JPH06324189A - 溶融塩電解精製法 - Google Patents
溶融塩電解精製法Info
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- JPH06324189A JPH06324189A JP11042393A JP11042393A JPH06324189A JP H06324189 A JPH06324189 A JP H06324189A JP 11042393 A JP11042393 A JP 11042393A JP 11042393 A JP11042393 A JP 11042393A JP H06324189 A JPH06324189 A JP H06324189A
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 使用済み金属燃料の乾式再処理における電解
精製処理速度を向上させるとともに、不要な核分裂生成
物の付随的な析出を伴わずに純度の高い有用な原子燃料
成分の精製・回収し得る溶融塩電解精製法の提供を目的
とする。 【構成】 金属燃料成分濃度0.01重量%以上の溶融金属
相24を共通の底面とし、その溶融金属相24上の電解浴を
成す金属燃料成分濃度 0.1重量%以上の溶融塩相25を電
気絶縁性の環状隔壁27で同心円的に区画し、この区画さ
れた外側の溶融塩相 25b中に陰極28を,内側の溶融塩相
25a中に陽極兼用の使用済み金属燃料保持手段29をそれ
ぞれ浸漬し、前記陰極28に対して溶融金属相24を陽極,
使用済み金属燃料31に対して溶融金属相24を陰極とし、
一つの電圧印加手段30で通電し、使用済み核燃料31の陽
極溶解および精製金属燃料34の陰極28面への電解析出を
同時に行うことを特徴とする。
精製処理速度を向上させるとともに、不要な核分裂生成
物の付随的な析出を伴わずに純度の高い有用な原子燃料
成分の精製・回収し得る溶融塩電解精製法の提供を目的
とする。 【構成】 金属燃料成分濃度0.01重量%以上の溶融金属
相24を共通の底面とし、その溶融金属相24上の電解浴を
成す金属燃料成分濃度 0.1重量%以上の溶融塩相25を電
気絶縁性の環状隔壁27で同心円的に区画し、この区画さ
れた外側の溶融塩相 25b中に陰極28を,内側の溶融塩相
25a中に陽極兼用の使用済み金属燃料保持手段29をそれ
ぞれ浸漬し、前記陰極28に対して溶融金属相24を陽極,
使用済み金属燃料31に対して溶融金属相24を陰極とし、
一つの電圧印加手段30で通電し、使用済み核燃料31の陽
極溶解および精製金属燃料34の陰極28面への電解析出を
同時に行うことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の電解精製に使用
する溶融塩電解精製法に係り、特に原子力発電所で発生
する使用済み金属燃料を再処理して、使用済み金属燃料
に含まれている有用な金属を精製・回収する一方、不要
な核分裂生成物を分離するのに適する溶融塩電解精製法
に関する。
する溶融塩電解精製法に係り、特に原子力発電所で発生
する使用済み金属燃料を再処理して、使用済み金属燃料
に含まれている有用な金属を精製・回収する一方、不要
な核分裂生成物を分離するのに適する溶融塩電解精製法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力発電所で発生する使用済み
金属燃料を再処理して、使用済み金属燃料中に含まれる
有用な金属成分、たとえばウランやプルトニウムなどの
燃料成分を濃縮回収する一方、不要な核分裂生成物を分
離する手段として、図3に断面的に示すようなプルトニ
ウム原子力燃料再処理用電解槽が知られている(米国特
許第 4596647号明細書)。すなわち、使用済み金属燃料
を溶解・含有した溶融状態の金属相1を収容する下部溶
融金属プール領域、この下部溶融金属プール領域(溶融
金属相1)上に形成される浮遊溶融塩電解質(溶融塩)
相2を収容する中間領域、前記下部溶融金属プール領域
および中間領域(浮遊溶融塩電解質相2)を見掛上区画
する仕切り板3を備えた金属容器(ポット)4と、前記
金属容器4の下部溶融金属プール領域1へ伸縮可能に配
置された使用済み金属燃料の保持バスケットを兼ねる陽
極5と、前記金属容器4の中間領域2へ伸縮可能に配置
された陰極6と、前記陽極5および陰極6をそれぞれ所
要の領域1,2に伸縮させる伸縮手段を備えた電極装着
部7,8と、前記陽極5および陰極6にそれぞれ所要の
電解電力を供給する電圧供給手段9,9′とを具備して
成る再処理用の電解槽10が知られている。なお、図3に
おいて、11は前記陽極5および陰極6を挿通しながら金
属容器4を封じする蓋体、12は前記金属容器4を外側周
面から補強する補強体、13は前記補強体12の外側周面に
配設された金属容器4の加熱を行う加熱手段、14はプル
トニウム原子力燃料再処理用電解槽10の外装体である。
金属燃料を再処理して、使用済み金属燃料中に含まれる
有用な金属成分、たとえばウランやプルトニウムなどの
燃料成分を濃縮回収する一方、不要な核分裂生成物を分
離する手段として、図3に断面的に示すようなプルトニ
ウム原子力燃料再処理用電解槽が知られている(米国特
許第 4596647号明細書)。すなわち、使用済み金属燃料
を溶解・含有した溶融状態の金属相1を収容する下部溶
融金属プール領域、この下部溶融金属プール領域(溶融
金属相1)上に形成される浮遊溶融塩電解質(溶融塩)
相2を収容する中間領域、前記下部溶融金属プール領域
および中間領域(浮遊溶融塩電解質相2)を見掛上区画
する仕切り板3を備えた金属容器(ポット)4と、前記
金属容器4の下部溶融金属プール領域1へ伸縮可能に配
置された使用済み金属燃料の保持バスケットを兼ねる陽
極5と、前記金属容器4の中間領域2へ伸縮可能に配置
された陰極6と、前記陽極5および陰極6をそれぞれ所
要の領域1,2に伸縮させる伸縮手段を備えた電極装着
部7,8と、前記陽極5および陰極6にそれぞれ所要の
電解電力を供給する電圧供給手段9,9′とを具備して
成る再処理用の電解槽10が知られている。なお、図3に
おいて、11は前記陽極5および陰極6を挿通しながら金
属容器4を封じする蓋体、12は前記金属容器4を外側周
面から補強する補強体、13は前記補強体12の外側周面に
配設された金属容器4の加熱を行う加熱手段、14はプル
トニウム原子力燃料再処理用電解槽10の外装体である。
【0003】そして、前記構成のプルトニウム原子力燃
料再処理用電解槽10によれば、使用済みの金属燃料は、
次のように再処理・精製回収される。すなわち、金属容
器4の下部溶融金属プール領域1に溶融金属プールとし
て、たとえば溶融カドミウム1、また金属容器4の中間
領域2に溶融塩電解質として、たとえば塩化カリウム
(KCl)−塩化リチウム(LiCl)などの溶融塩2をそれぞれ
収容する。一方、陽極5を兼ねる使用済み金属燃料の保
持バスケットに、有用な原子燃料成分および不要な核分
裂電解質を含む使用済み金属燃料を収容・保持させ、そ
の保持バスケット5を溶融金属相1中に挿入・配置し、
使用済み金属燃料を溶融金属相1中に溶解・含有させ
る。
料再処理用電解槽10によれば、使用済みの金属燃料は、
次のように再処理・精製回収される。すなわち、金属容
器4の下部溶融金属プール領域1に溶融金属プールとし
て、たとえば溶融カドミウム1、また金属容器4の中間
領域2に溶融塩電解質として、たとえば塩化カリウム
(KCl)−塩化リチウム(LiCl)などの溶融塩2をそれぞれ
収容する。一方、陽極5を兼ねる使用済み金属燃料の保
持バスケットに、有用な原子燃料成分および不要な核分
裂電解質を含む使用済み金属燃料を収容・保持させ、そ
の保持バスケット5を溶融金属相1中に挿入・配置し、
使用済み金属燃料を溶融金属相1中に溶解・含有させ
る。
【0004】この使用済み金属燃料の溶融金属相1中へ
の溶解・含有において、使用済み金属燃料に付随的に混
在している被覆管の材料成分や不要な核分裂生成物のう
ち、溶融カドミウム相1に対して溶解度の低い成分、た
とえば鉄,クロム,モリブデンなどは溶解せずに残滓と
して残る。そして、溶融カドミウム相1に溶解した有用
な原子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩化
物生成自由エネルギーの絶対値が比較的大きい物質(換
言すると塩化物に比較的なり易い物質)、たとえばバリ
ウム,カリウム,ナトリウム,セリウム,ネオジウム,
キュリウム,プルトニウム,ウラニウム,ジルコニウム
などは酸化されて、溶融カドミウム相1から溶けだし、
溶融塩相2中に移行して塩化物化する。逆に、前記溶融
カドミウム相1に溶解した有用な原子燃料成分および不
要な核分裂生成物のうち、塩化物生成自由エネルギーの
絶対値が小さい物質(換言すると塩化物になり難い物
質)、たとえばロジウム,パラジウムなどは酸化され
ず、溶融カドミウム(陽極)相1に残留する。
の溶解・含有において、使用済み金属燃料に付随的に混
在している被覆管の材料成分や不要な核分裂生成物のう
ち、溶融カドミウム相1に対して溶解度の低い成分、た
