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JPH06260389A - アライメント装置 - Google Patents

アライメント装置

Info

Publication number
JPH06260389A
JPH06260389A JP5044773A JP4477393A JPH06260389A JP H06260389 A JPH06260389 A JP H06260389A JP 5044773 A JP5044773 A JP 5044773A JP 4477393 A JP4477393 A JP 4477393A JP H06260389 A JPH06260389 A JP H06260389A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
alignment
optical system
chromatic aberration
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5044773A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Ota
和哉 太田
Hideo Mizutani
英夫 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP5044773A priority Critical patent/JPH06260389A/ja
Publication of JPH06260389A publication Critical patent/JPH06260389A/ja
Priority to US09/407,610 priority patent/US6153886A/en
Withdrawn legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アライメント光学系の構成を単純化すると共
に、投影光学系の設計及び製造上の負荷を重くしない。 【構成】 アライメント光学系1からのウエハ照明光W
1 〜WB4 が、ダイクロイックミラー3、レチクル4
のレチクル窓35等を経て投影光学系5に入射し、ウエ
ハ照明光WB1 〜WB4 はそれぞれ色収差制御板10上
の軸上色収差制御素子により軸上色収差が補正された状
態で、ウエハ6上のウエハマーク37に照射される。ウ
エハマーク37からの検出光WB1(+1),WB2(-1) 及び
検出光WB 3(+2),WB4(-2) は、色収差が補正されるこ
となく投影光学系5及びレチクル4のレチクル窓35を
経てアライメント光学系1に戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばレチクル上に形
成されたパターンを投影光学系を介してウエハ上に転写
する投影露光装置のアライメント(位置合わせ)装置に
関し、特に、パターンを転写するための露光光と異なる
波長のアライメント光により、レチクルとウエハとの相
対的な位置合わせを行うアライメント装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子又は液晶表示素子等をリソグ
ラフィ工程で製造する際に、露光光のもとでフォトマス
ク又はレチクル(以下「レチクル」と総称する)のパタ
ーンを投影光学系を介して感光材が塗布された基板(ウ
エハ、ガラスプレート等)上に転写する投影露光装置が
使用されている。半導体素子の製造を例に取ると、一般
に半導体素子は、ウエハ上に多数層の回路パターンを重
ねて形成されるため、半導体素子を高い歩留まりで製造
するためには、ウエハ上の前層の回路パターンとこれか
ら転写するレチクルのパターンとの重ね合わせ精度を所
定の許容範囲内に収める必要がある。そのため、投影露
光装置には、レチクルとウエハとを高精度に位置合わせ
するためのアライメント装置が備えられている。
【0003】従来のアライメント装置の中では、投影光
学系を介してレチクルとウエハとの相対位置を直接合わ
せるTTR(スルー・ザ・レチクル)方式の装置が、原
理的に最も高い精度が実現できるものとして期待されて
いる。また、アライメント装置においては、ウエハ上に
塗布されたフォトレジストが感光しないように、アライ
メント光として、露光光の波長と異なる波長の光を用い
ることが要求される。しかしながら、アライメント光の
波長が露光光の波長と異なる場合には、アライメント光
に対して投影光学系で色収差が発生する問題があり、こ
の色収差を補正するようにしたアライメント装置が、特
開平3−3224号公報、特公平1−40490号公報
等で提案されている。
【0004】先ず、特開平3−3224号公報で開示さ
れたアライメント装置は、投影光学系の入射瞳の位置の
光軸中心に1枚の補正レンズを配置することにより、露
光光の波長とアライメント光の波長との間の色収差を補
正している。これにより、ウエハ上のアライメントマー
ク(ウエハマーク)からの±1次回折光を検出してアラ
イメントを行っている。
【0005】また、特公平1−40490号公報で開示
されたアライメント装置は、レチクルと投影光学系との
間の露光光路外あるいは露光光路内に補正光学系を配置
し、アライメント光が投影光学系を介することによる色
収差を補正している。そして、投影光学系を介してウエ
ハ上に形成されるレチクルマーク(レチクル上のアライ
メントマーク)の像とウエハマークとを検出して、レチ
クルとウエハとのアライメントを行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く特開平3−
3224号公報で開示されたアライメント装置では、投
影光学系の入射瞳の中心に配置された色収差補正用の補
正レンズは、露光光に対して悪影響を及ぼさない程度に
小さく構成されている。しかしながら、アライメントイ
精度を向上させるためには、ウエハマークを構成する回
折格子のピッチをより微細にする必要がある。そこで、
ウエハマークを構成する回折格子のピッチを小さくする
と、投影光学系の入射瞳では、検出光としての±1次回
折光の間隔が広がるため、補正レンズを大きくしなけれ
ばならなくなる。その結果として、補正レンズが露光光
に対して及ぼす影響は無視できなくなり、より高精度な
アライメントを行う用途には対応できないという不都合
があった。
【0007】更に、アライメントマークの段差やデュー
ティ比の条件によっては、±1次回折光の強度が著しく
弱くなることがあるが、この場合は高次の回折光を利用
することが有効である。しかしながら、高次の回折光を
利用する場合には、補正レンズの径が大きくなり、露光
光に対して及ぼす影響が無視できなくなるため、特開平
3−3224号公報で開示されたアライメント装置で
は、高次の回折光を利用することができなかった。
【0008】また、上述の如く特公平1−40490号
公報で開示されたアライメント装置では、レチクルと投
影レンズとの間の露光光路外あるいは露光光路内に補正
光学系を配置することによって、投影光学系の軸上色収
差を補正することが原理的に可能となっている。しかし
ながら、アライメント光の波長は露光光の波長より長い
ため、投影光学系を介してウエハマークの像を見ると、
投影光学系の横方向の色収差によって、レチクル上では
露光領域内にウエハマーク像が入り込んでしまうという
不都合が生じる。この不都合を避ける方法として、レチ
クルと投影光学系との間での露光光路外に傾角可変な平
行平面板を設け、投影光学系の横方向の色収差を補正し
てウエハマーク像を露光領域外へにシフトさせる方法が
考えられる。ところが、今度はこの平行平面板が露光光
の一部を遮光してしまうため、この方法では十分な対応
できない。
【0009】かと言って、異なる2波長の光(露光光及
びアライメント光)に対して色収差(軸上色収差と横方
向色収差)の無い投影光学系を実現することは、設計上
及び製造上で共に非常に困難である。特に、エキシマレ
ーザ光源を露光光の光源に用いる露光装置では、投影光
学系の硝材が石英、蛍石等に限られているため、前記色
収差は水銀ランプの輝線(g線、i線等)を露光光とす
る露光装置に比べて、数十倍にも及ぶ。
【0010】本発明は斯かる点に鑑み、簡単な構成で投
影光学系の軸上色収差及び/又は横方向の色収差を制御
できるようにすることにより、アライメント光学系の構
成を単純化すると共に、投影光学系の設計及び製造上の
負荷を与えない高性能なアライメント装置を提供するこ
とを目的とする。なお、本発明で言う横方向の色収差と
は、投影光学系を通過することによってガウス像面上で
結像する露光光と同じ波長の軸外光と、投影光学系を通
過することによって上記ガウス像面又はこれの前後で結
