JPH06305778A - 複合型光学部品 - Google Patents
複合型光学部品Info
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- JPH06305778A JPH06305778A JP5113818A JP11381893A JPH06305778A JP H06305778 A JPH06305778 A JP H06305778A JP 5113818 A JP5113818 A JP 5113818A JP 11381893 A JP11381893 A JP 11381893A JP H06305778 A JPH06305778 A JP H06305778A
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Landscapes
- Lenses (AREA)
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 りん酸ガラス等のように二酸化ケイ素の含有
率が低いガラスであっても、ガラスと樹脂との接合面に
十分な接着強度を得る。 【構成】 複合型光学部品のガラス基板(レンズ1)と
エネルギー硬化性の樹脂層3との界面に、2層以上の多
層膜2を形成する。多層膜2において、レンズ1と接す
る層は少なくともフッ化マグネシウム、フッ化セリウム
またはフッ化ネオジウムからなる。エネルギー硬化性の
樹脂層3と接する層は二酸化ケイ素からなる。
率が低いガラスであっても、ガラスと樹脂との接合面に
十分な接着強度を得る。 【構成】 複合型光学部品のガラス基板(レンズ1)と
エネルギー硬化性の樹脂層3との界面に、2層以上の多
層膜2を形成する。多層膜2において、レンズ1と接す
る層は少なくともフッ化マグネシウム、フッ化セリウム
またはフッ化ネオジウムからなる。エネルギー硬化性の
樹脂層3と接する層は二酸化ケイ素からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスとエネルギー硬
化性樹脂とが接合されて構成される複合型光学部品に関
する。
化性樹脂とが接合されて構成される複合型光学部品に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ等の光学機器においては、
複数のレンズからなる複合レンズと同等の作用を有する
非球面レンズを使用することにより、光学機器のレンズ
枚数の削減、小型・軽量化、低コスト化が図られてい
る。このような非球面を有した光学部品としては、例え
ば特開昭59−12412号公報に開示されるように、
ガラスレンズの表面に樹脂層を形成した複合型光学部品
が提案されている。
複数のレンズからなる複合レンズと同等の作用を有する
非球面レンズを使用することにより、光学機器のレンズ
枚数の削減、小型・軽量化、低コスト化が図られてい
る。このような非球面を有した光学部品としては、例え
ば特開昭59−12412号公報に開示されるように、
ガラスレンズの表面に樹脂層を形成した複合型光学部品
が提案されている。
【0003】一般に、このような複合型光学部品は、樹
脂の硬化収縮やガラスと樹脂との線膨張係数の違いによ
る応力が発生するために、ガラスレンズと樹脂層との接
合面に十分な接着強度が必要である。従来、このような
接合面の接着強度を確保する方法としては、例えば特開
昭54−6006号公報に開示されるように、ガラス基
板の表面をシランカップリング剤により処理した後、樹
脂層を形成する方法が提案されている。
脂の硬化収縮やガラスと樹脂との線膨張係数の違いによ
る応力が発生するために、ガラスレンズと樹脂層との接
合面に十分な接着強度が必要である。従来、このような
接合面の接着強度を確保する方法としては、例えば特開
昭54−6006号公報に開示されるように、ガラス基
板の表面をシランカップリング剤により処理した後、樹
脂層を形成する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
シランカップリング剤は、全ての無機物に対して表面処
理効果を持つものではなく、特に二酸化ケイ素(SiO
2 )のようなシリコン酸化物が最もその効果が高いとさ
れている。一方、ガラスの中には、SiO2 の含有率が
低いものも少なくない。例えばりん酸ガラス等では、中
に含まれているりん酸(P2 O5 )がSiO2 と反応を
起こすので、SiO2 がほとんど含まれていない。この
ために、りん酸ガラス等においては、前記従来技術のよ
うにシランカップリング剤の表面処理を行ってもガラス
と樹脂との接合面に十分な接着強度が得られないという
