JPH0632409B2 - 電子素子の冷却装置 - Google Patents
電子素子の冷却装置Info
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- JPH0632409B2 JPH0632409B2 JP63283171A JP28317188A JPH0632409B2 JP H0632409 B2 JPH0632409 B2 JP H0632409B2 JP 63283171 A JP63283171 A JP 63283171A JP 28317188 A JP28317188 A JP 28317188A JP H0632409 B2 JPH0632409 B2 JP H0632409B2
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- reservoir
- cooling
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- container
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- 239000003507 refrigerant Substances 0.000 claims 6
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims 5
- 238000009835 boiling Methods 0.000 claims 2
- 238000007654 immersion Methods 0.000 claims 2
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- Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、回路基板に取付けられた冷却を必要とする
集積回路等の複数の電子素子を効率良く冷却する装置に
関するものである。
集積回路等の複数の電子素子を効率良く冷却する装置に
関するものである。
従来の技術 通電使用時に発熱するLSI(Large scaleintegratio
n)等の電子素子は、その集積度の増加とともに各素子
当りの発熱量が増加し、従来の空冷式の冷却方法ではそ
の冷却能力の限界を超えてしまって、充分に冷却しきれ
なくなった。
n)等の電子素子は、その集積度の増加とともに各素子
当りの発熱量が増加し、従来の空冷式の冷却方法ではそ
の冷却能力の限界を超えてしまって、充分に冷却しきれ
なくなった。
また、水冷式の冷却方法としては強制対流方式の冷却方
法もあるが、この冷却方法では、水洩れによる回路のシ
ョート等のトラブルが発生する虞れがあり、また、その
冷却能力を超える大発熱量の素子も使用されるようにな
り、そのため、水冷式よりさらに冷却能力が高く、かつ
ショート等のトラブルの発生しない冷却方法が必要とさ
れるようになってきた。
法もあるが、この冷却方法では、水洩れによる回路のシ
ョート等のトラブルが発生する虞れがあり、また、その
冷却能力を超える大発熱量の素子も使用されるようにな
り、そのため、水冷式よりさらに冷却能力が高く、かつ
ショート等のトラブルの発生しない冷却方法が必要とさ
れるようになってきた。
そこで、高い冷却能力を有する冷却方法として、電気的
絶縁性を備えたフルオロカーボン等の冷媒を用い、この
冷媒中に電子素子を直接浸漬させて沸騰冷却を行なわせ
る冷却方法、すなわち浸漬沸騰冷却法(Immersion cool
ing)が開発されている。
絶縁性を備えたフルオロカーボン等の冷媒を用い、この
冷媒中に電子素子を直接浸漬させて沸騰冷却を行なわせ
る冷却方法、すなわち浸漬沸騰冷却法(Immersion cool
ing)が開発されている。
この浸漬沸騰冷却法は、被冷却物である発熱体を、冷却
する目標温度以下の温度で沸騰する冷媒中に浸漬し、冷
媒が発熱体の表面に直接接触して熱を奪ってこれを冷却
するとともに、発熱体が冷媒の沸点まで加熱した際に、
