JPH06304703A - 複合金属材料の連続鋳造方法 - Google Patents
複合金属材料の連続鋳造方法Info
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- JPH06304703A JPH06304703A JP9461593A JP9461593A JPH06304703A JP H06304703 A JPH06304703 A JP H06304703A JP 9461593 A JP9461593 A JP 9461593A JP 9461593 A JP9461593 A JP 9461593A JP H06304703 A JPH06304703 A JP H06304703A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複合金属材料を連続鋳造するに際し、鋳片の
表層厚みのばらつきを抑えること。 【構成】 内層用タンディッシュ1a及び表層用タンデ
ィッシュ1bにそれぞれ設けられた加熱装置4a,4b
により内層用タンディッシュ1a内の内層用溶鋼3aと
表層用タンディッシュ1b内の表層用溶鋼3bをそれぞ
れ所定の温度に維持しながら鋳型6内の上下に異なる位
置にそれぞれ注入して表層8aと内層8bからなる複合
金属材を鋳造する。
表層厚みのばらつきを抑えること。 【構成】 内層用タンディッシュ1a及び表層用タンデ
ィッシュ1bにそれぞれ設けられた加熱装置4a,4b
により内層用タンディッシュ1a内の内層用溶鋼3aと
表層用タンディッシュ1b内の表層用溶鋼3bをそれぞ
れ所定の温度に維持しながら鋳型6内の上下に異なる位
置にそれぞれ注入して表層8aと内層8bからなる複合
金属材を鋳造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表層部と内層部の組成
が異なる複合金属材料を液状金属から連続的に製造する
方法に関し、特に、鋳片の表層厚みのばらつきを抑えた
連続鋳造方法に関するものである。
が異なる複合金属材料を液状金属から連続的に製造する
方法に関し、特に、鋳片の表層厚みのばらつきを抑えた
連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造においては、タンディッシュ内
の溶鋼を鋳型内に注入し、溶鋼を鋳型に接触させて冷却
することにより表層側から凝固させがら鋳型から引き抜
くことにより鋳片を製造している。この連続鋳造の際に
は、タンディッシュ内の溶鋼の温度が鋳造される鋳片の
品質、鋳造歩留或いは操業の安定性に大きな影響を与え
る。このため、従来からタンディッシュ内の溶鋼の温度
を所定の温度に維持するための手段が種々講じられてい
る。
の溶鋼を鋳型内に注入し、溶鋼を鋳型に接触させて冷却
することにより表層側から凝固させがら鋳型から引き抜
くことにより鋳片を製造している。この連続鋳造の際に
は、タンディッシュ内の溶鋼の温度が鋳造される鋳片の
品質、鋳造歩留或いは操業の安定性に大きな影響を与え
る。このため、従来からタンディッシュ内の溶鋼の温度
を所定の温度に維持するための手段が種々講じられてい
る。
【0003】たとえば、特開昭59−21454号公報
や特開昭57−70066号公報には、タンディッシュ
内の溶鋼を一定の適正温度内に維持するための溶湯加熱
装置を設けることが開示されている。上記特開昭59−
21454号公報に記載の装置においては、タンディッ
シュ本体に対して一体的に電磁誘導加熱装置からなる溶
鋼加熱部を設け、タンディッシュ内の溶鋼を一定の適正
温度内に保持するようにしている。また、上記特開昭5
7−70066号公報に記載の装置においては、タンデ
ィッシュを囲むように鉄心を設け、この鉄心を加熱コイ
ルで励磁することによりタンディッシュ内の溶湯を誘導
加熱して、溶湯温度を適正温度(1525〜1550
℃)内に維持している。
や特開昭57−70066号公報には、タンディッシュ
内の溶鋼を一定の適正温度内に維持するための溶湯加熱
装置を設けることが開示されている。上記特開昭59−
21454号公報に記載の装置においては、タンディッ
