JPH06232231A - 半導体素子の電気特性評価装置 - Google Patents
半導体素子の電気特性評価装置Info
- Publication number
- JPH06232231A JPH06232231A JP1506393A JP1506393A JPH06232231A JP H06232231 A JPH06232231 A JP H06232231A JP 1506393 A JP1506393 A JP 1506393A JP 1506393 A JP1506393 A JP 1506393A JP H06232231 A JPH06232231 A JP H06232231A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electron
- unit
- hole
- calculation
- energy conservation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 title claims abstract description 27
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 title claims description 10
- 238000000034 method Methods 0.000 claims abstract description 95
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims abstract description 75
- 238000004134 energy conservation Methods 0.000 claims abstract description 42
- 238000012937 correction Methods 0.000 claims description 14
- 239000013256 coordination polymer Substances 0.000 claims 1
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 abstract description 7
- 239000002574 poison Substances 0.000 abstract 2
- 231100000614 poison Toxicity 0.000 abstract 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 4
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 238000005215 recombination Methods 0.000 description 2
- 230000006798 recombination Effects 0.000 description 2
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 2
- 238000011282 treatment Methods 0.000 description 2
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 239000000969 carrier Substances 0.000 description 1
- 230000000295 complement effect Effects 0.000 description 1
- 230000008034 disappearance Effects 0.000 description 1
- 230000005684 electric field Effects 0.000 description 1
- 238000004070 electrodeposition Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
- Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 半導体素子の数値解析において高速かつ安定
な解を得る。 【構成】 デカップルド法の計算部13とニュートン法
の計算部17を備え、上記2つの計算部を自動的に切り
替える切替部18を持つ。計算部13において、ポアソ
ン方程式、電子電流連続方程式、正孔電流連続方程式を
解く計算部14で電位、電子濃度、正孔濃度について求
め、キャリア温度予測部15でキャリア温度の初期値を
与え、電子エネルギー保存則、正孔エネルギー保存則を
解く計算部16で電子温度、正孔温度について計算す
る。計算部17では、ポアソン方程式、電子電流連続方
程式、正孔電流連続方程式、電子エネルギー保存則、正
孔エネルギー保存則をニュートン法で解き、電位、電子
濃度、正孔濃度、電子温度、正孔温度の全てを同時に求
める。
な解を得る。 【構成】 デカップルド法の計算部13とニュートン法
の計算部17を備え、上記2つの計算部を自動的に切り
替える切替部18を持つ。計算部13において、ポアソ
ン方程式、電子電流連続方程式、正孔電流連続方程式を
解く計算部14で電位、電子濃度、正孔濃度について求
め、キャリア温度予測部15でキャリア温度の初期値を
与え、電子エネルギー保存則、正孔エネルギー保存則を
解く計算部16で電子温度、正孔温度について計算す
る。計算部17では、ポアソン方程式、電子電流連続方
程式、正孔電流連続方程式、電子エネルギー保存則、正
孔エネルギー保存則をニュートン法で解き、電位、電子
濃度、正孔濃度、電子温度、正孔温度の全てを同時に求
める。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子の電気特性
を解析評価する手法に関し、特に数値計算によって半導
体内部の電気特性を表す物理量、たとえば電位分布、電
子濃度分布、正孔濃度分布、電子温度分布および正孔温
度分布の少なくとも1つの物理量の所定の位置における
値を求める半導体素子の電気特性評価装置に関する。
を解析評価する手法に関し、特に数値計算によって半導
体内部の電気特性を表す物理量、たとえば電位分布、電
子濃度分布、正孔濃度分布、電子温度分布および正孔温
度分布の少なくとも1つの物理量の所定の位置における
値を求める半導体素子の電気特性評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体内の電位分布、電子濃度分布およ
び正孔濃度分布を数値的に解析する手法としてポアソン