先ず、自然対流条件で起るいわゆるプール沸騰伝熱で冷
却を行ない、また、プール沸騰伝熱で冷却しきれずに発
熱体がさらに加熱されて冷媒との温度差が大きくなる
と、発熱体の表面で冷媒が核沸騰して気泡を生じ、この
気泡が発熱体の表面を離れて浮上する際の撹乱効果で大
きな伝熱を生じさせるいわゆる核沸騰伝熱によって発熱
体の冷却を効果的に行なうもので、発熱体の熱で冷媒を
沸騰させることにより、この発熱体の温度を一定の温度
以下に保持して、それ以上高温とならないようにする冷
却方法である。
する目標温度以下の温度で沸騰する冷媒中に浸漬し、冷
媒が発熱体の表面に直接接触して熱を奪ってこれを冷却
するとともに、発熱体が冷媒の沸点まで加熱した際に、
先ず、自然対流条件で起るいわゆるプール沸騰伝熱で冷
却を行ない、また、プール沸騰伝熱で冷却しきれずに発
熱体がさらに加熱されて冷媒との温度差が大きくなる
と、発熱体の表面で冷媒が核沸騰して気泡を生じ、この
気泡が発熱体の表面を離れて浮上する際の撹乱効果で大
きな伝熱を生じさせるいわゆる核沸騰伝熱によって発熱
体の冷却を効果的に行なうもので、発熱体の熱で冷媒を
沸騰させることにより、この発熱体の温度を一定の温度
以下に保持して、それ以上高温とならないようにする冷
却方法である。
また、浸漬沸騰冷却法よりさらに冷却効率の高い冷却方
法として降下液膜法が提案されている。この降下液膜法
は、冷却液が膜状となって被冷却体の表面を包むように
流れ落ちるようにして冷却する方法で、例えば第3図に
示す電子素子の冷却装置のように、密閉された容器1の
上部に凝縮器2を配設するとともに、容器内中段にリザ
ーバ3を設け、このリザーバ3の底部に、リザーバ3内
に溜めた電気絶縁性を有する冷却液Rを、容器1内の底
部へ流す複数の流下管4がほぼ垂直に設けられ、これら
各流下管4の管壁の一部を構成するように回路基板5が
それぞれ配設されている。また前記容器1の底部とリザ
ーバ3との間にはポンプ6を介設した循環配管7が設け
られている。
法として降下液膜法が提案されている。この降下液膜法
は、冷却液が膜状となって被冷却体の表面を包むように
流れ落ちるようにして冷却する方法で、例えば第3図に
示す電子素子の冷却装置のように、密閉された容器1の
上部に凝縮器2を配設するとともに、容器内中段にリザ
ーバ3を設け、このリザーバ3の底部に、リザーバ3内
に溜めた電気絶縁性を有する冷却液Rを、容器1内の底
部へ流す複数の流下管4がほぼ垂直に設けられ、これら
各流下管4の管壁の一部を構成するように回路基板5が
それぞれ配設されている。また前記容器1の底部とリザ
ーバ3との間にはポンプ6を介設した循環配管7が設け
られている。
このように構成することにより、リザーバ3内に溜めら
れた冷却液Rを、各流下管4内を流下させると、流下す
る冷却液Rは、流下管4の管壁の一部を構成している回
路基板5に取付けられた複数の電子素子5aの表面を膜
状となって流れ落ちる際に、発熱している電子素子5a
から熱を奪って効率よく冷却する。そして、各流下管4
内を流下した冷却液Rは、容器1内の底部に溜り、ポン
プ6により循環配管7を介してリザーバ3内に戻され
る。
れた冷却液Rを、各流下管4内を流下させると、流下す
る冷却液Rは、流下管4の管壁の一部を構成している回
路基板5に取付けられた複数の電子素子5aの表面を膜
状となって流れ落ちる際に、発熱している電子素子5a
から熱を奪って効率よく冷却する。そして、各流下管4
内を流下した冷却液Rは、容器1内の底部に溜り、ポン
プ6により循環配管7を介してリザーバ3内に戻され
る。
また、容器1の底部に溜った冷却液Rのうちの一部は、
蒸発して容器1内を上方に移動し、凝縮器2により熱を
奪われ、凝縮して液相の冷却液に戻ってリザーバ3内に
滴下し集液される。なお、符号8はオーバフロー管であ
る。
蒸発して容器1内を上方に移動し、凝縮器2により熱を
奪われ、凝縮して液相の冷却液に戻ってリザーバ3内に
滴下し集液される。なお、符号8はオーバフロー管であ
る。
発明が解決しようとする課題 しかし、前記冷却装置の場合のように、従来の降下液膜
