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JPH06274819A - 複合型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

複合型磁気ヘッド及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06274819A
JPH06274819A JP6514593A JP6514593A JPH06274819A JP H06274819 A JPH06274819 A JP H06274819A JP 6514593 A JP6514593 A JP 6514593A JP 6514593 A JP6514593 A JP 6514593A JP H06274819 A JPH06274819 A JP H06274819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
gap
film
magnetic head
apex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6514593A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumimasa Akashi
純正 明石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP6514593A priority Critical patent/JPH06274819A/ja
Publication of JPH06274819A publication Critical patent/JPH06274819A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録磁界の強化を再生効率の低下を招くこと
なく実現し、また記録トラック幅の精度管理を容易化す
る。 【構成】 一対のコア1,2を相互に突き合わせ、一方
のコア1に設けた凹所により巻線挿通用の巻線窓5を形
成し、この巻線窓5の一側での両コア1,2の突き合わ
せ部に磁気ギャップ3を構成する。巻線窓5のアペック
ス面5cと、磁気ギャップ3を臨むギャップ面とのなす角
度θを40°〜60°の範囲に設定し、飽和磁束密度の
強化のためにギャップ面に成膜される磁性膜1bの成膜範
囲を、アペックス面5cの中途部又は全域に亘って延長す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体への磁気
記録及び再生用として用いられる磁気ヘッドに関し、更
に詳述すれば、磁気記録媒体に摺接する磁気ギャップの
両側に高い飽和磁束密度を有する金属磁性体製の磁性膜
を形成し、高密度記録への対応を図った複合型磁気ヘッ
ド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録媒体は、材料技術の進歩
により、従来に比して大幅に高い保磁力を有するように
なっており、この種の高保磁力媒体への対応のため、磁
気記録及び再生用の磁気ヘッドにおいては、強い磁界を
得るべく、高飽和磁束密度化が要求されている。
【0003】前記要求に安価に応え得る磁気ヘッドとし
て、従来の磁気ヘッド(フェライトヘッド)の改良によ
り得られる複合型磁気ヘッド、所謂MIGヘッドがあ
る。図7は、従来の複合型磁気ヘッドの斜視図である。
【0004】図示の如く複合型磁気ヘッドは、一対のコ
ア1,2を相互に突き合わせ、一方のコア1に設けた凹
所により巻線挿通用の巻線窓5を形成し、この巻線窓5
の一側での両コア1,2の突き合わせ部に、薄い非磁性
体製の層を介在させ、磁気ギャップ3を形成してなる。
磁気ギャップ3の幅は、両コア1,2に跨がって幅方向
両側に形成された幅規制溝4,4により、要求される記
録トラックの幅に対応するように制限されており、両コ
ア1,2は、前記幅規制溝4,4に充填される溶着ガラ
