JPH06256301A - 1α,24−ジヒドロキシビタミンD類似体の製造方法 - Google Patents
1α,24−ジヒドロキシビタミンD類似体の製造方法Info
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- JPH06256301A JPH06256301A JP5297414A JP29741493A JPH06256301A JP H06256301 A JPH06256301 A JP H06256301A JP 5297414 A JP5297414 A JP 5297414A JP 29741493 A JP29741493 A JP 29741493A JP H06256301 A JPH06256301 A JP H06256301A
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- JP
- Japan
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- vitamin
- hydroxy protecting
- protecting group
- hydrogen
- formula
- Prior art date
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- Pending
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C401/00—Irradiation products of cholesterol or its derivatives; Vitamin D derivatives, 9,10-seco cyclopenta[a]phenanthrene or analogues obtained by chemical preparation without irradiation
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 1α,24(R)−及び1α,24(S)−
ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロビタミンD3 の簡
便な合成法、及び前記合成法において中間体として有用
なビタミンD誘導体を提供する。 【構成】 1α−ヒドロキシビタミンD−22−アルデ
ヒドを、イソブチリルメチレンフォスフォラスイリド試
薬と反応させて、下記式: 【化1】 (式中、X3 及びX4 は同一又は異なっていてもよく、
水素又はヒドロキシ保護基を表わす。)を有するビタミ
ンD−エノン中間体を得、前記ビタミンD−エノン中間
体中の24−ケトン基を水素化合物還元剤を用いて還元
し、必要によりヒドロキシ保護基を除去して、目的生成
物を得る各工程を含んでなる1α,24(R)−及び1
α,24(S)−ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロ
ビタミンD3 化合物の製造方法、及び前記ビタミンD−
エノン中間体化合物。
ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロビタミンD3 の簡
便な合成法、及び前記合成法において中間体として有用
なビタミンD誘導体を提供する。 【構成】 1α−ヒドロキシビタミンD−22−アルデ
ヒドを、イソブチリルメチレンフォスフォラスイリド試
薬と反応させて、下記式: 【化1】 (式中、X3 及びX4 は同一又は異なっていてもよく、
水素又はヒドロキシ保護基を表わす。)を有するビタミ
ンD−エノン中間体を得、前記ビタミンD−エノン中間
体中の24−ケトン基を水素化合物還元剤を用いて還元
し、必要によりヒドロキシ保護基を除去して、目的生成
物を得る各工程を含んでなる1α,24(R)−及び1
α,24(S)−ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロ
ビタミンD3 化合物の製造方法、及び前記ビタミンD−
エノン中間体化合物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビタミンD化合物に関
し、より詳細には1α,24(R)−及び1α,24
