JPH06328207A - 薄肉鋳片鋳造のための変形防止ベルト鋳型 - Google Patents
薄肉鋳片鋳造のための変形防止ベルト鋳型Info
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- JPH06328207A JPH06328207A JP12007093A JP12007093A JPH06328207A JP H06328207 A JPH06328207 A JP H06328207A JP 12007093 A JP12007093 A JP 12007093A JP 12007093 A JP12007093 A JP 12007093A JP H06328207 A JPH06328207 A JP H06328207A
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- Continuous Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 回転する一対の移動ベルトに溶湯を供給して
薄肉鋳片を連続鋳造する方法に関し、ベルトの熱変形を
低減して表面欠陥(縦割れ)のない健全な鋳片を長時間
安定に製造することを目的とする。 【構成】 ベルト面に線状ないしは点状の凹凸を付与す
ることにより熱膨張によって発生するベルト変形を低減
する。
薄肉鋳片を連続鋳造する方法に関し、ベルトの熱変形を
低減して表面欠陥(縦割れ)のない健全な鋳片を長時間
安定に製造することを目的とする。 【構成】 ベルト面に線状ないしは点状の凹凸を付与す
ることにより熱膨張によって発生するベルト変形を低減
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属(以下では
「溶鋼」の例で述べる)から鋳片の厚みが100mm以下
の薄鋳片を連続鋳造によって得るベルト式連続鋳造の分
野に属する技術に係り、特にこの技術を実施するに当っ
て割れなどの無い表面品質の良好な鋳片を製造する薄鋳
片鋳造用ベルト鋳型に関する。
「溶鋼」の例で述べる)から鋳片の厚みが100mm以下
の薄鋳片を連続鋳造によって得るベルト式連続鋳造の分
野に属する技術に係り、特にこの技術を実施するに当っ
て割れなどの無い表面品質の良好な鋳片を製造する薄鋳
片鋳造用ベルト鋳型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造法の一つとして、例えば
特開昭58−107255、特開平1−293956号
公報等に開示されている、走行経路の一部領域を所定の
間隔を持たせて向かい合わせに対向した一対のエンドレ
ス金属ベルトと金属ベルトに挟持された金属ベルト及び
薄鋳片と同期移動する一対のブロック群により、所望の
鋳片に対応する断面形状を形成し、それらの金属ベルト
とブロック群はガイドロールとガイドレールにより所定
の移動経路に沿って回転移動するように案内支持すると
ともに、各ガイドロール間の金属ベルト裏面に噴流ノズ
ルおよび冷却用パッドを配置し、金属ベルト裏面に冷却
用流体を噴出させて形成した流体膜により該金属ベルト
を冷却する一方、上記鋳造空間の上方より注入ノズルを
介して溶鋼を注入し、上記金属ベルトやブロック群等の
鋳型壁に沿って凝固殻を生成させ、凝固殻の成長によっ
て生ずる鋳片を下端からガイドロールを介して鋳造空間
から引き出すように構成した、いわゆる "ベルトキャス
ター" と称せられるベルト式連続鋳造機が提案されてい
る。かかるベルト式連続鋳造機においては凝固殻を正常
に形成させるとともに金属ベルトを保護するために冷却
用流体による金属ベルトと鋳片の冷却を鋳造幅方向およ
び鋳込み方向に均一に行うことが必要である。そのため
には、一定の冷却用流体を供給する場合にあっては、冷
却流体の膜厚を一定にし、噴流ノズル・冷却パッドと金
属ベルト間の冷却用流体の流速を一様にすることが必須
条件となり、通常はそのような状態を実現するための工
夫がベルト水冷装置に成されている。