像する露光光とは別波長のアライメント光と、の双方の
主光線が上記ガウス像面上で交差する各交差位置間の位
置ずれにより定義されるものである。
【0011】また、投影光学系を通過することによって
ガウス像面上で結像する露光光と同じ波長の軸外光にお
ける主光線が上記ガウス像面で交差する交差位置から、
上記ガウス像面上での投影光学系の光軸位置までの距離
をδ1 、投影光学系を通過することによって、上記ガウ
ス像面又はこれの前後で結像する露光光とは別波長のア
ライメント光における主光線が上記ガウス像面で交差す
る交差位置から、上記ガウス像面上での投影光学系の光
軸位置までの距離をδ2 とするとき、横方向の色収差量
△Tは次式によって定義される。 △T=|δ2 −δ1 | (1)
【0012】
【課題を解決するための手段】発明による第1のアライ
メント装置は、例えば図1〜図6に示すように、マスク
(4)上に形成されたパターンを、露光光のもとで投影
光学系(5)を介して2次元的に移動自在なステージ
(8,9)上の基板(6)上に投影露光する投影露光装
置に設けられ、マスク(4)と基板(6)との相対的な
位置ずれをその露光光とは異なる波長のアライメント光
で検出するアライメント装置において、マスク(4)上
に形成された格子状のアライメントマーク(36)に対
し、そのアライメント光として互いに周波数がΔf1
け異なる可干渉な2光束(RB1 ,RB2 )を、それぞ
れ異なる方向から照射する第1の光照射手段(1)と、
マスク(4)上に形成された格子状のアライメントマー
ク(36)に対し、そのアライメント光として互いに周
波数がΔf1 と異なるΔf2 だけ異なる可干渉な2光束
(RB3 ,RB4 )を、それぞれ異なる方向から照射す
る第2の光照射手段(1)と、基板(6)上に形成され
た格子状のアライメントマーク(37)に対し、マスク
(4)及び投影光学系(5)を介して、そのアライメン
ト光として互いに周波数がΔf1 だけ異なる可干渉な2
光束(WB1 ,WB2 )を、それぞれ異なる方向から照
射する第3の光照射手段(1)と、基板(6)上に形成
された格子状のアライメントマーク(37)に対し、マ
スク(4)及び投影光学系(5)を介して、そのアライ
メント光として互いに周波数がΔf2 だけ異なる可干渉
な2光束(WB3 ,WB4 )を、それぞれ異なる方向か
ら照射する第4の光照射手段(1)とを有する。
【0013】更に本発明は、投影光学系(5)中の瞳面
又はこの近傍の面上で、その第3の光照射手段からの2
光束及びその第4の光照射手段からの2光束が通過する
領域に配置され、それぞれその第3の光照射手段からの
光束及びその第4の光照射手段からの光束に対する投影
光学系(5)の軸上色収差を所定の値に制御する照射光
制御手段(G11A〜G11D)と、それぞれマスク(4)
上のアライメントマーク(36)により同一方向に回折
される2光束よりなる2組以上の光束(RB1(+1),RB
2(-1) とRB3(+2),RB4(-2))を検出する第1の検出手
段(1)と、それぞれ基板(6)上のアライメントマー
ク(37)により同一方向に回折される2光束よりなる
2組以上の光束(WB1(+1),WB2(-1) とWB3(+2),W
4(-2))を検出する第2の検出手段(1)と、その第1
の検出手段及びその第2の検出手段から得られる検出信
号の内の周波数Δf1 の成分同士の位相を比較する第1
の位相比較手段(53)と、その第1の検出手段及びそ
の第2の検出手段から得られる検出信号の内の周波数Δ
2 の成分同士の位相を比較する第2の位相比較手段
(54)と、これら2つの位相比較手段によってそれぞ
れ得られた位相差に基づいてマスク(4)と基板(6)
との相対的な位置ずれ量を検出する位置ずれ検出手段
(57)とを有するものである。
【0014】この場合、基板(6)上のアライメントマ
ーク(37)上にその第3の光照射手段から照射される
2光束(WB1 ,WB2 )による計測方向と、基板
(6)上のアライメントマーク(37)上にその第4の
光照射手段から照射される2光束(WB3 ,WB4 )に
よる計測方向とが直交していてもよい。また、本発明の
第2のアライメント装置は、例えば図11〜図14に示
すように、マスク(4)上に形成されたパターンを、露
光光のもとで投影光学系(5)を介して2次元的に移動
自在なステージ(8,9)上の基板(6)上に投影露光
する投影露光装置に設けられ、マスク(4)と基板
(6)との相対的な位置ずれをその露光光とは異なる波
長のアライメント光で検出するアライメント装置におい
て、マスク(4)上に形成された格子状のアライメント
マーク(41)に対し、そのアライメント光として互い
に周波数がΔf1 だけ異なる可干渉な2光束(RB1
RB2 )を、それぞれ異なる方向から照射する第1の光
照射手段(1)と、マスク(4)上に形成された格子状
のアライメントマーク(41)に対し、そのアライメン
ト光として互いに周波数がΔf1 と異なるΔf2 だけ異
なる可干渉な2光束(RB3 ,RB4 )を、それぞれ異
なる方向から照射する第2の光照射手段(1)と、基板
(6)上に形成された格子状のアライメントマーク(3
7)に対し、マスク(4)及び投影光学系(5)を介し
て、そのアライメント光として互いに周波数がΔf1
け異なる可干渉な2光束(WB1 ,WB2 )を、それぞ
れ異なる方向から照射する第3の光照射手段(1)と、
基板(6)上に形成された格子状のアライメントマーク
(37)に対し、マスク(6)及び投影光学系(5)を
介して、そのアライメント光として互いに周波数がΔf
2 だけ異なる可干渉な2光束(WB3 ,WB4 )を、そ
れぞれ異なる方向から照射する第4の光照射手段(1)
とを有する。
【0015】更に本発明は、投影光学系(5)中の瞳面
又はこの近傍の面上で、その第3の光照射手段からの2
光束及びその第4の光照射手段からの2光束が通過する
領域に配置され、それぞれその第3の光照射手段からの
光束及びその第4の光照射手段からの光束に対する投影
光学系(5)の横方向の色収差を所定の値に制御する照
射光制御手段(G31A〜G31D)と、投影光学系(5)
中の瞳面又はこの近傍の面上で、それぞれ基板(6)上
のアライメントマーク(37)から同一方向に回折され
る2光束よりなる2組以上の光束が通過する領域に配置
され、それぞれ基板(6)上のアライメントマーク(3
7)からの光束に対して所定量の横方向の色収差を発生
させる検出光制御手段(G31E)と、それぞれマスク
(4)上のアライメントマーク(41)により同一方向
に回折される2光束よりなる2組以上の光束(RB1(+
1),RB2(-1) とRB3(+2),RB4(-2))を検出する第1
の検出手段(1)と、それぞれ基板(6)上のアライメ
ントマーク(37)により同一方向に回折される2光束
よりなる2組以上の光束(WB1(+1),WB2(-1) とWB
3(+2),WB4(-2))を検出する第2の検出手段(1)と、
その第1の検出手段及びその第2の検出手段から得られ
る検出信号の内の周波数Δf1 の成分の位相を比較する
第1の位相比較手段と、その第1の検出手段及び前記第
2の検出手段から得られる検出信号の内の周波数Δf2
の成分の位相を比較する第2の位相比較手段と、これら
2つの位相比較手段により得られた位相差に基づいてマ
スク(4)と基板(6)との相対的な位置ずれ量を検出
する位置ずれ検出手段とを有するものである。
【0016】この場合、その照射光制御手段が、その第
3の光照射手段からの光束及びその第4の光照射手段か
らの光束に対する投影光学系(5)の軸上色収差をも所
定の値に制御し、その検出光制御手段が、基板(6)上
のアライメントマーク(37)からの光束に対する投影
光学系(5)の軸上色収差もを所定の値に制御すること
が望ましい。
【0017】また、基板(6)上のアライメントマーク
(37)上にその第3の光照射手段から照射される2光
束による計測方向と、基板(6)上のアライメントマー
ク(37)上にその第4の光照射手段から照射される2
光束による計測方向とが直交しても良い。
【0018】
【作用】斯かる本発明の第1のアライメント装置におい
て、1組のアライメント光としての2光束は、投影光学
系(5)の瞳面又はその近傍を通過する際、互いに空間
的に離れた位置を通過する。その間隔は、基板(6)の
アライメントマーク(37)に照射される際に2光束の
成す角度θが大きくなるほど拡がる。一方、格子状のア
ライメントマーク(37)によって発生する回折光の角
度は、格子ピッチPに反比例するが、例えば2光束の±
1次回折光が同一方向に発生するためにそれら2光束が
なす角度θ1 の条件は、アライメント光の波長をλとす
れば、次のようになる。
【0019】sin(θ1 /2)=λ/P (2) これに対し、アライメントマーク(37)に照射される
