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JPH06230025A - 圧電型振動センサ - Google Patents

圧電型振動センサ

Info

Publication number
JPH06230025A
JPH06230025A JP1663893A JP1663893A JPH06230025A JP H06230025 A JPH06230025 A JP H06230025A JP 1663893 A JP1663893 A JP 1663893A JP 1663893 A JP1663893 A JP 1663893A JP H06230025 A JPH06230025 A JP H06230025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
vibration sensor
piezoelectric vibration
adhesive
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1663893A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kunimura
智 國村
Katsuhiko Takahashi
克彦 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP1663893A priority Critical patent/JPH06230025A/ja
Publication of JPH06230025A publication Critical patent/JPH06230025A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサ間の感度のばらつきの低減及びその検
知部の量産性の改善を図るとともに電圧出力における温
度特性の向上を図った圧電型振動センサの提供。 【構成】 被測定物に剛に取り付けられる台座と台座の
検知軸に垂直な測定面に固着された検知部と検知部上に
固着された慣性質量部として作用する剛体からなる荷重
体を有し、検知部は圧電体層の表裏両面に接着層を介し
第一電極、第二電極を固着してなる圧電型振動センサに
おいて、検知部を構成する接着層に変性アクリル系樹脂
を主成分とするシート状の接着材料を用いることを特徴
とする。 【効果】 温度特性の著しい改善を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機圧電体を使用した
圧電型振動センサに関し、特に温度特性の改善及び生産
効率の向上を図った圧電型振動センサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の無機圧電体を使用した圧電型振動
センサは、精度が良く、使用可能温度範囲が広い等の利
点がある。しかしながらこの圧電型振動センサは、チタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PT)、チ
タン酸バリウム(BAT)などの粉体を押し固めて板状
や円板状に焼成し、その1個1個の焼成体を用いて検知
部を作製していた。そして、このような無機圧電体を使
用した圧電型振動センサは、センサの方式として圧縮型
やせん断型があるが、上記センサの方式によらずその検
知部は、前記焼成体を1個1個作製する不効率な方法が
とられていた。
【0003】よって、本願発明者らは、上述したような
圧電型振動センサ検知部の不効率な生産性を改善すべ
く、その大量生産方式として、圧電体の両面に接着剤を
塗布し、各々の電極を固着させ、使用用途によっては前
記電極と圧電体間に支持板を介した後、これをダイシン
グソーなどの切断手段によってチップ状に切断すること
により検知部を一括大量生産する方法を提案した。
【0004】そして、上記のような方法により作成され
た圧電型振動センサは、図3(a)に示すように、被測
定物に剛に取り付けられる台座21と、この台座21の
検知軸G”に垂直な測定面に固着された検知部22と、
この検知部22上に固着され慣性質量部として作用する
剛体からなる荷重体23を有し、前記検知部22は図3
(b)に示すように圧電体24の表裏両面に接着層30
a、30bを介して形成された板状電極25a、25b