特開昭58−107255、特開平1−293956号
公報等に開示されている、走行経路の一部領域を所定の
間隔を持たせて向かい合わせに対向した一対のエンドレ
ス金属ベルトと金属ベルトに挟持された金属ベルト及び
薄鋳片と同期移動する一対のブロック群により、所望の
鋳片に対応する断面形状を形成し、それらの金属ベルト
とブロック群はガイドロールとガイドレールにより所定
の移動経路に沿って回転移動するように案内支持すると
ともに、各ガイドロール間の金属ベルト裏面に噴流ノズ
ルおよび冷却用パッドを配置し、金属ベルト裏面に冷却
用流体を噴出させて形成した流体膜により該金属ベルト
を冷却する一方、上記鋳造空間の上方より注入ノズルを
介して溶鋼を注入し、上記金属ベルトやブロック群等の
鋳型壁に沿って凝固殻を生成させ、凝固殻の成長によっ
て生ずる鋳片を下端からガイドロールを介して鋳造空間
から引き出すように構成した、いわゆる "ベルトキャス
ター" と称せられるベルト式連続鋳造機が提案されてい
る。かかるベルト式連続鋳造機においては凝固殻を正常
に形成させるとともに金属ベルトを保護するために冷却
用流体による金属ベルトと鋳片の冷却を鋳造幅方向およ
び鋳込み方向に均一に行うことが必要である。そのため
には、一定の冷却用流体を供給する場合にあっては、冷
却流体の膜厚を一定にし、噴流ノズル・冷却パッドと金
属ベルト間の冷却用流体の流速を一様にすることが必須
条件となり、通常はそのような状態を実現するための工
夫がベルト水冷装置に成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかるベル
ト式連続鋳造機を用いて鋳造する際におこる前記ベルト
冷却装置の冷却用流体の流速を一様にする工夫のみでは
解決できない以下のような点を克服することを目的とす
る。すなわち、冷却が均一に行われ、しかも鋳造開始前
には変形なく平滑に保たれているベルトであっても、い
ったん溶鋼が注入されると溶鋼からの熱の移動によって
ベルト温度が上昇し、鋳造方向ならびに幅方向にベルト
の熱膨張が発生する。通常、ベルトは鋳造方向には張力
制御用テンションプーリを介して一定張力で引っ張られ
ているため、この方向の熱膨張(伸び)は吸収可能であ
る。しかし、幅方向の伸びについては、両端部において
ベルトが短辺ブロックと強く密着・拘束されているため
十分吸収しきれず、結果として幾つかの山・谷を持つ長
周期のうねり状のベルト変形が起こる。このような変形
が発生すると、前記必須条件である冷却液体の膜厚を一
定に保ち、噴流ノズル・冷却パッドと金属ベルト間の冷
却用流体の流速を一様にすることが難しくなるためベル
ト幅方向に冷却むらを引き起こす。その結果、凝固シェ
ル厚に不均一が起こるために縦割れなどの鋳片表面欠陥
が発生するという問題点があった。
ト式連続鋳造機を用いて鋳造する際におこる前記ベルト
冷却装置の冷却用流体の流速を一様にする工夫のみでは
解決できない以下のような点を克服することを目的とす
る。すなわち、冷却が均一に行われ、しかも鋳造開始前
には変形なく平滑に保たれているベルトであっても、い
ったん溶鋼が注入されると溶鋼からの熱の移動によって
ベルト温度が上昇し、鋳造方向ならびに幅方向にベルト
の熱膨張が発生する。通常、ベルトは鋳造方向には張力
制御用テンションプーリを介して一定張力で引っ張られ
ているため、この方向の熱膨張(伸び)は吸収可能であ
る。しかし、幅方向の伸びについては、両端部において
ベルトが短辺ブロックと強く密着・拘束されているため
十分吸収しきれず、結果として幾つかの山・谷を持つ長
周期のうねり状のベルト変形が起こる。このような変形
が発生すると、前記必須条件である冷却液体の膜厚を一
定に保ち、噴流ノズル・冷却パッドと金属ベルト間の冷
却用流体の流速を一様にすることが難しくなるためベル
ト幅方向に冷却むらを引き起こす。その結果、凝固シェ
ル厚に不均一が起こるために縦割れなどの鋳片表面欠陥