スにより接合されている。
【0005】前記コア1,2は、MnZn系フェライト
等の高透磁率フェライトからなるコア本体1a,2aの突き
合わせ側の面の全面、即ち、磁気ギャップ3を臨む面
(以下ギャップ面という)を含む全面に、高い飽和磁束
密度を有する金属磁性体製の磁性膜1b,2bを所定の厚さ
に成膜してなる。つまり複合型磁気ヘッドは、従来広く
用いられているフェライトヘッドにおいて、磁気記録に
関わる磁気ギャップ3近傍の断面積が幅規制溝4,4及
び巻線窓5により制限され、飽和磁束密度の向上に限界
があることに着目し、前記ギャップ面に高い飽和磁束密
度を有する磁性膜1b,2bを成膜して、飽和磁束密度を強
化することにより、磁気ギャップ3の近傍に強い記録用
磁界を得ようとするものであり、磁性膜1b,2bとして
は、センダスト、アモルファス等が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年におけ
る記録トラック幅の狭小化に応じて、幅規制溝4,4に
より制限される磁気ギャップ3の幅もまた狭小化される
傾向にあり、図7に示す如き複合型磁気ヘッドでは、磁
性膜1b,2bによる飽和磁束密度強化の程度が不足し、所
望の強度を有する記録磁界が得られないという問題が生
じている。
【0007】図8は、この問題を解消すべく提案された
複合型磁気ヘッドの一例を示す斜視図、図9は、同じく
他の例を示す斜視図及び磁気ギャップ近傍の正面図を示
している。これらはいずれも、特公平4-77370号公報に
開示されたものであり、図8に示す複合型磁気ヘッド
は、幅規制溝4,4の底面及び両側面にも磁性膜1b,2b
を形成することにより、また図9に示す複合型磁気ヘッ
ドは、幅規制溝4,4に加えて、コア本体1a側の巻線窓
5形成用の凹所の全面に亘って磁性膜1b,2bを形成する
ことにより、夫々、飽和磁束密度の更なる強化を図って
いる。
【0008】ところが、図8に示す複合型磁気ヘッドに
おいては、記録トラック幅が、幅規制溝4,4の底面に
おける磁性膜1b,2bの膜厚に影響される難点があり、記
録トラック幅の精度管理のためには、磁気ギャップ3の
幅を制限する幅規制溝4,4の深さ寸法管理に加え、磁
性膜1b,2bの成膜厚さの管理を必要とし、多大の工数を
要する難点がある。
【0009】一方、図9に示す複合型磁気ヘッドにおい
ては、図9(b)に示す如く、幅規制溝4,4を三角形
断面の溝とし、両者の頂点の交叉部分にて磁気ギャップ
3の幅を制限するようにしており、記録トラック幅の精
度管理は容易となるが、以下の理由により、再生効率、
特に高周波数域での再生効率が悪化するという難点を有
している。なおこの難点は、図8に示す複合型磁気ヘッ
ドにおいても同様に生じるものである。
【0010】表1は、磁性膜1b,2bの材料となるセンダ
スト及びアモルファスの飽和磁束密度並びに透磁率を、
コア本体1a,2aの材料である高透磁性フェライトのそれ
と比較して示しており、この表に明らかな如く、センダ
スト及びアモルファスは、フェライトに比較して十分に
高い飽和磁束密度を有するが、透磁率に関しては略同等
である。
【0011】
【表1】
【0012】一方、前記磁性膜1b,2bは、一般的にスパ
ッタ法又は蒸着法により成膜されるが、材料となるセン
ダスト及びアモルファスの特性、特に、これらの透磁率
は、成膜角度によって大きく異なることが知られてい
る。表2は、チタン酸カルシウム基板の表面にスパッタ
法により成膜されたセンダスト膜の透磁率と成膜方向と
の関係を示している。
【0013】
【表2】
【0014】なお前記センダスト膜は、2μmの厚さに
成膜した後、 500℃に加熱し、30分のアニールを行った
ものである。前記成膜角度とは、成膜面の垂直軸に対す
る成膜方向の傾き角度であり、表2に明らかな如く、セ
ンダスト膜の透磁率は成膜角度の増大に伴って低下し、
特に、成膜角度が60°を超えた後の低下は著しい。この
ような透磁率の低下は、成膜角度の増大に伴って、膜質
が密度的に粗となること及び金属組成的に偏析が生じる