と、場合によっては前記板状電極25a、25bの表面
に板状の剛体からなる支持板26a、26bが形成され
た構成からなり、かつ圧電体24の平面形状が前記測定
面に平行な面において検知軸G”を対称の中心とする点
対称であり、前記荷重体23は、それの検知部22に接
する面の平面形状が検知軸G”を対称の中心とする点対
称であり、かつ検知軸G”を通り前記測定面に垂直な無
数の平面で断面した時に、すべての断面について検知軸
G”を対称軸とする線対称としたものである。よって、
上述したような圧電型振動センサ20は、軽量小型で、
耐衝撃性にすぐれ出力を簡便に調整可能なものであり、
かつ製造効率が良好なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな圧電型振動センサ20において、前記検知部22の
圧電体24と板状電極25a、25bのそれぞれの間に
形成される接着層30a、30bは塗布作業により形成
されており、その膜厚にばらつきを生じるためにセンサ
間に感度のばらつきを生じるといった問題を有してい
た。そして更に、上述したような圧電型振動センサ20
において、前記検知部22の圧電体層24に無機圧電体
を使用した場合、前記圧電体24と板状電極25a、2
5bの間に形成された接着層30a、30bの温度特性
が、前記圧電体24の温度特性に影響を及ぼし、電圧出
力における温度特性の低下を招くといった問題を有して
いた。
【0006】上記のように接着層30a、30bの温度
特性が圧電体24の温度特性に影響を及ぼし、電圧出力
における温度特性の低下を招く現象の原因は以下のよう
な理由によって説明される。例えば、上述した方法によ
り製造された各チップにおける圧電体24及びこの両面
に塗布された接着剤が形成する接着層30a、30bか
らなる3層がなす総電気容量をCとすると、この総電気
容量Cは、前記圧電体24の電気容量Cp、接着層30
a、30bの電気容量Caより以下のような式によって
表わされる。 C=1/{(1/Cp)+(2/Ca)}=Cpa/(C
a+2Cp
【0007】よって、上記式より明らかなことは、Cp
の値がCaの値より大きい場合は、総電気容量Cは、上
記Caの値に左右され易くなるということである。従っ
て、こうした場合には、チップとしての温度特性が前記
aの温度特性を強く反映したものとなってしまう。つ
まり、出力を電圧出力Vとして取り出す場合には、V=
Q/Cであって、Cの温度特性は出力に直接反映するこ
ととなるのである。ところが、前記圧電体を有機圧電体
で形成した場合には、前記CpはCaに比較してそれ程大
きくならない。そのために有機圧電体を用いた圧電型振
動センサにおいては、上述したような検知部の大量生産
方式を用いても問題とはならない事が多いのである。
【0008】そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされ
たもので、センサ間の感度のばらつきの低減及び、その
検知部の量産性の改善を図るとともに、電圧出力におけ
る温度特性の向上を図った圧電型振動センサの提供を目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の圧電型
振動センサは、上記課題を解決するために、被測定物に
剛に取り付けられる台座と、この台座の検知軸に垂直な
測定面に固着された検知部と、この検知部上に固着され
た慣性質量部として作用する剛体からなる荷重体を有
し、前記検知部は圧電体層の表裏両面に接着層を介し第
一電極、第二電極を固着してなる圧電型振動センサにお
いて、前記検知部を構成する接着層に変性アクリル系樹
脂を主成分とするシート状の接着材料を用いることを特
徴とするものである。
【0010】請求項2に記載の圧電型振動センサは、上
記課題を解決するために、請求項1の圧電型振動センサ
における接着層にブタジエン成分を30%〜70%の割
合で含有するエポキシ系樹脂からなるシート状の接着材
料を用いることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明の圧電型振動センサによれば、検知部を
構成する圧電体層と、その両面に接着層を介して密着さ
れてなる第一・第二電極において、前記接着層にシート
状の接着材料を用いることにより接着層の膜厚のばらつ
きを回避し、接着層の膜厚を均一化を図ることにより、
