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JPH06264942A - 弁手段及び制御型回転差感応継手 - Google Patents

弁手段及び制御型回転差感応継手

Info

Publication number
JPH06264942A
JPH06264942A JP5333793A JP5333793A JPH06264942A JP H06264942 A JPH06264942 A JP H06264942A JP 5333793 A JP5333793 A JP 5333793A JP 5333793 A JP5333793 A JP 5333793A JP H06264942 A JPH06264942 A JP H06264942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
spool
stepping motor
orifice
insertion hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5333793A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Niikura
靖博 新倉
Etsuo Okubo
悦男 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP5333793A priority Critical patent/JPH06264942A/ja
Publication of JPH06264942A publication Critical patent/JPH06264942A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Control Of Stepping Motors (AREA)
  • Electrically Driven Valve-Operating Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1の目的は、オリフィス開度をステッピン
グモータにより制御する弁手段において、減速ギヤ等を
設けることなく、オリフィス開度分解能を高めた弁手段
を提供すること。第2の目的は、オリフィス開度が小さ
い領域で伝達トルク制御精度を高めた制御型回転差感応
継手を提供すること。 【構成】 ステッピングモータ30L,30Rの駆動制
御を行なうにあたって、目標位置を含む第1ステップ位
置と第2ステップ位置とのステップ間隔内でデューティ
制御を行なうコントロールユニット40(ステッピング
モータ制御手段)を設けた弁手段及びこの弁手段をオリ
フィス開度制御部に適用した制御型回転差感応継手7
L,7Rとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オリフィスの開口面積
(以下、オリフィス開度)をステッピングモータにより
制御する弁手段及びこの弁手段が適用された制御型回転
差感応継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステッピングモータを用いてスプ
ールを駆動することにより、弁体のポートとスプールの
ランド端部とで形成されるオリフィス開度を所定開度に
設定する弁手段を適用した制御型回転差感応継手として
は、例えば、特開平4−185539号公報に記載され
たものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
制御型回転差感応継手にあっては、オリフィス開度を制
御するにあたって、ステッピングモータに指令する1ス
テップによる回動角度が決められたものであるため、制
御可能なオリフィス開度がステッピングモータのステッ
プ間隔で決まり、オリフィス開度分解能が低いという問
題があった。
【0004】ここで、一般に用いられている2相ステッ
ピングモータでは、ステッピングモータに指令する1ス
テップによる回動角度は、例えば、2相励磁方式の場合
には1.8deg/stepであり、1−2相励磁方式
の場合には0.9deg/stepであり、この間隔で
