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JPH0630771A - バクテリアルトランスグルタミナーゼの製造法及び関連物 - Google Patents

バクテリアルトランスグルタミナーゼの製造法及び関連物

Info

Publication number
JPH0630771A
JPH0630771A JP18703892A JP18703892A JPH0630771A JP H0630771 A JPH0630771 A JP H0630771A JP 18703892 A JP18703892 A JP 18703892A JP 18703892 A JP18703892 A JP 18703892A JP H0630771 A JPH0630771 A JP H0630771A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
fusion protein
btg
gly
ala
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18703892A
Other languages
English (en)
Inventor
Misako Kawai
美佐子 河合
Shino Takehana
志乃 竹鼻
Hiroshi Takagi
博史 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP18703892A priority Critical patent/JPH0630771A/ja
Publication of JPH0630771A publication Critical patent/JPH0630771A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大腸菌等の微生物を用いて、バクテリアルト
ランスグルタミナーゼを大量に生産させる。 【構成】 バクテリアトランスグルタミナーゼと、この
バクテリアトランスグルタミナーゼのアミノ末端側にあ
って親水性であるペプチドとを含む融合タンパクを発現
するプラスミドを保持する大腸菌を培養することによ
り、菌体内に不活性封入体としてバクテリアトランスグ
ルタミナーゼ融合タンパクを生産させ、菌体からこの封
入体を回収し、この封入体を変性剤を用いて可溶化した
後、変性剤を除去することにより、トランスグルタミナ
ーゼ活性を有する融合タンパクを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バクテリアルトランス
グルタミナーゼの製造法及び関連物に関し、詳しくは、
エシェリキア・コリ(大腸菌)により生産される不活性
なタンパク封入体から効率よく活性を持つタンパクに再
生させることによりトランスグルタミナーゼを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トランスグルタミナーゼは、タンパクの
ペプチド鎖内にあるGln残基のγ−カルボキシアミド基
のアシル転移を触媒する酵素である。本酵素をタンパク
に作用させると、ε−(γ−Gln)−Lys架橋形成反応、Gl
nの脱アミド化によるGluへの置換反応が起こりうる。
【0003】このトランスグルタミナーゼは、ゼリー等
のゲル状食品、ヨーグルト、チーズ、あるいはゲル状化
粧料などの製造や食肉の肉質改善等に利用されている
(例えば、特公平1-50382号公報)。また、熱に安定な
マイクロカプセルの素材、固定化酵素の担体などの製造
に利用されているなど、産業上利用性の高い酵素であ
る。
【0004】トランスグルタミナーゼは、これまで、動
物由来のものとバクテリア由来のもの(バクテリアルト
ランスグルタミナーゼ:以下、「BTG」という。)に
ついてその一次構造が判明している。
【0005】前者は、カルシウムイオン依存性の酵素で
あり、動物の臓器、皮膚、血液などに分布している。そ
の例としては、モルモット肝トランスグルタミナーゼ
(K. Ikura et al. Biochiemistry 27, 2898(198
8))、ヒト表皮ケラチン細胞トランスグルタミナーゼ
(M. A. Phillips et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA
87 9333 (1990))、ヒト血液凝固因子XIII(A. Ichino
se et al. Biochemistry 25 6900(1990))などがあ
り、モルモット肝トランスグルタミナーゼについては、
大腸菌においての発現生産の報告がある(伊倉宏司ら,
昭和63年日本農芸化学会大会要旨集, p62)。
【0006】後者については、ストレプトベルチシリウ
ム属の菌から、カルシウムイオン非依存性のものが発見
されている。その例としては、ストレプトベルチシリウ
ム・グリセオカルネウム(Streptoverticillium griseo
carneum)IFO 12776、ストレプトベルチシリウム・シナ
モネウム・サブ・エスピー・シナモネウム(Streptover
ticillium cinnamoneum sub sp. cinnamoneum)IFO 128
52、ストレプトベルチシリウム・モバラエンス(Strept
overticillium mobaraense)IFO 13819等が挙げられて
いる(特開昭64-27471)。
【0007】これらのバクテリアが生産するトランスグ
ルタミナーゼの一次構造は、ペプチドマッピング及び遺
伝子構造解析の結果、動物由来のものとは相同性を全く
持たないことが判明している(ヨーロッパ特許公開公報
0 481 504 A1)。
【0008】ところで、従来、トランスグルタミナーゼ
は上記動物や菌類等から製造されていたため、供給量、
効率等の点で問題があった。そのために、本願発明者ら
のグループにより、遺伝子工学的手法によるBTGの生
産をめざして、例えば、大腸菌において、直接発現、ペ