ことによるものであると考えられており、スパッタ法に
より成膜されたアモルファス膜においても同様に生じ、
また、蒸着法により成膜されたセンダスト膜及びアモル
ファス膜においては、成膜粒子の回り込みが少ないこと
から、より一層顕著に生じる。
【0015】センダスト膜の透磁率の低下は、高温( 6
00℃以上)下での熱処理により回復し得る。ところが、
複合型ヘッドにおいて前述の如く成膜された磁性膜1b,
2bに対し高温下での熱処理を実施した場合、基板となる
フェライト製のコア本体1a,2aとの間の界面にセンダス
ト中のAlが拡散し、この拡散部分に絶縁性を有する疑
似ギャップが生成される不都合がある。この不都合は、
コア本体1a,2aと磁性膜1b,2bとの間に中間層を介在さ
せることにより改善されるが、この場合においても熱処
理温度の上限は 500〜 550℃であり、熱処理による透磁
率の回復は期待できない。更に、アモルファス膜におい
ては、結晶化を引き起こすことから熱処理自体が不可能
であり、成膜後の透磁率の回復は望むべくもない。
【0016】ここで、図9に示す複合型磁気ヘッドにお
いては、磁気ギャップ3が幅規制溝4の側面に成膜され
た磁性膜1b,2b間に挾まれて形成されており、これらの
磁性膜1b,2bをギャップ面と垂直な方向から成膜した場
合、両者の成膜角度はいずれも大きく、磁気ギャップ3
近傍での透磁率の低下が避け難く、再生効率、特に高周
波数域での再生効率の悪化を招来することとなる。な
お、透磁率の低下を避けるべく、磁気ギャップ3の両側
において夫々幅規制溝4の側面に直交する方向から磁性
膜1b,2bを成膜する方法が考えられるが、この場合、コ
ア本体1a又は2aの支持方向を換えての2回の成膜工程を
要し、生産性の低下を招く上、磁気ギャップ3の部分に
両方向からの成膜の界面が生成されることから望ましく
ない。
【0017】更に、図9に示す複合型磁気ヘッドにおい
ては、コア本体1aの巻線窓5形成用の凹所の全面に亘っ
て磁性膜1bが成膜されているが、巻線窓5の磁気ギャッ
プ3から離れた側の面(リア面5a)に成膜された磁性膜
1bは、渦電流損を引起す上、大なる成膜角度にて形成さ
れた透磁率の低い膜であることから、再生効率の低下要
因となり、特性上有害なものとなっている。
【0018】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、再生効率の低下を招来することなく記録磁界の
強化を図ることができ、また記録トラック幅の精度管理
を容易に行える複合型磁気ヘッド及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複合型磁気
ヘッドは、一対のフェライトコアの突き合わせにより形
成された磁気ギャップに成膜される磁性膜の成膜範囲
を、磁気ギャップを臨むギャップ面に対して40°〜6
0°の角度を有して連続する巻線窓のアペックス面の一
部又は全部に延長したものである。
【0020】また本発明に係る複合型磁気ヘッドの製造
方法は、ギャップ面及びアペックス面への前記磁性膜の
成膜を、ギャップ面と垂直な方向に対してアペックス面
側に20°以下の傾斜を有する方向から、スパッタ法又
は蒸着法により一括して実施するものである。
【0021】
【作用】本発明においては、記録トラック幅の精度低下
を招き、また再生効率の低下要因となっている幅規制溝
の側面及び底面、並びに巻線窓のリア面及び底面への磁
性膜の成膜を止め、巻線窓の磁気ギャップ側の面(アペ
ックス面)の一部又は全部に磁性膜の成膜範囲を延長
し、この延長部における高い飽和磁束密度により、磁気
ギャップを臨むギャップ面に成膜された磁性膜に記録磁
界の強化に十分な磁束を供給する。更に、アペックス面
のギャップ面に対する傾斜角度を60°以下として、ギ
ャップ面との一括成膜によりアペックス面に得られる磁
性膜の成膜品質、特に、透磁率を良好に保ち得るように
し、また前記傾斜角度を40°以上として、傾斜角度の
減少に伴う磁路長の過度の増大を制限する。