しか選択できない。
【0005】したがって、コントローラにおいてオリフ
ィス開度目標値が得られるモータ目標角度が演算され、
このモータ目標角度を得るべくステッピングモータを駆
動させる場合、ポテンショメータからのモータ実角度を
監視しながらオリフィス開度目標値に最も近くなるオリ
フィス開度が得られるステップ数によるモータ駆動指令
を出力するしかない。
【0006】一方、オリフィス開度が小さい領域では、
オリフィス開度がわずかな変化しただけで伝達トルク特
性が大きく変化することで、特に微小なオリフィス開度
制御が要求される制御型回転差感応継手においては、こ
のオリフィス開度分解能の低さがそのまま伝達トルク分
解能の低さとなり、差動制限トルクや駆動力配分トルク
の制御精度に大きな影響を与えてしまう。
【0007】そこで、ステッピングモータのモータ軸に
減速ギヤを設け、伝達トルク分解能を高める案がある
が、この減速ギヤ方式では、ギヤのバックラッシュによ
るばらつきやディテントトルク(非通電時の駆動トル
ク)による戻し力の増大や応答性の悪化という問題が発
生する。
【0008】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、第1の目的は、オリフィス開度をステッピングモ
ータにより制御する弁手段において、減速ギヤ等を設け
ることなく、オリフィス開度分解能を高めた弁手段を提
供することにある。
【0009】第2の目的は、オリフィス開度が小さい領
域で伝達トルク制御精度を高めた制御型回転差感応継手
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため請求項1記載の発明では、ステッピングモータの
駆動制御を行なうにあたって、目標位置を含む第1ステ
ップ位置と第2ステップ位置とのステップ間隔内でデュ
ーティ制御を行なうステッピングモータ制御手段を設け
た弁手段とした。
【0011】すなわち、弁体内の挿通孔に設けられ、こ
の挿通孔の軸方向に摺動自在なスプールと、前記スプー
ルを軸方向に移動させるステッピングモータと、前記ス
プールのランド端部と弁体のポート端部とで形成される
オリフィスと、前記オリフィスの開口面積をスプールの
ストローク位置により所定開度に設定するべくステッピ
ングモータの駆動制御を行なうにあたって、目標位置を
含む第1ステップ位置と第2ステップ位置とのステップ
間隔内でデューティ制御を行なうステッピングモータ制
御手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】上記第2の目的を達成するため請求項2記
載の発明では、オリフィス開度制御部に上記弁手段を適
用し、オリフィス開度の大きさにより第1回転部材と第
2回転部材との相対回転に対する伝達トルク特性が選択
される制御型回転差感応継手とした。
【0013】すなわち、同軸上に相対回転可能に配置さ
れた第1回転部材及び第2回転部材と、前記第1回転部
材の内面に設けられたカム面と、前記第2回転部材に設
けられ、前記第1回転部材との相対回転によって前記カ
ム面に摺接しながら径方向に往復動する放射状配置のピ
ストンと、前記第2回転部材に設けられ、前記ピストン
の往復動に伴い体積変化する流体室と、この流体室に、
前記第2回転部材の軸心位置に設けられた挿通孔を介し
て連通されるアキュムレータと、前記挿通孔に摺動自在
に挿入され、前記流体室からこの挿通孔に臨むポートの
連通遮蔽を行なうスプールと、前記スプールのランド端
部とポートの端部とで形成され、前記流体室の縮小によ
って挿通孔を介してアキュムレータに吐出される流体の
流出規制を行なうオリフィスと、前記スプールを軸方向
に移動させるステッピングモータと、前記オリフィスの
開口面積をスプールのストローク位置により所定開度に
設定するべくステッピングモータの駆動制御を行なうに
あたって、目標位置を含む第1ステップ位置と第2ステ
ップ位置とのステップ間隔内でデューティ制御を行なう
ステッピングモータ制御手段とを備えていることを特徴
とする。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明の作用を説明する。