シュ本体に対して一体的に電磁誘導加熱装置からなる溶
鋼加熱部を設け、タンディッシュ内の溶鋼を一定の適正
温度内に保持するようにしている。また、上記特開昭5
7−70066号公報に記載の装置においては、タンデ
ィッシュを囲むように鉄心を設け、この鉄心を加熱コイ
ルで励磁することによりタンディッシュ内の溶湯を誘導
加熱して、溶湯温度を適正温度(1525〜1550
℃)内に維持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複合金
属材料を連続鋳造する場合には、上記公報に記載の加熱
装置を単に連続鋳造に適用しただけでは、品質の高い複
合金属材料を鋳造することはできない。以下、その理由
について説明する。
属材料を連続鋳造する場合には、上記公報に記載の加熱
装置を単に連続鋳造に適用しただけでは、品質の高い複
合金属材料を鋳造することはできない。以下、その理由
について説明する。
【0005】複合金属材料を「2タンディッシュ−1鋳
型法」で連続鋳造する場合には、異種溶融金属すなわち
2種類の溶湯を二つのタンディッシュにそれぞれ貯留し
ておき、各タンディッシュからの溶湯を鋳造方向に異な
る位置において鋳型内に注入している。上方に注入され
た溶湯は鋳型に接触して冷却・凝固し表層を形成し、下
方に注入された溶湯は表層に接触して冷却・凝固し内層
を形成する。表層用の溶湯の熱は鋳型により奪われると
共に、溶湯自体は下方に移動しているので、表層の厚み
は溶湯が下方に進むにしたがって厚くなるが、内層の形
成が開始されると表層の成長は停止し、表層の厚みは略
一定となる。この表層の内側に内層が形成されて複合金
属材料が鋳造される。
型法」で連続鋳造する場合には、異種溶融金属すなわち
2種類の溶湯を二つのタンディッシュにそれぞれ貯留し
ておき、各タンディッシュからの溶湯を鋳造方向に異な
る位置において鋳型内に注入している。上方に注入され
た溶湯は鋳型に接触して冷却・凝固し表層を形成し、下
方に注入された溶湯は表層に接触して冷却・凝固し内層
を形成する。表層用の溶湯の熱は鋳型により奪われると
共に、溶湯自体は下方に移動しているので、表層の厚み
は溶湯が下方に進むにしたがって厚くなるが、内層の形
成が開始されると表層の成長は停止し、表層の厚みは略
一定となる。この表層の内側に内層が形成されて複合金
属材料が鋳造される。
【0006】このようにして鋳造された複合金属材料
は、内層と表層の2層から構成されているが、表層の厚
みは溶湯の温度の影響を受ける。すなわち、一般的に
は、溶湯の温度が低い程、早い時点で凝固が開始するた
め表層の厚みは厚くなる。更に、表層用の溶湯の温度と
内層用の溶湯の温度の高低関係によっても表層の厚みは
影響を受ける。たとえば、表層用の溶湯の温度が一定に
維持されていたとしても内層用の溶湯の温度が高い場合
には、表層凝固シェルが内層用の溶湯により再溶解され
て、表層の厚みは薄くなる。このように、複合金属材料
を連続鋳造する場合には、溶湯の温度は単に鋳片の表面
性状に影響を与えるだけではなく、表層用の厚みにも大
きな影響を与える。
は、内層と表層の2層から構成されているが、表層の厚
みは溶湯の温度の影響を受ける。すなわち、一般的に
は、溶湯の温度が低い程、早い時点で凝固が開始するた
め表層の厚みは厚くなる。更に、表層用の溶湯の温度と
内層用の溶湯の温度の高低関係によっても表層の厚みは
影響を受ける。たとえば、表層用の溶湯の温度が一定に
維持されていたとしても内層用の溶湯の温度が高い場合
には、表層凝固シェルが内層用の溶湯により再溶解され
て、表層の厚みは薄くなる。このように、複合金属材料
を連続鋳造する場合には、溶湯の温度は単に鋳片の表面
性状に影響を与えるだけではなく、表層用の厚みにも大
きな影響を与える。
【0007】先に述べた特開昭57−70066号公報
には、タンディッシュ内の溶湯の温度を1525〜15
50℃の範囲内に一定範囲に維持することが開示されて
いるが、目標温度±12.5℃程度の精度の温度制御で
は、単一金属材料の連続鋳造の場合には問題なくても、
複合金属材料を連続鋳造する場合には表層用の厚みを一
定に維持することはできない。
