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JPH06251321A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

Info

Publication number
JPH06251321A
JPH06251321A JP6334093A JP6334093A JPH06251321A JP H06251321 A JPH06251321 A JP H06251321A JP 6334093 A JP6334093 A JP 6334093A JP 6334093 A JP6334093 A JP 6334093A JP H06251321 A JPH06251321 A JP H06251321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording medium
head
substrate
vicinity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6334093A
Other languages
English (en)
Inventor
Fusashige Tokutake
房重 徳竹
Fumio Kurosawa
文夫 黒澤
Yoichi Inmaki
洋一 印牧
Hiromitsu Takemura
宏光 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP6334093A priority Critical patent/JPH06251321A/ja
Publication of JPH06251321A publication Critical patent/JPH06251321A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ラミネートタイプの磁気ヘッドにおいて、磁
気コア半体1,2を構成する磁気コア基板3,4,5,
6の、磁気記録媒体摺動面S近傍の磁気ギャップg近傍
以外の部分を難摩耗性材料により構成し、磁気ギャップ
g近傍を該難摩耗性材料よりも磁気記録媒体に対する耐
摩耗性が劣る易摩耗性材料により構成する。 【効果】 耐摩耗性に優れるとともに金属磁性膜の偏摩
耗による記録再生特性劣化が防止でき、長期間に亘って
良好な記録再生特性が維持できヘッド寿命の長い磁気ヘ
ッドを得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダー(VTR)やデジタルオーディオテープレコー
ダー(R−DAT)等の高密度記録可能な記録再生装置
に搭載して有用な磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビデオテープレコーダーやデジ
タルオーディオテープレコーダー等の磁気記録再生装置
においては、高画質化等を目的として情報信号の短波長
記録化が進められており、これに対応して磁性粉に強磁
性金属粉末を用いたいわゆるメタルテープや、ベースフ
ィルム上に強磁性金属材料を直接被着した蒸着テープ等
の高抗磁力磁気記録媒体が使用されるようになってきて
いる。
【0003】一方、これに対処するべく磁気ヘッドの分
野においても研究が進められており、高抗磁力磁気記録
媒体に対して高密度記録を可能ならしめるためコア材料
に金属磁性材料を用いるとともに狭トラック化を図った
磁気ヘッドが開発されている。
【0004】かかる磁気ヘッドとしては、例えば非磁性
材料よりなる磁気コア基板で高透磁率かつ高飽和磁束密
度を有する金属磁性膜を挟み込むことにより形成される
一対の磁気コア半体を、各金属磁性膜の端面同士が突合
うようにしてガラス融着により接合一体化した、いわゆ
るラミネートタイプの磁気ヘッドが知られている。すな
わち、このタイプの磁気ヘッドは、例えば図39に示す
ように閉磁路を構成する一対の磁気コア半体201,2
02が突合わされて接合一体化され、磁気記録媒体摺動
面Sに磁気ギャップgを構成している。
【0005】上記磁気コア半体201,202は、非磁
性材料よりなる磁気コア基板203,204,205,
206と、金属磁性膜207,208とからなり、上記
金属磁性膜207,208は上記磁気コア基板203,
204,205,206によって挟み込まれている。
【0006】そして、磁気コア半体201,202同士
の突合せ面においては、金属磁性膜207,208の端
部が突合わされることによって磁気ギャップgが構成さ
れている。上記磁気ギャップgのトラック幅Twは、前
記磁気コア基板203,204,205,206が非磁
性体であることから、上記金属磁性膜207,208の
膜厚によって規制される。
【0007】また、上記磁気コア半体201,202同
士の突合せ面には、当該磁気ギャップgのデプスDpを
規制するとともにコイルを巻回させるための巻線溝20
9が形成されている。すなわち、上記巻線溝209は、
磁気コア半体202の突合せ面の中途部に平面略矩形状
の溝としてコア厚方向に貫通して形成されている。
【0008】このような構成の磁気ヘッドにおいては、
金属磁性膜207,208の膜厚がすなわち磁気ギャッ
プのトラック幅となるものであるから、当該金属磁性膜
の膜厚を制御することで簡単に狭トラック化が図れるこ
と、及び金属磁性膜と基板との界面が磁気ギャップと垂
直であるため当該界面が擬似ギャップとして動作するこ
とが無いこと、さらに製造工程が簡単であることなど、
種々の利点を有する。
【0009】ところで、ラミネートタイプの磁気ヘッド
においては、金属磁性膜を挟み込む磁気コア基板として
は、一般にチタン酸塩系セラミックや非磁性フェライト
等が多く用いられている。ところが、これらの材料は、
耐摩耗性が十分ではなく、磁気テープの高速摺動によっ
