JPH06225917A - ワールプールユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】循環ポンプ内にジェットエアを滞留させにくく
し、循環ポンプのエアロックに伴うジェット流の中断を
無くすようにすること。 【構成】ジェット運転中での逆洗処理時に、循環ポンプ
１２にジェットエアが滞留しやすくなるが、これにより
循環ポンプ１２の吸入側位置で負圧低下が起こると、こ
れが負圧センサ２８の出力に基づいてコントローラ２６
が検出することになり、コントローラ２６が水量調整用
電磁弁７ａ，７ｂを開側に制御して循環水量を増大させ
るようになっている。これにより、循環ポンプ１２に滞
留するジェットエアが速やかに排出されるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴槽から取り出した浴
槽水に空気を混合して気泡混じりのジェット流として浴
槽に還流するジェット機能を有するワールプールユニッ
トおよびジェット機能に加えて浴槽水濾過機能を有する
ワールプールユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のワールプールユニットとして、
本件出願人は、図５に示すようなものを考えている。図
中、２は浴槽、４は浴槽２に設けられる吸込口、６，８
は浴槽２の対向する二側壁に設けられる背側、足側ジェ
ットノズル、１０は吸込口４と二つのジェットノズル
６，８とを連結する循環水路（取り出し配管，還流配
管）、１２は循環水路１０の途中に設けられかつ浴槽２
の吸込口４から湯水を取出して各ジェットノズル６，８
へ還流する循環ポンプ、７ａ，７ｂは循環水路１０にお
いて循環ポンプ１２から各ジェットノズル６，８までの
間にそれぞれ設けられた水量調整用電磁弁、１４はジェ
ットノズル６，８に接続されかつ外気を吸入する空気配
管、１５は空気配管１４の連結された吸入端部に設けら
れ吸入空気量を制御する空気量調整用電磁弁である。

【０００３】また、１６は循環水路１０において循環ポ
ンプ１２の入口側と出口側とに接続されたバイパス水
路、１８はバイパス水路１６の途中に設けられた気水分
離タンク、２０は流動的な濾材が収容された濾過器、２
２，２４はバイパス水路１６の流れを変える三方切換
弁、２６は各要素の動きを制御するコントローラであ
る。気水分離タンク１８および濾過器２０には、エア抜
き弁１９，２１が設けられている。

【０００４】このワールプールユニットは、ジェット機
能の他に濾過機能を有しており、ジェット運転時は、図
中の実線矢印で示すように湯水が流れ、濾過も同時に行
うようになっている。この濾過を所定時間以上行うと、
濾過器２０が目詰まりを起こすため、所定時間経過毎に
濾過を停止して濾過器２０を洗浄する逆洗処理を実行さ
せるようになっている。この逆洗処理もジェット運転中
に行われるが、逆洗状態では、バイパス水路１６での濾
過器２０に対する流れが図中の破線矢印で示すように濾
過状態と反対になる。なお、逆洗処理時には、濾過器２
０内の濾材が流出しにくくなるように、逆洗時のバイパ
ス水路１６への取り込み水量が濾過処理時の約１／４に
なるように三方切換弁２２，２４のオリフィス径でもっ
て制限させている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ジェット運
転中には、浴槽２から取り出した浴槽水に気泡が含まれ
ているために、循環ポンプ１２内にジェットエアが滞留
しやすくてエアロックの危険性があるが、従来では、循
環水路１０の浴槽水をバイパス水路１６へ所定量流して
気水分離タンク１８や濾過器２０のエア抜き弁１９，２
１でエア抜きを行うことによりエアロックを起こしにく
くさせている。

【０００６】しかしながら、濾過状態から逆洗状態へ移
行すると、バイパス水路１６に流す流量が濾過時よりも
少なくなるために、循環水路１０を流れる浴槽水全体の
エア抜きが不十分となり、循環ポンプ１２がエアロック
しやすくなることが判った。ちなみに、このようなエア
ロックが発生すると、ジェット流が一時的に中断される
ことになり、入浴者に不信感を与えかねない。

【０００７】本発明は、このような事情に鑑み、循環ポ
ンプ内にジェットエアを滞留させにくくし、循環ポンプ
のエアロックに伴うジェット流の中断を無くすようにす
ることを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の第１のワールプ
ールユニットは、浴槽から浴槽水を取り出して浴槽の壁
面から気泡混じりのジェット流として還流させる構成に
おいて、ジェット運転実行中に、浴槽水を循環させる循
環ポンプの吸入側位置での負圧低下を検出したときジェ
ット噴出強度を増強方向に制御することに特徴を有す
る。