リプラスムへの分泌発現等が試みられている(ヨーロッ
パ特許公開公報 0 481 504 A1)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように、BTGは、カルシウムイオン非依存性である
ので、大腸菌等の微生物で生産させると、菌体の生育に
必要なタンパクに本酵素が作用するため致死的になった
り、生産量が低くなるなどの問題があった。
【0010】したがって、遺伝子組換えにより生産され
るBTGを工業的に利用するためには、生産量を増大さ
せることが望まれる。本発明は、上記観点からなされた
ものであり、大腸菌等の微生物を用いて、BTGを大量
に生産させることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、強力なプロモータの一つであるtrc
ロモータの制御下、BTGを不活性なタンパク封入体と
して大量発現させようと試みたが、BTGの微量の発現
がみられたに過ぎず、形質転換体が致死的になった(後
述比較例参照)。
【0012】そこで、これらの問題を克服するために鋭
意研究を行った結果、大腸菌でBTGを不活性融合タン
パク封入体として生産、蓄積させた後、この封入体をタ
ンパク変性剤で可溶化し、脱変性剤過程を経て活性再生
させることにより、トランスグルタミナーゼ活性を持つ
タンパクを大量生産することができることを見出し、本
発明に至った。
【0013】すなわち本発明は、バクテリアルトランス
グルタミナーゼとこのバクテリアルトランスグルタミナ
ーゼのアミノ末端側にあって親水性であるペプチドとを
含む融合タンパク、この融合タンパクをコードするDN
A配列、このDNA配列と大腸菌で発現可能なプロモー
ターとを有するプラスミド、このプラスミドを保持する
大腸菌、及びこの大腸菌を培養することにより菌体内に
不活性封入体としてバクテリアルトランスグルタミナー
ゼ融合タンパクを生産させ、菌体からこの封入体を回収
し、この封入体を変性剤を用いて可溶化した後、変性剤
を除去することにより、トランスグルタミナーゼ活性を
有する融合タンパクを得ることを特徴とするバクテリア
ルトランスグルタミナーゼの製造法である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。一般的
に、タンパクを大腸菌等の微生物で大量生産させると、
そのタンパクが会合し、タンパクの封入体を形成する場
合が多い。この発現生産方法は、目的のタンパクを菌体
内のプロテアーゼによる消化から保護する、あるいは、
菌体破砕に続く遠心分離で簡単に精製できる等の利点が
ある。
【0015】このようにして得られるタンパク封入体
は、タンパク変性剤により可溶化され、主にその変性剤
を除去することによる活性再生操作を経た後、正しく折
り畳まれた生理的に活性なタンパクに変換させることが
できる。例えば、ヒトインターロイキン−2の活性再生
(特開昭61-257931号)等多くの例がある。
【0016】タンパク封入体から活性型タンパクを得る
ためには、可溶化・活性再生等の一連の操作が必要であ
り、直接活性型タンパクを生産させるよりも操作が複雑
になる。しかし、菌体の生育に影響を及ぼすようなタン
パクを発現生産させる場合は、不活性なタンパク封入体
として菌体内に蓄積させることにより、その影響を抑え
ることができる。
【0017】このように、目的タンパクを封入体として
大量生産させる方法として、強力なプロモータの制御
下、目的のタンパクを単独で発現させる方法の他、大量
発現することが知られているタンパクとの融合タンパク
として発現させる方法がある。
【0018】さらに、融合タンパクとして発現させた後
に、目的のタンパクを切り出すため、制限プロテアーゼ
の認識配列を適当な位置に配しておくことも有効であ
る。かかる観点から、本発明のBTG製造法は、大腸菌
で不活性融合タンパク封入体としてBTGを大量発現さ
せ、これを活性体へと効率よく再生させることからな
る。以下に、本発明を分説する。
【0019】<1>BTG融合タンパク発現系 はじめに、大腸菌でBTGを不活性融合タンパク封入体
として生産させる発現系を説明する。
【0020】本発明に用いるBTG遺伝子として特に制
限はないが、ストレプトベルチシリウム属の放線菌のB
TG遺伝子が挙げられる。この遺伝子を有し、大腸菌の
ペリプラズムへの分泌生産を行うプラスミドpOMPA-BTG
(ヨーロッパ特許公開公報 0481 504 A1:図1)を保持
する大腸菌は、工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
されている(FERM BP-3558)。BTG遺伝子は、このプ
ラスミドから、EcoRIとBamHIで切断することにより回収
することができる。
【0021】尚、上記プラスミド中のBTG遺伝子は、
ストレプトベルチシリウム属菌より精製されたBTGの
アミノ酸配列をもとに、大腸菌や酵母のコドン使用頻度
に合わせて合成されたものであり、大腸菌のompAのシグ
ナルペプチドをコードする配列の下流に連結されてい
る。
【0022】上記BTG遺伝子を発現させるプロモータ
としては、通常大腸菌における異種タンパク生産に用い
られるプロモータを使用することができ、例えば、T7プ
ロモータ、trpプロモータ、lacプロモータ、tacプロモ
ータ、PLプロモータ等の強力なプロモータが挙げられ
る。
【0023】BTGを融合タンパク封入体として生産さ
せるために、BTG遺伝子の上流あるいは下流に、他の
タンパク、好ましくは親水性であるペプチドをコードす
る他の遺伝子を連結して、BTG融合タンパク遺伝子と
する。このような他の遺伝子としては、BTGとの融合
タンパクの蓄積量を増加させ、変性・再生工程後に溶解
性を高めるものであればよく、例えば、T7 gene 10、β
−ガラクトシダーゼ遺伝子、デヒドロ葉酸還元酵素遺伝
子、インターフェロンγ遺伝子、インターロイキン−2
遺伝子、プロキモシン遺伝子等が候補として挙げられ
る。
【0024】これらの遺伝子とBTG遺伝子との連結