てヘッドの摩耗が比較的早く、ヘッド寿命の点で不満が
ある。
【0010】そこで、磁気コア基板の材料として、ヘマ
タイトを用いることが提案されている。ヘマタイトは、
耐摩耗性に優れた材料であり、これを用いることにより
磁気テープと高速摺動させた場合に摩耗が進行し難く、
摺動面形状が十分に維持される磁気ヘッドが得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ラミネートタ
イプの磁気ヘッドにおいては、磁気コア基板に挟み込ま
れる金属磁性膜もまた耐摩耗性が低く、耐摩耗性の高い
ヘマタイトにより磁気コア基板を構成した場合、磁気コ
ア基板と金属磁性膜とで耐摩耗性が大きく異なるものと
なる。そのような磁気ヘッドを、磁気テープに対して高
速摺動させると、磁気コア基板がほとんど摩耗しないの
に対して金属磁性膜が大きく摩耗する偏摩耗が発生し、
磁気ギャップが磁気記録媒体摺動面に対して退行してス
ペーシングロスが誘発され、記録再生特性が劣化する。
【0012】そこで本発明は、かかる事情に鑑みて提案
されたものであり、耐摩耗性に優れるとともに、金属磁
性膜の摩耗の進行によって生じる偏摩耗が防止でき、良
好な記録再生特性が長期間に亘って維持される磁気ヘッ
ドを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気ヘッドは、一対の基板により金属磁
性薄膜を挟み込んでなる磁気コア半体同士が上記金属磁
性膜の端面同士を対向させて突き合わされ、これら金属
磁性膜の突合せ面間に磁気ギャップが構成されてなる磁
気ヘッドにおいて、前記磁気コア半体を構成する基板の
磁気記録媒体摺動面のうち、磁気ギャップ近傍を除いた
部分が難摩耗性材料により構成され、磁気ギャップ近傍
部分が該難摩耗性材料よりも磁気記録媒体に対する耐摩
耗性が劣る易摩耗性材料により構成されることを特徴と
するものである。
【0014】また、前記磁気コア半体を構成する基板の
少なくとも磁気記録媒体摺動面近傍が磁気記録媒体走行
方向において分割され、磁気ギャップ近傍を除いた部分
が難摩耗性材料により構成され、磁気ギャップ近傍部分
が該難摩耗性材料よりも磁気記録媒体に対する耐摩耗性
が劣る易摩耗性材料により構成されることを特徴とする
ものである。
【0015】さらに、前記磁気コア半体を構成する基板
の少なくとも磁気記録媒体摺動面近傍がデプス方向にお
いて分割され、バック側部分が難摩耗性材料により構成
され、フロント側部分が該難摩耗性材料よりも磁気記録
媒体に対する耐摩耗性が劣る易摩耗性材料により構成さ
れることを特徴とするものである。また、さらに、前記
磁気コア半体を構成する基板の磁気記録媒体摺動面近傍
を除いた部分が磁性フェライトよりなることを特徴とす
るものである。
【0016】
【作用】ラミネートタイプの磁気ヘッドにおいて、磁気
コア半体を構成する磁気コア基板の、磁気記録媒体摺動
面のうち磁気ギャップ近傍を除いた部分を難摩耗性材料
により構成し、磁気ギャップ近傍部分を該難摩耗性材料
よりも磁気記録媒体に対する耐摩耗性が劣る易摩耗性材
料により構成すると、上記難摩耗性材料により磁気ヘッ
ド摺動面の摩耗量が大幅に低減し、ヘッド寿命が延び
る。また、磁気ギャップ近傍部分が易摩耗性材料で構成
されていることにより、磁気ギャップ近傍部分では金属
磁性膜と磁気コア基板の摩耗量が略同程度となり、金属
磁性膜の摩耗の進行によって生じる偏摩耗が抑えられ、
偏摩耗が起因する記録再生特性の劣化が防止される。
【0017】さらに、磁気コア基板の磁気記録媒体摺動
面近傍を除いた部分を磁性フェライトにより構成する
と、磁性フェライトにより磁路が形成されて記録再生効
率が向上し、例えば狭トラック化を図った場合でも広い
周波数帯域において良好な記録再生特性が得られるよう
になる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】実施例1 本実施例は、磁気コア半体を構成する磁気コア基板が、
磁気記録媒体走行方向において分割され、このうち磁気
ギャップ近傍を除いた部分が難摩耗性材料により構成さ
れ、磁気ギャップ近傍部分が易摩耗性材料よりなる磁気
ヘッドの例である。
【0020】本実施例の磁気ヘッドは、図1に示すよう
に閉磁路を構成する一対の磁気コア半体1,2が突き合
わされて接合一体化されてなり、フロント側が円筒加工
されることによって磁気記録媒体摺動面Sとされてい
る。
【0021】上記磁気コア半体1,2は、磁気コア基板
3,4,5,6と金属磁性膜7,8とからなり、上記金
属磁性膜7,8はその膜厚方向より上記磁気コア基板
3,4,5,6によって挟み込まれている。そして、磁
気コア半体1,2同士の突き合わせ面においては、金属
磁性膜7,8の端面が突合わされることによって磁気ギ
ャップgが構成されている。上記磁気ギャップgのトラ
ック幅Twは、前記磁気コア基板3,4,5,6が非磁
性体であることから、上記金属磁性膜7,8の膜厚によ
って規制される。
【0022】また、上記磁気コア半体1,2の突合わせ
面には、当該磁気ギャップgのデプスDpを規制すると
ともにコイルを巻回させるための巻線窓9が形成されて
いる。すなわち、上記巻線窓9は、磁気コア半体2の突
合わせ面の中途部で平面略矩形状の溝としてコア厚方向
に貫通して形成されている。
【0023】ここで、本実施例の磁気ヘッドでは、上記
磁気コア半体1,2を構成する磁気コア基板3,4,
5,6は、磁気記録媒体走行方向において分割されてお
り、このうち磁気ギャップg近傍を除いた部分14,1
5,16,17が難摩耗性材料により構成され、磁気ギ
ャップg近傍部分10,11,12,13が該難摩耗性
材料よりも磁気記録媒体に対する耐摩耗性が劣る易摩耗
性材料により構成されている。これにより、磁気記録媒
体摺動面Sから見たときに磁気ギャップg近傍部分では
