JPH06330968A - 摩擦材 - Google Patents
摩擦材Info
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- JPH06330968A JPH06330968A JP14154993A JP14154993A JPH06330968A JP H06330968 A JPH06330968 A JP H06330968A JP 14154993 A JP14154993 A JP 14154993A JP 14154993 A JP14154993 A JP 14154993A JP H06330968 A JPH06330968 A JP H06330968A
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- fiber
- wear
- fibers
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車用ブレーキパッド等の制動部材として
使用される摩擦材の摩擦摩耗特性の改良。 【構成】 樹脂結合剤中に配合される基材繊維として、 Kx Alx Ti8-x O16 〔式中,xは0.5 〜3 〕 で示されるホーランダイト型構造を有するオクトチタン
酸塩繊維を使用する。該繊維の配合量は約3〜50重量
%である。公知の他種繊維と複合使用してもよい。所望
により、公知の摩擦摩耗調整剤、その他の添加剤(防錆
剤,潤滑剤,研削剤等)が適量配合される。摩擦係数,
耐摩耗性の温度依存性が小さく、高温域においても高摩
擦係数が安定に維持されると共に、卓抜した摩耗抵抗性
を示す。
使用される摩擦材の摩擦摩耗特性の改良。 【構成】 樹脂結合剤中に配合される基材繊維として、 Kx Alx Ti8-x O16 〔式中,xは0.5 〜3 〕 で示されるホーランダイト型構造を有するオクトチタン
酸塩繊維を使用する。該繊維の配合量は約3〜50重量
%である。公知の他種繊維と複合使用してもよい。所望
により、公知の摩擦摩耗調整剤、その他の添加剤(防錆
剤,潤滑剤,研削剤等)が適量配合される。摩擦係数,
耐摩耗性の温度依存性が小さく、高温域においても高摩
擦係数が安定に維持されると共に、卓抜した摩耗抵抗性
を示す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、鉄道車両,航
空機、産業機械類等の制動装置を構成するブレーキライ
ニング,ディスクパッド、クラッチッフェーシング等の
摺動部材として有用な摩擦材に関する。
空機、産業機械類等の制動装置を構成するブレーキライ
ニング,ディスクパッド、クラッチッフェーシング等の
摺動部材として有用な摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】上記制動装置における代表的な摺動部材
として、従来よりアスベスト繊維を基材繊維とし、これ
を有機系または無機系結合剤に分散させ、必要に応じ摩
擦・摩耗調整剤(硫酸バリウム等)を添加した混練物を
加熱・加圧下に結着成形して製造される摩擦材が使用さ
れてきた。
として、従来よりアスベスト繊維を基材繊維とし、これ
を有機系または無機系結合剤に分散させ、必要に応じ摩
擦・摩耗調整剤(硫酸バリウム等)を添加した混練物を
加熱・加圧下に結着成形して製造される摩擦材が使用さ
れてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アスベスト繊維を基材
繊維とする従来の摩擦材は、低温域ではすぐれた摩擦特
性を示すものの、摩擦面が高温化するに伴い、アスベス
ト繊維が結晶水を放出して構造変化するため、その補強
効果を失い、温度約200℃を越えると、摩擦面の摩耗
が急激に増大する。摩擦係数も温度約350℃付近から
大きく低減しフェード現象が現れるという問題があり、
車両の高速度化等に対処するためにも、その摩擦・摩耗
特性の改善が強く要請されている。また、近時はアスベ