は、コドンの読み取りフレームが一致する適当な制限酵
素部位で連結するか、あるいは適当な配列の合成DNA
を利用すればよい。
【0025】後述の実施例中<1>では、市販のpGEMEX
系ベクター(プロメガ製)を用いて大腸菌で不活性なタ
ンパク封入体として、T7 gene 10とのBTG融合タンパ
クを大量発現させた。しかし、このBTG融合タンパク
は、変性剤で可溶化した後に透析により変性剤を除去す
ると、溶解性が極端に低下し、可溶画分には僅かしかト
ランスグルタミナーゼ活性が認められなかった。
【0026】そのため、実施例中<3>で説明するよう
に、融合タンパク部分の疎水性の高い配列を欠失させる
などしたところ、大腸菌でこのBTG融合タンパクもタ
ンパク封入体として大量発現した。この融合タンパク
は、変性剤の除去後も溶解性は高く、なおかつ活性体へ
と再生された。したがって、本発明の融合タンパクに使
用するには、親水性のタンパクが好ましいと推察され、
上掲した各遺伝子のうち、疎水性部分に相当する配列を
除いたものを使用するとよい。本発明にいう「親水性で
あるペプチド」とは、かかる意味での疎水性の高い配列
を除いたペプチドである。
【0027】上記融合タンパク遺伝子を大腸菌に導入さ
せるためのベクターとしては、いわゆるマルチコピー型
のものが好ましく、Col E1由来の複製開始点を有するプ
ラスミド、例えばpUC系のプラスミドやpBR322あるいは
その誘導体が挙げられる。また、形質転換体を選別する
ために、アンピシリン耐性遺伝子等のマーカーを有する
ことが好ましい。このようなプラスミドとして、強力な
プロモーターを持つ発現ベクターが市販されている(pU
C系(宝酒造 他製)、pPROK系(クロンテック製)、pK
K233-2(クロンテック製)ほか)。これらのいずれを用
いても生産が可能ということは、容易に類推できる。
【0028】また、生産量を増大させるためには、融合
タンパク遺伝子の下流に転写終結配列であるターミネー
ターを連結することが好ましい。このターミネータとし
ては、T7ターミネータ、fdファージターミネータ、T4タ
ーミネータ、テトラサイクリン耐性遺伝子のターミネー
タ、大腸菌trpA遺伝子のターミネータ等が挙げられる。
【0029】上記ベクターに、プロモータ、融合タンパ
ク遺伝子、ターミネータの順に連結したDNA断片が挿
入されたプラスミドを大腸菌に導入し、この大腸菌を培
養すると、BTG融合タンパクが発現生産される。
【0030】本発明のBTG融合タンパクをコードする
塩基配列を配列表(配列番号1)に例示する。この配列
中のコドンを等価のコドンに置き換えた配列も同様に使
用できる。
【0031】また、配列表配列番号1及び2に示すベク
ターの配列由来の融合タンパク部分の配列の一部を、欠
失・挿入・置換しても、タンパク封入体として高発現し
うるし、またタンパク変性剤を除去することにより活性
再生されうる。このことは、後述の実施例から推測され
る。
【0032】さらに、他の高発現ベクターにBTG遺伝
子を連結し、上記と類似の方法を用いて、トランスグル
タミナーゼ活性を持つBTG融合タンパクを得ることも
可能と考えられる。高発現ベクターとしては、T7 gene
10とリンカーペプチドとの融合タンパクを高発現する発
現ベクタープラスミドがインビトロジェン社からXpress
SystemTMの商品名で、グルタチオンーSートランスフェラ
ーゼとの融合タンパクを高発現する発現ベクタープラス
ミドは、ファルマシアLKB社からpGEX系プラスミドと
して市販されている。
【0033】融合タンパクとして発現させた場合、実施
例に示す血液凝固因子Xaのほか、カリクレインなどの、
BTG内に存在しない配列を認識配列とする制限プロテ
アーゼを用いてトランスグルタミナーゼを切り出せるよ
うにしてもよい。
【0034】発現系に用いる大腸菌としては、通常、異
種遺伝子の発現に用いられる株を使用することができる
が、特に大腸菌 JM109(DE3)株、JM109株が好ましい。
【0035】<2>大腸菌によるBTG融合タンパクの
発現生産 上記BTG融合タンパクを発現するプラスミドを導入し
た大腸菌を培養することにより、BTG融合タンパクが
生産される。
【0036】生産培地としては、実施例で述べるM9-カ
ザミノ酸培地の他、LB培地などの通常大腸菌を培養する
のに用いる培地を用いてもよい。また、培養条件、生産
誘導条件は、用いたベクターのマーカー、プロモータ、
宿主菌等の種類に応じて適宜選択する。
【0037】<3>タンパク封入体からの活性再生 生産されたタンパク封入体を変性剤で可溶化する。菌体
タンパクとともに可溶化してもよいが、精製等を考慮す
ると、封入体を取り出して、これを可溶化するのが好ま
しい。封入体を菌体から回収するには、従来公知の方法
で行えばよい。例えば、菌体を破壊し、遠心分離等によ
って封入体を回収する。
【0038】タンパク封入体を可溶化させる変性剤とし
ては、グアニジン塩酸(例えば、6M、pH5〜8)や
尿素(例えば8M)などが挙げられる。これらの変性剤
を透析等により除くと、活性を有するタンパクとして再
生される。透析に用いる透析溶液としては、トリス塩酸
緩衝液やリン酸緩衝液などを用いればよく、濃度として
は20mM〜0.5M、pHとしては5〜8が挙げられ
る。
【0039】再生工程時のタンパク濃度は、500μg/ml
程度以下に抑えるのが好ましい。透析温度は、再生した
BTG活性による自己架橋を抑えるために、5℃以下で
行うことが好ましい。また、変性剤除去の方法として、
この透析法のほか、希釈法、限外濾過法などがあり、い
ずれを用いても活性の再生が期待できる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を、比較例と合わせて
説明する。尚、本実施例、後述の比較例中で使用した制
限酵素は、宝酒造(株)の製品を用いた。
【0041】<1>T7 gene 10とBTGとの融合タンパ
クの生産 市販の大腸菌宿主−ベクター系、Escherichia coliE.