易摩耗性材料が露出し、磁気ギャップg近傍を除いた部
分では難摩耗性材料が露出するようになっている。
【0024】したがって、磁気記録媒体を高速摺動させ
たときに、磁気記録媒体摺動面Sでは磁気ギャップg近
傍を除いた部分より露出する上記難摩耗性材料により摩
耗量が大幅に低減し、長ヘッド寿命が得られる。また、
磁気ギャップg近傍部分では、易摩耗性材料が露出して
いることにより、金属磁性膜7,8と磁気コア基板3,
4,5,6とで摩耗量が略同程度となり、金属磁性膜
7,8の摩耗の進行によって生じる偏摩耗が抑えられ、
偏摩耗が起因する記録再生特性劣化が防止される。
【0025】上記磁気ギャップg近傍を除いた部分1
4,15,16,17を構成する難摩耗性材料として
は、ヘマタイトあるいはZrO2 を90重量%以上含有
する非磁性酸化物材料等が挙げられる。なお、ヘマタイ
トとは、Fe2 3 なる組成の酸化鉱物であって、それ
にはα−ヘマタイト,γ−ヘマタイトがあるがこのうち
特にα−ヘマタイトを用いることが望ましい。
【0026】一方、磁気ギャップg近傍部分10,1
1,12,13を構成する易摩耗性材料としては、難摩
耗性材料よりも耐摩耗性が劣り、金属磁性膜よりも耐摩
耗性に優れるものであれば良く、例えばチタン酸塩系セ
ラミックや非磁性フェライト等が挙げられる。
【0027】なお、上記磁気コア半体に挟み込まれる金
属磁性膜7,8には、各種強磁性材料の他に、例えば高
飽和磁束密度を有し且つ軟磁気特性に優れた強磁性合金
材料が使用されるが、かかる強磁性合金材料としては従
来より公知のものがいずれも使用でき、結晶質、非晶質
であるかを問わない。
【0028】例示するならば、Fe−Al−Si系合
金、Fe−Si−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe
−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系合金、Fe−
Si−Ge系合金、Fe−Si−Ga系合金、Fe−S
i−Ga−Ru系合金、Fe−Co−Si−Al系合金
等が挙げられる。さらには、耐蝕性や耐摩耗性等の一層
の向上を図るために、Ti,Cr,Mn,Zr,Nb,
Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,Re,N
i,Pd,Pt,Hf,V等の少なくとも一種を添加し
たものであってもよい。
【0029】また、強磁性非晶質金属合金、いわゆるア
モルファス合金(例えば、Fe,Ni,Coの1つ以上
の元素とP,C,B,Siの1つ以上の元素とからなる
合金、またはこれらを主成分としAl,Ge,Be,S
n,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,
Nb等を含んだ合金等のメタル−メタロイド系アモルフ
ァス合金、あるいはCo,Hf,Zr等の遷移元素や希
土類元素等を主成分とするメタル−メタル系アモルファ
ス合金)等が挙げられる。
【0030】これら金属磁性膜7,8の成膜方法として
は、膜厚制御性に優れるスパッタリング法,真空蒸着
法,イオンプレーティング法,クラスター・イオンビー
ム法等に代表される真空薄膜形成技術が採用される。
【0031】なお、上記磁気コア基板3,4,5,6に
成膜する金属磁性膜7,8は、単層膜に限らず、高周波
帯域での渦電流損失を回避するために金属磁性膜と絶縁
層を交互に何層にも積層した、いわゆる積層膜であって
もよい。
【0032】上記構成の磁気ヘッドは以下のようにして
作製される。なお、ここでは、難摩耗性材料としてヘマ
タイトを90重量%以上含有する非磁性酸化物を用い、
易摩耗性材料として非磁性Znフェライトを使用した場
合を例にする。
【0033】先ず、図2に示すように、ヘマタイトから
なる難摩耗性基板21と、非磁性フェライトからなる易
摩耗性基板22を用意し、これら基板21,22の接合
面となる端面を鏡面仕上げする。
【0034】そして、図3に示すように、上記難摩耗性
基板21と易摩耗性基板22を重ね合わせて接合し、複
数の難摩耗性基板21と易摩耗性基板22とが交互に積
層された基板ブロック23を形成する。
【0035】次いで、上記基板ブロック23を図3中A
1 −A2 線,B1 −B2 線,C1 −C2 線で示すように
接合面の直交方向に切断して、図4に示すように接合ブ
ロック24を形成する。そして、該接合ブロック24の
切断面を鏡面仕上げした後、切断面の一方にセンダスト
等の強磁性金属材料をスパッタリングすることによって
金属磁性膜25を形成する。なお、本実施例では、金属
磁性膜としてCo−Zr−Pd−Moアモルファス合金
膜を採用し、Co−Zr−Pd−Moアモルファス合金
膜はSiO2 膜を介在させることによって4層構成とし
た。
【0036】次に、図5に示すように、上記接合ブロッ
ク24を重ね合わせ、複数の接合ブロック24と金属磁
性膜25が交互に積層された基板接合ブロック26を形
成する。この基板接合ブロック26を図中D1 −D
2 線,E1 −E2 線,F1 −F2 線で示すように上記金
属磁性膜25の略直交方向に切断し、図6に示すような
磁気コア半体ブロック27,28を形成する。
【0037】次いで、図7に示すように、一方の磁気コ
ア半体ブロック28の磁気ギャップg形成面となる突合
せ面28aにコイルを巻回させるための巻線溝29を磁
気コア半体ブロック28全体に亘って形成する。そし
て、磁気コア半体ブロック28の突合せ面28aを鏡面
仕上げした後、同様にして形成された他方の磁気コア半
体ブロック27と突合せ、磁気コアブロック30を形成
する。なお、これら磁気コア半体ブロック27,28を
突合わせるに際しては、金属磁性膜25同士の膜厚方向
が精密に一致するように位置合わせをして接合一体化す
る。この突合わされた金属磁性膜25の間が磁気ギャッ