2光束の±2次回折光が同一方向に発生するためにそれ
ら2光束がなす角度θ2 の条件は、次のようになる。 sin(θ2 /2)=2λ/P (3) 即ち、投影光学系(5)の瞳面の近傍を通過する際の2
光束の間隔は2倍に拡がってしまう。従って、仮にその
瞳面に補正レンズを入れる場合は、±1次回折光のみを
検出するときに比べてレンズ径が2倍必要となり、面積
比では4倍になってしまう。
【0020】これに対して本発明では、色収差制御手段
で色収差を制御するようにしているので、それぞれ2光
束からなるアライメント光の組(WB1 ,WB2 とWB
3 ,WB4 )の数に応じて色収差制御手段の数を増やす
だけで良い。従って、個々の色収差制御手段の面積は同
じでよいため、アライメント光の2組の場合には、色収
差制御手段の面積は2倍になるだけで済む。そして、第
1のマスク側の2光束(RB1 ,RB2 )から検出され
るマスク(4)の位置と第1の基板側の2光束(WB
1 ,WB2 )から検出される基板(6)の位置との差か
ら、マスク(4)と基板(6)との第1の位置ずれが求
められ、第2のマスク側の2光束(RB3,RB4 )か
ら検出されるマスク(4)の位置と第2の基板側の2光
束(WB3,WB4 )から検出される基板(6)の位置
との差から、マスク(4)と基板(6)との第2の位置
ずれが求められる。そして、位置ずれ検出手段で例えば
それら複数の位置ずれ量の加重平均等を求めることによ
り、基板(6)のアライメントマーク(37)からの±
1次回折光が弱い場合でも、マスク(4)と基板(6)
との位置ずれが正確に求められる。
【0021】また、第1の2光束(WB1 ,WB2 )に
よる基板(6)上の計測方向と、第2の2光束(WB
3 ,WB4 )による基板(6)上の計測方向とが直交し
ている場合には、1つのアライメント装置で例えばX方
向及びY方向の位置ずれ量を同時に検出することができ
る。この場合、基板(6)側のアライメントマークに照
射されるアライメント光に対する投影光学系(5)の軸
上色収差を制御することができるので、マスク(4)側
のアライメントマークにアライメント光を照射する光照
射手段と、基板(6)側のアライメントマークにアライ
メント光を照射する光照射手段とをかなりの部分で共通
化できる。
【0022】また、本発明の第2のアライメント装置に
よれば、基板(6)のアライメントマークに対する照明
光とこのアライメントマークからの検出光との両方に対
して、投影光学系(5)の横方向の色収差を制御する手
段が設けられている。従って、アライメント光がマスク
(4)を経由する点を露光領域外にすると共に、基板
(6)側のアライメントマークを露光領域内に設定する
ことができる。これにより、基板(6)側のアライメン
トマークに露光光が当たらないようにマスク(4)側に
遮光帯を設けることが可能となり、基板(6)上のレイ
ヤ毎のアライメントマークの打ち替え回数を低減するこ
とができる。また、その横方向の色収差制御量は自由に
調整できるため、投影光学系の設計の負担を軽くするこ
とができる。
【0023】この場合、更に軸方向の色収差の制御機能
を持たせることにより、マスク(4)用のアライメント
光の光学系と基板(6)用のアライメント光の光学系と
をかなりの部分で共通化できる。また、この場合におい
ても、第1の2光束(WB1 ,WB2 )による基板
(6)上の計測方向と、第2の2光束(WB3 ,WB
4 )による基板(6)上の計測方向とが直交している場
合には、1つのアライメント装置で例えばX方向及びY
方向の位置ずれ量を同時に検出することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明によるアライメント装置の第1
実施例につき図1〜図8を参照して説明する。本実施例
は、レチクルのパターンを投影光学系を介してウエハ上
に露光する投影露光装置に備えられたTTR(スルー・
ザ・レチクル)方式のアライメント装置に本発明を適用
したものである。また、本実施例は、ウエハ上のアライ
メントマーク(ウエハマーク)に照射されるアライメン
ト光に対する投影光学系の軸上色収差のみを制御する例
である。
【0025】図1(a)は本実施例の投影露光装置の要
部を示し、図1(b)は図1(a)を右側面から見た状
態を示し、投影光学系5の光軸に垂直な面内で図1
(a)の紙面に平行にY軸を取り、図1(b)の紙面に
平行にX軸を取る。図1(a)において、レチクル4上
にダイクロイックミラー3が45°の傾斜角で斜設さ
れ、図示省略された照明光学系からの波長λ1 の露光光
がダイクロイックミラー3で反射されて、レチクル4上
に描かれた回路パターンを均一な照度で照明する。その
波長λ1 の露光光のもとで、レチクル4上の回路パター
ンの像が投影光学系5により1/5に縮小されてフォト
レジストが塗布されたウエハ6上に転写される。ウエハ
6は、投影光学系5の光軸AXに平行なZ方向に上下で
きるZステージ7上に載置され、Zステージ7は、光軸
AXに垂直なX方向に移動できるXステージ8上に載置
され、Xステージ8は、光軸AXに垂直で且つX方向に
垂直なY方向に移動できるYステージ9上に載置されて
いる。
【0026】図1(a)及び(b)において、本実施例
のアライメント装置は、アライメント光学系1、対物レ
ンズ2及び投影光学系5の瞳面上に配置された色収差制
御板10から構成されている。アライメント光学系1の
詳細な構成は、図2に示されている。なお、実際には、
ダイクロイックミラー3の上方には4軸分のアライメン
ト光学系が配置されているが、以下では或る1軸用のア
ライメント光学系1について説明する。
【0027】そのアライメント光学系1からは、それぞ
れ周波数差△f1(=50kHz)の2光束からなるレチ
クルアライメント照明光RB1 ,RB2 (図1(a)中
で破線で示されている)及びウエハアライメント照明光
WB1 ,WB2 と、それぞれ周波数差△f2(=75kH
z)の2光束からなるレチクルアライメント照明光RB
3 ,RB4 (図1(a)中で破線で示されている)及び
ウエハアライメント照明光WB3 ,WB4 とが射出され
る。また、それら4組の照明光の平均波長はそれぞれλ
2 であり、波長λ2 は露光光の波長λ1 とは異なってい
る。その内のレチクルアライメント照明光(レチクル照
明光)RB1 ,RB2 は、対物レンズ2及びダイクロイ
ックミラー3を経てレチクル4上に集光される。
【0028】図4はレチクル4上の回路パターン領域の
近傍を示し、この図4に示すように、レチクル4上の回
路パターン領域の近傍には、X方向に格子ピッチPR
回折格子よりなるレチクルマーク36が形成され、この
レチクルマーク36の近傍に光透過部よりなるレチクル
窓35が形成されている。図1(b)に戻り、レチクル
照明光RB1 ,RB2 は、レチクルマーク36(レチク
ル窓35の手前)上にそれぞれ入射角−θR ,θR で照
射される。このとき、レチクルマーク36の格子ピッチ
R は、次式を満足するため、照明光RB1 の+1次回
折光RB1(+1)と照明光RB2 の−1次回折光RB2(-1)
とはそれぞれ計測方向(X方向)に関して真上に発生
してアライメント光学系1に戻る。
【0029】sin(θR )=λ2 /PR (3) 同様に、レチクルアライメント照明光RB3 ,RB4
も、対物レンズ2及びダイクロイックミラー3を経て、
レチクル4上のレチクルマーク36にそれぞれ入射角−
2θR ,2θR で照射される。このとき、照明光RB3
の+2次回折光RB3(+2) と照明光RB4 の−2次回折
光RB4(-2) とがそれぞれレチクルマーク36から真上
に発生して、アライメント光学系1に戻る。
【0030】一方、ウエハアライメント照明光(ウエハ
照明光)WB1 ,WB2 は、図1(a)に示すように、
対物レンズ2及びダイクロイックミラー3を経て、レチ
クル4上のレチクル窓35を通過した後、投影光学系5
中の色収差制御板10に達する。図6は色収差制御板1
0を示し、この図4に示すように、透明基板よりなる色
収差制御板10上において、光軸AXを通りY軸に平行
な直線Y1に関して軸対称に、且つ光軸AXを通りX軸
に平行な直線X1から所定間隔離れた位置に1対の軸上
色収差制御素子G11A,G11Bが形成されている。本実
施例では、これら軸上色収差制御素子G11A,G11B
よりウエハ6上の1個のウエハマークに照射される2つ
のウエハ照明光WB1 ,WB2 の軸上色収差が補正され
る。それら軸上色収差制御素子G11A,G11Bの外側に
も直線Y1に関して軸対称に1対の回折格子状の軸上色
収差制御素子G11C,G11Dが形成され、これら軸上色
収差制御素子G11C,G11Dにより、ウエハ6上の1個