スト繊維の発がん性の問題が指摘され、環境衛生の見地
からも、その代替品の開発が要請されている。本発明
は、上記要請に応えるための新たな摩擦材を提供するも
のである。
繊維とする従来の摩擦材は、低温域ではすぐれた摩擦特
性を示すものの、摩擦面が高温化するに伴い、アスベス
ト繊維が結晶水を放出して構造変化するため、その補強
効果を失い、温度約200℃を越えると、摩擦面の摩耗
が急激に増大する。摩擦係数も温度約350℃付近から
大きく低減しフェード現象が現れるという問題があり、
車両の高速度化等に対処するためにも、その摩擦・摩耗
特性の改善が強く要請されている。また、近時はアスベ
スト繊維の発がん性の問題が指摘され、環境衛生の見地
からも、その代替品の開発が要請されている。本発明
は、上記要請に応えるための新たな摩擦材を提供するも
のである。
【0004】
で示されるホーランダイト型構造を有するオクトチタン
酸塩繊維が3〜50重量%配合されていることを特徴と
している。
酸塩繊維が3〜50重量%配合されていることを特徴と
している。
【0005】
【作用】上記〔1〕式で示されるホーランダイト型構造
を有するオクトチタン酸塩の結晶繊維は、(Ti,A
l)O6 八面体のなすトンネルの枠の中にKイオンが配
位した一次元トンネル構造を有する合成無機化合物であ
る〔無機材質研究所研究報告 第57号 第4〜7頁
「材料合成に関する研究」〕。このものは高融点(約1
400℃以上、例えばK1.5 Al1.5 Ti6.5 O16の融
点は約1435℃)を有し、耐熱性、補強効果にすぐ
れ、またその硬さはモース硬度で約5〜6程度である。
自動車用ブレーキパッド等の摩擦材の実使用において、
その摩擦面は摩擦熱の発生と蓄熱とにより、局部的に1
000℃以上に昇温すると推定される。このような苛酷
な使用条件に曝される摩擦材の基材繊維として上記オク
トチタン酸塩繊維を使用することにより、摩擦面の耐熱
性、耐摩耗性が強化され、後記実施例に示すように、温
度300℃を越え、400℃前後に到る高温度域に亘つ
て、高度の摩耗抵抗性と安定した摩擦係数が確保され
る。
を有するオクトチタン酸塩の結晶繊維は、(Ti,A
l)O6 八面体のなすトンネルの枠の中にKイオンが配
位した一次元トンネル構造を有する合成無機化合物であ
る〔無機材質研究所研究報告 第57号 第4〜7頁
「材料合成に関する研究」〕。このものは高融点(約1
400℃以上、例えばK1.5 Al1.5 Ti6.5 O16の融
点は約1435℃)を有し、耐熱性、補強効果にすぐ
れ、またその硬さはモース硬度で約5〜6程度である。
自動車用ブレーキパッド等の摩擦材の実使用において、
その摩擦面は摩擦熱の発生と蓄熱とにより、局部的に1
000℃以上に昇温すると推定される。このような苛酷
な使用条件に曝される摩擦材の基材繊維として上記オク
トチタン酸塩繊維を使用することにより、摩擦面の耐熱
性、耐摩耗性が強化され、後記実施例に示すように、温
度300℃を越え、400℃前後に到る高温度域に亘つ
て、高度の摩耗抵抗性と安定した摩擦係数が確保され
る。
【0006】以下、本発明の摩擦材について詳しく説明
する。本発明の摩擦材の基材繊維であるオクトチタン酸
塩繊維の配合割合は、摩擦摩耗特性改善効果を十分に発
現させるために、少なくとも3重量%を必要とするが、
50重量%までの配合で十分であり、それを越えて多量
に配合する利益はない。このため、3〜50重量%とす
る。オクトチタン酸塩繊維の形状は特に限定されない
が、繊維長:約30〜70μm,繊維径:約10〜20
μm,アスペクト比:約3〜5の繊維形態を有するもの
は、樹脂中への混練分散の均一性や補強効果等に優れて
いる。また、ブレーキ等の実使用時の摩擦面から発生す
る粉塵中に、極微細繊維片(断面径約1μm以下)が混
在することは環境衛生上有害であるとされているが、上
記繊維サイズのものであれば、そのような極微細片が生
じることはなく、安全性も確保される。
する。本発明の摩擦材の基材繊維であるオクトチタン酸
塩繊維の配合割合は、摩擦摩耗特性改善効果を十分に発