法により、回路基板に取付けられた複数の電子素子の冷
却を行なう場合には、各電子素子5aをそれぞれ冷却
し、流下して底部に溜った冷却液を再びリザーバ3内に
戻す手段として、ポンプ6および循環配管7を使用する
ため、このポンプ6および循環配管7を配設するスペー
スが必要であるとともに、ポンプを駆動するための電力
が必要とされるという問題があった。
法により、回路基板に取付けられた複数の電子素子の冷
却を行なう場合には、各電子素子5aをそれぞれ冷却
し、流下して底部に溜った冷却液を再びリザーバ3内に
戻す手段として、ポンプ6および循環配管7を使用する
ため、このポンプ6および循環配管7を配設するスペー
スが必要であるとともに、ポンプを駆動するための電力
が必要とされるという問題があった。
この発明は上記した技術的背景の下になされたもので、
高い冷却性能を有するとともに、冷却液を上方のリザー
バへ汲み上げるのに、ポンプ等の動力を必要としない降
下液膜法による電子素子の冷却装置を提供することを目
的としている。
高い冷却性能を有するとともに、冷却液を上方のリザー
バへ汲み上げるのに、ポンプ等の動力を必要としない降
下液膜法による電子素子の冷却装置を提供することを目
的としている。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するための手段としてこの発明の電子素
子の冷却装置は、密閉された容器内の下部を冷媒の貯留
部とし、この容器内の上部に熱を外部に奪う凝縮器を設
け、貯留部に貯留された冷媒中に冷却を必要とする電子
素子を取付けた回路基板を浸漬沸騰冷却されるように配
設するとともに、前記凝縮器の下方でかつ前記貯留部の
上方に凝縮されて滴下する冷媒を集液するリザーバを設
け、さらに、リザーバの底部に前記貯留部に冷媒を戻す
液戻し管を、その管壁の一部もしくは全部を回路基板で
構成して管内を流下する冷媒によって回路基板に取付け
られた電子素子が降下液膜冷却されるように配設したこ
とを特徴としている。
子の冷却装置は、密閉された容器内の下部を冷媒の貯留
部とし、この容器内の上部に熱を外部に奪う凝縮器を設
け、貯留部に貯留された冷媒中に冷却を必要とする電子
素子を取付けた回路基板を浸漬沸騰冷却されるように配
設するとともに、前記凝縮器の下方でかつ前記貯留部の
上方に凝縮されて滴下する冷媒を集液するリザーバを設
け、さらに、リザーバの底部に前記貯留部に冷媒を戻す
液戻し管を、その管壁の一部もしくは全部を回路基板で
構成して管内を流下する冷媒によって回路基板に取付け
られた電子素子が降下液膜冷却されるように配設したこ
とを特徴としている。
作用 容器内の底部に貯留された冷媒中に配設された回路基板
に取付けられた複数の電子素子が発熱すると、これら電
子素子が浸漬沸騰冷却され、冷媒は電子素子から奪った
熱により蒸発し、蒸気となって容器内を上方に移動す
る。そして、上部の凝縮器により熱を奪われた冷媒の蒸
気は、凝縮して液相の冷媒に戻ってリザーバ内に滴下
し、リザーバに集液された冷媒は、リザーバの底部に接
続された液戻し管を介して容器下部に流下する。このと
き、液戻し管内を流下する冷媒は、液戻し管の管壁の一
部を構成している回路基板に搭載された複数の電子素子
の表面を包む液膜状となって流れ、各電子素子の熱を奪
って冷却する。また、液戻し管内を流下した冷媒は、容
器内下部の冷媒溜りに流入し、この冷媒溜り中に浸漬さ
れた回路基板を電子素子を浸漬沸騰冷却し、再び沸騰し
て蒸発することを繰返す。ここで、容器内上方のリザー
バから容器内下部の冷媒溜りに流下した液相の冷媒は、
その冷媒溜り内において電子素子から熱を受けて沸騰・
蒸発し、この蒸気が凝縮器によって凝縮されて再び液相
となってリザーバ内へ滴下することによって、リザーバ
へ戻されることになる。すなわち、容器内下部の冷媒溜
りにおいて電子素子から与えられる熱が動力源となって
リザーバへ冷媒を戻すことになる。したがって従来の一
般的な降下液膜冷却装置の場合と異なり、冷媒溜りから
リザーバへ冷媒を戻すための外部動力(ポンプ等)を特
に必要としない。
