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JPH062194A - 電気メッキ方法 - Google Patents

電気メッキ方法

Info

Publication number
JPH062194A
JPH062194A JP15631692A JP15631692A JPH062194A JP H062194 A JPH062194 A JP H062194A JP 15631692 A JP15631692 A JP 15631692A JP 15631692 A JP15631692 A JP 15631692A JP H062194 A JPH062194 A JP H062194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
layer
electroplating
metal
anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15631692A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Muranaga
外志雄 村永
Shinji Yamauchi
信次 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Daiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiso Co Ltd filed Critical Daiso Co Ltd
Priority to JP15631692A priority Critical patent/JPH062194A/ja
Publication of JPH062194A publication Critical patent/JPH062194A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機物を含むメッキ浴を用いて金属の電気メ
ッキを行うにあたり、陽極としてチタン基体上にチタン
の溶射層を設け、その上に酸化イリジウムを30モル%
以上、残部が酸化タンタルよりなる電極触媒層を設けた
電極を使用する。 【効果】 有機物を含むメッキ浴中で電気メッキを行う
際、電極の溶解・脱落が少なく長寿命化が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機物を含有するメッキ
浴を使用して金属、殊に鉄系金属の電気メッキを行う方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】スズ,亜鉛等の鋼板メッキは通常水性酸
性電解液を用いて50〜60℃あるいはそれ以上の高温
で行われ、非常に大きな電流密度、例えば100A/d
2 程度の陽極電流密度で行われる。このように鋼板メ
ッキは極めて苛酷な条件で行われ、これに使用される陽
極としても上記のような高い陽極電流密度で望まれる長
い寿命を有する材料を経済的に見出すのは困難であると
されている。
【0003】現在、上記の鋼板メッキ用陽極としては、
鉛又は鉛合金が使用されているが、鉛は比較的消耗が速
く、溶出した鉛によるメッキ浴の汚染,メッキ皮膜の劣
化等の問題点がある。これに代る陽極として白金メッキ
陽極や白金箔クラッド陽極が検討されているが、白金も
かなり消耗が大きいという難点があり、そのため消耗の
少ない貴金属及びその酸化物を電極触媒とした酸素発生
用陽極が種々提案されている。
【0004】しかしながら、経済性,加工性の面から広
く用いられるチタン又はその合金を基体として、単純に
電極活性物質を被覆しただけの電極では、使用中に陽極
に発生する酸素により電極被覆層と基体との間に導電性
の無い酸化物が形成され、残存する電極触媒の量が十分
であっても電極としての機能が無くなり、ついには電極
被覆層の剥離を来し、使用不能になるという不都合を生
じる(太田健一郎等,電気科学57,No1,P71〜
75)。そのため基体と電極被覆との間に種々の物質の
中間層を設けて基体を保護し電極の耐久性を向上させる
多くの改良手段が提案されている。
【0005】このような酸素発生用陽極としては、近来
タンタル又はニオブ金属又はそれらの酸化物を中間層と
し、主としてイリジウム又はその合金の酸化物を電極触
媒として被覆させた電極が耐久性,経済性の面で注目さ
れている。一方電気メッキ浴としてはメッキ皮膜の均一
性等の目的で浴中に有機物を含ませる技術が工業的に実
施されている。このような有機化合物としては酢酸ナト
リウム,フェノールスルホン酸等が代表的なものであ
る。しかしながら有機物が添加されたメッキ浴では酸素
発生の電極電位が上昇し、電極触媒の溶解損失が増大す
る(高橋正雄,「ソーダと塩素」39,P531〜54
0(1988))。このように有機物を含むメッキ浴に
おいては、有機物を含まない場合よりも一層電気メッキ
条件が苛酷となり、酸化イリジウム又はその合金を電極
触媒層とする電極は出現していないのが現況である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
物を含むメッキ浴中において電極活性能の高い酸化イリ
ジウムを触媒層の主体とした耐久性に優れ工業的に有用