(S)−ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロビタミン
D3 の新規な合成法、及び前記合成法において中間体と
して生じる新規なビタミンD誘導体に関する。
し、より詳細には1α,24(R)−及び1α,24
(S)−ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロビタミン
D3 の新規な合成法、及び前記合成法において中間体と
して生じる新規なビタミンD誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】1α,
24−ジヒドロキシ−22−デヒドロビタミンD3 の2
4(R)−及び24(S)−エピマーは既知化合物であ
り、その製造方法は米国特許第4,588,528号に
開示されている。しかしながらこの既知の製造方法は、
冗長な多数の段階から成る方法であり、さらにその合成
の初期に立体異性体の困難な分離を伴うものである。し
かしながら、これらの化合物は腎性骨ジストロフィー、
上皮小体亢進症、骨粗しょう症等のカルシウム代謝に関
わる異常、あるいは、乾癬等の皮膚異常への有効な治療
剤として利用可能な高い生物活性を有しているので、こ
れら化合物のより効率的かつ簡便な製造方法を提供する
新規な合成方法の開発が重要な目的となっている。
24−ジヒドロキシ−22−デヒドロビタミンD3 の2
4(R)−及び24(S)−エピマーは既知化合物であ
り、その製造方法は米国特許第4,588,528号に
開示されている。しかしながらこの既知の製造方法は、
冗長な多数の段階から成る方法であり、さらにその合成
の初期に立体異性体の困難な分離を伴うものである。し
かしながら、これらの化合物は腎性骨ジストロフィー、
上皮小体亢進症、骨粗しょう症等のカルシウム代謝に関
わる異常、あるいは、乾癬等の皮膚異常への有効な治療
剤として利用可能な高い生物活性を有しているので、こ
れら化合物のより効率的かつ簡便な製造方法を提供する
新規な合成方法の開発が重要な目的となっている。
【0003】
【課題を解決するための手段】この目的は、本明細書中
に開示される、前述の24(R)−及び24(S)−1
α,24−ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロビタミ
ンD3 双方を提供する新規な製造法によって実現されて
いる。この製造法は本質的に2つの主要な工程、すなわ
ち、(a)存在するビタミンD−22−アルデヒド誘導
体へ必要な側鎖を付加して中間体としてエノン誘導体を
得ること、及び(b)前記エノン中間体のケトン基を立
体選択的に還元して所望の24(R)−及び24(S)
−ヒドロキシビタミンD化合物を得ることを含んでな
る。
に開示される、前述の24(R)−及び24(S)−1
α,24−ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロビタミ
ンD3 双方を提供する新規な製造法によって実現されて
いる。この製造法は本質的に2つの主要な工程、すなわ
ち、(a)存在するビタミンD−22−アルデヒド誘導
体へ必要な側鎖を付加して中間体としてエノン誘導体を
得ること、及び(b)前記エノン中間体のケトン基を立
体選択的に還元して所望の24(R)−及び24(S)
−ヒドロキシビタミンD化合物を得ることを含んでな
る。
【0004】前記新規な製造法に適する出発物質は、一
般式:
般式:
【0005】
【化7】
【0006】{式中、Qは下記構造
【0007】
【化8】
【0008】(式中、X1 及びX2 は同一又は異なって
いてもよく、下記でさらに限定されるヒドロキシ保護基
を表わす。)を有する1α−ヒドロキシル化ビタミンD
核を表わす。}で表されるビタミンD−22−アルデヒ
ドである。かかる1α−ヒドロキシビタミンD−22−
アルデヒドは既知化合物である(デルーカ(Deluca)
ら、米国特許第4,847,012号、カールバーレー
(Calverley )ら、米国特許第4,866,048
号)。側鎖の付加は、1段階処理、すなわちイリド形カ
プリング反応に適当な条件を用いたイソブチルメチレン
トリフェニルフォスホランとビタミンD−22−アル
デヒドとの縮合において行われる。これにより、下記構
造:
いてもよく、下記でさらに限定されるヒドロキシ保護基
を表わす。)を有する1α−ヒドロキシル化ビタミンD