【0022】また、前記磁性膜の成膜を、ギャップ面と
垂直な方向に対して20°の傾斜を有する方向からのス
パッタ又は蒸着により、ギャップ面及びアペックス面の
両面で一括して行い、ギャップ面の成膜品質を重視しつ
つ、アペックス面に良質な磁性膜を形成し、再生効率の
低下を防ぐ。
【0023】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は本発明に係る複合型磁気ヘッドの斜
視図である。図示の如く本発明に係る複合型磁気ヘッド
は、一対のコア1,2を相互に突き合わせ、一方のコア
1に設けた凹所により巻線挿通用の巻線窓5を形成し、
この巻線窓5の一側での両コア1,2の突き合わせ部
に、薄い非磁性体製の層を介在させ、磁気ギャップ3を
構成してなる。
【0024】磁気ギャップ3の幅は、コア1,2に跨が
って跨がって幅方向両側に形成された幅規制溝4,4に
より制限され、所望の記録トラック幅に対応するように
なしてあり、両コア1,2は、前記幅規制溝4,4に充
填される溶着ガラスにより接合されている。コア1,2
は、高透磁率フェライトからなるコア本体1a,2aと、こ
れらの突き合わせ側の全面に成膜され、センダスト、ア
モルファス等の高い飽和磁束密度を有する金属磁性体製
の磁性膜1b,2bとから構成されている。
【0025】以上の構成は、図7に示す従来の複合型磁
気ヘッドと同様であり、本発明に係る複合型磁気ヘッド
の特徴は、一方のコア1に形成された凹所と他方のコア
2の端面とにより囲まれて構成された巻線窓5が、磁気
ギャップ3を臨むギャップ面に対して所定の角度θ(=
40°〜60°)を有して連続するアペックス面5cを備
えていること、及び、このアペックス面5cを備えるコア
1側の磁性膜1bの成膜範囲が、前記アペックス面5cに延
長されていることにある。
【0026】図2は、コア1のギャップ面近傍を拡大し
て示す斜視図であり、図示の如く磁性膜1bは、磁気ギャ
ップ3を臨む端面(ギャップ面)と、巻線窓5を形成す
る凹所の3面の内、前記ギャップ面に連続するアペック
ス面5cの中途部に至るまでの範囲と、磁気ギャップ3の
他側において他方のコア2に突き合わされる面とに形成
されている。
【0027】図3は、本発明に係る複合型磁気ヘッドの
他の実施例を示す斜視図であり、この実施例において
は、磁性膜1bの形成範囲が巻線窓5のアペックス面5cの
全域に亘って延長されている。なおこの実施例において
も、アペックス面5cとギャップ面とのなす角度は、40°
〜60°に設定されている。
【0028】このように本発明に係る複合型磁気ヘッド
の特徴の1つは、巻線窓5を形成する凹所を有する側の
コア1において、磁気ギャップ3の記録磁界を強化すべ
く形成された磁性膜1bの成膜範囲が、前記巻線窓5のア
ペックス面5cの一部(図1参照)、又はアペックス面5c
の全部(図3参照)にまで延長されていることにあり、
換言すれば、巻線窓5の他の面、即ち、リア面5a及び底
面5b、並びに幅規制溝4の底面及び側面に磁性膜1bが成
膜されていないことにある。この理由について次に説明
する。
【0029】前記磁性膜1b(及び2b)の成膜は、磁気ギ
ャップ3近傍での飽和磁束密度を増すことにあり、磁性
膜1bの延長部分は、幅規制溝4,4と巻線窓5とにより
断面積を規制されるコア1側において、磁気ギャップ3
近傍への十分な量の磁束の供給するために必要である。
ところが一方、巻線窓5のリア面5a及び幅規制溝4の各
面への磁性膜1bの形成は、前述した如く、透磁率の低下
に伴う再生効率の低下を引き起こし、また記録トラック
幅に対応する磁気ギャップ3の幅寸法管理の難しさを招
来することから有害であり、これらの面への磁性膜1bの
成膜は望ましくない。
【0030】また、巻線窓5の底面5bへの磁性膜1bの成
膜は、該面5bがギャップ面と略平行をなし、良質の成膜
が可能であることから有害ではないが、底面5bの相当部
分ではコア1が十分な断面積を有しており磁束飽和が起
こり得ないことから、本来不要なものである。従って、