のウエハマークに照射される残りの2つのウエハ照明光
WB3 ,WB4 の軸上色収差が補正される。
【0031】また、本実施例では、投影光学系5の露光
フィールド内の異なる4箇所のウエハマークの位置を検
出できるように、色収差制御板10上には、合計で16
(=4×4)個の軸上色収差制御素子が設けられてい
る。即ち、光軸AXに関して軸上色収差制御素子G11A
〜G11Dと点対称な位置に、軸上色収差制御素子G13A
〜G13Dが設けられ、上記の8個の軸上色収差制御素子
を90°回転した位置に軸上色収差制御素子G12A〜G
2D及びG14A〜G14Dが設けられている。即ち、光軸
AXからの間隔が異なる位置に1対の回折格子状の軸上
色収差制御素子G13B,G13Aが形成され、直線X1に
関して軸対称に2対の軸上色収差制御素子G12A,G1
2B及びG14B,G14Aが形成されている。これらの軸上
色収差制御素子(G11A等)は凹凸パターンの位相格子
より構成されている。
【0032】図1(b)に戻り、照明光WB1 ,WB2
は、それぞれ色収差制御板10上の軸上色収差制御素子
G11B,G11Aに入射し、光路がそれぞれ角度−θG1
θG1だけ曲げられる。そして、照明光WB1 ,WB2
は、ウエハ6上のウエハマーク37に対しそれぞれ入射
角−θW ,θW で照射される。図5はウエハ6上のウエ
ハマーク37を示し、この図5に示すように、ウエハマ
ーク37は計測方向であるX方向に格子ピッチPW の回
折格子状である。そのウエハマーク37の格子ピッチP
W は、次式を満足するため、図1(b)に示すように、
照明光WB1 の+1次回折光WB1(+1) と照明光WB2
の−1次回折光WB2(-1) とはそれぞれ計測方向(X方
向)に関して真上に発生して、アライメント検出光とな
る。
【0033】sin(θW )=λ2 /PW (4) 同様に、ウエハ照明光WB3 ,WB4 はそれぞれ色収差
制御板10上の軸上色収差制御素子G11C,G11Dに入
射し、光路がそれぞれ角度−θG1,θG1だけ曲げられ
る。そして、ウエハ照明光WB3 ,WB4 はウエハマー
ク37に対しそれぞれ入射角−2θW ,2θW で照射さ
れる。そして、照明光WB3 の+2次回折光WB3(+2)
と照明光WB4 の−2次回折光WB4(-2) とがそれぞれ
ウエハマーク37から真上に発生して、アライメント検
出光となる。
【0034】また、ウエハマーク36に対する照明光W
1 〜WB4 は、図1(a)に示すように、非計測方向
であるY方向においてウエハ6の法線に対して角度θm
だけ傾いて入射するため、上記の2組のアライメント検
出光が色収差制御板10を通過する位置は、それぞれ入
射時に通過した位置と異なり、軸上色収差制御素子G1
1A,G11B,G11C,G11Dを通ることはない。その
後、各アライメント検出光はレチクル4上のレチクル窓
35を経て再びアライメント光学系1へと戻る。
【0035】次に、図2を参照して図1中のアライメン
ト光学系1について詳しく説明する。図2(a)はアラ
イメント光学系1を図1(a)と同じ方向から見た図、
図2(b)はアライメント光学系1を図1(b)と同じ
方向から見た図、図2(c)は図2(b)の底面図であ
る。図2において、レーザ光源11aから射出されたレ
ーザビームは、ビームスプリッタプリズム12aによっ
て2光束に分割され、一方の光束は音響光学変調素子
(以下、「AOM」という)14aに入射し、他方の光
束は反射プリズム13aで反射されてAOM15aに入
射する。
【0036】AOM14a及び15aはそれぞれ周波数
1 及びF2 で駆動され、周波数F 1 及びF2 の周波数
差Δf1 が50kHzである。AOM14a及び15a
によって回折された各次数のレーザビームの内、それぞ
れ+1次回折光のみがスリット16a及び17bによっ
て選び出され、これがアライメント照明光B1 及びB 2
になる。このとき、AOM14a及び15aに入射する
レーザビームの周波数をf0 とすれば、アライメント照
明光B1 及びB2 の周波数は、それぞれAOM14及び
15の駆動周波数F1 及びF2 分だけ高い周波数f1
びf2 となる。即ち、次の関係式が成立する。
【0037】 f1 =f0 +F1 (5) f2 =f0 +F2 (6) これら照明光の内の照明光B1 は、光路調整用の平行平
板ガラス18a及び反射プリズム20aを経て合成プリ
ズム21aに入射し、他方の照明光B2 は光路調整用の
平行平板ガラス19aを経て合成プリズム21aに入射
する。合成プリズム21aから射出された互いに周波数
がΔf1 異なる2つの照明光(ヘテロダインビーム)B
1 及びB2 は、反射プリズム22を介して合成プリズム
23に向かう。
【0038】また、レーザ光源11a〜合成プリズム2
1aよりなる第1のヘテロダインビーム生成系と対称
に、レーザ光源11b〜合成プリズム21bよりなる第
2のヘテロダインビーム生成系が設けられている。この
第2のヘテロダインビーム生成系において、レーザ光源
11bから射出されたレーザビームは、ビームスプリッ
タプリズム12bによって2光束に分割され、一方の光
束は駆動周波数F3 のAOM14bに入射し、他方の光
束は反射プリズム13bで反射されて駆動周波数F4
AOM15bに入射する。周波数F3 及びF4 の周波数
差Δf2 が75kHzである。AOM14b及び15b
によって回折された各次数のレーザビームの内、それぞ
れ+1次回折光のみがスリット16b及び17bによっ
て選び出され、これが互いに周波数がΔf2 異なるアラ
イメント照明光B3 及びB4 になる。これらの照明光B
3 及びB4 は、合成プリズム21bを介してほぼ平行に
合成プリズム23に向かう。
【0039】そして、合成プリズム23で光路がほぼ平
行に設定された照明光B1 〜B4 は、レンズ24により
レチクル及びウエハと共役位置にある視野スリット25
上に集光される。視野スリット24の後に、入射面がハ
ーフミラーとなるように薄膜が蒸着された平行平面板2
6が配置されている。そして、視野スリット25の開口
部から射出された照明光B1 〜B4 は、平行平面板26
によって、レチクル照明光RB1 〜RB4 (図2(a)
内で破線で示す)とウエハ照明光WB1 〜WB 4 とに分
割される。照明光RB1 〜RB4 及び照明光WB1 〜W
4 は、レンズ28及びビームスプリッター29を通っ
てアライメント光学系1から射出される。
【0040】図1のレチクルマーク36から戻されたア
ライメント光及びウエハマーク37から戻されたアライ
メント光よりなるアライメント検出光は、図2(b)に
示すように、アライメント光学系1のビームスプリッタ
ー29に入射する。ビームスプリッター29で反射され
たアライメント検出光は、レンズ30によりレチクル及
びウエハと共役な位置にある検出光分離プリズム31に
入射し、検出光分離プリズム31において、レチクルマ
ークからのレチクル検出光とウエハマークからのウエハ
検出光とに分離される。この場合、図2(c)に示すよ
うに、破線で示すレチクル検出光と実線で示すウエハ検
出光とは検出光分離プリズム31上の異なる領域に入射
するため、検出光分離プリズム31の反射面の一部を透
過部とすることで、両者を完全に分離することができ
る。
【0041】そして、レチクル検出光としての±1次回
折光RB1(+1),RB2(-1) 及び±2次回折光RB3(+2),
RB4(-2) は、検出光分離プリズム31を透過した後、
光電検出素子32によって光電変換され、レチクル信号
SRが出力される。一方、ウエハ検出光としての±1次
回折光WB1(+1),WB2(-1) 及び±2次回折光WB3(+
2),WB4(-2) は、検出光分離プリズム31で反射され
た後、レンズ33を経て光電検出素子34によってそれ
ぞれ光電変換され、ウエハ信号SWが出力される。従っ
て、レチクル信号SRは、±1次回折光RB1(+1),RB
2(-1) による周波数Δf1 のビート信号と、±2次回折
光RB3(+2),RB4(-2) による周波数Δf 2 のビート信
号とが混合された信号であり、同様に、ウエハ信号SW
は、±1次回折光WB1(+1),WB2(-1) による周波数Δ
1 のビート信号と、±2次回折光WB3(+2),WB4(-
2) による周波数Δf2 のビート信号とが混合された信
号である。
【0042】図3は本例の信号処理系の一例を示し、こ
の図3において、レチクル信号SRをローパスフィルタ
回路(LPF)51及びハイパスフィルタ回路(HP
F)52に供給する。本例では、周波数Δf1 と周波数
Δf2 との中間の周波数は60kHzであるため、ロー
パスフィルタ回路51及びハイパスフィルタ回路52の
カットオフ周波数をそれぞれ60kHzに設定する。こ
れにより、ローパスフィルタ回路51で抽出した周波数
