えられる。
(b),(c)に示す。図3(c)に示したY−V曲線で、電位
走引初期から図3(a)におけるピークの電位までアドミ
タンス成分Yが増加し、その後は電位の増加と共に減少
し所定の電位に達した後も減少し続ける。これは、電位
の上昇とともに酸化被膜が生成し、抵抗成分が増加した
と考えられ、所定の電圧に達した後も減少していること
から、エージングにおいて所定の耐圧の酸化被膜が、よ
り密になっていくと考えられる。
【0027】次に、図3(b)のφ−V曲線で、位相のず
れは電位走引初期から急激に減少し、電位とは無関係に
一定の位相差φを示し、所定の電位に達した後は、徐々
に位相差が増加して一定の位相差となる。このことから
もエージングによって酸化被膜が、より完全なものに変
わっていくことがわかる。
れは電位走引初期から急激に減少し、電位とは無関係に
一定の位相差φを示し、所定の電位に達した後は、徐々
に位相差が増加して一定の位相差となる。このことから
もエージングによって酸化被膜が、より完全なものに変
わっていくことがわかる。
【0028】したがって、図3(c)のY−V曲線におい
てアドミタンス成分Yの挙動が異なったり、エージング
後も十分に小さくならない、あるいは図3(b)のφ−V
曲線において位相の挙動が異なる、エージング後も位相
差が小さいなどの違いが見られたら酸化被膜の生成時に
何らかの変化が生じたか、ピンホールが生じたと考えて
よい。このとき、酸化被膜にピンホールが発生、あるい
は膜質に変化があった場合、従来の定電流法での電流−
電位曲線では全くわからなかったが、本発明方法ではY
−V曲線,φ−V曲線と標準からのずれを見ることによ
って即座に見分けることができる。
てアドミタンス成分Yの挙動が異なったり、エージング
後も十分に小さくならない、あるいは図3(b)のφ−V
曲線において位相の挙動が異なる、エージング後も位相
差が小さいなどの違いが見られたら酸化被膜の生成時に
何らかの変化が生じたか、ピンホールが生じたと考えて
よい。このとき、酸化被膜にピンホールが発生、あるい
は膜質に変化があった場合、従来の定電流法での電流−
電位曲線では全くわからなかったが、本発明方法ではY
−V曲線,φ−V曲線と標準からのずれを見ることによ
って即座に見分けることができる。
【0029】上記の方法で陽極酸化を行った資料のう
ち、標準と著しく異なった資料について陽極酸化膜の耐
圧を測定するためにゲートパターン上に電極を配線し、
1資料につき10万ドットのマトリクスをつくり、電極間
に電圧を0Vからショートする瞬間まで印加した結果、
明らかにインピーダンス測定で異なる挙動を示していた
資料は耐圧が低く不均一であった。この結果から、異常
と思われる資料を除き薄膜トランジスタを製作した結
果、GSショートは1/3程度に減少し、最終的な耐圧
もむらもなく良い値を示した。このピンホールの低減は
不良を事前に除去した効果と考えられる。
ち、標準と著しく異なった資料について陽極酸化膜の耐
圧を測定するためにゲートパターン上に電極を配線し、
1資料につき10万ドットのマトリクスをつくり、電極間
に電圧を0Vからショートする瞬間まで印加した結果、
明らかにインピーダンス測定で異なる挙動を示していた
資料は耐圧が低く不均一であった。この結果から、異常
と思われる資料を除き薄膜トランジスタを製作した結
果、GSショートは1/3程度に減少し、最終的な耐圧
もむらもなく良い値を示した。このピンホールの低減は
不良を事前に除去した効果と考えられる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、陽
極酸化時にピンホールが発生したと思われる基板を除く
ことにより、薄膜トランジスタの陽極酸化膜原因のGS
ショートが減少し、この方法によって得られた薄膜トラ
ンジスタアレイの歩留まりが向上した。
極酸化時にピンホールが発生したと思われる基板を除く
ことにより、薄膜トランジスタの陽極酸化膜原因のGS
ショートが減少し、この方法によって得られた薄膜トラ
ンジスタアレイの歩留まりが向上した。
【図1】本発明方法を実施する測定装置の構成図であ
る。
る。
【図2】本発明方法による直流電圧に交流電圧を重畳し
たときの電圧曲線図である。
たときの電圧曲線図である。
【図3】本発明方法による測定結果を示した図である。
【図4】薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図であ
る。
る。
【図5】従来の定電流上昇定電圧化成の電流電圧曲線図
である。
である。
1…基板、 2…ゲート電極、 3…ゲート絶縁膜、
4…第2のゲート絶縁膜(SiNx)、 5…非晶質シリコ
ン薄膜トランジスタ(a−Si)、
4…第2のゲート絶縁膜(SiNx)、 5…非晶質シリコ
ン薄膜トランジスタ(a−Si)、
【外2】 9…ドレイン電極、 10…ポテンショスタット、 11…
ロックインアンプ、 12…ファンクションジェネレータ
ー、 13…作用電極、 14…対極。
ロックインアンプ、 12…ファンクションジェネレータ
ー、 13…作用電極、 14…対極。
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上にアルミニウムを主成分とする金
属薄膜を形成し、前記金属薄膜上に所定のパターンのゲ