後述する如く行われるリア面5aにおける磁性膜1bの除去
時に同時に除去するのが望ましい。
【0031】更に、図2に示す如く、磁気ギャップ3の
他側において他方のコア2に突き合わされる面、及び他
方のコア2のギャップ面以外の面への磁性膜1bの成膜も
不要である。ところが、これら各面の磁性膜1bをなくし
た場合、磁気ギャップ3の厚さにギャップ面での成膜厚
さの影響が生じること、また磁性膜1bの成膜面には高精
度でしかも無歪の面加工を要し、この面加工はコア1,
2の突き合わせ面の全面に亘って行う方が有利であるこ
と、更に、前記各面はギャップ面と面一をなしており良
質な磁性膜1bが得られること等の理由により、図1〜図
3に示す如く、前記各面の磁性膜1bを残すことに支障は
ない。
【0032】次に、磁気ギャップ3を臨むギャップ面
と、巻線窓5のアペックス面5cとのなす角度(アペック
ス面角)θの限定理由について述べる。金属磁性体の成
膜角度と透磁率との関係を示す前記表2に明らかな如
く、良質な磁性膜1bを得るためには成膜角度を0°とす
るのが望ましい。また、磁性膜1bの成膜は磁気ギャップ
3における飽和磁束密度の向上を図ることを主目的とし
たものであるから、ギャップ面での磁性膜1bの成膜角度
は可及的に0°に近付けるべきである。
【0033】一方、ギャップ面及びアペックス面5cにお
いて別個の工程にて磁性膜1bを成膜することは、前述の
如く、生産性の低下を招く上、ギャップ面とアペックス
面5cとの間に夫々の磁性膜1b,1bの界面が生じることか
ら望ましくなく、磁性膜1bは全範囲に亘って一括して成
膜されるべきである。ここで、ギャップ面での成膜角度
を0°に保って巻線窓5のアペックス面5cに同時に成膜
を行った場合、該アペックス面5cでの成膜角度は、前記
アペックス面角θとなる。つまり、アペックス面角θ
は、ギャップ面との一括成膜により得られるアペックス
面5cの磁性膜1bにおける透磁率の面から制限され、この
制限値は、以下に示す如く60°以下となる。
【0034】磁性膜1bの透磁率の低下が複合型磁気ヘッ
ドの再生効率に及ぼす影響は、磁気ギャップ3近傍、即
ち、ギャップ面の磁性膜1bにおいて20%であり、アペッ
クス面5cの磁性膜1bにおいて5%程度である。なおこの
結果は、記録トラック幅が20μm、磁気ギャップ3の幅
及び厚さが夫々18μm及び 0.2μmであり、また磁性膜
1bの膜厚を6μmとし、アペックス角θを50°とした複
合型磁気ヘッドでの試験により得られたものである。
【0035】表3は、ギャップ面での磁性膜1bの成膜角
度と、複合型磁気ヘッドの再生効率との関係を、また表
4は、アペックス面5cでの磁性膜1bの成膜角度と再生効
率との関係を夫々示している。なお、これらの表中の再
生効率は、成膜角度が0°の場合の再生効率を100 %と
した場合の相対効率(%)であり、夫々の成膜角度にお
ける透磁率は、表2の値、即ち、スパッタ法により成膜
されたセンダスト膜における透磁率を用いてある。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表3に明らか如く、複合型磁気ヘッドの再
生効率は、ギャップ面における成膜角度にかなり敏感に
反応し、ギャップ面における30°以上の成膜角度の採
用は再生効率の面から望ましくなく、更には、20°以
下とするのがよい。一方、表4に明らかな如く、アペッ
クス面5cでにおける成膜角度の増大に対する再生効率の
低下は比較的緩やかであるが、再生効率の低下を2〜3
%以内に抑えるためには、アペックス面5cにおける成膜
角度は60°以下に制限する必要がある。これらの結果
からアペックス面各θの上限値を60°とする。
【0039】一方、巻線窓5の外周は複合型磁気ヘッド
の磁路長であり、再生効率の向上のためには磁路長を可
及的に短くする必要がある。アペックス面角θの下限
は、磁路長を制限するために必要である。表5は、アペ
ックス面角θと磁路長との関係を示している。表中の磁
路長は、アペックス面角θが90°である場合を 100と