Δf1 のレチクル信号SR(±1)を位相差検出部53の
一方の入力部に供給し、ハイパスフィルタ回路52で抽
出した周波数Δf 2 のレチクル信号SR(±2)を位相差
検出部54の一方の入力部に供給する。
【0043】また、ウエハ信号SWをカットオフ周波数
がそれぞれ60kHzのローパスフィルタ回路(LP
F)55及びハイパスフィルタ回路(HPF)56に供
給する。そして、ローパスフィルタ回路55で抽出した
周波数Δf1 のウエハ信号SW(±1)を位相差検出部5
3の他方の入力部に供給し、ハイパスフィルタ回路56
で抽出した周波数Δf2 のウエハ信号SW(±2)を位相
差検出部54の他方の入力部に供給する。これら位相差
検出部53及び54でそれぞれ検出された位相差を演算
部57に供給する。演算部57では、それら2つの位相
差に基づいて図1のレチクルマーク36(レチクル4)
とウエハマーク37(ウエハ6)との位置ずれ量を求め
る。
【0044】図7及び図8は図3の信号処理系の中で得
られるレチクル信号及びウエハ信号を示す。図7に示さ
れているレチクル信号SR(±1)とウエハ信号SW
1)とは、それぞれ周波数差Δf1 の±1次回折光RB
1(+1),RB2(-1) 及び周波数差Δf2 の±1次回折光W
1(+1),WB2(-1) の干渉によって生じる正弦波であ
る。これら2つの信号の位相差△φ1 を検出することに
より、次式からレチクル4とウエハ6との相対的な位置
ずれ△x1 を検出することができる。
【0045】△x1 =Pw・△φ1 / 4π (7) 同様に、図8に示されているレチクル信号SR(±2)及
びウエハ信号SW(±2)は、それぞれ周波数差Δf2
±2次回折光RB3(+2),RB4(-2) 及び周波数差Δf2
の±2次回折光WB3(+2),WB4(-2) の干渉によって生
じる正弦波である。従って、これら2つの信号の位相差
△φ2 を検出することによっても、次式からレチクル4
とウエハ6との相対的な位置ずれ△x2 を検出すること
ができる。
【0046】△x2 =Pw・△φ2 / 4π (8) (7)式及び(8)式でそれぞれ求められる位置ずれ△
1 及び△x2 の使い分けの方法には種々の方法が考え
られる。一例として、例えばウエハ信号SW(±1)の信
号レベルとウエハ信号SW(±2)の信号レベルとの大小
に応じて、信号レベルの大きい方を使うことが考えられ
る。その他の方法として、予め代表的なサンプルウエハ
を用いて、ウエハ信号SW(±1)の平均振幅レベルA1
とウエハ信号SW(±2)の平均振幅レベルA2とを求め
ておき、実際のウエハ6に対してウエハ信号SW(±1)
の信号レベルの平均振幅レベルA1からの偏差σ1とウ
エハ信号SW(±2)の信号レベルの平均振幅レベルA2
からの偏差σ2とを求める。そして、偏差σ1の関数及
び偏差σ2の関数を用いて位置ずれ△x1 及び△x 2
重み付きの平均を取り、この平均をレチクル4とウエハ
6との相対的な位置ずれとすることが考えられる。ま
た、ウエハ信号SW(±1)とウエハ信号SW(±2)との
内で、対応する平均振幅レベルに近い方の信号のみを用
いても良い。
【0047】ところで、上述の実施例では、±1次回折
光によるビート周波数Δf1 と±2次回折光によるビー
ト周波数Δf2 とを異ならしめ、信号処理の段階でフー
リエ級数法により分けている。このフーリエ級数法にお
いては、周波数がΔf1 の成分と周波数がΔf2 の成分
とが混入している検出信号より、夫々周波数がΔF1
信号及び周波数がΔf2 の信号を通過させるバンドパス
フィルタ(又はローパスフィルタ等)を用いて±1次回
折光による干渉光の信号と±2次回折光による干渉光の
信号とが分離されている。それ以外に、レーザ光源11
a及び11bの射出端にそれぞれシャッタを配置して、
これらシャッタを交互にオン及びオフすることにより、
ビート周波数Δf1 の成分とビート周波数Δf2 の成分
とを時分割的に検出してもよい。この場合には、原理的
にその周波数Δf1 とその周波数Δf2 とが等しくても
良いことは明きらかである。この場合、シャッタでオン
・オフする代わりに、レーザ光源11a及び11bとし
て半導体レーザ素子を用いることにより、レーザ光源自
体の発光をオン・オフしてもよい。また、AOM14
a,14b,15a,15bをオン・オフしてもよい。
【0048】次に、本発明の第2実施例につき図9及び
図10を参照して説明する。この第2実施例は、ウエハ
マークに照射されるアライメント光に対する投影光学系
5の軸上色収差及び横方向の色収差を補正するのみなら
ず、ウエハマークから戻されるアライメント光に対する
軸上色収差及び横方向の色収差をも補正する例である。
この図9において、図1に対応する部分には同一符号を
付してその詳細説明を省略する。
【0049】図9(a)は本実施例の投影露光装置をX
方向から見た図、図9(b)は図9(a)の右側面図で
ある。本実施例では、投影光学系5の瞳面上に色収差制
御板38が配置されているが、この色収差制御板38上
の色収差制御素子の配置及び役割が第1実施例の色収差
制御板10と異なっている。図10は、この第2実施例
の色収差制御板38上の色収差制御素子の配置及び形状
を示し、この透明基板よりなる色収差制御板38上にお
いて、光軸AXを通りY軸に平行な直線Y1に関して軸
対称に1対の回折格子状の軸上及び横方向色収差制御素
子G21A,G21Bが形成され、その外側にも直線Y1に
関して軸対称に1対の回折格子状の軸上及び横方向色収
差制御素子G21C,G21Dが形成されている。本実施例
では、これら軸上及び横方向色収差制御素子G21A〜G
1Dによりウエハ6上の1個のウエハマークに照射され
る4つの光束の軸上色収差及び横方向の色収差が制御さ
れる。
【0050】また、光軸AXを通りX方向に平行な直線
X1に関して色収差制御素子G21A〜G21Dの中点と対
称な位置、即ち直線Y1上に、ほぼ直線Y1の方向に所
定ピッチの回折格子状の横方向色収差制御素子G21E
形成されている。この横方向色収差制御素子G21Eによ
り、ウエハマーク37からのアライメント検出光に対す
る横方向の色収差の補正が行われる。本実施例でも、投
影光学系5の露光フィールド内の異なる4箇所のウエハ
マークの位置を検出できるように、色収差制御板38上
には、合計で20(=5×4)個の色収差制御素子が設
けられている。即ち、色収差制御素子G21A〜G21E
光軸AXを中心として90°、180°及び270°回
転した位置にそれぞれ、色収差制御素子G22A〜G
2E、色収差制御素子G23A〜G23E及び色収差制御素
子G24A〜G24Eが設けられている。
【0051】図9(a)及び(b)に戻り、本実施例で
ウエハ6上のウエハマーク37に照射されるウエハアラ
イメント照明光WB1 〜WB4 は、レチクル4上のレチ
クル窓34を経て投影光学系5に入射する。そして、照
明光WB1 〜WB4 は、色収差制御板38上の軸上及び
横方向色収差制御素子G21A〜G21Dによって軸上色収
差のみでなく、横方向の色収差が制御された状態で、ウ
エハ6上のウエハマーク37上に照射される。この際
に、図9(a)に示すように、ウエハマーク37上に照
射される照明光WB1 〜WB4 の位置が、第1実施例に
比べて△βだけ投影光学系5の光軸AXの方向、即ちメ
リジオナル方向に近づいている。
【0052】そして、ウエハマーク37からは第1実施
例と同様に、ウエハ検出光WB1(+1),WB2(-1) 及びウ
エハ検出光WB3(+2),WB4(-2) が発生する。これらウ
エハ検出光が再び色収差制御板32に達する際、これら
ウエハ検出光はそれぞれ横方向色収差制御素子G21E
よって、横方向の色収差が制御される。その結果、各ウ
エハ検出光は、入射時に通過したレチクル窓35を経て
アライメント光学系1へ戻る。この他の構成及び動作は
第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】この第2実施例によれば、ウエハマーク3
7に照射されるアライメント光の色収差及びウエハマー
ク37からのアライメント光の色収差が制御されている
ので、アライメント光学系1から見ると、アライメント
光のもとでレチクルマーク36とウエハマーク37とは
共役であり、アライメント光学系1の構成が単純化され
る。また、ウエハ照明光及びウエハ検出光がレチクル4
上で通過する位置を露光領域より外側に配置できるた
め、ウエハ6上の露光領域に占めるウエハマーク領域の
面積を縮小することができる。更に、レチクル4に形成
されるレチクル窓35の位置を都合の良い位置に設定で
きると共に、ウエハマーク37の位置も例えば露光光の
照射が少ない位置等の所望の位置に設定できる。更に、
レチクル窓35を小さくできる。