【0015】弁体内の挿通孔に設けられた軸方向に摺動
自在なスプールを、ステッピングモータにより軸方向に
移動させ、スプールのランド端部と弁体のポート端部と
で形成されるオリフィスの開口面積をスプールのストロ
ーク位置により所定開度に設定するべくステッピングモ
ータの駆動制御を行なう時には、ステッピングモータ制
御手段において、目標位置を含む第1ステップ位置と第
2ステップ位置とのステップ間隔内でデューティ比によ
り第1ステップ位置と第2ステップ位置とを交互に繰り
返すデューティ制御が行なわれる。
【0016】このように、2つのステップ位置間でデュ
ーティ制御を行なうと、所定時間内にオリフィスを通る
流量は、一方のオリフィス開口面積を有する位置にスプ
ールがある時間内にオリフィスを通過する流量と、もう
一方のオリフィス開口面積を有する位置にスプールがあ
る時間内にオリフィスを通過する流量との和となり、こ
れは、2つのステップ位置の中間領域の開口面積を有す
るオリフィスを通過する流量に相当する。
【0017】すなわち、減速ギヤ等を用いずにオリフィ
ス開度の分解能を上げることができ、さらに、デューテ
ィ比を変化させることにより、所望のオリフィス開口面
積に相当する流量を得ることができる。
【0018】請求項2記載の発明の作用を説明する。
【0019】同軸上に相対回転可能に配置された第1回
転部材と第2回転部材との相対回転時、第1回転部材の
内面に設けられたカム面に、第2回転部材に設けられた
放射状配置のピストンが摺接しながら径方向に往復動す
る。このピストンの往復動に伴い流体室が体積変化する
が、体積変化のうち流体室の縮小によって吐出される流
体のオリフィスによる流出規制で生じる流体圧が、第1
回転部材と第2回転部材との伝達トルクに変換される。
【0020】このトルク変換作用において、流体室から
流出する流体は流体室に連通するアキュムレータに導か
れる。
【0021】この伝達トルクの分解能は、オリフィス開
度の分解能によって決まるもので、このオリフィス開度
の分解能は、上記請求項1記載の弁手段を用いることで
上げられている。
【0022】したがって、ステッピングモータによりオ
リフィス開度が制御される制御型回転差感応継手におい
て、減速ギヤ等を用いずに伝達トルクの分解能を上げる
ことができ、特に、オリフィス開度のわずかな変化で伝
達トルクが大幅に変化する小オリフィス開度領域におい
ての伝達トルク制御精度を高めることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0024】まず、構成を説明する。
【0025】図1は本発明実施例の弁手段及び制御型回
転差感応継手が適用された左右輪トルク配分制御装置の
制御系を示す図、図2は左右輪トルク配分制御装置が適
用された後輪駆動車のパワートレーンを示すスケルトン
図、図3は左右輪トルク配分制御装置のメカ部を示す断
面図である。
【0026】左右輪トルク配分制御装置が適用された後
輪駆動車は、図2に示すように、エンジン1からのトル
クが、トランスミッション2、プロペラシャフト3、ド
ライブギア4、リングギア5を介してから、左後輪6L
へは、第1の制御型回転差感応継手7L及び左ドライブ
シャフト8Lを介して伝達され、右後輪6Rへは、第2
の制御型回転差感応継手7R及び右ドライブシャフト8
Rを介して伝達される。なお、左右前輪9L,9Rは非
駆動輪であり、ステアリングホイール10の操作により
操舵される。
【0027】前記制御型回転差感応継手7L,7Rは、
相対回転時にドライビングピストンを往復動させ、この
往復動に伴って吐出する作動油の流出規制をオリフィス
により行なうことで伝達トルクを発生する継手で、プロ
ペラシャフト3と左右ドライブシャフト8L,8Rのそ
れぞれの間に設けられ、入出力回転差に応じて伝達トル
クが発生すると共に、入出力回転差に対する制御ゲイン
の異なる二次関数的な伝達トルク特性の選択をオリフィ
ス開口面積を変更することで外部からそれぞれ独立制御
できるようにしている。
【0028】すなわち、図3に示すように、リングギア
5が固定され、左右の内面にカム面11L,11Rが形
成された共通カムハウジング11と、左右のドライブシ
ャフト8L,8Rにそれぞれスプライン結合されたロー
