JPH0630275Y2 - 遠心分離機用フィルター濾過器 - Google Patents
遠心分離機用フィルター濾過器Info
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- JPH0630275Y2 JPH0630275Y2 JP1989038280U JP3828089U JPH0630275Y2 JP H0630275 Y2 JPH0630275 Y2 JP H0630275Y2 JP 1989038280 U JP1989038280 U JP 1989038280U JP 3828089 U JP3828089 U JP 3828089U JP H0630275 Y2 JPH0630275 Y2 JP H0630275Y2
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- filter
- cup
- wall
- sample liquid
- peripheral wall
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Description
【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、遠心分離機に用いられるフィルター濾過器に
関し、特に、例えば抗体、酵素、核酸および蛋白質等を
濃縮、脱塩、精製および分画することにより微量試料を
得るために用いられるフィルター濾過器に関する。
関し、特に、例えば抗体、酵素、核酸および蛋白質等を
濃縮、脱塩、精製および分画することにより微量試料を
得るために用いられるフィルター濾過器に関する。
従来技術 遠心力を駆動源とするフィルター濾過器が公知技術とし
て知られている。その際に用いる遠心分離機は周知のよ
うに大別して2種類のものがある。その1つはスイング
式と呼ばれるもので、複数本のフィルター濾過器をロー
タの周囲に懸架し、該ロータが回転する際に各フィルタ
ー濾過器が水平状態で、つまりその底部を径方向外側に
して寝た状態で、回転するようにしたものである。一
方、今1つの遠心分離機はアングル型ロータ式と呼ばれ
るものであって、ロータの内部に複数本のフィルター濾
過器収納穴が形成されており、この穴のロータ回転中心
に対する角度すなわち濾過器取付角を30゜〜60゜に設定
したものである。
て知られている。その際に用いる遠心分離機は周知のよ
うに大別して2種類のものがある。その1つはスイング
式と呼ばれるもので、複数本のフィルター濾過器をロー
タの周囲に懸架し、該ロータが回転する際に各フィルタ
ー濾過器が水平状態で、つまりその底部を径方向外側に
して寝た状態で、回転するようにしたものである。一
方、今1つの遠心分離機はアングル型ロータ式と呼ばれ
るものであって、ロータの内部に複数本のフィルター濾
過器収納穴が形成されており、この穴のロータ回転中心
に対する角度すなわち濾過器取付角を30゜〜60゜に設定
したものである。
ところで、上記アングル型ロータ式の遠心分離機は、各
濾過器がロータに形成された設置穴内に収納固定される
ため、該濾過器の安定性が非常によいという利点を備え
ており、特にロータを高速回転させる場合に適してい
る。また、この方式の遠心分離機によれば、フィルター
濾過器における試料液の濾過速度が非常に速いという利
点もある。
濾過器がロータに形成された設置穴内に収納固定される
ため、該濾過器の安定性が非常によいという利点を備え
ており、特にロータを高速回転させる場合に適してい
る。また、この方式の遠心分離機によれば、フィルター
濾過器における試料液の濾過速度が非常に速いという利
点もある。
アングル型ロータ式遠心分離機に用いられる従来のフィ
ルター濾過器の1例を第6図に示している。図におい
て、1は筒状試料液カップ、2は該試料液カップ1の底
壁に備えられた平板状フィルター、3は試料液カップ1
の底部を構成する接続端壁の外周に嵌合される筒状濾液
カップである。フィルター2はカップ軸心O′に対して
直角になるように試料液カップ1の底壁に設置・固定さ
れている。
ルター濾過器の1例を第6図に示している。図におい
て、1は筒状試料液カップ、2は該試料液カップ1の底
壁に備えられた平板状フィルター、3は試料液カップ1
の底部を構成する接続端壁の外周に嵌合される筒状濾液
カップである。フィルター2はカップ軸心O′に対して
直角になるように試料液カップ1の底壁に設置・固定さ