【0054】次に、本発明の第3実施例につき図11〜
図14を参照して説明する。この第3実施例は、第2実
施例の色収差制御素子より軸上色収差の制御機能を取り
去ったものである。この図11において図9に対応する
部分には同一符号を付してその詳細説明を省略し、図1
2において図2に対応する部分には同一符号を付してそ
の詳細説明を省略する。
【0055】図11(a)は本実施例の投影露光装置を
X方向から見た図、図11(b)は図11(a)の右側
面図である。本実施例では、投影光学系5の瞳面上に色
収差制御板39が配置されているが、この色収差制御板
39上の色収差制御素子の役割が第2実施例の色収差制
御板38と異なっている。図14は、この第3実施例の
色収差制御板39上の色収差制御素子の配置及び形状を
示し、この透明基板よりなる色収差制御板39上におい
て、光軸AXを通りY軸に平行な直線Y1に関して軸対
称に1対の回折格子状の横方向色収差制御素子G31A
G31Bが形成され、その外側にも1対の回折格子状の横
方向色収差制御素子G31C,G31Dが形成されている。
本実施例では、これら横方向色収差制御素子G31A〜G
1Dによりウエハ6上の1個のウエハマークに照射され
る4つの光束の横方向の色収差が制御される。
【0056】また、光軸AXを通りX方向に平行な直線
X1に関して色収差制御素子G31A〜G31Dの中点と対
称な位置に、ほぼ直線Y1の方向に所定ピッチの回折格
子状の横方向色収差制御素子G31Eが形成されている。
この横方向色収差制御素子G31Eにより、ウエハマーク
37からのアライメント検出光に対する色収差の補正が
行われる。本実施例でも、投影光学系5の露光フィール
ド内の異なる4箇所のウエハマークの位置を検出できる
ように、色収差制御板39上には、合計で20(=5×
4)個の色収差制御素子が設けられている。即ち、色収
差制御素子G3 1A〜G31Eを光軸AXを中心として90
°、180°及び270°回転した位置にそれぞれ、色
収差制御素子G32A〜G32E、色収差制御素子G33A
G33E及び色収差制御素子G34A〜G34Eが設けられて
いる。
【0057】図11(a)及び(b)に戻り、本実施例
でウエハ6上のウエハマーク37に照射されるウエハ照
明光WB1 〜WB4 は、レチクル4上のレチクル窓40
を経て投影光学系5に入射する。そして、照明光WB1
〜WB4 は、色収差制御板39上の横方向色収差制御素
子G31A〜G31Dによって、横方向の色収差のみが制御
された状態で、ウエハ6上のウエハマーク37上に照射
される。
【0058】そして、ウエハマーク37からは第2実施
例と同様に、ウエハ検出光WB1(+1),WB2(-1) 及びウ
エハ検出光WB3(+2),WB4(-2) が発生する。これらウ
エハ検出光が再び色収差制御板39に達する際、これら
ウエハ検出光はそれぞれ横方向色収差制御素子G31E
よって、横方向の色収差が制御される。その結果、各ウ
エハ検出光は、入射時に通過したレチクル窓40を経て
アライメント光学系1へ戻る。この他の構成及び動作は
第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0059】この際に、本実施例では、軸上色収差補正
を行わないため、図11(b)に示すように、ウエハマ
ーク37を照明するためのウエハ照明光WB1 〜WB4
は、レチクル4より軸上色収差△L分だけ上側に集光さ
れるよう構成されている。図12はこの第3実施例のア
ライメント光学系1の構成を示し、図2(a)〜(c)
に対応するそれら図12(a)〜(c)に示すように、
平行平面板26で分離されたレチクル照明光RB1 〜R
4 の光路上に光路差発生素子27を設けている。その
他の構成は図2(a)〜(c)と同様である。その光路
差発生素子27により、図11(a)及び(b)におい
て、レチクル照明光RB1 〜RB4とウエハ照明光WB1
〜WB4 との交差位置を異ならせている。その他に、
両照明光の偏光状態を異ならせて、図12のレンズ28
を2重焦点レンズとする方法等も考えられる。
【0060】また、図13は本例のレチクル4上のレチ
クルマーク41及びレチクル窓40を示す。本例ではウ
エハ照明光WB1 〜WB4 の軸上色収差が補正されてい
ないので、図13に示すように、その分だけレチクル窓
40の幅を広くする必要がある。この第3実施例によれ
ば、ウエハマーク37に照射されるアライメント光の横
方向の色収差及びウエハマーク37からのアライメント
光の横方向の色収差が制御されているので、レチクル4
に形成されるレチクル窓40の位置を都合の良い位置に
設定できると共に、ウエハマーク37の位置も例えば露
光光の照射が少ない位置等の所望の位置に設定できる。
また、ウエハ照明光に対する投影光学系5の軸上色収差
を補正せず、横方向の色収差のみを制御しているため、
露光光とアライメント光との軸上色収差が大きくない場
合(例えば露光光として水銀ランプのi線を使用し、ア
ライメント光としてNe−Neレーザビームを使用する
場合等)には、色収差制御素子の格子パターンを直交す
る2方向のみで構成でき、色収差制御板39の製作が容
易である。
【0061】なお、上述の第2実施例及び第3実施例で
は、横方向の色収差の制御は、例えば図9(a)に示す
ように、投影光学系5の光軸AXに対して半径方向、即
ちメリジオナル方向に行っている。しかしながら、横方
向の色収差の制御は、メリジオナル方向のみでなく、任
意の方向に行うことができる。
【0062】次に、本発明の第4実施例につき図15〜
図17を参照して説明する。本実施例では、上述の3つ
の実施例とは異なり、1つのアライメント光学系によ
り、レチクル4とウエハ6とのX方向の位置ずれのみな
らず、Y方向の位置ずれをも検出するものである。その
ため、図9に示すようなX方向のアライメントを行うた
めのウエハ照明光WB1 〜WB4 及びレチクル照明光R
1 〜RB4 に加えて、Y方向のアライメントを行うた
めの不図示のウエハ照明光WB5 〜WB8 及びレチクル
照明光RB5 〜RB8 が、図9の対物レンズ2に対応す
る対物レンズから射出される。それらY方向のアライメ
ントを行うための不図示のウエハ照明光WB5 〜WB8
及びレチクル照明光RB5 〜RB8 は、図9(b)の紙
面に垂直な面内でそれぞれウエハマーク及びレチクルマ
ークに照射される。
【0063】図15は、この第4実施例で投影光学系の
瞳面に配置される色収差制御板42上の色収差制御素子
の配列及び形状を示し、この図15において、X方向用
のウエハ照明光WB1 〜WB4 の軸上及び横方向の色収
差の補正を行うための色収差制御素子G41A〜G4
1Dと、それらウエハ照明光によるウエハマークからの検
出光の横方向の色収差の補正を行うための色収差制御素
子G41Eとが設けられている。これら色収差制御素子G
1A〜G41Eの形状及び配置は、第2実施例の図10に
示す軸上及び横方向色収差制御素子G21A〜G21D及び
横方向色収差制御素子G21Eと同じである。
【0064】また、Y方向用のウエハ照明光WB5 〜W
8 に関しては、ウエハ上でのビーム位置のずらし量
(図9(a)のΔβに相当する量)の方向が計測方向で
あるY方向と一致するため、軸上色収差を制御するため
に必要な制御素子と、横方向の色収差を制御するために
必要な制御素子の格子の方向が一致する。従って、Y方
向用のウエハ照明光WB5 〜WB8 の色収差の制御は、
色収差制御板42上の光軸AXを通りY方向に平行な直
線Y1上に配列され、直線Y1の方向に所定ピッチで形
成された回折格子状の照明光色収差制御素子G42A〜G
2Dによって行われる。また、ウエハ照明光WB5 〜W
8 によってウエハマークから発生する検出光の色収差
の制御は、X方向用の色収差制御素子G41Eにより兼用
することができる。
【0065】また、本実施例では、X方向及びY方向の
位置ずれを検出するためのアライメント光学系が2個配
置できるようになっている。そのため、図15の色収差
制御板42上には、色収差制御素子G41A〜G41E及び
照明光色収差制御素子G42A〜G42Dを90°回転させ
た位置に、それぞれ色収差制御素子G43A〜G43E及び
照明光色収差制御素子G44A〜G44Dが設けられてい
る。従って、色収差制御板42上には、合計で18個の
色収差制御素子が設けられている。
【0066】図16は、本例のレチクル上のレチクルマ
ーク44及びレチクル窓43を示し、この図16に示す
ように、レチクルマーク44はX方向にピッチPR の格
子とY方向にピッチPR の格子とを重ねた2次元格子で
形成されている。そして、レチクルマーク44上には、
X方向用のレチクル照明光RB1 〜RB4 とY方向用の
レチクル照明光RB5 〜RB8 とが照射され、レチクル