な電極を陽極として用いる電気メッキ方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは有機物を含
むメッキ浴において、電極触媒層が損失する原因の1つ
は、中間層と触媒層との被着が不十分であるという観点
から中間層を多孔質にすることによりこれらの被着を強
固ならしめ、かつ電極表面積を増大させるという点につ
いて検討を行った。このような多孔質の中間層を形成さ
せるためには溶射法によるのが適当であるが、タンタル
やニオブの金属溶射層は甚だ熱に弱く、その上に触媒金
属化合物の加熱分解により触媒層を形成する際に酸化さ
れて極めて脆弱になり目的を達成し得ないことが判明し
た。
【0008】本発明は以上の検討に基づいてなされたも
のであって、すなわち有機物を含むメッキ浴を用いて金
属の電気メッキを行うにあたり、酸素発生用陽極として
チタン基体上にチタンの溶射層を設け、該溶射層上に酸
化イリジウムを30モル%以上含み残部が酸化タンタル
よりなる電極触媒層を設けてなる電極を使用することを
特徴とする電気メッキ方法である。
【0009】本発明に使用されるチタン基体の形状は板
状,棒状,エキスパンド状,多孔板状等種々の形状をと
り得る。チタン基体上に形成される溶射層は若干の酸素
をとりこみ、金属チタンとその酸化物の溶射層となる。
溶射方法は火炎溶射,プラズマ溶射,アーク溶射,爆裂
溶射等があるが、特にアーク溶射,プラズマ溶射を行う
と安定な皮膜が得られる。
【0010】基体表面は溶射の前処理としてグリットブ
ラスト,ショットブラスト又はサンドブラスト処理が施
される。ブラスト材としてはアルミナ,炭化ケイ素,サ
ンド等が利用され粒子径は200〜1000μm程度が
適当である。
【0011】本発明に用いられるアーク溶射とは2本の
金属線の間に電圧をかけ、溶射ガン先端部の金属線間に
電気アークを発生させ、このアークにより金属線が溶融
される。そして溶融した金属を高速圧縮ガスにて金属基
体上に被着させるものである。またプラズマ溶射とは窒
素,アルゴンのような不活性ガスを電気アークで高温に
加熱し、電気アーク中を通過する時にイオン化されてプ
ラズマジェット流となってノズルから噴射される。そこ
に溶射粉末を供給し、溶射粉末はプラズマジェットによ
って加熱溶融され、かつ加速されて基材表面に衝突し皮
膜となるものである。
【0012】これらの方法で溶射したチタン皮膜の厚み
は5〜500μm程度が良い。この皮膜は溶射により形
成されているため多くのピンホールを有し、気孔率0.
5〜15%の範囲である。
【0013】溶射層の表面に形成される電極触媒層は酸
化イリジウムと酸化タンタルとの混合物よりなり、酸化
イリジウムは30モル%以上、好ましくは40〜90モ
ル%の範囲である。酸化イリジウムのみにすれば電気メ
ッキ中における溶解,脱落が多く、電極としての寿命が
短かくなる。
【0014】電極触媒層は塩化イリジウム酸,三塩化イ
リジウム,五塩化タンタルのようなアルコール可溶性の
金属塩をエチルアルコール,ブチルアルコール,プロピ
ルアルコール等の溶媒に溶かして所定組成の混合溶液を
調整し、ハケ塗り,ロール塗り,スプレー塗り又は浸漬
等の方法により塗布する。塗布後溶媒を蒸発させるため
に100〜150℃で約10〜20分間乾燥し、空気又
は酸素雰囲気の電気炉中で360〜600℃、好ましく
は380〜550℃で10〜30分間熱分解処理を行
う。熱処理温度が上記範囲未満では熱分解が完全に起ら
ず、上記範囲を超えるとチタン基体とチタン溶射層の酸
化が進行して損傷を受ける。この様にして被覆した電極
触媒層は10g/m2 (酸化イリジウム換算)以上ある
と酸素発生に際して触媒能,寿命とも良好となる。
【0015】本発明に使用される陽極は電気メッキ時の
電流密度が10A/dm2 以上で使用することが好まし
く、最大で300A/dm2 まで使用可能である。
【0016】
【作用】本発明におけるチタン溶射層上に形成させた上
記の電極触媒層からなる電極は有機物を含む電気メッキ
浴の陽極として使用した場合、長寿命である理由につい
ては明らかではないが次のような要因が考えられる。す
なわち熱分解法で設けられる電極触媒は多孔質なチタン
溶射層にかなり含浸され、また電極触媒層の形状もチタ
ン溶射層の形状に影響される。電極触媒層の相対表面積
をボルタメトリー法で求めると溶射層の無い場合に比べ
て又は溶射法以外の方法で中間層を形成させた場合に比
べて数倍〜数10倍大きくなっている。これは酸素発生
の電極電位を低下させる効果があり、電極寿命の増加に
つながるものと思われる。そして酢酸ナトリウムやフェ
ノールスルホン酸のような有機物を含む電気メッキ浴中
においても電極電位を低下させる。この事は有機物中で
の酸化イリジウムの異常消耗を可成り防ぐことを可能と
し電極の長寿命化に寄与するものと思われる。また溶射
層が基体と同質の金属であり適度に多孔質であることも
基体及び電極触媒層との密着力を大にしているものと考
えられる。
【0017】
【実施例】以下、実施例,比較例により本発明を詳述す
る。
【0018】実施例1,比較例1 市販チタン板(1×10×0.1cm)をアセトンにて
脱脂後、アルミナグリット(#30)を使用して、圧力
4kg/cm2 でブラスト処理を行った。次に線径1.