れている。
第7図に、第6図に示した濾過器をアングル型ロータ式
の遠心分離機に使用して運転した状態を示している。図
において、Oはロータ(図示せず)の回転中心である。
各濾過器は回転中心Oに対して濾過器取付角βの角度を
維持した状態でロータに固定される。ロータが図中矢印
方向に回転すれば、試料液カップ1内に収納された試料
液4には回転中心Oに対する直角方向の遠心ベクトルV
がかかることになる。ところで、各濾過器は回転中心O
に対して濾過器取付角βの角度で設置されているため、
フィルター2は回転中心Oに対して角度γの傾斜を有す
ることになる。従って、遠心分離が進行するに従って、
試料液4中のスラッジ(フィルターの目詰まりの原因と
なる固型分や高分子の溶質等)4bが遠心ベクトルVの作
用により図中左側に移動して溶媒(上澄液)4aより分離
してくる。この場合、スラッジ4bは遠心力の分力により
フィルター2に対して押し付けられるが、このフィルタ
ー2は回転中心Oに対して角度γだけ傾斜しているた
め、スラッジ4bはフィルター2に沿って遠心方向に徐々
に移動していく。つまり、遠心分離が十分進行したとし
てもフィルター2の求心側の部分2aは、スラッジ4bに覆
われることなく開放されているため、この部分はスラッ
ジによる目詰まりは生じにくく、溶媒4aはこの部分2aを
通って濾液カップ3側に移動することができるのであ
る。つまり、この濾過器を用いてアングル型ロータ式遠
心分離機により試料液を濾過すれば、たとえ遠心分離が
十分進行したとしても、濾過速度の低下する程度は非常
に小さいという利点があるのである。
の遠心分離機に使用して運転した状態を示している。図
において、Oはロータ(図示せず)の回転中心である。
各濾過器は回転中心Oに対して濾過器取付角βの角度を
維持した状態でロータに固定される。ロータが図中矢印
方向に回転すれば、試料液カップ1内に収納された試料
液4には回転中心Oに対する直角方向の遠心ベクトルV
がかかることになる。ところで、各濾過器は回転中心O
に対して濾過器取付角βの角度で設置されているため、
フィルター2は回転中心Oに対して角度γの傾斜を有す
ることになる。従って、遠心分離が進行するに従って、
試料液4中のスラッジ(フィルターの目詰まりの原因と
なる固型分や高分子の溶質等)4bが遠心ベクトルVの作
用により図中左側に移動して溶媒(上澄液)4aより分離
してくる。この場合、スラッジ4bは遠心力の分力により
フィルター2に対して押し付けられるが、このフィルタ
ー2は回転中心Oに対して角度γだけ傾斜しているた
め、スラッジ4bはフィルター2に沿って遠心方向に徐々
に移動していく。つまり、遠心分離が十分進行したとし
てもフィルター2の求心側の部分2aは、スラッジ4bに覆
われることなく開放されているため、この部分はスラッ
ジによる目詰まりは生じにくく、溶媒4aはこの部分2aを
通って濾液カップ3側に移動することができるのであ
る。つまり、この濾過器を用いてアングル型ロータ式遠
心分離機により試料液を濾過すれば、たとえ遠心分離が
十分進行したとしても、濾過速度の低下する程度は非常
に小さいという利点があるのである。
ところで、第6図に示した上記濾過器をスイング式遠心
分離機に使用した場合には、遠心分離が進行するに従っ
て濾過速度の低下が著しいという問題がある。第8図に
スイング式遠心分離機にこの濾過器を使用して運転して
いる状態を示している。図中に示すように、遠心分離が
進行すれば、試料液4中のスラッジ4bが溶媒4aより分離
して遠心方向に移動する。この場合、フィルター2は回
転中心Oに対して平行となっているため、スラッジ4bは
フィルターの全面を覆ってしまうようになり、遠心分離
が進行するに従ってスラッジ4bの厚みが厚くなり、フィ
ルター2の目詰まりは著しく、このため濾過速度が著し
く低下していくのである。従って、濾過に要する時間は
非常に長くなり、これは大きな問題となる。
分離機に使用した場合には、遠心分離が進行するに従っ
て濾過速度の低下が著しいという問題がある。第8図に
スイング式遠心分離機にこの濾過器を使用して運転して
いる状態を示している。図中に示すように、遠心分離が
進行すれば、試料液4中のスラッジ4bが溶媒4aより分離
して遠心方向に移動する。この場合、フィルター2は回
転中心Oに対して平行となっているため、スラッジ4bは
フィルターの全面を覆ってしまうようになり、遠心分離
が進行するに従ってスラッジ4bの厚みが厚くなり、フィ