重大な問題点が存在する。
シランカップリング剤は、全ての無機物に対して表面処
理効果を持つものではなく、特に二酸化ケイ素(SiO
2 )のようなシリコン酸化物が最もその効果が高いとさ
れている。一方、ガラスの中には、SiO2 の含有率が
低いものも少なくない。例えばりん酸ガラス等では、中
に含まれているりん酸(P2 O5 )がSiO2 と反応を
起こすので、SiO2 がほとんど含まれていない。この
ために、りん酸ガラス等においては、前記従来技術のよ
うにシランカップリング剤の表面処理を行ってもガラス
と樹脂との接合面に十分な接着強度が得られないという
重大な問題点が存在する。
【0005】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、りん酸ガラス等のようにSiO2 の含有
率が低いガラスであっても、ガラスと樹脂との接合面に
十分な接着強度を有する複合型光学部品を提供すること
を目的とする。
されたもので、りん酸ガラス等のようにSiO2 の含有
率が低いガラスであっても、ガラスと樹脂との接合面に
十分な接着強度を有する複合型光学部品を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ガラス基板とエネルギー硬化性樹脂層と
が界面を形成している複合型光学部品において、前記界
面に、ガラス基板と接する層が少なくともフッ化マグネ
シウム(MgF2 )、フッ化セリウム(CeF3 )また
はフッ化ネオジウム(NdF3 )からなり、エネルギー
硬化性樹脂層と接する層がSiO2 からなる2層以上の
多層膜を形成した。
に、本発明は、ガラス基板とエネルギー硬化性樹脂層と
が界面を形成している複合型光学部品において、前記界
面に、ガラス基板と接する層が少なくともフッ化マグネ
シウム(MgF2 )、フッ化セリウム(CeF3 )また
はフッ化ネオジウム(NdF3 )からなり、エネルギー
硬化性樹脂層と接する層がSiO2 からなる2層以上の
多層膜を形成した。
【0007】ここで、ガラス基板と接する層を形成する
MgF2 、CeF3 またはNdF3等のフッ化物は、安
定な物質であり、ガラス基板がりん酸ガラスであって
も、その中に含まれるP2 O5 とは全く反応を起こさ
ず、りん酸ガラスに対しても密着性が高いという性質を
有している。また、MgF2 、CeF3 、NdF3 は、
互いに混合させたり、あるいは他のフッ化物、酸化物等
を混合させて用いても同様の性質を有するので、問題は
ない。さらに、多層膜を構成する各層は、真空蒸着、イ
オンプレーティング、スパッタリング等によって得るこ
とができる。
MgF2 、CeF3 またはNdF3等のフッ化物は、安
定な物質であり、ガラス基板がりん酸ガラスであって
も、その中に含まれるP2 O5 とは全く反応を起こさ
ず、りん酸ガラスに対しても密着性が高いという性質を
有している。また、MgF2 、CeF3 、NdF3 は、
互いに混合させたり、あるいは他のフッ化物、酸化物等
を混合させて用いても同様の性質を有するので、問題は
ない。さらに、多層膜を構成する各層は、真空蒸着、イ
オンプレーティング、スパッタリング等によって得るこ
とができる。
【0008】なお、本発明の複合型光学部品は、ガラス
基板が特にりん酸ガラスである時に有効なものである
が、ガラス基板がりん酸ガラス以外でも同様の効果が得
られるものであり、ガラス基板の種類に特に限定される
ものではない。
基板が特にりん酸ガラスである時に有効なものである
が、ガラス基板がりん酸ガラス以外でも同様の効果が得
られるものであり、ガラス基板の種類に特に限定される
ものではない。
【0009】
【作用】上記構成の本発明に係る複合型光学部品は、ガ
ラス基板の表面に形成された多層膜の樹脂と接する層に
SiO2 を用いているので、シランカップリング剤によ
る表面処理効果が十分に期待でき、樹脂層の接着強度を
十分に得ることができる。また、本発明の複合型光学部
品は、ガラス基板の表面に形成された多層膜のガラスと
接する層にMgF2 、CeF3 またはNdF3 を用いて
いるので、ガラスがりん酸ガラスであっても、多層膜の
樹脂と接する層であるSiO2 とりん酸ガラスの中に含
まれるP2 O5 が直接反応を起こすのを防ぐことがで
き、同時に多層膜とりん酸ガラスの密着性が向上する。
これに対し、りん酸ガラス基板の表面に直接SiO2 層
を形成した場合には、りん酸ガラスの中に含まれている
P2 O5 とSiO2 とが反応を起こし、SiO2 層が変
質するために、SiO2 層がガラス基板から剥離してし
まう。
ラス基板の表面に形成された多層膜の樹脂と接する層に