プgとなる。
【0038】次に、図8に示すように、これら接合され
た磁気コアブロック30に対し、磁気記録媒体との当り
を確保するために円筒研磨を施して磁気記録媒体摺動面
Sを形成した後、図中G1 −G2 線及びH1 −H2 線で
示す位置でスライスし、磁気ヘッド(実施例ヘッド1)
が完成する。
【0039】なお、各部材の接合には従来公知の接合方
法が適用可能である。例示するならば、低温熱拡散接合
(接合面にそれぞれ設けられた金属層同士の熱拡散によ
り接合する方法)やボンディングガラス等による接合が
挙げられる。本実施例で作製した磁気ヘッドの形状を以
下に示す。
【0040】幅,高さ,厚み:2mm(幅)×2mm
(高さ)×0.2mm(厚み) ヘマタイト基板の幅:0.7mm トラック幅:20μm 当り幅:70μm 先端R:8mm 金属磁性膜の厚み:0.2μm
【0041】実施例2 本実施例は、磁気コア半体を構成する磁気コア基板の磁
気記録媒体摺動面近傍がデプス方向において分割され、
このうちバック側部分が難摩耗性材料により構成され、
フロント側部分が易摩耗性材料により構成されている磁
気ヘッドの例である。
【0042】すなわち、本実施例の磁気ヘッドは、図9
に示すように、磁気コア半体を構成する磁気コア基板
3,4,5,6の円筒加工された磁気記録媒体摺動面S
近傍がデプス方向において分割されており、このうちバ
ック側部分35,36,37,38が難摩耗性材料によ
り構成され、フロント側部分31,32,33,34が
易摩耗性材料により構成されている。これにより、磁気
記録媒体摺動面Sから見たときに磁気ギャップg近傍部
分では易摩耗性材料が露出し、磁気ギャップg近傍を除
いた部分では難摩耗性材料が露出するようになってい
る。
【0043】したがって、磁気記録媒体を高速摺動させ
たときに、磁気記録媒体摺動面Sでは、磁気ギャップg
近傍を除いた部分に露出する難摩耗性材料により磁気記
録媒体摺動面の摩耗量が大幅に低減し、長ヘッド寿命が
得られる。また、磁気ギャップg近傍部分では、易摩耗
性材料が露出していることにより、金属磁性膜7,8と
磁気コア基板3,4,5,6とで摩耗量が略同程度とな
り、金属磁性膜7,8の摩耗の進行によって生じる偏摩
耗が抑えられ、偏摩耗が起因する記録再生特性の劣化が
防止される。
【0044】なお、バック側部分36,36,37,3
8を構成する難摩耗性材料,フロント側部分31,3
2,33,34を構成する易摩耗性材料としては実施例
1に例示したものがいずれも使用可能である。
【0045】上記構成の磁気ヘッドは以下のようにして
作製される。
【0046】先ず、図10に示すように、ヘマタイトか
らなる難摩耗性基板41と非磁性フェライトよりなる易
摩耗性基板42を用意し、これら基板の接合面となる端
面を鏡面仕上げする。そして、上記ヘマタイト基板41
と非磁性基板42とを重ね合わせて接合し、基板ブロッ
ク43を形成する。
【0047】次いで、上記基板ブロック43を図10中
3 −A4 線,B3 −B4 線,C3−C4 線で示すよう
に切断し、図11に示す接合ブロック44を形成する。
そして、該接合ブロック44の切断面を鏡面仕上げした
後、切断面の一方にセンダスト等の強磁性金属材料をス
パッタリングすることによって金属磁性膜45を形成す
る。
【0048】次に、図12に示すように、上記接合ブロ
ック44を重ね合わせ、複数の接合ブロック44と金属
磁性膜45が交互に積層された基板ブロック46を形成
する。この基板ブロック46を図中D3 −D4 線,E3
−E4 線,F3 −F4 線で示すように上記金属磁性膜4
5の略直交方向に切断し、図13に示すような磁気コア
半体ブロック47,48を形成する。
【0049】次いで、図14に示すように、一方の磁気
コア半体ブロック48の磁気ギャップg形成面となる突
合せ面48aにコイルを巻回するための巻線溝49を磁
気コア半体ブロック48全体に亘って形成する。そし
て、磁気コア半体ブロック48の突合せ面48aを鏡面
仕上げした後、巻線溝を設けないこと以外は同様にして
形成された他方の磁気コア半体ブロック47を突き合わ
せ、磁気コアブロック50を形成する。なお、磁気コア
半体ブロック47,48を突き合わせるに際しては、金
属磁性膜45同士の膜厚方向が精密に一致するように位
置合わせをして接合一体化する。この突き合わされた金
属磁性膜15の間が磁気ギャップgとなる。
【0050】次いで、図15に示すように、これら接合
された磁気コアブロック50に対し、磁気記録媒体との
当たりを確保するために砥粒研磨等によって円筒研磨を
施して磁気記録媒体摺動面Sを形成した後、図中G3
4 線及びH3 −H4 線で示す位置でスライスし、磁気
ヘッド(実施例ヘッド2)が完成する。
【0051】なお、各部材の接合には従来公知の接合方
法が適用可能である。例示するならば、低温熱拡散接合
(接合面にそれぞれ設けられた金属層同士の熱拡散によ
り接合する方法)やボンディングガラス等による接合が
挙げられる。
【0052】実施例3 本実施例は、磁気記録媒体摺動面近傍を除いた部分が磁
性フェライトよりなること以外は実施例1と同様の構成
の磁気ヘッドの例である。
【0053】すなわち、本実施例の磁気ヘッドは、図1
6に示すように磁気コア半体を構成する磁気コア基板
3,4,5,6がデプス方向において分割されており、
このうち磁気記録媒体摺動面近傍を除いた部分59,6
0,61,62が磁性フェライトにより構成されてい
る。一方、磁気記録媒体摺動面近傍部分が、さらに磁気
記録媒体走行方向において分割され、このうち磁気ギャ
ップg近傍を除いた部分55,56,57,58が難摩
耗性材料により構成され、磁気ギャップg近傍部分5
1,52,53,54が該難摩耗性材料よりも磁気記録
媒体に対する耐摩耗性が劣る易摩耗性材料により構成さ
れている。これにより磁気記録媒体摺動面Sから見たと