coli)JM109(DE3)−pGEMEX-1(プロメガ製)を用いて、
T7 gene 10産物のアミノ末端側部分とBTGとの融合タ
ンパクを発現生産させた。
【0042】この系は、ベクターpGEMEX-1のT7プロモー
タ下流のマルチクローニングサイトに組み込んだ遺伝子
を、約260アミノ酸残基からなるT7 gene 10産物との融
合タンパクとして大量発現するものである。発現のため
の宿主 E. coli JM109(DE3)は、E. coli JM109の染色体
上に、lacUV5プロモータの制御下で発現するように、T7
RNAポリメラーゼ遺伝子(T7 gene 1)を組み込んだ
ものである。従って、lacUV5プロモータの誘導剤である
IPTG(イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド)添
加によりT7RNAポリメラーゼが大量発現するため、T7
プロモータ直下に挿入された遺伝子の発現が誘導される
(Studier,F.and Moffatt,B. J. Mol.Biol., 189, 113
(1986))。
【0043】BTG融合タンパク発現プラスミドpGEM26
0BTGの構築法を、図1に示す。すなわち、BTGを大腸
菌のペリプラズムへ分泌させるプラスミドpOMPA-BTG
(ヨーロッパ特許公開公報 0 481 504 A1)から、制限
酵素EcoRI、BamHIで切り出したBTG遺伝子を、pGEMEX
-1のマルチクローニングサイト内のEcoRI、BamHI間に挿
入した。尚、プラスミドpOMPA-BTGを保持する大腸菌JA2
21株は、工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されて
いる(FERM BP-3558)。
【0044】このようにして構築したpGEM260BTGで形質
転換したE. coli JM109(DE3)を、50μg/mlのアンピシリ
ンを含むM9-カザミノ酸培地で37℃にで振盪培養し、OD
570が0.4に達した時点で終濃度が1mMになるようにIP
TGを添加し、さらに37℃で3時間振盪培養した。
【0045】全菌体抽出物を、SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動した後、クマジー・ブリリアント・ブル
ー染色により、BTG融合タンパクが大量発現している
ことが確認された。
【0046】<2>融合タンパク部分の短鎖化 次に、不活性なタンパク封入体として大量発現し、活性
型へと再生し得るようなBTG融合タンパクを生産する
ことを目指し、融合タンパクのうちT7 gene 10部分を除
去するために、<1>で得られたpGEM260BTG中の相当す
る部分の配列を欠失させたプラスミドを作製した。
【0047】その構築法を図2に示す。まず、pGEM260B
TGを制限酵素NheIで切断し、切断末端をDNA Blunting K
it(宝酒造製)で平滑化した後、BamHIで切断した大断
片を回収した。
【0048】一方、pGEM260BTGをNheIで切断し、切断端
をExoIII-Mungbean Deletion Kit(ストラタジーン製)
を用いて削った後、BamHIで切断して得られる小断片を
回収した。この小断片と上記大断片とを連結し、E. col
i JM109を形質転換した。得られたクローンの中からNhe
Iで切断されるプラスミドを保持するクローンを選ん
だ。このNheI認識部位は開始コドン近傍に存在するた
め、このようなプラスミドは、この後の融合型BTG発
現プラスミドの構築に便利である。
【0049】次に、これらのプラスミドで形質転換され
E. coli JM109(DE3)を、<1>と同様に培養し、菌体
抽出物のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、クマジ
ー・ブリリアント・ブルー染色、及びウサギ抗BTG抗
体を用いたウエスタン・ブロッティングを行い、BTG
融合タンパクを大量発現しているクローンを選択した。
選択されたクローンからプラスミドを回収し、融合タ
ンパク遺伝子の塩基配列を決定した。この配列を、配列
表配列番号2に示す。また、得られたプラスミドをpGEM
77BTGとした。
【0050】このクローンを、50μg/mlのアンピシリン
を含むM9-カザミノ酸培地(カザミノ酸0.2%(w/v))に接
種し、一晩37℃で前培養した。この培養液を、同培地
(但し、カザミノ酸2%(w/v))に5%になるよう接種
し、37℃で振盪培養を行い、OD570が0.4になった時点
でIPTGを終濃度1mMになるように添加し、さらに3時
間培養した。
【0051】BTG融合タンパクは、培養後の超音波破
砕菌体抽出物のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、
及びウエスタン・ブロッティングにより、菌体タンパク
の不溶画分中にのみ大量に検出された。このことは、B
TG融合タンパクがタンパク封入体として菌体内に蓄積
したことを示している。
【0052】この不溶画分から、10,000×g、10分の
遠心分離によってタンパク封入体を得、これを20mMトリ
ス塩酸(pH7.5)−30mM NaClで2回洗浄した。このタンパ
ク封入体を、6Mグアニジン塩酸−10mM EDTA(pH6.0)で可
溶化した後、200mMトリス塩酸(pH6.0)に対し、5℃で一
昼夜、透析を行った。
【0053】このBTG融合タンパクの200mMトリス塩
酸(pH6.0)への溶解度はきわめて低く、可溶化ができな
かった。従ってトランスグルタミナーゼの活性の検定は
実施できなかった。
【0054】<3>活性再生可能な融合タンパクの生産 変性−再生処理後のBTG融合タンパクの溶解度を上げ
るため、pGEM77BTGの配列中、T7 gene 10産物部分の疎
水度の高い領域に相当する配列を欠失させた発現プラス
ミドpGEM15BTG(Xa)を構築した。その構築法を図3に示
す。また、融合型BTGをコードする部分の塩基配列と
アミノ酸配列を、配列表配列番号1に示す。
【0055】すなわち、pGEM77BTGをNheIとPvuIIで切断
し、合成DNA(配列番号1中5〜73番の塩基配列に
相当)を挿入した。DNAの合成は、DNAシンセサイ
ザー391(アプライドバイオシステムズ)を用い、ホス
