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JPH0624721A - フラーレン類の製造方法 - Google Patents

フラーレン類の製造方法

Info

Publication number
JPH0624721A
JPH0624721A JP4174338A JP17433892A JPH0624721A JP H0624721 A JPH0624721 A JP H0624721A JP 4174338 A JP4174338 A JP 4174338A JP 17433892 A JP17433892 A JP 17433892A JP H0624721 A JPH0624721 A JP H0624721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fullerenes
raw material
gas
plasma
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4174338A
Other languages
English (en)
Inventor
Masabumi Matsumoto
正文 松本
Katsuhide Murata
勝英 村田
Takahiro Irie
隆博 入江
Naoki Hatta
直樹 八田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd filed Critical Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP4174338A priority Critical patent/JPH0624721A/ja
Publication of JPH0624721A publication Critical patent/JPH0624721A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フラーレン類の製造効率を向上する。 【構成】 プラズマガン7から発生された熱プラズマ1
1中に、ベンゼンやCS2 などの含炭素化合物原料がキ
ャリアガスと共にノズル4に連続的に供給され、プラズ
マ反応部3で反応してフラーレン類およびスス等が生成
する。この生成物が冷却され、捕集容器13等において
捕集される。ガス原料はそのままキャリアガスと共に供
給される。液状又は固体状の原料は気化された後、キャ
リアガスと共に供給される。 【効果】 フラーレン類の生成効率が極めて高く、しか
も供給ノズルの目詰りもなく、長時間に亘って安定して
フラーレン類の製造を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフラーレン類を効率良く
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フラーレン類はC60,C70などの高炭素
数の閉じたかご状の炭素同素体である。C60は切頭正2
0面体のサッカーボール様の分子構造を有したものであ
る。
【0003】従来のフラーレン類の製造方法には、黒鉛
を蒸発(例えばレーザー照射による気化、高電流密度の
抵抗加熱による気化、黒鉛電極間アーク放電発生等によ
る気化)させ、生成した炭素ガスを冷却する方法が知ら
れている。
【0004】フラーレン類の製造方法の別の従来法とし
てベンゼン/O2 /Ar予混合ガスを低圧下で燃焼さ
せ、生成したガスを冷却する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者のフラーレン類の
製造方法には、導電性の固体黒鉛(気化分解熱が大き
く、気化温度が高い。)を用いなければならず、蒸発速
度が低く、さらにエネルギー効率が低い(1%未満)と
いう問題がある。また、連続的な原料供給が困難である
という問題もある。
【0006】後者のフラーレン類の製造方法において
は、温度条件の制御幅が定常燃焼温度範囲に限られ、燃
焼到達温度が1800K程度のため、原料の完全な熱分
解は困難である。また、必要以上にO2 を供給すると、
燃焼により損失する原料量が増え、さらに生成したフラ
ーレン類を酸化分解する恐れもあり、加熱(定常燃焼)
に必要なO2 量とのバランス・最適化が困難であるとい
う問題がある。
【0007】従って、これらの方法はフラーレン類の大
量製造法として不向きである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のフラーレン類
の製造方法は、熱プラズマを発生させ、この中に含炭素
化合物の気体原料をキャリアガスと共に供給してこれを