方程式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程式
の3つの基本方程式を数値的に解いて、半導体の電気特
性を解析する手法が知られている。また、半導体素子の
試作に先立って予測する前記の手段は、デバイスシミュ
レーション技術として知られている(たとえば、アナリ
シス・アンド・シミュレーション・オブ・セミコンダク
タ・デバイス、1984年、出版スプリンガー・ベルラ
グ社、著者S.ゼルバヘル(S. Selberherr, 'Analysis
and Simulationof Semiconductor Devices', Springer
-Verlag, 1984))。
び正孔濃度分布を数値的に解析する手法としてポアソン
方程式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程式
の3つの基本方程式を数値的に解いて、半導体の電気特
性を解析する手法が知られている。また、半導体素子の
試作に先立って予測する前記の手段は、デバイスシミュ
レーション技術として知られている(たとえば、アナリ
シス・アンド・シミュレーション・オブ・セミコンダク
タ・デバイス、1984年、出版スプリンガー・ベルラ
グ社、著者S.ゼルバヘル(S. Selberherr, 'Analysis
and Simulationof Semiconductor Devices', Springer
-Verlag, 1984))。
【0003】この技術は、半導体素子の内部に図4に示
すように縦横に格子線を引き、その交点を離散化用の格
子点Aとし、それらの格子点Aの上で、ポアソン方程
式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程式の合
計3つの以下に示す連立偏微分方程式を、未知数である
電位ψ、電子濃度n、正孔濃度pについて解くものであ
る。いま、ポアソン方程式、電子電流連続方程式および
正孔電流連続方程式をそれぞれF、G、Hの汎関数で表
わすと、 F(ψ、n、p)=0 G(ψ、n、p)=0 H(ψ、n、p)=0 と表わすことができる。通常は大型コンピュータ上でこ
れらの方程式を数値的に解くプログラムの形で実現され
る。なお、上式において、ψは電位、nは電子濃度、p
は正孔濃度である。
すように縦横に格子線を引き、その交点を離散化用の格
子点Aとし、それらの格子点Aの上で、ポアソン方程
式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程式の合
計3つの以下に示す連立偏微分方程式を、未知数である
電位ψ、電子濃度n、正孔濃度pについて解くものであ
る。いま、ポアソン方程式、電子電流連続方程式および
正孔電流連続方程式をそれぞれF、G、Hの汎関数で表
わすと、 F(ψ、n、p)=0 G(ψ、n、p)=0 H(ψ、n、p)=0 と表わすことができる。通常は大型コンピュータ上でこ
れらの方程式を数値的に解くプログラムの形で実現され
る。なお、上式において、ψは電位、nは電子濃度、p
は正孔濃度である。
【0004】近年では、半導体素子の微細化にともな
い、キャリア(電子および正孔)温度がデバイス温度よ
りも見掛け上高くなるホットキャリア現象という物理的
課題の解決のために、電子と正孔のエネルギー保存則を
上記3つの基本方程式に連立させて解くことにより、電
子温度、正孔温度を考慮に入れた、より正確なシミュレ
ーションを目指すようになってきている。
い、キャリア(電子および正孔)温度がデバイス温度よ
りも見掛け上高くなるホットキャリア現象という物理的
課題の解決のために、電子と正孔のエネルギー保存則を
上記3つの基本方程式に連立させて解くことにより、電
子温度、正孔温度を考慮に入れた、より正確なシミュレ
ーションを目指すようになってきている。
【0005】これにより、上記3つの基本方程式も少し
変わり、以下に示す5つの基本方程式が解かれる。電子
エネルギー保存則、正孔エネルギー保存則をそれぞれ汎
関数P、Qで表わすと F(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 G(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 H(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 P(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 Q(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 と表わすことができる。なお、上式において、Tnは電
子温度、Tpは正孔温度である。
変わり、以下に示す5つの基本方程式が解かれる。電子
エネルギー保存則、正孔エネルギー保存則をそれぞれ汎
関数P、Qで表わすと F(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 G(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 H(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 P(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 Q(ψ、n、p、Tn、Tp)=0 と表わすことができる。なお、上式において、Tnは電
子温度、Tpは正孔温度である。
【0006】前記5つの基本方程式は、未知数である
ψ、n、p、Tn、Tpに関する非線形方程式であるた
め、なんらかの方法で定めた初期値を基に、線形化を施
し、反復的に解を求める手法が用いられる。
ψ、n、p、Tn、Tpに関する非線形方程式であるた
め、なんらかの方法で定めた初期値を基に、線形化を施
し、反復的に解を求める手法が用いられる。
【0007】すなわち、ψ、n、p、Tn、Tpの初期値
ψ0、n0、p0、Tn0、Tp0から出発して修正量δψ、
δn 、δp、δTn、δTpを以下に述べる方法で求め
る。
ψ0、n0、p0、Tn0、Tp0から出発して修正量δψ、
δn 、δp、δTn、δTpを以下に述べる方法で求め
る。
【0008】 ψk+1 ← ψk + δψk nk+1 ← nk + δnk pk+1 ← pk + δpk Tnk+1 ← Tnk + δTnk Tpk+1 ← Tpk + δTpk 修正量が十分小さくなるまでこの手続きを繰り返す。こ
こで、k=0,1,2,・・・・である。
こで、k=0,1,2,・・・・である。
【0009】基本方程式を解き、δψ、δn、δp、δ