ター12L,12Rと、ローター12L,12Rとカム
ハウジング11の相対回転に伴って前記カム面11L,
11Rに摺接しながら往復動するドライビングピストン
13L,13Rと、該ドライビングピストン13L,1
3Rの往復動により体積変化するシリンダ室14L,1
4Rと、該シリンダ室14L,14Rに連通する吐出油
路15L,15Rと、該吐出油路15L,15Rの端部
に配置されたスプール16L,16Rのストローク位置
によりオリフィス開度が変更される可変オリフィス17
L,17Rと、前記シリンダ室14L,14Rとはワン
ウェイバルブを介して連通する吸入油路18L,18R
と、前記スプール16L,16Rが設けられるスプール
室19L,19Rと、該スプール室19L,19R及び
前記吐出油路18L,18Rと連通するアキュムレータ
室20L,20Rを有して構成されている。
【0029】前記可変オリフィス17L,17Rの開口
面積を外部からの指令により変化させるオリフィスアク
チュエータとして、ステッピングモータ30L,30R
が設けられている。
【0030】このステッピングモータ30L,30Rの
モータ軸30La,30Raと前記スプール16L,16R
との間に設けられる制御動作機構は、図1及び図3に示
すように、フォーク31L,31R、スライダ32L,
32R、ニードルベアリング33L,33R、スラスト
プレート34L,34R、ピン35L,35R、プッシ
ュロッド36L,36Rを有して構成されている。
【0031】前記ステッピングモータ30L,30Rに
モータ駆動制御指令を出力する制御手段としては、図1
に示すように、マイクロコンピュータを主体とする電子
回路構成によるコントロールユニット40(ステッピン
グモータ制御手段に相当)が設けられ、このコントロー
ルユニット40に入力情報をもたらす手段として、操舵
角センサ41と、左後輪速センサ42と、右後輪速セン
サ43と、横加速度センサ44と、ステッピングモータ
30L,30Rに設けられたポテンショメータ45L,
45R等を有する。
【0032】次に、作用を説明する。
【0033】[左右輪へのトルク配分制御作動]図4は
前記コントロールユニット40で所定の制御周期により
行なわれる左右輪へのトルク配分制御作動の流れを示す
フローチャートで、以下、各ステップについて説明す
る。
【0034】ステップ50では、操舵角θS と左右の後
輪速NL ,NR と横加速度YG が読み込まれる。
【0035】ステップ51では、操舵角θS がほぼ零で
あるかどうかが判断される。そして、操舵角θS がほぼ
零で直進時であると判断された時には、ステップ52へ
進み、両オリフィス17L,17Rを全閉にするオリフ
ィス全閉駆動指令が出力される。
【0036】また、操舵角θS が零でなく旋回時である
と判断された時は、ステップ53以降の流れに進む。
【0037】ステップ53では、操舵角θS の検出信号
波形のでかたにより旋回方向が判断される。
【0038】ステップ54では、車速Vが左右の後輪速
L ,NR の平均値により下記の式で求められる。
【0039】V=K[(NL +NR )/2] ステップ55では、旋回半径Rが車速Vと横加速度YG
により下記の式で演算される。
【0040】R=V2 /YG ステップ56では、必要左右回転差ΔNが車速Vと旋回
半径Rにより下記の式で演算される。
【0041】ΔN=f(V,R) なお、必要左右回転差ΔNは、図5に示すようなテーブ
ルを予め設定しておいて、このテーブルに基づいて求め
るようにしても良い。
【0042】ステップ57では、旋回外輪側の制御型回
転差感応継手に対しては入出力回転差に対する最大伝達
トルク特性を選択するオリフィス全閉駆動指令が出力さ
れ、旋回内輪側の制御型回転差感応継手に対しては必要
左右回転差ΔNの時に外輪側と等しいトルクが得られる
伝達トルク特性を選択するオリフィス中間開度駆動指令
が出力される。
【0043】ここで、旋回内輪側のオリフィス開度θi
の決定方法について述べると、図6に示すように、必要
左右回転差ΔNの時、旋回外輪への入力トルク(エンジ
ン回転数,スロットル開度及び減速比から計算する)に
等しくなる伝達トルク特性を選択し、この伝達トルク特