に取付けられた複数の電子素子が発熱すると、これら電
子素子が浸漬沸騰冷却され、冷媒は電子素子から奪った
熱により蒸発し、蒸気となって容器内を上方に移動す
る。そして、上部の凝縮器により熱を奪われた冷媒の蒸
気は、凝縮して液相の冷媒に戻ってリザーバ内に滴下
し、リザーバに集液された冷媒は、リザーバの底部に接
続された液戻し管を介して容器下部に流下する。このと
き、液戻し管内を流下する冷媒は、液戻し管の管壁の一
部を構成している回路基板に搭載された複数の電子素子
の表面を包む液膜状となって流れ、各電子素子の熱を奪
って冷却する。また、液戻し管内を流下した冷媒は、容
器内下部の冷媒溜りに流入し、この冷媒溜り中に浸漬さ
れた回路基板を電子素子を浸漬沸騰冷却し、再び沸騰し
て蒸発することを繰返す。ここで、容器内上方のリザー
バから容器内下部の冷媒溜りに流下した液相の冷媒は、
その冷媒溜り内において電子素子から熱を受けて沸騰・
蒸発し、この蒸気が凝縮器によって凝縮されて再び液相
となってリザーバ内へ滴下することによって、リザーバ
へ戻されることになる。すなわち、容器内下部の冷媒溜
りにおいて電子素子から与えられる熱が動力源となって
リザーバへ冷媒を戻すことになる。したがって従来の一
般的な降下液膜冷却装置の場合と異なり、冷媒溜りから
リザーバへ冷媒を戻すための外部動力(ポンプ等)を特
に必要としない。
実施例 以下、この発明の電子素子の冷却装置の一実施例を第1
図および第2図に基づいて説明する。
図および第2図に基づいて説明する。
密閉された箱形の容器11は、その内部上方に凝縮器1
2が設けられるとともに、この凝縮器12の下方の容器
11の中段には、リザーバ13が設けられている。この
リザーバ13は断面コ字形を呈しており、容器11の幅
方向(第1図において左右方向)両側に蒸気通路となる
空間をそれぞれ残した状態に、容器11の奥行方向(第
2図において上下方向)の対向する壁面間に架け渡され
て、液密な受け皿状に設けられ、この容器11内の下部
には、フルオロカーボン等の電気絶縁性を有するととも
に凝縮性の冷媒Rが貯留されている。また、この容器1
1の底部11aの一部には、発熱量の大きな複数のLS
I14aが搭載された回路基板14が、LSI14aを
搭載した面が容器11内となるように嵌込まれて底板の
一部を構成している、そして回路基板14は各LSI1
4aが機能するように電気的に接続されるとともに、こ
れらのLSI14aは、貯留されている冷媒R中におい
て浸漬沸騰冷却されるようになっている。
2が設けられるとともに、この凝縮器12の下方の容器
11の中段には、リザーバ13が設けられている。この
リザーバ13は断面コ字形を呈しており、容器11の幅
方向(第1図において左右方向)両側に蒸気通路となる
空間をそれぞれ残した状態に、容器11の奥行方向(第
2図において上下方向)の対向する壁面間に架け渡され
て、液密な受け皿状に設けられ、この容器11内の下部
には、フルオロカーボン等の電気絶縁性を有するととも
に凝縮性の冷媒Rが貯留されている。また、この容器1
1の底部11aの一部には、発熱量の大きな複数のLS
I14aが搭載された回路基板14が、LSI14aを
搭載した面が容器11内となるように嵌込まれて底板の
一部を構成している、そして回路基板14は各LSI1
4aが機能するように電気的に接続されるとともに、こ
れらのLSI14aは、貯留されている冷媒R中におい
て浸漬沸騰冷却されるようになっている。
また、前記リザーバ13の底部13aには、4本のスリ
ット13bが、ほぼ等間隔でかつ容器11の奥行方向の
内法寸法いっぱいの長さに形成され、各スリット13b
の下方には、底部13aの下面に液密に接続するととも
に、奥行方向の内法寸法と同じ幅の2枚の板材を、スリ
ット13bの幅だけ互いに離隔してそれぞれほぼ垂直に
設けられ、さらにそれぞれの両側端を容器11の奥行方
向の対向する両壁面に液密に当接して、断面矩形の4本
の液戻し管15が形成されている。また、前記各スリッ
ト13bの間隙幅および各液戻し管15の管壁の間隔
は、液戻し管15内を流下する際の冷媒が、厚み約0.