Tn、δTpを求めるのだが、そのうちのδψ、δn、δ
pを求める手法として2つの方法が知られている。それ
らをここではニュートン(Newton)法、デカップルド
(Decoupled)法と呼ぶ。
Tn、δTpを求めるのだが、そのうちのδψ、δn、δ
pを求める手法として2つの方法が知られている。それ
らをここではニュートン(Newton)法、デカップルド
(Decoupled)法と呼ぶ。
【0010】これらの方法の概要は以下に述べるが、一
言で言えば、ニュートン法の特長は解が得られないこと
があるが多くの場合きわめて高速に解が得られる方法で
あり、デカップルド法の特長は計算時間がかかるが確実
に解が得られる方法である。
言で言えば、ニュートン法の特長は解が得られないこと
があるが多くの場合きわめて高速に解が得られる方法で
あり、デカップルド法の特長は計算時間がかかるが確実
に解が得られる方法である。
【0011】ここで、基本方程式を反復手続きで解く方
法を述べ、ニュートン法とデカップルド法について説明
する。いま、簡単のためにポアソン方程式、電子電流連
続方程式および正孔電流連続方程式の3つの基本方程式
を解く場合について説明する。
法を述べ、ニュートン法とデカップルド法について説明
する。いま、簡単のためにポアソン方程式、電子電流連
続方程式および正孔電流連続方程式の3つの基本方程式
を解く場合について説明する。
【0012】 F(ψ*,n*,p*) = 0 G(ψ*,n*,p*) = 0 H(ψ*,n*,p*) = 0 ここに、ψ*、n*、p*は真の解であり、初期値ψ0、n
0、p0に対して ψ* = ψ0+δψ n* = n0+δn p* = p0+δp を満たす。修正量δψ、δn、δpは、次の連立1次方
程式を満たす。
0、p0に対して ψ* = ψ0+δψ n* = n0+δn p* = p0+δp を満たす。修正量δψ、δn、δpは、次の連立1次方
程式を満たす。
【0013】 ∂F/∂ψ・δψ + ∂F/∂n・δn + ∂F/∂p・δp = −F(ψ0,n0,p0) ∂G/∂ψ・δψ + ∂G/∂n・δn + ∂G/∂p・δp = −G(ψ0,n0,p0) ∂H/∂ψ・δψ + ∂H/∂n・δn + ∂H/∂p・δp = −H(ψ0,n0,p0) これらの式を図4に示したN個の格子点Aを用いて離散
化すると、3N個の連立1次方程式となる。この連立方
程式から各格子点A上での修正量δψ、δn、δpにつ
いて求め、初期値に加えるという操作を反復して行って
いく。これが前に述べたニュートン法の手法である。
化すると、3N個の連立1次方程式となる。この連立方
程式から各格子点A上での修正量δψ、δn、δpにつ
いて求め、初期値に加えるという操作を反復して行って
いく。これが前に述べたニュートン法の手法である。
【0014】ところで、解析する素子の電圧条件が低
く、電流が流れていない状態では、電圧の微小な変化に
対してキャリア密度は変化せず、生成再結合も起らない
ために、∂G/∂ψ、∂G/∂p、∂H/∂ψ、∂H/
∂nの値は無視できるくらいに小さくなる。この場合に
は、これらの式を別々に解くだけで修正量δψ、δn、
δpを求めることができる。つまり、 ∂F/∂ψ・δψ = −F(ψ0,n0,p0) ∂G/∂n・δn = −G(ψ0,n0,p0) ∂H/∂p・δp = −H(ψ0,n0,p0) の3つの方程式を別々に解き、修正量δψ、δn、δp
を求める。これがデカップルド法の手法である。デカッ
プルド法ではN個の連立1次方程式を別々に3回解くこ
とになるが、トータルの計算時間としてはニュートン法
の計算量がたいへん多いためにデカップルド法の方が短
くなる。
く、電流が流れていない状態では、電圧の微小な変化に
対してキャリア密度は変化せず、生成再結合も起らない
ために、∂G/∂ψ、∂G/∂p、∂H/∂ψ、∂H/
∂nの値は無視できるくらいに小さくなる。この場合に
は、これらの式を別々に解くだけで修正量δψ、δn、
δpを求めることができる。つまり、 ∂F/∂ψ・δψ = −F(ψ0,n0,p0) ∂G/∂n・δn = −G(ψ0,n0,p0) ∂H/∂p・δp = −H(ψ0,n0,p0) の3つの方程式を別々に解き、修正量δψ、δn、δp
を求める。これがデカップルド法の手法である。デカッ
プルド法ではN個の連立1次方程式を別々に3回解くこ
とになるが、トータルの計算時間としてはニュートン法
の計算量がたいへん多いためにデカップルド法の方が短
くなる。
【0015】一方、ある程度電圧条件が高くなり、電流
が流れるようになると、電圧の微小な変化に対してキャ
リア密度が大きく変化するようになり、生成再結合もさ
かんに行われるために、∂G/∂ψ、∂G/∂p、∂H
/∂ψ、∂H/∂nの値は無視できないくらい大きな値
になってくる。これをデカップルド法で解こうとすると
反復回数が非常に多くなるか、収束解が得られないとい
うことになる。
が流れるようになると、電圧の微小な変化に対してキャ
リア密度が大きく変化するようになり、生成再結合もさ
かんに行われるために、∂G/∂ψ、∂G/∂p、∂H
/∂ψ、∂H/∂nの値は無視できないくらい大きな値
になってくる。これをデカップルド法で解こうとすると
反復回数が非常に多くなるか、収束解が得られないとい
うことになる。
【0016】このようにニュートン法とデカップルド法
は相補う関係にあり、両者の長所を活かすように使用者
がどちらか指定して使い分けたり、ある電圧条件以上で
デカップルド法からニュートン法に切り替えたり、なん
らかの予測のもとにデカップルド法で収束しないと判断
したらニュートン法に自動的に切り替わるようにして使
用している。
は相補う関係にあり、両者の長所を活かすように使用者
がどちらか指定して使い分けたり、ある電圧条件以上で
デカップルド法からニュートン法に切り替えたり、なん
らかの予測のもとにデカップルド法で収束しないと判断
したらニュートン法に自動的に切り替わるようにして使
用している。
【0017】一方、前記した電子エネルギー保存則、正
孔エネルギー保存則の解法としては ∂P/∂Tn・δTn = −P(ψ0,n0,p0,Tn0,Tp0) ∂Q/∂Tp・δTp = −Q(ψ0,n0,p0,Tn0,Tp0) のように単独で解かれる。これは、上記ボアソン方程
式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程式の3
つの基本方程式が半導体の物理現象を上手く記述して、
かなり矛盾なく解が得られるのに対し、エネルギー保存
則は解の初期値が良くないと収束しないなど、解くのが
難しいという理由がある。そこで、ポアソン方程式、電
子電流連続方程式および正孔電流連続方程式の3つの基
