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JPH06224219A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

Info

Publication number
JPH06224219A
JPH06224219A JP986693A JP986693A JPH06224219A JP H06224219 A JPH06224219 A JP H06224219A JP 986693 A JP986693 A JP 986693A JP 986693 A JP986693 A JP 986693A JP H06224219 A JPH06224219 A JP H06224219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
impurity
forming
growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP986693A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomotaka Matsumoto
友孝 松本
Norio Nagahiro
紀雄 長広
Mari Hodate
真理 甫立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP986693A priority Critical patent/JPH06224219A/ja
Publication of JPH06224219A publication Critical patent/JPH06224219A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】薄膜トランジスタの製造方法に関し、動作半導
体層のうち電極に接続される領域の不純物のプロファイ
ルを精度良く、簡便に制御すること。 【構成】TFTのソース・ドレイン電極41s、41d
と動作半導体層との接合部分に、気相成長法により形成
した不純物含有半導体層を形成し、その半導体層の不純
物濃度について、ソース・ドレイン電極に近づくほど高
濃度になるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタの製
造方法に関する。近年、薄膜トランジスタは、液晶表示
パネル、エレクトロルミネッセンス等の駆動素子として
使用されている。そのような液晶表示パネルは、例えば
薄型の液晶テレビや情報端末機器などに使用されてい
る。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタ(以下、TFT(Thin
Film Transistor)と称する)は、構造の相違により、ス
タガー型、逆スタガー型或いはプレーナ型がある。
【0003】スタガー型TFTは、基板側にソース電極
及びドレイン電極を形成し、その上に動作半導体層、絶
縁膜を形成し、その絶縁膜の上にゲート電極を形成する
構造となっている。
【0004】また、逆スタガー型TFTは、基板側にゲ
ート電極を形成し、その上に絶縁膜と動作半導体層を順
に成長し、その動作半導体層の上にソース電極、ドレイ
ン電極を形成する構造となっている。
【0005】さらに、プレーナ型TFTは、基板の上に
動作半導体層を成長し、その動作半導体層の上に絶縁膜
を介してゲート電極を形成するとともに、そのゲート電
極の両側の半導体層にソース層、ドレイン層を形成する
構造をしている。
【0006】TFTは、安価なガラス基板の上に形成さ
れることが多く、キャリアを移動させる動作半導体層
は、非晶質シリコン又は多結晶シリコンから構成されて
いる。多結晶シリコンの成長は、例えば特開平3−16
5575号公報に記載されているように一般には気相成
長法によって堆積され、また非晶質シリコンも成長温度
を低くして同様な方法で形成される。
【0007】その動作半導体層は、キャリアの移動度が
大きくて、オフ状態でのリーク電流、即ちオフ電流が小
さいことが望ましいが、非晶質シリコンは、キャリアの
移動度が小さく、リーク電流が小さく、また、多結晶シ
リコンは、それとは反対にキャリアの移動度が大きく、
リーク電流が大きい。
【0008】この場合、キャリア移動度の大きな多結晶
シリコンを用い、そのオフ電流を小さくすることが望ま
しく、例えば特開平2−83939号公報において次の
ようなオフ電流低減方法が提案されている。
【0009】即ち、スタガー型TFTの動作半導体層の
うちソース・ドレイン電極に接触する部分に不純物をイ
オン注入する場合に、ソース電極とドレイン電極に接触
する部分の不純物濃度を最も大きする一方、動作半導体
層の内部に入るほどその不純物濃度が小さくなるように
注入条件を設定し、これにより、オフ電流の原因の一つ
となるフィールドエミッション電流を小さくしている。
【0010】また、逆スタガー型TFTのゲート絶縁膜
についていえば、その絶縁膜はゲート電極の上に積層さ
れるので、ピンホールやクラック等に起因する絶縁破壊
や低抵抗欠陥部分が生じやすくなり、これを防止する必
要がある。その方法の1つとして、ゲート絶縁膜を原子
層エピタキシー法により形成することが特開平2−24
6161号公報において提案されている。なお、その公
報によれば、ゲート絶縁膜の結晶方位に関しては何らの
記載もなく、また、ゲート絶縁膜の上に成長する動作半
導体層に関してはプラズマCVD法により非晶質シリコ
ン膜を形成することだけが記載され、それ以外は何ら記
載されていない。
【0011】ところで、先行技術では、ガラス基板の上
方に非晶質シリコン薄膜または多結晶シリコン薄膜を堆
積し、これを動作半導体層(活性層)としているが、ガ
ラス基板自体が非晶質なので、その上に直接或いはSi
O2、 SiNを介して多結晶シリコンを形成しても粒界の大
きさが50nm前後と、ごく微細な結晶性のものしか得ら
れない。
【0012】しかも、このようなシリコン薄膜を用いた
TFTによれば、キャリアの移動度を十分に大きくでき
ないという問題がある。なお、そのようにガラス基板の
上に形成される多結晶シリコンの移動度は約10cm2/Vs
で、非晶質シリコンの移動度は約1cm2/Vsである。
【0013】これに対して、成膜後に高温の熱処理を行
って結晶性を良くすることも考えられるが、大型ガラス
基板を使用する場合にその軟化点以上の温度、即ち40
0℃以上の温度を長時間加えるとガラス基板に大きな変
形が生じるという不都合がある。
【0014】また、絶縁性基板上に非晶質シリコン薄膜
または微細結晶粒の多結晶シリコン薄膜を形成した後、
レーザーアニールにより一部分ずつ多結晶化または単結
晶化を進めて、これを全域に及ぼすことも試みられてい
るが(参考文献;IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVI
CE, VOL.36, No.9, 1989, p.1934-1937 )、工程に要す
る時間が長く、また、全面を均一に処理することが困難
である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、粒界の大き
なシリコン膜を形成できたとしても、オフ電流の低減と
いう問題が残っている。
【0016】これを解決するためには、動作半導体層に
不純物をイオン注入する際に、上記したように、ソース
・ドレイン電極に接触する部分の不純物濃度が最大にな
るようなプロファイルにすることが提案されている。
【0017】しかし、そのような不純物プロファイルと
所望の不純物濃度を得るためのイオン注入条件の設定は
容易でなく、しかも不純物プロファイルを制御するため
の膜を動作半導体層の上に存在させるといった複雑な工
程を踏まなければならい。
【0018】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、動作半導体層のうち電極に接続される領
域の不純物のプロファイルを精度良く、簡便に制御する
ことができる薄膜トランジスタの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題は、図11、図
12に例示するように、ガラス基板1の上に半導体膜3
を形成する工程と、前記半導体膜3の上にゲート絶縁膜
23を介してゲート電極24を形成する工程と、前記ゲ
ート電極24の両側の前記半導体層3に不純物を導入し
て不純物導入層26,27を形成する工程と、気相成長
法により、前記不純物導入層26,27よりも高濃度の
不純物を含有する不純物含有半導体膜29を前記不純物
導入層26,27の上に成長する工程と、前記不純物含
有半導体膜26,27の上にソース・ドレイン電極31
s,31dを形成する工程とを有することを特徴とする
薄膜トランジスタの製造方法により達成する。
【0020】または、図14、図15に例示するよう
に、ガラス基板1の上に半導体膜3を形成する工程と、
前記半導体膜3の上にゲート絶縁膜32を介してゲート