性を得るオリフィス開度により決定される。
【0044】[トルク配分制御作用]直進時には、ステ
ップ50→ステップ51→ステップ52を経過する流れ
となり、可変オリフィス17L,17Rのオリフィス開
度は全閉に制御される。
【0045】したがって、直進時には、ほぼデフロック
状態での走行となり、左右後輪に対して等配分にエンジ
ントルクが伝達され、良好な駆動性能が得られると共
に、左右後輪の差動を許容しないことで直進安定性に優
れる。
【0046】旋回時には、ステップ50→ステップ51
→ステップ53→ステップ54→ステップ55→ステッ
プ56→ステップ57を経過する流れとなり、旋回外輪
側の制御型回転差感応継手はオリフィス全閉とされ、旋
回内輪側の制御型回転差感応継手は外輪側への入力トル
クと必要左右回転差ΔNに応じたオリフィス開度に制御
される。
【0047】したがって、グリップ旋回域では、内輪の
回転数を外輪に対して必要左右回転差ΔNだけ小さくす
ることができるという差動機能が発揮され、滑らかな旋
回を行なうことができる。
【0048】また、トルク伝達に関しては、コンベンシ
ョナルディファレンシャルのように左右輪へ等しい伝達
トルクが与えられるという等トルク配分機能が発揮さ
れ、低μ路であったりアクセル急踏み等を行なっても弱
アンダーステア特性による安定した旋回性能が得られ
る。
【0049】また、内輪側への伝達トルクは、オリフィ
ス全閉による外輪側への伝達トルクと同レベルであるた
め、伝達トルク低減により左右輪の回転差を許容する場
合に比べ、トータル伝達トルクを大きくでき、駆動性能
に優れる。
【0050】[ステッピングモータデューティ制御]ロ
ーター11のスプール室19L,19Rに設けられた軸
方向に摺動自在なスプール16L,16Rを、ステッピ
ングモータ30L,30Rにより軸方向に移動させ、ス
プール16L,16Rのランド端部と吐出油路15L,
15Rのポート端部とで形成されるオリフィス17L,
17Rの開口面積をスプール16L,16Rのストロー
ク位置により所定開度に設定するべくステッピングモー
タ30L,30Rの駆動制御を行なう時には、コントロ
ールユニット40において、図7に示すように、目標位
置を含む第1ステップ位置(Lステップ)と第2ステッ
プ位置(Hステップ)とのステップ間の時間T0 のう
ち、T1 時間をHステップに割り当て、T2 時間をLス
テップに割り当てるデューティ比によりHステップとL
ステップとを交互に繰り返すデューティ制御が行なわれ
る。
【0051】このように、2つのステップとの間でデュ
ーティ制御を行なうと、所定時間T0内にオリフィス1
7L,17Rを通る流量は、一方のHステップによるオ
リフィス開口面積を有する位置にスプール16L,16
Rがある時間T1 内にオリフィス17L,17Rを通過
する流量と、もう一方のLステップによるオリフィス開
口面積を有する位置にスプール16L,16Rがある時
間T2 内にオリフィス17L,17Rを通過する流量と
の和となり、これは、2つのステップの中間領域の開口
面積を有するオリフィス17L,17Rを通過する流量
に相当する。
【0052】一例として、目標ステップ数が30.3ス
テップの場合で、図8に示すように、30ステップと3
1ステップとのステップ時間T0 が100msecとする
と、31ステップを30msec、30ステップを70msec
の間駆動するデューティ制御により所望の30.3ステ
ップを得ることができる。
【0053】図9にその実験結果を示す。この実験はス
テッピングモータにポテンショメータを付け、モータ軸
の絶対位置を計測したものであり、30〜31の整数ス
テップの間で、0.1ステップ毎にリニアな変化が見ら
れ、これは、従来の2相励磁相当に比べて、その分解能
を十倍に向上でき、従来の1−2相励磁相当に比べて、
その分解能を5倍に向上できるという結果が得られた。
【0054】なお、実施例では、HステップをL+1ス
テップとしたが、L+αステップとして、その間をデュ
ーティ制御することも可能である。
【0055】[左右トルク独立制御]上記のように、旋
回時には、旋回外輪側のオリフィス全閉制御に対して旋
回内輪側は旋回外輪側に伝達されるトルクと同等のトル