本方程式を完全に収束させて、その解をエネルギー保存
則では固定し、δTnとδTpだけを変数として解を求
め、それから再度上記3つの基本方程式を解くという処
理を繰り返している。
孔エネルギー保存則の解法としては ∂P/∂Tn・δTn = −P(ψ0,n0,p0,Tn0,Tp0) ∂Q/∂Tp・δTp = −Q(ψ0,n0,p0,Tn0,Tp0) のように単独で解かれる。これは、上記ボアソン方程
式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程式の3
つの基本方程式が半導体の物理現象を上手く記述して、
かなり矛盾なく解が得られるのに対し、エネルギー保存
則は解の初期値が良くないと収束しないなど、解くのが
難しいという理由がある。そこで、ポアソン方程式、電
子電流連続方程式および正孔電流連続方程式の3つの基
本方程式を完全に収束させて、その解をエネルギー保存
則では固定し、δTnとδTpだけを変数として解を求
め、それから再度上記3つの基本方程式を解くという処
理を繰り返している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の構成
では、解法が良くないために収束解が得られなかった
り、あるいは短時間で解が得られるにも拘らず、計算時
間の長い方法を選んでしまうことがあった。
では、解法が良くないために収束解が得られなかった
り、あるいは短時間で解が得られるにも拘らず、計算時
間の長い方法を選んでしまうことがあった。
【0019】また、エネルギー保存則は、そのモデル式
自体物理現象を正確に記述しづらいこともあるが、その
計算手法において収束性があまり良くなく、ポアソン方
程式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程式の
解であるポテンシャル、電子濃度、正孔濃度との物理的
矛盾により収束しなかったり、計算が発散してしまうこ
とも多かった。
自体物理現象を正確に記述しづらいこともあるが、その
計算手法において収束性があまり良くなく、ポアソン方
程式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程式の
解であるポテンシャル、電子濃度、正孔濃度との物理的
矛盾により収束しなかったり、計算が発散してしまうこ
とも多かった。
【0020】本発明の目的は、半導体素子の数値解析を
行う際の基本方程式であるポアソン方程式、電子電流連
続方程式、正孔電流連続方程式、電子エネルギー保存則
および正孔エネルギー保存則を高速かつ安定に解き、そ
れらの解であるポテンシャル、電子濃度、正孔濃度、電
子温度および正孔温度を物理的矛盾なく計算する電気特
性評価装置を提供することにある。
行う際の基本方程式であるポアソン方程式、電子電流連
続方程式、正孔電流連続方程式、電子エネルギー保存則
および正孔エネルギー保存則を高速かつ安定に解き、そ
れらの解であるポテンシャル、電子濃度、正孔濃度、電
子温度および正孔温度を物理的矛盾なく計算する電気特
性評価装置を提供することにある。
【0021】また本発明の目的は、ニュートン法の計算
部とデカップルド法の計算部を切り替えるに際し、解法
が良くないために収束解が得られなかったり、あるいは
短時間で解が得られるにも拘らず、計算時間の長い方法
を選ぶことがないように、如何なる素子構造、バイアス
条件に対しても収束解を短時間で且つ確実に求めること
ができる電気特性評価装置を提供することにある。
部とデカップルド法の計算部を切り替えるに際し、解法
が良くないために収束解が得られなかったり、あるいは
短時間で解が得られるにも拘らず、計算時間の長い方法
を選ぶことがないように、如何なる素子構造、バイアス
条件に対しても収束解を短時間で且つ確実に求めること
ができる電気特性評価装置を提供することにある。
【0022】また本発明の目的は、エネルギー保存則の
解であるキャリア温度を予測するに際し、エネルギー保
存則を高速かつ確実に解くために、反復計算に入る前に
必要な初期値として最終的な解にあらかじめ近いような
値を予測することのできる電気特性評価装置を提供する
ことにある。
解であるキャリア温度を予測するに際し、エネルギー保
存則を高速かつ確実に解くために、反復計算に入る前に
必要な初期値として最終的な解にあらかじめ近いような
値を予測することのできる電気特性評価装置を提供する
ことにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の半導体素子の電気特性評価装置は、入力部
と、前記入力部と接続されたCPUと、前記CPUに接
続された切替部と、前記切替部に接続された2つの計算
部と、前記計算部の出力が出力される出力部とを備え、
前記計算部の一方は少なくともデカップルド法の計算部
であって、ポアソン方程式、電子電流連続方程式、正孔
電流連続方程式を解く第1の計算部と、電子エネルギー
保存則、正孔エネルギー保存則を解く第2の計算部と、
キャリア温度を予測するキャリア温度予測部とを有し、
前記計算部の他方はニュートン法の計算部であって、前
記5つの基本方程式を同時に、また繰り返して解く計算
部とを有するように構成したものである。
に、本発明の半導体素子の電気特性評価装置は、入力部
と、前記入力部と接続されたCPUと、前記CPUに接
続された切替部と、前記切替部に接続された2つの計算
部と、前記計算部の出力が出力される出力部とを備え、
前記計算部の一方は少なくともデカップルド法の計算部
であって、ポアソン方程式、電子電流連続方程式、正孔
電流連続方程式を解く第1の計算部と、電子エネルギー
保存則、正孔エネルギー保存則を解く第2の計算部と、
キャリア温度を予測するキャリア温度予測部とを有し、
前記計算部の他方はニュートン法の計算部であって、前
記5つの基本方程式を同時に、また繰り返して解く計算
部とを有するように構成したものである。
【0024】また、デカップルド法とニュートン法の計
算法を切り替える切替部として、デカップルド法の計算
部を用いて離散化用の格子点上でのキャリア温度Tの修
正量δTの変化の仕方を見ながら判断してニュートン法
の計算部に切り替え、以後デカップルド法の計算部を用
いない構成にしたものである。
算法を切り替える切替部として、デカップルド法の計算
部を用いて離散化用の格子点上でのキャリア温度Tの修
正量δTの変化の仕方を見ながら判断してニュートン法
の計算部に切り替え、以後デカップルド法の計算部を用
いない構成にしたものである。
【0025】また、半導体素子内のキャリア温度を予測
するキャリア温度予測部として、デカップルド法の計算
部でエネルギー保存則を計算する前に電子濃度、正孔濃