ート電極を得るためのレジストを形成し、エッチングに
より前記ゲート電極を形成した後、前記ゲート電極の表
面を直流定電圧電源を用いて陽極酸化するときに、前記
直流電圧に微小な交流電圧を重畳し陽極酸化膜の膜質の
変化,欠陥の発生に応じたインピーダンスの変化を測定
することを特徴とする陽極酸化膜の欠陥発生の評価方
法。 - 【請求項2】 交流電圧として正弦波を使うことを特徴
とする請求項1記載の陽極酸化膜の欠陥発生の評価方
法。 - 【請求項3】 陽極酸化膜の膜質の変化,欠陥発生に対
応したインピーダンスの変化を電圧の変化として見るこ
とを特徴とする請求項1記載の陽極酸化膜の欠陥発生の
評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11705793A JP3154588B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 陽極酸化膜の欠陥発生の評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11705793A JP3154588B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 陽極酸化膜の欠陥発生の評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06331582A true JPH06331582A (ja) | 1994-12-02 |
JP3154588B2 JP3154588B2 (ja) | 2001-04-09 |
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ID=14702364
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11705793A Expired - Fee Related JP3154588B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 陽極酸化膜の欠陥発生の評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3154588B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5899709A (en) * | 1992-04-07 | 1999-05-04 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method for forming a semiconductor device using anodic oxidation |
WO2001029807A1 (fr) * | 1999-10-21 | 2001-04-26 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Inspection et reparation de substrat actif |
KR20180132617A (ko) * | 2016-02-01 | 2018-12-12 | 팩키징 테크놀로지스 앤드 인스펙션, 엘엘시 | 교류-직류 고 전압 누출 탐지용 시스템 및 방법 |
-
1993
- 1993-05-19 JP JP11705793A patent/JP3154588B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6843904B1 (en) | 1999-10-21 | 2005-01-18 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Inspection and repair of active type substrate |
KR20180132617A (ko) * | 2016-02-01 | 2018-12-12 | 팩키징 테크놀로지스 앤드 인스펙션, 엘엘시 | 교류-직류 고 전압 누출 탐지용 시스템 및 방법 |
JP2019505006A (ja) * | 2016-02-01 | 2019-02-21 | パッケージング テクノロジーズ アンド インスペクション、エルエルシイ | 交流−直流高電圧リーク検出のためのシステムおよび方法 |
JP2021060425A (ja) * | 2016-02-01 | 2021-04-15 | パッケージング テクノロジーズ アンド インスペクション、エルエルシイ | 交流−直流高電圧リーク検出のためのシステムおよび方法 |
US11300476B2 (en) | 2016-02-01 | 2022-04-12 | Packaging Technologies & Inspection, LLC | System and method for alternating-direct high voltage leak detection |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3154588B2 (ja) | 2001-04-09 |
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