とえば鉄,クロム,モリブデンなどは溶解せずに残滓と
して残る。そして、溶融カドミウム相1に溶解した有用
な原子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩化
物生成自由エネルギーの絶対値が比較的大きい物質(換
言すると塩化物に比較的なり易い物質)、たとえばバリ
ウム,カリウム,ナトリウム,セリウム,ネオジウム,
キュリウム,プルトニウム,ウラニウム,ジルコニウム
などは酸化されて、溶融カドミウム相1から溶けだし、
溶融塩相2中に移行して塩化物化する。逆に、前記溶融
カドミウム相1に溶解した有用な原子燃料成分および不
要な核分裂生成物のうち、塩化物生成自由エネルギーの
絶対値が小さい物質(換言すると塩化物になり難い物
質)、たとえばロジウム,パラジウムなどは酸化され
ず、溶融カドミウム(陽極)相1に残留する。
【0005】一方、このような状態で所要の電解電力を
供給すると、溶融カドミウム相1から溶けだし、溶融塩
相2中に移行して塩化物となっている有用な原子燃料成
分および不要な核分裂生成物のうち、たとえばキュリウ
ム,プルトニウム,ウラニウム,ジルコニウムなどは還
元されて陰極6表面に析出するが、たとえばバリウム,
カリウム,ナトリウム,セリウム,ネオジウムの塩化物
は還元されず、そのまま溶融塩相2中に塩化物として残
留する。つまり、塩化物生成自由エネルギーに対応した
電位を印加することによって、溶融塩相2中の陰極6表
面に析出する物質(成分)の種類を選択・制御し得るこ
とになる。このような現象に基づいて、有用な原子燃料
成分および不要な核分裂生成物が混合状態で含まれる使
用済み金属燃料から、プルトニウム,ウラニウム,ジル
コニウムなどの有用な原子燃料成分が選択的に濃縮・回
収される。
供給すると、溶融カドミウム相1から溶けだし、溶融塩
相2中に移行して塩化物となっている有用な原子燃料成
分および不要な核分裂生成物のうち、たとえばキュリウ
ム,プルトニウム,ウラニウム,ジルコニウムなどは還
元されて陰極6表面に析出するが、たとえばバリウム,
カリウム,ナトリウム,セリウム,ネオジウムの塩化物
は還元されず、そのまま溶融塩相2中に塩化物として残
留する。つまり、塩化物生成自由エネルギーに対応した
電位を印加することによって、溶融塩相2中の陰極6表
面に析出する物質(成分)の種類を選択・制御し得るこ
とになる。このような現象に基づいて、有用な原子燃料
成分および不要な核分裂生成物が混合状態で含まれる使
用済み金属燃料から、プルトニウム,ウラニウム,ジル
コニウムなどの有用な原子燃料成分が選択的に濃縮・回
収される。
【0006】ところで、前記有用な原子燃料成分の選択
的な濃縮・回収方法においては、使用済み金属燃料中に
含まれている有用な原子燃料成分および不要な核分裂生
成物を溶融カドミウム相1に溶解させるが、その溶解速
度は一般的な液体に対する固体の溶解の場合と同様に、
溶融カドミウム相1中における使用済み金属燃料中に含
まれている有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成
物の拡散係数と濃度勾配の関数として決定される。した
がって、溶融カドミウム相1を十分に撹拌し、浸漬され
ている使用済み金属燃料の保持バスケット(陽極)5周
囲の有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物の濃
度を可及的に下げ、使用済み金属燃料表面の濃度勾配を
大きくしたり、操業温度を上げて拡散係数を大きくする
などの工夫がなされている。
的な濃縮・回収方法においては、使用済み金属燃料中に
含まれている有用な原子燃料成分および不要な核分裂生
成物を溶融カドミウム相1に溶解させるが、その溶解速
度は一般的な液体に対する固体の溶解の場合と同様に、
溶融カドミウム相1中における使用済み金属燃料中に含
まれている有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成
物の拡散係数と濃度勾配の関数として決定される。した
がって、溶融カドミウム相1を十分に撹拌し、浸漬され
ている使用済み金属燃料の保持バスケット(陽極)5周
囲の有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物の濃
度を可及的に下げ、使用済み金属燃料表面の濃度勾配を
大きくしたり、操業温度を上げて拡散係数を大きくする
などの工夫がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記溶
融カドミウム相1の撹拌による濃度勾配付け、操業温度
による拡散係数の向上などには限界があり、陰極6面へ
の有用な原子燃料成分の析出・成長を効率よく行い得な
いのが実情であり、さらなる改善・工夫が望まれる。こ
の対策としていわゆる陽極溶解法の応用が注目される。
図4は陽極溶解法を応用した溶融塩電解精装置(電解精
製手段)の要部構成を断面的に示したもので、15は電解
槽、16は後述する溶融塩相に浸漬される固体陰極、17は
後述する溶融塩相に浸漬される使用済み金属燃料の保持
バスケット(陽極)、18は後述する溶融金属相および溶
融塩相を撹拌する撹拌機、19はたとえば溶融カドミウム
から成る溶融金属相、20はたとえば塩化カリウムー塩化
リチウム系混合溶融体から成る溶融塩相、 21a, 21bは
それぞれ一端がスイッチ 22a, 22bを介して固体陰極1
6,使用済み金属燃料の保持バスケット(陽極)17に接
続し、他端が電解槽15の底壁面に接続して所要の電解電
圧を印加する電解電圧印加装置である。
融カドミウム相1の撹拌による濃度勾配付け、操業温度
による拡散係数の向上などには限界があり、陰極6面へ
の有用な原子燃料成分の析出・成長を効率よく行い得な
いのが実情であり、さらなる改善・工夫が望まれる。こ
の対策としていわゆる陽極溶解法の応用が注目される。
図4は陽極溶解法を応用した溶融塩電解精装置(電解精
製手段)の要部構成を断面的に示したもので、15は電解
槽、16は後述する溶融塩相に浸漬される固体陰極、17は
後述する溶融塩相に浸漬される使用済み金属燃料の保持
バスケット(陽極)、18は後述する溶融金属相および溶
融塩相を撹拌する撹拌機、19はたとえば溶融カドミウム
から成る溶融金属相、20はたとえば塩化カリウムー塩化
リチウム系混合溶融体から成る溶融塩相、 21a, 21bは
それぞれ一端がスイッチ 22a, 22bを介して固体陰極1
6,使用済み金属燃料の保持バスケット(陽極)17に接
続し、他端が電解槽15の底壁面に接続して所要の電解電
圧を印加する電解電圧印加装置である。
【0008】前記溶融塩電解精装置による電解精製の実
施は、固体電極16および使用済み金属燃料23を収容した
保持バスケット(陽極)17を溶融塩相20に浸漬する一
方、スイッチ 22aを閉じることにより、使用済み金属燃
料23を収容した保持バスケット(陽極)17と溶融カドミ
ウム相19との間に通電し、使用済み金属燃料23に正の電
位を、溶融カドミウム相19に負の電位を印加する。この
とき、スイッチ 22bは開かれており固体陰極16は電気的
に中性とされているので、前記使用済み金属燃料23に含
まれている有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成
物は電気的に酸化されて溶融塩相20中に塩化物として溶
け出すとともに、使用済み金属燃料23に含まれている有
用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物の一部は、
陰極として作用している溶融カドミウム相19に溶解・分
散する。なお、前記溶融塩相20中には、後述する有用な
原子燃料成分の固体陰極16面への析出速度を上げるた
め、使用済み金属燃料23に含まれている有用な原子燃料
成分の塩化物を予め混合溶融させている。
施は、固体電極16および使用済み金属燃料23を収容した
保持バスケット(陽極)17を溶融塩相20に浸漬する一
方、スイッチ 22aを閉じることにより、使用済み金属燃
料23を収容した保持バスケット(陽極)17と溶融カドミ
ウム相19との間に通電し、使用済み金属燃料23に正の電
位を、溶融カドミウム相19に負の電位を印加する。この
とき、スイッチ 22bは開かれており固体陰極16は電気的
に中性とされているので、前記使用済み金属燃料23に含
まれている有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成
物は電気的に酸化されて溶融塩相20中に塩化物として溶
け出すとともに、使用済み金属燃料23に含まれている有
用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物の一部は、
陰極として作用している溶融カドミウム相19に溶解・分
散する。なお、前記溶融塩相20中には、後述する有用な
原子燃料成分の固体陰極16面への析出速度を上げるた
め、使用済み金属燃料23に含まれている有用な原子燃料
成分の塩化物を予め混合溶融させている。
【0009】次に、スイッチ 22aを閉じ、固体陰極16と