きに磁気ギャップg近傍部分では易摩耗性材料が露出
し、磁気ギャップg近傍を除いた部分では難摩耗性材料
が露出するようになっている。
【0054】したがって、磁気記録媒体を高速摺動させ
たときに、磁気記録媒体摺動面Sでは、磁気ギャップg
近傍を除いた部分に露出する難摩耗性材料により摩耗量
が大幅に低減し、長ヘッド寿命が得られる。また、磁気
ギャップg近傍部分では、易摩耗性材料が露出している
ことにより、金属磁性膜7,8と磁気コア基板の摩耗量
が略同程度となり、金属磁性膜7,8の摩耗の進行によ
って生じる偏摩耗が抑えられ、偏摩耗に起因する記録再
生特性劣化が防止される。
【0055】さらに、上記磁気ヘッドでは、磁気記録媒
体摺動面近傍を除いた部分59,60,61,62が磁
性フェライトで構成されていることにより、磁路が確保
され、これにより記録再生効率が向上し、例えば狭トラ
ック化を図った場合でも広い周波数帯域で良好な記録再
生特性が得られるようになっている。
【0056】なお、磁気記録媒体摺動面近傍部分のうち
磁気ギャップg近傍を除いた部分55,56,57,5
8を構成する難摩耗性材料,磁気ギャップg近傍部分5
1,52,53,54を構成する易摩耗性材料としては
実施例1に例示したものがいずれも使用可能である。ま
た、磁気記録媒体摺動面近傍を除いた部分59,60,
61,62を構成する磁性フェライトとしては、高周波
数特性に優れるMn−Zn系フェライト,Ni−Zn系
フェライト等が使用される。
【0057】上記構成の磁気ヘッドは以下のようにして
作製される。
【0058】先ず、図17に示すように、ヘマタイトか
らなる難摩耗性基板71と非磁性フェライトからなる易
摩耗性基板72を用意し、これら基板71,72の接合
面となる端面を鏡面仕上げする。
【0059】そして、図18に示すように、難摩耗性基
板71と易摩耗性基板72とを交互に配置して接合一体
化し、接合基板を形成する。該接合基板の一端面を鏡面
加工し、一端面が鏡面加工されたフェライト基板73と
接合一体化して基板ブロック74を形成する。次いで、
上記基板ブロック74を図18中A5 −A6 線,B5
6 線,C5−C6 線で示すように接合面の直交方向に
切断して図19に示す接合ブロック75を形成する。そ
して、該接合ブロック75の切断面を鏡面仕上げした
後、切断面の一方にセンダスト等の強磁性金属薄膜をス
パッタリング法等によって金属磁性膜76を形成する。
【0060】次に、図20に示すように、金属磁性膜7
6が形成された接合ブロック75を重ね合わせ、複数の
接合ブロック75と金属磁性膜76が交互に積層された
基板接合ブロック77をガラス接合法等で形成する。上
記基板接合ブロック77を図中D5 −D6 線,E5 −E
6 線,F5 −F6 線で示すように上記金属磁性膜76の
略直交方向に切断し、図21に示すような磁気コア半体
ブロック78,79を形成する。
【0061】次いで、図22に示すように、一方の磁気
コア半体ブロック79の磁気ギャップg形成面となる突
合せ面79aにコイルを巻回させるための巻線溝80を
磁気コア半体ブロック79全体に亘って形成する。そし
て、磁気コア半体ブロック79の突合せ面79aを鏡面
仕上げした後、巻線溝を形成しないこと以外は同様にし
て形成された他方の磁気コア半体ブロック78とを突き
合わせ、磁気コアブロック81を形成する。なお、これ
ら磁気コア半体ブロック78,79を突き合わせるに際
しては、金属磁性膜76同士の膜厚方向が精密に一致す
るように位置合わせをして接合一体化する。この突き合
わされた金属磁性膜76の間が磁気ギャップgとなる。
【0062】次に、図23に示すように、これらガラス
接合された磁気コアブロック91に対し、磁気記録媒体
との当たりを確保するために円筒研磨を施して磁気記録
媒体摺動面Sを形成した後、図中G5 −G6 線及びH5
−H6 線で示す位置でスライスし、磁気ヘッド(実施例
ヘッド3)が完成する。
【0063】なお、各部材の接合には従来公知の接合方
法が適用可能である。例示するならば、低温熱拡散接合
(接合面にそれぞれ設けられた金属層同士の熱拡散によ
り接合する方法)やボンディングガラス等による接合が
挙げられる。
【0064】実施例4 本実施例は、磁気記録媒体摺動面近傍を除いた部分が磁
性フェライトよりなること以外は実施例2と同様の構成
の磁気ヘッドの例である。
【0065】すなわち、本実施例の磁気ヘッドは、図2
4に示すように磁気コア半体1,2を構成する磁気コア
基板3,4,5,6がデプス方向において分割されてお
り、このうち磁気記録媒体摺動面近傍を除いた部分10
9,110,111,112が磁性フェライトにより構
成されている。一方、円筒加工された磁気記録媒体摺動
面近傍部分が、さらにデプス方向において分割され、こ
のうちバック側部分105,106,107,108が
難摩耗性材料により構成され、フロント側部分101,
102,103,104が該難摩耗性材料よりも磁気記
録媒体に対する耐摩耗性が劣る易摩耗性材料により構成
されている。これにより磁気記録媒体摺動面Sから見た
ときに磁気ギャップg近傍部分では易摩耗性材料が露出
し、磁気ギャップg近傍を除いた部分では難摩耗性材料
が露出するようになっている。
【0066】したがって、磁気記録媒体を高速摺動させ
たときに、磁気記録媒体摺動面Sでは、磁気ギャップg
近傍を除いた部分に露出する難摩耗性材料により摩耗量
が大幅に低減し、長ヘッド寿命が得られる。また、磁気
ギャップg近傍部分では、易摩耗性材料が露出している
ことにより、金属磁性膜7,8と磁気コア基板の摩耗量
が同程度となり、金属磁性膜7,8の摩耗の進行によっ
て生じる偏摩耗が抑えられ、偏摩耗に起因する記録再生
特性劣化が防止される。
【0067】さらに、上記磁気ヘッドでは、磁気記録媒
体摺動面近傍を除いた部分109,110,111,1