5mm程度の液膜状となって流れ落ちるように設定されて
いる。さらに、各液戻し管15は、それぞれの下部を容
器下部に貯留された冷媒Rの液面下となる高さにおいて
合流管16にそれぞれ液密に接続され、この合流管16
はほぼ水平に配設されるとともに、その端部は液面下で
かつ容器11の中心から外れた容器11の側壁の近傍に
おいて、底部11aに向けて開口している。
ット13bが、ほぼ等間隔でかつ容器11の奥行方向の
内法寸法いっぱいの長さに形成され、各スリット13b
の下方には、底部13aの下面に液密に接続するととも
に、奥行方向の内法寸法と同じ幅の2枚の板材を、スリ
ット13bの幅だけ互いに離隔してそれぞれほぼ垂直に
設けられ、さらにそれぞれの両側端を容器11の奥行方
向の対向する両壁面に液密に当接して、断面矩形の4本
の液戻し管15が形成されている。また、前記各スリッ
ト13bの間隙幅および各液戻し管15の管壁の間隔
は、液戻し管15内を流下する際の冷媒が、厚み約0.
5mm程度の液膜状となって流れ落ちるように設定されて
いる。さらに、各液戻し管15は、それぞれの下部を容
器下部に貯留された冷媒Rの液面下となる高さにおいて
合流管16にそれぞれ液密に接続され、この合流管16
はほぼ水平に配設されるとともに、その端部は液面下で
かつ容器11の中心から外れた容器11の側壁の近傍に
おいて、底部11aに向けて開口している。
そして、前記各液戻し管15の下部に貯留された冷媒R
の液面より上の部分には、冷却を必要とする複数のLS
I17aを搭載した回路基板17が、LSI17aを搭
載した面を管内に臨ませた状態で、各液戻し管15の一
方の管壁の一部を構成するように設けられており、そし
て前記各回路基板17はそれぞれ機能するように電気的
に接続されるとともに、各LSI17aが、リザーバ1
3より各液戻し管15内を流下する冷媒Rの降下液膜法
により冷却されるようになっている。
の液面より上の部分には、冷却を必要とする複数のLS
I17aを搭載した回路基板17が、LSI17aを搭
載した面を管内に臨ませた状態で、各液戻し管15の一
方の管壁の一部を構成するように設けられており、そし
て前記各回路基板17はそれぞれ機能するように電気的
に接続されるとともに、各LSI17aが、リザーバ1
3より各液戻し管15内を流下する冷媒Rの降下液膜法
により冷却されるようになっている。
次に、この実施例の作用を説明する。
容器11内の下部に貯留された冷媒R中に浸漬されて浸
漬沸騰冷却法により冷却が行なわれる回路基板14は、
通電されて各LSI4aが発熱すると、冷媒Rが発熱し
た各LSI14aの表面から熱を奪って冷却し、奪った
熱によって冷媒Rの温度が上昇して沸点まで昇温する
と、冷媒Rが沸騰して液面から蒸発することにより熱を
放散し、自然対流条件で起きるプール沸騰伝熱によっ
て、発熱している各LSI14aを冷却する。
漬沸騰冷却法により冷却が行なわれる回路基板14は、
通電されて各LSI4aが発熱すると、冷媒Rが発熱し
た各LSI14aの表面から熱を奪って冷却し、奪った
熱によって冷媒Rの温度が上昇して沸点まで昇温する
と、冷媒Rが沸騰して液面から蒸発することにより熱を
放散し、自然対流条件で起きるプール沸騰伝熱によっ
て、発熱している各LSI14aを冷却する。
また、各LSI14aの発熱量が増加して、プール沸騰
伝熱による冷却能力を超え、各LSI14aがさらに高
温となると、冷媒Rと接触している各LSI14aの表
面で核沸騰が起って大量の蒸気の気泡を発生する。発生
した気泡が表面を離れて浮上する際の撹乱効果で大きな
伝熱を生じさせる核沸騰伝熱によって各LSI14aを
効果的に冷却する。そして、発生した大量の蒸気は、液
面上の空間に移動して凝縮器12により熱を奪われ、凝
縮して液相に戻るとともにリザーバ13内に滴下して集
液される。なお、前記凝縮器12は冷媒Rの蒸気から奪
った熱を機器の外部あるいは屋外に運んで放出する。
伝熱による冷却能力を超え、各LSI14aがさらに高
温となると、冷媒Rと接触している各LSI14aの表
面で核沸騰が起って大量の蒸気の気泡を発生する。発生
した気泡が表面を離れて浮上する際の撹乱効果で大きな
伝熱を生じさせる核沸騰伝熱によって各LSI14aを
効果的に冷却する。そして、発生した大量の蒸気は、液