SiO2 を用いているので、シランカップリング剤によ
る表面処理効果が十分に期待でき、樹脂層の接着強度を
十分に得ることができる。また、本発明の複合型光学部
品は、ガラス基板の表面に形成された多層膜のガラスと
接する層にMgF2 、CeF3 またはNdF3 を用いて
いるので、ガラスがりん酸ガラスであっても、多層膜の
樹脂と接する層であるSiO2 とりん酸ガラスの中に含
まれるP2 O5 が直接反応を起こすのを防ぐことがで
き、同時に多層膜とりん酸ガラスの密着性が向上する。
これに対し、りん酸ガラス基板の表面に直接SiO2 層
を形成した場合には、りん酸ガラスの中に含まれている
P2 O5 とSiO2 とが反応を起こし、SiO2 層が変
質するために、SiO2 層がガラス基板から剥離してし
まう。
【0010】
【実施例1】図1は、本実施例の複合光学部品を示すも
ので、レンズ1は硝材PKS1により形成されている。
この硝材の組成比を表1に示す。この硝材は、特殊りん
酸ガラスといわれるもので、P2 O5 の含有率は約70
%、SiO2 の含有率は0%である。
ので、レンズ1は硝材PKS1により形成されている。
この硝材の組成比を表1に示す。この硝材は、特殊りん
酸ガラスといわれるもので、P2 O5 の含有率は約70
%、SiO2 の含有率は0%である。
【0011】
【表1】
【0012】レンズ1の表面上には、多層膜2が形成さ
れている。以下、この多層膜2の作製方法を説明する。
まず、レンズ1をチャンバー径が800mmの真空蒸着
装置にセットした後、チャンバー内を2×10-5Tor
r以下の真空に排気した。基板の加熱は300℃で行っ
た。その後、MgF2 を電子線加熱蒸着法により、光学
的膜厚にして20nm蒸着して第一層を形成した。続い
て、SiO2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚に
して20nm蒸着して第二層を形成した。本実施例の複
合型光学部品の構成を表2に示す。
れている。以下、この多層膜2の作製方法を説明する。
まず、レンズ1をチャンバー径が800mmの真空蒸着
装置にセットした後、チャンバー内を2×10-5Tor
r以下の真空に排気した。基板の加熱は300℃で行っ
た。その後、MgF2 を電子線加熱蒸着法により、光学
的膜厚にして20nm蒸着して第一層を形成した。続い
て、SiO2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚に
して20nm蒸着して第二層を形成した。本実施例の複
合型光学部品の構成を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】こうして得られた多層膜2の表面上には、
非球面の形状を有したUV硬化型ウレタンアクリレート
系の樹脂層3が形成されている。以下、この樹脂層3の
作製方法を説明する。まず、多層膜2の表面上にエタノ
ールで希釈したシランカップリング剤「KBM−50
3」(信越化学(株)製)をスピンコートした後、10
0℃、20分の条件で乾燥させることにより表面処理を
行った。この後、液状のUV硬化型ウレタンアクリレー
ト系の樹脂をレンズ1の中心部に適量塗布し、この上か
ら非球面等の所望の形状に形成された金型を樹脂に気泡
が入らないように静かに押し付け、樹脂層3の厚さが中
心で100μmになるところで停止する。次に、レンズ
1の下部から水銀ランプにより紫外線を照射し、樹脂層
3を硬化させた後、金型を離型した。以上のような工程
により、本実施例の複合型光学部品が製造される。
非球面の形状を有したUV硬化型ウレタンアクリレート
系の樹脂層3が形成されている。以下、この樹脂層3の
作製方法を説明する。まず、多層膜2の表面上にエタノ
ールで希釈したシランカップリング剤「KBM−50
3」(信越化学(株)製)をスピンコートした後、10
0℃、20分の条件で乾燥させることにより表面処理を
行った。この後、液状のUV硬化型ウレタンアクリレー
ト系の樹脂をレンズ1の中心部に適量塗布し、この上か
ら非球面等の所望の形状に形成された金型を樹脂に気泡
が入らないように静かに押し付け、樹脂層3の厚さが中
心で100μmになるところで停止する。次に、レンズ
1の下部から水銀ランプにより紫外線を照射し、樹脂層
3を硬化させた後、金型を離型した。以上のような工程
により、本実施例の複合型光学部品が製造される。
【0015】
【実施例2】本実施例では、レンズと多層膜以外は実施
例1と同様の条件で行った。本実施例のレンズは、硝材
PSKS1により作製されている。この硝材の組成比を
表3に示す。この硝材は、特重りん酸クラウンガラスと
いわれるもので、P2 O5 の含有率は約60%、SiO