が発生するという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するもので、ベルト面に線状ないしは点状の凹凸を付
加することにより、ベルトの熱膨張に起因する幾つかの
山・谷を持つ長周期の大きなうねり状のベルト変形を短
周期の細かな変形に分散することによってベルト幅方向
の冷却むらが大幅に低減でき、縦割れなどの表面欠陥の
ない健全な鋳肌の薄肉鋳片を安定に鋳造することが可能
となる。
決するもので、ベルト面に線状ないしは点状の凹凸を付
加することにより、ベルトの熱膨張に起因する幾つかの
山・谷を持つ長周期の大きなうねり状のベルト変形を短
周期の細かな変形に分散することによってベルト幅方向
の冷却むらが大幅に低減でき、縦割れなどの表面欠陥の
ない健全な鋳肌の薄肉鋳片を安定に鋳造することが可能
となる。
【0005】すなわち、本発明は鋳片の短辺面を支持す
るための一対の鋳片と同期移動する短辺ブロック群と鋳
片の長辺面を支持するために対向し、しかも鋳片と同期
しながら回転移動する金属ベルトで鋳造空間を構成し、
この空間に浸漬ノズルを通じて溶鋼を注入するとともに
下方より薄肉鋳片を引き抜く連続鋳造方法において、ベ
ルト面に線状ないしは点状の凹凸を付加することを特徴
とするベルト式薄肉鋳片鋳造用ベルト鋳型を提供するも
のである。
るための一対の鋳片と同期移動する短辺ブロック群と鋳
片の長辺面を支持するために対向し、しかも鋳片と同期
しながら回転移動する金属ベルトで鋳造空間を構成し、
この空間に浸漬ノズルを通じて溶鋼を注入するとともに
下方より薄肉鋳片を引き抜く連続鋳造方法において、ベ
ルト面に線状ないしは点状の凹凸を付加することを特徴
とするベルト式薄肉鋳片鋳造用ベルト鋳型を提供するも
のである。
【0006】
【作用】以下に本発明の作用について説明する。本発明
は、鋳造時には回避することの難しい熱膨張にともなう
ベルト幅方向の長周期の大きなうねり状の変形が、ベル
ト面に線状あるいは点状の変形の起点を強制的に付与す
ることにより短周期の細かな変形に、その変形モードを
変化させることが可能となるため、縦割れ等の表面欠陥
の無い健全な鋳肌の薄鋳片を得ることができる点にあ
る。つまり、何も表面に加工が施されていない平滑なベ
ルトでは、溶鋼との接触による熱膨張によって発生した
幅方向の伸びは、ベルトの両端が拘束されているため
に、その伸びを吸収しようとして通常は図1に示すよう
な長周期の大きな振幅をもつ変形挙動を示す。ところ
が、例えば一例として図2(a)に示すような加工をベ
ルト面(この場合はベルト冷却面側)に施した場合に
は、図2(b)に示すような極めて短周期の小さな振幅
を持つ変形に変わることがわかった。すなわち、ベルト
面に変形の起点となる凹凸を付与すればベルトの変形状
態の制御が可能となり、しかもそれを適正化できれば縦
割れなどの鋳片表面欠陥の防止が可能になると考えられ
る。
は、鋳造時には回避することの難しい熱膨張にともなう
ベルト幅方向の長周期の大きなうねり状の変形が、ベル
ト面に線状あるいは点状の変形の起点を強制的に付与す
ることにより短周期の細かな変形に、その変形モードを
変化させることが可能となるため、縦割れ等の表面欠陥
の無い健全な鋳肌の薄鋳片を得ることができる点にあ
る。つまり、何も表面に加工が施されていない平滑なベ
ルトでは、溶鋼との接触による熱膨張によって発生した
幅方向の伸びは、ベルトの両端が拘束されているため
に、その伸びを吸収しようとして通常は図1に示すよう
な長周期の大きな振幅をもつ変形挙動を示す。ところ
が、例えば一例として図2(a)に示すような加工をベ
ルト面(この場合はベルト冷却面側)に施した場合に
は、図2(b)に示すような極めて短周期の小さな振幅
を持つ変形に変わることがわかった。すなわち、ベルト
面に変形の起点となる凹凸を付与すればベルトの変形状
態の制御が可能となり、しかもそれを適正化できれば縦
割れなどの鋳片表面欠陥の防止が可能になると考えられ
る。
【0007】ところで、ベルトに変形の起点となる加工
を施す方法としては、溶鋼と接する面(以下では「表