電極36を形成するとともに、該ゲート電極36の上に
膜成長阻止用絶縁膜34を形成する工程と、前記膜成長
阻止用絶縁膜34から露出した前記半導体膜3の上に、
成長開始層よりも成長終了層の不純物濃度が高い不純物
含有半導体膜37,38を気相成長法により選択的に成
長する工程と、前記不純物含有半導体膜37,38の上
にソース・ドレイン電極41s,41dを接続する工程
とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
法により達成する。
【0021】または、前記膜成長阻止用絶縁膜34は前
記ゲート電極36、前記ゲート絶縁膜32から庇状に突
出させていることを特徴とする薄膜トランジスタの製造
方法により達成する。
【0022】または、前記半導体層3を成長する前に、
前記ガラス基板の上に、二元系材料を構成する各原子を
別々に含む2つの雰囲気に交互に曝す原子層堆積法によ
り絶縁膜を堆積する工程を含むことを特徴とする薄膜ト
ランジスタの製造方法により達成する。
【0023】または、図19に例示するように、基板1
の上にゲート電極50を形成する工程と、前記ゲート電
極1を覆うゲート絶縁膜2を前記基板1の上に成長する
工程と、前記ゲート絶縁膜2の上に半導体層3を成長す
る工程と、成長開始層よりも成長終了層の不純物濃度が
高い不純物含有半導体層51,52を少なくともソース
領域及びドレイン領域の前記半導体層3の上に気相成長
法により成長する工程とを有することを特徴とする薄膜
トランジスタの製造方法により達成する。
【0024】または、前記ゲート絶縁膜2は、二元系材
料を構成する各原子を別々に含む2つの雰囲気に交互に
曝す原子層堆積法により形成されることを特徴とする薄
膜トランジスタの製造方法により達成する。
【0025】または、基板1の上にソース電極61及び
ドレイン電極62となる金属膜を形成する工程と、成長
終了層よりも成長開始層の不純物濃度を高くした不純物
含有半導体膜67を気相成長法により少なくともソース
領域及びドレイン領域に形成する工程と、前記不純物含
有半導体膜67の上にシリコン膜68を形成する工程と
を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法
により達成する。
【0026】または、前記不純物含有半導体膜51,5
2,67内の不純物は、気相成長の際の不純物元素含有
ガスの流量を変えることにより線型的又は階段状に変化
していることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法
により達成する。
【0027】または、前記不純物含有半導体層51,5
2,67のうち、前記ソース電極、ドレイン電極に接触
する層のキャリア濃度は5×1017/cm3 以上であり、
前記動作半導体層に接触する層のキャリア濃度は1×1
17/cm3 以下であることを特徴とする薄膜トランジス
タの製造方法により達成する。
【0028】
【作 用】本発明によれば、TFTのソース・ドレイン
電極と動作半導体層との接合部分に、気相成長法により
形成した不純物含有半導体層を形成し、その半導体層の
不純物濃度について、ソース・ドレイン電極に近づくほ
ど高濃度になるようにしている。
【0029】この場合、ソース・ドレイン電極に接続さ
れる不純物含有半導体層は、気相成長法によりその不純
物濃度が精度よく制御され、しかもその調整は容易であ
る。また、ソース・ドレイン電極に接触する部分の不純
物含有半導体層の不純物濃度は高いので、これによりコ
ンタクト抵抗が低減される。
【0030】さらに、動作半導体層に接続される不純物
含有半導体膜は低不純物濃度となるので、ドレイン近傍
の電界強度が小さくなり、オフ電流が低減する。
【0031】
【実施例】そこで、以下に本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。 (a)本発明の第1実施例の説明 図1は、本発明のシリコン薄膜を形成する装置の一例を
示す概念図である。この装置は原子層堆積装置(ALD
(Atomic Layer Deposision)装置)とプラズマCVD装
置(P−CVD装置)を備え、さらに、真空を破らずに
両者の反応チャンバに基体を搬送できる機構を備えてい
る。
【0032】図1において、Wは基体、C1 ,C2 は反
応チャンバ、Lはロードロック、N 1 〜N5 はガス導入
口、V1 〜V5 は、各ガス導入口N1 〜N5 に接続され
て流量調整可能な弁、OFは排気量調整可能なオリフィ
ス弁、P1 とP2 は真空排気系機構を示す。また、特に
図示しないが、両反応チャンバC1 ,C2 とも基体Wを
加熱する機構と基体Wを搬送する機構を備えている。
【0033】原子層堆積装置として、例えば特開平2−
74029号公報に開示されている薄膜形成装置を使用
することができる。この装置は、図1に示すように、平
面形状が略扇状の反応チャンバC1 の中央部に不活性ガ
スのアルゴンバリアガスが流れるようにガス導入口N1
が配置され、これを中心にして左右の位置にガス導入口
2 ,N3 が配置され、また、扇形の要の部分にはオリ
フィス弁OFが設けられ、その排気側には真空排気系機
構P1 として例えばターボ分子ポンプが配置されてい
る。
【0034】プラズマCVD装置としては、ガス導入口
4 ,N5 、真空排気系機構P2 を備えるとともに、特
に図示しないが、基体Wを挟む電極とこれに電圧を印加
する高周波電源、基板加熱機構等を備えた通常のものを
使用することができる。
【0035】次に、上記した装置を用いて、基体Wとな
るガラス基板にシリコン薄膜を形成する方法を第1の実
施例として示す。図2(a) ,(b) はシリコン薄膜の形成
工程を示す断面図であり、1はガラス基板、2は二元系
材料膜であるAl2O3 膜、2a1 〜2an は酸素原子層と
アルミニウム原子層が交互に配置される単原子層、3は
結晶シリコン膜を示している。なお、ガラス基板1とし
て例えば硼珪酸ガラス基板を用いる。
【0036】まず、ガラス基板1を原子層堆積装置の反
応チャンバC1 内に配置する。この場合、アルゴンバリ
アガスが流れている中央のガス層を横切って左右に往復
する機構(図示せず)にガラス基板1を取り付ける。ガ
ラス基板1の成膜面は、ガス導入口N1 〜N3 に向けて
配置される。
【0037】そして、ガラス基板1を300℃に加熱
し、ターボ分子ポンプを有する真空排気系機構P1 によ
り反応チャンバC1 内を5×10-7 Torr まで排気す
る。次に、第1の弁V1 を開いてアルゴンガスを500
sccm流しながら、反応チャンバC 1 内が0.01Torr
(1.33Pa)になるようにオリフィス弁OFを絞りア
ルゴンスの定常流を作る。
【0038】ついで、第2の弁V2 を開いて、110℃
に加熱した塩化アルミニウム(AlCl 3 )蒸気をガス導入
口N2 を通して反応チャンバC1 内に導入する。また、
第3の弁V3 を開いて、キャリアガスに水素を使用して
20℃に保った水容器内の水蒸気(H2O )をガス導入口
3 から反応チャンバC1 内に導入する。
【0039】この場合、アルゴンガスの定常流によって
塩化アルミニウム蒸気と水蒸気は隔てられ、混合しな
い。このときの反応チャンバC1 内の真空度は0.01To
rrに維持されるように、オリフィス弁OFを調整する。
【0040】そして、定常流を乱さない速度、例えば往
復3秒の周期で、図示しない搬送機構上に載せたガラス
基板1を塩化アルミニウム蒸気雰囲気と水蒸気雰囲気に
交互に往復移動させる。この往復移動を6000回繰り
返して、アルミニウム(Al)層と酸素(O)層を交互に
堆積することにより、複数の単原子層2a1 〜2an
らなる400nmの厚さのAl2O3 膜2をガラス基板1の上
に成長する。このような膜の成長法をALD法という。
【0041】成長の最終は塩化アルミニウム蒸気雰囲気
として、Al2O3 膜2の最上層2anをアルミニウム層に
する(図2(a))。つづいて、ロードロックLを開き、こ
の中を通してガラス基板1をプラズマCVD装置の反応
チャンバC2 に搬送した後に、ロードロックLを再び閉
じる。そして、プラズマCVD法によりAl2O3 膜2上に
厚さ100nmの結晶シリコン膜3を成長した。
【0042】この場合、結晶シリコンという表現をした
のは、従来の多結晶シリコンよりも粒界が大きく、単結
晶シリコンともいえるからである。その成長条件は、基
板温度を400℃にし、シラン(SiH4)流量を10sccm、
水素(H2)流量を500sccm、チャンバ内圧力を0.5
Torr(66.5Pa)、高周波電源の放電電力を200
W、放電時間を30分とする。
【0043】これによれば、Al2O3 膜2上には、結晶粒
の径が200nm前後と粒界の大きな結晶シリコン膜3が
膜厚100nmで形成される(図2(b))。また、その移動
度は約30cm2/Vsである。
【0044】Al2O3 膜2と結晶シリコン膜3の成長面の
結晶方位をX線回折法により調べると、図3(a) に示す