加熱・分解させ、この反応ガスを冷却して固形分を捕集
し、この捕集物よりフラーレン類を分離するフラーレン
類の製造方法であって、前記気体原料は、常温において
液体又は固体の含炭素化合物を気化させたものである。
【0009】請求項2のフラーレン類の製造方法は、熱
プラズマを発生させ、この中に含炭素化合物の気体原料
をキャリアガスと共に供給してこれを加熱・分解させ、
この反応ガスを冷却して固形分を捕集し、この捕集物よ
りフラーレン類を分離するフラーレン類の製造方法であ
って、前記気体原料は常温において気体である。
【0010】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0011】本発明において、熱プラズマを発生させる
方法としては、特定種のプラズマガスを加熱電離する方
法が好ましい。具体的には直流アーク放電プラズマジェ
ット式プラズマガン機構や、100kHz〜10GHz
程度の高周波誘導熱プラズマ発生機構が例示される。
【0012】なお、直流アーク放電プラズマジェット発
生機構と高周波誘導熱プラズマ発生機構を併用して熱プ
ラズマを発生させるようにしても良い。この場合、広い
容積にわたって原料供給速度の変化に対して安定な熱プ
ラズマを発生でき、フラーレン類を高速度で大量に合成
できる。
【0013】このプラズマガスとしては、He,Ar,
またはHe/H2 ,Ar/H2 ,He/O2 ,Ar/O
2 ,He/Ar/H2 ,He/Ar/O2 ,He/Ar
/H2 /O2 もしくはHe/Ar/H2 Oが好ましい。
このガスを適切な手段を用いて加熱電離させ、熱プラズ
マを発生させる。熱プラズマの最高到達温度は2000
K以上、好ましくは3500〜15000Kがよい。
【0014】この熱プラズマ中に供給される含炭素化合
物原料としては、炭素を原子数比で全体の65%以下含
有する化合物であることが好ましい。これらは一般に、
含炭素化合物原料の内でも完全な熱分解が比較的容易
で、安価な原料であるため、高い効率でフラーレン類を
安価に合成できる。
【0015】具体的には、該原料としては、有機物の場
合は次のような化合物が好ましい。
【0016】ベンゼン、ピリジン、シクロペンタジエ
ン、ピロール、フラン、チオフェン等の単環の芳香族化
合物および複素芳香族化合物、もしくはそれらのメチ
ル、ヒドロキシ、またはメルカブト置換体、ナフタレ
ン、キノリン、インデン、インドール、ベンゾフラン、
ベンゾチオフェン、アントラセン、アクリジン、フェナ
ントレン、フェナントリジン、フルオレン、カルバゾー
ル、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、アセナフチ
レン、ピレン、フルオランテン等の縮合多環芳香族化合
物および縮合多環複素芳香族化合物、もしくはそれらの
メチル、ヒドロキシ、またはメルカブト置換体、ビフェ
ニル、2,2’−(または4,4’−)ビピリジン、o
−(またはm−もしくはp−)テルフェニル等の多環系
環集合芳香族化合物および多環系環集合複素芳香族化合
物、もしくはそれらのメチル、ヒドロキシ、またはメル
カブト置換体、o−(またはp−)ベンゾキノン、1,
4−ナフトキノン、9,10−アントラキノン、9−フ
ルオレノン等の芳香族ケトンおよびキノン、もしくはそ
れらのメチル、ヒドロキシ、またはメルカブト置換体、
エチレン、1−ブテン、1,3−ブタジエン、アセチレ
ン、1−ブチン、1,3−ブタジイン等の不飽和脂肪族
炭化水素、もしくはそららのメチル、ヒドロキシ、また
はメルカブト置換体、メタン、エタン、プロパン、n−
(またはイソ)ブタン、n−(またはイソもしくはネ
オ)ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘ
プタン、n−オクタン等の飽和脂肪族炭化水素、もしく
はそれらのメチル、ヒドロキシ、またはメルカブト置換
体。
【0017】また、無機物では、CS2 、CO等が該原
料として好ましい。特にCS2 の場合、有機物の場合に
必須な脱水素反応を経ることなく極めて容易に熱分解さ
れ、フラーレン類が合成できる。H2 が含まれないプラ
ズマガスによるフラーレン類の合成では、無機物原料の
場合、有機物の副生成がないので、生成物からのフラー
レン類の分離精製が容易である。
【0018】上記の原料は一般に、含炭素化合物のうち
でも完全な熱分解が比較的容易で、しかも気体であるか
又は原料供給時に簡単に気化させて連続供給できる安価
な原料であるため、高い効率でフラーレン類を安価に合
成できる。
【0019】以上の含炭素化合物原料は、単独で、また
は2種以上を組合せて用いる。
【0020】含炭素化合物が常温において気体である場