した相対長さである。
【0040】
【表5】
【0041】磁路長と再生効率との関係は、磁気ギャッ
プ3の摺動面と磁路との位置関係により変化することか
ら規格化し得ないが、両者は、概ね反比例することが知
られている。一方、表5に明らかな如く、磁路長の増加
率はアペックス面角θの低下と共に大きくなり、アペッ
クス面角θが40°以上とした場合、磁路長の増大程度
は小さい。このことからアペックス面角θの下限値を4
0°とする。
【0042】さて以上の如く本発明に係る複合型磁気ヘ
ッドにおいては、ギャップ面及びアペックス面5cにおけ
る磁性膜1bの成膜を一括して行うのが望ましく、この際
の成膜角度は、スパッタ法又は蒸着法を採用した場合、
前述の如く、ギャップ面において30°以下、アペック
ス面5cにおいて60°以下に制限する必要があり、更に
望ましくは、ギャップ面において20°以下とするのが
よい。
【0043】表6は、アペックス面角θを50°とした
複合型磁気ヘッドにおいて、ギャップ部の成膜角度をア
ペックス面5c側に傾斜させる方向に変更し、夫々の場合
における再生効率を算出した結果を示す。
【0044】
【表6】
【0045】この表に明らかな如く、ギャップ部の成膜
角度を10°とした場合、最大の再生効率が得られ、こ
の値は、前記成膜角度が0°〜20°の範囲において略
一定である。これは、ギャップ部の磁性膜1bの透磁率が
前記傾斜により殆ど変化しないのに対し、アペックス面
5cの磁性膜1bの透磁率が、前記傾斜により大きく変化す
るためである。この結果から、ギャップ面及びアペック
ス面5cに磁性膜1bの一括成膜を行う場合、成膜角度を、
ギャップ面と垂直な方向に対しアペックス面5c側に0°
〜20°の範囲に傾けて実施するのが望ましいことがわ
かる。
【0046】図4は、前記傾斜角度を20°とした場合
のギャップ面及びアペックス面5cでの磁性膜1bの成膜の
様子を示す模式図であり、図示の如くこの場合、ギャッ
プ面での成膜角度は20°であり、アペックス面5cの成
膜角度は30°となる。なおこのとき、巻線窓5のリア
面5a及び底面5cにも磁性膜1bが成膜されるが、これら
は、本発明に係る複合型磁気ヘッドにおいては不要のも
のであり、後工程において除去する。
【0047】また金属磁性体の飽和磁束密度は、成膜時
における成膜角度の広い範囲に亘って略一定であり、ス
パッタ法によった場合、成膜角度が略90°に達するま
での間、蒸着法によった場合、同じく70°前後に至る
までの間変化がないことが実験的に知られており、ギャ
ップ面及びアペックス面5cにおける前述した成膜角度の
採用は、飽和磁束密度の面からは問題はない。
【0048】図5は、以上の如く構成された本発明に係
る複合型磁気ヘッドの記録再生周波数特性を示すグラ
フ、図6は、略同一の緒元を有する従来の複合型磁気ヘ
ッドの記録周波数特性を示すグラフである。両図の比較
により、本発明に係る複合型磁気ヘッドにおいては、全
使用帯域(1MHz 〜10MHz )に亘って再生出力の明らか
な上昇( 0.5〜3dB)があり、特に、記録時に高い飽和
磁束密度を必要とする低周波数域(1MHz 〜2MHz )に
おいては、3dBを超える再生出力の改善が見られる。こ
のことは、磁気ギャップ3近傍の磁性膜1b,2bによる飽
和磁束密度の向上効果が十分に発揮されていることを示
している。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る複合型磁
気ヘッドにおいては、一対のフェライトコアの突き合わ
せにより形成された磁気ギャップに成膜される磁性膜の
成膜範囲を、磁気ギャップを臨むギャップ面に連続する
巻線窓のアペックス面の一部又は全部に延長したから、
記録トラック幅の精度低下及び再生効率の低下を招くこ
となく、磁気ギャップを臨むギャップ面に成膜された磁
性膜に記録磁界の強化に十分な磁束を供給することがで
き、またギャップ面に対するアペックス面の角度を40
°〜60°としたから、アペックス面における磁気膜の