6mmのチタン線を用いてアーク溶射機で溶射を行い、
厚さ50μmの溶射層を得た。その表面に下記組成の溶
液を塗布した。 五塩化タンタル 0.32g 塩化イリジウム酸 1.00g 塩酸 0.5ml ブチルアルコール 10ml これを120℃で20分間乾燥し、次いで450℃の電
気炉中で20分間熱分解することにより、Ta2
5 (30モル%)及びIrO2 (70モル%)の混合酸
化物よりなる皮膜を有する電極を得た。この操作をくり
返して、酸化イリジウムとして12g/m2 含有する電
極触媒層を得た。電極触媒層と溶射層との密着性は非常
に良好であった。
【0019】この電極を電気メッキ槽内に鋼板の陰極よ
り2cm離れた位置に陽極として取付けた。300g/
l硫酸亜鉛(ZnSO4 ・7H2 O),100g/l硫
酸ナトリウム(pH=1.2),20g/l酢酸ナトリ
ウムを含有する合成水性亜鉛メッキ液を電槽に入れ、陽
極電流密度200A/dm2 ,50℃で電気メッキを行
った。7日毎にメッキ液を取出し、新しいメッキ液を電
槽に入れた。槽電圧が5V上昇するまでの時間を電極寿
命として判定した。これにより使用可能な時間は720
時間であった。一方比較として溶射層を省き、基体上に
上記と同様にして電極触媒層を形成させ、同様の電気メ
ッキ試験を行ったところ、陽極の寿命は350時間であ
った。
【0020】実施例2〜5,比較例2,3 実施例1と同様のチタン基体上に同様にして溶射層の形
成を行い、電極触媒層の組成を表1のように変化させて
酸化イリジウムとして12g/cm2 含有する電極を作
製し、実施例1と同様の電気メッキ試験を行ったところ
表1の結果を得た。
【0021】
【表1】
【0022】実施例6 市販チタン板(1×10×0.1cm)に実施例1と同
様のブラスト処理を行い、これにチタン粉末(粒径20
〜50μm)を、アルゴンガスをプラズマガスに使用し
てプラズマ溶射を行い、厚さ25μmの溶射層を得た。
この上に実施例1と同様の方法で酸化イリジウムとして
12g/m2 (IrO2 :Ta2 5 =70:30モル
比)の電極触媒層を得た。実施例1と同様の電気メッキ
試験を行ったところ、陽極の寿命は740時間であっ
た。
【0023】
【発明の効果】本発明法に使用される酸素発生用陽極に
おいて、チタンを溶射して形成した溶射層上に熱分解被
覆した電極触媒層は溶射層と良好な密着性を保ち、有機
物を含む電気メッキ浴中で優れた耐久性を示す。したが
ってこの電極を使用して有機物を含むメッキ浴を使用し
て金属の電気メッキを行えば電極の溶解や脱落による損
耗が少なくなり長寿命化が図られるという優れた効果が
得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物を含むメッキ浴を用いて金属の電
    気メッキを行うにあたり、酸素発生用陽極としてチタン
    基体上にチタンの溶射層を設け、該溶射層上に酸化イリ
    ジウムを30モル%以上含み残部が酸化タンタルよりな
    る電極触媒層を設けてなる電極を使用することを特徴と
    する電気メッキ方法。
  2. 【請求項2】 有機物が酢酸ナトリウム又はフェノール
    スルホン酸である請求項1に記載の電気メッキ方法。
  3. 【請求項3】 メッキ浴がスズ又は亜鉛を溶解して含有
    する酸性水性電解液である請求項1又は2に記載の電気
    メッキ方法。
  4. 【請求項4】 電極触媒層が触媒金属となる化合物の熱
    分解により形成される請求項1に記載の電気メッキ方
    法。
JP15631692A 1992-06-16 1992-06-16 電気メッキ方法 Pending JPH062194A (ja)

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