面」と称す)および冷却用液体と接する面(以下では
「裏面」と称す)の両方同時に、あるいは表面・裏面の
いずれかの面のみに実施するやり方が考えられる。本発
明者等は、それら方法を既に試行あるいは検討してみ
た。その結果、ベルトの変形制御そのものに関してはい
ずれの方法も効果的で、中でも、表面ならびに裏面の両
方に変形の起点を付加する方が片面のみに実施する場合
に比べてより効果的であることがわかった。しかし、別
の問題として、ベルトの表面、すなわち溶鋼と接し凝固
シェルが形成される側に加工を施した場合には加工法に
よってはそれを起点に微細な割れが発生するという新た
な事実が明らかとなった。
を施す方法としては、溶鋼と接する面(以下では「表
面」と称す)および冷却用液体と接する面(以下では
「裏面」と称す)の両方同時に、あるいは表面・裏面の
いずれかの面のみに実施するやり方が考えられる。本発
明者等は、それら方法を既に試行あるいは検討してみ
た。その結果、ベルトの変形制御そのものに関してはい
ずれの方法も効果的で、中でも、表面ならびに裏面の両
方に変形の起点を付加する方が片面のみに実施する場合
に比べてより効果的であることがわかった。しかし、別
の問題として、ベルトの表面、すなわち溶鋼と接し凝固
シェルが形成される側に加工を施した場合には加工法に
よってはそれを起点に微細な割れが発生するという新た
な事実が明らかとなった。
【0008】そこで、ベルト表面に加工を施した場合の
上記制約・問題を回避するための手段として、本発明者
等はあくまでベルトの裏面にのみ加工を施すことにより
ベルト変形を制御する方法を考案した。この方法によれ
ば、たとえどのような形状の加工をベルト面に施して
も、それを起点に微細な割れが発生するという恐れはま
ったくなく、ベルト変形制御により効果的な加工を任意
に実施可能であることが確認された。
上記制約・問題を回避するための手段として、本発明者
等はあくまでベルトの裏面にのみ加工を施すことにより
ベルト変形を制御する方法を考案した。この方法によれ
ば、たとえどのような形状の加工をベルト面に施して
も、それを起点に微細な割れが発生するという恐れはま
ったくなく、ベルト変形制御により効果的な加工を任意
に実施可能であることが確認された。
【0009】
【実施例】以下に本発明を実施例にもとずいてさらに詳
述する。通常の低炭アルミキルド鋼組成をもつ温度15
70℃の溶鋼を図3に概略(左右対象のため片側のみ詳
細記載)を示す幅1200mm、厚み50mmの鋳片の製造
が可能な双ベルト式連続鋳造機に、図2(a)に示す形
状の加工を裏面(冷却液体側)に施した幅1500mm、
厚み1.2mmの鋼製のベルトを使用して10m/分の鋳
込速度で鋳造を行った。
述する。通常の低炭アルミキルド鋼組成をもつ温度15
70℃の溶鋼を図3に概略(左右対象のため片側のみ詳
細記載)を示す幅1200mm、厚み50mmの鋳片の製造
が可能な双ベルト式連続鋳造機に、図2(a)に示す形
状の加工を裏面(冷却液体側)に施した幅1500mm、
厚み1.2mmの鋼製のベルトを使用して10m/分の鋳
込速度で鋳造を行った。
【0010】本鋳造試験で得られた結果を図4ならびに
図5に示す。図4は図2(a)に示すベルトに施した鋳
造方向に平行な幅100μmの溝の深さdと間隔wを種
々変化させたときのベルトの変形量(鋳造時に電磁誘導
式距離計で実測された図4の図中に示す山と谷の距離
L)を図示したものである。さらに図5にはそれらベル
ト変形量と鋳造後の鋳片に観察された表面欠陥(縦割
れ)発生量の関係を示した。
図5に示す。図4は図2(a)に示すベルトに施した鋳
造方向に平行な幅100μmの溝の深さdと間隔wを種
々変化させたときのベルトの変形量(鋳造時に電磁誘導
式距離計で実測された図4の図中に示す山と谷の距離
L)を図示したものである。さらに図5にはそれらベル
ト変形量と鋳造後の鋳片に観察された表面欠陥(縦割
れ)発生量の関係を示した。
【0011】図4から明らかなように、ベルト裏面に溝
を施すことによりベルト変形量Lは大幅に減少し、しか