ように、Al2O3 膜2に(012)面の優先配向が見ら
れ、結晶シリコン膜3に(100)面の優先配向がみら
れた。
【0045】これに対して、先行技術にしたがってガラ
ス基板1の上に直接或いは SiN膜を介して成長したシリ
コン膜は、図3(b) に示すように(110)面の結晶方
位となり、そのX線回折強度も小さかった。
【0046】図3(a) において、Al2O3 のピークの面方
位(024)は(012)と等価であり、また、Siのピ
ークの(400)は(100)と等価であり、図3(b)
のSiのピークの面方位(220)は(110)と等価で
ある。
【0047】なお、結晶シリコン膜3の成長は、プラズ
マCVD法の他に、低圧CVD法やスパッタ法により形
成しても同様な結果が得られる。結晶シリコン膜3の成
長温度は250℃〜400℃の範囲とする。それ以下の
温度では、結晶シリコンが得にくい。
【0048】また、原子層堆積法により形成する二元系
材料膜としては、Al2O3 膜の他に、GaP膜、 AlP膜、 Al
N膜、 ZnS膜等があり、その上に結晶シリコン膜を成長
しても(100)面の優先配向が見られる。例えば、 G
aP膜の場合にはGa(CH3)3とPH 3 、 AlP膜の場合にはAl(C
H3)3とPH3 、 AlN膜の場合にはAl(CH3)3とNH3 、 ZnS膜
の場合には、Zn(CH3)3とH2S 、といった2種のガスをア
ルゴンガス層で区画して別々に供給する。なお、Al2O3
を含めて二元系材料膜の成長温度は300℃から400
℃の範囲とする。
【0049】さらに、二元系材料膜は、ガラス基板1の
上に直に形成する他に、その下地層として SiN、SiON、
SiO2等の層を介して形成してもよい。これによれば、膜
質に影響の大きな初期成長状態がよくなって Al2O3膜2
の(012)面の優先配向がより生じ易くなり、結晶シ
リコン膜3の膜質がさらに向上する。
【0050】これらの結晶シリコンの成長方法、二元系
材料膜の選択、或いは二元系材料膜の下に絶縁膜を形成
するか否かの選択については、以下の実施例で特に説明
しなくても同様に適用する。
【0051】(b)本発明の第2実施例の説明 第1実施例では、Al2O3 膜2の最上層2an としてAl層
を形成しているが、AlはH2O と反応し易く、反応が生じ
ると、その上でシリコンがエピタキシャル成長し難くな
るので、清浄なAl面を出す必要がある。そのためには1
300℃程度の前処理を行えばよいが、この温度条件で
はガラス基板1に変形が確実に生じるので適当でない。
【0052】そこで、そのような高温の加熱処理を行う
ことなくAlの表面を清浄に保持したままでシリコンを成
長させる方法を第2の実施例として説明する。図4は、
本発明の第2実施例を示すシリコン薄膜工程を示す概念
図である。この実施例においても、図1に示す構造の装
置を使用する。
【0053】まず、第1実施例と同様に、ガラス基板1
を原子層堆積装置の反応チャンバC 1 内に配置する。そ
して、ガラス基板1を400℃に加熱し、真空排気系機
構P1 により5×10-7Torr(6.7×10-5Pa)にな
るまで排気する。次に、第1の弁V1 を開いてアルゴン
ガス(Ar)を500sccm流し、0.01Torrになるように
オリフィス弁OFを調整してアルゴンガスの定常流を作
る。
【0054】ついで、第2の弁V2 を開いて、ガス導入
口N2 を通してAl(CH3)3蒸気を反応チャンバC1 内に導
入する。さらに、第3の弁V3 を開いて、20℃に保っ
た水容器からガス導入口N3 を通して水蒸気(H2O )を
反応チャンバC1 内に導入する。また、反応チャンバC
1 内の真空度を0.01Torrに維持する。
【0055】この場合、アルゴンガスの定常流によって
Al(CH3)3蒸気と H2O蒸気は隔てられて混合しない。さら
に、Al(CH3)3とH2O の供給時間をそれぞれ1秒となし、
アルゴンガスによるパージ時間を5秒となるように、図
示しない搬送機構上のガラス基板1をAl(CH3)3雰囲気と
H2O 雰囲気に往復移動させる。そして、この往復移動を
300回繰り返すことにより、ガラス基板1上に膜厚5
0nmの多結晶又は単結晶の Al2O3膜2を成長する(図4
(a))。
【0056】この場合、成長の最終はAl(CH3)3雰囲気と
して Al2O3膜2の最上層2an をAl層とする。この後
に、原子層堆積装置の第3の弁V3 を閉じ、続いて残り
の弁V1 ,V2を閉じ、ロードロックLを開いてガラス
基板1をプラズマCVD装置の反応チャンバC2 に搬送
してから、再びロードロックLを閉める。この場合、図
示しないガス導入口を通して反応チャンバC2 内にAl(C
H3)3を導入した状態にするとともに、ガラス基板1を A
l2O3膜12の成長温度よりも低い温度、例えば350℃
の温度に設定してAlの成長を生じさせないようにする。
【0057】図4(b) は、プラズマCVD装置に移動さ
れる前後のガラス基板1とその周囲の雰囲気を示す概略
図であって、Al2O3 膜2の最上層2an のAl層は、Al(C
H3)3ガスの雰囲気に曝されたままでプラズマCVD装置
に移動され、H2O との反応が阻止される。
【0058】次に、プラズマCVD装置の反応チャンバ
2 内へのAl(CH3)3ガスの導入を停止した後に、第4の
弁V4 と第5の弁V5 を開いて、流量10sccmでシラン
(SiH4)、流量500sccmで水素(H2) を導入するとと
もに、基板温度を350℃に設定する。また、反応チャ
ンバC2 内の圧力を0.5Torr(67Pa)、放電電力を2
00W、放電時間を30分として Al2O3膜2の最上の単
原子層2an の上に厚さ100nmの結晶シリコン膜3を
成長する(図4(c))。
【0059】そして、 Al2O3膜2上の結晶シリコン膜3
の膜質を調べたところ、径が200nm前後と結晶粒が大
きく、結晶性の良いものが得られた。そして、 Al2O3
2と結晶シリコン膜3の成長面の結晶方位を調べると、
Al2O3膜12に(01 2)面の優先配向が生じ、その上の
結晶シリコン膜3に(100)面の優先配向が見られ
た。
【0060】なお、 Al2O3膜2上の結晶シリコン膜3の
成長は、第1実施例と同様に、低圧CVD法やスパッタ
法により形成してもよいが、この場合でも、ガラス基板
1をシランガス雰囲気中に置くまでは Al2O3膜2の最上
層のAl層をAl(CH3)3の雰囲気に曝しておく必要がある。
【0061】(c)本発明の第3実施例の説明 上記した2つの実施例により形成するAl2O3 の膜質をさ
らに良くするためには、ガラス基板とのヘテロ界面を良
好にすることが重要であり、このためには成膜初期の条
件を広範に制御するとともに、それ以降の成膜を安定し
た条件で行う必要がある。
【0062】ところで、1つの反応チャンバC1 を有す
る図1のた原子層堆積装置によれば安定したガス供給、
温度設定、圧力調整等は容易であるが、それだけではガ
ラス基板とのヘテロ界面が必ずしも安定して良い状態に
なるものではない。
【0063】そこで以下に、第3の実施例として、成膜
初期条件の制御が容易な薄膜形成装置を説明する。図5
は、本発明の第3実施例を示す概要構成図で、その一部
には図1に示す原子層堆積装置とプラズマCVD装置を
使用する。そして、その原子層堆積装置のうちプラズマ
CVD装置と反対側には、第1〜第4の反応室C11〜C
14がそれぞれロードロックL11〜L14を介して外方から
順に連結され、そのうち原子層堆積装置から最も離れた
第1の反応室C11には、ガラス基板1を基板移動機構
(不図示)に取り付けるためのローディング室LDがロ
ードロックL10を介して配置されている。
【0064】また、第1〜第4の反応室C11〜C14は、
弁V11〜V14を有するガス導入口N 11〜N14を備えてい
て、各反応室C11〜C14内にはそれぞれローディング室
LDに近い順に H2O、 AlCl3、H2O 、Al(CH3)3のガスが
各々に供給されるように構成されている。また、反応室
11〜C14には、図示しない真空排気系機器、基板加熱
器等が装備されている。
【0065】なお、原子層堆積装置及びプラズマCVD
装置における反応チャンバC1 、C 2 内のガス導入や基
板加熱温度等の諸条件は第1実施例に述べた条件とす
る。次に、上記した装置を使用してガラス基板1にAl2O
3 膜を堆積する工程を説明する。
【0066】まず、ローディング室LD内の基板移動機
構(不図示)にガラス基板1を設定し、その室内を1×
10-5Torr(1.33×10-3Pa)まで減圧した後に、
第1の反応室C11との間に設けたロードロックL10を通
してガラス基板1を第1の反応室C11に搬送する。
【0067】そして、第1の反応室C11内でガラス基板
1を450℃に加熱し、その表面にH2O を2秒間曝して
その上面に水素(H)と酸素(O)の元素をガス吸着させる
(図6(a))。
【0068】次に、次段のロードロックL11を通して第
2の反応室C12にガラス基板1を搬送し、このガラス基
板1を430℃にした状態で、その上面をAlCl3 に1.