面上の空間に移動して凝縮器12により熱を奪われ、凝
縮して液相に戻るとともにリザーバ13内に滴下して集
液される。なお、前記凝縮器12は冷媒Rの蒸気から奪
った熱を機器の外部あるいは屋外に運んで放出する。
そして、リザーバ13内に溜った液相の冷媒Rは、底部
13aに形成された各スリット13bから液戻し管15
内に流入して各管内をそれぞれ流下する。このとき、流
下する冷媒Rは、各液戻し管15の管壁の一部を構成し
ている回路基板17の各LSI17aの表面を覆い包む
ように液膜状となって流れ、各LSI17aの熱を奪っ
て、いわゆる降下液膜法により冷却が行なわれる。特
に、この実施例においては、凝縮機12により凝縮され
た冷媒Rのみがリザーバ13に集液されて降下液膜冷却
に使用されるため、従来の降下液膜法による冷却の場合
のように、降下液膜冷却に一旦使用されて昇温した冷媒
をリザーバへ汲み上げて再使用する場合と違って、発熱
する被冷却体の表面を常に低温の冷媒が流下して冷却が
行なわれるため、冷却効率がさらに高い。
13aに形成された各スリット13bから液戻し管15
内に流入して各管内をそれぞれ流下する。このとき、流
下する冷媒Rは、各液戻し管15の管壁の一部を構成し
ている回路基板17の各LSI17aの表面を覆い包む
ように液膜状となって流れ、各LSI17aの熱を奪っ
て、いわゆる降下液膜法により冷却が行なわれる。特
に、この実施例においては、凝縮機12により凝縮され
た冷媒Rのみがリザーバ13に集液されて降下液膜冷却
に使用されるため、従来の降下液膜法による冷却の場合
のように、降下液膜冷却に一旦使用されて昇温した冷媒
をリザーバへ汲み上げて再使用する場合と違って、発熱
する被冷却体の表面を常に低温の冷媒が流下して冷却が
行なわれるため、冷却効率がさらに高い。
流下する際に各LSI17aから熱を奪って昇温した冷
媒Rは、各液戻し管15の下部をそれぞれ接続した1本
の合流管16に流れ込み、容器11の中心から外れた側
壁近傍から、容器下部に貯留された冷媒R中に、底部1
1a方向に向けて放流される。このように、液戻し管1
5内を流下した冷媒を合流管16に合流させた後、容器
11の側壁近傍において冷媒R中に放流させることによ
り、液戻し管15から放流される冷媒Rが、容器下部に
貯留された冷媒R中において浸漬沸騰冷却法で冷却され
ている回路基板14の各LSI14aの表面で発生した
蒸気の気泡の円滑な浮上を阻害しないようになってい
る。
媒Rは、各液戻し管15の下部をそれぞれ接続した1本
の合流管16に流れ込み、容器11の中心から外れた側
壁近傍から、容器下部に貯留された冷媒R中に、底部1
1a方向に向けて放流される。このように、液戻し管1
5内を流下した冷媒を合流管16に合流させた後、容器
11の側壁近傍において冷媒R中に放流させることによ
り、液戻し管15から放流される冷媒Rが、容器下部に
貯留された冷媒R中において浸漬沸騰冷却法で冷却され
ている回路基板14の各LSI14aの表面で発生した
蒸気の気泡の円滑な浮上を阻害しないようになってい
る。
発明の効果 以上説明したようにこの発明の電子素子の冷却装置は、
上部に凝縮器を設けた密閉容器内の底部に冷媒を貯留
し、この冷媒中に電子素子を取付けた回路基板を配置し
て浸漬沸騰冷却を行ない、容器下部に貯留された冷媒を
積極的に蒸発させて容器上方に移動させるとともに凝縮
器により凝縮してリザーバに集液し、このリザーバに集
液された冷媒を、液戻し管内を流下させて、その管壁の
一部を構成している回路基板に取付けられた電子素子を
降下液膜法により冷却させるようにしたので、凝縮器で
凝縮されてリザーバに集液された常に低温な冷媒により
降下液膜法による冷却が行なわれるため、従来の降下液
膜法による冷却装置と比べて、より高い冷却能力が得ら
れるとともに、容器下部に貯留された冷媒を上方のリザ
ーバへ汲み上げるためのポンプおよび配管が不要とな
り、コストダウンおよび装置の小型化が可能となり、ま
た省エネルギー化が図れる等の効果を有する。
上部に凝縮器を設けた密閉容器内の底部に冷媒を貯留
し、この冷媒中に電子素子を取付けた回路基板を配置し
て浸漬沸騰冷却を行ない、容器下部に貯留された冷媒を
積極的に蒸発させて容器上方に移動させるとともに凝縮
器により凝縮してリザーバに集液し、このリザーバに集