12が磁性フェライトで構成されていることにより、磁
路が確保され、これにより記録再生効率が向上し、例え
ば狭トラック化を図った場合でも広い周波数帯域で良好
な記録再生特性が得られるようになっている。
【0068】なお、磁気記録媒体摺動面近傍部分のうち
バック側部分105,106,107,108を構成す
る難摩耗性材料,フロント側部分101,102,10
3,104を構成する易摩耗性材料としては実施例1に
例示したものがいずれも使用可能である。また、磁気記
録媒体摺動面近傍を除いた部分109,110,11
1,112を構成する磁性フェライトとしては、高周波
数特性に優れるMn−Zn系フェライト,Ni−Zn系
フェライト等が使用される。
【0069】上記構成の磁気ヘッドは以下のようにして
作製される。
【0070】先ず、図25に示すようにヘマタイトから
なる難摩耗性基板121と非磁性フェライトからなる易
摩耗性基板122及び磁性フェライト基板123を用意
し、これら基板の接合面となる一端面を砥粒研磨等によ
り鏡面仕上げする。そして、上記難摩耗性基板121、
易摩耗性基板122、磁性フェライト基板123を重ね
合わせて接合し、基板ブロック124を形成する。
【0071】次いで、上記基板ブロック124を図中A
7 −A8 線,B7 −B8 線,C7 −C8 線で示すように
切断し、図26に示すように接合ブロック125を形成
する。次に、該接合ブロック125の切断面を鏡面仕上
げした後、切断面の一方にセンダスト等の強磁性金属薄
膜をスパッタリング法等によって金属磁性膜126を形
成する。
【0072】そして、図27に示すように、上記接合ブ
ロック125を重ね合わせて接合し、複数の接合ブロッ
ク125と金属磁性膜126とが交互に積層された基板
ブロック127を形成する。この基板ブロック127を
図中D7 −D8 線,E7 −E8 線,F7 −F8 線で示す
ように上記金属磁性膜126の略直交方向に切断し、図
28に示すように磁気コア半体ブロック128,129
を形成する。
【0073】そして、図29に示すように、一方の磁気
コア半体ブロック129の磁気ギャップgの形成面とな
る突合せ面129aにコイルを巻回するための巻線溝1
30を磁気コア半体ブロック129全体に亘って形成す
る。そして、磁気コア半体ブロック129の突合せ面を
鏡面仕上げした後、巻線溝を形成しないこと以外は同様
にして形成された他の磁気コア半体ブロック128と突
き合わせ、磁気コアブロック140を形成する。なお、
この磁気コア半体ブロック140を突き合わせるに際し
ては、金属磁性膜126同士の膜厚方向が精密に一致す
るように位置合わせをし、突合せ面にギャップ材を挟ん
で接合一体化する。この突き合わされた金属磁性膜12
6の間が磁気ギャップgとなる。
【0074】次いで、図30に示すように、これら接合
された磁気コアブロック140に対し、磁気記録媒体と
の当たりを確保するために円筒研磨を施して磁気記録媒
体摺動面Sを形成した後、図中G7 −G8 線及びH7
8 線で示す位置でスライスし、磁気ヘッド(実施例ヘ
ッド4)が完成する。
【0075】なお、各部材の接合には従来公知の接合方
法が適用可能である。例示するならば、低温熱拡散接合
(接合面にそれぞれ設けられた金属層同士の熱拡散によ
り接合する方法)やボンディングガラス等による接合が
挙げられる。
【0076】比較例1 本比較例は、磁気コア半体を構成する磁気コア基板が非
磁性Znフェライトのみにより構成されていること以外
は実施例1と同様の構成の磁気ヘッドの例である。基板
ブロック23として非磁性Znフェライト基板を用いた
こと以外は実施例1と同様にして磁気ヘッド(比較例ヘ
ッド1)を作製した。
【0077】比較例2 本比較例は、磁気コア半体を構成する磁気コア基板がチ
タン酸塩系カルシウムセラミックのみにより構成されて
いること以外は実施例1と同様の構成の磁気ヘッドの例
である。基板ブロック23としてチタン酸塩系カルシウ
ムセラミック基板を用いたこと以外は実施例1と同様に
して磁気ヘッド(比較例ヘッド2)を作製した。
【0078】比較例3 本比較例は、磁気コア半体を構成する磁気コア基板がヘ
マタイトのみにより構成されていること以外は実施例1
と同様の構成の磁気ヘッドの例である。基板ブロック2
3としてヘマタイト基板を用いたこと以外は実施例1と
同様にして磁気ヘッド(比較例ヘッド3)を作製した。
【0079】以上のようにして作製された磁気ヘッドに
ついて、磁気コア基板の摺動面を難摩耗性材料,易摩耗
性材料で構成することによる効果を確認するために摩耗
試験を行った。摩耗試験は、回転ヘッド方式の記録再生
装置の回転ドラムに、上記各磁気ヘッドを突き出し量3
0μmで搭載し、温度30℃,相対湿度80%環境下、
磁気テープに対して所定時間摺動させることによって行
った。
【0080】摺動による突き出し量の変化を図31〜図
34に、100時間摺動後のギャップ部の偏摩耗量を表
1に示す。
【0081】なお、ここでいう偏摩耗量とは、磁気記録
媒体摺動面に対する金属磁性膜の摩耗によって生じた退
行量である。また、回転ヘッド方式の記録再生装置とし
ては、ソニー社製,商品名BVW−50(ベータカムS
P)を用い、磁気テープとしては、ソニー社製,商品名
BCT−90ML(ベータカムSP用メタルテープ)を
用いた。
【0082】
【表1】
【0083】まず、図31〜図34からわかるように磁
気コア基板の磁気記録媒体摺動面のうち少なくとも磁気
ギャップg近傍を除いた部分にヘマタイトが露出するよ
うな構成の実施例ヘッド1〜実施例ヘッド4及び比較例
ヘッド3は、磁気テープに対して摺動させたときに摩耗
量が少なく、耐摩耗性に優れている。しかし、表1を見
てわかるように、磁気記録媒体摺動面全てがヘマタイト
により構成された比較例ヘッド3は、100時間摺動後
に金属磁性膜が磁気コア基板よりも100nmと大きく