核を表わす。}で表されるビタミンD−22−アルデヒ
ドである。かかる1α−ヒドロキシビタミンD−22−
アルデヒドは既知化合物である(デルーカ(Deluca)
ら、米国特許第4,847,012号、カールバーレー
(Calverley )ら、米国特許第4,866,048
号)。側鎖の付加は、1段階処理、すなわちイリド形カ
プリング反応に適当な条件を用いたイソブチルメチレン
トリフェニルフォスホランとビタミンD−22−アル
デヒドとの縮合において行われる。これにより、下記構
造:
【0009】
【化9】
【0010】(式中、Qは上記で定義されたビタミンD
核を表わす。)のα,β−不飽和ケトン(エノン)中間
体が得られる。
核を表わす。)のα,β−不飽和ケトン(エノン)中間
体が得られる。
【0011】側鎖付加後における本方法の次の重要な工
程は、側鎖中のケトン基を還元して所望の24−ビロキ
シ化合物を得ることである。この還元は、入手可能な当
該技術分野において十分に証明されている水素化物還元
剤、例えばLiAlH4 、NaBH4 及び類似の試薬を
用いて行われる。有利には、この還元工程は、非対称の
水素化物還元剤、すなわちケトン基を立体選択的に還元
し(R)又は(S)−24−アルコールのいずれかへ還
元する試薬によって行われる。多数の適当な試薬が知ら
れている(ブラウン(Brown)ら、ジャーナル・オブ・オ
ルガニック・ケミストリー(J. Org.Chem.)、第52巻、
第5406頁、1987年)。この方法によれば、上記
のα,β−不飽和ケトン中間体を、下記構造:
程は、側鎖中のケトン基を還元して所望の24−ビロキ
シ化合物を得ることである。この還元は、入手可能な当
該技術分野において十分に証明されている水素化物還元
剤、例えばLiAlH4 、NaBH4 及び類似の試薬を
用いて行われる。有利には、この還元工程は、非対称の
水素化物還元剤、すなわちケトン基を立体選択的に還元
し(R)又は(S)−24−アルコールのいずれかへ還
元する試薬によって行われる。多数の適当な試薬が知ら
れている(ブラウン(Brown)ら、ジャーナル・オブ・オ
ルガニック・ケミストリー(J. Org.Chem.)、第52巻、
第5406頁、1987年)。この方法によれば、上記
のα,β−不飽和ケトン中間体を、下記構造:
【0012】
【化10】
【0013】(式中Qは上記で定義された1α−ヒドロ
キシビタミンD核を表わす。)、によりそれぞれ特徴づ
けられる24(R)−ヒドロキシ又は24(S)−ヒド
ロキシビタミンD誘導体のいずれかへ変換することが出
来る。最後のステップはヒドロキシ保護基(X1 ,X
2 )を除去し、ついで所望のビタミンD類似体、1α,
24(R)−ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロ−ビ
タミンD3 及び1α,24(S)−ジヒドロキシ−22
(E)−デヒドロビタミンD3 を提供することを含んで
なる。
キシビタミンD核を表わす。)、によりそれぞれ特徴づ
けられる24(R)−ヒドロキシ又は24(S)−ヒド
ロキシビタミンD誘導体のいずれかへ変換することが出
来る。最後のステップはヒドロキシ保護基(X1 ,X
2 )を除去し、ついで所望のビタミンD類似体、1α,
24(R)−ジヒドロキシ−22(E)−デヒドロ−ビ
タミンD3 及び1α,24(S)−ジヒドロキシ−22
(E)−デヒドロビタミンD3 を提供することを含んで
なる。
【0014】前記方法において、ヒドロキシ保護基は本
方法の中間段階で任意に除去できることも注目すべきで
ある。例えばヒドロキシ保護基X1 及び/又はX2 は、
前記α,β不飽和ケトン(エノン)中間体の段階で除去
でき、そして得られた遊離のヒドロキシ化合物から、還
元工程を経て、所望の1α,24−ジヒドロキシビタミ
ンD化合物を得る。
方法の中間段階で任意に除去できることも注目すべきで
ある。例えばヒドロキシ保護基X1 及び/又はX2 は、
前記α,β不飽和ケトン(エノン)中間体の段階で除去
でき、そして得られた遊離のヒドロキシ化合物から、還
元工程を経て、所望の1α,24−ジヒドロキシビタミ
ンD化合物を得る。
【0015】ヒドロキシ保護基として、X1 基及びX2
基が既知のヒドロキシ保護基から選択できる。アルキル
シリル又はアルキルアリルシリル基(例えばトリメチル
シリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリ
ル、ジフェニルメチルシリル、ジメチルフェニルシリ
ル)又はメトキシメチル、メトキシエトキシメチル、テ
トラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニル等のアル
コキシアルキル基が好ましい。
基が既知のヒドロキシ保護基から選択できる。アルキル
シリル又はアルキルアリルシリル基(例えばトリメチル
シリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリ
ル、ジフェニルメチルシリル、ジメチルフェニルシリ
ル)又はメトキシメチル、メトキシエトキシメチル、テ
トラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニル等のアル
コキシアルキル基が好ましい。
【0016】
【実施例】本発明の方法は、プロセススキーム1に示さ
れた一連の反応及び特定の例によりさらに明らかにされ
る。プロセススキーム1において用いた出発物質は、該
プロセススキーム中の構造式1によって示されるヒドロ
キシが保護された1α−ヒドロキシビタミンD−22−
アルデヒドである。構造式1中、X1 及びX2 は、前述
のアルキルシリル、アルキルアリルシリル又はアルコキ
シアルキル基のいずれか等のヒドロキシ保護基を示す。
側鎖の付加は適当なイリド試薬でアルデヒド1を反応さ
せて行われる。この様に、1の既知イリド試薬であるイ
ソブチリルメチレントリフェニルホスフォラン(米国特
許第4,588,528号)との有機溶媒中での処理
は、ワンステップでエノン2を与える。中間体2中のX
3 基及びX4 基は、出発物質である化合物1中に存在す
るヒドロキシ保護基を示す。しかしながら2において、
これらのヒドロキシ保護基の一方又は両方を、標準の加
水分解条件下で取り除き対応する脱保護化合物すなわち
式中のX3 及び/又はX4が水素原子である中間体2を
得る。ヒドロキシ保護形の又は遊離なヒドロキシ形の化
合物2の両方が、工程の次の反応に適し、当業者には自
明であるが、かかる後続の反応ステップにおける試薬及
び条件の選択が、ヒドロキシ保護基又は遊離なアルコー
ルのいずれかの存在と適合しているものと当然に理解さ
れる。
れた一連の反応及び特定の例によりさらに明らかにされ
る。プロセススキーム1において用いた出発物質は、該
プロセススキーム中の構造式1によって示されるヒドロ
キシが保護された1α−ヒドロキシビタミンD−22−
アルデヒドである。構造式1中、X1 及びX2 は、前述
のアルキルシリル、アルキルアリルシリル又はアルコキ
シアルキル基のいずれか等のヒドロキシ保護基を示す。
側鎖の付加は適当なイリド試薬でアルデヒド1を反応さ
せて行われる。この様に、1の既知イリド試薬であるイ
ソブチリルメチレントリフェニルホスフォラン(米国特
許第4,588,528号)との有機溶媒中での処理
は、ワンステップでエノン2を与える。中間体2中のX
3 基及びX4 基は、出発物質である化合物1中に存在す
るヒドロキシ保護基を示す。しかしながら2において、
これらのヒドロキシ保護基の一方又は両方を、標準の加
水分解条件下で取り除き対応する脱保護化合物すなわち
式中のX3 及び/又はX4が水素原子である中間体2を
得る。ヒドロキシ保護形の又は遊離なヒドロキシ形の化
合物2の両方が、工程の次の反応に適し、当業者には自
明であるが、かかる後続の反応ステップにおける試薬及
び条件の選択が、ヒドロキシ保護基又は遊離なアルコー
ルのいずれかの存在と適合しているものと当然に理解さ
れる。
【0017】本反応の次のステップでは、エノン中間体
2の24−ケトン官能基が、対応する24−アルコール
誘導体を得るために水素化物試薬で還元される。便宣
上、この還元は24(R)又は24(S)−アルコール
のいずれかを選択的に生じるように、利用可能なキラル
水素化物試薬の1つで実施される。多数のこの様な立体
選択的還元剤が知られている(例えばブラウンら、ジャ
ーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー、第52巻
第5406−12頁、1987年)。例えばエノン2の
(R)−(+)−(2,2’−ジヒドロキシ−1,1’
−ビナフチル)−リチウムアルミニウムハイドライドで
の還元により、スキーム1中の構造式3の24(R)−