度の値により、エネルギー保存則を解いて求められるキ
ャリア温度を予測して初期値とする機能を持たせた構成
にしたものである。
するキャリア温度予測部として、デカップルド法の計算
部でエネルギー保存則を計算する前に電子濃度、正孔濃
度の値により、エネルギー保存則を解いて求められるキ
ャリア温度を予測して初期値とする機能を持たせた構成
にしたものである。
【0026】
【作用】半導体素子の数値解析を行う場合に、上記従来
の構成では解法が良くないために収束解が得られなかっ
たり、あるいは短時間で解が得られるにも拘らず、計算
時間の長い方法を選んでしまうことがあった。また、エ
ネルギー保存則は、そのモデル式自体物理現象を正確に
記述しづらいこともあるが、その計算手法において収束
性があまり良くなく、ポアソン方程式、電子電流連続方
程式および正孔電流連続方程式の解であるポテンシャ
ル、電子濃度、正孔濃度との物理的矛盾により収束しな
かったり、計算が発散してしまうことも多かった。
の構成では解法が良くないために収束解が得られなかっ
たり、あるいは短時間で解が得られるにも拘らず、計算
時間の長い方法を選んでしまうことがあった。また、エ
ネルギー保存則は、そのモデル式自体物理現象を正確に
記述しづらいこともあるが、その計算手法において収束
性があまり良くなく、ポアソン方程式、電子電流連続方
程式および正孔電流連続方程式の解であるポテンシャ
ル、電子濃度、正孔濃度との物理的矛盾により収束しな
かったり、計算が発散してしまうことも多かった。
【0027】しかし、本発明では基本方程式をデカップ
ルド法とニュートン法の2種類で解く機能を備え、それ
らを適切に切り替える切替部とキャリア温度を予測する
予測部をもっているために高速かつ安定に解を求めるこ
とができる。
ルド法とニュートン法の2種類で解く機能を備え、それ
らを適切に切り替える切替部とキャリア温度を予測する
予測部をもっているために高速かつ安定に解を求めるこ
とができる。
【0028】また本発明では切替部において、キャリア
温度Tの修正量δTの変化の仕方を見ながら判断してニ
ュートン法の計算部に計算手段を切り替え、以後デカッ
プルド法の計算手段は用いないために高速かつ安定に解
を求めることができる。
温度Tの修正量δTの変化の仕方を見ながら判断してニ
ュートン法の計算部に計算手段を切り替え、以後デカッ
プルド法の計算手段は用いないために高速かつ安定に解
を求めることができる。
【0029】また本発明では予測部において、デカップ
ルド法の計算部でエネルギー保存則を計算する前に電子
濃度、正孔濃度の値により、エネルギー保存則を解いて
求められるキャリア温度を予測する機能を持つために高
速かつ安定に解を求めることができる。
ルド法の計算部でエネルギー保存則を計算する前に電子
濃度、正孔濃度の値により、エネルギー保存則を解いて
求められるキャリア温度を予測する機能を持つために高
速かつ安定に解を求めることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例における半導体素子の
電気特性評価装置を示す概略構成図である。図1におい
て、11は各種演算・制御を行なうCPU、12は素子
の基本構造である素子形状、半導体部分のドナー・アク
セプター分布、電極位置および電位等を読みとる入力
部、13はデカップルド法により基本方程式を解く計算
部、14は5つの基本方程式のうちポアソン方程式、電
子電流連続方程式およびホール電流連続方程式を解く計
算部、15はエネルギー保存則を解くことにより求めら
れるキャリア温度の解を予測し、初期値を与えるキャリ
ア温度予測部、16は電子エネルギー保存則および正孔
エネルギー保存則を解く計算部であり、14と15と1
6はデカップルド法の計算部13の内部に含まれる。
明する。図1は本発明の一実施例における半導体素子の
電気特性評価装置を示す概略構成図である。図1におい
て、11は各種演算・制御を行なうCPU、12は素子
の基本構造である素子形状、半導体部分のドナー・アク
セプター分布、電極位置および電位等を読みとる入力
部、13はデカップルド法により基本方程式を解く計算
部、14は5つの基本方程式のうちポアソン方程式、電
子電流連続方程式およびホール電流連続方程式を解く計
算部、15はエネルギー保存則を解くことにより求めら
れるキャリア温度の解を予測し、初期値を与えるキャリ
ア温度予測部、16は電子エネルギー保存則および正孔
エネルギー保存則を解く計算部であり、14と15と1
6はデカップルド法の計算部13の内部に含まれる。
【0031】17はポアソン方程式、電子電流連続方程
式、ホール電流連続方程式、電子エネルギー保存則およ
び正孔エネルギー保存則をニュートン法で解く計算部で
あり、18はデカップルド法で解く計算部13とニュー
トン法で解く計算部17とを切り替える機能を持つ切替
部、19は最終的に得られた収束解を出力する出力部で
ある。
式、ホール電流連続方程式、電子エネルギー保存則およ
び正孔エネルギー保存則をニュートン法で解く計算部で
あり、18はデカップルド法で解く計算部13とニュー
トン法で解く計算部17とを切り替える機能を持つ切替
部、19は最終的に得られた収束解を出力する出力部で
ある。
【0032】ここで、本装置の特徴部分は、5つの基本
方程式をデカップルド法で解く計算部13に加えて、ニ
ュートン法で解く計算部17を加え、それらを適切な方
で計算するように切り替えることのできる切替部18
と、エネルギー保存則の解であるキャリア温度を予測す
るキャリア温度予測部15を設けた点にある。
方程式をデカップルド法で解く計算部13に加えて、ニ
ュートン法で解く計算部17を加え、それらを適切な方
で計算するように切り替えることのできる切替部18
と、エネルギー保存則の解であるキャリア温度を予測す
るキャリア温度予測部15を設けた点にある。
【0033】また、本装置の特徴部分は、上記切替部1
8においてキャリア温度Tの修正量δTの変化を見なが
らデカップルド法のまま計算を続行するか、ニュートン
法にするかの判断をし、ニュートン法の方が良いと判断
した場合にはニュートン法に解法を移し、再度デカップ
ルド法に戻らないようにする。また、このままでは計算
が発散すると判断した場合には入力部12において電圧
条件を変えて計算を再度やり直す機能を設けた点にあ
る。
8においてキャリア温度Tの修正量δTの変化を見なが
らデカップルド法のまま計算を続行するか、ニュートン
法にするかの判断をし、ニュートン法の方が良いと判断
した場合にはニュートン法に解法を移し、再度デカップ
ルド法に戻らないようにする。また、このままでは計算
が発散すると判断した場合には入力部12において電圧
条件を変えて計算を再度やり直す機能を設けた点にあ