ルター2の目詰まりは著しく、このため濾過速度が著し
く低下していくのである。従って、濾過に要する時間は
非常に長くなり、これは大きな問題となる。
この種のフィルター濾過器は、アングル型ロータ式遠心
分離機のみらなずスイング式遠心分離機に適用した場合
にも濾過速度が低下しないことが望ましいことは言うま
でもない。
分離機のみらなずスイング式遠心分離機に適用した場合
にも濾過速度が低下しないことが望ましいことは言うま
でもない。
また、上記濾過器がアングル型ロータ式遠心分離機に適
用される場合であっても、遠心ベクトルVの分力がフィ
ルター2に加わるため、多くはないもののその分だけス
ラッジによるフィルターの目詰まりを生ずることにな
る。
用される場合であっても、遠心ベクトルVの分力がフィ
ルター2に加わるため、多くはないもののその分だけス
ラッジによるフィルターの目詰まりを生ずることにな
る。
本考案の目的 従って、本考案の目的は、アングル型ロータ式およびス
イング式のいずれの遠心分離機に適用しても、遠心ベク
トルのフィルターに対する作用を皆無にすることにより
フィルターの目詰まりを防止し、以って高速の濾過速度
を保証することにある。
イング式のいずれの遠心分離機に適用しても、遠心ベク
トルのフィルターに対する作用を皆無にすることにより
フィルターの目詰まりを防止し、以って高速の濾過速度
を保証することにある。
本考案の要旨 上記目的を達成するため本考案は以下の如く構成した。
すなわち、上記筒状試料液カップの周壁の底部を構成す
る接続端壁の一部を、開口部を有するフィルター固定壁
として構成する。そして、このフィルター固定壁は、上
記接続端壁の残部よりカップ軸心側に入り込んでいる。
該フィルター固定壁には上記開口部を覆うようにフィル
ターを固定する。上記フィルター固定壁の開口部の周囲
のフィルター取付面は、フィルターとともに、試料液カ
ップの軸心に対して平行とされるか又は上記フィルター
取付面の先端側が該カップのフィルタ対向周壁から径方
向に遠去かるように軸心に対して傾斜させる。
る接続端壁の一部を、開口部を有するフィルター固定壁
として構成する。そして、このフィルター固定壁は、上
記接続端壁の残部よりカップ軸心側に入り込んでいる。
該フィルター固定壁には上記開口部を覆うようにフィル
ターを固定する。上記フィルター固定壁の開口部の周囲
のフィルター取付面は、フィルターとともに、試料液カ
ップの軸心に対して平行とされるか又は上記フィルター
取付面の先端側が該カップのフィルタ対向周壁から径方
向に遠去かるように軸心に対して傾斜させる。
また、上記試料液カップのフィルター固定壁と、上記周
壁底部からその上方に連なる周壁本体部とを接続する接
続壁の内面は傾斜面として構成される。
壁底部からその上方に連なる周壁本体部とを接続する接
続壁の内面は傾斜面として構成される。
また、上記試料液カップの周壁の接続端壁と底壁とで必
要最低量のスラッジ濃縮液を保留するためのスラッジ濃
縮液保留空間を形成する。
要最低量のスラッジ濃縮液を保留するためのスラッジ濃
縮液保留空間を形成する。
さらに、上記試料液カップのフィルター固定壁と、上記
接続壁と、筒状濾液カップの試料液カップの接続端壁の
外周に嵌合する接続端壁との間には濾液カップ内に通じ
る濾液通過空間を形成する。
接続壁と、筒状濾液カップの試料液カップの接続端壁の
外周に嵌合する接続端壁との間には濾液カップ内に通じ
る濾液通過空間を形成する。
上記構成においては、フィルターが、試料液カップ軸心
に対して平行であるか又はフィルターの試料液カップ底
部先端側が該カップの対向周壁から径方向に遠去かるよ
うに配置されるので、この濾過器をアングル型ロータ式
遠心分離機に適用した場合は勿論のこと、スイング式遠
心分離機に適応した場合であっても、その運転中にはフ
ィルターは遠心ベクトル方向すなわちロータの回転中心
に対する直角方向、に対して平行となるかまたは遠心ベ
クトルを受けない側に傾斜することになり、従って、試
料液中のスラッジはフィルターに向かうことなく直接ス
ラッジ濃縮液保留空間に向かって移動することになり、
第7図の場合と同様にフィルターの求心側部分に常にス
ラッジが存在しない部分または存在量の少ない部分が確
保され、該部分を通じて溶媒が静圧の作用により試料液
カップから濾液通過空間を通って濾液カップの方に濾過
されることになる。そして、さらに、上記構成によれ
ば、スラッジは、遠心分離が進行するに従って、試料液
カップの先端側つまりスラッジ濃縮液保留空間に寄せ集