溶融カドミウム相19(陽極として機能する)との間に通
電気して、溶融カドミウム相19に溶解している有用な原
子燃料成分および不要な核分裂生成物を溶融塩相20中に
移行・取り込みさせて、有用な原子燃料成分を固体陰極
16面へ析出させ、この析出の繰り返しによって有用な原
子燃料成分を選択的に回収する。
溶融カドミウム相19(陽極として機能する)との間に通
電気して、溶融カドミウム相19に溶解している有用な原
子燃料成分および不要な核分裂生成物を溶融塩相20中に
移行・取り込みさせて、有用な原子燃料成分を固体陰極
16面へ析出させ、この析出の繰り返しによって有用な原
子燃料成分を選択的に回収する。
【0010】前記陽極溶解法を応用する溶融塩電解精製
法は、使用済み金属燃料23を電気的に強制溶解させるた
め、溶解速度を大きくできるという利点がある。しかし
ながら、この精製方法は、電気的酸化によって使用済み
金属燃料23から溶融塩(電解質)相20中に一旦溶解され
た有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物を、さ
らに還元によって陰極として機能している溶融カドミウ
ム相19中に溶解する段階、この溶融カドミウム相19中に
溶解した有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物
を溶融塩相20中で酸化させ、有用な原子燃料成分を選択
的に固体陰極6面に析出させる段階が、時間的に分けら
れて行う必要があるので、操業時間が長くなるという問
題がある。しかも、使用済み金属燃料23中に含まれる有
用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物が、陰極と
して機能している溶融カドミウム相19中に溶解する段階
で還元されず、溶融塩相20中に移行し残留するので、不
要な核分裂生成物、たとえばセシウムなどが有用な原子
燃料成分に付随して、固体陰極16面に析出するという問
題があり、実用上満足し得る有用な原子燃料成分の精製
・回収法とはいえない。
法は、使用済み金属燃料23を電気的に強制溶解させるた
め、溶解速度を大きくできるという利点がある。しかし
ながら、この精製方法は、電気的酸化によって使用済み
金属燃料23から溶融塩(電解質)相20中に一旦溶解され
た有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物を、さ
らに還元によって陰極として機能している溶融カドミウ
ム相19中に溶解する段階、この溶融カドミウム相19中に
溶解した有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物
を溶融塩相20中で酸化させ、有用な原子燃料成分を選択
的に固体陰極6面に析出させる段階が、時間的に分けら
れて行う必要があるので、操業時間が長くなるという問
題がある。しかも、使用済み金属燃料23中に含まれる有
用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物が、陰極と
して機能している溶融カドミウム相19中に溶解する段階
で還元されず、溶融塩相20中に移行し残留するので、不
要な核分裂生成物、たとえばセシウムなどが有用な原子
燃料成分に付随して、固体陰極16面に析出するという問
題があり、実用上満足し得る有用な原子燃料成分の精製
・回収法とはいえない。
【0011】さらにまた、前記陽極溶解法を応用する溶
融塩電解精製法の改良策として、溶融塩相を電気絶縁性
の隔壁で区画し、一方の溶融塩相領域に陰極を、他方の
溶融塩相領域に使用済み金属燃料を、それぞれ浸漬し
て、溶融塩電解を行う方式も提案されている(特開平 3
-75597号公報)。しかし、こここに提案されている溶融
塩電解精製法は、二つの電源を使って陽極溶解および陰
極析出を同時に行う際、陽極溶解の電圧と陰極析出の電
圧を適度に制御するのが困難で実用性に問題がある。す
なわち、陽極溶解により陽極バスケットから溶け出した
有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物の一部
は、溶融カドミウム相に溶解して分散するが、このとき
陰極析出の電圧が適当でないと、溶融カドミウム相に不
要に蓄積したり、あるいは有用な原子燃料成分および不
要な核分裂生成物の一部が溶融カドミウム相に溶解存在
しなくなり、陰極面に溶融カドミウムが析出するなどの
不都合が認められる。
融塩電解精製法の改良策として、溶融塩相を電気絶縁性
の隔壁で区画し、一方の溶融塩相領域に陰極を、他方の
溶融塩相領域に使用済み金属燃料を、それぞれ浸漬し
て、溶融塩電解を行う方式も提案されている(特開平 3
-75597号公報)。しかし、こここに提案されている溶融
塩電解精製法は、二つの電源を使って陽極溶解および陰
極析出を同時に行う際、陽極溶解の電圧と陰極析出の電
圧を適度に制御するのが困難で実用性に問題がある。す
なわち、陽極溶解により陽極バスケットから溶け出した
有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物の一部
は、溶融カドミウム相に溶解して分散するが、このとき
陰極析出の電圧が適当でないと、溶融カドミウム相に不
要に蓄積したり、あるいは有用な原子燃料成分および不
要な核分裂生成物の一部が溶融カドミウム相に溶解存在
しなくなり、陰極面に溶融カドミウムが析出するなどの
不都合が認められる。
【0012】本発明は、上記事情に対処してなされたも
ので、使用済み金属燃料の乾式再処理における電解精製
処理速度を向上させるとともに、不要な核分裂生成物の
付随的な析出を伴わずに純度の高い有用な原子燃料成分
の精製・回収し得る溶融塩電解精製法の提供を目的とす
る。
ので、使用済み金属燃料の乾式再処理における電解精製
処理速度を向上させるとともに、不要な核分裂生成物の
付随的な析出を伴わずに純度の高い有用な原子燃料成分
の精製・回収し得る溶融塩電解精製法の提供を目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融塩電解
精製法は、溶融金属相を共通の底面とし、その溶融金属
相上の電解浴を成す溶融塩相を電気絶縁性の隔壁で区画
し、この区画された一方の溶融塩相中に陰極を,他方の
溶融塩相中に陽極兼用の使用済み金属燃料をそれぞれ浸
漬し、所要の電解電圧を印加して、使用済み核燃料の陽
極溶解および精製金属燃料の陰極面への電解析出を行う
溶融塩電解精製法において、前記溶融金属相中の金属燃
料成分濃度を0.01重量%以上、溶融塩相中の金属燃料成
分濃度を 0.1重量%以上にそれぞれ設定し、かつ前記溶
融塩相を電気絶縁性の環状隔壁で同心円的に区画し、こ
の区画された外側の溶融塩相中に陰極を,内側の溶融塩
相中に陽極兼用の使用済み金属燃料をそれぞれ浸漬し、
前記陰極に対して溶融金属相を陽極,使用済み金属燃料
に対して溶融金属相を陰極とし、一つの電圧印加手段で
通電し、使用済み核燃料の陽極溶解および精製金属燃料
の陰極面への電解析出を同時に行うことを特徴とする。
精製法は、溶融金属相を共通の底面とし、その溶融金属
相上の電解浴を成す溶融塩相を電気絶縁性の隔壁で区画
し、この区画された一方の溶融塩相中に陰極を,他方の
溶融塩相中に陽極兼用の使用済み金属燃料をそれぞれ浸
漬し、所要の電解電圧を印加して、使用済み核燃料の陽
極溶解および精製金属燃料の陰極面への電解析出を行う
溶融塩電解精製法において、前記溶融金属相中の金属燃
料成分濃度を0.01重量%以上、溶融塩相中の金属燃料成
分濃度を 0.1重量%以上にそれぞれ設定し、かつ前記溶
融塩相を電気絶縁性の環状隔壁で同心円的に区画し、こ
の区画された外側の溶融塩相中に陰極を,内側の溶融塩
相中に陽極兼用の使用済み金属燃料をそれぞれ浸漬し、
前記陰極に対して溶融金属相を陽極,使用済み金属燃料
に対して溶融金属相を陰極とし、一つの電圧印加手段で
通電し、使用済み核燃料の陽極溶解および精製金属燃料
の陰極面への電解析出を同時に行うことを特徴とする。
【0014】つまり、本発明に係る溶融塩電解精製法
は、溶融塩相を電気絶縁性の環状隔壁で同心円的に区画
などする一方、溶融金属相中の金属燃料成分濃度および
溶融塩相中の金属燃料成分濃度を、所定濃度にコントロ
ールするとともに、使用済み金属燃料の陽極溶解および
固体陰極面に電解析出を一つの電圧印加手段によって同
時に行う構成としたことを特徴とする。
は、溶融塩相を電気絶縁性の環状隔壁で同心円的に区画
などする一方、溶融金属相中の金属燃料成分濃度および
溶融塩相中の金属燃料成分濃度を、所定濃度にコントロ
ールするとともに、使用済み金属燃料の陽極溶解および
固体陰極面に電解析出を一つの電圧印加手段によって同
時に行う構成としたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明に係る溶融塩電解精製法および溶融塩電
解精製装置においては、先ず、使用済み金属燃料中に含
まれる有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物が