ホアミダイト法により行った。
【0056】合成DNAの配列は、上述の疎水性の高い
部分を欠失させるとともに、好ましくないジスルフィド
架橋の生成を避けるため、融合タンパク部分に存在する
CysをSer(配列番号1中アミノ酸番号4)に置換するよ
うに設計した。また、制限プロテアーゼである血液凝固
因子Xaにより、融合タンパクからBTGを切り出すこと
ができるように、Xaの認識配列Ile-Glu-Gly-Argを、B
TGのアミノ末端に配した(配列番号1中アミノ酸番号
12〜15)。さらに、このIle-Glu-Gly-Arg配列がタ
ンパク表面に露出し、認識・切断され易いように、この
近傍のTyrをGly(配列番号1中アミノ酸番号9)に置換
した。Xaでの切断による融合タンパクからの目的タンパ
クの切り出しは、すでにβ-グロビンなどについて報告
がある(K.Nagai,and H.C.Thogersen,Nature,309,p810
(1984))。
【0057】このプラスミドpGEM15BTG(Xa)で形質転換
したE.coli JM109(DE3)(AJ12745)は、工業技術院微生
物工業技術研究所へ寄託した(FERM P-13037)。この形
質転換体を50μg/mlのアンピシリンを含むM9-カザミノ
酸培地(カザミノ酸0.2%(w/v))に接種し、一晩37℃
で前培養した。本培養では、これを同培地(但し、カザ
ミノ酸2%(w/v))に5%になるよう接種し、37℃で
振盪した。OD570が0.4になった時点でIPTGを終濃度1m
Mになるように添加し、さらに3時間培養した。
【0058】BTG融合タンパクは、培養後の超音波破
砕菌体抽出物のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、
及びウエスタン・ブロッティングにより、タンパク封入
体として菌体内に蓄積したことが確認された。
【0059】集菌した菌体を、20mM Tris-HCl(pH7.5),
30mM NaCl, 50mM EDTA に懸濁し、超音波破砕した。こ
れより10,000×g、10分の遠心分離によってタンパク
封入体を得、これを20mMトリス塩酸(pH7.5)-30mM NaCl
で2回洗浄し、タンパク封入体を集めた。
【0060】これを6Mグアニジン塩酸-10mM EDTA(pH6.
0)で可溶化した後、200mMトリス塩酸(pH6.0)に対し、5
℃で一昼夜、バッチ法、及び滴下透析法による透析を行
った。
【0061】変性剤除去後の、この融合タンパクの溶解
度は、約400μg/mlであった。再生BTGの活性を、ヒ
ドロキサム酸を用いたトランスグルタミナーゼ活性測定
法(Colorimetric hydroxamate procedure:J.E.Folk a
nd P.W.Cole, J. Biol. Chem., 241, 5518 (1966)を改
良)により測定した。
【0062】ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ルグリシンと、ヒドロキシルアミンを基質として、Ca
+2存在下あるいは非存在下で反応を行い、生成したヒド
ロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体として形成
させ、525nmの吸収を測定し、ヒドロキサム酸の量を検
量線より求め、活性を算出したところ、再生BTGの活
性は、3.2Units/mgタンパクであった。尚、BTGを分
泌生産させた場合には、ペリプラズム画分の活性は0.22
U/mgタンパクであり(ヨーロッパ特許公開公報0 481 50
4 A1)、本発明により、10倍以上の活性を得ることが
できた。
【0063】さらに、血液凝固因子XaによるBTGの切
り出しを行った。透析後の融合タンパク10μgに、血液
凝固因子Xa(ダネックスバイオテク)1μgを添加し、2
00mMトリス塩酸溶液(pH6)(100mM NaCl、1mM CaCl2
中、5℃で一晩反応させた。
【0064】血液凝固因子Xa反応後のSDS-ポリアクリル
アミドゲル電気泳動とウエスタン・ブロッティングによ
り、BTGが切り出されたことを確認した。切断前後で
トランスグルタミナーゼ活性は変わらなかったが、T7 g
ene 10に由来する不要な部分を除くことができるので、
特に食品分野等では有用である。
【0065】
【比較例】
trcプロモータを用いたBTGの生産)比較例とし
て、強力なプロモータの一つであるtrcプロモータの制
御によるBTGの生産例を説明する。
【0066】pOMPA-BTG(ヨーロッパ特許公開公報 0 48
1 504 A1)より制限酵素EcoRI、BamHIで切り出したBT
G遺伝子を、市販の発現プラスミドpTrc99A(ファルマ
シア製)のtrcプロモータ下流のマルチクローニングサ
イト内のEcoRI、BamHI間に挿入した。
【0067】このようにして構築したpTrc-BTGで形質転
換したE.coli JM109を、50μg/mlのアンピシリンを含む
M9-カザミノ酸培地で37℃で振盪培養し、OD570が0.4
に達した時点で培養温度を23℃に下げた。そして、tr
cプロモータの誘導剤であるIPTGを終濃度が1mMにな
るように添加し、さらに3時間振とう培養した。前記M9
-カザミノ酸培地は、M9培地(J.H.Miller編、Experimen
ts in Molecular Genetics(Cold Spring Harbor,197
2))にカザミノ酸(VITAMIN ASSAY CASAMINO ACID(デ
ィフコ製))を2%(w/v)になるように添加したものであ
る。
【0068】培養後の菌体抽出物を、SDS-ポリアクリル
アミドゲル電気泳動した後、ゲルをクマジー・ブリリア
ント・ブルーで染色したが、本遺伝子産物は検出されな
かった。しかし、ウサギ抗BTG抗体を用いたウエスタ
ン・ブロッティングにより本遺伝子産物は確認され、ヒ
ドロキサム酸を用いて測定したトランスグルタミナーゼ
活性から概算すると、生産量は約20mg/l(培地)であっ
た。
【0069】
【配列表】
【0070】配列番号:1 配列の長さ:1044 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA、及び、ベクター由来D