【０００９】本発明の第２のワールプールユニットは、
浴槽から浴槽水を取り出して浴槽の壁面から気泡混じり
のジェット流として還流させるとともに、還流前に浴槽
水を濾過させる構成において、浴槽に設けられる吸込口
と浴槽に設けられるジェットノズルとを連結する循環水
路と、この循環水路の途中に設けられて循環水路内で浴
槽水を一方向に流す循環ポンプと、循環水路において循
環ポンプの吸入側および吐出側に接続されるバイパス水
路と、バイパス水路の途中に設けられるエア抜き弁付き
の気水分離タンクおよび濾過器と、バイパス水路におい
て濾過器の濾過流入側および濾過流出側に設けられ、か
つ浴槽水を濾過器に正方向から流入させて濾過して循環
水路へ還流する濾過状態と、浴槽水を濾過器に逆方向か
ら流入させて濾過器を洗浄して排出する逆洗状態とに切
り換える流路切換弁と、濾過器の濾過排出側とバイパス
水路における循環水路側還流路との間に接続され、かつ
逆洗状態のときに浴槽水を濾過器へ濾過方向と逆向きに
流入させるとともに循環水路へ戻すように分流させる分
流水路とを備えていることに特徴を有する。

【００１０】

【作用】第１のワールプールユニットでは、循環ポンプ
内の気泡滞留を察知して循環水量を増大させることによ
り循環ポンプに滞留する気泡を排除させやすくする。

【００１１】第２のワールプールユニットでは、ジェッ
ト運転中に濾過器の逆洗処理を実行する時においても、
濾過器の逆洗流量を増やすことなく、気水分離タンクへ
落とし込む量を増やすよう工夫することにより循環水路
を流れる浴槽水全体のエア抜きを十分なものとし、循環
ポンプ内に気泡を滞留させにくくする。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を詳細に説明する。
図１および図２に本発明の一実施例を示している。図
中、２は浴槽、４は吸込口、６，８はジェットノズル、
１０は循環水路、１２は循環ポンプ、７ａ、７ｂは水量
調整用電磁弁、１４は空気配管、１５は空気量調整用電
磁弁、１６はバイパス水路、１８は気水分離タンク、２
０は濾過器、２２，２４は三方切換弁、２６はコントロ
ーラであり、基本的な構成は従来例で説明したものと同
じである。

【００１３】本実施例において従来例と異なる構成は、
主として、ジェット運転中に循環ポンプ１２の吸入側位
置で負圧低下が発生したとき、これを検出してジェット
噴出強度を増強方向に制御することにより、循環ポンプ
１２に滞留する気泡を排除させやすくするようにしたこ
とである。

【００１４】すなわち、循環水路１０において循環ポン
プ１２の吸入側には負圧センサ２８が設けられており、
この負圧センサ２８の出力はコントローラ２６に与えら
れるようになっている。このコントローラ２６は負圧セ
ンサ２８の出力が所要数値以下に低下するか否かを監視
し、低下したと判定すると、水量調整用電磁弁７ａ，７
ｂを開側に制御する一方、低下しないと判定した場合に
は水量調整用電磁弁７ａ，７ｂの開度を指定（図示しな
いリモコンスイッチ）に応じて例えば弱、中、強の３段
階のなかから設定するようになっている。

【００１５】次に、動作としては、ジェット運転が指定
されると、循環ポンプ１２を起動させるとともに、空気
量調整用電磁弁１５および水量調整用電磁弁７ａ、７ｂ
の弁開度を図示しないリモコンスイッチに応じて制御す
る。これにより、浴槽２内の浴槽水が吸込口４から取り
出され、濾過器２０に正方向から通されて濾過されつ
つ、ジェットノズル６，８から浴槽２へ還流される。こ
の還流水によって空気配管１４内が負圧状態とされるた
め、空気配管１４を通じて吸入された空気がジェットノ
ズル６，８に供給され、ここで還流水と空気とが混合さ
れて泡沫状となり、浴槽２内へジェット噴出される。

【００１６】このような濾過を含むジェット運転中にお
いて、所定時間経過ごとに濾過の代わりに濾過器２０を
洗浄する逆洗処理が行われる。この逆洗処理は、バイパ
ス水路１６で図中の破線に示すように浴槽水が流される
ようになる。つまり、バイパス水路１６に取り込まれた
浴槽水は気水分離タンク１８から濾過器２０へ濾過方向
と逆向きに通過させられることになり、排水される。こ
の逆洗処理は所定時間継続されてから終了し、濾過処理
に戻る。