センサ間の感度のばらつきを低減することが可能であ
る。そして更に、上記接着層を形成する接着材料に変成
アクリル系樹脂からなる接着材料またはブタジエン成分
を30%〜70%の割合で含有するエポキシ系樹脂から
なる接着材料を用いることにより、前記接着層の電気容
量と圧電体の電気容量の差を無視できる程度に低減し、
前記接着層の温度特性が圧電体層の温度特性に影響を及
ぼすことを回避することができる。よって、本発明の圧
電型振動センサは、前記圧電体層の構成材料によらず、
その温度特性の著しい改善を図ることができる。また、
上記接着層にブタジエン成分を30%以上含有するエポ
キシ系樹脂からなる接着材料を使用した場合には、前記
ブタジエン成分は前記接着層に弾性を付与する性質を有
することから、センサの耐衝撃性の向上を図ることがで
きる。
【0012】更に、従来においては前記接着層の膜厚が
その電気容量に比例するため、前記接着層の膜厚の増大
が、圧電体の電気容量との差を広げる要因となったが、
本発明においては、前記接着層の膜厚によらず上記と同
様な効果を奏することができる。つまり、本発明におけ
る圧電型振動センサの前記接着層は、これを構成する材
料を変性アクリル系樹脂からなる接着材料またはブタジ
エン成分を30%〜70%の割合で含有するエポキシ系
樹脂からなる接着材料とすることで、前記接着層がこの
圧電型振動センサにおいて、抵抗成分としての効果を奏
し、従来のような容量成分としての効果が著しく小さく
なったためである。
【0013】また、上記のような効果は前記圧電体材料
に無機圧電体を使用した場合において非常に大きい。前
記無機圧電体は、その電気容量が一般に大きいために、
接着層を構成する物質が有する電気容量と大きな差を生
じることを原因として、前記接着層の温度特性が圧電体
層の温度特性を大きく左右し、圧電型振動センサにおけ
る温度特性の低下を生じる要因となっていた。しかし、
本発明のように前記接着層を変性アクリル系樹脂からな
る接着材料またはブタジエン成分を30%〜70%の割
合で含有するエポキシ系樹脂からなる接着材料から構成
することにより、前記接着層と圧電体層の電気容量の差
が極めて無視できるほどに低減されることとなり、温度
特性の著しい改善を図ることが可能である。
【0014】さらに、本発明における圧電型振動センサ
は、その検知部の生産形態に従来の大量生産方式をその
まま適用可能であり、かつ前記接着層形成の際に液状接
着剤を使用せず、シート状の接着材料を使用することか
ら、その作業性の向上を図り生産効率の向上を図ること
が可能である。
【0015】
【実施例】以下に本発明における実施例を図面を参照し
つつ説明する。図1(a)は、本実施例による圧電型振
動センサ1を示すものである。前記本実施例における圧
電型振動センサ1は、被測定物に剛に取り付けられる台
座2と、この台座2の検知軸Gに垂直な測定面に固着さ
れた検知部3と、この検知部3上に固着され慣性重量部
として作用する剛体からなる荷重体4とから構成されて
いる。台座2の材料としては、繊維強化樹脂、金属など
充分剛性をもつものであれば良い。荷重体4の材料とし
ては、真ちゅう、その他の金属など比較的比重の大きな
材料を用いることが望ましい。
【0016】検知部3は、図1(b)に示すように無機
圧電体からなる圧電体層6の両面に貼着されたシート状
の接着層6a、6b、そして前記各々の接着層6a、6
bを介して固着されてなる第一電極5a及び第二電極5
bから構成されている。
【0017】前記圧電体層6の材料として用いられる無
機圧電体には、PZT、PT、BAT等が用いられ、前
記接着層6a、6bを形成する接着材料としては、変成
アクリル系樹脂またはブタジエン成分を30%〜70%
の割合で含有するエポキシ系樹脂が使用される。そして
また、前記第一電極5a、第二電極5bを構成する材料
としては、銅箔、すず箔等を使用される。なお、使用用
途によっては、前記構成からなる検知部3の表裏両面に
板状の剛体からなる支持板を設けることもある。
【0018】上記構成からなるように、本実施例におけ
る圧電型振動センサ1は、圧電体層6の両面に形成され
る接着層6a、6bにシート状の変成アクリル系樹脂か
らなる接着材料またはブタジエン成分を30%〜70%
の割合で含有するエポキシ系樹脂からなる接着材料を使
用したことに特徴があり、前記接着層6a、6bにシー
ト状の接着材料を用いることによって、前記接着層6