窓43をX方向用のウエハ照明光WB1 〜WB4 とY方
向用のウエハ照明光WB5 〜WB8 とが通過している。
図17は、本例のウエハ上のウエハマーク45を示し、
この図17に示すように、ウエハマーク45はX方向に
ピッチPW の格子とY方向にピッチPWの格子とを重ね
た2次元格子で形成されている。そして、ウエハマーク
45上には、X方向用のウエハ照明光WB1 〜WB4
Y方向用のウエハ照明光WB5 〜WB8 とが照射されて
いる。
【0067】本例のアライメント光学系の受光系におい
ては、X方向用のウエハ検出光及びレチクル検出光とそ
れぞれY方向用のウエハ検出光及びレチクル検出光とを
弁別する必要がある。この場合、例えばX方向用のウエ
ハ検出光とY方向用のウエハ検出光とはウエハ上でも投
影光学系の瞳面上でも重なっているため、スリットのよ
うな素子では分離することができない。分離する方法と
しては、例えばX方向用の照明光とY方向用の照明光と
で偏光方向を異ならせる方法が考えられる。
【0068】しかしながら、本実施例では、X方向用の
アライメント照明光の周波数差をΔf1 及びΔf2
し、Y方向用のアライメント照明光の周波数差をそれら
とは異なるΔf3 及びΔf4 に設定する。そして、4つ
のビート周波数の検出光を1つの光電検出素子で受光
し、この光電変換素子からの出力信号を前記ハイパスフ
ィルタ回路、ローパスフィルタ回路及び2つのバンドパ
スフィルタ回路に供給することにより、4つの独立した
ウエハ信号を得ることができる。レチクル信号について
も同様である。
【0069】このように本実施例によれば、1つの対物
レンズ(図9(b)の対物レンズ2に対応するレンズ)
で2方向のアライメント検出ができる。従って、レチク
ル4とウエハ6との2次元的な位置ずれ量(X方向及び
Y方向の位置ずれ量と、回転角のずれ量)だけを検出す
るのであれば、対物レンズ2本だけでも装置が成り立つ
のみならず、対物レンズを4本使用することにより、レ
チクル4とウエハ6上のチップとの倍率誤差等をも検出
することができ、よりアライメント精度が高精度化でき
る。
【0070】なお、例えば図9の実施例において、ウエ
ハマーク37を2次元格子より形成し、図9(b)のウ
エハ照明光WB3 ,WB4 をY方向、即ち図9(b)の
紙面に垂直な面内でウエハマーク37に照射することに
よっても、レチクル4とウエハ6とのY方向の位置ずれ
を検出することができる。また、上述の各実施例に共通
して、複数の周波数の信号が混合された信号からおのお
のの周波数の信号を抽出する方法として、原信号をそれ
ら複数の周波数の内の最高周波数の2倍以上の周波数で
デジタルサンプリングして、一旦メモリに蓄える方法を
使用しても良い。そのようにメモリに蓄えられた信号か
ら、フーリエ級数法により特定の周波数の信号のみを演
算処理で取り出すことができる。この場合、各ビート周
波数(例えばΔf1 ,Δf2 )の比を簡単な整数比に設
定し、サンプリング時間を各信号の周期の公倍数に選ぶ
ことにより、各信号は完全に分離抽出できる。
【0071】また、上述の実施例においては、例えば図
1において、ウエハ照明光WB1,WB2 とウエハ照明光
WB3,WB4 との平均波長は等しく設定されているが、
ウエハ照明光WB1,WB2 の平均波長とウエハ照明光W
3,WB4 の平均波長とを異ならしめてもよい。このよ
うに平均波長を変えた場合には、ウエハ照明光WB1,W
2 によるウエハマークからの検出光とウエハ照明光W
3,WB4 によるウエハマークからの検出光とを例えば
波長弁別により分離してもよい。
【0072】なお、本発明は上述実施例に限定されず本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得るこ
とは勿論である。
【0073】
【発明の効果】本発明の第1のアライメント装置によれ
ば、基板上のアライメントマークに照射されるアライメ
ント光に対する投影光学系の軸上色収差のみを照射光制
御手段で制御しているので、そのアライメントマークの
格子ピッチが細かくなった場合でも、その照射光制御素
子の面積を変えることなく、その位置を変えるだけで対
応できる。従って、投影光学系の設計及び製造に対する
負担を軽くして、高性能なアライメント装置を実現する
ことができる。また、周波数Δf1 の成分と周波数Δf
2 の成分とが得られるので、プロセスにより基板の表面
状態が変化して、例えば周波数Δf1 の成分が小さくな
ったような場合でも、正確にアライメントを行うことが
できる。
【0074】また、基板上のアライメントマーク上に第
3の光照射手段から照射される2光束による計測方向
と、基板上のアライメントマーク上に第4の光照射手段
から照射される2光束による計測方向とが直交している
場合には、1つのアライメント装置でマスクと基板との
2次元的な位置ずれを検出することができる。また、本
発明の第2のアライメント装置によれば、アライメント
光に対する投影光学系の軸上色収差を補正せず、横方向
の色収差のみを制御しているため、アライメント光がマ
スク上で通過する位置を露光領域より外側に配置でき、
基板上で露光領域に対するアライメントマーク領域の面
積を小さくできる。そして、このアライメント装置を、
例えば露光光とアライメント光との軸上色収差が大きく
ない場合に適用すると、照射光制御手段及び検出光制御
手段の構成が単純であり、アライメント装置の製造が容
易である。
【0075】また、周波数Δf1 の成分と周波数Δf2
の成分とが得られるので、プロセスにより基板の表面状
態が変化して、例えば周波数Δf1 の成分が小さくなっ
たような場合でも、正確にアライメントを行うことがで
きる。更に、照射光制御手段と検出光制御手段とが互い
に独立しているため、アライメントマークに照射される
アライメント光の色収差量とアライメントマークからの
検出光の色収差量とを別々に制御することが可能であ
る。例えば、マスクを通過する照明光と検出光との位置
を異ならしめ、照明光のマスクによる正反射光と検出光
とを空間的に分離することにより、両光が混入すること
を防ぐことができる。
【0076】この際に、投影光学系の軸上色収差をも制
御するようにすると、アライメント光学系の構成が簡略
化される。そして、基板上のアライメントマーク上に第
3の光照射手段から照射される2光束による計測方向
と、基板上のアライメントマーク上に第4の光照射手段
から照射される2光束による計測方向とが直交している
場合には、1つのアライメント装置でマスクと基板との
2次元的な位置ずれを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明によるアライメント装置の第1
実施例が適用された投影露光装置を示す概略構成図、
(b)は図1(a)の右側面図である。
【図2】(a)は図1中のアライメント光学系1を示す
構成図、(b)は図2(a)の右側面図、(c)は図3
(b)の底面図である。
【図3】図1のアライメント装置の信号処理系の一例を
示すブロック図である。
【図4】第1実施例のレチクル上のレチクルマーク及び
レチクル窓を示す拡大平面図である。
【図5】第1実施例のウエハ上のウエハマークを示す拡
大平面図である。
【図6】第1実施例の色収差制御板10の色収差制御素
子の配列及び形状を示す平面図である。
【図7】第1実施例で得られる一部のレチクル信号及び
一部のウエハ信号を示す波形図である。
【図8】第1実施例で得られる残りのレチクル信号及び
残りのウエハ信号を示す波形図である。
【図9】(a)は本発明の第2実施例が適用された投影
露光装置を示す概略構成図、(b)は図9(a)の右側
面図である。
【図10】第2実施例の色収差制御板38の色収差制御
素子の配列及び形状を示す平面図である。
【図11】(a)は本発明の第3実施例が適用された投
影露光装置を示す概略構成図、(b)は図11(a)の
右側面図である。
【図12】(a)は図11中のアライメント光学系1を
示す構成図、(b)は図12(a)の右側面図、(c)
は図12(b)の底面図である。
【図13】第3実施例のレチクル上のレチクルマーク及
びレチクル窓を示す拡大平面図である。
【図14】第3実施例の色収差制御板39の色収差制御
素子の配列及び形状を示す平面図である。
【図15】本発明の第4実施例のアライメント装置で使
用される色収差制御板42の色収差制御素子の配列及び
形状を示す平面図である。
【図16】第4実施例のレチクル上のレチクルマーク及
びレチクル窓を示す拡大平面図である。
【図17】第4実施例のウエハ上のウエハマークを示す
拡大平面図である。
【符号の説明】
1 アライメント光学系 2 対物レンズ 3 ダイクロイックミラー 4 レチクル 5 投影光学系 6 ウエハ 10,38,39,42 色収差制御板 11a,11b レーザ光源 12a,12b ビームスプリッタプリズム 14a,14b,15a,15b 音響光学変調素子