摩耗し、偏摩耗が発生している。
【0084】このことから、磁気コア基板の磁気記録媒
体摺動面を難摩耗性材料により構成することは耐摩耗性
の向上に有効であるが、偏摩耗を抑えるためには、磁気
記録媒体摺動面のうち磁気ギャップg近傍は易摩耗性材
料で構成することが必要であることがわかった。
【0085】次に、磁気コア基板の摺動面近傍以外をフ
ェライトにより構成することの効果を確認するために実
施例ヘッド1〜実施例ヘッド4について周波数特性を測
定した。その結果を図35,図36に示す。なお、図3
5は実施例ヘッド1の再生出力を0dBとしたときの実
施例ヘッド3の相対出力を示したものであり、図36は
実施例ヘッド2の再生出力を0dBとしたときの実施例
ヘッド4の相対出力を示したものである。
【0086】図35,図36から、磁気コア基板の磁気
記録媒体摺動面近傍を除いた部分が磁性フェライトによ
り構成された実施例ヘッド3,実施例ヘッド4は、磁気
コア基板に磁性フェライトを用いていない実施例ヘッド
1,実施例ヘッド2に比べて特に高周波数領域において
大きな再生出力が得られる。このことから、磁気コア基
板の磁気記録媒体摺動面を除いた部分を磁性フェライト
で構成することは、広い周波数帯域において磁気ヘッド
の記録再生特性を向上させる上で有効であることがわか
った。
【0087】以上、本発明を適用した具体的な実施例に
ついて説明したが、本発明は上述の実施例に限定される
ことなく種々の変更が可能である。例えば、金属磁性膜
7,8が磁気記録媒体走行方向に対して斜めになるよう
に形成された磁気ヘッドに適用した場合にも、本発明は
同様の作用効果を発揮する。図37に金属磁性膜7,8
が斜めになるように形成された磁気ヘッドにおいて、磁
気コア基板の磁気記録媒体摺動面近傍をデプス方向に分
割し、バック側を難摩耗性材料により構成し、フロント
側を易摩耗性材料により構成した場合、図38に磁気コ
ア基板を走行方向に分割し、磁気ギャップg近傍を除い
た部分を難摩耗性材料により構成した場合をそれぞれ示
す。
【0088】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、ラミネートタイプの磁気ヘッドにおいて、磁気
コア半体を構成する磁気コア基板の磁気記録媒体摺動面
近傍のうち磁気ギャップ近傍を除いた部分を難摩耗性材
料により構成し、磁気ギャップ近傍部分を該難摩耗性材
料よりも磁気記録媒体に対する耐摩耗性が劣る易摩耗性
材料により構成するので、耐摩耗性を有するとともに偏
摩耗が発生し難く、良好な記録再生特性が長期間に亘っ
て維持される磁気ヘッドを得ることが可能である。
【0089】さらに、上記磁気ヘッドにおいて、磁気コ
ア基板の磁気記録媒体摺動面近傍を除いた部分を磁性フ
ェライトにより構成すると、狭ギャップ化を図った場合
でも広い周波数帯域において良好な記録再生特性を得る
ことができるようになる。したがって、本発明によれ
ば、高密度記録が可能であるとともに実用性に優れ、V
TR,R−DATに搭載して好適な磁気ヘッドを得るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの一構成例を示す
概略斜視図である。
【図2】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、難摩耗性基
板,易摩耗性基板の鏡面研磨工程を示す概略斜視図であ
る。
【図3】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、難摩耗性基
板,易摩耗性基板接合工程を示す概略斜視図である。
【図4】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、金属磁性膜
形成工程を示す概略斜視図である。
【図5】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、基板接合ブ
ロック形成工程を示す概略斜視図である。
【図6】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア半
体ブロック形成工程を示す概略斜視図である。
【図7】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア半
体ブロック突合せ工程を示す概略斜視図である。
【図8】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気ヘッド
切り出し工程を示す概略斜視図である。
【図9】本発明を適用した磁気ヘッドの他の構成例を示
す概略斜視図である。
【図10】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、難摩耗性
基板,易摩耗性基板接合工程を示す概略斜視図である。
【図11】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、金属磁性
膜形成工程を示す概略斜視図である。
【図12】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、基板接合
ブロック形成工程を示す概略斜視図である。
【図13】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア
半体ブロック形成工程を示す概略斜視図である。
【図14】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア
半体ブロック突合せ工程を示す概略斜視図である。
【図15】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気ヘッ
ド切り出し工程を示す概略斜視図である。
【図16】本発明を適用した磁気ヘッドのさらに他の構