る。
【0034】また、本装置の特徴部分は、上記キャリア
温度予測部15において、デカップルド法によりポアソ
ン方程式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程
式を解いて求められる電子濃度と正孔濃度から空乏層内
でのキャリア温度分布を予測する機能を設けた点にあ
る。この予測の機能は1つ前の電圧条件下でのキャリア
温度の変化により空乏層端から空乏層内部へのキャリア
温度の立ち上がりの勾配を与え、デバイス全体のキャリ
ア温度を予測して初期値とすることである。
温度予測部15において、デカップルド法によりポアソ
ン方程式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程
式を解いて求められる電子濃度と正孔濃度から空乏層内
でのキャリア温度分布を予測する機能を設けた点にあ
る。この予測の機能は1つ前の電圧条件下でのキャリア
温度の変化により空乏層端から空乏層内部へのキャリア
温度の立ち上がりの勾配を与え、デバイス全体のキャリ
ア温度を予測して初期値とすることである。
【0035】次に、上記装置を用いた半導体素子の電気
特性評価の方法を図2のフローチャートと図3の予測の
概念を説明する図を参照して説明する。図2は上記装置
を用いた半導体素子の電気特性評価の処理手順示すフロ
ーチャートである。図2において、まず、計算を行う端
子電圧を決定する。1つの電圧条件下で以下の処理をす
べて行い、その後次の電圧条件下でまた以下の処理を行
う。今の電圧条件下で電位、電子濃度、正孔濃度の初期
値を求め、ポアソン方程式、電子電流連続方程式および
正孔電流連続方程式を解いて、電位ψ、電子濃度n、正
孔濃度pを求める。このとき、3つの基本方程式を別々
に解くデカップルド法でも同時に解くニュートン法のど
ちらでも良い。この後収束判定を行い、収束条件を満た
せば次に進み、満たさなければこの計算を繰り返す。こ
の収束判定条件としては、たとえば修正量δψ、δn、
δpが各々所定の値以下であるか否かを判断する、など
の方法が考えられる。次に、予測部においてこの後に計
算される電子温度および正孔温度の予測を行う。
特性評価の方法を図2のフローチャートと図3の予測の
概念を説明する図を参照して説明する。図2は上記装置
を用いた半導体素子の電気特性評価の処理手順示すフロ
ーチャートである。図2において、まず、計算を行う端
子電圧を決定する。1つの電圧条件下で以下の処理をす
べて行い、その後次の電圧条件下でまた以下の処理を行
う。今の電圧条件下で電位、電子濃度、正孔濃度の初期
値を求め、ポアソン方程式、電子電流連続方程式および
正孔電流連続方程式を解いて、電位ψ、電子濃度n、正
孔濃度pを求める。このとき、3つの基本方程式を別々
に解くデカップルド法でも同時に解くニュートン法のど
ちらでも良い。この後収束判定を行い、収束条件を満た
せば次に進み、満たさなければこの計算を繰り返す。こ
の収束判定条件としては、たとえば修正量δψ、δn、
δpが各々所定の値以下であるか否かを判断する、など
の方法が考えられる。次に、予測部においてこの後に計
算される電子温度および正孔温度の予測を行う。
【0036】次に、予測された電子温度と正孔温度を初
期値にして電子エネルギー保存則および正孔エネルギー
保存則を解き、電子温度Tn、正孔温度Tpを求める。こ
の後収束判定を行い、収束条件を満たせば次に進み、満
たさなければこの計算を繰り返す。この収束判定条件と
しては、たとえば修正量δTn、δTpが全て各々所定の
値以下であるか否かを判断する、などの方法が考えられ
る。
期値にして電子エネルギー保存則および正孔エネルギー
保存則を解き、電子温度Tn、正孔温度Tpを求める。こ
の後収束判定を行い、収束条件を満たせば次に進み、満
たさなければこの計算を繰り返す。この収束判定条件と
しては、たとえば修正量δTn、δTpが全て各々所定の
値以下であるか否かを判断する、などの方法が考えられ
る。
【0037】次に切替部においてこのままデカップルド
法で計算を続行するか、ニュートン法に切り替えるかの
判断を行う。ここではδTn、δTpの最大値の変化を見
ながらデカップルド法にするか、ニュートン法にするか
決定する。また、このまま計算を続行すると計算が発散
するかもしれないと判断した場合には入力部での電圧条
件を変更して計算をやり直す。
法で計算を続行するか、ニュートン法に切り替えるかの
判断を行う。ここではδTn、δTpの最大値の変化を見
ながらデカップルド法にするか、ニュートン法にするか
決定する。また、このまま計算を続行すると計算が発散
するかもしれないと判断した場合には入力部での電圧条
件を変更して計算をやり直す。
【0038】次にニュートン法の計算部では5つの基本
方程式を同時に計算し、電位ψ、電子濃度n、正孔濃度
p、電子温度Tnおよび正孔温度Tpを同時に求め、同時
に解の更新を行う。この後収束判定を行い、収束条件を
満たせばその電圧条件下での計算を終了し、次の電圧条
件で以上の手順を繰り返す。
方程式を同時に計算し、電位ψ、電子濃度n、正孔濃度
p、電子温度Tnおよび正孔温度Tpを同時に求め、同時
に解の更新を行う。この後収束判定を行い、収束条件を
満たせばその電圧条件下での計算を終了し、次の電圧条
件で以上の手順を繰り返す。
【0039】最後の電圧条件まで終了したら、最終的な
電位ψ、電子濃度n、正孔濃度p、電子温度Tn、正孔
温度Tpを用いて、それらをグラフィックデータとして
出力したり、電流密度、端子電流、電界、移動度、生成
消滅速度などの分布をグラフィックデータとして出力す
る。
電位ψ、電子濃度n、正孔濃度p、電子温度Tn、正孔
温度Tpを用いて、それらをグラフィックデータとして
出力したり、電流密度、端子電流、電界、移動度、生成
消滅速度などの分布をグラフィックデータとして出力す
る。
【0040】図2を参照しながら上記装置の切替部につ
いて説明する。デカップルド法の計算部において電子エ
ネルギー保存則、正孔エネルギー保存則を解いて求めら
れる修正量δTn、δTpの最大値があらかじめ設定した
値よりも小さくなればニュートン法の計算部に進み、そ
うでなければデカップルド法の計算部に戻る。また、デ
カップルド法の外側のループにおいて反復回数k回目の
修正量δTnk、δTpkの解析領域全体での最大値δTnk
m、δTp kmが減少せずに変化しなかったり、増加する
ような場合には入力部に戻って現在の電圧からその前の
電圧に近づけるような方向に電圧を変更し、計算をやり
直す。この方法を用いると収束性が高まり、かつ最も高
速に計算できる計算方法を自動的に上記装置が選択する
ことができる。
いて説明する。デカップルド法の計算部において電子エ