(AOM) 16a,16b,17a,17b スリット 25 視野スリット 26 平行平面板 29 ビームスプリッタ 31 検出光分離プリズム 35,40,43 レチクル窓(ウエハ照明光用の透過
窓) 36,41,44 レチクルマーク 37,45 ウエハマーク RB1 〜RB4 レチクルアライメント照明光 WB1 〜WB4 ウエハアライメント照明光 G11A〜G11D,G21A〜G21E 色収差制御素子 G31A〜G31E,G41A〜G41E 色収差制御素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク上に形成されたパターンを、露光
    光のもとで投影光学系を介して2次元的に移動自在なス
    テージ上の基板上に投影露光する投影露光装置に設けら
    れ、前記マスクと前記基板との相対的な位置ずれを前記
    露光光とは異なる波長のアライメント光で検出するアラ
    イメント装置において、 前記マスク上に形成された格子状のアライメントマーク
    に対し、前記アライメント光として互いに周波数がΔf
    1 だけ異なる可干渉な2光束を、それぞれ異なる方向か
    ら照射する第1の光照射手段と、 前記マスク上に形成された格子状のアライメントマーク
    に対し、前記アライメント光として互いに周波数がΔf
    1 と異なるΔf2 だけ異なる可干渉な2光束を、それぞ
    れ異なる方向から照射する第2の光照射手段と、 前記基板上に形成された格子状のアライメントマークに
    対し、前記マスク及び前記投影光学系を介して、前記ア
    ライメント光として互いに周波数がΔf1 だけ異なる可
    干渉な2光束を、それぞれ異なる方向から照射する第3
    の光照射手段と、 前記基板上に形成された格子状のアライメントマークに
    対し、前記マスク及び前記投影光学系を介して、前記ア
    ライメント光として互いに周波数がΔf2 だけ異なる可
    干渉な2光束を、それぞれ異なる方向から照射する第4
    の光照射手段と、 前記投影光学系中の瞳面又はこの近傍の面上で、前記第
    3の光照射手段からの2光束及び前記第4の光照射手段
    からの2光束が通過する領域に配置され、それぞれ前記
    第3の光照射手段からの光束及び前記第4の光照射手段
    からの光束に対する前記投影光学系の軸上色収差を所定
    の値に制御する照射光制御手段と、 それぞれ前記マスク上のアライメントマークにより同一
    方向に回折される2光束よりなる2組以上の光束を検出
    する第1の検出手段と、 それぞれ前記基板上のアライメントマークにより同一方
    向に回折される2光束よりなる2組以上の光束を検出す
    る第2の検出手段と、 前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段から得られ
    る検出信号の内の周波数Δf1 の成分同士の位相を比較
    する第1の位相比較手段と、 前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段から得られ
    る検出信号の内の周波数Δf2 の成分同士の位相を比較
    する第2の位相比較手段と、 該2つの位相比較手段によってそれぞれ得られた位相差
    に基づいて前記マスクと前記基板との相対的な位置ずれ
    量を検出する位置ずれ検出手段とを有することを特徴と
    するアライメント装置。
  2. 【請求項2】 前記基板上のアライメントマーク上に前
    記第3の光照射手段から照射される2光束による計測方
    向と、前記基板上のアライメントマーク上に前記第4の
    光照射手段から照射される2光束による計測方向とが直
    交していることを特徴とする請求項1記載のアライメン
    ト装置。
  3. 【請求項3】 マスク上に形成されたパターンを、露光
    光のもとで投影光学系を介して2次元的に移動自在なス
    テージ上の基板上に投影露光する投影露光装置に設けら
    れ、前記マスクと前記基板との相対的な位置ずれを前記
    露光光とは異なる波長のアライメント光で検出するアラ
    イメント装置において、 前記マスク上に形成された格子状のアライメントマーク
    に対し、前記アライメント光として互いに周波数がΔf
    1 だけ異なる可干渉な2光束を、それぞれ異なる方向か
    ら照射する第1の光照射手段と、 前記マスク上に形成された格子状のアライメントマーク
    に対し、前記アライメント光として互いに周波数がΔf
    1 と異なるΔf2 だけ異なる可干渉な2光束を、それぞ
    れ異なる方向から照射する第2の光照射手段と、 前記基板上に形成された格子状のアライメントマークに
    対し、前記マスク及び前記投影光学系を介して、前記ア
    ライメント光として互いに周波数がΔf1 だけ異なる可
    干渉な2光束を、それぞれ異なる方向から照射する第3
    の光照射手段と、 前記基板上に形成された格子状のアライメントマークに
    対し、前記マスク及び前記投影光学系を介して、前記ア
    ライメント光として互いに周波数がΔf2 だけ異なる可
    干渉な2光束を、それぞれ異なる方向から照射する第4
    の光照射手段と、 前記投影光学系中の瞳面又はこの近傍の面上で、前記第
    3の光照射手段からの2光束及び前記第4の光照射手段
    からの2光束が通過する領域に配置され、それぞれ前記
    第3の光照射手段からの光束及び前記第4の光照射手段
    からの光束に対する前記投影光学系の横方向の色収差を
    所定の値に制御する照射光制御手段と、 前記投影光学系中の瞳面又はこの近傍の面上で、それぞ
    れ前記基板上のアライメントマークから同一方向に回折
    される2光束よりなる2組以上の光束が通過する領域に
    配置され、それぞれ前記基板上のアライメントマークか
    らの光束に対して所定量の横方向の色収差を発生させる
    検出光制御手段と、 それぞれ前記マスク上のアライメントマークにより同一
    方向に回折される2光束よりなる2組以上の光束を検出
    する第1の検出手段と、 それぞれ前記基板上のアライメントマークにより同一方
    向に回折される2光束よりなる2組以上の光束を検出す
    る第2の検出手段と、 前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段から得られ
    る検出信号の内の周波数Δf1 の成分の位相を比較する
    第1の位相比較手段と、 前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段から得られ
    る検出信号の内の周波数Δf2 の成分の位相を比較する
    第2の位相比較手段と、 該2つの位相比較手段により得られた位相差に基づいて
    前記マスクと前記基板との相対的な位置ずれ量を検出す
    る位置ずれ検出手段とを有することを特徴とするアライ
    メント装置。
  4. 【請求項4】 前記照射光制御手段が、前記第3の光照
    射手段からの光束及び前記第4の光照射手段からの光束
    に対する前記投影光学系の軸上色収差をも所定の値に制
    御し、 前記検出光制御手段が、前記基板上のアライメントマー
    クからの光束に対する前記投影光学系の軸上色収差もを
    所定の値に制御することを特徴とする請求項3記載のア
    ライメント装置。
  5. 【請求項5】 前記基板上のアライメントマーク上に前
    記第3の光照射手段から照射される2光束による計測方
    向と、前記基板上のアライメントマーク上に前記第4の
    光照射手段から照射される2光束による計測方向とが直
    交していることを特徴とする請求項3又は4記載のアラ
    イメント装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6285455B1 (en) 1997-11-20 2001-09-04 Nikon Corporation Mark detection method, optical system and mark position detector
JP2009156862A (ja) * 2007-11-01 2009-07-16 Asml Netherlands Bv 位置測定システムおよびリソグラフィ装置

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