現させるために、少なくとも3重量%を必要とするが、
50重量%までの配合で十分であり、それを越えて多量
に配合する利益はない。このため、3〜50重量%とす
る。オクトチタン酸塩繊維の形状は特に限定されない
が、繊維長:約30〜70μm,繊維径:約10〜20
μm,アスペクト比:約3〜5の繊維形態を有するもの
は、樹脂中への混練分散の均一性や補強効果等に優れて
いる。また、ブレーキ等の実使用時の摩擦面から発生す
る粉塵中に、極微細繊維片(断面径約1μm以下)が混
在することは環境衛生上有害であるとされているが、上
記繊維サイズのものであれば、そのような極微細片が生
じることはなく、安全性も確保される。
【0007】本発明の摩擦材は、基材繊維として、上記
オクトチタン酸塩繊維と共に、他種繊維、例えばアラミ
ド繊維,スチール繊維,ステンレス繊維,銅繊維,黄銅
繊維,炭素繊維,ガラス繊維,セラミックス繊維,ロッ
クウール,木質パルプ等を複合的に使用してよい。これ
らの他種繊維の配合量は、約1〜60重量%とすること
ができる。上記基材繊維は、必要に応じて、分散性、結
合剤樹脂との結着性の向上等のために、シラン系カップ
リング剤(アミノシラン,ビニルシラン,エポキシシラ
ン,メタアクリロキシラン,メルカプトキシラン等)、
またはチタネート系カップリング剤(イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート,ジ(ジオクチルパイロホ
スフェート)エチレンチタネート等)による表面処理
(カップリング処理)が施されて使用される。
オクトチタン酸塩繊維と共に、他種繊維、例えばアラミ
ド繊維,スチール繊維,ステンレス繊維,銅繊維,黄銅
繊維,炭素繊維,ガラス繊維,セラミックス繊維,ロッ
クウール,木質パルプ等を複合的に使用してよい。これ
らの他種繊維の配合量は、約1〜60重量%とすること
ができる。上記基材繊維は、必要に応じて、分散性、結
合剤樹脂との結着性の向上等のために、シラン系カップ
リング剤(アミノシラン,ビニルシラン,エポキシシラ
ン,メタアクリロキシラン,メルカプトキシラン等)、
またはチタネート系カップリング剤(イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート,ジ(ジオクチルパイロホ
スフェート)エチレンチタネート等)による表面処理
(カップリング処理)が施されて使用される。
【0008】本発明の摩擦材は、所望により、公知の摩
擦摩耗調整剤、例えば、加硫もしくは未加硫の天然・合
成ゴム粉末,カシュー樹脂粉粒体,レジンダスト,ゴム
ダスト等の有機物粉末、天然・人造黒鉛,二硫化モリブ
デン,二硫化アンチモン,硫酸バリウム,炭酸カルシウ
ム等の無機質粉末、銅,アルミニウム,亜鉛,鉄等の金
属粉末、アルミナ,シリカ,酸化クロム,酸化銅,三酸
化アンチモン,酸化チタン,酸化鉄等の酸化物粉末等か
ら選ばれる1種ないし2種以上の成分が、摩擦摩耗特性
(摩擦係数,摩耗抵抗性,振動特性,ナキ等)の改善を
目的として適量(概ね20〜70重量%)配合される。
また、本発明の摩擦材は、各種添加剤、例えば防錆剤、
潤滑剤、研削剤等が、その用途・使用態様等に応じて適
量配合(例えば50重量%以下)されることも通常の摩
擦材と異ならない。
擦摩耗調整剤、例えば、加硫もしくは未加硫の天然・合
成ゴム粉末,カシュー樹脂粉粒体,レジンダスト,ゴム
ダスト等の有機物粉末、天然・人造黒鉛,二硫化モリブ
デン,二硫化アンチモン,硫酸バリウム,炭酸カルシウ
ム等の無機質粉末、銅,アルミニウム,亜鉛,鉄等の金
属粉末、アルミナ,シリカ,酸化クロム,酸化銅,三酸
化アンチモン,酸化チタン,酸化鉄等の酸化物粉末等か
ら選ばれる1種ないし2種以上の成分が、摩擦摩耗特性
(摩擦係数,摩耗抵抗性,振動特性,ナキ等)の改善を
目的として適量(概ね20〜70重量%)配合される。
また、本発明の摩擦材は、各種添加剤、例えば防錆剤、
潤滑剤、研削剤等が、その用途・使用態様等に応じて適
量配合(例えば50重量%以下)されることも通常の摩