電気的に酸化されて、電気絶縁性の環状隔壁で同心円的
に区画された内側の溶融塩相領域中に塩化物として溶け
出す。そして、前記溶け出した有用な原子燃料成分およ
び不要な核分裂生成物の塩化物は、前記外側の溶融塩相
領域に対して陰極として作用(機能)する溶融金属相中
で還元され、金属状態で溶融金属相中に溶解し分散す
る。こうして、溶融金属相中に溶解し分散した有用な原
子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩化物生
成自由エネルギーの絶対値が比較的大きい物質(塩化物
化し易い物質)は、酸化されて溶融金属相から溶け出
し、陰極が浸漬されている内側の溶融塩相領域中で塩化
物化する。また、溶融金属相中に溶解し分散した有用な
原子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩化物
生成自由エネルギーの絶対値が比較的小さい物質(塩化
物化し難い物質)は、酸化されず溶融金属相中に残留す
る。一方、前記内側の溶融塩相領域中で塩化物化した有
用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩
化物生成自由エネルギーの絶対値が比較的小さい物質
(比較的に塩化物化し難い物質)は還元されて陰極面に
電解析出(回収)されるが、塩化物生成自由エネルギー
の絶対値が比較的大きい物質(比較的に塩化物化し易い
物質)は還元されずに、そのまま内側の溶融塩相領域中
に塩化物として残留する。このように、区画された外側
の溶融塩相領域中で陽極溶解が、一方、内側の溶融塩相
領域中で陰極面への電解析出が、それぞれ独立的にしか
も一つの電圧印加手段で同時に行われるため、電解精製
操作の所要時間が短縮されるとともに、陰極面へ不純物
を含まない有用な原子燃料成分を効率的に電解析出させ
得る。
解精製装置においては、先ず、使用済み金属燃料中に含
まれる有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物が
電気的に酸化されて、電気絶縁性の環状隔壁で同心円的
に区画された内側の溶融塩相領域中に塩化物として溶け
出す。そして、前記溶け出した有用な原子燃料成分およ
び不要な核分裂生成物の塩化物は、前記外側の溶融塩相
領域に対して陰極として作用(機能)する溶融金属相中
で還元され、金属状態で溶融金属相中に溶解し分散す
る。こうして、溶融金属相中に溶解し分散した有用な原
子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩化物生
成自由エネルギーの絶対値が比較的大きい物質(塩化物
化し易い物質)は、酸化されて溶融金属相から溶け出
し、陰極が浸漬されている内側の溶融塩相領域中で塩化
物化する。また、溶融金属相中に溶解し分散した有用な
原子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩化物
生成自由エネルギーの絶対値が比較的小さい物質(塩化
物化し難い物質)は、酸化されず溶融金属相中に残留す
る。一方、前記内側の溶融塩相領域中で塩化物化した有
用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩
化物生成自由エネルギーの絶対値が比較的小さい物質
(比較的に塩化物化し難い物質)は還元されて陰極面に
電解析出(回収)されるが、塩化物生成自由エネルギー
の絶対値が比較的大きい物質(比較的に塩化物化し易い
物質)は還元されずに、そのまま内側の溶融塩相領域中
に塩化物として残留する。このように、区画された外側
の溶融塩相領域中で陽極溶解が、一方、内側の溶融塩相
領域中で陰極面への電解析出が、それぞれ独立的にしか
も一つの電圧印加手段で同時に行われるため、電解精製
操作の所要時間が短縮されるとともに、陰極面へ不純物
を含まない有用な原子燃料成分を効率的に電解析出させ
得る。
【0016】
【実施例】以下、図1および図2を参照して本発明の実
施例を説明する。
施例を説明する。
【0017】図1は本発明に係る溶融塩電解精製方法の
実施態様を模式的に示したもので、次のように構成され
た装置が用意される。すなわち、溶融金属相24および電
解浴を成す溶融塩相25を収容する溶融電解槽26と、前記
溶融電解槽26内を溶融金属相24が収容される領域に対し
て電解浴を成す溶融塩相25を内側(第1)の溶融塩相領
域 25aおよび外側(第2)の溶融塩相領域 25bに同心円
的に区画する電気絶縁性の環状隔壁27と、前記電気絶縁
性の隔壁27で区画された外側の溶融塩相領域25bに収容
配置されたたとえば固体陰極28と、前記電気絶縁性の環
状隔壁27で区画・分離された内側の溶融塩相領域 25aに
収容配置された陽極機能を備えた使用済み金属燃料保持
手段(たとえばバスケット)29と、前記固体陰極28およ
び使用済み金属燃料保持手段29に所要の電解電圧を印加
する唯一の電圧印加手段30とを具備して成り、使用済み
金属燃料31の陽極溶解および固体陰極28面に電解析出
を、前記一電圧印加手段30によって同時に行う構成を採
っている。なお、図1において、 32a, 32bは溶融金属
相24を陽極あるいは陰極として使用するための切り替え
スイッチ、 33a, 33bは電解電流検出装置である。
実施態様を模式的に示したもので、次のように構成され
た装置が用意される。すなわち、溶融金属相24および電
解浴を成す溶融塩相25を収容する溶融電解槽26と、前記
溶融電解槽26内を溶融金属相24が収容される領域に対し
て電解浴を成す溶融塩相25を内側(第1)の溶融塩相領
域 25aおよび外側(第2)の溶融塩相領域 25bに同心円
的に区画する電気絶縁性の環状隔壁27と、前記電気絶縁
性の隔壁27で区画された外側の溶融塩相領域25bに収容
配置されたたとえば固体陰極28と、前記電気絶縁性の環
状隔壁27で区画・分離された内側の溶融塩相領域 25aに
収容配置された陽極機能を備えた使用済み金属燃料保持
手段(たとえばバスケット)29と、前記固体陰極28およ
び使用済み金属燃料保持手段29に所要の電解電圧を印加
する唯一の電圧印加手段30とを具備して成り、使用済み
金属燃料31の陽極溶解および固体陰極28面に電解析出
を、前記一電圧印加手段30によって同時に行う構成を採
っている。なお、図1において、 32a, 32bは溶融金属
相24を陽極あるいは陰極として使用するための切り替え
スイッチ、 33a, 33bは電解電流検出装置である。
【0018】ここで、溶融金属相24は、たとえばカドミ
ウム,ビスマス,鉛,錫,亜鉛などの溶融体で形成さ
れ、さらに、溶融塩相25 (25a,25b)は、たとえば塩化カ
リウム−塩化リチウム,塩化カリウム−塩化ナトリウ
ム,塩化セシウム−塩化ナトリウム,塩化カリウム−塩
化リチウム−塩化ナトリウム,塩化カルシウム−塩化バ
リウム−塩化リチウム−塩化カリウム,塩化カルシウム
−塩化バリウム−塩化リチウム−塩化ナトリウムなどの
塩化物系溶融塩が挙げられ、特に塩化カリウム−塩化リ
チウム共融混合物(59:41モル比)の使用が好ましい。
ウム,ビスマス,鉛,錫,亜鉛などの溶融体で形成さ
れ、さらに、溶融塩相25 (25a,25b)は、たとえば塩化カ
リウム−塩化リチウム,塩化カリウム−塩化ナトリウ
ム,塩化セシウム−塩化ナトリウム,塩化カリウム−塩
化リチウム−塩化ナトリウム,塩化カルシウム−塩化バ
リウム−塩化リチウム−塩化カリウム,塩化カルシウム
−塩化バリウム−塩化リチウム−塩化ナトリウムなどの
塩化物系溶融塩が挙げられ、特に塩化カリウム−塩化リ
チウム共融混合物(59:41モル比)の使用が好ましい。
【0019】また、陽極機能を備えた使用済み金属燃料
の保持手段29は、使用済み金属燃料31片が脱落しない程
度の孔を有するバスケット状などが好ましく、さらに固
体陰極28は、有用な原子燃料成分の安定した陰極析出を
図り得る電気伝導性の低炭素鋼が好ましいが,モリブデ
ン,タンタル,タングステン,金,白金,黒鉛などでも
よく、たとえば電気絶縁性の容器に溶融金属を収容した
構成であってもよいが、いずれの場合も溶融金属相24と
の電気的な短絡を防止するため、下端面に絶縁性盤 28a
を装着しておくことが好ましい。さらにまた、前記溶融
塩相25を第1の溶融塩相領域 25aおよび第2の溶融塩相
領域 25bに区画・分離する電気絶縁性の隔壁27は、たと
えばアルミナ,ジルコニア,窒化物セラミックス,炭化
物セラミックスなどで形成されたものが望ましい。
の保持手段29は、使用済み金属燃料31片が脱落しない程
度の孔を有するバスケット状などが好ましく、さらに固
体陰極28は、有用な原子燃料成分の安定した陰極析出を
図り得る電気伝導性の低炭素鋼が好ましいが,モリブデ
ン,タンタル,タングステン,金,白金,黒鉛などでも
よく、たとえば電気絶縁性の容器に溶融金属を収容した
構成であってもよいが、いずれの場合も溶融金属相24と
の電気的な短絡を防止するため、下端面に絶縁性盤 28a
を装着しておくことが好ましい。さらにまた、前記溶融
塩相25を第1の溶融塩相領域 25aおよび第2の溶融塩相