められ、かつフィルターには遠心ベクトルが直接かから
ないためフィルターに対するスラッジの付着量が非常に
少なく、従って、該スラッジの回収率が非常によく、さ
らにたとえ、遠心分離機の運転時間が適性時間を超過し
ても、スラッジ濃縮液保留空間に必要最低量のスラッジ
濃縮液が確保される。
に対して平行であるか又はフィルターの試料液カップ底
部先端側が該カップの対向周壁から径方向に遠去かるよ
うに配置されるので、この濾過器をアングル型ロータ式
遠心分離機に適用した場合は勿論のこと、スイング式遠
心分離機に適応した場合であっても、その運転中にはフ
ィルターは遠心ベクトル方向すなわちロータの回転中心
に対する直角方向、に対して平行となるかまたは遠心ベ
クトルを受けない側に傾斜することになり、従って、試
料液中のスラッジはフィルターに向かうことなく直接ス
ラッジ濃縮液保留空間に向かって移動することになり、
第7図の場合と同様にフィルターの求心側部分に常にス
ラッジが存在しない部分または存在量の少ない部分が確
保され、該部分を通じて溶媒が静圧の作用により試料液
カップから濾液通過空間を通って濾液カップの方に濾過
されることになる。そして、さらに、上記構成によれ
ば、スラッジは、遠心分離が進行するに従って、試料液
カップの先端側つまりスラッジ濃縮液保留空間に寄せ集
められ、かつフィルターには遠心ベクトルが直接かから
ないためフィルターに対するスラッジの付着量が非常に
少なく、従って、該スラッジの回収率が非常によく、さ
らにたとえ、遠心分離機の運転時間が適性時間を超過し
ても、スラッジ濃縮液保留空間に必要最低量のスラッジ
濃縮液が確保される。
また、上記構成によれば、試料液カップのフィルター固
定壁と、周壁底部からその上方に連なる周壁本体部とを
接続する接続壁の内面は傾斜面として構成されるので、
遠心分離運転中、スラッジは、フィルター固定壁と周壁
本体部との間に溜まることなく、接続壁の傾斜面に沿っ
てすべり落ちてスラッジ濃縮液保留空間に向かう。
定壁と、周壁底部からその上方に連なる周壁本体部とを
接続する接続壁の内面は傾斜面として構成されるので、
遠心分離運転中、スラッジは、フィルター固定壁と周壁
本体部との間に溜まることなく、接続壁の傾斜面に沿っ
てすべり落ちてスラッジ濃縮液保留空間に向かう。
さらに、上記構成によれば、フィルター固定壁を構成す
る部分は、周壁底部の残部よりカップ軸心側に入り込ん
でいるので、試料液カップと濾液カップの両者を略同一
径の筒状としても、試料液カップのフィルター固定壁
と、濾液カップの接続端壁との間に十分な濾液通過空間
を形成できる。つまり、上記構成によれば、試料液カッ
プと濾液カップとを略同一径の筒状とし、両者を接続し
たとき、両者間に段差が形成されない、一体的組み合わ
せ体が得られる。
る部分は、周壁底部の残部よりカップ軸心側に入り込ん
でいるので、試料液カップと濾液カップの両者を略同一
径の筒状としても、試料液カップのフィルター固定壁
と、濾液カップの接続端壁との間に十分な濾液通過空間
を形成できる。つまり、上記構成によれば、試料液カッ
プと濾液カップとを略同一径の筒状とし、両者を接続し
たとき、両者間に段差が形成されない、一体的組み合わ
せ体が得られる。
実施例 以下に、第1〜5図に示した本考案の一実施例について
詳細に説明する。
詳細に説明する。
第1図は本実施例に係るフィルター濾過器の試料液カッ
プ11の要部断面図、2図は第1図に示した試料液カップ
の斜視図、第3図は第1,2図に示した試料液カップ11に
キャップ16を被せるとともに、該試料液カップ11の底部
に濾液カップ13を接続した濾過器全体を示す斜視図であ
る。
プ11の要部断面図、2図は第1図に示した試料液カップ
の斜視図、第3図は第1,2図に示した試料液カップ11に
キャップ16を被せるとともに、該試料液カップ11の底部
に濾液カップ13を接続した濾過器全体を示す斜視図であ
る。
第1図の示すように、試料液カップ11および濾液カップ
13は共に同一径の円筒状であって、試料液カップ11は、
大略円筒状の周壁11aと、該周壁11aの底部すなわち、接
続端壁11jにその先端を閉塞するように形成された底壁1
1bと、上記周壁11aに固定されたフィルター12と、該フ
ィルター12を周壁11aに固定するためのフィルターホル
ダー15とを備えている。
13は共に同一径の円筒状であって、試料液カップ11は、
大略円筒状の周壁11aと、該周壁11aの底部すなわち、接