液された冷媒を、液戻し管内を流下させて、その管壁の
一部を構成している回路基板に取付けられた電子素子を
降下液膜法により冷却させるようにしたので、凝縮器で
凝縮されてリザーバに集液された常に低温な冷媒により
降下液膜法による冷却が行なわれるため、従来の降下液
膜法による冷却装置と比べて、より高い冷却能力が得ら
れるとともに、容器下部に貯留された冷媒を上方のリザ
ーバへ汲み上げるためのポンプおよび配管が不要とな
り、コストダウンおよび装置の小型化が可能となり、ま
た省エネルギー化が図れる等の効果を有する。
第1図および第2図はこの発明の一実施例を示すもの
で、第1図は電子冷却装置の縦断面図、第2図は第1図
のII−II線断面図、第3図は従来の降下液膜法による電
子素子の冷却装置の断面図である。 11…容器、11a…底部、12…凝縮器、13…リザ
ーバ、13a…底部、13b…スリット、14,17…
回路基板、14a,17a…LSI、15…液戻し管、
16…合流管、R…冷媒。
で、第1図は電子冷却装置の縦断面図、第2図は第1図
のII−II線断面図、第3図は従来の降下液膜法による電
子素子の冷却装置の断面図である。 11…容器、11a…底部、12…凝縮器、13…リザ
ーバ、13a…底部、13b…スリット、14,17…
回路基板、14a,17a…LSI、15…液戻し管、
16…合流管、R…冷媒。
フロントページの続き (72)発明者 置鮎 隆一 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 望月 正孝 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 アンソニー エフ マトーク アメリカ合衆国、カルフォルニア州、ロス アルトス、ウィリアム ヘンリー コー ト、1700 (72)発明者 ジョーン シー ハンシカー アメリカ合衆国、カルフォルニア州、モル ガン ヒル、ピント コート、2520 (56)参考文献 特開 昭50−26142(JP,A) 特開 昭59−129577(JP,A) 特開 昭49−92549(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】密閉された容器内の下部を冷媒の貯留部と
し、この容器内の上部に熱を外部に奪う凝縮器を設け、
貯留部に貯留された冷媒中に冷却を必要とする電子素子
を取付けた回路基板を浸漬沸騰冷却されるように配設す
るとともに、前記凝縮器の下方でかつ前記貯留部の上方
に凝縮されて滴下する冷媒を集液するリザーバを設け、
さらに、リザーバの底部に前記貯留部に冷媒を戻す液戻
し管を、その管壁の一部もしくは全部を回路基板で構成
して管内を流下する冷媒によって回路基板に取付けられ
た電子素子が降下液膜冷却されるように配設したことを
特徴とする電子素子の冷却装置。 - 【請求項2】前記液戻し管を複数本備えるとともに、こ
れら複数本の液戻し管の各下端が、開口端を貯留部の冷
媒の液面下でかつ浸漬沸騰冷却されている回路基板の上
方から外れた位置に配設した合流管に接続されているこ
とを特徴とする請求項1記載の電子素子の冷却装置。 - 【請求項3】前記液戻し管が、密閉された容器内の雰囲
気から断熱されていることを特徴とする請求項1または
2記載の電子素子の冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63283171A JPH0632409B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | 電子素子の冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63283171A JPH0632409B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | 電子素子の冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02129999A JPH02129999A (ja) | 1990-05-18 |
JPH0632409B2 true JPH0632409B2 (ja) | 1994-04-27 |
Family