合には、この含炭素化合物はキャリアガスと共に熱プラ
ズマ中に供給される。含炭素化合物が常温において液体
又は固体である場合には、気化させてキャリアガスと共
に熱プラズマ中に供給する。この方法で気体状の含炭素
化合物を供給すると、熱プラズマ近傍において開口する
含炭素化合物原料供給ノズルの先端部における炭素の析
出によるノズル閉塞が防止される。また、気体状にする
ことにより、原料を安定的に連続供給し易い。
【0021】なお、複数種の原料を混合して用いる場
合、特にそれらの相(気/液/固相)が異なるときは、
次のように供給すると良い。まず、気相の原料同志を予
め混合し、また、液及び固相の原料は全てを予め混合し
単一溶液としておき、それぞれ定量供給する。その後、
溶液の方を加熱気化させてから両者を混合して単一気相
とした後、適当な流量のキャリアガスに随伴させて熱プ
ラズマへ供給する。
【0022】もし、原料の混合によって反応等、好まし
くないことが起こる場合、固相の原料が液相に溶解し難
い場合、また、液及び固相の各原料の気化温度に大きな
差がある場合等、一括供給に問題があるときは、問題と
なる原料成分を別系統で供給すると良い。
【0023】さらに、熱プラズマの輻射熱や水冷の排熱
等、全装置系から生じる余分な熱との熱交換によって、
液及び/又は固相の原料を加熱気化させれば、全体のエ
ネルギー効率が向上する。
【0024】含炭素化合物が常温で気体である場合に
は、レギュレータやマスフローコントローラ等により定
量供給できる。含炭素化合物が常温で液体である場合に
は、定量ポンプ等によって定量供給できる。含炭素化合
物が固体(粉体)であるときには、砂時計の如き落下式
の粉体供給機やロータリフィーダ、スクリュフィーダ等
によって定量供給できる。
【0025】キャリアガスとしては炭素化合物を含まな
いものが用いられる。キャリアガスとしては、先に例示
したプラズマを発生させるのに用いるガスのうちのいず
れかが好ましい。
【0026】液体又は固体状の含炭素化合物原料を気化
させて用いる場合、この気化時にキャリアガスを混合し
ても良く、気化後にキャリアガスを混合しても良い。
【0027】熱プラズマ中に供給された原料は、一度2
000K以上、好ましくは2500K以上まで加熱され
た後、放熱される。この時、1300K以上の温度域に
1〜500ms,好ましくは2500〜1300Kの温
度域に10〜100ms滞在させるようにする。
【0028】この熱プラズマよりなるプラズマ反応部の
内圧は10〜300Torrに保たれるのが好ましい。
この熱プラズマ中で分解によって生じた炭素がクラスタ
化し、フラーレン類が生成する。このフラーレン類を含
む生成物は、冷却され、固形分として捕集される。
【0029】反応生成物を含むガスの冷却方法として
は、プラズマガス/反応生成物の自然放冷もしくは断熱
膨張によるもの;低温のHe、N2 およびArなどのい
ずれかもしくは混合された不活性ガス(液化ガスを含
む)をプラズマガス/反応生成物に加えることによるも
の;熱交換冷却たとえば水冷壁へのプラズマガス/反応
生成物の接触によるものなどがある。この際、生成した
フラーレン類の変性や未凝固による流出を防ぐため、で
きるだけ迅速に400℃以下、好ましくは100℃程度
以下まで冷却部で冷却する。冷却に必要な排熱量は、プ
ラズマガスおよび原料供給速度とプラズマ発生のための
供給エネルギの大きさに依存する。
【0030】こうして冷却・固化された生成物は捕集手
段(例えば捕集壁および/またはバグフィルタなど)に
より捕集される。放冷や熱交換によって冷却する場合
は、冷却手段と捕集手段とを兼ねることもできる。
【0031】生成物が捕集手段で完全に捕集されるよう
にするのが好ましい。このためには、捕集手段における
ガスの流速が好ましくは1m/s以下になるように捕集
手段の形状を定める。なお、プラズマ反応の過程で、多
くの場合副生成物として有機物やススなどが生じ、この
場合はフラーレン類とこれらの混合物が捕集される。捕
集された生成物の分離法には、生成物の再加熱・揮発ガ
スの再冷却による逆昇華、フラーレン類が可溶な溶媒に
よる抽出などがある。これらは適宜組合せて用いても良
い。
【0032】なお、特に抽出の場合のように、高温でフ
ラーレン類を変質させる恐れがある溶媒等を使用して分
離する場合は、原料供給系からプラズマ発生系、プラズ
マ反応部、冷却系、捕集系に至る経路と、この分離系と
を完全に隔離して操作することが好ましい。この時、あ
らかじめ機械的に脱離させ、脱離した生成物を気密・隔
離された抽出器まで移送してから行なうとよい。逆昇華
の場合も、まず機械的に脱離させ、気密・隔離された逆
昇華器まで移送させた後行なうのが好ましい。
【0033】逆昇華によってフラーレン類を分離する場