続端壁11jにその先端を閉塞するように形成された底壁1
1bと、上記周壁11aに固定されたフィルター12と、該フ
ィルター12を周壁11aに固定するためのフィルターホル
ダー15とを備えている。
周壁11aの底部(接続端壁)11jの一部11eは、フィルタ
ー12を固定するためのフィルター固定壁11eとして構成
され、かつ、カップ軸心O′のところまで入り込みかつ
これと平行な形状となっている。そして、このフィルタ
ー固定壁11eは、その中央部にフィルター12を配置する
ための開口部11cを備えている。上記フィルター12は、
その周囲がフィルター固定壁11eの外側に形成されたフ
ィルター取付面11iにあてがわれかつフィルターホルダ
ー15とフィルター取付面11iとの間に挟持・接着される
ことにより固定されている。尚、上記フィルター取付面
11iおよびフィルター12も軸心O′と平行になってい
る。また、フィルターホルダー15は、第2図によく示さ
れるように、フィルター12を通って濾過された濾過液を
濾液カップ13側に通過させるために、フィルター12と対
応する中央部分を多孔質に形成している。尤も、これは
網状であってもあるいは格子状であってもよいことは云
うまでもない。フィルター12を通過する濾液は、上記フ
ィルター固定壁11eと濾液カップ13の接続端壁13bとの間
に形成される濾液通過空間13aを通って濾液カップ13内
の底部に至る。
ー12を固定するためのフィルター固定壁11eとして構成
され、かつ、カップ軸心O′のところまで入り込みかつ
これと平行な形状となっている。そして、このフィルタ
ー固定壁11eは、その中央部にフィルター12を配置する
ための開口部11cを備えている。上記フィルター12は、
その周囲がフィルター固定壁11eの外側に形成されたフ
ィルター取付面11iにあてがわれかつフィルターホルダ
ー15とフィルター取付面11iとの間に挟持・接着される
ことにより固定されている。尚、上記フィルター取付面
11iおよびフィルター12も軸心O′と平行になってい
る。また、フィルターホルダー15は、第2図によく示さ
れるように、フィルター12を通って濾過された濾過液を
濾液カップ13側に通過させるために、フィルター12と対
応する中央部分を多孔質に形成している。尤も、これは
網状であってもあるいは格子状であってもよいことは云
うまでもない。フィルター12を通過する濾液は、上記フ
ィルター固定壁11eと濾液カップ13の接続端壁13bとの間
に形成される濾液通過空間13aを通って濾液カップ13内
の底部に至る。
上記フィルター固定壁11eと、周壁底部11jからその上方
に連なる周壁本体部11hとを接続する接続壁11fの内面は
傾斜面11gとしている。
に連なる周壁本体部11hとを接続する接続壁11fの内面は
傾斜面11gとしている。
また、試料液カップ11の底部には、周壁底部11jと底壁1
1bとで、スラッジを高濃度に含むスラッジ濃縮液を保留
するためのスラッジ濃縮液保留空間11dを形成してい
る。
1bとで、スラッジを高濃度に含むスラッジ濃縮液を保留
するためのスラッジ濃縮液保留空間11dを形成してい
る。
第4図に第1〜3図に示したフィルター濾過器をアング
ル型ロータ式遠心分離機に適応しかつ運転している状態
を示している。前記したように、フィルター12はカップ
軸心O′と平行にしているので、濾過器のロータ回転中
心Oに対する取付角をβとすれば、フィルター12は遠心
ベクトルVの方向に対して図中下方に角度<90−β>傾
斜することになる。従って、遠心分離運転が行なわれる
と、試料液4中のスラッジ4bは、遠心ベクトルVの方向
つまり回転中心Oに対する直角方向に移動し、フィルタ
ー12に対しては遠心ベクトルによる力は全くかかること
がなく、僅か試料液4中に発生する静圧がかかるのみで
ある。従って、フィルター12はスラッジによる目詰まり
は殆どなく、かつその求心側の一部12aは常にスラッジ4
bより開放されており、溶媒4aはこの部分12aを通って濾
液カップ12の方へ濾過され、遠心分離が十分に進行して
も濾過速度は殆ど低下しない。
ル型ロータ式遠心分離機に適応しかつ運転している状態
を示している。前記したように、フィルター12はカップ
軸心O′と平行にしているので、濾過器のロータ回転中
心Oに対する取付角をβとすれば、フィルター12は遠心
ベクトルVの方向に対して図中下方に角度<90−β>傾
斜することになる。従って、遠心分離運転が行なわれる