ネルギー保存則、正孔エネルギー保存則を解いて求めら
れる修正量δTn、δTpの最大値があらかじめ設定した
値よりも小さくなればニュートン法の計算部に進み、そ
うでなければデカップルド法の計算部に戻る。また、デ
カップルド法の外側のループにおいて反復回数k回目の
修正量δTnk、δTpkの解析領域全体での最大値δTnk
m、δTp kmが減少せずに変化しなかったり、増加する
ような場合には入力部に戻って現在の電圧からその前の
電圧に近づけるような方向に電圧を変更し、計算をやり
直す。この方法を用いると収束性が高まり、かつ最も高
速に計算できる計算方法を自動的に上記装置が選択する
ことができる。
【0041】図3を参照しながら上記装置の予測部につ
いて説明する。デカップルド法の計算部においてポアソ
ン方程式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程
式を求めて得られる電子濃度n、正孔濃度pにより空乏
層の分布が求められる。キャリア温度は空乏層でないと
ころではほぼデバイス温度と等しいが、この空乏層端か
ら空乏層内部に向かって増大し、あるピークをもった後
減少し、空乏層の終わりでまたデバイス温度とほぼ等し
くなる。図3(a)に示されるように、1つ前の電圧条
件下で求められている電子温度と正孔温度の立ち上がり
の角度を直線に近似し、図3(b)に示されるように、
今の電圧条件下での空乏層端までシフトしてやるように
して空乏層全体のキャリア温度を予測し、電子エネルギ
ー保存則および正孔エネルギー保存則を解く際の初期値
とする。
いて説明する。デカップルド法の計算部においてポアソ
ン方程式、電子電流連続方程式および正孔電流連続方程
式を求めて得られる電子濃度n、正孔濃度pにより空乏
層の分布が求められる。キャリア温度は空乏層でないと
ころではほぼデバイス温度と等しいが、この空乏層端か
ら空乏層内部に向かって増大し、あるピークをもった後
減少し、空乏層の終わりでまたデバイス温度とほぼ等し
くなる。図3(a)に示されるように、1つ前の電圧条
件下で求められている電子温度と正孔温度の立ち上がり
の角度を直線に近似し、図3(b)に示されるように、
今の電圧条件下での空乏層端までシフトしてやるように
して空乏層全体のキャリア温度を予測し、電子エネルギ
ー保存則および正孔エネルギー保存則を解く際の初期値
とする。
【0042】電子エネルギー保存則と正孔エネルギー保
存則の計算は、予測を行わない場合には計算が発散して
しまうことが多いが、この方法で予測を行うと両式を安
定に解くことができる。
存則の計算は、予測を行わない場合には計算が発散して
しまうことが多いが、この方法で予測を行うと両式を安
定に解くことができる。
【0043】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々
変形して実施することができる。たとえば、本発明を実
施する装置は図1の構成に何等限定されるものではな
く、計算部、出力部、切替部などの機能をソフトウェア
で実現することが可能である。
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々
変形して実施することができる。たとえば、本発明を実
施する装置は図1の構成に何等限定されるものではな
く、計算部、出力部、切替部などの機能をソフトウェア
で実現することが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、半導体素
子の数値解析において、特に従来解くのが困難であった
キャリア温度も含めて安定かつ高速に解を得ることが可
能である。
子の数値解析において、特に従来解くのが困難であった
キャリア温度も含めて安定かつ高速に解を得ることが可
能である。
【図1】本発明の一実施例における半導体素子の電気特
性評価装置を示す概略構成図
性評価装置を示す概略構成図
【図2】同実施例における処理手順を示すフローチャー
ト
ト
【図3】同実施例の予測部における予測の概念図
【図4】デバイスシミュレーションの離散化用格子を示
す模式図
す模式図
11 CPU 12 入力部 13 デカップルド法の計算部 14 ポアソン方程式、電子電流連続方程式、正孔電流
連続方程式を解く計算部 15 キャリア温度予測部 16 電子エネルギー保存則、正孔エネルギー保存則を
解く計算部 17 ニュートン法の計算部 18 切替部 19 出力部
連続方程式を解く計算部 15 キャリア温度予測部 16 電子エネルギー保存則、正孔エネルギー保存則を
解く計算部 17 ニュートン法の計算部 18 切替部 19 出力部
Claims (3)
- 【請求項1】 入力部と、前記入力部と接続されたCP
Uと、前記CPUに接続された切替部と、前記切替部に
接続された2つの計算部と、前記計算部の出力が出力さ
れる出力部とを備え、前記計算部の一方は少なくともデ
カップルド法の計算部であって、ポアソン方程式、電子
電流連続方程式、正孔電流連続方程式を解く第1の計算
部と、電子エネルギー保存則、正孔エネルギー保存則を
解く第2の計算部と、キャリア温度の初期値を予測する
キャリア温度予測部とを有し、前記計算部の他方はニュ
ートン法の計算部であって、前記5つの基本方程式を同
時に、また繰り返して解く計算部を有する半導体素子の
電気特性評価装置。 - 【請求項2】 デカップルド法とニュートン法の計算部
を切り替える切替部は、デカップルド法の計算部を用い
て離散化用の格子点上でのキャリア温度Tの修正量δT
の変化の仕方を見ながら判断してニュートン法の計算部
に切り替え、以後デカップルド法の計算部は用いないこ
とを特徴とする請求項1記載の半導体素子の電気特性評
価装置。 - 【請求項3】 半導体素子内のキャリア温度を予測する
キャリア温度予測部は、エネルギー保存則を計算する前
に電子濃度、正孔濃度の値により、エネルギー保存則を
解いて求められるキャリア温度を予測して初期値とする
機能を持つことを特徴とする請求項1記載の半導体素子
の電気特性評価装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1506393A JPH06232231A (ja) | 1993-02-02 | 1993-02-02 | 半導体素子の電気特性評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1506393A JPH06232231A (ja) | 1993-02-02 | 1993-02-02 | 半導体素子の電気特性評価装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06232231A true JPH06232231A (ja) | 1994-08-19 |