2 の含有率は0%である。
例1と同様の条件で行った。本実施例のレンズは、硝材
PSKS1により作製されている。この硝材の組成比を
表3に示す。この硝材は、特重りん酸クラウンガラスと
いわれるもので、P2 O5 の含有率は約60%、SiO
2 の含有率は0%である。
【0016】
【表3】
【0017】次に、多層膜の作製方法を説明する。ま
ず、実施例1と同様の条件で排気、基板加熱を行った後
に、CeF2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚に
して30nm蒸着して第一層を形成した。続いて、酸化
アルミニウム(Al2 O3 )を電子線加熱蒸着法によ
り、光学的膜厚にして20nm蒸着して第二層を形成し
た。さらに、SiO2 を電子線加熱蒸着法により、光学
的膜厚にして30nm蒸着して第三層を形成した。本実
施例の複合型光学部品の構成を表4に示す。
ず、実施例1と同様の条件で排気、基板加熱を行った後
に、CeF2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚に
して30nm蒸着して第一層を形成した。続いて、酸化
アルミニウム(Al2 O3 )を電子線加熱蒸着法によ
り、光学的膜厚にして20nm蒸着して第二層を形成し
た。さらに、SiO2 を電子線加熱蒸着法により、光学
的膜厚にして30nm蒸着して第三層を形成した。本実
施例の複合型光学部品の構成を表4に示す。
【0018】
【表4】
【0019】
【実施例3】本実施例では、レンズと多層膜以外は実施
例1と同様の条件で行った。本実施例のレンズは、硝材
PSK01により作製されている。この硝材の組成比を
表5に示す。この硝材は、重りん酸クラウン酸ガラスと
いわれるもので、P2 O5 の含有率は約32%、SiO
2 の含有率は0%である。
例1と同様の条件で行った。本実施例のレンズは、硝材
PSK01により作製されている。この硝材の組成比を
表5に示す。この硝材は、重りん酸クラウン酸ガラスと
いわれるもので、P2 O5 の含有率は約32%、SiO
2 の含有率は0%である。
【0020】
【表5】
【0021】次に、多層膜の作製方法を説明する。ま
ず、実施例1と同様の条件で排気、基板加熱を行った後
に、NdF3 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚に
して70nm蒸着して第一層を形成した。次に、SiO
2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして20n
m蒸着して第二層を形成した。続いて、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2 )を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚
にして10nm蒸着して第三層を形成した。さらに、S
iO2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして2
0nm蒸着して第四層を形成した。本実施例の複合型光
学部品の構成を表6に示す。
ず、実施例1と同様の条件で排気、基板加熱を行った後
に、NdF3 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚に
して70nm蒸着して第一層を形成した。次に、SiO
2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして20n
m蒸着して第二層を形成した。続いて、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2 )を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚
にして10nm蒸着して第三層を形成した。さらに、S
iO2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして2
0nm蒸着して第四層を形成した。本実施例の複合型光
学部品の構成を表6に示す。
【0022】
【表6】
【0023】
【実施例4】本実施例では、レンズと多層膜以外は実施
例1と同様の条件で行った。本実施例のレンズは、硝材
LaK9により作製されている。この硝材の組成比を表
7に示す。この硝材は、ランタンフリントガラスといわ
れるもので、りん酸ガラスではないが、SiO2 の含有
率は4%と低い。
例1と同様の条件で行った。本実施例のレンズは、硝材
LaK9により作製されている。この硝材の組成比を表