と、試料液4中のスラッジ4bは、遠心ベクトルVの方向
つまり回転中心Oに対する直角方向に移動し、フィルタ
ー12に対しては遠心ベクトルによる力は全くかかること
がなく、僅か試料液4中に発生する静圧がかかるのみで
ある。従って、フィルター12はスラッジによる目詰まり
は殆どなく、かつその求心側の一部12aは常にスラッジ4
bより開放されており、溶媒4aはこの部分12aを通って濾
液カップ12の方へ濾過され、遠心分離が十分に進行して
も濾過速度は殆ど低下しない。
一方、第1〜3図に示したフィルター濾過器を、第5図
に示すように、スイング式遠心濾過器に適用すれば、運
転中は、濾過器はロータ回転中心Oに対して直角とな
る。従って、フィルター12もこの回転中心Oに対して直
角となる。従って、この場合にも、遠心ベクトルVはフ
ィルター12に殆どかかることがなく、試料液4中のスラ
ッジ4bはフィルター12上を移動して先端側に寄せ集めら
れ、フィルター12の求心側部分12aはスラッジによる目
詰まりがなく、従って、この部分12aを通して試料液4
中の溶媒4aが静圧により濾液カップ13側に濾過される。
に示すように、スイング式遠心濾過器に適用すれば、運
転中は、濾過器はロータ回転中心Oに対して直角とな
る。従って、フィルター12もこの回転中心Oに対して直
角となる。従って、この場合にも、遠心ベクトルVはフ
ィルター12に殆どかかることがなく、試料液4中のスラ
ッジ4bはフィルター12上を移動して先端側に寄せ集めら
れ、フィルター12の求心側部分12aはスラッジによる目
詰まりがなく、従って、この部分12aを通して試料液4
中の溶媒4aが静圧により濾液カップ13側に濾過される。
第4図および第5図のいずれの場合であっても、スラッ
ジ4bは常にスラッジ濃縮液保留空間11dの側に寄せ集め
られるため、このスラッジ濃縮液保留空間11d内に入っ
た分量のスラッジ濃縮液はこの空間に確実に保持され、
たとえ遠心分離機の運転時間が適性時間を大幅に超過し
た場合であってもこの空間11d内に確保されたスラッジ
濃縮液は濾液カップ12側へは移動せず、従って必要最低
量のスラッジ濃縮液の採取は保証されている。尚、第4
図、第5図のいずれの場合であっても、試料液カップ11
中のスラッジは傾斜面11g沿いに滑ってスラッジ濃縮液
保留空間11dの方へ向かう。従って、接続壁11fの段差部
分にスラッジや試料液が溜まることはない。
ジ4bは常にスラッジ濃縮液保留空間11dの側に寄せ集め
られるため、このスラッジ濃縮液保留空間11d内に入っ
た分量のスラッジ濃縮液はこの空間に確実に保持され、
たとえ遠心分離機の運転時間が適性時間を大幅に超過し
た場合であってもこの空間11d内に確保されたスラッジ
濃縮液は濾液カップ12側へは移動せず、従って必要最低
量のスラッジ濃縮液の採取は保証されている。尚、第4
図、第5図のいずれの場合であっても、試料液カップ11
中のスラッジは傾斜面11g沿いに滑ってスラッジ濃縮液
保留空間11dの方へ向かう。従って、接続壁11fの段差部
分にスラッジや試料液が溜まることはない。
上記実施例によれば、フィルター濾過器をアングル型ロ
ータ式およびスイング式のいずれの遠心分離機に適用し
た場合であっても、濾過速度の低下の速度が極めて小さ
く、かつスラッジの回収率がよく、さらに必要最低量の
スラッジ濃縮液を試料液カップ内に確保することが保証
される。
ータ式およびスイング式のいずれの遠心分離機に適用し
た場合であっても、濾過速度の低下の速度が極めて小さ
く、かつスラッジの回収率がよく、さらに必要最低量の
スラッジ濃縮液を試料液カップ内に確保することが保証
される。
尚、第1A図に、本考案の他の実施例を示している。こ
の実施例においては、フィルター取付面11iがフィルタ
ー12とともに、カップ11の軸心O′に対して、フィルタ
ーのカップ先端側が対向する周壁により径方向に遠去か
るように、固定されている。その他の構成は、前記第1
実施例と同一であり、その同一部には第1実施例と同一
の参照符号を付して示している。この実施例において
は、濾過器をアングル型ロータ式遠心分離機に適用した
場合は勿論のこと、スイング式遠心分離機に適応した場
合であっても、その運転中にはフィルターは遠心ベクト
ル方向に対して遠心ベクトルを受けない側に傾斜するこ
とになり、第1実施例の場合と実質的に同一の作用・効
果が得られる。
の実施例においては、フィルター取付面11iがフィルタ
ー12とともに、カップ11の軸心O′に対して、フィルタ