領域 25bに区画・分離する電気絶縁性の隔壁27は、たと
えばアルミナ,ジルコニア,窒化物セラミックス,炭化
物セラミックスなどで形成されたものが望ましい。
【0020】図2は、本発明に係る溶融塩電解精製方法
の実施に適する装置をさらに具体的に示した断面図で、
前記図1に図示した基本的(概略的)な装置において、
溶融塩相25は電気絶縁性の環状隔壁27で第1(内側),
第2(外側)の溶融塩相領域25a, 25b,に、同心円的
に区画され、この区画された外側の溶融塩相収容領域25
bに固体陰極28および溶融塩相撹拌用の攪拌機35が、内
側の溶融塩相収容領域25aに陽極機能を備えた使用済み
金属燃料保持手段(たとえばバスケット)29がそれぞれ
配置・装着されている。なお、電解槽15の蓋体36には、
固体陰極28,使用済み金属燃料保持手段29,および攪拌
機35を引上げ・降下可能に、それぞれ対応する移送容器
37a, 37b, 37cが、前記固体陰極28などと、それぞれ
一体的に着脱自在に装着されている。そして、移送容器
37a, 37b, 37cはロードセル38によって支持されてお
り、電解精製操作中に固体陰極28面に析出した有用な原
子燃料成分34の重量を常時測定し得るようになってい
る。また、電解槽15は底部中央に残留物を捕集し得るよ
う円錐面化されており、さらに電解槽15を保温するた
め、外側に加熱源39および保温材(断熱材)40が配置さ
れており、このような構成を採る電解槽15は、一般的に
基台41にセットされて実用に供される。
の実施に適する装置をさらに具体的に示した断面図で、
前記図1に図示した基本的(概略的)な装置において、
溶融塩相25は電気絶縁性の環状隔壁27で第1(内側),
第2(外側)の溶融塩相領域25a, 25b,に、同心円的
に区画され、この区画された外側の溶融塩相収容領域25
bに固体陰極28および溶融塩相撹拌用の攪拌機35が、内
側の溶融塩相収容領域25aに陽極機能を備えた使用済み
金属燃料保持手段(たとえばバスケット)29がそれぞれ
配置・装着されている。なお、電解槽15の蓋体36には、
固体陰極28,使用済み金属燃料保持手段29,および攪拌
機35を引上げ・降下可能に、それぞれ対応する移送容器
37a, 37b, 37cが、前記固体陰極28などと、それぞれ
一体的に着脱自在に装着されている。そして、移送容器
37a, 37b, 37cはロードセル38によって支持されてお
り、電解精製操作中に固体陰極28面に析出した有用な原
子燃料成分34の重量を常時測定し得るようになってい
る。また、電解槽15は底部中央に残留物を捕集し得るよ
う円錐面化されており、さらに電解槽15を保温するた
め、外側に加熱源39および保温材(断熱材)40が配置さ
れており、このような構成を採る電解槽15は、一般的に
基台41にセットされて実用に供される。
【0021】上記において、使用済み金属燃料の保持手
段29を低炭素鋼製のバスケットを、陰極28とし低炭素鋼
製陰極を備え、かつ陰極28と溶融金属相24との電極間距
離30mm(10mm以上であれば可)、溶融金属相24の表面面
積と固体陰極28の表面面積との比を 5.4/1 (1/1以上で
可)に設定し、低炭素鋼製のバスケット29と固体陰極28
との間に所要の電解電圧を印加すると、前記低炭素鋼製
のバスケット29に収容・保持された使用済み金属燃料31
から原子燃料成分などが内側の溶融塩相 25a中に溶出さ
れ、原子燃料成分34を固体陰極28面に析出・回収でき
る。
段29を低炭素鋼製のバスケットを、陰極28とし低炭素鋼
製陰極を備え、かつ陰極28と溶融金属相24との電極間距
離30mm(10mm以上であれば可)、溶融金属相24の表面面
積と固体陰極28の表面面積との比を 5.4/1 (1/1以上で
可)に設定し、低炭素鋼製のバスケット29と固体陰極28
との間に所要の電解電圧を印加すると、前記低炭素鋼製
のバスケット29に収容・保持された使用済み金属燃料31
から原子燃料成分などが内側の溶融塩相 25a中に溶出さ
れ、原子燃料成分34を固体陰極28面に析出・回収でき
る。
【0022】図2に図示した溶融塩電解精製装置を使用
しての溶融塩電解精製方法例を説明すると、先ず、陽極
29を兼ねる使用済み金属燃料の保持手段たるバスケット
内に、使用済み金属燃料31を収容して、内側の溶融塩相
領域 25aに浸漬する一方、外側の溶融塩相領域 25bに予
め浸漬させておいた固体陰極28との間に所用の電圧を印
加すると、前記バスケット29内の使用済み金属燃料31に
対して溶融金属相24が陰極として、また前記固体陰極28
に対しては陽極として通電する。このとき、内側の溶融
塩相領域 25aには、使用済み金属燃料31に含有されてい
る有用な原子燃料成分の塩化物を予め溶解含有させてお
くとともに、溶融金属相24を撹拌機35で撹拌する。前記
の電圧印加により、バスケット29内の使用済み金属燃料
31中の有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物
は、いわゆる陽極溶解によって酸化され、内側の溶融塩
相領域 25a中に塩化物として溶け出す。つまり、適正な
電圧が印加されると、前記使用済み金属燃料31中に含有
されている被覆管の材料成分および不要な核分裂生成物
のうち、たとえばクロム,モリブデン,ルテニウム,ロ
ジウム,パラジウム,白金,テクネシウムなどをバスケ
ット29内に残滓として残留させる。一方では、有用な原
子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、たとえば
バリウム,カリウム,ナトリウム,セシウム,ストロン
チウム,セリウム,ネオジウム,ウラン,ネプツニウ
ム,アメリシウム,キュリウム,プルトニウム,ジルコ
ニウムなどの酸化還元電位が卑な物質は、内側の溶融塩
相領域 25a中に塩化物として溶け出す。
しての溶融塩電解精製方法例を説明すると、先ず、陽極
29を兼ねる使用済み金属燃料の保持手段たるバスケット
内に、使用済み金属燃料31を収容して、内側の溶融塩相
領域 25aに浸漬する一方、外側の溶融塩相領域 25bに予
め浸漬させておいた固体陰極28との間に所用の電圧を印
加すると、前記バスケット29内の使用済み金属燃料31に
対して溶融金属相24が陰極として、また前記固体陰極28
に対しては陽極として通電する。このとき、内側の溶融
塩相領域 25aには、使用済み金属燃料31に含有されてい
る有用な原子燃料成分の塩化物を予め溶解含有させてお
くとともに、溶融金属相24を撹拌機35で撹拌する。前記
の電圧印加により、バスケット29内の使用済み金属燃料
31中の有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物
は、いわゆる陽極溶解によって酸化され、内側の溶融塩
相領域 25a中に塩化物として溶け出す。つまり、適正な
電圧が印加されると、前記使用済み金属燃料31中に含有
されている被覆管の材料成分および不要な核分裂生成物
のうち、たとえばクロム,モリブデン,ルテニウム,ロ
ジウム,パラジウム,白金,テクネシウムなどをバスケ
ット29内に残滓として残留させる。一方では、有用な原
子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、たとえば
バリウム,カリウム,ナトリウム,セシウム,ストロン
チウム,セリウム,ネオジウム,ウラン,ネプツニウ
ム,アメリシウム,キュリウム,プルトニウム,ジルコ
ニウムなどの酸化還元電位が卑な物質は、内側の溶融塩
相領域 25a中に塩化物として溶け出す。
【0023】そして、内側の溶融塩相領域 25a中に溶け
出した有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物
は、このとき陰極として機能している溶融金属(たとえ
ば溶融カドミウム)相24で還元され、金属状態で溶融金
属相24に溶解し分散する。つまり、バリウム,カリウ
ム,ナトリウム,セシウム,ストロンチウムなどの酸化
還元電位が極めて卑な物質は、内側の溶融塩相領域 25a
中に塩化物として残留し、セリウム,ネオジウム,ウラ
ン,ネプツニウム,アメリシウム,キュリウム,プルト
ニウム,ジルコニウムなどの原子燃料成分、および不要
な核分裂生成物の成分は、溶融金属相24に飽和状態まで
溶解して分散する。
出した有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物
は、このとき陰極として機能している溶融金属(たとえ
ば溶融カドミウム)相24で還元され、金属状態で溶融金
属相24に溶解し分散する。つまり、バリウム,カリウ
ム,ナトリウム,セシウム,ストロンチウムなどの酸化
還元電位が極めて卑な物質は、内側の溶融塩相領域 25a
中に塩化物として残留し、セリウム,ネオジウム,ウラ
ン,ネプツニウム,アメリシウム,キュリウム,プルト
ニウム,ジルコニウムなどの原子燃料成分、および不要
な核分裂生成物の成分は、溶融金属相24に飽和状態まで
溶解して分散する。
【0024】同時に、前記外側の溶融塩相領域 25bの固