7に示す。この硝材は、ランタンフリントガラスといわ
れるもので、りん酸ガラスではないが、SiO2 の含有
率は4%と低い。
【0024】
【表7】
【0025】次に、多層膜の作製方法を説明する。ま
ず、実施例1と同様の条件で排気、基板加熱を行った後
に、MgF2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚に
して35nm蒸着して第一層を形成した。続いて、Zr
O2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして30
nm蒸着して第二層を形成した。さらに、SiO2 を電
子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして35nm蒸着
して第三層を形成した。本実施例の複合型光学部品の構
成を表8に示す。
ず、実施例1と同様の条件で排気、基板加熱を行った後
に、MgF2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚に
して35nm蒸着して第一層を形成した。続いて、Zr
O2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして30
nm蒸着して第二層を形成した。さらに、SiO2 を電
子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして35nm蒸着
して第三層を形成した。本実施例の複合型光学部品の構
成を表8に示す。
【0026】
【表8】
【0027】なお、本実施例のガラスは屈折率が樹脂に
比べて高いために、従来の構成ではガラスと樹脂との界
面での反射が無視できなかったが、本実施例では多層膜
がガラスと樹脂との界面の反射防止膜としても機能する
ので、フレアーや透過率減少といった光学性能上の問題
も生じにくい。
比べて高いために、従来の構成ではガラスと樹脂との界
面での反射が無視できなかったが、本実施例では多層膜
がガラスと樹脂との界面の反射防止膜としても機能する
ので、フレアーや透過率減少といった光学性能上の問題
も生じにくい。
【0028】(比較例1)本比較例では、実施例1と同
様にレンズ1に硝材PKS1を用い、レンズ1の表面上
に多層膜2を形成することなく、実施例1と同様の条件
で樹脂層3を形成して複合型光学部品を得た。本比較例
の構成を表9に示す。
様にレンズ1に硝材PKS1を用い、レンズ1の表面上
に多層膜2を形成することなく、実施例1と同様の条件
で樹脂層3を形成して複合型光学部品を得た。本比較例
の構成を表9に示す。
【0029】
【表9】
【0030】(比較例2)本比較例では、実施例1と同
様にレンズ1に硝材PKS1を用い、レンズ1の表面上
にSiO2 の単層膜を形成した後、実施例1と同様の条
件で樹脂層3を形成して複合型光学部品を得た。
様にレンズ1に硝材PKS1を用い、レンズ1の表面上
にSiO2 の単層膜を形成した後、実施例1と同様の条
件で樹脂層3を形成して複合型光学部品を得た。
【0031】次に、単層膜の作製方法を説明する。実施
例1と同様の条件で排気、基板加熱を行った後に、Si
O2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして20
nm蒸着して第一層を形成した。本比較例の複合型光学
部品の構成を表10に示す。
例1と同様の条件で排気、基板加熱を行った後に、Si
O2 を電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして20
nm蒸着して第一層を形成した。本比較例の複合型光学
部品の構成を表10に示す。
【0032】
【表10】
【0033】上記実施例1〜4および比較例1,2の各
複合型光学部品について以下のような方法で、耐久性を
評価した。 耐久性;温度が−50℃と90℃の環境下に交互に30
分間ずつ放置するサイクルを5サイクル行った後、外観
性能を目視により評価した。実施例1〜4および比較例
1,2の複合型光学部品について、耐久性を評価した結
果は表11に示す通りである。表11の結果からわかる
ように、本発明の複合型光学部品は耐久性が非常に高
く、樹脂や膜の剥離が全く生じない。
複合型光学部品について以下のような方法で、耐久性を
評価した。 耐久性;温度が−50℃と90℃の環境下に交互に30
分間ずつ放置するサイクルを5サイクル行った後、外観
性能を目視により評価した。実施例1〜4および比較例
1,2の複合型光学部品について、耐久性を評価した結
果は表11に示す通りである。表11の結果からわかる