クが得られるようにそのオリフィス開度を制御しなけれ
ばならない。
【0056】そこで、例えば、必要左右回転差ΔN1
時、43ステップから44ステップに変化させると伝達
トルクTL から伝達トルクTH と変化し、旋回外輪トル
クTOUT が、TL <TOUT <TH の場合、従来のモータ
制御では、より近い方の伝達トルクTL またはTH を妥
協的に選択せざるを得ない。
【0057】しかし、上記のように、ステッピングモー
タデューティ制御を行なうと、43.1,43.2,4
3.3…というように、伝達トルクTL から伝達トルク
TH の間を10に分割したトルクが得られることにな
り、伝達トルク分解能の向上が図られ、よりきめの細か
い制御が可能となる。
【0058】なお、このデューティ制御では、図9に示
すように、正規ステップで駆動方向による微小なヒステ
リシスがみられるが(デューティ制御とは無関係にステ
ッピングモータにはこの傾向がある。)、ヒステリシス
の程度は、モータ駆動電圧とホールド時の電圧のON,
OFFの比率(正規ステップの位置で止めておくことを
ホールド状態といい、電流が流れ続けてモータが加熱す
るので、電圧のON,OFFを高周波数で行なう。)を
変えることで調整できる。
【0059】すなわち、電圧が大きいほど及びホールド
時の電圧ON比率が大きいほどヒステリシスは小さくな
る。したがって、バッテリのように電圧変動が大きい場
合、モータ印加電圧を検出し、図11に示すように、最
適なホールド時の電圧のON比率を選択することで、要
求性能を維持することが可能である。
【0060】次に、効果を説明する。
【0061】(1)ローター11のスプール室19L,
19Rに設けられた軸方向に摺動自在なスプール16
L,16Rを、ステッピングモータ30L,30Rによ
り軸方向に移動させ、スプール16L,16Rのランド
端部と吐出油路15L,15Rのポート端部とで形成さ
れるオリフィス17L,17Rの開口面積をスプール1
6L,16Rのストローク位置により所定開度に設定す
るべくステッピングモータ30L,30Rの駆動制御
を、コントロールユニット40において、目標位置を含
むLステップとHステップとのステップ間隔内で割り当
てるデューティ比によりHステップとLステップとを交
互に繰り返すデューティ制御を行なうようにしたため、
減速ギヤ等を設けることなく、オリフィス開度分解能を
高めることができる。
【0062】(2)上記のようにデューティ制御を行な
う弁手段を第1の制御型回転差感応継手7Lと第2の制
御型回転差感応継手7Rとに適用したため、特にオリフ
ィス開度が小さい領域で伝達トルク制御精度を高めるこ
とができる。
【0063】(3)第1の制御型回転差感応継手7Lと
第2の制御型回転差感応継手7Rとを用いて左右独立に
伝達トルクを制御する装置としたため、旋回時にきめの
細かい左右独立トルク制御を行なうことができる。
【0064】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0065】例えば、実施例では、駆動制御分野に適用
した弁手段の例を示したが、ステッピングモータを用い
てオリフィス開度を制御する他の制御分野にも本発明の
弁手段を適用することができる。
【0066】実施例では、左右独立のトルク伝達制御手
段として制御型回転差感応継手を適用した例を示した
が、差動制限手段や前後輪駆動力配分手段等として制御
型回転差感応継手を適用したものであっても良い。
【0067】
【発明の効果】請求項1記載の本発明にあっては、オリ
フィス開度をステッピングモータにより制御する弁手段
において、ステッピングモータの駆動制御を行なうにあ
たって、目標位置を含む第1ステップ位置と第2ステッ
プ位置とのステップ間隔内でデューティ制御を行なうス
テッピングモータ制御手段を設けたため、減速ギヤ等を
設けることなく、オリフィス開度分解能を高めた弁手段
を提供することができるという効果が得られる。
【0068】請求項2記載の本発明にあっては、オリフ
ィス開度制御部に上記弁手段を適用し、オリフィス開度
の大きさにより第1回転部材と第2回転部材との相対回
転に対する伝達トルク特性が選択される制御型回転差感