5秒間曝し、その表面で生成した HClを昇華させるとと
もにガラス基板1上面の酸素(O)層4a1 の上にAl層
4a2 を形成する(図6(b))。
【0069】ここで、Al(CH3)3でなくAlCl3 を用いてい
るのは、ガラス基板1の表面では反応が進みにくいの
で、CH4 よりも揮発性の良いHCl を生じさせて反応を促
進させる必要があるからである。
【0070】次に、次段のロードロックL12を通して第
3の反応室C13にガラス基板1を移動し、その温度を4
20℃に加熱した状態で、その上面を1秒間 H2Oに曝し
て、Al層4a2 の上に残存していたClを HClとして昇華
させるとともにAl層4a2 の上にO層4a3 を形成する
(図6(c))。
【0071】この後に、次のロードロックL13を通して
第4の反応室C14にガラス基板1を移動し、その基板温
度を410℃にし、O層4a3 にAl(CH3)3を1秒間照射
し、その上にAl層4a4 を積層した後に(図6(d))、次
段のロードロックL14を通して原子層堆積装置の反応チ
ャンバC1 内にガラス基板1を設置する。
【0072】以上の工程において、ガラス基板1を第1
の反応室C11に入れてから第4の反応室C14より取り出
すまでの時間は2分程度であり、大形のガラス基板1に
変形が生じたとしても許容範囲内に止まる。
【0073】さらに、反応チャンバC1 内で、第2実施
例と同じALD法によりO層及びAl層を交互に複数層形
成し、最終層としてAl層4an を形成する(図6(e))。
この後に、真空を破らずに第2実施例と同様にして、プ
ラズマCVD装置により結晶シリコン膜5を100nm程
度形成する(図6(f))。
【0074】以上述べたように、ガラス基板1の表面に
条件を変えてO層4a1 ,4a3 とAl層4a2 ,4a4
の単原子層を交互に形成した後に、固定した条件でO層
とAl層を形成すると、ガラス基板1の上に形成されるAl
2O3 膜4の膜質が良くなり、( 0 1 2) 面の優先配向が
さらに生じ易くなり、結晶シリコン膜5の(100)面
が優先的に配向し易くなる。
【0075】なお、各反応室C11〜C14の基板温度等の
条件は成長しようとする膜によって変えられるような機
構にする。 (d)本発明の第4実施例の説明 次に、第4の実施例として、以上のようにして得られた
シリコン薄膜を使用して、第1例のプレーナ型シリコン
薄膜トランジスタを製造する工程を、図を参照しながら
説明する。
【0076】まず、図7(a) に示す断面図は、図2(b)
と同じで、ここまでの工程は上述の第1、2又は3の実
施例で示した成膜方法による。次に、図7(b) に示すよ
うに、プラズマCVD法により、ゲート絶縁膜となる厚
さ100nmのSiO2膜6を形成する。その形成条件は、基
板温度300℃、シラン(SiH4)流量20sccm、亜酸化窒
素(N2O)流量2000sccm、圧力0.3Torr(40P
a)、放電電力100W、放電時間5分である。このゲ
ート絶縁膜は、スパッタ法、CVD法で形成してもよ
い。
【0077】つづいて、モリブデン(Mo)をスパッタ法
により50nmの厚さに形成し、フォトエッチングプロセ
スによりゲート電極7を形成する。さらに、ゲート電極
7をマスクにしてSiO2膜6をエッチング除去し、その後
に、図7(c) に示すようにリンイオン(P+ ) を注入し
てゲート電極7の両側にソース・ドレイン層8を形成す
る。
【0078】この状態から、フォトレジストパターンを
マスクに用いるフォトリソグラフィー法により結晶シリ
コン膜3をパターニングして素子間同士を分離する。さ
らに、図7(d) に示すように、層間絶縁膜として厚さ3
00nmでSiO2膜9をCVD法により成長し、ついで、ゲ
ート電極7の両側のSiO2膜9にコンタクト用の開孔10
を形成する。
【0079】最後に、図7(e) に示すように、スパッタ
法により厚さ100nmのアルミニウム膜を堆積し、これ
をパターニングして2つの開孔10にそれぞれソース・
ドレイン用の電極11,12を形成する。
【0080】以上のようにして完成されたプレーナ型T
FTによれば、動作半導体層となる結晶シリコン膜3の
結晶粒界が大きいので、チャネル領域のキャリアの移動
度は大きくなり、トランジスタの特性が改善され、図8
の実線で示すようなゲート電極・ドレイン電流の関係が
得られ、ゲート電圧の変化によりドレイン電流を7桁以
上と大幅に変えることができ、理想に近い特性となり、
スイッチング素子として使用できる。
【0081】これに対して、ガラス基板上にALD法に
よる膜を形成しないで多結晶シリコン膜を形成し、これ
を動作半導体層とした従来のプレーナ型のTFTは、図
8の破線で示すような特性となり、ゲート電圧の大きさ
によるドレイン電流は、1桁〜2桁程度変化するだけで
あり、スイッチング素子としては好ましくない。
【0082】(e)本発明の第5実施例の説明 上記した第4の実施例では、ガラス基板の上に、第1、
第2又は第3実施例に示すAl2O3 膜を形成し、その上に
結晶シリコン膜を積層してプレーナ型TFTを形成した
が、Al2O3 膜とガラス基板との間に中間層となる絶縁
膜、例えば SiN、SiO2、SiONの膜を入れてもよい。
【0083】そこで次に、第5の実施例として、ガラス
基板の上に SiN中間層とAl2O3 膜を順に積層し、その上
に第2例のプレーナ型TFTを形成する工程を説明す
る。なお、この実施例においては図1に示す装置を使用
する。
【0084】まず、プラズマCVD装置の反応チャンバ
2 内にガラス基板1を設置し、図9(a) に示すよう
に、その上に SiN膜13を300nmの厚さに形成する。
この場合の成膜条件は、ガラス基板1を温度400℃に
加熱し、反応チャンバC2 内にSiH4を50sccm、NH3
100sccm、N2を2slm の量で導入する。また、反応チ
ャンバC2 の内部圧力を100Pa、電極間の放電電力を
200〜300Wとする。
【0085】ついで、ロードロックLを通してガラス基
板1を原子層堆積装置の反応チャンバC1 に移設し、 S
iN膜13の上に多結晶又は単結晶のAl2O3 膜14を形成
する。この場合、成膜条件を第2実施例と同様にするこ
とにより、その最上面をAl層とする(図9(a))。
【0086】これに続いて、真空を破らずにロードロッ
クLを通してガラス基板1をプラズマCVD装置の反応
チャンバC2 に戻し、TFTの動作半導体層となる結晶
シリコン膜15をAl2O3 膜14の上に形成する(図9
(b))。その成長条件は、第2実施例と同様にして膜厚を
100nmとする。なお、結晶シリコン膜15は減圧CV
D法、スパッタ法でも形成可能である。
【0087】以上により形成されたAl2O3 膜14は(0
1 2)面に優先配向し、また、その上の結晶シリコン膜
15は(100)面に優先配向する。次に、プラズマC
VD装置の反応チャンバC2 内で、結晶シリコン膜15
の上にゲート絶縁膜となるSiO2膜16を100nmの厚さ
に成長する(図9(c))。その成長条件は、基板温度30
0℃とするとともに、SiH4を20sccm、N2O を2000
sccmの量で反応チャンバC2 に導入する。また、プラズ
マ生成用の放電電力を100W、放電時間を5分とし、
反応チャンバC2 内の圧力を0.3Torrとする。
【0088】なお、SiO2膜16は、CVD法、スパッタ
法により形成してもよい。次に、プラズマCVD装置の
反応チャンバC2 からガラス基板1を取り出し、スパッ
タ法により膜厚50nmのモリブデン(Mo)膜17を形成
し(図9(d))、これをフォトリソグラフィー法によりパ
ターニングしてゲート電極18を形成する(図10
(a))。さらに、ゲート電極18を形成した後に、エッチ
ングガスを変えてSiO2膜16も連続してパターニングす
る。
【0089】この後に、ゲート電極18をマスクにして
燐(P)をイオンインプランテーションしてソース層1
9及びドレイン層20を形成した後に、層間絶縁となる
SiO2膜21をCVD法等により300nmの厚さに形成
し、その後に、フォトリソグラフィー法によりSiO2膜2
1をパターニングしてソース層19及びドレイン層20
の上にコンタクトホール21a,21bを形成する(図
10(b))。
【0090】最後に、スパッタ法によりAl膜を100nm
の厚さに形成し、これをフォトリソグラフィー法により
パターニングしてソース電極22aとドレイン電極22
bを形成し(図10(c))、これによりTFTが完成す
る。
【0091】このTFTにおいて、Si3N4 、SiON、SiO2
はAl2O3 と相性が良く、Al2O3 膜14のその下地面との
密着性が良くなるとともに、その膜質に大きな影響のあ
る初期の成膜状態が良くなって(012)面がより一層
優先配向し易くなり、その上に形成される結晶シリコン
膜15の膜質がさらに良くなり、TFTの特性が向上す
る。
【0092】この実施例のAl2O3 膜14は、第1又は第
3実施例により成長してもよい。 (f)本発明の第6実施例の説明 図11、12は、本発明の第6実施例となる第3例のプ
レーナ型シリコンTFTの製造工程を説明する断面図で
ある。
【0093】まず、図11(a) に示すように、ガラス基
板1の上に膜厚400nmのAl2O3 膜2を上記したALD
法により積層し、ついで、真空状態を破らずにプラズマ
CVD法により膜厚100nmの結晶シリコン膜3を堆積
する。これらの膜は、第1、第2又は第3実施例の方法
に従って成長させる。
【0094】結晶シリコン膜3の成長に続いて、図1に
示すプラズマCVD装置により膜厚200nmのSiO2
(ゲート絶縁膜)23を積層する。その膜の形成条件
は、例えば第4実施例のSiO2膜6の成長条件とほぼ同様
であり、成長時間が倍かかる点で相違するだけである。
【0095】そして、プラズマCVD装置からガラス基
板1を取り出した後に、SiO2膜23の上に膜厚100nm
のCr膜をスパッタ法により堆積する。さらに、このCr膜