体陰極28に対しては陽極として作用(機能)する溶融金
属相24に溶解し分散した原子燃料成分および不要な核分
裂生成物のうち、塩化物の生成自由エネルギーの絶対値
が大きい(塩化物化し易い)物質、たとえばセリウム,
ネオジウム,ウラン,ネプツニウム,アメリシウム,キ
ュリウム,プルトニウム,ジルコニウムなどは酸化さ
れ、溶融金属相24から溶け出し、第1の溶融塩相 25aに
移行して再び塩化物化する。こうして、内側の溶融塩相
25aに移行して、再び塩化物化する成分のうち、塩化物
の生成自由エネルギーの絶対値が比較的小さい物質(成
分)、たとえばウラン,ジルコニウムなど有用な原子燃
料成分(金属)が選択的に還元されて、固体陰極28面に
析出・成長して回収される。一方、前記溶融金属相24に
溶解し分散した原子燃料成分および不要な核分裂生成物
のうち、塩化物の生成自由エネルギーの絶対値が小さい
(塩化物化し難い)物質、たとえばルテニウム,ロジウ
ム,テクネシウムなどは酸化されずに溶融金属相24に残
留する。
体陰極28に対しては陽極として作用(機能)する溶融金
属相24に溶解し分散した原子燃料成分および不要な核分
裂生成物のうち、塩化物の生成自由エネルギーの絶対値
が大きい(塩化物化し易い)物質、たとえばセリウム,
ネオジウム,ウラン,ネプツニウム,アメリシウム,キ
ュリウム,プルトニウム,ジルコニウムなどは酸化さ
れ、溶融金属相24から溶け出し、第1の溶融塩相 25aに
移行して再び塩化物化する。こうして、内側の溶融塩相
25aに移行して、再び塩化物化する成分のうち、塩化物
の生成自由エネルギーの絶対値が比較的小さい物質(成
分)、たとえばウラン,ジルコニウムなど有用な原子燃
料成分(金属)が選択的に還元されて、固体陰極28面に
析出・成長して回収される。一方、前記溶融金属相24に
溶解し分散した原子燃料成分および不要な核分裂生成物
のうち、塩化物の生成自由エネルギーの絶対値が小さい
(塩化物化し難い)物質、たとえばルテニウム,ロジウ
ム,テクネシウムなどは酸化されずに溶融金属相24に残
留する。
【0025】前記溶融塩電解精製において、初期の陽極
電流密度を0.8A/cm2 以下に設定した場合は、電流効率
も約100%で原子燃料成分34を固体陰極28面に析出・回収
することが可能であった。なお、比較のため、前記図4
に図示した構成の装置を用いた溶融塩電解精製方法で、
初期の陽極電流密度を0.8A/cm2 以上に設定した場合の
電流効率とを表−1に併せて示す。
電流密度を0.8A/cm2 以下に設定した場合は、電流効率
も約100%で原子燃料成分34を固体陰極28面に析出・回収
することが可能であった。なお、比較のため、前記図4
に図示した構成の装置を用いた溶融塩電解精製方法で、
初期の陽極電流密度を0.8A/cm2 以上に設定した場合の
電流効率とを表−1に併せて示す。
【0026】 表−1 初期の陰極電流密度 燃料溶解に使用される電流効率 実施例1(0.6A/cm2 ) 100% 比較例1(0.9A/cm2 ) 78.2% 表−1から分かるように、実施例の場合は比較例の場合
に比べて、電流効率が2〜 3倍程度も高くなる。つま
り、実施例の場合、陽極バスケットを構成する鉄が溶け
出す電位に達していないので、陽極溶解が効率よく行わ
れており、この初期の陽極電流密度を0.801A/cm2 以下
に設定することが重要である。
に比べて、電流効率が2〜 3倍程度も高くなる。つま
り、実施例の場合、陽極バスケットを構成する鉄が溶け
出す電位に達していないので、陽極溶解が効率よく行わ
れており、この初期の陽極電流密度を0.801A/cm2 以下
に設定することが重要である。
【0027】また、前記本発明に係る溶融塩電解精製方
法、および従来の溶融塩電解精製方法において、陽極側
溶融塩相 25a中に溶解している原子燃料成分の濃度が
0.1重量%以上、または以下の場合(比較例)の場合に
つき、同様に溶融塩相 25a中に析出する電流効率を比較
したところ、は表−2に示すごとくであった。
法、および従来の溶融塩電解精製方法において、陽極側
溶融塩相 25a中に溶解している原子燃料成分の濃度が
0.1重量%以上、または以下の場合(比較例)の場合に
つき、同様に溶融塩相 25a中に析出する電流効率を比較
したところ、は表−2に示すごとくであった。
【0028】 表−2から分かるように比較例2の場合、ほとんど析出
しないのに対して、実施例2の場合は、高い電流効率で
析出する。つまり、実施例2の場合は、溶融塩相 25a中
に溶解している原子燃料成分が十分であるため、溶融塩
の分解が起こらずに、原子燃料成分が溶融塩相中に効率
よく析出する。
しないのに対して、実施例2の場合は、高い電流効率で
析出する。つまり、実施例2の場合は、溶融塩相 25a中
に溶解している原子燃料成分が十分であるため、溶融塩
の分解が起こらずに、原子燃料成分が溶融塩相中に効率
よく析出する。
【0029】さらに、前記溶融塩電解精製において、初
期の陰極電流密度を0.3A/cm2 に設定した場合は、電流
効率も約100%で原子燃料成分34を固体陰極28面に析出・
回収することが可能であった。なお、比較のため、前記
図4に図示した構成の装置を用いた溶融塩電解精製方法
で、初期の陰極電流密度を0.005A/cm2 もしくは1.5A/
cm2 に設定した場合の電流効率とを表−3に併せて示
す。
期の陰極電流密度を0.3A/cm2 に設定した場合は、電流
効率も約100%で原子燃料成分34を固体陰極28面に析出・
回収することが可能であった。なお、比較のため、前記
図4に図示した構成の装置を用いた溶融塩電解精製方法
で、初期の陰極電流密度を0.005A/cm2 もしくは1.5A/
cm2 に設定した場合の電流効率とを表−3に併せて示
す。
【0030】 表−3 初期の陰極電流密度 精製金属として析出する電流効率 実施例3 (0.3A/cm2 ) 100% 比較例3 (0.005A/cm2 ) 52.4% 比較例4 (1.5A/cm2 ) 37.3% 表−3から分かるように、実施例の場合は比較例の場合
に比べて、電流効率が2〜 3倍程度も高くなる。つま
り、実施例の場合、印加電圧が溶融塩の分解などの反応
を起こす程に達していないので、陰極析出が効率よく行
われており、この初期の陰極電流密度を 0.01A/cm2 〜
1.0A/cm2 の範囲に設定することが重要である。
に比べて、電流効率が2〜 3倍程度も高くなる。つま
り、実施例の場合、印加電圧が溶融塩の分解などの反応
を起こす程に達していないので、陰極析出が効率よく行
われており、この初期の陰極電流密度を 0.01A/cm2 〜
1.0A/cm2 の範囲に設定することが重要である。
【0031】また、前記本発明に係る溶融塩電解精製方
法、および従来の溶融塩電解精製方法において、溶融金
属相中もしくは溶融塩相中に溶解している原子燃料成分
の濃度が0.01重量%以上である 0.1重量%(実施例
4),0.01重量%以下である 0.009重量%(比較例5)
の場合につき、同様に初期の陰極電流密度を 0.05A/cm
2に設定し、電解精製処理したときの、電流効率は表−
4および表−5に示すごとくであった。
法、および従来の溶融塩電解精製方法において、溶融金
属相中もしくは溶融塩相中に溶解している原子燃料成分
の濃度が0.01重量%以上である 0.1重量%(実施例
4),0.01重量%以下である 0.009重量%(比較例5)
の場合につき、同様に初期の陰極電流密度を 0.05A/cm
2に設定し、電解精製処理したときの、電流効率は表−
4および表−5に示すごとくであった。
【0032】 表−4,5から分かるように、比較例の場合、原子燃料
成分が陰極面にほとんど析出していないのに対して、実
施例の場合は、高い電流効率で原子燃料成分が陰極28面
に析出している。つまり、実施例の場合は、溶融金属相
24中あるいは溶融塩25中に、原子燃料成分が十分存在し
ているため、溶融金属相24の分解反応、あるいは溶融塩
相25の分解反応が起こらなくなり、原子燃料成分が精製
金属として陰極28面に析出すると考えられる。なお、こ
の電解・精製過程で、内側の溶融塩相 25a中に溶出され
た原子燃料成分は、さらに溶融金属相24に移行して溶解
されるが、このときの溶融金属相24における原子核燃料
成分濃度は 0.1重量%以上であることが、また溶融金属
相24から移行して溶解される溶融塩相 25bの原子核燃料
成分濃度は0.01重量%以上であることが必要である。
成分が陰極面にほとんど析出していないのに対して、実
施例の場合は、高い電流効率で原子燃料成分が陰極28面
に析出している。つまり、実施例の場合は、溶融金属相
24中あるいは溶融塩25中に、原子燃料成分が十分存在し
ているため、溶融金属相24の分解反応、あるいは溶融塩
相25の分解反応が起こらなくなり、原子燃料成分が精製
金属として陰極28面に析出すると考えられる。なお、こ
の電解・精製過程で、内側の溶融塩相 25a中に溶出され
た原子燃料成分は、さらに溶融金属相24に移行して溶解
されるが、このときの溶融金属相24における原子核燃料
成分濃度は 0.1重量%以上であることが、また溶融金属