成膜品質、特に、透磁率を良好に保つことができる一
方、傾斜角度の減少に伴う磁路長の増大が制限され、再
生効率の低下を有効に防ぐことができ、記録及び再生特
性の改善が同時に達成される。
【0050】また本発明に係る複合型磁気ヘッドの製造
方法においては、ギャップ面及びアペックス面への磁性
膜の成膜を、ギャップ面と垂直な方向に対してアペック
ス面側に20°以下の傾斜を有する方向からのスパッタ
法又は蒸着法により実施するから、ギャップ面の成膜品
質を重視しつつ、アペックス面に良質な磁性膜を得るこ
とができ、再生効率に優れた本発明に係る複合型磁気ヘ
ッドを高い生産性のもとで製造できる等、本発明は優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合型磁気ヘッドの一実施例を示
す斜視図である。
【図2】図1に示す複合型磁気ヘッドにおける磁性膜の
形成状態を示す要部拡大斜視図である。
【図3】本発明に係る複合型磁気ヘッドの他の実施例を
示す斜視図である。
【図4】磁性膜の成膜の様子を示す模式図である。
【図5】本発明に係る複合型磁気ヘッドの記録再生周波
数特性を示すグラフである。
【図6】従来の複合型磁気ヘッドの記録再生周波数特性
を示すグラフである。
【図7】一般的な複合型磁気ヘッドの斜視図である。
【図8】記録磁界の強化を図った従来の複合型磁気ヘッ
ドの斜視図である。
【図9】記録磁界の強化を図った従来の複合型磁気ヘッ
ドの斜視図である。
【符号の説明】
1 コア 1a コア本体 1b 磁性膜 2 コア 2a コア本体 2b 磁性膜 3 磁気ギャップ 5 巻線窓 5c アペックス面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のフェライトコアを、非磁性体製の
    磁気ギャップを一部に介して突き合わせ、両者間に巻線
    挿通用の巻線窓を形成する一方、両フェライトコアの前
    記磁気ギャップを臨む部位に、高い飽和磁束密度を有す
    る金属磁性体からなる磁性膜を成膜し、高密度記録への
    対応を図った複合型磁気ヘッドにおいて、前記巻線窓
    は、前記フェライトコアの前記磁気ギャップを臨むギャ
    ップ面に対し、40°〜60°の角度を有して連続する
    アペックス面を備え、該アペックス面の一部又は全部
    に、前記磁性膜の成膜範囲を延長してあることを特徴と
    する複合型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複合型ヘッドを得るべく
    実施する複合型磁気ヘッドの製造方法において、前記磁
    性膜の成膜を、前記ギャップ面と垂直な方向に対し、前
    記アペックス面側に20°以下の傾斜を有する方向から
    のスパッタ又は蒸着により一括して行うことを特徴とす
    る複合型磁気ヘッドの製造方法。
JP6514593A 1993-03-24 1993-03-24 複合型磁気ヘッド及びその製造方法 Pending JPH06274819A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5695043A (en) * 1990-01-26 1997-12-09 Ikegami Tsushinki Co., Ltd. Method of and an apparatus for conveying objects for inspection

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5695043A (en) * 1990-01-26 1997-12-09 Ikegami Tsushinki Co., Ltd. Method of and an apparatus for conveying objects for inspection

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