には、タンディッシュ内の溶湯の温度を1525〜15
50℃の範囲内に一定範囲に維持することが開示されて
いるが、目標温度±12.5℃程度の精度の温度制御で
は、単一金属材料の連続鋳造の場合には問題なくても、
複合金属材料を連続鋳造する場合には表層用の厚みを一
定に維持することはできない。
【0008】そこで本発明は、複合金属材料を連続鋳造
するに際し、鋳片の表層厚みのばらつきを抑えることを
目的とする。
するに際し、鋳片の表層厚みのばらつきを抑えることを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の複合金属材料の
連続鋳造方法は、前記目的を達成するため、内層用タン
ディッシュ及び表層用タンディッシュにそれぞれ設けら
れた加熱装置により内層用タンディッシュ内の内層用金
属と表層用タンディッシュ内の表層用金属をそれぞれ所
定の温度に維持しながら鋳型内の上下に異なる位置にそ
れぞれ注入して表層と内層からなる複合金属材料を鋳造
することを特徴とする。
連続鋳造方法は、前記目的を達成するため、内層用タン
ディッシュ及び表層用タンディッシュにそれぞれ設けら
れた加熱装置により内層用タンディッシュ内の内層用金
属と表層用タンディッシュ内の表層用金属をそれぞれ所
定の温度に維持しながら鋳型内の上下に異なる位置にそ
れぞれ注入して表層と内層からなる複合金属材料を鋳造
することを特徴とする。
【0010】また本発明の複合金属材料の連続鋳造方法
は、前記目的を達成するため、内層用取鍋内に貯留され
た内層用金属を内層用タンディッシュに注入すると共に
加熱装置により加熱され略一定温度に維持された外層用
取鍋内に貯留された外層用金属を外層用タンディッシュ
に注入し、前記内層用タンディッシュ内の内層用金属と
前記表層用タンディッシュ内の表層用金属を鋳型内の上
下に異なる位置にそれぞれ注入して表層と内層からなる
複合金属材料を鋳造することを特徴とする。
は、前記目的を達成するため、内層用取鍋内に貯留され
た内層用金属を内層用タンディッシュに注入すると共に
加熱装置により加熱され略一定温度に維持された外層用
取鍋内に貯留された外層用金属を外層用タンディッシュ
に注入し、前記内層用タンディッシュ内の内層用金属と
前記表層用タンディッシュ内の表層用金属を鋳型内の上
下に異なる位置にそれぞれ注入して表層と内層からなる
複合金属材料を鋳造することを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明においては、内層用金属と
表層用金属とがそれぞれ所定の温度に制御された状態で
鋳型内の注入され連続鋳造が行われるので、表層用金属
が凝固する位置が一定に維持され、複合金属材料の連続
鋳造する際の表層の厚みのばらつきが小さくなる。
表層用金属とがそれぞれ所定の温度に制御された状態で
鋳型内の注入され連続鋳造が行われるので、表層用金属
が凝固する位置が一定に維持され、複合金属材料の連続
鋳造する際の表層の厚みのばらつきが小さくなる。
【0012】また、請求項2記載の発明においては、長
時間鋳造となる表層溶湯が加熱されるので、表層溶湯の
温度低下が防止され一定温度に維持される。これによ
り、複合金属材料の連続鋳造する際の表層の厚みのばら
つきが小さくなる。
時間鋳造となる表層溶湯が加熱されるので、表層溶湯の
温度低下が防止され一定温度に維持される。これによ
り、複合金属材料の連続鋳造する際の表層の厚みのばら
つきが小さくなる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明を実施するための装置の一例
を示す図である。図1は、「2タンディッシュ−1鋳
型」法を採用した連続鋳造装置を示しており、図におい
て、1aは内層用タンディッシュ、1bは表層用タンデ
ィッシュであり、内層用タンディッシュ1a内には内層
溶湯3aが貯留され、表層用タンディッシュ1b内には
表層溶湯3bが貯留される。また、内層用タンディッシ
ュ1aには内層用タンディッシュ溶鋼加熱装置4aが、
また、表層用タンディッシュ1bには表層用タンディッ
シュ溶鋼加熱装置4bが設けられている。なお、何れの