相24から移行して溶解される溶融塩相 25bの原子核燃料
成分濃度は0.01重量%以上であることが必要である。
【0033】上記において固体陰極28の代わりに、電気
絶縁性容器内に溶融金属を収納して成る陰極を用いた場
合は、第1の溶融塩相 25aに溶解し分散した原子燃料成
分および不要な核分裂生成物のうち、塩化物の生成自由
エネルギーの絶対値が小さい(塩化物化し難い)ネプツ
ニウム,キュリウム,プルトニウムなとが、前記絶縁性
容器内の溶融金属面に析出して回収される。一方、塩化
物の生成自由エネルギーの絶対値が大きい(塩化物化し
易い)セリウム,ネオジウムなどは還元それずに、第2
の溶融塩相 25bに塩化物として残留する。つまり、塩化
物の生成自由エネルギーに対応した電位を電解電圧とし
て印加することにより、固体陰極28面に回収・精製させ
る有用な原子燃料成分の種類を制御することが可能とな
る。
絶縁性容器内に溶融金属を収納して成る陰極を用いた場
合は、第1の溶融塩相 25aに溶解し分散した原子燃料成
分および不要な核分裂生成物のうち、塩化物の生成自由
エネルギーの絶対値が小さい(塩化物化し難い)ネプツ
ニウム,キュリウム,プルトニウムなとが、前記絶縁性
容器内の溶融金属面に析出して回収される。一方、塩化
物の生成自由エネルギーの絶対値が大きい(塩化物化し
易い)セリウム,ネオジウムなどは還元それずに、第2
の溶融塩相 25bに塩化物として残留する。つまり、塩化
物の生成自由エネルギーに対応した電位を電解電圧とし
て印加することにより、固体陰極28面に回収・精製させ
る有用な原子燃料成分の種類を制御することが可能とな
る。
【0034】図2に図示した構成の装置を利用した溶融
塩電解精製法によって、使用済み燃料の陽極溶解および
有用な原子燃料成分の析出・回収を同時に実施し得るの
で、使用済み燃料の再生処理時間が大幅に短縮される。
たとえば使用済み燃料 1kgを、上記溶融塩電解精製法
で、精製・回収(再生)処理した場合、その再生処理に
10.2時間を要したのに対して、従来の化学溶解法を応用
した溶融塩電解精製法による精製・回収(再生)処理に
は27.5時間要しており、その精製・回収処理時間は 1/
2.7に短縮され、さらに良好な電流効率で核燃料成分
(金属)を精製・回収することが可能であった。ここ
で、従来の化学溶解法を応用した場合とは、使用済み燃
料を溶融金属相に溶解分散させた後、この溶融金属相を
陽極として溶融塩相中の固体陰極との間に電解電圧を印
加し、この固体陰極面に析出・回収する方法である。
塩電解精製法によって、使用済み燃料の陽極溶解および
有用な原子燃料成分の析出・回収を同時に実施し得るの
で、使用済み燃料の再生処理時間が大幅に短縮される。
たとえば使用済み燃料 1kgを、上記溶融塩電解精製法
で、精製・回収(再生)処理した場合、その再生処理に
10.2時間を要したのに対して、従来の化学溶解法を応用
した溶融塩電解精製法による精製・回収(再生)処理に
は27.5時間要しており、その精製・回収処理時間は 1/
2.7に短縮され、さらに良好な電流効率で核燃料成分
(金属)を精製・回収することが可能であった。ここ
で、従来の化学溶解法を応用した場合とは、使用済み燃
料を溶融金属相に溶解分散させた後、この溶融金属相を
陽極として溶融塩相中の固体陰極との間に電解電圧を印
加し、この固体陰極面に析出・回収する方法である。
【0035】さらに、前記二つの電解電圧電源を用い
て、陽極溶解および陰極析出を同時に行った場合、陽極
溶解により陽極バスケットから溶け出した有用な原子燃
料成分および不要な核分裂生成物の一部が溶融カドミウ
ム相に溶解・分散するが、このとき陰極析出の電圧が適
性でないと、換言すると陽極溶解の電圧が陰極析出の電
圧より高いと、溶け出した有用な原子燃料成分および不
要な核分裂生成物の一部が溶融カドミウム相に不要に蓄
積し、逆に陽極溶解の電圧が陰極析出の電圧より低い
と、有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物が溶
融カドミウム相に溶解存在しなくなり、陰極面に溶融カ
ドミウムが析出するなどの不都合が認められ、操作の短
時間化を図り得ても、高純度での精製・回収を再現性良
好に行うのが困難であったのに較べて、本発明方法は実
用面で多くの利点をもたらすものであった。
て、陽極溶解および陰極析出を同時に行った場合、陽極
溶解により陽極バスケットから溶け出した有用な原子燃
料成分および不要な核分裂生成物の一部が溶融カドミウ
ム相に溶解・分散するが、このとき陰極析出の電圧が適
性でないと、換言すると陽極溶解の電圧が陰極析出の電
圧より高いと、溶け出した有用な原子燃料成分および不
要な核分裂生成物の一部が溶融カドミウム相に不要に蓄
積し、逆に陽極溶解の電圧が陰極析出の電圧より低い
と、有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物が溶
融カドミウム相に溶解存在しなくなり、陰極面に溶融カ
ドミウムが析出するなどの不都合が認められ、操作の短
時間化を図り得ても、高純度での精製・回収を再現性良
好に行うのが困難であったのに較べて、本発明方法は実
用面で多くの利点をもたらすものであった。
【0036】本発明に係る溶融塩電解精製方法によれ
ば、前記したように精製・回収処理時間を大幅に短縮で
きるだけでなく、使用済み塩廃棄物の発生量も低減し得
る。すなわち、外側の溶融塩相 25b中には、不要な核分
裂生成物のうちのバリウム,ナトリウム,セシウム,ス
トロンチウムなどが移行せずに、ウランなどの還元・回
収後においてはセリウム,ネオジウムなどのみが塩化物
として残留する。この状態で、たとえばカドミウム−ウ
ラン合金など還元性の溶融金属相を接触させると、セリ
ウム,ネオジウムなどのような核分裂生成物は、前記還
元性の溶融金属相に抽出されるので、前記還元性の溶融
金属を蒸発・除去すれば、セリウム,ネオジウムなどは
少量の廃棄物として処理し得ることになる。つまり、外
側の溶融塩相 25bは廃棄物とならず、内側の溶融塩相 2
5aのみが廃棄物となるので廃棄物量が料(ウラン) 1 t
onの精製・回収処理を行った場合、廃棄物量が69kgであ
ったのに対して、従来の溶融塩電解精製手段(図3,4
参照)による廃棄物量は 160kgであり、排気物量は約1/
2.3 に低減された。なお、前記内側の溶融塩相 25aに残
留しているバリウム,ナトリウム,セシウム,ストロン
チウムなどは、電気泳動法などにより選択的に除去し得
るので、塩を再生して再利用することも可能である。
ば、前記したように精製・回収処理時間を大幅に短縮で
きるだけでなく、使用済み塩廃棄物の発生量も低減し得
る。すなわち、外側の溶融塩相 25b中には、不要な核分
裂生成物のうちのバリウム,ナトリウム,セシウム,ス
トロンチウムなどが移行せずに、ウランなどの還元・回
収後においてはセリウム,ネオジウムなどのみが塩化物
として残留する。この状態で、たとえばカドミウム−ウ
ラン合金など還元性の溶融金属相を接触させると、セリ
ウム,ネオジウムなどのような核分裂生成物は、前記還
元性の溶融金属相に抽出されるので、前記還元性の溶融
金属を蒸発・除去すれば、セリウム,ネオジウムなどは
少量の廃棄物として処理し得ることになる。つまり、外
側の溶融塩相 25bは廃棄物とならず、内側の溶融塩相 2
5aのみが廃棄物となるので廃棄物量が料(ウラン) 1 t
onの精製・回収処理を行った場合、廃棄物量が69kgであ
ったのに対して、従来の溶融塩電解精製手段(図3,4
参照)による廃棄物量は 160kgであり、排気物量は約1/
2.3 に低減された。なお、前記内側の溶融塩相 25aに残
留しているバリウム,ナトリウム,セシウム,ストロン
チウムなどは、電気泳動法などにより選択的に除去し得
るので、塩を再生して再利用することも可能である。
【0037】
【発明の効果】上記説明から分かるように、本発明に係
る溶融塩電解精製法によれば、使用済み核燃料の陽極溶
解の工程、および有用な原子核燃料成分の電析・回収の
工程が同時に進行されるため、再生・精製・回収処理の
操作時間の大幅な短縮を図り得るし、さらに工程におけ
る電解精製電圧は、一つの電源によって同時に行われ、
かつ陽極溶解および陰極析出用の電圧も適正に制御され
て印加されるので、より効率的に高純度の精製・回収を
確実に行い得る。また、不要な核分裂生成物のうち、比
較的多量に発生して溶融塩相の寿命を低減させたり、あ
るいは有用な原子核燃料成分の分離・回収を妨げるセシ
ウム,ストロンチウムなどを電解・析出系から除去し得
るので、効率的に有用な原子核燃料成分を電析・回収す
ることが可能となる。さらに、有用な原子核燃料成分が
析出・回収される領域の溶融塩相中に残存するセリウム
などは、合金溶融体によって抽出・除去できるので、塩
廃棄物の発生量も低減できる。
る溶融塩電解精製法によれば、使用済み核燃料の陽極溶
解の工程、および有用な原子核燃料成分の電析・回収の
工程が同時に進行されるため、再生・精製・回収処理の
操作時間の大幅な短縮を図り得るし、さらに工程におけ
る電解精製電圧は、一つの電源によって同時に行われ、
かつ陽極溶解および陰極析出用の電圧も適正に制御され