成例を示す概略斜視図である。
【図17】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、難摩耗性
基板,易摩耗性基板の鏡面研磨工程を示す概略斜視図で
ある。
【図18】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、難摩耗性
基板,易摩耗性基板,磁性フェライト基板接合工程を示
す概略斜視図である。
【図19】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、金属磁性
膜形成工程を示す概略斜視図である。
【図20】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、基板接合
ブロック形成工程を示す概略斜視図である。
【図21】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア
半体ブロック形成工程を示す概略斜視図である。
【図22】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア
半体ブロック突合せ工程を示す概略斜視図である。
【図23】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気ヘッ
ド切り出し工程を示す概略斜視図である。
【図24】本発明を適用した磁気ヘッドのまたさらに他
の構成例を示す概略斜視図である。
【図25】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、難摩耗性
基板,易摩耗性基板,磁性フェライト基板接合工程を示
す概略斜視図である。
【図26】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、金属磁性
膜形成工程を示す概略斜視図である。
【図27】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、基板接合
ブロック形成工程を示す概略斜視図である。
【図28】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア
半体ブロック形成工程を示す概略斜視図である。
【図29】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア
半体ブロック突合せ工程を示す概略斜視図である。
【図30】上記磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気ヘッ
ド切り出し工程を示す概略斜視図である。
【図31】実施例ヘッド1の磁気記録媒体摺動時間と突
き出し量の関係を示す特性図である。
【図32】実施例ヘッド2の磁気記録媒体摺動時間と突
き出し量の関係を示す特性図である。
【図33】実施例ヘッド3の磁気記録媒体摺動時間と突
き出し量の関係を示す特性図である。
【図34】実施例ヘッド4の磁気記録媒体摺動時間と突
き出し量の関係を示す特性図である。
【図35】実施例ヘッド1,実施例ヘッド3の周波数特
性を示す特性図である。
【図36】実施例ヘッド2,実施例ヘッド4の周波数特
性を示す特性図である。
【図37】本発明を適用した磁気ヘッドのさらに他の例
を示す概略斜視図である。
【図38】本発明を適用した磁気ヘッドのまたさらに他
の例を示す概略斜視図である。
【図39】従来の磁気ヘッドの構成を示す概略斜視図で
ある。
【符号の説明】
1,2・・・磁気コア半体 3,4,5,6・・・磁気コア基板 7,8・・・金属磁性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 宏光 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板により金属磁性薄膜を挟み込
    んでなる磁気コア半体同士が上記金属磁性膜の端面同士
    を対向させて突き合わされ、これら金属磁性膜の突合せ
    面間に磁気ギャップが構成されてなる磁気ヘッドにおい
    て、 前記磁気コア半体を構成する基板の磁気記録媒体摺動面
    のうち、磁気ギャップ近傍を除いた部分が難摩耗性材料
    により構成され、磁気ギャップ近傍部分が該難摩耗性材
    料よりも磁気記録媒体に対する耐摩耗性が劣る易摩耗性
    材料により構成されることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記磁気コア半体を構成する基板の少な
    くとも磁気記録媒体摺動面近傍が磁気記録媒体走行方向
    において分割され、磁気ギャップ近傍を除いた部分が難
    摩耗性材料により構成され、磁気ギャップ近傍部分が該
    難摩耗性材料よりも磁気記録媒体に対する耐摩耗性が劣
    る易摩耗性材料により構成されることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気コア半体を構成する基板の少な
    くとも磁気記録媒体摺動面近傍がデプス方向において分
    割され、バック側部分が難摩耗性材料により構成され、
    フロント側部分が該難摩耗性材料よりも磁気記録媒体に
    対する耐摩耗性が劣る易摩耗性材料により構成されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記磁気コア半体を構成する基板の磁気
    記録媒体摺動面近傍を除いた部分が磁性フェライトより
    なることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項
    3記載の磁気ヘッド。
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