ように、本発明の複合型光学部品は耐久性が非常に高
く、樹脂や膜の剥離が全く生じない。
【0034】
【表11】
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の複合型光学部品
によれば、ガラス基板とエネルギー硬化性樹脂層とが界
面を形成している複合型光学部品において、前記界面
に、ガラス基板と接する層が少なくともMgF2 、Ce
F3 またはNdF3 からなり、エネルギー硬化性樹脂層
と接する層がSiO2 からなる2層以上の多層膜を形成
したので、りん酸ガラスのようにSiO2 の含有量が極
めて少ないガラスであっても、ガラスと樹脂との接合面
に十分な接着強度を有する複合型光学部品となる。
によれば、ガラス基板とエネルギー硬化性樹脂層とが界
面を形成している複合型光学部品において、前記界面
に、ガラス基板と接する層が少なくともMgF2 、Ce
F3 またはNdF3 からなり、エネルギー硬化性樹脂層
と接する層がSiO2 からなる2層以上の多層膜を形成
したので、りん酸ガラスのようにSiO2 の含有量が極
めて少ないガラスであっても、ガラスと樹脂との接合面
に十分な接着強度を有する複合型光学部品となる。
【図1】本発明の実施例1の複合型光学部品を示す縦断
面図である。
面図である。
1 レンズ 2 多層膜 3 樹脂層
Claims (1)
- 【請求項1】 ガラス基板とエネルギー硬化性樹脂層と
が界面を形成している複合型光学部品において、前記界
面に、ガラス基板と接する層が少なくともフッ化マグネ
シウム、フッ化セリウムまたはフッ化ネオジウムからな
り、エネルギー硬化性樹脂層と接する層が二酸化ケイ素
からなる2層以上の多層膜を形成したことを特徴とする
複合型光学部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5113818A JPH06305778A (ja) | 1993-04-16 | 1993-04-16 | 複合型光学部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5113818A JPH06305778A (ja) | 1993-04-16 | 1993-04-16 | 複合型光学部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06305778A true JPH06305778A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14621820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5113818A Pending JPH06305778A (ja) | 1993-04-16 | 1993-04-16 | 複合型光学部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06305778A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008303362A (ja) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Hitachi Chem Co Ltd | 光硬化性防湿絶縁塗料、この光硬化性防湿絶縁塗料を用いて防湿絶縁された電子部品及びその製造方法 |
WO2009096281A1 (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-06 | Konica Minolta Opto, Inc. | 撮像レンズ、撮像装置、および携帯端末 |
-
1993
- 1993-04-16 JP JP5113818A patent/JPH06305778A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008303362A (ja) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Hitachi Chem Co Ltd | 光硬化性防湿絶縁塗料、この光硬化性防湿絶縁塗料を用いて防湿絶縁された電子部品及びその製造方法 |
WO2009096281A1 (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-06 | Konica Minolta Opto, Inc. | 撮像レンズ、撮像装置、および携帯端末 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030805 |