をフォトリソグラフィー法によりパターニングしてゲー
ト電極24を形成する。
【0096】次に、ゲート電極24をマスクにしてその
周囲のSiO2膜23をエッチングし、結晶シリコン膜3を
露出させる(図11(b))。ついで、ゲート電極24の両
側の結晶シリコン膜3にリンをイオン注入する。そのド
ーズ量は1×1013/cm2 、加速電圧は15keV であ
る。
【0097】これによりゲート電極24の両側に形成さ
れる不純物領域は、TFTのソース層26とドレイン層
27となり(図11(c))、そのキャリア濃度は5×10
15/cm3 である。
【0098】この後に、結晶シリコン膜3をフォトリソ
グラフィー法によりパターニングすることにより、素子
間分離を行う。続いて、CVD法により層間絶縁膜とし
てSiO2膜28を500nmの厚さに形成し、ついで、ゲー
ト電極24の上とソース層26、ドレイン層27の上に
コンタクト用の開口部28a,28b,28cを形成す
る(図12(a))。
【0099】この後に、燐をドープした多結晶シリコン
膜29をプラズマCVD法により500nmの厚さに形成
する(図12(b))。その形成条件は、基板温度を400
℃に設定するとともに、SiH4を5sccm、PH 3 を0.15
sccm、H2を495sccmの流量でそれぞれ反応チャンバ内
に導入し、また、そのチャンバ内の圧力を100Paとす
る。これにより、多結晶シリコン膜29のキャリア濃度
は1×1018/cm3 となる。
【0100】次に、スパッタ法によりアルミニウム膜3
0を100nmの厚さに堆積し、ついで、このアルミニウ
ム膜30をフォトリソグラフィー法によりパターニング
し、開口部28a,28b,28cを通してゲート電極
25、ソース層26、ドレイン層27に接続されるゲー
ト引出電極31g、ソース電極31s、ドレイン電極3
1dを形成する(図12(c))。そのパターニングの際の
エッチングは、反応性イオンエッチング法によって行
う。
【0101】このアルミニウム膜30をパターニングす
る際に、多結晶シリコン膜29も連続的にエッチングし
て、同一パターンを形成させる。これによりプレーナ型
TFTが完成する。
【0102】本実施例においては、ソース層26,ドレ
イン層27が低不純物濃度であり、これらとソース電極
31s、ドレイン電極31dの間には高不純物濃度の多
結晶シリコン膜29を介在させている。
【0103】これに対して、ソース層26、ドレイン層
27を高不純物濃度とすれば、ドレイン層27近傍の領
域で電界が増大し、フィールドエミッション又はトンネ
ルによるオフ電流が増加する。ドレイン層27近傍での
電界強度は、ドレイン層27の不純物ドープ量によって
決まるため、これを小さくすればオフ電流が低減でき
る。
【0104】しかし、ドレイン層27に接続される電極
31dとのコンタクト抵抗を小さくするにはキャリア濃
度が大きくなければならない。従って、配線との接触部
分では不純物濃度が最大となり、接触部分から離れるほ
ど不純物濃度が低減するようなイオン注入を行えばよい
が、その濃度の調整をイオン注入で行うのは実際には難
しい。
【0105】これに対し、本実施例のように、不純物濃
度の低いソース層26、ドレイン層27とソース電極3
1s、ドレイン電極31dとの間に高濃度の不純物を含
む多結晶シリコン膜29をCVD法により形成すれば、
不純物イオン注入をすることなく、ドレイン層27と配
線パターン31との接触部分のコンタクト抵抗を簡便に
低くできることになる。
【0106】この結果、図13に示すような特性が得ら
れ、本実施例によればオン電流を低下させることなくオ
フ電流を低減することがわかった。図において実線は、
本実施例によるものであり、破線は、多結晶シリコン膜
29を設けないでアルミニウムだけでソース・ドレイン
電極を形成した場合である。
【0107】ところでこの実施例では、ガラス基板1の
上に直にAl2O3 膜2を形成しているが、そのAl2O3 膜2
とガラス基板1の間に、第5実施例と同じようにSiN 、
SiO2、SiON等の下地絶縁膜を入れると、Al2O3 の膜質が
よくなる。
【0108】また、この実施例では、配線パターン31
の下の多結晶シリコン膜の不純物濃度を一定にしている
が、不純物含有ガスの流量を変化させて、電極側に近づ
くほど不純物濃度が高くなるようにしてもよい。
【0109】なお、動作半導体層となる結晶シリコン膜
3を二元系材料膜を介在させずに、ガラス基板、或い
は、 SiN、SiON、SiO2等の膜の上に直に形成したとして
も、高濃度の不純物を含む多結晶シリコンをソース・ド
レイン層と電極の間に形成すれば、オン電流が同様に低
下する。
【0110】また、この実施例において、動作半導体層
となる結晶シリコン膜を多結晶シリコン膜としてもオフ
電流が低減することはいうまでもない。 (g)本発明の第7実施例の説明 図14は、本発明の第7実施例となる第4例のプレーナ
型TFTを製造する際の変化を示す断面図である。
【0111】まず図14(a) の断面状態になるまでの工
程を説明する。最初に、図1に示す成膜装置を使用し
て、ガラス基板1の上に厚さ400nmのAl2O3 膜2をA
LD装置により形成する。また、その上に結晶シリコン
膜3をプラズマCVD装置により100nmの厚さに堆積
し、つづいて、ゲート絶縁膜としてSiO2膜32を200
nmの厚さに成長する。
【0112】ついで、スパッタ法によりCr膜33を10
0nmの厚さに堆積する。ここまでの工程は、第6実施例
と同様であり、同一条件で形成する。この後に、さらに
シリコン選択形成用の絶縁膜としてCVD法により SiN
膜34を200nmの厚さに形成する。
【0113】それから、フォトレジスト35を塗布し、
これを露光、現像してゲート電極用のパターンを形成す
る。これにより図14(a) の断面が得られる。次に、フ
ォトレジスト35のパターンに覆われない領域の SiN膜
34、Cr膜33、SiO2膜32を連続的にエッチングして
除去した後に、フォトレジスト35を除去する。これに
よりパターニングされたCr膜33はゲート電極36とな
る(図14(b))。
【0114】この後に、硝酸セリウム第二アンモン溶液
を使用してゲート電極36をサイドエッチングした後
に、緩衝フッ酸溶液を使用してゲート電極36の下のSi
O2膜32もサイドエッチングする。これにより、 SiN膜
34がゲート電極36からオーバーハングした状態にな
る。
【0115】続いて、選択形成条件によって、図1に示
すようなプラズマCVD装置によって、リンをドープし
た二層の多結晶シリコン37、38をゲート電極36の
両側方の結晶シリコン膜3の上に選択的に堆積させる
(図14(c))。この場合、ゲート電極36の上の SiN膜
34がオーバーハング状態となっているので、ゲート電
極36の端面での多結晶シリコン膜37,38の形成が
抑制され、ゲート電極36と多結晶シリコン膜37,3
8の絶縁がよく保たれる。
【0116】第一の多結晶シリコン膜37は25nmの厚
さに成長する。その成長条件は、基板温度を400℃に
設定し、SiH4を1sccm、SiF4を10sccm、PH3 を1×1
-4sccm 、H2を59sccmの流量で成膜装置の反応チャ
ンバ内に導入し、そのチャンバ内の圧力を0.5Torr、
電極間の放電電力を200Wとする。これにより第一の
多結晶シリコン膜37のキャリア濃度は5×1015/cm
3 となる。
【0117】また、第二の多結晶シリコン膜38も25
nmの膜厚に堆積する。その成長形成条件は、基板温度を
400℃とし、SiH4を1sccm、SiF4を10sccm、PH3
3×10-2sccm、H2を59sccmの流量でそれぞれ反応チ
ャンバ内に流し、また、そのチャンバ内の圧力を0.5
Torr、放電電力を200Wとする。これにより第二の多
結晶シリコン膜38のキャリア濃度は1×1018/cm3
となる。
【0118】この後に、特に図示しないが、フォトリソ
グラフィー法によって、結晶シリコン膜3と多結晶シリ
コン膜37,38を連続的にパターニングして、素子間
を分離する。
【0119】次に、燐酸により選択形成用の SiN膜34
を除去した後に、層間絶縁膜としてSiO2膜39を400
nmの厚さに形成する(図15(a))。続いて、SiO2膜39
をフォトリソグラフィー法によりパターニングしてゲー
ト電極36の上と、その両側の第二の多結晶シリコン膜
37,38の上に3つの開口部40a、40b、40c
を形成する。
【0120】次に、アルミニウム膜を形成し、これをパ
ターニングしてゲート電極36の上にゲート引出電極4
1gを形成するとともに、その両側の第二の多結晶シリ
コン膜38に接続するソース電極41s、ドレイン電極
41dを形成する(図15(b))。
【0121】これによりプレーナ型TFTが完成する。
ところで、本実施例では、ソース・ドレイン電極の下の
コンタクト層をCVD法による多結晶シリコン膜37、
38により形成しているため、その不純物濃度は精度よ
く制御でき、しかもその調整は容易である。
【0122】また、ソース電極41s、ドレイン電極4
1dに接触する多結晶シリコン膜38は高不純物濃度で
あり、これによりコンタクト抵抗が低減される。さら
に、結晶シリコン3に接続される多結晶シリコン膜37
は低不純物濃度となるので、これにより、ドレイン近傍
の電界強度が抑制され、オフ電流が低減する。高不純物
濃度でイオン注入を行った従来のTFTと比べたとこ
ろ、図16に示すような結果が得られた。これによれ
ば、従来のTFTに比べてオン電流に変化は見られなか
った。
【0123】なお、上記した説明では、 SiN膜34をゲ
ート電極36からオーバーハングさせているが、それら
を同一の大きさの形状にしてもよい。この場合、ゲート
電極36の上の絶縁膜は SiN膜でなくSiO2膜であっても
よい。
【0124】また、本実施例では、Al2O3 膜をガラス基
板1に直に形成しているが、 SiN膜、SiON膜、SiO2膜等