NA 配列 ATG GCT AGC TCT GAC CCA GAT AGC GGC TCT GCG ATT GAA GGT CGC GAT 48 Met Ala Ser Ser Asp Pro Asp Ser Gly Ser Ala Ile Glu Gly Arg Asp 1 5 10 15 TCT GAC GAT CGA GTC ACT CCA CCA GCT GAA CCA TTG GAT AGA ATG CCA 96 Ser Asp Asp Arg Val Thr Pro Pro Ala Glu Pro Leu Asp Arg Met Pro 20 25 30 GAT CCA TAC AGA CCA TCT TAC GGT AGA GCT GAA ACT GTT GTC AAC AAC 144 Asp Pro Tyr Arg Pro Ser Tyr Gly Arg Ala Glu Thr Val Val Asn Asn 35 40 45 TAC ATT AGA AAG TGG CAA CAA GTC TAC TCT CAC AGA GAT GGT AGA AAG 192 Tyr Ile Arg Lys Trp Gln Gln Val Tyr Ser His Arg Asp Gly Arg Lys 50 55 60 CAA CAA ATG ACT GAA GAA CAA AGA GAA TGG TTG TCT TAC GGT TGT GTT 240 Gln Gln Met Thr Glu Glu Gln Arg Glu Trp Leu Ser Tyr Gly Cys Val 65 70 75 80 GGT GTT ACT TGG GTT AAC TCT GGT CAA TAC CCA ACT AAC AGA TTG GCT 288 Gly Val Thr Trp Val Asn Ser Gly Gln Tyr Pro Thr Asn Arg Leu Ala 85 90 95 TTC GCT TCT TTC GAT GAA GAT AGA TTC AAG AAC GAA TTG AAG AAC GGT 336 Phe Ala Ser Phe Asp Glu Asp Arg Phe Lys Asn Glu Leu Lys Asn Gly 100 105 110 AGA CCA AGA TCC GGT GAA ACT AGA GCT GAA TTC GAA GGT AGA GTT GCT 384 Arg Pro Arg Ser Gly Glu Thr Arg Ala Glu Phe Glu Gly Arg Val Ala 115 120 125 AAG GAA TCT TTC GAT GAA GAA AAG GGT TTC CAA AGA GCT AGA GAA GTT 432 Lys Glu Ser Phe Asp Glu Glu Lys Gly Phe Gln Arg Ala Arg Glu Val 130 135 140 GCT TCT GTT ATG AAC AGA GCT CTA GAA AAC GCT CAC GAT GAA TCT GCT 480 Ala Ser Val Met Asn Arg Ala Leu Glu Asn Ala His Asp Glu Ser Ala 145 150 155 160 TAC TTG GAT AAC TTG AAG AAG GAA TTG GCC AAC GGT AAC GAT GCT TTG 528 Tyr Leu Asp Asn Leu Lys Lys Glu Leu Ala Asn Gly Asn Asp Ala Leu 165 170 175 AGA AAC GAA GAT GCT AGA TCC CCA TTC TAC TCT GCT TTG AGA AAC ACT 576 Arg Asn Glu Asp Ala Arg Ser Pro Phe Tyr Ser Ala Leu Arg Asn Thr 180 185 190 CCA TCT TTC AAG GAA AGA AAC GGT GGT AAC CAC GAT CCA TCC AGA ATG 624 Pro Ser Phe Lys Glu Arg Asn Gly Gly Asn His Asp Pro Ser Arg Met 195 200 205 AAG GCT GTT ATT TAC TCT AAG CAC TTC TGG TCT GGT CAA GAT AGA TCT 672 Lys Ala Val Ile Tyr Ser Lys His Phe Trp Ser Gly Gln Asp Arg Ser 210 215 220 TCT TCT GCT GAT AAG AGA AAG TAC GGT GAT CCA GAT GCT TTC AGA CCA 720 Ser Ser Ala Asp Lys Arg Lys Tyr Gly Asp Pro Asp Ala Phe Arg Pro 225 230 235 240 GCT CCA GGT ACC GGT TTG GTC GAC ATG TCC AGA GAT AGA AAC ATT CCA 768 Ala Pro Gly Thr Gly Leu Val Asp Met Ser Arg Asp Arg Asn Ile Pro 245 250 255 AGA TCC CCA ACT TCT CCA GGT GAA GGT TTC GTC AAC TTC GAT TAC GGT 816 Arg Ser Pro Thr Ser Pro Gly Glu Gly Phe Val Asn Phe Asp Tyr Gly 260 265 270 TGG TTC GGT GCT CAA ACT GAA GCT GAT GCT GAT AAG ACT GTT TGG ACC 864 Trp Phe Gly Ala Gln Thr Glu Ala Asp Ala Asp Lys Thr Val Trp Thr 275 280 285 CAT GGT AAC CAC TAC CAC GCT CCA AAC GGT TCT TTG GGT GCT ATG CAC 912 His Gly Asn His Tyr His Ala Pro Asn Gly Ser Leu Gly Ala Met His 290 295 300 GTC TAC GAA TCT AAG TTC AGA AAC TGG TCT GAA GGT TAC TCT GAT TTC 960 Val Tyr Glu Ser Lys Phe Arg Asn Trp Ser Glu Gly Tyr Ser Asp Phe 305 310 315 320 GAT AGA GGT GCT TAC GTT ATT ACT TTC ATT CCA AAG TCT TGG AAC ACT 1008 Asp Arg Gly Ala Tyr Val Ile Thr Phe Ile Pro Lys Ser Trp Asn Thr 325 330 335 GCT CCA GAC AAG GTC AAG CAA GGT TGG CCA TAATGA 1044 Ala Pro Asp Lys Val Lys Gln Gly Trp Pro 340 345