加熱装置4a,4bも、溶湯を直接或いは電磁誘導等に
より加熱する加熱要素と、溶湯の温度を検出する温度セ
ンサーと、この温度センサーにより検出された溶湯の温
度が目標温度と一致するように加熱要素の動作・不動作
を制御する自動温度制御装置と協働して内層溶湯3aと
表層溶湯3bの温度が目標温度に近づくように内層溶湯
3aと表層溶湯3bを加熱する。内層用タンディッシュ
1aの底面には内層用浸漬ノズル5aが、また、表層用
タンディッシュ2aの底面には表層用浸漬ノズル5bが
連結されており、更に、内層用タンディッシュ1aと表
層用タンディッシュ2aの内部には、内層用浸漬ノズル
5aと表層用浸漬ノズル5bへの内層溶湯3aと表層溶
湯3bの供給を制御する内層用ストッパー2aと表層用
ストッパー2bとが設けられている。内層用浸漬ノズル
5aと表層用浸漬ノズル5bとは長さが異なっており、
それぞれ鋳型6の内部に向かって垂直方向に伸延してい
る。鋳型6の外周の湯面レベルから所定の距離だけ下方
の位置に、鋳造方向に垂直な方向に磁力線が延在する如
く静磁場帯を形成させる静磁界発生装置7が設けられて
いる。
を示す図である。図1は、「2タンディッシュ−1鋳
型」法を採用した連続鋳造装置を示しており、図におい
て、1aは内層用タンディッシュ、1bは表層用タンデ
ィッシュであり、内層用タンディッシュ1a内には内層
溶湯3aが貯留され、表層用タンディッシュ1b内には
表層溶湯3bが貯留される。また、内層用タンディッシ
ュ1aには内層用タンディッシュ溶鋼加熱装置4aが、
また、表層用タンディッシュ1bには表層用タンディッ
シュ溶鋼加熱装置4bが設けられている。なお、何れの
加熱装置4a,4bも、溶湯を直接或いは電磁誘導等に
より加熱する加熱要素と、溶湯の温度を検出する温度セ
ンサーと、この温度センサーにより検出された溶湯の温
度が目標温度と一致するように加熱要素の動作・不動作
を制御する自動温度制御装置と協働して内層溶湯3aと
表層溶湯3bの温度が目標温度に近づくように内層溶湯
3aと表層溶湯3bを加熱する。内層用タンディッシュ
1aの底面には内層用浸漬ノズル5aが、また、表層用
タンディッシュ2aの底面には表層用浸漬ノズル5bが
連結されており、更に、内層用タンディッシュ1aと表
層用タンディッシュ2aの内部には、内層用浸漬ノズル
5aと表層用浸漬ノズル5bへの内層溶湯3aと表層溶
湯3bの供給を制御する内層用ストッパー2aと表層用
ストッパー2bとが設けられている。内層用浸漬ノズル
5aと表層用浸漬ノズル5bとは長さが異なっており、
それぞれ鋳型6の内部に向かって垂直方向に伸延してい
る。鋳型6の外周の湯面レベルから所定の距離だけ下方
の位置に、鋳造方向に垂直な方向に磁力線が延在する如
く静磁場帯を形成させる静磁界発生装置7が設けられて
いる。
【0014】次に、上述した装置の動作について説明す
る。
る。
【0015】内層用ストッパー2aと表層用ストッパー
2bとが引き上げられると、内層用タンディッシュ1a
内の内層溶湯3aは、長い内層用浸漬ノズル5aを介し
て静磁界発生装置7により形成される静磁場帯より下側
に供給され、また、表層用タンディッシュ1b内の表層
溶湯3bは、短い表層用浸漬ノズル5bを介して静磁場
帯より上側に供給される。
2bとが引き上げられると、内層用タンディッシュ1a
内の内層溶湯3aは、長い内層用浸漬ノズル5aを介し
て静磁界発生装置7により形成される静磁場帯より下側
に供給され、また、表層用タンディッシュ1b内の表層
溶湯3bは、短い表層用浸漬ノズル5bを介して静磁場
帯より上側に供給される。
【0016】表層用浸漬ノズル5bを介して供給された
表層溶湯3bは、鋳型6に接触して冷却・凝固して表層
8bが形成される。表層溶湯3bの熱は鋳型6により奪
われると共に、表層溶湯3b自体は鋳片の引き抜きに伴
って下方に移動しているので、表層8bの厚みは溶湯が
下方に進むにしたがって厚くなる。また、内層用浸漬ノ
ズル5aを介して供給された内層溶湯3bは、表層8b
の内面に接触して冷却・凝固して鋳型6の中心よりやや
下よりの位置から内層8aが形成され始める。この内層
8aの形成が開始されると表層8bの成長は停止し、表