擦材と異ならない。
【0009】本発明の摩擦材における結合剤である樹脂
成分は、通常使用される材種、例えばフェノール樹脂,
ホルムアルデヒド樹脂,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂、またはこれらの変性(カシュー油変性,乾性変性
等)熱硬化性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム,ニトリルゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。本発
明の摩擦材は、基材繊維として上記オクトチタン酸塩繊
維を使用する点を除いて、その成分構成はアスベスト繊
維等を基材繊維とする従来の摩擦材と異ならず、またそ
の製造工程にも特別の条件の付加ないし制限は課せられ
ない。すなわち、基材繊維を結合剤樹脂中に分散し、必
要に応じて配合される摩擦摩耗調整剤、および防錆剤,
潤滑剤,研削剤等を添加し、均一に混練して原料組成物
を調製し、ついで金型成形等により、加熱・加圧下に結
着成形を行い、必要に応じて熱処理を施し、しかる後そ
の成形体に機械加工、研磨加工を加えて所定の形状を有
する摩擦材に仕上げる。別法として、原料組成物を、水
等に分散懸濁させ、抄き網で抄きあげ、搾水してシート
を抄造し、その適当枚数を重ね、加熱・加圧下に結着成
形し、成形体を機械加工,研磨加工して所定の摩擦材を
得る。
成分は、通常使用される材種、例えばフェノール樹脂,
ホルムアルデヒド樹脂,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂、またはこれらの変性(カシュー油変性,乾性変性
等)熱硬化性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム,ニトリルゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。本発
明の摩擦材は、基材繊維として上記オクトチタン酸塩繊
維を使用する点を除いて、その成分構成はアスベスト繊
維等を基材繊維とする従来の摩擦材と異ならず、またそ
の製造工程にも特別の条件の付加ないし制限は課せられ
ない。すなわち、基材繊維を結合剤樹脂中に分散し、必
要に応じて配合される摩擦摩耗調整剤、および防錆剤,
潤滑剤,研削剤等を添加し、均一に混練して原料組成物
を調製し、ついで金型成形等により、加熱・加圧下に結
着成形を行い、必要に応じて熱処理を施し、しかる後そ
の成形体に機械加工、研磨加工を加えて所定の形状を有
する摩擦材に仕上げる。別法として、原料組成物を、水
等に分散懸濁させ、抄き網で抄きあげ、搾水してシート
を抄造し、その適当枚数を重ね、加熱・加圧下に結着成
形し、成形体を機械加工,研磨加工して所定の摩擦材を
得る。
【0010】
【実施例】実施例1 基材繊維としてオクトチタン酸塩繊維〔K1.6 Al1.6
Ti6.4 O16〕(後記参考例による)を使用し、下記の
原料組成物を調製して金型による結着成形(加圧力:1
4.7MPa=150Kgf/cm 2 ,温度:170 ℃, 加圧保持時
間:5 分間)を行い、成形後、離型して乾燥炉で熱処理
(180 ℃に3 時間保持) を施す。その後、所定寸法に切
断し、研磨加工を加えて供試摩擦材( ディスクパッド)
を得た。この供試材をA1 とする。 基材繊維 30重量% 結合剤樹脂(フェノール樹脂) 20重量% 摩擦調整剤(硫酸バリウム) 50重量%比較例1 基材繊維として、オクトチタン酸塩繊維に代え、アスベ
スト繊維(6クラス)を使用した点を除いて実施例1と
同一の原料組成、および製造工程により、供試摩擦材
(ディスクパッド)を得た。この供試材(従来タイプ)
をB1とする。
Ti6.4 O16〕(後記参考例による)を使用し、下記の
原料組成物を調製して金型による結着成形(加圧力:1
4.7MPa=150Kgf/cm 2 ,温度:170 ℃, 加圧保持時