アルコール生成物を得る。同様に、エノン2の(S)−
(−)−(2,2’−ジヒドロキシ−1,1−ビナフチ
ル)−リチウムアルミニウムハイドライドでの還元は、
スキーム1中の構造4として示される24(S)−アル
コールを与える。
2の24−ケトン官能基が、対応する24−アルコール
誘導体を得るために水素化物試薬で還元される。便宣
上、この還元は24(R)又は24(S)−アルコール
のいずれかを選択的に生じるように、利用可能なキラル
水素化物試薬の1つで実施される。多数のこの様な立体
選択的還元剤が知られている(例えばブラウンら、ジャ
ーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー、第52巻
第5406−12頁、1987年)。例えばエノン2の
(R)−(+)−(2,2’−ジヒドロキシ−1,1’
−ビナフチル)−リチウムアルミニウムハイドライドで
の還元により、スキーム1中の構造式3の24(R)−
アルコール生成物を得る。同様に、エノン2の(S)−
(−)−(2,2’−ジヒドロキシ−1,1−ビナフチ
ル)−リチウムアルミニウムハイドライドでの還元は、
スキーム1中の構造4として示される24(S)−アル
コールを与える。
【0018】最終ステップでは、それが存在するなら
ば、ヒドロキシ保護基(X3 、X4 )は標準かつ既知の
加水分解条件で除去され、所望の遊離のヒドロキシ化合
物、すなわち1α,24(R)−ジヒドロキシ−22
(E)−デヒドロビタミンD3 (構造式3、式中X3 及
びX4 は水素を示す)及び1α,24(S)−ジヒドロ
キシ−22(E)−デヒドロビタミンD3 (構造式4、
式中X3 及びX4 は水素を示す)を得る。
ば、ヒドロキシ保護基(X3 、X4 )は標準かつ既知の
加水分解条件で除去され、所望の遊離のヒドロキシ化合
物、すなわち1α,24(R)−ジヒドロキシ−22
(E)−デヒドロビタミンD3 (構造式3、式中X3 及
びX4 は水素を示す)及び1α,24(S)−ジヒドロ
キシ−22(E)−デヒドロビタミンD3 (構造式4、
式中X3 及びX4 は水素を示す)を得る。
【0019】個々の反応及び反応生成物についての下記
の特定の例により、本発明をさらに詳細に説明する。こ
れらの例では、化合物の詳細はプロセススキーム1中に
付された番号の構造を参照して、例えば化合物1,2,
3,4等のアラビア数字で参照する。例中で使用の略称
「TBDMS」はt−ブチルジメチルシリル ヒドロキ
シ保護基を意味する。
の特定の例により、本発明をさらに詳細に説明する。こ
れらの例では、化合物の詳細はプロセススキーム1中に
付された番号の構造を参照して、例えば化合物1,2,
3,4等のアラビア数字で参照する。例中で使用の略称
「TBDMS」はt−ブチルジメチルシリル ヒドロキ
シ保護基を意味する。
【0020】例1 1α−ヒドロキシ−22(E)−デヒドロ−24−オキ
ソ−ビタミンD3 1,3−t−ブチルジメチルシリルエ
ーテル(2,X3 及びX4 はTBDMSを表わす):2
2−アルデヒド(1,X1 及びX2 はTBDMSを表わ
す)100mg(0.175ミリモル)の無水DMS
O、3.0ml溶液へ、345mg(1.0ミリモル)
のイソブチリルメチレントリフェニルホスホランを加
え、次いでアルゴン雰囲気下で85℃、48時間攪拌反
応させた。反応終了時に、反応液をヘキサン80mlで
希釈し、3%塩酸60mlで2回、飽和炭酸水素ナトリ
ウム60mlで1回、飽和食塩水60mlで1回洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下濃縮し、オイル状
の(放置により結晶化する)化合物2を117mg得
た。UV(最大):265,225nm。NMR(CD
Cl3 )δ,ppm:0.15(s,12H,シリルメ
チル),0.57(s,3H),0.87(s,18
H,シリルt−ブチル),1.10(d,J=9.5H
z,9H),1.99(m,2H),2.22(dd,
J=13.1,7.36Hz,1H),2.27(m,
1H),2.44(dd,J=13.1,2.6Hz,
1H),2.83(m,2H),4.18(m,1
H),4.37(m,1H),4.85(s,1H),
5.17(s,1H),6.01(d,J=11.3H
z,1H),6.08(d,J=15.4Hz,1
H),6.23(d,J=11.3Hz,1H),6.