層8bの厚みは略一定となる。このように表層の内側に
内層が形成されて複合金属材料が鋳造される。
表層溶湯3bは、鋳型6に接触して冷却・凝固して表層
8bが形成される。表層溶湯3bの熱は鋳型6により奪
われると共に、表層溶湯3b自体は鋳片の引き抜きに伴
って下方に移動しているので、表層8bの厚みは溶湯が
下方に進むにしたがって厚くなる。また、内層用浸漬ノ
ズル5aを介して供給された内層溶湯3bは、表層8b
の内面に接触して冷却・凝固して鋳型6の中心よりやや
下よりの位置から内層8aが形成され始める。この内層
8aの形成が開始されると表層8bの成長は停止し、表
層8bの厚みは略一定となる。このように表層の内側に
内層が形成されて複合金属材料が鋳造される。
【0017】上述した連続鋳造装置における連続鋳造の
際には、時間の経過にしたがって内層用タンディッシュ
1a内の内層溶湯3aの温度、及び、表層用タンディッ
シュ1b内の表層溶湯3bの温度は徐々に低下する。ま
た、温度低下のパターンは、内層溶湯3a,表層溶湯3
bの初期温度、貯留量、比熱等の差により異なってく
る。このため、連続鋳造された複合金属材料の表層8b
の厚みがばらついてしまうおそれがある。そこで本発明
においては、内層用タンディッシュ溶鋼加熱装置4aに
より内層用タンディッシュ1a内の内層溶湯3aを加熱
すると共に、表層用タンディッシュ溶鋼加熱装置4bに
より表層用タンディッシュ1b内の表層溶湯3bを加熱
を加熱して、内層溶湯3aと表層溶湯3bのそれぞれの
温度を目標温度±2.5℃の精度で制御している。な
お、目標温度は鋳造する金属の種類によって予め決定さ
れる。
際には、時間の経過にしたがって内層用タンディッシュ
1a内の内層溶湯3aの温度、及び、表層用タンディッ
シュ1b内の表層溶湯3bの温度は徐々に低下する。ま
た、温度低下のパターンは、内層溶湯3a,表層溶湯3
bの初期温度、貯留量、比熱等の差により異なってく
る。このため、連続鋳造された複合金属材料の表層8b
の厚みがばらついてしまうおそれがある。そこで本発明
においては、内層用タンディッシュ溶鋼加熱装置4aに
より内層用タンディッシュ1a内の内層溶湯3aを加熱
すると共に、表層用タンディッシュ溶鋼加熱装置4bに
より表層用タンディッシュ1b内の表層溶湯3bを加熱
を加熱して、内層溶湯3aと表層溶湯3bのそれぞれの
温度を目標温度±2.5℃の精度で制御している。な
お、目標温度は鋳造する金属の種類によって予め決定さ
れる。
【0018】図2は、温度制御の精度と表層の厚みのば
らつきとの関係を示すグラフであり、このグラフから判
るように、温度制御の精度が±2.5℃の近傍で急激に
低下している。したがって、目標温度±2.5℃の精度
で制御することにより、表層の厚みを高精度で制御でき
る。なお、表層の厚みのばらつきとは、鋳片長手方向の
表層厚みのばらつきを意味しており、たとえば、表層厚
み20mm(鋳片厚み250mm)をベースにすると1
0%のばらつきとは2mmのばらつきがあることを意味
する。
らつきとの関係を示すグラフであり、このグラフから判
るように、温度制御の精度が±2.5℃の近傍で急激に
低下している。したがって、目標温度±2.5℃の精度
で制御することにより、表層の厚みを高精度で制御でき
る。なお、表層の厚みのばらつきとは、鋳片長手方向の
表層厚みのばらつきを意味しており、たとえば、表層厚
み20mm(鋳片厚み250mm)をベースにすると1
0%のばらつきとは2mmのばらつきがあることを意味
する。
【0019】また、内層溶湯3aと表層溶湯3bとの目
標温度は独立に設定されるが、それぞれの目標温度のば
らつきを±2.5℃以内にしないと安定した厚みが得ら
れれない。
標温度は独立に設定されるが、それぞれの目標温度のば
らつきを±2.5℃以内にしないと安定した厚みが得ら
れれない。
【0020】図3は、本発明を実施するための装置の他
の例を示す図である。なお、図1に示す装置と対応する
部材等には同一符号を付している。図3は、「2取鍋−
2タンディッシュ−1鋳型」法を採用した1連続鋳造装
置を示しており、図3に示す例においては、内層用タン