を介在させれば、Al2O3 膜、結晶シリコン膜の膜質が向
上する。
【0125】さらに、第一の多結晶シリコン膜37と第
二の多結晶シリコン膜38の濃度を二段階で変化させて
いるが、線型或いは複数の階段状に濃度が高くなるよう
に徐々に変化させるようにしてもよい。この場合には、
PH3 のガスの流量を線型又はステップ状に増やしてゆけ
ば実現できる。その膜形成の条件の詳細は第11実施例
で述べるので省略する。
【0126】また、この実施例において、動作半導体層
となる結晶シリコン膜を多結晶シリコン膜としてもオフ
電流が低減することはいうまでもない。 (h)本発明の第8実施例の説明 次に、第8の実施例として、第1例の逆スタガー型シリ
コン薄膜トランジスタを製造する例について説明する。
【0127】図17(a) 〜(d) は、逆スタガー型シリコ
ン薄膜トランジスタを製造する工程順断面図であり、以
下、これらの図を参照しながら説明する。まず、図17
(a) に示すように、ガラス基板1上にスパッタ法により
厚さ 500Åのモリブデン(Mo)を堆積し、フォトエッ
チングプロセスによりゲート電極42を形成する。ガラ
ス基板1とゲート電極42はその上にAl2O3 膜を成長す
る基体Wとなる。
【0128】その基体Wを図1に示す原子層堆積装置の
反応チャンバC1 内に配置する。基体Wはアルゴンバリ
アガスが流れている層を横切って左右に往復移動する機
構(図示せず)に取り付けられている。
【0129】以下、第1の実施例と同様にして、基体W
の上に厚さ4000ÅのAl2O3 膜2を成長した。成長の最終
は塩化アルミニウム蒸気雰囲気としてAl2O3 膜2の最上
面をアルミニウム層とした。このAl2O3 膜2はゲート絶
縁膜となる。
【0130】つづいて、ロードロックLを開いて基体W
をプラズマCVD装置の反応チャンバC2 に搬送し、以
下、前述の第1の実施例と同様にして、図17(b) に示
すように、Al2O3 膜2上に厚さ1000Åの結晶シリコン膜
3を得た。
【0131】次に、プラズマCVD法により、図17
(c) に示すようにコンタクト層となる厚さ50nmの n+
- Si膜43を形成する。形成条件は、シラン流量30sc
cm、水素流量500sccm 、ホスフィン流量1sccm、圧力1
Torr、放電電力 200W、放電時間5分である。
【0132】つづいてスパッタ法によりソース・ドレイ
ン電極となる厚さ1000ÅのTi膜44を形成する。その
形成条件は、ターゲットにTiを使用し、反応室にArを
流量50sccmで導入し、内部圧力0.03Torr、放電電力 2 k
W、放電時間5分とする。
【0133】最後に、図17(d) に示すように、チャネ
ル上のTi膜44とn+ - Si膜43を反応性イオンエッ
チングによりエッチングして除去し、コンタクト層43
a、ソース電極44s、ドレイン電極44dを形成す
る。さらに、結晶シリコン膜3をパターニングして素子
間分離を行う。
【0134】このようにして、逆スタガー型シリコン薄
膜トランジスタが完成され、そのTFTは、第4実施例
と同様に、高い移動度を有しトランジスタ特性のよいも
のが得られた。
【0135】しかも、ALD法により形成されてゲート
絶縁膜となるAl2O3 膜2には、ピンホールや低抵抗部分
は発生せず、素子の信頼性が向上する。なお、ソース電
極とドレイン電極の間から結晶シリコン膜が露出するこ
とになるので、この部分を保護する場合には、結晶シリ
コン膜を形成した後にその領域を絶縁膜で覆う工程を加
えることになる。これに関しては、以下に述べる第9〜
第11実施例についても同様であるので繰り返しの説明
を避けている。
【0136】(i)本発明の第9実施例の説明 上記した第8実施例に示す逆スタガー型TFTは、ゲー
ト電極の上にAl2O3 膜を形成したものであるが、第5実
施例と同様に、Al2O3 膜の下地として SiN、SiON、SiO2
等の膜を用いてもよい。
【0137】そこで次に、第9実施例として、Al2O3
の下地として SiN膜を形成する工程を含む第2例の逆ス
タガー型TFTの形成工程を図18に基づいて説明す
る。まず、第8実施例と同様に、ガラス基板1の上にゲ
ート電極42を形成した後に、第5実施例と同じような
条件により、プラズマCVD法等によってガラス基板1
の上に SiN膜45を300nmの厚さに形成する(図18
(a))。
【0138】ついで、第5実施例と同様に、ガラス基板
1を原子層堆積装置の反応チャンバC1 に移設し、第5
実施例と同様な条件により、 SiN膜45の上に膜厚50
nmの単結晶又は多結晶の Al2O3膜46を形成し(図18
(b))、これに続いて真空を破らずにプラズマCVD装置
の反応チャンバC2 にガラス基板1を搬送して、第5実
施例と同様な条件により結晶シリコン膜47を100nm
の厚さに形成する(図18(c))。ここで、第2実施例で
述べたと同様に Al2O3膜46の最上面をAlとする。
【0139】このように形成された Al2O3膜46は少な
くとも一部が( 1 0 2)面に優先配向し、また、その上
の結晶シリコン膜47は(100)面に優先配向する。
次に、図18(d) に示すように、プラズマCVD法によ
り、コンタクト層となる厚さ50nmの n+ - Si膜48を
形成する。さらに、スパッタ法によりソース・ドレイン
電極となる厚さ1000ÅのTi膜49を形成する。これら
の膜の形成条件は第8実施例に示すように設定する。
【0140】最後に、ゲート電極42の上の領域にある
Ti膜49とn+ - Si膜48を反応性イオンエッチング
法によりに選択的にエッチングして除去し、ソース電極
49s、ドレイン電極49dを形成する。
【0141】このようにして、逆スタガー型TFTが完
成する。そのTFTにおいは、 SiN膜45を下地にして
Al2O3膜46を形成しているので、第5実施例で説明し
たように結晶シリコンの膜質がさらに向上し、第8実施
例よりも移動度がさらに大きなトランジスタ特性が得ら
れる。
【0142】(j)本発明の第10実施例の説明 次に、第10の実施例として、リーク電流を低減する第
3例の逆スタガー型TFTの製造工程について説明す
る。
【0143】図19は、逆スタガー型シリコン薄膜トラ
ンジスタを製造する工程順断面図であり、以下、これら
の図を参照しながら説明する。まず、図19(a) に示す
ように、ガラス基板1上にスパッタ法により厚さ50nm
のCr膜を堆積した後に、これをフォトリソグラフィー法
によりパターニングしてゲート電極50を形成する。
【0144】次に、図1に示す成膜装置を使用して第1
実施例と同様な条件で、ガラス基板1の上にALD装置
により厚さ400nmのAl2O3 膜2を成長する。この後
に、真空を破らずに、プラズマCVD装置により、Al2O
3 膜2の上に膜厚100nmの結晶シリコン膜3を成長す
る。
【0145】結晶シリコン膜3の成長条件は、基板温度
を400℃に設定するとともに、SiH4を5sccm、H2を4
95sccmの流量でそれぞれ導入し、また、反応チャンバ
2内の圧力を100Pa、電極間放電電力を200Wと
する。
【0146】これに引き続いて、図19(b) に示すよう
に、同じプラズマCVD装置内で、厚さ50nmの第1の
多結晶シリコン膜51を形成する。その成長条件は、基
板温度を400℃とするとともに、SiH4を5sccm、H2
495sccm、PH3 を1×10 -4sccmの流量でそれぞれ導
入し、また、反応チャンバC2 内の圧力を100Pa、電
極間放電電力を200Wとする。
【0147】ついで、第2の多結晶シリコン膜52を成
長する。この場合の成長条件は、PH 3 の流量を3×10
-2sccmとすることを除いては第一の多結晶シリコン膜5
1と同じにする。
【0148】このような条件で形成された第一の多結晶
シリコン膜51のキャリア濃度は5×1015/cm3 とな
り、第2の多結晶シリコン膜52のキャリア濃度は1×
10 18/cm3 となる。
【0149】次に、ガラス基板1をプラズマCVD装置
から取り出した後に、スパッタ法によりモリブデン(M
o)膜53を100nmの厚さに堆積する。この後に、反
応性イオンエッチング法を用いてフォトリソグラフィー
法によりMo膜53から第一の多結晶シリコン膜51まで
を連続してパターニングし、Mo膜53をゲート電極50
の上で分離させてソース電極53s、ドレイン電極53
dを形成するとともに、その下の多結晶シリコン膜5
1、52をコンタクト層とする(図19(c))。
【0150】続いて、結晶シリコン膜3をパターニング
して素子同士を分離する。以上により形成されたTFT
は、Al2O3 膜2がゲート絶縁膜となり、ピンホールや低
抵抗部分が生じない高信頼性のゲート絶縁膜が得らる。
また、大きな粒界の結晶シリコン膜3により高移動度が
実現できる。さらに、多結晶シリコン膜51、52の不
純物濃度の変化によりドレイン近傍の領域での電界強度
が低減され、フィールドエミションやトンネルによる電
流は流れ難くなり、オフ電流が小さくなり、また、ソー
ス・ドレイン電極のコンタクト抵抗が低減できる。
【0151】しかも、第1、第2の多結晶シリコン5
1、52は、動作半導体層となる結晶シリコン膜3の上
に、連続的にプラズマCVD法により形成しているため
に、その不純物濃度は制御性良く調整される。
【0152】図20は、高不純物濃度のコンタクト層だ
けを設けた第8実施例のスタガー型TFTと、そのコン
タクト層の不純物濃度を一段階変化させた本実施例のス
タガー型TFTのゲート電圧・ドレイン電流特性を比較
した図で、本実施例によればオン電流を抑えたままで、
オフ電流が低減することがわかる。
【0153】なお、この実施例において、動作半導体層
となる結晶シリコン膜を多結晶シリコン膜としてもオフ
電流が低減することはいうまでもない。 (k)本発明の第11実施例の説明 上記した第10実施例では、不純物濃度の異なる2層の