【0071】配列番号:2 配列の長さ:1230 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA、及び、ベクター由来D
NA 配列 ATG GCT AGC TGT GAC CCA GAT AGC TAC TCT GCG ATT CTG GCA GCA CTG 48 Met Ala Ser Cys Asp Pro Asp Ser Tyr Ser Ala Ile Leu Ala Ala Leu 1 5 10 15 ATG CCG AAC GCA GCA AAC TAC GCT GCT CTG ATT GAC CCT GAG AAG GGT 96 Met Pro Asn Ala Ala Asn Tyr Ala Ala Leu Ile Asp Pro Glu Lys Gly 20 25 30 TCT ATC CGC AAC GTT ATG GGC TTT GAG GTT GTA GAA GTT CCG CAC CTC 144 Ser Ile Arg Asn Val Met Gly Phe Glu Val Val Glu Val Pro His Leu 35 40 45 ACC GCT GGT GGT GCT GGT ACC GGA TCG AAT TGG CCA AGT TTA TTA ACC 192 Thr Ala Gly Gly Ala Gly Thr Gly Ser Asn Trp Pro Ser Leu Leu Thr 50 55 60 CTC ACT AAA GGG AAG GCC AAG TCG GCC GAG CTC GAA TTC GAT TCT GAT 240 Leu Thr Lys Gly Lys Ala Lys Ser Ala Glu Leu Glu Phe Asp Ser Asp 65 70 75 80 GAC AGA GTC ACT CCA CCA GCT GAA CCA TTG GAT AGA ATG CCA GAT CCA 288 Asp Arg Val Thr Pro Pro Ala Glu Pro Leu Asp Arg Met Pro Asp Pro 85 90 95 TAC AGA CCA TCT TAC GGT AGA GCT GAA ACT GTT GTC AAC AAC TAC ATT 336 Tyr Arg Pro Ser Tyr Gly Arg Ala Glu Thr Val Val Asn Asn Tyr Ile 100 105 110 AGA AAG TGG CAA CAA GTC TAC TCT CAC AGA GAT GGT AGA AAG CAA CAA 384 Arg Lys Trp Gln Gln Val Tyr Ser His Arg Asp Gly Arg Lys Gln Gln 115 120 125 ATG ACT GAA GAA CAA AGA GAA TGG TTG TCT TAC GGT TGT GTT GGT GTT 432 Met Thr Glu Glu Gln Arg Glu Trp Leu Ser Tyr Gly Cys Val Gly Val 130 135 140 ACT TGG GTT AAC TCT GGT CAA TAC CCA ACT AAC AGA TTG GCT TTC GCT 480 Thr Trp Val Asn Ser Gly Gln Tyr Pro Thr Asn Arg Leu Ala Phe Ala 145 150 155 160 TCT TTC GAT GAA GAT AGA TTC AAG AAC GAA TTG AAG AAC GGT AGA CCA 528 Ser Phe Asp Glu Asp Arg Phe Lys Asn Glu Leu Lys Asn Gly Arg Pro 165 170 175 AGA TCC GGT GAA ACT AGA GCT GAA TTC GAA GGT AGA GTT GCT AAG GAA 576 Arg Ser Gly Glu Thr Arg Ala Glu Phe Glu Gly Arg Val Ala Lys Glu 180 185 190 TCT TTC GAT GAA GAA AAG GGT TTC CAA AGA GCT AGA GAA GTT GCT TCT 624 Ser Phe Asp Glu Glu Lys Gly Phe Gln Arg Ala Arg Glu Val Ala Ser 195 200 205 GTT ATG AAC AGA GCT CTA GAA AAC GCT CAC GAT GAA TCT GCT TAC TTG 672 Val Met Asn Arg Ala Leu Glu Asn Ala His Asp Glu Ser Ala Tyr Leu 210 215 220 GAT AAC TTG AAG AAG GAA TTG GCC AAC GGT AAC GAT GCT TTG AGA AAC 720 Asp Asn Leu Lys Lys Glu Leu Ala Asn Gly Asn Asp Ala Leu Arg Asn 225 230 235 240 GAA GAT GCT AGA TCC CCA TTC TAC TCT GCT TTG AGA AAC ACT CCA TCT 768 Glu Asp Ala Arg Ser Pro Phe Tyr Ser Ala Leu Arg Asn Thr Pro Ser 245 250 255 TTC AAG GAA AGA AAC GGT GGT AAC CAC GAT CCA TCC AGA ATG AAG GCT 816 Phe Lys Glu