72(dd,J=15.9,8.9Hz,1H),質量
スペクトル、m/z640(M+ ),508(M+ −H
OTBDMS),248;HRMS,C39H68Si2 O
3 換算、640.4707;検出値640.4706。
ソ−ビタミンD3 1,3−t−ブチルジメチルシリルエ
ーテル(2,X3 及びX4 はTBDMSを表わす):2
2−アルデヒド(1,X1 及びX2 はTBDMSを表わ
す)100mg(0.175ミリモル)の無水DMS
O、3.0ml溶液へ、345mg(1.0ミリモル)
のイソブチリルメチレントリフェニルホスホランを加
え、次いでアルゴン雰囲気下で85℃、48時間攪拌反
応させた。反応終了時に、反応液をヘキサン80mlで
希釈し、3%塩酸60mlで2回、飽和炭酸水素ナトリ
ウム60mlで1回、飽和食塩水60mlで1回洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下濃縮し、オイル状
の(放置により結晶化する)化合物2を117mg得
た。UV(最大):265,225nm。NMR(CD
Cl3 )δ,ppm:0.15(s,12H,シリルメ
チル),0.57(s,3H),0.87(s,18
H,シリルt−ブチル),1.10(d,J=9.5H
z,9H),1.99(m,2H),2.22(dd,
J=13.1,7.36Hz,1H),2.27(m,
1H),2.44(dd,J=13.1,2.6Hz,
1H),2.83(m,2H),4.18(m,1
H),4.37(m,1H),4.85(s,1H),
5.17(s,1H),6.01(d,J=11.3H
z,1H),6.08(d,J=15.4Hz,1
H),6.23(d,J=11.3Hz,1H),6.
72(dd,J=15.9,8.9Hz,1H),質量
スペクトル、m/z640(M+ ),508(M+ −H
OTBDMS),248;HRMS,C39H68Si2 O
3 換算、640.4707;検出値640.4706。
【0021】例2 1α,24(R)−ジヒドロキシ−22(E)−デヒド
ロビタミンD3 (3,X3 及びX4 はTBDMSを表わ
す):1M LiAlH4 /THF550μlへ、無水
THF550μlを加え、攪拌した溶液を、アルゴン雰
囲気下、0°Cへ冷却した。この溶液へ1Mエタノール
/THF520μlを加えさらに(R)−(+)−1,
1’−ビ−2−ナフトール151mg(0.53ミリモ
ル)を加え、0°Cで1時間継続して攪拌した。攪拌終
了時に反応液をドライアイス/アセトン浴中で冷却し、
THF550μl中の前記の反応から得た24−ケトン
類似体(2)54mg(0.085ミリモル)を滴下し
た。−78°Cに2時間放置後、反応液を室温に戻し、
含水エーテルで反応を停止した。粗反応混合物をセライ
トを通してろ過し、真空下濃縮乾燥しシリカ25g上で
フラッシュクロマトグラフィーして(5%EtOAc/
Hex)、24(R)−ヒドロキシ誘導体(3,X3 及
びX4 はTBDMSを表わす)39mgを得た:UV
(最大):265nm。TLC(8:2,Hex:Et
OAc)、Rf値0.52、24(S)−アイソマー、
Rf値0.45。
ロビタミンD3 (3,X3 及びX4 はTBDMSを表わ
す):1M LiAlH4 /THF550μlへ、無水
THF550μlを加え、攪拌した溶液を、アルゴン雰
囲気下、0°Cへ冷却した。この溶液へ1Mエタノール
/THF520μlを加えさらに(R)−(+)−1,
1’−ビ−2−ナフトール151mg(0.53ミリモ
ル)を加え、0°Cで1時間継続して攪拌した。攪拌終
了時に反応液をドライアイス/アセトン浴中で冷却し、
THF550μl中の前記の反応から得た24−ケトン
類似体(2)54mg(0.085ミリモル)を滴下し
た。−78°Cに2時間放置後、反応液を室温に戻し、
含水エーテルで反応を停止した。粗反応混合物をセライ
トを通してろ過し、真空下濃縮乾燥しシリカ25g上で
フラッシュクロマトグラフィーして(5%EtOAc/
Hex)、24(R)−ヒドロキシ誘導体(3,X3 及
びX4 はTBDMSを表わす)39mgを得た:UV
(最大):265nm。TLC(8:2,Hex:Et
OAc)、Rf値0.52、24(S)−アイソマー、
Rf値0.45。
【0022】例3 1α,24(R)−ジヒドロキシ−22(E)−デヒド
ロビタミンD3 (3,X3 及びX4 は水素を表わ
す。):シリル基で保護されたビタミン(例2で得たも
の)39mgのTHF1.0ml溶液へ1M TBAF
/THF0.5mlを加え、この反応液を2.5時間5
0°Cで加温した。加温終了時に反応液をエーテル40
mlで希釈し、飽和食塩水25mlで2回洗浄し、硫酸
ナトリウムで乾燥し、真空下濃縮して結晶生成物25.