ーのカップ先端側が対向する周壁により径方向に遠去か
るように、固定されている。その他の構成は、前記第1
実施例と同一であり、その同一部には第1実施例と同一
の参照符号を付して示している。この実施例において
は、濾過器をアングル型ロータ式遠心分離機に適用した
場合は勿論のこと、スイング式遠心分離機に適応した場
合であっても、その運転中にはフィルターは遠心ベクト
ル方向に対して遠心ベクトルを受けない側に傾斜するこ
とになり、第1実施例の場合と実質的に同一の作用・効
果が得られる。
第1〜5図は本考案の一実施例を示し、第1図はフィル
ター濾過器の試料液カップの要部断面図、第2図は第1
図における試料液カップの全体斜視図、第3図は第1,2
図に示した試料液カップを濾液カップに接続した濾過器
全体の斜視図、第4図は第1〜3図に示した濾過器をア
ングル型ロータ式遠心分離機に適用した場合における運
転状態を示す説明図、第5図は第1〜3図に示した濾過
器をスイング型遠心分離機に適用した場合の運転状態を
示す説明図、第1A図は本考案の他の実施例を示す第1
図と同様の要部断面図、第6図は従来例に係る濾過器の
正面図、第7,8図は夫々、第6図に示した濾過器をアン
グル型ロータ式およびスイング式の各遠心分離機に適用
した運転状態を示す第4,5図と同様の説明図である。 β…濾過器取付角、O…回転中心、O′…カップ軸心、
V…遠心ベクトル、1…試料液カップ、2…フィルタ
ー、2a…部分、3…濾液カップ、4…試料液、4a…溶媒
(上澄液)、4b…スラッジ、11…試料液カップ、11a…
周壁、11b…底壁、11c…開口部、11d…スラッジ濃縮液
保留空間、11e…フィルター固定壁、11f…接続壁、11g
…傾斜面、11h…本体部、11i…フィルター取付面、11j
…周壁の底部(接続端壁)、12…フィルター、12a…部
分、13…濾液カップ、13a…濾液通過空間、13b…接続端
壁、15…フィルターホルダー、16…キャップ。
ター濾過器の試料液カップの要部断面図、第2図は第1
図における試料液カップの全体斜視図、第3図は第1,2
図に示した試料液カップを濾液カップに接続した濾過器
全体の斜視図、第4図は第1〜3図に示した濾過器をア
ングル型ロータ式遠心分離機に適用した場合における運
転状態を示す説明図、第5図は第1〜3図に示した濾過
器をスイング型遠心分離機に適用した場合の運転状態を
示す説明図、第1A図は本考案の他の実施例を示す第1
図と同様の要部断面図、第6図は従来例に係る濾過器の
正面図、第7,8図は夫々、第6図に示した濾過器をアン
グル型ロータ式およびスイング式の各遠心分離機に適用
した運転状態を示す第4,5図と同様の説明図である。 β…濾過器取付角、O…回転中心、O′…カップ軸心、
V…遠心ベクトル、1…試料液カップ、2…フィルタ
ー、2a…部分、3…濾液カップ、4…試料液、4a…溶媒
(上澄液)、4b…スラッジ、11…試料液カップ、11a…
周壁、11b…底壁、11c…開口部、11d…スラッジ濃縮液
保留空間、11e…フィルター固定壁、11f…接続壁、11g
…傾斜面、11h…本体部、11i…フィルター取付面、11j
…周壁の底部(接続端壁)、12…フィルター、12a…部
分、13…濾液カップ、13a…濾液通過空間、13b…接続端
壁、15…フィルターホルダー、16…キャップ。
Claims (1)
- 【請求項1】周壁(11a)と、該周壁(11a)の底部先端を閉
塞する底壁(11b)を備えた筒状試料液カップ(11)と、該
試料液カップ(11)の周壁底部を構成する接続端壁(11j)
の外周に嵌合される筒状濾液カップ(13)よりなる遠心分
離機用フィルター濾過器にして、 上記試料液カップ(11)の周壁(11a)の接続端壁(11j)の一
部は、その残部よりカップ軸心(O′)側に入り込みかつ
開口部(11c)を有するフィルター固定壁(11e)として構成
され、該フィルター固定壁(11e)には上記開口部(11c)を
覆うようにフィルター(12)が固定され、上記フィルター
固定壁(11e)の開口部(11c)の周囲のフィルター取付面(1
1i)は、フィルター(12)とともに、試料液カップ(11)の
軸心(O′)に対して平行とされるか又は上記フィルター
取付面(11i)の先端側が該カップ(11)のフィルター対向
周壁から径方向に遠去かるように軸心(O′)に対して傾
斜せしめられ、 上記試料液カップ(11)のフィルター固定壁(11e)と、上
記周壁底部(11j)からその上方に連なる周壁本体部(11h)