ディッシュ1aに内層溶湯3aを供給する内層用取鍋9
aと、表層用タンディッシュ1bに表層溶湯3bと供給
する表層取鍋9aとが設けられており、表層取鍋9aに
は、表層用取鍋溶鋼加熱装置10が設けられている。こ
の表層用取鍋溶鋼加熱装置10は、たとえば、電磁誘導
によるジュール熱で表層溶湯3bを加熱するものであ
り、図示しない表層溶湯3bの温度を検出する温度セン
サー、検出温度と目標温度とを比較して表層用取鍋溶鋼
加熱装置10の動作・不動作を制御する自動温度制御装
置と協働して、表層溶湯3bの温度が目標温度に近づく
ように表層溶湯3bを加熱する。
の例を示す図である。なお、図1に示す装置と対応する
部材等には同一符号を付している。図3は、「2取鍋−
2タンディッシュ−1鋳型」法を採用した1連続鋳造装
置を示しており、図3に示す例においては、内層用タン
ディッシュ1aに内層溶湯3aを供給する内層用取鍋9
aと、表層用タンディッシュ1bに表層溶湯3bと供給
する表層取鍋9aとが設けられており、表層取鍋9aに
は、表層用取鍋溶鋼加熱装置10が設けられている。こ
の表層用取鍋溶鋼加熱装置10は、たとえば、電磁誘導
によるジュール熱で表層溶湯3bを加熱するものであ
り、図示しない表層溶湯3bの温度を検出する温度セン
サー、検出温度と目標温度とを比較して表層用取鍋溶鋼
加熱装置10の動作・不動作を制御する自動温度制御装
置と協働して、表層溶湯3bの温度が目標温度に近づく
ように表層溶湯3bを加熱する。
【0021】複合金属材料を連続鋳造する際には、鋳型
6に注入される全溶湯の量に対する表層溶湯3bの割合
は10〜30%である。したがって、内層用取鍋9aと
表層用取鍋9bの容量が等しいとすれば表層用取鍋9b
内の表層溶湯3bは、内層用取鍋9a内の内層溶湯3a
に比べ長時間、たとえば、200〜1000分取鍋内に
残留することになる。このため表層溶湯3bの温度降下
量が大となり、連続鋳造時間が長くなるにつれて表層の
厚みが厚くなって表層の厚みにばらつきが生じる。そこ
で図3に示す例においては、消費量の少ない表層溶湯3
bを貯留する表層取鍋9bに表層用取鍋溶鋼加熱装置1
0を設けて、表層溶湯3bを加熱している。これによ
り、鋳造に長時間を要する場合にも最後まで表層溶湯3
bの温度を一定に維持することができ、一定の厚みを有
する表層8bを形成することができる。
6に注入される全溶湯の量に対する表層溶湯3bの割合
は10〜30%である。したがって、内層用取鍋9aと
表層用取鍋9bの容量が等しいとすれば表層用取鍋9b
内の表層溶湯3bは、内層用取鍋9a内の内層溶湯3a
に比べ長時間、たとえば、200〜1000分取鍋内に
残留することになる。このため表層溶湯3bの温度降下
量が大となり、連続鋳造時間が長くなるにつれて表層の
厚みが厚くなって表層の厚みにばらつきが生じる。そこ
で図3に示す例においては、消費量の少ない表層溶湯3
bを貯留する表層取鍋9bに表層用取鍋溶鋼加熱装置1
0を設けて、表層溶湯3bを加熱している。これによ
り、鋳造に長時間を要する場合にも最後まで表層溶湯3
bの温度を一定に維持することができ、一定の厚みを有
する表層8bを形成することができる。
【0022】なお、図1に示すようなタンディッシュに
おける加熱に加えて、図3に示すような取鍋での加熱を
併用することもでき、この場合には、双方で温度制御を
行うことになるので、タンディッシュのみの溶湯加熱に
比べて長時間における溶鋼温度の制御を安定且つ容易に
行うことができ、鋳片の表層厚みのばらつきを一層小さ
くすることができる。
おける加熱に加えて、図3に示すような取鍋での加熱を
併用することもでき、この場合には、双方で温度制御を
行うことになるので、タンディッシュのみの溶湯加熱に
比べて長時間における溶鋼温度の制御を安定且つ容易に
行うことができ、鋳片の表層厚みのばらつきを一層小さ
くすることができる。
【0023】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
少なくとも表層溶湯を加熱するようにしたので、表層溶
湯の温度低下が防止される。これにより、表層の厚みの
ばらつきを小さくすることができる。