a、6bの膜厚のばらつきを回避し、接着層6a、6b
の膜厚の均一化を図ることによりセンサ間の感度のばら
つきを低減することができる。そして、前記接着層6
a、6bを構成する材料に変性アクリル系樹脂またはブ
タジエン成分を30%〜70%の割合で含有するエポキ
シ系樹脂を使用することにより、その前記検知部3の総
電気容量Cが前記接着層6a、6bの電気容量Caの影
響を回避することができるものである。つまり、前記接
着層6a、6bを変性アクリル系樹脂からなる接着材料
またはブタジエン成分を30%〜70%の割合で含有す
るエポキシ系樹脂から形成することにより、これを容量
成分から抵抗成分に変換して、本実施例における圧電型
振動センサ1の総電気容量Cを圧電体層6そのものの電
気容量Cpと等しくなるようにしたのである。よって、
本実施例における圧電型振動センサ1は、その温度特性
に、前記圧電体層6そのものの温度特性のみを反映する
ことができる。従って、上述した本実施例の圧電型振動
センサ1は、その温度特性の向上を図ることができるも
のである。また、本実施例の圧電型振動センサ1におい
て、その接着層6a、6bを構成するシート状の接着材
料に、ブタジエン成分を30%以上含有するエポキシ樹
脂を使用したものについては、前記ブタジエン成分が、
前記接着層6a、6bに弾力性を付与する性質を有する
ことから、耐衝撃性の良好な圧電型振動センサを提供す
ることができる。
【0019】更に、上記構成からなる本実施例の圧電型
振動センサ1は、その検知部3を製造する方法として、
前記従来で説明した大量生産方式をそのまま適用するこ
とが可能で、かつ前記接着層6a、6b形成の際にシー
ト状の接着材料を使用することから、その作業性の向上
を図り生産効率の向上を図ることが可能である。
【0020】以下に、上述した本実施例の圧電型振動セ
ンサ1の具体例1〜4を作製し、この具体例1〜4と以
下に示す比較例1〜5について、その感度のばらつき及
び感度の温度ドリフトについて測定した。また、上記具
体例2〜4の圧電型振動センサの接着層成分にブタジエ
ン樹脂を含有しているもの及び比較例2の圧電型振動セ
ンサについては、その耐衝撃性についての測定も行なっ
た。 (具体例)図2に示すように、本具体例の圧電型振動セ
ンサ10は、以下に示す構成からなるチップ18が、1
cm角、5mm厚のアルミプロックからなる台座12に
固着され、前記チップ18の検知部13上に6mm角、
2mm厚の約0.6gの真ちゅう荷重体4が接着された
構成となっている。前記チップは、検知部13と、これ
を挟持する支持板17a、17bから構成され、前記検
知部13は、15mm角、0.5mm厚のPZTからな
る膜状導電体16両面に、シート状の接着層16a、1
6bを貼着され、この接着層16a、16bを介して、
箔厚30μmの銅箔からなる第一電極15a、第二電極
15bが固着された構成からなっている。そして、前記
検知部13は、前記接着層16a、16bと同様な構成
からなる接着層13a、13bを介して、ガラスエポキ
シ板(t=1.5mm)からなる支持板で挟持されてい
る。
【0021】そして、上記構成からなる具体例におい
て、その接着層16a、16b、13a、13bに変性
アクリル樹脂を用いたものを具体例1、30%のブタジ
エン成分を含有したエポキシ樹脂を使用したものを具体
例2、50%のブタジエン成分を含有したエポキシ樹脂
を使用したものを具体例3、60%のブタジエン成分を
含有したエポキシ樹脂を使用したものを具体例4とし
て、それぞれの圧電型振動センサを作成した。
【0022】そして、比較例として前記具体例の接着層
16a、16b、13a、13bを液状の変性アクリル
系樹脂塗着することにより形成したものを比較例1、液
状エポキシ系樹脂を塗着することにより形成したものを
比較例2、50%のブタジエン成分を含有した液状のエ
ポキシ樹脂を塗着することにより形成したものを比較例
3、20%のブタジエン成分を含有するエポキシ樹脂か
らなるシート状の接着材料から形成したものを比較例
4、80%のブタジエン成分を含有するエポキシ樹脂か
らなるシート状接着材料から形成されたものを比較例5
として、それぞれの圧電型振動センサを作成した。
【0023】そして、上記具体例1〜4、比較例1〜5
の圧電型振動センサを各々50個用意し、これらをイン
ピータンス変換回路に接続して、その感度のばらつき、