多結晶シリコン膜を介してソース・ドレイン領域の結晶
シリコン膜とソース.ドレイン電極を接続しているが、
多結晶シリコン膜の不純物濃度分布はこれに限るもので
はない。
【0154】そこで、第11実施例として、その他の不
純物濃度分布を有する多結晶シリコン膜を有する第4例
の逆スタガー型シリコンTFTの製造工程を図2に基づ
いて説明する。
【0155】まず、図21(a) に示すように、第10実
施例と同様にしてガラス基板1の上にゲート電極50を
形成し、その上にAl2O3 膜2、結晶シリコン膜3を順に
形成する。その膜厚や成長条件は第10実施例と同様に
する。
【0156】そして、結晶シリコン膜3を成長した後
に、同一のプラズマCVD装置を使用してリンをドープ
した不純物含有結晶シリコン膜54を100nmの厚さに
形成する。
【0157】その条件は、基板温度を400℃とし、ま
た、反応チャンバC2 内の圧力を100Pa、放電電力を
200Wとする。この場合に、反応チャンバC2 内に導
入するガスとしてはSiH4を5sccm、H2を495sccmの流
量で導入するとともに、成長開始から成長終了にかけて
導入するPH3 の流量を1×10-4sccmから3×10-2sc
cmへと線型又は複数の階段状に変化させる。
【0158】このように不純物含有シリコン膜54の成
長を終えた後に、ガラス基板1をプラズマCVD装置の
反応チャンバC2 から取り出す。次に、図21(b) に示
すように、スパッタ法により不純物含有結晶シリコン膜
54の上にMo膜55を形成した後に、第10実施例と同
じようにMo膜55から不純物含有結晶シリコン膜54ま
でを連続的にパターニングしてゲート電極50の上でこ
れらを分離する。これによりMo膜55からなるソース電
極55sとドレイン電極55dが形成され、これらの電
極55s,55dは不純物含有結晶シリコン膜54を介
して結晶シリコン膜3に接続される(図21(c))。
【0159】次に、結晶シリコン膜3をパターニングし
て素子間を分離し、これにより逆スタガー型TFTが完
成する。この実施例によれば、不純物含有結晶シリコン
膜54は、ソース・ドレイン電極55s,55dに接触
する部分が最も高濃度の不純物を含み、結晶シリコン膜
3に近づくにつれて濃度が低くなるように不純物濃度を
線型的に又は階段状に変化している。
【0160】したがって、ドレイン領域近傍での電界強
度が低減してオフ電流が抑制され、しかも、ソース・ド
レイン電極55s,55dとのコンタクト抵抗が低減す
る。また、そのような不純物濃度の分布はガスの流量を
調整するだけなので、精度良く、容易に制御できる。
【0161】図22は、高不純物濃度のコンタクト層だ
けを設けた第8実施例の逆スタガー型TFTと、そのコ
ンタクト層の不純物濃度を線型又は複数段階に変化させ
て電極に近づくほと高濃度にした本実施例の逆スタガー
型TFTのゲート電圧・ドレイン電流特性を比較した図
で、本実施例によればオン電流を抑えたままで、オフ電
流を低減できる。
【0162】なお、第10実施例及び本実施例とも、Al
2O3 膜の下に SiN膜、SiON膜、SiO2膜のいずれかを介在
させてもよく、これによれば、結晶シリコン膜の膜質が
されに向上する。
【0163】また、この実施例において、動作半導体層
となる結晶シリコン膜を多結晶シリコン膜としてもオフ
電流が低減することはいうまでもない。 (l)本発明の第12実施例の説明 上記したプレーナ型および逆スタガー型シリコンTFT
の実施例では、結晶シリコン膜の下地としてAl2O3 膜を
用いたが、第1実施例で説明した GaP、 AlP等のような
2元系半導体材料を適用することもできる。
【0164】そこで、これを適用したスタガー型TFT
を例に挙げて説明する。図23は、第12実施例のスタ
ガー型TFTの形成工程を示す断面図である。まず、ス
パッタ法によってガラス基板1の上に膜厚50nmのAl膜
を形成した後に、これをフォトリソグラフィー法により
パターニングしてソース電極61とドレイン電極62を
形成する。
【0165】次に、ガラス基板1を図1に示すような原
子層堆積装置の反応チャンバC1 内に配置し、アルゴン
ガスが流れているガスの層を横切って左右に往復移動す
る機構(不図示)に取付ける。
【0166】そして、基板温度を400℃に加熱し、タ
ーボポンプP1 により5×10-7Torrまで排気し、つい
で、弁V1 を開いてアルゴンガスを500sccm流し、0.
01Torrになるようにオリフィス弁OFを調整してアル
ゴンガスの定常流を作る。
【0167】この後に、弁V2 を開いてGa(CH3)3をガス
導入口N2 から導入し、ついで、弁V3 を開いてPH3
ガス導入口N3 から導入する。この場合、アルゴンガス
の定常流によってGa(CH3)3とPH3 は混合しない。この時
の反応チャンバC1 内の真空度を0.01Torrに維持す
る。
【0168】これにより、ガラス基板1の上面には、パ
ージ時間をおいてGa(CH3)3とPH3 が交互に供給される。
その供給時間は、それぞれ1秒とし、また、パージ時間
は5秒である。
【0169】これらの供給を200回繰り返して図23
(a) に示すように膜厚50nmのGaP層63を形成する。
ついで、真空を破らずにロードロックLを通してガラス
基板1をプラズマCVD装置の反応チャンバC2 に移
し、GaP 層63を下地にして結晶シリコン膜64を10
0nmの厚さに積層する(図23(b))。この場合のシリコ
ン成膜条件は、基板温度を400℃、SiH4を10sccm、
H2を500sccm、圧力を0.5Torr、放電電力を200
W、放電時間を30分とする。
【0170】次に、ゲート絶縁膜となるSiO2膜65をプ
ラズマCVD法により100nmの厚さに成長する(図2
3(c))。そのSiO2膜65の成長条件は、基板温度を30
0℃、SiH4を20sccm、N2O を2000sccmの量で供給
し、反応チャンバC2 内の圧力を0.3Torrにするとと
もに、プラズマ発生用の放電電力を100W、その放電
時間を5分とする。
【0171】この後に、モリブデン(Mo)膜をスパッタ
法により50nmの厚さに形成し、そのMo膜をフォトリソ
グラフィー法によりパターニングし、図23(d) に示す
ように、ソース電極61とドレイン電極62の間の領域
にMo膜を残存させてこれをゲート電極66にすれば、こ
れによりスタガー型TFTが完成する。
【0172】このスタガー型TFTにおいては、チャネ
ル領域を形成する結晶シリコン膜64の下地として上記
した方法によりGaP 膜63を形成している。このGaP 膜
63は、配向性が高く、しかも、シリコンと格子定数が
非常に近いので、その上に成長する結晶シリコン膜64
は200nm程度の大きな結晶粒を持つ。この結果、シリ
コン膜64のチャネル領域を通るキャリアの移動度が、
GaP 膜63を設けない場合に比べて大きくなり、トラン
ジスタ特性が向上する。
【0173】なお、結晶シリコン膜64の下地としては
GaP の他に、シリコンと格子定数が近いAlP 等の二元系
半導体材料を原子層堆積法により配向性を高くして形成
したものを適用してもよい。
【0174】また、上記した結晶シリコン膜64やゲー
ト絶縁膜用のSiO2膜65についての成膜方法は、プラズ
マCVD法に限るものではなく、減圧CVD法、スパッ
タ法等によって形成してもよい。
【0175】(m)本発明の第13実施例の説明 図24は、第2のスタガー型TFTの形成工程を示す断
面図である。まず、図24(a) に示すように、スパッタ
法によってガラス基板1の上に膜厚50nmのアルミニウ
ム膜60を形成する。
【0176】続いて、プラズマCVD法により不純物含
有シリコン膜67を50nmの厚さに形成する。その成膜
条件は、基板温度を200℃に設定するとともに、SiH4
を10sccm、H2を400sccmの流量で導入し、雰囲気の
圧力を100Pa、放電電力を200W、放電時間を10
分とする。同時にPH3 を導入し、成長開始から成長終了
にかけて3×10-2sccmから1×10-4sccmへとその流
量を線型又は階段状に変化させる。これによりソース電
極61とドレイン電極62に近いほど不純物濃度が大き
くなるようにする。
【0177】このように不純物含有シリコン膜67の成
長を終えた後に、図24(b) に示すように、不純物含有
シリコン膜67及びアルミニウム膜60をフォトリソグ
ラフィー法によりパターニングし、不純物含有シリコン
膜67に覆われたソース電極61とドレイン電極62を
形成する。
【0178】この後に、図24(c) に示すように、TF
Tの動作半導体膜となる多結晶シリコン膜68をプラズ
マCVD法により100nmの厚さに形成する。その成長
条件は、基板温度を400℃に設定するとともに、SiH4
を5sccm、H2を500sccmの流量で導入し、、雰囲気の
圧力を100Pa、放電電力を300W、放電時間を20
分とする。
【0179】次に、プラズマCVD法によりSiO2膜69
を100nmの厚さに成長する。この場合の膜の形成条件
は第12実施例と同様にする。さらに続けて、SiO2膜6
9の上にモリブデン膜をスパッタ法により50nmの厚さ
に形成する。そして、そのモリブデン膜をフォトリソグ
ラフィー法によりパターニングして、図24(d) に示す
ように、ソース電極61とドレイン電極62の間の領域
に残存させ、これをゲート電極70とする。
【0180】これにより、スタガー型TFTが完成す
る。このスタガー型TFTにおいて、不純物含有シリコ
ン膜67は、ソース電極61、ドレイン電極62に接触
する層が最も高濃度の不純物を含んでおり、多結晶シリ
コン膜68に近づくにつれて濃度が低くなるように不純
物濃度を線型的又は階段状に変化している。
【0181】したがって、ドレイン領域近傍での電界強
度が低減してオフ電流が抑制され、しかも、ソース電極
61とドレイン電極62とのコンタクト抵抗が低減す
る。また、そのような不純物濃度の分布はガスの流量を