少なくとも表層溶湯を加熱するようにしたので、表層溶
湯の温度低下が防止される。これにより、表層の厚みの
ばらつきを小さくすることができる。
【図1】 本発明を実施するための装置の一例を示す図
である。
である。
【図2】 温度制御精度と表層厚みのばらつきとの関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図3】 本発明を実施するための装置の一例を示す図
である。
である。
1a 内層用タンディッシュ 1b 表層用タンディッシュ 2a 内層用タンディッシュストッパー 2b 表層用タンディッシュストッパー 3a 内層溶湯 3b 表層溶湯 4a 内層用タンディッシュ溶鋼加熱装置 4b 表層用タンディッシュ溶鋼加熱装置 5a 内層用浸漬ノズル 5b 表層用浸漬ノズル 6 鋳型 7 静磁場発生装置 8a 内層 8b 表層 9a 内層用取鍋 9b 表層用取鍋 10 表層用取鍋溶鋼加熱装置
Claims (2)
- 【請求項1】 内層用タンディッシュ及び表層用タンデ
ィッシュにそれぞれ設けられた加熱装置により内層用タ
ンディッシュ内の内層用金属と表層用タンディッシュ内
の表層用金属をそれぞれ所定の温度に維持しながら鋳型
内の上下に異なる位置にそれぞれ注入して表層と内層か
らなる複合金属材料を鋳造することを特徴とする複合金
属材料の連続鋳造方法。 - 【請求項2】 内層用取鍋内に貯留された内層用金属を
内層用タンディッシュに注入すると共に加熱装置により
加熱され略一定温度に維持された外層用取鍋内に貯留さ
れた外層用金属を外層用タンディッシュに注入し、前記
内層用タンディッシュ内の内層用金属と前記表層用タン
ディッシュ内の表層用金属を鋳型内の上下に異なる位置
にそれぞれ注入して表層と内層からなる複合金属材料を
鋳造することを特徴とする複合金属材料の連続鋳造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9461593A JPH06304703A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 複合金属材料の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9461593A JPH06304703A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 複合金属材料の連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06304703A true JPH06304703A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14115160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9461593A Withdrawn JPH06304703A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 複合金属材料の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06304703A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013519524A (ja) * | 2010-02-11 | 2013-05-30 | ノベリス・インコーポレイテッド | 金属温度補償を伴う複合インゴットの鋳造 |
-
1993
- 1993-04-21 JP JP9461593A patent/JPH06304703A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013519524A (ja) * | 2010-02-11 | 2013-05-30 | ノベリス・インコーポレイテッド | 金属温度補償を伴う複合インゴットの鋳造 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000704 |