間:5 分間)を行い、成形後、離型して乾燥炉で熱処理
(180 ℃に3 時間保持) を施す。その後、所定寸法に切
断し、研磨加工を加えて供試摩擦材( ディスクパッド)
を得た。この供試材をA1 とする。 基材繊維 30重量% 結合剤樹脂(フェノール樹脂) 20重量% 摩擦調整剤(硫酸バリウム) 50重量%比較例1 基材繊維として、オクトチタン酸塩繊維に代え、アスベ
スト繊維(6クラス)を使用した点を除いて実施例1と
同一の原料組成、および製造工程により、供試摩擦材
(ディスクパッド)を得た。この供試材(従来タイプ)
をB1とする。
【0011】〔摩擦摩耗試験〕上記供試ディスクA1
(発明例)およびB1(比較例)について、JIS D4411
「自動車用ブレーキライニング」に規定の定速度摩擦摩
耗試験により、摩擦係数および比摩耗率(cm3 /Kgm)を
測定し、図1および図2に示す結果を得た〔図1:摩擦
係数,図2:比摩耗率〕。 ディスク摩擦面:FC25ねずみ鋳鉄、 面圧:10Kgf/cm2 、摩擦速度:7m/ 秒。
(発明例)およびB1(比較例)について、JIS D4411
「自動車用ブレーキライニング」に規定の定速度摩擦摩
耗試験により、摩擦係数および比摩耗率(cm3 /Kgm)を
測定し、図1および図2に示す結果を得た〔図1:摩擦
係数,図2:比摩耗率〕。 ディスク摩擦面:FC25ねずみ鋳鉄、 面圧:10Kgf/cm2 、摩擦速度:7m/ 秒。
【0012】実施例2 基材繊維としてオクトチタン酸塩繊維(実施例1のもの
と同じ)を使用し、下記の原料組成物を調製して実施例
1と同一条件の金型による結着成形、および熱処理を行
った後、機械加工と研磨加工を加えて供試摩擦材(ディ
スクパッド)を得た。この供試材をA2とする。 基材繊維 … 28重量% 結合剤樹脂 フェノール樹脂 … 10重量% 摩擦摩耗調整剤 カシューダスト … 8重量% その他 硫酸バリウム粉,金属粉,酸化物粉,黒鉛粉等 … 54重量%比較例2 基材繊維として、オクトチタン酸塩繊維に代え、アスベ
スト繊維(6クラス)を使用した点を除いて実施例2と
同一の原料組成、および製造工程により、供試摩擦材
(ディスクパッド)を得た。この供試材(従来タイプ)
をB2とする。
と同じ)を使用し、下記の原料組成物を調製して実施例
1と同一条件の金型による結着成形、および熱処理を行
った後、機械加工と研磨加工を加えて供試摩擦材(ディ
スクパッド)を得た。この供試材をA2とする。 基材繊維 … 28重量% 結合剤樹脂 フェノール樹脂 … 10重量% 摩擦摩耗調整剤 カシューダスト … 8重量% その他 硫酸バリウム粉,金属粉,酸化物粉,黒鉛粉等 … 54重量%比較例2 基材繊維として、オクトチタン酸塩繊維に代え、アスベ
スト繊維(6クラス)を使用した点を除いて実施例2と
同一の原料組成、および製造工程により、供試摩擦材
(ディスクパッド)を得た。この供試材(従来タイプ)
をB2とする。
【0013】〔摩擦摩耗試験〕供試ディスクA2(発明
例)およびB2(比較例)について、前記と同一の摩擦
摩耗試験により、摩擦係数および比摩耗率(cm3 /Kgm)
を測定し、図3および図4に示す結果を得た〔図3:摩
擦係数,図4:比摩耗率〕。
例)およびB2(比較例)について、前記と同一の摩擦
摩耗試験により、摩擦係数および比摩耗率(cm3 /Kgm)
を測定し、図3および図4に示す結果を得た〔図3:摩
擦係数,図4:比摩耗率〕。
【0014】図1,図3(摩擦係数)および図2,図4
(比摩耗率)における各供試材の比較から明らかなよう
に、アスベスト繊維を基材繊維とする従来タイプの供試
ディスクB1,B2は、摩擦面の温度上昇と共に摩耗率
が増大し、特に200℃を越える温度域での摩耗抵抗性
の低下は急激であり、また摩擦面が約350℃以上に昇
温すると、摩擦係数が急激に低下するフェード現象を生
じている。これに対し、発明例の供試ディスクA1およ
びA2は、摩耗抵抗性の温度変化が極めて少なく、低温
域から400℃に到る広い温度範囲に亘つて高度の摩耗
抵抗性を有しており、また摩擦係数の温度依存性も小さ