とを接続する接続壁(11f)の内面は傾斜面(11g)として構
成され、 上記試料液カップ(11)の周壁(11a)の接続端壁(11j)と底
壁(11b)とで必要最低量のスラッジ濃縮液を保留するた
めのスラッジ濃縮液保留空間(11d)が形成され、 上記試料液カップ(11)のフィルター固定壁(11e)と、上
記接続壁(11f)と、濾液カップ(13)の試料液カップ接続
端壁(11j)の外周に嵌合する接続端壁(13b)との間には濾
液カップ(13)内に通じる濾液通過空間(13a)が形成され
たことを特徴とする遠心分離機用濾過器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989038280U JPH0630275Y2 (ja) | 1989-04-01 | 1989-04-01 | 遠心分離機用フィルター濾過器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989038280U JPH0630275Y2 (ja) | 1989-04-01 | 1989-04-01 | 遠心分離機用フィルター濾過器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH021255U JPH021255U (ja) | 1990-01-08 |
JPH0630275Y2 true JPH0630275Y2 (ja) | 1994-08-17 |
Family
ID=31264838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1989038280U Expired - Lifetime JPH0630275Y2 (ja) | 1989-04-01 | 1989-04-01 | 遠心分離機用フィルター濾過器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0630275Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7066733B2 (en) | 1998-01-20 | 2006-06-27 | Kerr Corporation | Apparatus and method for curing materials with light radiation |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5721275U (ja) * | 1980-07-09 | 1982-02-03 | ||
US8357296B2 (en) | 2007-09-24 | 2013-01-22 | Emd Millipore Corporation | Centrifugal filter |
US9304070B2 (en) | 2011-07-13 | 2016-04-05 | Emd Millipore Corporation | All-in-one sample preparation device and method |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6318443U (ja) * | 1986-07-21 | 1988-02-06 |
-
1989
- 1989-04-01 JP JP1989038280U patent/JPH0630275Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7066733B2 (en) | 1998-01-20 | 2006-06-27 | Kerr Corporation | Apparatus and method for curing materials with light radiation |
US7210930B2 (en) | 1998-01-20 | 2007-05-01 | Kerr Corporation | Apparatus and method for curing materials with radiation |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH021255U (ja) | 1990-01-08 |
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