合は、He、N2 およびArなどのいずれかもしくは混
合された不活性ガスの雰囲気下において適切な温度まで
加熱した後、揮発ガスを冷却して回収する。この加熱温
度は、例えば10-6Torrでは400℃程度以上、常
圧では500℃程度以上、また冷却温度は100℃以下
が好ましい。
【0034】また、抽出によってフラーレン類を分離す
る場合は、溶媒として生成フラーレン類を化学変化させ
ずによく溶解する揮発性の溶媒、例えば炭素数10以下
の液状の飽和もしくは不飽和炭化水素、ベンゼン、トル
エン、CS2 、ピリジンなどを用いるのが好ましい。
【0035】抽出器としては、バッチ式抽出器、例えば
ソックスレー抽出器などを用いることができる。この
時、加熱や超音波照射等で抽出を速めることもできる。
これらの方法では、フラーレン類は副生成物のススなど
から分離されて回収される。
【0036】この後、必要があればフラーレン類を液体
クロマトグラフィーまたは超臨界流体クロマトグラフィ
ー等によって単離し、精製する。
【0037】以上のフラーレン類の合成方法において、
原料供給系からプラズマ発生系、プラズマ反応部、冷却
系、捕集系に至る経路内は、全て外気から遮断されてい
る。外気と遮断するには、第1図のように、真空ポンプ
19によって排気されたチャンバ20内に、該経路の部
材全体または主要部分を設置すればよい。なお、該経路
内だけを配管系として構成し、外気から遮断しても良
い。
【0038】
【作用】本発明のフラーレン類の製造方法によると、気
体、液体もしくは粉体の含炭素化合物原料を連続供給で
きる。また、これらの原料は黒鉛に比べて分解温度が低
く分解速度が速いので、熱プラズマ中の滞在時間内で充
分に加熱・分解でき、エネルギー効率よく迅速にフラー
レン類を合成できる。さらに、原料の加熱・分解を燃焼
によって行なう方法と異なり、過剰なO2 を供給せず
に、あるいは全くO2 を供給せずにフラーレン類を合成
できる。
【0039】加えて、本発明においては、気体の含炭素
化合物原料をキャリアガスに随伴させて熱プラズマに供
給するので、熱プラズマへの含炭素化合物の供給ノズル
出口において原料が炭化して目詰りすることがなく、ま
た、供給配管内で原料が滞留することを回避できる。こ
のため、原料が安定して連続供給できる。
【0040】このようなことから、フラーレン類の大量
製造法として、極めて有効である。
【0041】
【実施例】
実施例1 第1図は、直流アーク放電プラズマジェットによって熱
プラズマを発生させるフラーレン類の製造方法を示す縦
断面図である。
【0042】プラズマガス供給管6が接続されたプラズ
マガン7は円筒状陽極(銅または黒鉛製)8と中央の陰
極(タングステンまたは黒鉛製)9からなる。前述のプ
ラズマガスが陰極9から陽極8方向に流れ、十分に混合
される。陽極8と陰極9の間に直流電圧を印加しアーク
放電させて、陽極8の下流に熱プラズマのジェット11
を生ぜしめる。両極は損耗しないよう水冷する。この下
流に連続的に含炭素化合物原料をキャリアガスと共に原
料供給ノズル4から供給し、その下流側の冷却捕集容器
13内にプラズマ反応部3を設けて反応させる。容器1
3は水冷されている。プラズマガン7、容器13はチャ
ンバ20内に配置されている。チャンバ20内は排気ポ
ンプ19により排気されている。
【0043】陽極8から約30cm下流の位置に5cm
角のα−炭化珪素(SiC)製の邪魔板12を設置し、
これに原料/プラズマジェットを当て、この邪魔板12
の温度を測定しながら反応させた。この邪魔板12を用
いると、冷却効率が高くなる。
【0044】なお、原料ライン21を経て流量調節器2
2で定量供給された液体原料、及び、ガスライン23を
経て流量調節器24で定量供給されたキャリアガスが混
合器25に導入される。この混合器25にはヒータ式予
熱器29が組み込まれており、液体原料が加熱されて気
化される。気化した原料及びキャリアガスが混合器25
において適切な量比で混合された後、ラインヒータ30
付きの混合ガス供給ライン26を通り、ノズル4から熱
プラズマ11に供給される。
【0045】第1図の装置において、原料として液体ベ
ンゼンを3ミリリットル/minの速度でHeをキャリ
アガス(流量2リットル/min)として原料供給系か
ら供給した。このベンゼンは、ヒータ式予熱器29で8
0℃に予熱され、気化されて、そのままラインヒータ3
0にて保温された状態でノズル4に供給され、プラズマ
ガン7の約2cm下流にて熱プラズマ11中へ供給され
る。
【0046】プラズマガスとしては、Arを20リット
ル/min、Heを20リットル/minの割合で供給
した(以上、流量は全て常温常圧時換算)。
【0047】その他の主な条件は次の通りである。