く、低温域から高温域に亘り、高い摩擦係数を安定に維
持している。
(比摩耗率)における各供試材の比較から明らかなよう
に、アスベスト繊維を基材繊維とする従来タイプの供試
ディスクB1,B2は、摩擦面の温度上昇と共に摩耗率
が増大し、特に200℃を越える温度域での摩耗抵抗性
の低下は急激であり、また摩擦面が約350℃以上に昇
温すると、摩擦係数が急激に低下するフェード現象を生
じている。これに対し、発明例の供試ディスクA1およ
びA2は、摩耗抵抗性の温度変化が極めて少なく、低温
域から400℃に到る広い温度範囲に亘つて高度の摩耗
抵抗性を有しており、また摩擦係数の温度依存性も小さ
く、低温域から高温域に亘り、高い摩擦係数を安定に維
持している。
【0015】
〔ホーランダイト型構造を有するオクトチタン酸塩繊維
の製造〕 (1)原料組成物:炭酸カリウム、酸化アルミニウム、
酸化チタンを、K2 CO3 :Al2 O3 :TiO2 =
0.9:0.8:6.4のモル比に混合し、ミキサーで
10分間混合した後、型に充填し乾式成形(加圧力10
MPa)により成形体とする。 (2)焼成処理:成形体を焼成炉中、900℃に2Hr
保持して炭酸カリウム(K2 CO3 )のCO2 を離脱さ
せた後、1350℃に3時間加熱保持して焼成反応(固
相反応に基づくオクトチタン酸塩繊維の生成・育成反
応)を行わせ、ついで炉中冷却する。焼成反生成物は、
オクトチタン酸塩の繊維が固結した塊状物である。 (3)解繊処理:焼成反応生成物を粗粉砕し、2mm フル
イを全通させた後、水中に5Hr浸漬し、更に家庭用ミ
キサーで10分間攪拌を加えることにより繊維の結合を
解く。解繊された繊維を水中から回収し、脱水乾燥す
る。 繊維の組成(X線粉末回折): K1.6 Al1.6 Ti6.4 O16 繊維サイズ(走査型電子顕微鏡):長さ30〜70μ
m,直径10〜20μm,アスペクト比3〜5。
の製造〕 (1)原料組成物:炭酸カリウム、酸化アルミニウム、
酸化チタンを、K2 CO3 :Al2 O3 :TiO2 =
0.9:0.8:6.4のモル比に混合し、ミキサーで
10分間混合した後、型に充填し乾式成形(加圧力10
MPa)により成形体とする。 (2)焼成処理:成形体を焼成炉中、900℃に2Hr
保持して炭酸カリウム(K2 CO3 )のCO2 を離脱さ
せた後、1350℃に3時間加熱保持して焼成反応(固
相反応に基づくオクトチタン酸塩繊維の生成・育成反
応)を行わせ、ついで炉中冷却する。焼成反生成物は、
オクトチタン酸塩の繊維が固結した塊状物である。 (3)解繊処理:焼成反応生成物を粗粉砕し、2mm フル
イを全通させた後、水中に5Hr浸漬し、更に家庭用ミ
キサーで10分間攪拌を加えることにより繊維の結合を
解く。解繊された繊維を水中から回収し、脱水乾燥す
る。 繊維の組成(X線粉末回折): K1.6 Al1.6 Ti6.4 O16 繊維サイズ(走査型電子顕微鏡):長さ30〜70μ
m,直径10〜20μm,アスペクト比3〜5。
【0016】
【発明の効果】本発明の摩擦材は、高度の摩耗抵抗性と
安定した摩擦係数を有している。その摩擦摩耗特性の温
度依存性は極めて小さく、低温から400℃に到る広い
温度範囲に亘つて安定に維持される。従って、自動車,
車両,航空機,各種産業機械類等の制動装置のブレーキ
ライニング,クラッチフェーシング,ディスクパッド等
として有用であり、制動機能の向上・安定化、耐久性の
向上等の効果が得られ、自動車の高速度化等にも対処し
得るものである。
安定した摩擦係数を有している。その摩擦摩耗特性の温
度依存性は極めて小さく、低温から400℃に到る広い
温度範囲に亘つて安定に維持される。従って、自動車,
車両,航空機,各種産業機械類等の制動装置のブレーキ
ライニング,クラッチフェーシング,ディスクパッド等
として有用であり、制動機能の向上・安定化、耐久性の
向上等の効果が得られ、自動車の高速度化等にも対処し
得るものである。
【図1】定速度摩擦摩耗試験による摩擦係数の測定結果