も溝の間隔を狭く且つその深さを深くする方が効果が大
であることがわかる。さらに、同図はベルト変形量低減
に対しては溝の間隔が重要で、深さについては200μ
m以上深くしてもその効果はあまり顕著ではないことを
示している。
を施すことによりベルト変形量Lは大幅に減少し、しか
も溝の間隔を狭く且つその深さを深くする方が効果が大
であることがわかる。さらに、同図はベルト変形量低減
に対しては溝の間隔が重要で、深さについては200μ
m以上深くしてもその効果はあまり顕著ではないことを
示している。
【0012】また、溝の幅tについても本発明者等は数
十μmから数百μmの範囲で変化させる試験を実施し、
解析を行った。その結果、溝の幅についてはその影響は
極めて小さく、数十μmから数百μmの範囲では図4に
示す結果(溝の幅100μmの例)とほとんど差異が認
められないことが確認された。したがって、本法を用い
て工業的な観点からベルト変形量を低減するために重要
なことは、溝の間隔wの適正化であり、深さならびに幅
については数百μm程度を満足していれば十分であると
言える。
十μmから数百μmの範囲で変化させる試験を実施し、
解析を行った。その結果、溝の幅についてはその影響は
極めて小さく、数十μmから数百μmの範囲では図4に
示す結果(溝の幅100μmの例)とほとんど差異が認
められないことが確認された。したがって、本法を用い
て工業的な観点からベルト変形量を低減するために重要
なことは、溝の間隔wの適正化であり、深さならびに幅
については数百μm程度を満足していれば十分であると
言える。
【0013】ところで、図5に示す結果から、ベルト変
形によって発生する縦割れを防止するためにはその変形
量を2mm以下に抑えることが必要で、そのためには図4
からベルト裏面に付与する溝の間隔を少なくとも数ミリ
以下にすることが重要であることがわかった。
形によって発生する縦割れを防止するためにはその変形
量を2mm以下に抑えることが必要で、そのためには図4
からベルト裏面に付与する溝の間隔を少なくとも数ミリ
以下にすることが重要であることがわかった。
【0014】なお、本発明者らは実施例としては詳述し
なかったが、図6から図8に示す種々の加工を施したベ
ルトについても検討を行い、同様の結果の得られること
が確認された。
なかったが、図6から図8に示す種々の加工を施したベ
ルトについても検討を行い、同様の結果の得られること
が確認された。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明はベルト裏面
に簡易な加工を施す方法により、ベルト式薄肉鋳片の鋳
造で問題となる熱膨張に伴うベルト変形を低減し、それ
によって発生する表面欠陥を防止したので、安定して健
全な鋳片の製造が可能となり、その工業的効果は極めて
大きい。
に簡易な加工を施す方法により、ベルト式薄肉鋳片の鋳
造で問題となる熱膨張に伴うベルト変形を低減し、それ
によって発生する表面欠陥を防止したので、安定して健
全な鋳片の製造が可能となり、その工業的効果は極めて
大きい。
【図1】本発明に使用した表面に加工が施されていない
平滑なベルトに見られる長周期の大きな振幅を持つベル
ト熱変形を示す図である。
平滑なベルトに見られる長周期の大きな振幅を持つベル
ト熱変形を示す図である。
【図2】本発明に使用した熱変形量を低減するために使
用したベルトの概略図(a)および短周期の小さな振幅
を持つベルト熱変形を示す図(b)である。
用したベルトの概略図(a)および短周期の小さな振幅
を持つベルト熱変形を示す図(b)である。
【図3】本発明に使用した連続鋳造装置の概略図であ
る。
る。
【図4】図2(a)に示す形状の加工を施したベルトの
溝の間隔ならびに深さを変化させたときのベルト変形量
の関係を示す図である。
溝の間隔ならびに深さを変化させたときのベルト変形量
の関係を示す図である。
【図5】本発明者等の試験によって得られたベルト変形
量と鋳片縦割れ発生量の関係を示す図である。
量と鋳片縦割れ発生量の関係を示す図である。