【００１７】特に、前述の逆洗処理時に、循環ポンプ１
２にジェットエアが滞留しやすくなるが、これにより循
環ポンプ１２の吸入側位置で負圧低下が起こると、負圧
センサ２８の出力により検出されることになり、水量調
整用電磁弁７ａ，７ｂを開側に制御して循環水量を増大
させるようになっている。そして、循環ポンプ１２から
ジェットエアが排除されて負圧低下の解除が負圧センサ
２８の出力に基づいて検出されると、水量調整用電磁弁
７ａ，７ｂを予め設定されていた強度に戻す。

【００１８】図３および図４に本発明の他の実施例を示
している。図３にはバイパス水路１６において濾過器２
０の濾過排出側と循環水路１０への還流接続部位寄りと
の間に分流路３０が接続されている。この分流路３０
は、逆洗処理時に、濾過器２０へ濾過処理時とは逆向き
に流入させる浴槽水の一部を濾過器２０へ通さずに循環
水路１０へ戻すためのものである。つまり、この分流路
３０を設けることにより、逆洗状態でも循環水路１０か
らバイパス水路１６へ取り込む浴槽水の水量を濾過時と
同等に多くして、気水分離タンク１８でのエア抜きを活
発に行わせるようにしながらも、濾過器２０への逆洗流
量を抑制することによって濾過器２０の濾材流出を防止
するようにしている。なお、三方切換弁２２，２４のオ
リフィス径についてはバイパス水路１６の流量が濾過状
態と同等になるように設定されている。また、分流路３
０についての水量制限はその管路径で制限したり、ある
いは図４に示すように、流量センサ３２や水量制御弁３
４を設けることにより制限することもできる。

【００１９】なお、本発明は上記実施例で説明した構成
のワールプールユニットのみに限定されず、細部が種々
相違する構造であっても適用しうるものである。

【００２０】

【発明の効果】本発明の第１のワールプールユニットで
は、循環ポンプ内の気泡滞留を察知して循環水量を増大
させることにより循環ポンプに滞留する気泡を速やかに
排除させることができる。

【００２１】また、本発明の第２のワールプールユニッ
トでは、ジェット運転中に濾過器の逆洗処理を行う時の
ように循環ポンプのエアロックが発生しやすい状況にお
いても、濾過器の逆洗流量を増やすことなく、気水分離
タンクへの落とし込み量を増やすことにより循環水路を
流れる浴槽水全体の十分なエア抜きを行えるようにでき
る。したがって、本発明によれば、循環ポンプ内に気泡
を滞留させにくくできて、ジェット流が中断するといっ
た不具合の発生を未然に防止できるなど製品の信頼性向
上に貢献できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のワールプールユニットの一実施例の概
略構成図。

【図２】浴槽の平面図。

【図３】本発明のワールプールユニットの他の実施例の
概略構成図。

【図４】本発明のワールプールユニットのさらに他の実
施例の概略構成図。

【図５】従来のワールプールユニットの概略構成図。

【符号の説明】

２ 浴槽 ４ 吸込
口 ６，８ ジェットノズル １０
循環水路 １２ 循環ポンプ １６ バ
イパス水路 １８ 気水分離タンク ２０ 濾
過器 ２２，２４ 三方切換弁 ２６
コントローラ ２８ 負圧センサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽から浴槽水を取り出して浴槽の壁面
   から気泡混じりのジェット流として還流させる構成のワ
   ールプールユニットであって、 ジェット運転実行中において、浴槽水を循環させる循環
   ポンプの吸入側位置での負圧低下を検出したときジェッ
   ト噴出強度を増強方向に制御する、ことを特徴とするワ
   ールプールユニット。
2. 【請求項２】 浴槽から浴槽水を取り出して浴槽の壁面
   から気泡混じりのジェット流として還流させるととも
   に、還流前に浴槽水を濾過させる構成のワールプールユ
   ニットであって、 浴槽に設けられる吸込口と浴槽に設けられるジェットノ
   ズルとを連結する循環水路と、 この循環水路の途中に設けられて循環水路内で浴槽水を
   一方向に流す循環ポンプと、 循環水路において循環ポンプの吸入側および吐出側に接
   続されるバイパス水路と、 バイパス水路の途中に設けられるエア抜き弁付きの気水
   分離タンクおよび濾過器と、 バイパス水路において濾過器の濾過流入側および濾過流
   出側に設けられ、かつ浴槽水を濾過器に正方向から流入
   させて濾過して循環水路へ還流する濾過状態と、浴槽水
   を濾過器に逆方向から流入させて濾過器を洗浄して排出
   する逆洗状態とに切り換える流路切換弁と、 濾過器の濾過排出側とバイパス水路における循環水路側
   還流路との間に接続され、かつ逆洗状態のときに浴槽水
   を濾過器へ濾過方向と逆向きに流入させるとともに循環
   水路へ戻すように分流させる分流水路とを備えているこ
   とを特徴とするワールプールユニット。