応継手としたため、オリフィス開度が小さい領域で伝達
トルク制御精度を高めた制御型回転差感応継手を提供す
ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の弁手段及び制御型回転差感応継
手が適用された左右輪トルク配分制御装置の制御系を示
す図である。
【図2】左右輪トルク配分制御装置が適用された後輪駆
動車のパワートレーンを示すスケルトン図である。
【図3】左右輪トルク配分制御装置のメカ部を示す断面
図である。
【図4】実施例装置のコントロールユニットで行なわれ
る左右輪トルク配分制御作動の流れを示すフローチャー
トである。
【図5】実施例装置での必要左右回転差マップ図であ
る。
【図6】実施例装置に適用された制御型回転差感応継手
でオリフィス開度をパラメータとする入出力回転差に対
する伝達トルク特性図である。
【図7】一般論でのデューテイ制御によるモータ駆動特
性図である。
【図8】30.3ステップの場合のデューテイ制御によ
るモータ駆動特性図である。
【図9】実施例装置でデューティ比を変えてステッピン
グモータを駆動した場合のポテンショメータ電圧特性図
である。
【図10】実施例装置に適用された制御型回転差感応継
手でステップ数をパラメータとする入出力回転差に対す
る伝達トルク特性図である。
【図11】ホルド時のON時間比率に対するバッテリ電
圧特性図である。
【符号の説明】
11 共通ハウジング(第1回転部材) 11L,11R カム面 12L,12R ローター(第2回転部材) 13L,13R ドライブピストン(ピストン) 14L,14R シリンダ室(流体室) 16L,16R スプール 17L,17R 可変オリフィス 20L,20R アキュムレータ室 30L,30R ステッピングモータ 40 コントロールユニット(ステッピングモータ制御
手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体内の挿通孔に設けられ、この挿通孔
    の軸方向に摺動自在なスプールと、 前記スプールを軸方向に移動させるステッピングモータ
    と、 前記スプールのランド端部と弁体のポート端部とで形成
    されるオリフィスと、 前記オリフィスの開口面積をスプールのストローク位置
    により所定開度に設定するべくステッピングモータの駆
    動制御を行なうにあたって、目標位置を含む第1ステッ
    プ位置と第2ステップ位置とのステップ間隔内でデュー
    ティ制御を行なうステッピングモータ制御手段と、 を備えていることを特徴とする弁手段。
  2. 【請求項2】 同軸上に相対回転可能に配置された第1
    回転部材及び第2回転部材と、 前記第1回転部材の内面に設けられたカム面と、 前記第2回転部材に設けられ、前記第1回転部材との相
    対回転によって前記カム面に摺接しながら径方向に往復
    動する放射状配置のピストンと、 前記第2回転部材に設けられ、前記ピストンの往復動に
    伴い体積変化する流体室と、 この流体室に、前記第2回転部材の軸心位置に設けられ
    た挿通孔を介して連通されるアキュムレータと、 前記挿通孔に摺動自在に挿入され、前記流体室からこの
    挿通孔に臨むポートの連通遮蔽を行なうスプールと、 前記スプールのランド端部とポートの端部とで形成さ
    れ、前記流体室の縮小によって挿通孔を介してアキュム
    レータに吐出される流体の流出規制を行なうオリフィス
    と、 前記スプールを軸方向に移動させるステッピングモータ
    と、 前記オリフィスの開口面積をスプールのストローク位置
    により所定開度に設定するべくステッピングモータの駆
    動制御を行なうにあたって、目標位置を含む第1ステッ
    プ位置と第2ステップ位置とのステップ間隔内でデュー
    ティ制御を行なうステッピングモータ制御手段と、 を備えていることを特徴とする制御型回転差感応継手。
JP5333793A 1993-03-15 1993-03-15 弁手段及び制御型回転差感応継手 Pending JPH06264942A (ja)

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