6mgを得た。粗生成物をギ酸エチル750μlで再結
晶し、所望の生成物、化合物3(X3 及びX4 は水素を
表わす)12.5mgを得た。融点150−150.5
℃、TLC(15:85,CH3 OH:CH2 Cl
2 )、Rf値0.65。HPLC(ハイパーシル3μ
m、0.46×15cm;11%2−プロパノール/ヘ
キサン;1.5ml/分)tr =4.8分。UV
(ε):265nm(18,000);最大/最小比:
1.69。
ロビタミンD3 (3,X3 及びX4 は水素を表わ
す。):シリル基で保護されたビタミン(例2で得たも
の)39mgのTHF1.0ml溶液へ1M TBAF
/THF0.5mlを加え、この反応液を2.5時間5
0°Cで加温した。加温終了時に反応液をエーテル40
mlで希釈し、飽和食塩水25mlで2回洗浄し、硫酸
ナトリウムで乾燥し、真空下濃縮して結晶生成物25.
6mgを得た。粗生成物をギ酸エチル750μlで再結
晶し、所望の生成物、化合物3(X3 及びX4 は水素を
表わす)12.5mgを得た。融点150−150.5
℃、TLC(15:85,CH3 OH:CH2 Cl
2 )、Rf値0.65。HPLC(ハイパーシル3μ
m、0.46×15cm;11%2−プロパノール/ヘ
キサン;1.5ml/分)tr =4.8分。UV
(ε):265nm(18,000);最大/最小比:
1.69。
【0023】
【化11】
【0024】
【発明の効果】本発明方法によれば、カルシウム代謝に
関わる異常及び皮膚異常への有効な治療剤として用いら
れる24(R)−及び24(S)−1α,24−ジヒド
ロキシ−22(E)−デヒドロビタミンD3 を簡便な方
法により効率よく製造することができる。また本発明方
法は、本発明のエノン中間体化合物を用いることにより
初めて行われるものである。
関わる異常及び皮膚異常への有効な治療剤として用いら
れる24(R)−及び24(S)−1α,24−ジヒド
ロキシ−22(E)−デヒドロビタミンD3 を簡便な方
法により効率よく製造することができる。また本発明方
法は、本発明のエノン中間体化合物を用いることにより
初めて行われるものである。
フロントページの続き (72)発明者 ハインリツヒ ケー. シユノーズ アメリカ合衆国 53705 ウイスコンシン マデイソン サミツト アベニユー 1806
Claims (3)
- 【請求項1】 下記式、 【化1】 {式中、Qは下記構造 【化2】 (式中、X1 及びX2 は同一でも異なっていてもよく、
ヒドロキシ保護基を表わす。)により表わされるビタミ
ンD核を表わす。}を有する1α−ヒドロキシビタミン
D−22−アルデヒドを、イソブチリルメチレン フォ
スフォラスイリド試薬と反応させて、下記式: 【化3】 (式中、Qは上記と同じ意味を有する。)を有するビタ
ミンD−エノン中間体を得、前記ビタミンD−エノン中
間体中の24−ケトン基を水素化物還元剤を用いて還元
することを特徴とする下記式、 【化4】 (式中、R1 及びR2 はR1 がヒドロキシル基でありR
2 が水素であるか、R1が水素でありR2 がヒドロキシ
ル基であり、X3 及びX4 は同一又は異っていてもよ
く、水素又はヒドロキシ保護基を表わす。)で表わされ
る化合物の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法において、下記式 【化5】 (式中、R1 及びR2 はR1 がヒドロキシル基でありR
2 が水素であるか、R1が水素でありR2 がヒドロキシ
ル基であり、X3 及びX4 は同一又は異っていてもよ
く、少なくとも一方がヒドロキシ保護基を表わす。)で
表わされる化合物のヒドロキシ保護基を除去する工程を
含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 下記式: 【化6】 (式中、X3 及びX4 は同一又は異なっていてもよく、
水素又はヒドロキシ保護基を表わす。)で表わされる化
合物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US07/971,405 | 1992-11-04 | ||
US07/971,405 US5247104A (en) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | Preparation of 1α, 24-dihydroxyvitamin D analogs |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256301A true JPH06256301A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=25518341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5297414A Pending JPH06256301A (ja) | 1992-11-04 | 1993-11-02 | 1α,24−ジヒドロキシビタミンD類似体の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5247104A (ja) |
JP (1) | JPH06256301A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004504295A (ja) * | 2000-07-18 | 2004-02-12 | ボーン ケア インターナショナル インコーポレイテッド | 安定化1α−ヒドロキシビタミンD |
JP2007529433A (ja) * | 2004-03-18 | 2007-10-25 | レオ・ファーマ・アクティーゼルスカブ | ビタミンd類似体の立体選択的合成 |