て印加されるので、より効率的に高純度の精製・回収を
確実に行い得る。また、不要な核分裂生成物のうち、比
較的多量に発生して溶融塩相の寿命を低減させたり、あ
るいは有用な原子核燃料成分の分離・回収を妨げるセシ
ウム,ストロンチウムなどを電解・析出系から除去し得
るので、効率的に有用な原子核燃料成分を電析・回収す
ることが可能となる。さらに、有用な原子核燃料成分が
析出・回収される領域の溶融塩相中に残存するセリウム
などは、合金溶融体によって抽出・除去できるので、塩
廃棄物の発生量も低減できる。
【図1】本発明に係る溶融塩電解精製法の実施態様例を
模式的に示す断面図。
模式的に示す断面図。
【図2】本発明に係る溶融塩電解精製方法の実施に適す
る装置の要部構成例を示す断面図。
る装置の要部構成例を示す断面図。
【図3】従来の溶融塩電解精製方法の実施に用いられて
いる装置の要部構成を示す断面図。
いる装置の要部構成を示す断面図。
【図4】従来の溶融塩電解精製法の実施に用いる溶融塩
電解精製装置の概略構成を示す断面図。
電解精製装置の概略構成を示す断面図。
1…溶融金属相(下部溶融金属プール領域) 2…溶
融塩相(中間領域) 3…仕切り版 4…金属容器 5,17,29…陽極
(使用済み金属燃料保持手段) 6…陰極 7,8
…電極装着部 9,9′…電圧供給手段 10,15,
26…電解槽 11,36…蓋体 12…補強体 13…加
熱手段 14…外装体 16,28…固体電極 28a…
絶縁性盤 18,35…撹拌機 19,24…溶融金属相
20,25…溶融塩相 25a, 25a…内側(第1)の溶
融塩相領域 25b, 25b…外側(第2)の溶融塩相領域 21a, 21
b,30…電解電圧印加装置 22a, 22b, 32a, 32b
…スイッチ 23,31…使用済み金属燃料 27,27…絶縁性の環状隔壁 33a, 33b…電解電流検
出装置 34…精製・回収成分(陰極析出物) 37
a, 37b, 37c…移送容器 38…ロードセル 39…加熱源 40…保温材(断熱材) 41…基台
融塩相(中間領域) 3…仕切り版 4…金属容器 5,17,29…陽極
(使用済み金属燃料保持手段) 6…陰極 7,8
…電極装着部 9,9′…電圧供給手段 10,15,
26…電解槽 11,36…蓋体 12…補強体 13…加
熱手段 14…外装体 16,28…固体電極 28a…
絶縁性盤 18,35…撹拌機 19,24…溶融金属相
20,25…溶融塩相 25a, 25a…内側(第1)の溶
融塩相領域 25b, 25b…外側(第2)の溶融塩相領域 21a, 21
b,30…電解電圧印加装置 22a, 22b, 32a, 32b
…スイッチ 23,31…使用済み金属燃料 27,27…絶縁性の環状隔壁 33a, 33b…電解電流検
出装置 34…精製・回収成分(陰極析出物) 37
a, 37b, 37c…移送容器 38…ロードセル 39…加熱源 40…保温材(断熱材) 41…基台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 嗣幸 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内
Claims (9)
- 【請求項1】 溶融金属相を共通の底面とし、その溶融
金属相上の電解浴を成す溶融塩相を電気絶縁性の隔壁で
区画し、この区画された一方の溶融塩相中に陰極を,他
方の溶融塩相中に陽極兼用の使用済み金属燃料をそれぞ
れ浸漬し、所要の電解電圧を印加して、使用済み核燃料
の陽極溶解および精製金属燃料の陰極面への電解析出を
行う溶融塩電解精製法において、 前記溶融金属相中の金属燃料成分濃度を0.01重量%以
上、溶融塩相中の金属燃料成分濃度を 0.1重量%以上に
それぞれ設定し、かつ前記溶融塩相を電気絶縁性の環状
隔壁で同心円的に区画し、この区画された外側の溶融塩
相中に陰極を,内側の溶融塩相中に陽極兼用の使用済み
金属燃料をそれぞれ浸漬し、前記陰極に対して溶融金属
相を陽極,使用済み金属燃料に対して溶融金属相を陰極
とし、一つの電圧印加手段で通電し、使用済み金属燃料
の陽極溶解および精製金属燃料の陰極面への電解析出を
同時に行うことを特徴とする溶融塩電解精製法。 - 【請求項2】 請求項1記載の溶融塩電解精製法におい
て、溶融塩相を塩化物,フッ化物もしくはこれらの混合
物で形成することを特徴とする溶融塩電解精製法。 - 【請求項3】 請求項1記載の溶融塩電解精製法におい
て、陽極が使用済み金属燃料棒、もしくは鉄と同等以上
の標準酸化還元電位の貴な金属,合金もしくは酸化物製
のバスケット内に収容した使用済み金属燃料棒の切断片
で構成されていることを特徴とする溶融塩電解精製法。 - 【請求項4】 請求項1記載の溶融塩電解精製法におい
て、陰極が鉄,モリブデン,タンタル,タングステン,
金,白金もしくは黒鉛のいずれかで構成されていること
を特徴とする溶融塩電解精製法。 - 【請求項5】 請求項1記載の溶融塩電解精製法におい
て、陽極の初期電流密度を 0.8A/cm2 以下に設定するこ
とを特徴とする溶融塩電解精製法。 - 【請求項6】 請求項1記載の溶融塩電解精製法におい
て、使用済み金属燃料から溶け出した原子燃料成分の陽
極側溶融塩中の濃度が0.01重量%以上に設定することを
特徴とする溶融塩電解精製法。 - 【請求項7】 請求項1記載の溶融塩電解精製法におい
て、陰極の初期電流密度を0.01A/cm2 〜 1.0A/cm2 に設
定することを特徴とする溶融塩電解精製法。 - 【請求項8】 請求項1記載の溶融塩電解精製法におい
て、溶融金属相と陰極との電極間距離を10mm以上に設定
することを特徴とする溶融塩電解精製法。 - 【請求項9】 請求項1記載の溶融塩電解精製法におい
て、溶融金属相の表面積と陰極の表面積との比を 1/ 1
以上に設定することを特徴とする溶融塩電解精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11042393A JPH06324189A (ja) | 1993-05-12 | 1993-05-12 | 溶融塩電解精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11042393A JPH06324189A (ja) | 1993-05-12 | 1993-05-12 | 溶融塩電解精製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06324189A true JPH06324189A (ja) | 1994-11-25 |
Family
ID=14535387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11042393A Pending JPH06324189A (ja) | 1993-05-12 | 1993-05-12 | 溶融塩電解精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06324189A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2012068109A (ja) * | 2010-09-22 | 2012-04-05 | Toshiba Corp | 使用済核燃料の再処理装置及びその再処理方法 |
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JP2018525624A (ja) * | 2015-07-24 | 2018-09-06 | 中国原子能科学研究院China Institute Of Atomic Energy | ジルコニウム合金燃料を直接得るための使用済み核燃料の乾式再処理方法 |
-
1993
- 1993-05-12 JP JP11042393A patent/JPH06324189A/ja active Pending
Cited By (8)
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JP2018525624A (ja) * | 2015-07-24 | 2018-09-06 | 中国原子能科学研究院China Institute Of Atomic Energy | ジルコニウム合金燃料を直接得るための使用済み核燃料の乾式再処理方法 |
WO2017061267A1 (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社クリア | 高効率乾式再処理用電解槽および電解法 |
JPWO2017061267A1 (ja) * | 2015-10-05 | 2018-07-26 | 株式会社クリア | 高効率乾式再処理用電解槽および電解法 |
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A02 | Decision of refusal |
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