【0048】 プラズマガン電力 25〜40kW(水冷損失込) 反応部内圧 55Torr 反応部温度 1200〜1500K 冷却捕集容器13 末端出口ガス温度 初期には8
0℃。その後、130℃まで徐々に上昇。
【0049】 プラズマジェット内原料滞在時間 約1ms その結果、30minの原料供給でスス状物質(含
60、C70)約30gが容器13の内面に付着・生成し
た。この生成物をかき出し、トルエン抽出したところ、
その内のジエチルエーテル不溶成分(フラーレンC60
70)は最多時の試行で約0.2gであった。
【0050】この間、配管26や混合器25、ノズル4
には原料の滞留や炭化物の付着は全く見られなかった。
【0051】第2図に該不溶成分のトルエン溶媒中にお
ける紫外−可視吸収スペクトルを示す。該不溶成分のス
ペクトルは、314nm,334nm,363nm,3
81nm,407nmにピークもしくはショルダを、ま
た460〜480nm付近になだらかなピークを持ち、
参照データの標準試料のC60とC70のスペクトルの和に
なっていることがわかる。
【0052】また、第3図に該不溶成分の電子衝撃イオ
ン化マススペクトルを示す。C60およびC70のそれぞれ
の1価および2価陽イオンの質量数/電荷に相当する7
20、360(C60)および840、420(C70)の
ピークが見られる。これらより、フラーレンC60および
70が合成されたことが確認された。
【0053】なお、実施例1と同じ装置によってガス原
料であるアセチレンを2リットル/minの速度でHe
キャリアガス2リットル/minと混合して供給し、フ
ラーレン類の合成を試みたところ、生成物のトルエン抽
出物の電子衝撃イオン化マススペクトルにおいてC60
70の1価および2価の陽イオンに相当するピークが見
られ、同様にフレーレン類が合成できることがわかっ
た。この場合、ヒータ式予熱器29及びラインヒータ3
0は不要であった。
【0054】比較例1 実施例1において、ヒータ式予熱器29及びラインヒー
タ30を作動させなかったところ、稼働開始後、約6m
inでノズル4の出口において原料の炭化物の付着によ
る目詰りが発生し、それ以後の運転が困難であった。
【0055】また、さらにキャリアガスを停止した場合
には、ベンゼンが混合器25内に液状のまま滞留した。
【0056】
【発明の効果】以上の通り、本発明のフラーレン類の製
造方法によると、原料を連続供給しながら、しかも過剰
なO2 を供給せずに、あるいは全くO2 を供給せずにフ
ラーレン類を合成できる。また、原料供給ノズルの目詰
りも全く生じない。従って、フラーレン類を安定して製
造でき、しかも長期間に亘って連続製造することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例方法に用いられるフラーレン類
製造装置の縦断面図である。
【図2】本発明の実施例における生成フラーレン類の分
析結果(トルエン溶液の紫外−可視吸収スペクトル)で
ある。
【図3】本発明の実施例における生成フラーレン類の別
の分析結果(電子衝撃イオン化マススペクトル)であ
る。
【符号の説明】
7 プラズマガン 8 陽極 9 陰極 12 邪魔板 13 冷却捕集容器 19 排気ポンプ 20 チャンバ 25 混合器 29 ヒータ式予熱器 30 ラインヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八田 直樹 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱プラズマを発生させ、この中に含炭素
    化合物の気体原料をキャリアガスと共に供給してこれを
    加熱・分解させ、この反応ガスを冷却して固形分を捕集
    し、この捕集物よりフラーレン類を分離するフラーレン
    類の製造方法であって、前記気体原料は、常温において
    液体又は固体の含炭素化合物を気化させたものであるフ
    ラーレン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱プラズマを発生させ、この中に含炭素
    化合物の気体原料をキャリアガスと共に供給してこれを
    加熱・分解させ、この反応ガスを冷却して固形分を捕集
    し、この捕集物よりフラーレン類を分離するフラーレン
    類の製造方法であって、前記気体原料は常温において気
    体であるフラーレン類の製造方法。
JP4174338A 1992-07-01 1992-07-01 フラーレン類の製造方法 Pending JPH0624721A (ja)

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