調整するだけなので、精度良く、容易に制御できる。
【0182】(n)本発明のその他の実施例の説明 上記した第4〜第13の実施例では、結晶シリコン又は
多結晶シリコンに含有させる不純物をリンとして説明し
たが、これに限るものではなく、n型化するためのAsで
あってもよいし、またp型化するための硼素、アルミニ
ウム等の元素でもよく、 III族又はV族の元素であれば
よい。
【0183】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、TF
Tのソース・ドレイン電極と動作半導体層との接合部分
に、気相成長法により形成した不純物含有半導体層を形
成し、その半導体層の不純物濃度について、ソース・ド
レイン電極に近づくほど高濃度になるようにしている。
【0184】この場合、ソース・ドレイン電極に接続さ
れる不純物含有半導体層は、気相成長法によって成長し
ているので、その不純物濃度を精度よく制御でき、しか
もその調整は容易となる。
【0185】また、ソース・ドレイン電極に接触する部
分の不純物含有半導体層の不純物濃度を高くしているの
で、これによりコンタクト抵抗を低減できる。さらに、
動作半導体層に接続する不純物含有半導体膜を低不純物
濃度としているので、ドレイン近傍の電界強度が小さく
なり、オフ電流を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコン薄膜を形成する第1の装置の概念図で
ある。
【図2】シリコン薄膜の形成工程の第1例を示す断面図
である。
【図3】X線回折法によるシリコン膜の特性図である。
【図4】シリコン薄膜の形成工程の第2例を示す概念図
である。
【図5】シリコン薄膜を形成する第2の装置の概要構成
図である。
【図6】シリコン薄膜の形成工程の第3例を示す断面図
である。
【図7】プレーナ型シリコン薄膜トランジスタの第1例
を製造する工程順断面図である。
【図8】第1例のプレーナ型シリコン薄膜トランジスタ
の特性図である。
【図9】プレーナ型シリコン薄膜トランジスタの第2例
を製造する工程順断面図(その1)である。
【図10】プレーナ型シリコン薄膜トランジスタの第2
例を製造する工程順断面図(その2)である。
【図11】プレーナ型シリコン薄膜トランジスタの第3
例を製造する工程順断面図(その1)である。
【図12】プレーナ型シリコン薄膜トランジスタの第3
実施例を製造する工程順断面図(その2)である。
【図13】第3例のプレーナ型シリコン薄膜トランジス
タの特性図である。
【図14】プレーナ型シリコン薄膜トランジスタの第4
例を製造する工程順断面図(その1)である。
【図15】プレーナ型シリコン薄膜トランジスタの第4
例を製造する工程順断面図(その2)である。
【図16】第4例のプレーナ型シリコン薄膜トランジス
タの特性図である。
【図17】逆スタガー型シリコン薄膜トランジスタの第
1例を製造する工程順断面図である。
【図18】逆スタガー型シリコン薄膜トランジスタの第
2例を製造する工程順断面図である。
【図19】逆スタガー型シリコン薄膜トランジスタの第
3例を製造する工程順断面図である。
【図20】第3例の逆スタガー型シリコン薄膜トランジ
スタの特性図である。
【図21】逆スタガー型シリコン薄膜トランジスタの第
4例を製造する工程順断面図である。
【図22】第4例の逆スタガー型シリコン薄膜トランジ
スタの特性図である。
【図23】第1例のスタガー型シリコン薄膜トランジス
タを製造する工程順断面図である。
【図24】第2例のスタガー型シリコン薄膜トランジス
タを製造する工程順断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板(基体) 2、4、14、46 Al2O3 膜(二元系材料膜) 2a1 〜2an 単原子層 3、5、15、47 結晶シリコン膜 6、16、23、32 SiO2膜(ゲート絶縁膜) 7、18、24、42、50 ゲート電極 8 ソース・ドレイン層 9、28、39 SiO2膜(層間絶縁膜) 10 開孔 11、22a、26 ソース電極 31s、41s、44s、49s、53s、55s
ソース電極 12、22b、27 ドレイン電極 31d、41d、44d、49d、53d、55d
ドレイン電極 13、34、45 SiN膜 17、53、55 モリブデン膜 19 ソース層、 20 ドレイン層 21a、21b コンタクトホール 29、37、38、51、52、54 多結晶シ
リコン膜 30 アルミニウム膜 35 フォトレジスト 33 クロム膜 43、48 n+ −Si膜 44、49 Ti膜 61 ソース電極 62 ドレイン電極 63 GaP膜(半導体膜) 64 結晶シリコン膜 65、69 SiO2膜 66、70 ゲート電極 67、68 シリコン膜 W 基体 C1 ,C2 反応チャンバ L ロードロック N1 〜N5 ガス導入口 OF オリフィス弁 P1 、P2 真空排気系 V1 〜V5 弁 C11〜C14 反応室 L10〜L14、L0 ロードロック LD ローディング室 V11〜V14 弁 N11〜N14 ガス導入口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板(1)の上に半導体膜(3)を形成す
    る工程と、 前記半導体膜(3)の上にゲート絶縁膜(23)を介し
    てゲート電極(24)を形成する工程と、 前記ゲート電極(24)の両側の前記半導体層(3)に
    不純物を導入して不純物導入層(26,27)を形成す
    る工程と、 気相成長法により、前記不純物導入層(26,27)よ
    りも高濃度の不純物を含有する不純物含有半導体膜(2
    9)を前記不純物導入層(26,27)の上に成長する
    工程と、 前記不純物含有半導体膜(26,27)の上にソース・
    ドレイン電極(31s,31d)を形成する工程とを有
    することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】基板(1)の上に半導体膜(3)を形成す
    る工程と、 前記半導体膜(3)の上にゲート絶縁膜(32)を介し
    てゲート電極(36)を形成するとともに、該ゲート電
    極(36)の上に膜成長阻止用絶縁膜(34)を形成す
    る工程と、 前記膜成長阻止用絶縁膜(34)から露出した前記半導
    体膜(3)の上に、成長開始層よりも成長終了層の不純
    物濃度が高い不純物含有半導体膜(37,38)を気相
    成長法により選択的に成長する工程と、 前記不純物含有半導体膜(37,38)の上にソース・
    ドレイン電極(41s,41d)を接続する工程とを有
    することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】前記膜成長阻止用絶縁膜(34)は前記ゲ
    ート電極(36)、前記ゲート絶縁膜(32)から庇状
    に突出させていることを特徴とする請求項2記載の薄膜
    トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】前記半導体層(3)を成長する前に、前記
    基板(1)の上に、二元系材料を構成する各原子を別々
    に含む2つの雰囲気に交互に曝す原子層堆積法により絶
    縁膜を堆積する工程を含むことを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】基板(1)の上にゲート電極(50)を形
    成する工程と、 前記ゲート電極(1)を覆うゲート絶縁膜(2)を前記
    基板(1)の上に成長する工程と、 前記ゲート絶縁膜(2)の上に半導体層(3)を成長す
    る工程と、 成長開始層よりも成長終了層の不純物濃度が高い不純物
    含有半導体層(51,52)を少なくともソース領域及
    びドレイン領域の前記半導体層(3)の上に気相成長法
    により成長する工程とを有することを特徴とする薄膜ト
    ランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】前記ゲート絶縁膜(2)は、二元系材料を
    構成する各原子を別々に含む2つの雰囲気に交互に曝す
    原子層堆積法により形成されることを特徴とする請求項
    1、2又は5記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】基板(1)の上にソース電極(61)及び
    ドレイン電極(62)となる金属膜を形成する工程と、 成長終了層よりも成長開始層の不純物濃度を高くした不
    純物含有半導体膜(67)を気相成長法により少なくと
    もソース領域及びドレイン領域に形成する工程と、 前記不純物含有半導体膜(67)の上にシリコン膜(6
    8)を形成する工程とを有することを特徴とする薄膜ト
    ランジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】前記不純物含有半導体膜(51,52,6
    7)内の不純物は、気相成長の際の不純物元素含有ガス
    の流量を変えることにより線型的又は階段状に変化して
    いることを特徴とする請求項1、2、5又は7記載の薄
    膜トランジスタの製造方法。
  9. 【請求項9】前記不純物含有半導体層(51,52,6
    7)のうち、前記ソース電極、ドレイン電極に接触する
    層のキャリア濃度は5×1017/cm3 以上であり、前記
    動作半導体層に接触する層のキャリア濃度は1×1017
    /cm3 以下であることを特徴とする請求項1、2、5、
    7又は8記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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