感度の温度変化について測定した。また、上記具体例2
〜5及び比較例2については、耐衝撃性についての測定
も行なった。その結果を表1に示す。感度のばらつきに
ついては、上記具体例1〜4、比較例1〜5のそれぞれ
50個のセンサの感度の平均値を基準として、全てのセ
ンサの感度が入るバラツキ幅を記した。感度の温度ドリ
フトについては、25℃の感度を基準とした上記具体例
1〜4、比較例1〜5のそれぞれ50個のセンサの−3
0℃〜100℃の感度の変化幅について記した。耐衝撃
性については、上記具体例1〜4、比較例1〜5のそれ
ぞれ50個のセンサをアルミニウムブロックごと1mの
高さからコンクリート上へ落下させた時の破壊したセン
サの割合を示した。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、本発明における
具体例1〜4の圧電型振動センサについては、センサ間
の感度のばらつきの著しい低減が認められた。そして、
感度の温度ドリフトについても、比較例1〜比較例5と
比べて、著しい低減を確認することができた。以下、表
1より比較例1〜5について検討すると、比較例1のよ
うに、その接着層16a、16b、13a、13bに液
状の変性アクリル樹脂を使用した場合、あるいは比較例
2のように、その接着層16a、16b、13a、13
bに液状のエポキシ樹脂を使用した場合には、明らか
に、その感度のばらつき、感度の温度変化が大きいこと
が判る。比較例3のように前記接着層16a、16b、
13a、13bにブタジエン成分を50%含有する液状
のエポキシ樹脂を使用した場合には、その感度の温度ド
リフトの低減及び耐衝撃性の向上を図ることはできる
が、液状の接着材料を使用しているために、その感度の
バラツキの低減が図れないことが判る。比較例4のよう
に、その接着層16a、16b、13a、13bを20
%のブタジエン成分を含有するシート状のエポキシ樹脂
から構成した場合には、シート状の接着材料を使用して
いるために、感度のばらつきの低減を図ることができる
が、前記ブタジエン成分が30%以下であるために、感
度の温度ドリフトの低減及び耐衝撃性の改善を図ること
はできないのが判る。比較例5のように、その接着層1
6a、16b、13a、13bを80%のブタジエン成
分を含有するシート状のエポキシ樹脂から構成した場合
には、シート状の接着材料を使用しているために、感度
のばらつきの低減を図ることができると共に、前記接着
層材料にはブタジエン成分を30%以上含有しているこ
とから、耐衝撃性の向上を図ることができる。しかし、
前記接着層を構成する接着材料に含有されるブタジエン
成分は70%を越えるために、感度の温度ドリフトの低
減を図ることができないのが判る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧電型振
動センサによれば、検知部を構成する圧電体層と、その
両面に接着層を介して密着されてなる第一・第二電極に
おいて、前記接着層にシート状の接着材料を用いること
により接着層の膜厚のばらつきを回避し、接着層の膜厚
を均一化を図ることにより、センサ間の感度のばらつき
を低減することが可能である。そして更に、上記接着層
を形成する接着材料に変成アクリル系樹脂からなる接着
材料またはブタジエン成分を30%〜70%の割合で含
有するエポキシ系樹脂からなる接着材料を用いることに
より、前記接着層の電気容量と圧電体の電気容量の差を
無視できる程度に低減し、前記接着層の温度特性が圧電
体層の温度特性に影響を及ぼすことを回避することがで
きる。よって、本発明の圧電型振動センサは、前記圧電
体層の構成材料によらず、その温度特性の著しい改善を
図ることができる。また、上記接着層にブタジエン成分
を30%以上含有するエポキシ系樹脂からなる接着材料
を使用した場合には、前記ブタジエン成分は前記接着層
に弾性を付与する性質を有することから、センサの耐衝
撃性の向上を図ることができる。
【0027】更に、従来においては前記接着層の膜厚が
その電気容量に比例するため、前記接着層の膜厚の増大
が、圧電体の電気容量との差を広げる要因となったが、
本発明においては、前記接着層の膜厚によらず上記と同
様な効果を奏することができる。つまり、本発明におけ
る圧電型振動センサの前記接着層は、これを構成する材
料を変性アクリル系樹脂からなる接着材料またはブタジ