Arg Asn Gly Gly Asn His Asp Pro Ser Arg Met Lys Ala 260 265 270 GTT ATT TAC TCT AAG CAC TTC TGG TCT GGT CAA GAT AGA TCT TCT TCT 864 Val Ile Tyr Ser Lys His Phe Trp Ser Gly Gln Asp Arg Ser Ser Ser 275 280 285 GCT GAT AAG AGA AAG TAC GGT GAT CCA GAT GCT TTC AGA CCA GCT CCA 912 Ala Asp Lys Arg Lys Tyr Gly Asp Pro Asp Ala Phe Arg Pro Ala Pro 290 295 300 GGT ACC GGT TTG GTC GAC ATG TCC AGA GAT AGA AAC ATT CCA AGA TCC 960 Gly Thr Gly Leu Val Asp Met Ser Arg Asp Arg Asn Ile Pro Arg Ser 305 310 315 CCA ACT TCT CCA GGT GAA GGT TTC GTC AAC TTC GAT TAC GGT TGG TTC 1008 Pro Thr Ser Pro Gly Glu Gly Phe Val Asn Phe Asp Tyr Gly Trp Phe 320 325 330 GGT GCT CAA ACT GAA GCT GAT GCT GAT AAG ACT GTT TGG ACC CAT GGT 1056 Gly Ala Gln Thr Glu Ala Asp Ala Asp Lys Thr Val Trp Thr His Gly 335 340 345 AAC CAC TAC CAC GCT CCA AAC GGT TCT TTG GGT GCT ATG CAC GTC TAC 1104 Asn His Tyr His Ala Pro Asn Gly Ser Leu Gly Ala Met His Val Tyr 350 355 360 GAA TCT AAG TTC AGA AAC TGG TCT GAA GGT TAC TCT GAT TTC GAT AGA 1152 Glu Ser Lys Phe Arg Asn Trp Ser Glu Gly Tyr Ser Asp Phe Asp Arg 365 370 375 GGT GCT TAC GTT ATT ACT TTC ATT CCA AAG TCT TGG AAC ACT GCT CCA 1200 Gly Ala Tyr Val Ile Thr Phe Ile Pro Lys Ser Trp Asn Thr Ala Pro 380 385 390 395 GAC AAG GTC AAG CAA GGT TGG CCA TAATGA 1230 Asp Lys Val Lys Gln Gly Trp Pro 400
【0072】
【発明の効果】本発明により、BTGを不活性融合タン
パク封入体として生産させることにより、従来大腸菌で
は高発現しなかったBTGを大量生産することが可能に
なった。また、この不活性融合タンパク封入体から活性
のあるBTGを得ることが可能になった。さらに、本発
明は、BTGの遺伝子工学的・タンパク工学的解析への
道を開き、ひいてはBTG改良体の大量生産を可能にす
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】発現プラスミドpGEM260BTGの構築図である。
【図2】発現プラスミドpGEM77BTGの構築図である。
【図3】発現プラスミドpGEM15BTG(Xa)の構築図であ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示すアミノ酸配列のうち1
    6〜346番のアミノ酸配列を有するバクテリアルトラ
    ンスグルタミナーゼと、このバクテリアルトランスグル
    タミナーゼのアミノ末端側にあって親水性であるペプチ
    ドとを含む融合タンパク。
  2. 【請求項2】 配列番号1に示すアミノ酸配列を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の融合タンパク。
  3. 【請求項3】 配列番号1に示すアミノ酸配列のうち1
    6〜346番のアミノ酸配列を有するバクテリアルトラ
    ンスグルタミナーゼと、このバクテリアルトランスグル
    タミナーゼのアミノ末端側にあって親水性であるペプチ
    ドとを含む融合タンパクをコードするDNA配列。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のDNA配列において、前
    記バクテリアルトランスグルタミナーゼをコードする配
    列部分と、親水性であるペプチドをコードする配列部分
    との間に、制限プロテアーゼの認識配列をコードするD
    NA配列を有することを特徴とするDNA配列。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示す塩基配列を有する請求
    項3又は4記載のDNA配列。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか一項に記載のD
    NA配列と、大腸菌で発現可能なプロモーターとを有す
    るプラスミド。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のプラスミドを保持するエ
    シェリキア・コリ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のエシェリキア・コリを培
    養することにより菌体内に不活性封入体としてバクテリ
    アルトランスグルタミナーゼ融合タンパクを生産させ、
    菌体からこの封入体を回収し、この封入体を変性剤を用
    いて可溶化した後、変性剤を除去することにより、トラ
    ンスグルタミナーゼ活性を有する融合タンパクを得るこ
    とを特徴とするバクテリアルトランスグルタミナーゼの
    製造法。
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