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図2】定速度摩擦摩耗試験による比摩耗率の測定結果
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図3】定速度摩擦摩耗試験による摩擦係数の測定結果
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図4】定速度摩擦摩耗試験による比摩耗率の測定結果
を示すグラフである。
を示すグラフである。
A1,A2:発明例、B1,B2:比較例。
Claims (1)
- 【請求項1】 基材繊維を有機系結合剤で結着成形して
なる摩擦材において、基材繊維として、 Kx Alx Ti8-x O16 〔式中,xは0.5 〜3 〕 で示されるホーランダイト型構造を有するオクトチタン
酸塩繊維が3〜50重量%配合されていることを特徴と
する摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14154993A JP2939604B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14154993A JP2939604B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 摩擦材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06330968A true JPH06330968A (ja) | 1994-11-29 |
JP2939604B2 JP2939604B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=15294554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14154993A Expired - Fee Related JP2939604B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2939604B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6432187B1 (en) * | 1999-02-09 | 2002-08-13 | Otsuka Chemical Co., Ltd. | Friction material |
KR100771054B1 (ko) * | 2005-10-06 | 2007-10-29 | 주식회사 만도 | 마찰재용 조성물 및 이를 이용한 제동장치 |
CN103939513A (zh) * | 2014-05-14 | 2014-07-23 | 北京航空航天大学 | 一种基于聚酰亚胺的低速飞机新型刹车摩擦片配方 |
-
1993
- 1993-05-19 JP JP14154993A patent/JP2939604B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6432187B1 (en) * | 1999-02-09 | 2002-08-13 | Otsuka Chemical Co., Ltd. | Friction material |
KR100771054B1 (ko) * | 2005-10-06 | 2007-10-29 | 주식회사 만도 | 마찰재용 조성물 및 이를 이용한 제동장치 |
CN103939513A (zh) * | 2014-05-14 | 2014-07-23 | 北京航空航天大学 | 一种基于聚酰亚胺的低速飞机新型刹车摩擦片配方 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2939604B2 (ja) | 1999-08-25 |
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