【図6】本発明者等が試験した実施例には示さなかった
その他の表面加工ベルトを示す図で、直線の組合せによ
る例である。
その他の表面加工ベルトを示す図で、直線の組合せによ
る例である。
【図7】本発明者等が試験した実施例には示さなかった
その他の表面加工ベルトを示す図で、曲線の組合せによ
る例である。
その他の表面加工ベルトを示す図で、曲線の組合せによ
る例である。
【図8】本発明者等が試験した実施例には示さなかった
その他の表面加工ベルトを示す図で、点の組合せによる
例である。同図の(c)および(d)は点状の凹または
凸が(a),(b)のように規則的に配列しておらず、
ランダム(すなわち無秩序)に配置させた例で、しかも
(c)が同一径に対し、(d)は径自体も変化させた場
合である。
その他の表面加工ベルトを示す図で、点の組合せによる
例である。同図の(c)および(d)は点状の凹または
凸が(a),(b)のように規則的に配列しておらず、
ランダム(すなわち無秩序)に配置させた例で、しかも
(c)が同一径に対し、(d)は径自体も変化させた場
合である。
1…タンディッシュ 2…スライディングノズル 3…注入ノズル 4…噴流冷却ノズル 5…パッド冷却ノズル 6…噴流冷却用配管 7…パッド冷却水用配管 8…冷却水配管 9…冷却水 10…金属ベルト 11…トッププーリ 12…金属ベルトの張力制御用テンションプーリ 13…フットロール 14…ベルトに加工された溝 AA…ベルト断面
フロントページの続き (72)発明者 三▲吉▼野 育人 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 米田 順吉 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工株式会社広島製作所内
Claims (1)
- 【請求項1】 回転する一対の移動ベルトに溶湯を供給
して薄肉鋳片を連続鋳造する方法において、溶湯からの
熱移動によって発生するベルト変形を防止するため、ベ
ルト面に線状ないしは点状の凹または凸を付加すること
を特徴とする薄肉鋳片製造のためのベルト鋳型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12007093A JPH06328207A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 薄肉鋳片鋳造のための変形防止ベルト鋳型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12007093A JPH06328207A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 薄肉鋳片鋳造のための変形防止ベルト鋳型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06328207A true JPH06328207A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14777155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12007093A Withdrawn JPH06328207A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 薄肉鋳片鋳造のための変形防止ベルト鋳型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06328207A (ja) |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP12007093A patent/JPH06328207A/ja not_active Withdrawn
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