JP2007530602A (ja) * | 2004-04-02 | 2007-11-01 | レオ・ファーマ・アクティーゼルスカブ | ビタミンd類似体の合成に有用な中間体の新規製造法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5789397A (en) * | 1991-01-08 | 1998-08-04 | Bone Care International, Inc. | Methods for preparation and use of 1A,24(S)-dihydroxy vitamin D2 |
US20040009958A1 (en) * | 1991-01-08 | 2004-01-15 | Bone Care International, Inc. | Methods for preparation and use of 1alpha,24(S)-dihydroxyvitamin D2 |
US5552392A (en) * | 1993-11-03 | 1996-09-03 | Wisconsin Alumni Research Foundation | Method of treating hypoparathyroidism with (20S) vitamin D compounds |
US6262283B1 (en) * | 1996-12-06 | 2001-07-17 | Magainin Pharmaceuticals Inc. | Stereoselective synthesis of 24-hydroxylated compounds useful for the preparation of aminosterols, vitamin D analogs, and other compounds |
WO2001079255A1 (en) * | 2000-04-12 | 2001-10-25 | Genaera Corporation | A process for the preparation of 7.alpha.-hydroxy 3-aminosubstituted sterols using intermediates with an unprotected 7.alpha.-hydroxy group |
CN107019795A (zh) | 2009-01-27 | 2017-08-08 | 博格有限责任公司 | 用于减轻与化疗有关的副作用的维生素d3化合物 |
MX338746B (es) | 2009-08-14 | 2016-04-29 | Berg Llc | Vitamina d3 y analogos de la misma para tratar alopecia. |
CN112156097A (zh) | 2013-05-29 | 2021-01-01 | 博格有限责任公司 | 使用维生素d预防或减轻化疗诱发的脱发 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61502257A (ja) * | 1984-05-31 | 1986-10-09 | ウイスコンシン アラムナイ リサ−チ フオンデ−シヨン | 1,24―ジヒドロキシ―△22―ビタミンd3化合物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1987000834A1 (en) * | 1985-08-02 | 1987-02-12 | Leo Pharmaceutical Products Ltd. A/S | Novel vitamin d analogues |
US4847012A (en) * | 1988-04-29 | 1989-07-11 | Wisconsin Alumni Research Foundation | Vitamin D related compounds and processes for their preparation |
-
1992
- 1992-11-04 US US07/971,405 patent/US5247104A/en not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-11-02 JP JP5297414A patent/JPH06256301A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61502257A (ja) * | 1984-05-31 | 1986-10-09 | ウイスコンシン アラムナイ リサ−チ フオンデ−シヨン | 1,24―ジヒドロキシ―△22―ビタミンd3化合物 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004504295A (ja) * | 2000-07-18 | 2004-02-12 | ボーン ケア インターナショナル インコーポレイテッド | 安定化1α−ヒドロキシビタミンD |
JP2007529433A (ja) * | 2004-03-18 | 2007-10-25 | レオ・ファーマ・アクティーゼルスカブ | ビタミンd類似体の立体選択的合成 |
JP2007530602A (ja) * | 2004-04-02 | 2007-11-01 | レオ・ファーマ・アクティーゼルスカブ | ビタミンd類似体の合成に有用な中間体の新規製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5247104A (en) | 1993-09-21 |
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