エン成分を30%〜70%の割合で含有するエポキシ系
樹脂からなる接着材料とすることで、前記接着層がこの
圧電型振動センサにおいて、抵抗成分としての効果を奏
し、従来のような容量成分としての効果が著しく小さく
なったためである。
【0028】また、上記のような効果は前記圧電体材料
に無機圧電体を使用した場合において非常に大きい。前
記無機圧電体は、その電気容量が一般に大きいために、
接着層を構成する物質が有する電気容量と大きな差を生
じることを原因として、前記接着層の温度特性が圧電体
層の温度特性を大きく左右し、圧電型振動センサにおけ
る温度特性の低下を生じる要因となっていた。しかし、
本発明のように前記接着層を変性アクリル系樹脂からな
る接着材料またはブタジエン成分を30%〜70%の割
合で含有するエポキシ系樹脂からなる接着材料から構成
することにより、前記接着層と圧電体層の電気容量の差
が極めて無視できるほどに低減されることとなり、温度
特性の著しい改善を図ることが可能である。
【0029】さらに、本発明における圧電型振動センサ
は、その検知部の生産形態に従来の大量生産方式をその
まま適用可能であり、かつ前記接着層形成の際に液状接
着剤を使用せず、シート状の接着材料を使用することか
ら、その作業性の向上を図り生産効率の向上を図ること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は、本発明における実施例の圧電
型振動センサの斜視図を示すものである。図1(b)
は、本発明における実施例の圧電型振動センサの検知部
の分解斜視図を示すものである。
【図2】 図2(a)は、本実施例における具体例の圧
電型振動センサの斜視図を示すものである。図2(b)
は、本実施例における具体例の圧電型振動センサの検知
部の分解斜視図を示すものである。
【図3】 図3(a)は、従来の圧電型振動センサの斜
視図を示すものである。図3(b)は、従来の圧電型振
動センサの検知部の分解斜視図を示すものである。
【符号の説明】
1、10、20…圧電型振動センサ 6a、6b、13
a、13b、16a、16b、30a、30b…接着層
17a、17b…支持板 2、12、21…台座 3、
13、22…検知部 4、14、23…荷重体 5a、
15a、25a…第一電極 5b、15b、25b…第
二電極 6、16、22…圧電体層 G、G’、G”…
検知軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物に剛に取り付けられる台座と、
    この台座の検知軸に垂直な測定面に固着された検知部
    と、この検知部上に固着された慣性質量部として作用す
    る剛体からなる荷重体を有し、前記検知部は圧電体層の
    表裏両面に接着層を介し第一電極、第二電極を固着して
    なる圧電型振動センサにおいて、 前記検知部を構成する接着層に変性アクリル系樹脂を主
    成分とするシート状の接着材料を用いることを特徴とす
    る圧電型振動センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1の圧電型振動センサにおける接
    着層にブタジエン成分を30%〜70%の割合で含有す
    るエポキシ系樹脂からなるシート状の接着材料を用いる
    ことを特徴とする圧電型振動センサ。
JP1663893A 1993-02-03 1993-02-03 圧電型振動センサ Pending JPH06230025A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1663893A JPH06230025A (ja) 1993-02-03 1993-02-03 圧電型振動センサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016143183A1 (ja) * 2015-03-12 2016-09-15 株式会社村田製作所 加速度検出装置及びその製造方法
JP2016194441A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 大日本印刷株式会社 センサモジュール及びその取付方法、並びにセンサモジュールが取り付けられた構造物

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