ID=17662091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63283171A Expired - Lifetime JPH0632409B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | 電子素子の冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0632409B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020209138A1 (ja) * | 2019-04-11 | 2020-10-15 | 古河電気工業株式会社 | 冷却装置 |
JP2021042896A (ja) * | 2019-09-10 | 2021-03-18 | 古河電気工業株式会社 | 冷却装置および冷却装置を用いた冷却システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008117436A1 (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-02 | Fujitsu Limited | 冷却システム |
WO2018179162A1 (ja) * | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 日本電気株式会社 | 冷却装置 |
US11064631B2 (en) | 2017-07-05 | 2021-07-13 | Fujitsu Limited | Liquid immersion cooling device and information processing apparatus |
JP7003491B2 (ja) * | 2017-07-05 | 2022-01-20 | 富士通株式会社 | 液浸冷却装置及び情報処理装置 |
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JPS5111330B2 (ja) * | 1973-07-11 | 1976-04-10 | ||
JPS59129577A (ja) * | 1983-01-13 | 1984-07-25 | Mitsubishi Electric Corp | 電気機器の冷却装置 |
-
1988
- 1988-11-09 JP JP63283171A patent/JPH0632409B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2020173072A (ja) * | 2019-04-11 | 2020-10-22 | 古河電気工業株式会社 | 冷却装置 |
US11337336B2 (en) | 2019-04-11 | 2022-05-17 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Cooling device |
TWI768320B (zh) * | 2019-04-11 | 2022-06-21 | 日商古河電氣工業股份有限公司 | 冷卻裝置 |
JP2021042896A (ja) * | 2019-09-10 | 2021-03-18 | 古河電気工業株式会社 | 冷却装置および冷却装置を用いた冷却システム |
WO2021049096A1 (ja) * | 2019-09-10 | 2021-03-18 | 古河電気工業株式会社 | 冷却装置および冷却装置を用いた冷却システム |
US12058841B2 (en) | 2019-09-10 | 2024-08-06 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Cooling device and cooling system using cooling device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02129999A (ja) | 1990-05-18 |
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