Family
ID=11878388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1506393A Pending JPH06232231A (ja) | 1993-02-02 | 1993-02-02 | 半導体素子の電気特性評価装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06232231A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4850656A (en) * | 1987-03-10 | 1989-07-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Anti-slip control device for drive wheels of automotive vehicle |
JP2014107277A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-06-09 | Advancesoft Aorp | 半導体デバイスシミュレーション計算処理方法 |
-
1993
- 1993-02-02 JP JP1506393A patent/JPH06232231A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4850656A (en) * | 1987-03-10 | 1989-07-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Anti-slip control device for drive wheels of automotive vehicle |
JP2014107277A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-06-09 | Advancesoft Aorp | 半導体デバイスシミュレーション計算処理方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Johnson et al. | Models and algorithms for bounds on leakage in CMOS circuits | |
JP3404532B2 (ja) | 最適フィッティングパラメータ決定方法および装置、並びに最適フィッティングパラメータ決定プログラム | |
JPH0981610A (ja) | シミュレーション方法及びその装置 | |
Cao | From perturbation analysis to Markov decision processes and reinforcement learning | |
Borchers | Symbolic behavioral model generation of nonlinear analog circuits | |
EP1782296A2 (en) | Method and computer system for quantum chemical modelling of molecules under non-equilibrium conditions | |
US7484195B1 (en) | Method to improve time domain sensitivity analysis performance | |
JPH10177937A (ja) | 半導体シミュレーション方法、半導体シミュレーション装置及び半導体シミュレーションプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体 | |
Liu et al. | Capturing post-silicon variations using a representative critical path | |
JP2003288579A (ja) | 最適フィッティングパラメータ決定方法および装置、並びに最適フィッティングパラメータ決定プログラム | |
US5889687A (en) | Simulator, simulation and fabrication methods of semiconductor device and storage medium storing program for executing the simulation method | |
CN115659522A (zh) | 一种飞行器转捩位置预测方法、装置、设备及介质 | |
JPH06232231A (ja) | 半導体素子の電気特性評価装置 | |
Cao | The potential structure of sample paths and performance sensitivities of Markov systems | |
CN117688783B (zh) | 晶体管自热效应仿真方法、装置及电子设备 | |
Bi et al. | Optimization and quality estimation of circuit design via random region covering method | |
US5889680A (en) | Device simulation method for use in numerical analyses of a semiconductor device | |
JP3046269B2 (ja) | ホットキャリア劣化推定方法 | |
Yang et al. | Improving Timing Quality Through Net Topology Optimization in Global Routing | |
JPH10289995A (ja) | デバイスシミュレーション方法 | |
JP2670281B2 (ja) | 半導体素子の電気特性評価装置 | |
JP2000269105A (ja) | プロセスシミュレータ、プロセスシミュレーション方法、デバイスシミュレータおよびデバイスシミュレーション方法 | |
JP3926150B2 (ja) | デバイス・シミュレーション方法およびデバイス・シミュレーション装置 | |
Lee et al. | InTraSim: Incremental transient simulation of power grids | |
CN119416714B (zh) | 一种基于图可解释性的快速自动时序eco方法及系统 |