JPH06219132A - 車両懸架装置 - Google Patents
車両懸架装置Info
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- JPH06219132A JPH06219132A JP30753091A JP30753091A JPH06219132A JP H06219132 A JPH06219132 A JP H06219132A JP 30753091 A JP30753091 A JP 30753091A JP 30753091 A JP30753091 A JP 30753091A JP H06219132 A JPH06219132 A JP H06219132A
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- control
- roll
- shock absorber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 操舵初期に発生する初期ロールを抑制して操
縦安定性の向上を図ることのできる車両懸架装置を提供
すること。 【構成】 通常時には、通常切換モードにより車両挙動
検出手段cが検出する車両挙動に応じて最適減衰係数を
設定する通常制御を行い、操舵速度検出手段eが検出す
る操舵速度が第1のしきい値以上で第2のしきい値未満
である時には、通常切換モードよりも最低減衰係数を高
くした高減衰モードにより車両挙動に応じて最適減衰係
数を設定する初期ロール制御を行い、さらに、操舵速度
が第2のしきい値以上となった時には、ロールレート検
出手段dが検出するロールレートに基づき、車体が沈み
込む側のショックアブソーバbの少なくとも圧側を高減
衰係数とすると共に、車体が浮き上がる側のショックア
ブソーバbの少なくとも伸側を高減衰係数とするロール
制御を行う減衰係数制御手段fを設けた。
縦安定性の向上を図ることのできる車両懸架装置を提供
すること。 【構成】 通常時には、通常切換モードにより車両挙動
検出手段cが検出する車両挙動に応じて最適減衰係数を
設定する通常制御を行い、操舵速度検出手段eが検出す
る操舵速度が第1のしきい値以上で第2のしきい値未満
である時には、通常切換モードよりも最低減衰係数を高
くした高減衰モードにより車両挙動に応じて最適減衰係
数を設定する初期ロール制御を行い、さらに、操舵速度
が第2のしきい値以上となった時には、ロールレート検
出手段dが検出するロールレートに基づき、車体が沈み
込む側のショックアブソーバbの少なくとも圧側を高減
衰係数とすると共に、車体が浮き上がる側のショックア
ブソーバbの少なくとも伸側を高減衰係数とするロール
制御を行う減衰係数制御手段fを設けた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰係数を最適制御する車両の懸架装置に関し、特に、
車両のロールに対応して制御を行うものに関する。
減衰係数を最適制御する車両の懸架装置に関し、特に、
車両のロールに対応して制御を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車体のロールに対応して制御を行
う車両懸架装置としては、例えば、実開昭59−117
510号公報に記載されたものが知られている。
う車両懸架装置としては、例えば、実開昭59−117
510号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来装置は、横方向加速度(以後、横
Gという)を検出し、横Gが設定値以上になるとショッ
クアブソーバの減衰係数または空気ばねのばね定数の少
なくとも一方を増加させてハード状態に保持してロール
を抑制する制御を行うものである。
Gという)を検出し、横Gが設定値以上になるとショッ
クアブソーバの減衰係数または空気ばねのばね定数の少
なくとも一方を増加させてハード状態に保持してロール
を抑制する制御を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置では、ステップの操舵を開始してから、車体に
横Gが発生して所定値以上となるまでは、ロールを抑制
する制御を全く行わないため、操舵初期に発生する初期
ロールを抑制することができず、操縦安定性が悪化する
という問題点があった。
従来装置では、ステップの操舵を開始してから、車体に
横Gが発生して所定値以上となるまでは、ロールを抑制
する制御を全く行わないため、操舵初期に発生する初期
ロールを抑制することができず、操縦安定性が悪化する
という問題点があった。
【0005】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされてもので、操舵初期に発生する初期ロールを抑制
して操縦安定性の向上を図ることのできる車両懸架装置
を提供することを目的としている。
なされてもので、操舵初期に発生する初期ロールを抑制
して操縦安定性の向上を図ることのできる車両懸架装置
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、操
舵速度を検出し、この操舵速度が第1のしきい値以上第
2のしきい値未満であるときには、最低減衰係数を高め
た高減衰モードで車両挙動に応じて減衰係数制御を行う
初期ロール制御を行い、また、操舵速度が第2のしきい
値以上であるときには、車体が沈み込む側のショックア
ブソーバの圧側を高減衰係数とし、車体が浮き上がる側
のショックアブソーバの伸側を高減衰係数とするロール
制御を行うようにして上記目的を達成するようにした。
舵速度を検出し、この操舵速度が第1のしきい値以上第
2のしきい値未満であるときには、最低減衰係数を高め
た高減衰モードで車両挙動に応じて減衰係数制御を行う
初期ロール制御を行い、また、操舵速度が第2のしきい
値以上であるときには、車体が沈み込む側のショックア
ブソーバの圧側を高減衰係数とし、車体が浮き上がる側
のショックアブソーバの伸側を高減衰係数とするロール
制御を行うようにして上記目的を達成するようにした。
【0007】すなわち、本発明の車両懸架装置は、図1
のクレーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間
に介在され、減衰係数変更手段aにより減衰係数を複数
変更可能に形成されたショックアブソーバbと、車両挙
動を検出する車両挙動検出手段cと、車体のロールレー
トを検出するロールレート検出手段dと、操舵速度を検
出する操舵速度検出手段eと、通常時には、通常切換モ
ードにより車両挙動に応じて最適減衰係数を設定する通
常制御を行い、操舵速度が第1のしきい値以上で第2の
しきい値未満である時には、通常切換モードよりも最低
減衰係数を高くした高減衰モードにより車両挙動に応じ
て最適減衰係数を設定する初期ロール制御を行い、さら
に、操舵速度が第2のしきい値以上となった時には、ロ
ールレートに基づき、車体が沈み込む側のショックアブ
ソーバbの少なくとも圧側を高減衰係数とすると共に、
車体が浮き上がる側のショックアブソーバbの少なくと
も伸側を高減衰係数とするロール制御を行う減衰係数制
御手段fとを備えている構成とした。
のクレーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間
に介在され、減衰係数変更手段aにより減衰係数を複数
変更可能に形成されたショックアブソーバbと、車両挙
動を検出する車両挙動検出手段cと、車体のロールレー
トを検出するロールレート検出手段dと、操舵速度を検
出する操舵速度検出手段eと、通常時には、通常切換モ
ードにより車両挙動に応じて最適減衰係数を設定する通
常制御を行い、操舵速度が第1のしきい値以上で第2の
しきい値未満である時には、通常切換モードよりも最低
減衰係数を高くした高減衰モードにより車両挙動に応じ
て最適減衰係数を設定する初期ロール制御を行い、さら
に、操舵速度が第2のしきい値以上となった時には、ロ
ールレートに基づき、車体が沈み込む側のショックアブ
ソーバbの少なくとも圧側を高減衰係数とすると共に、
車体が浮き上がる側のショックアブソーバbの少なくと
も伸側を高減衰係数とするロール制御を行う減衰係数制
御手段fとを備えている構成とした。
【0008】なお、前記初期ロール制御およびロール制
御の解除は、操舵速度が各しきい値未満となったら行う
ようにしてもよいし、また、各制御を開始してから所定
時間が経過したことにより行うようにしてもよい。
御の解除は、操舵速度が各しきい値未満となったら行う
ようにしてもよいし、また、各制御を開始してから所定
時間が経過したことにより行うようにしてもよい。
【0009】また、ショックアブソーバの減衰係数変更
手段は、伸側と圧側とを独立して減衰係数を変更可能に
形成すると共に、伸側・圧側の一方の減衰係数を変更す
るときには他方を低減衰係数に固定する構造のものを用
いるとよい。
手段は、伸側と圧側とを独立して減衰係数を変更可能に
形成すると共に、伸側・圧側の一方の減衰係数を変更す
るときには他方を低減衰係数に固定する構造のものを用
いるとよい。
【0010】
【作用】図1に基づき作用を説明する。直進走行や操舵
速度の低い緩やかな旋回を行う通常時には、減衰係数制
御手段fが通常制御を行って、ショックアブソーバbの
減衰係数は、通常切換モードにより車両挙動に応じて最
適制御される。
速度の低い緩やかな旋回を行う通常時には、減衰係数制
御手段fが通常制御を行って、ショックアブソーバbの
減衰係数は、通常切換モードにより車両挙動に応じて最
適制御される。
【0011】旋回時には、まず、操舵速度が第1のしき
い値以上で第2のしきい値未満の範囲では、ロール発生
の有無にかかわらず減衰係数制御手段fが初期ロール制
御を行って、ショックアブソーバbの減衰係数を、通常
切換モードよりも最低減衰係数を高くした高減衰モード
により車両挙動に応じて最適制御する。したがって、低
減衰係数に制御するような車両挙動状態であっても、シ
ョックアブソーバbは通常よりも高減衰係数となって制
振性が高まり、この操舵の後に発生する初期ロールを抑
制して操縦安定性を確保できる。このように、実際のロ
ールが発生する前であっても、操舵速度のみに基づいて
制振性を高めるから、初期ロールを抑制できるし、ま
た、不必要に減衰係数が高くなることがなく、乗り心地
が悪化することもない。
い値以上で第2のしきい値未満の範囲では、ロール発生
の有無にかかわらず減衰係数制御手段fが初期ロール制
御を行って、ショックアブソーバbの減衰係数を、通常
切換モードよりも最低減衰係数を高くした高減衰モード
により車両挙動に応じて最適制御する。したがって、低
減衰係数に制御するような車両挙動状態であっても、シ
ョックアブソーバbは通常よりも高減衰係数となって制
振性が高まり、この操舵の後に発生する初期ロールを抑
制して操縦安定性を確保できる。このように、実際のロ
ールが発生する前であっても、操舵速度のみに基づいて
制振性を高めるから、初期ロールを抑制できるし、ま
た、不必要に減衰係数が高くなることがなく、乗り心地
が悪化することもない。
【0012】さらに、操舵速度が第2のしきい値以上と
なった時には、減衰係数制御手段fがロール制御を行
い、ショックアブソーバbの減衰係数は、ロールレート
検出手段dが検出するロールレートに基づき、車体が沈
み込む側のショックアブソーバbの少なくとも圧側が高
減衰係数に制御され、逆に車体が浮き上がる側のショッ
クアブソーバbの少なくとも伸側が高減衰係数に制御さ
れる。したがって、車体に実際に生じるロールを確実に
抑制して操縦安定性を確保できる。
なった時には、減衰係数制御手段fがロール制御を行
い、ショックアブソーバbの減衰係数は、ロールレート
検出手段dが検出するロールレートに基づき、車体が沈
み込む側のショックアブソーバbの少なくとも圧側が高
減衰係数に制御され、逆に車体が浮き上がる側のショッ
クアブソーバbの少なくとも伸側が高減衰係数に制御さ
れる。したがって、車体に実際に生じるロールを確実に
抑制して操縦安定性を確保できる。
【0013】なお、上述のような初期ロール制御および
ロール制御は、請求項2記載の装置では、操舵速度が各
しきい値未満となったら解除する。すなわち、車両が旋
回を行った場合、旋回初期にはロール量の変化が大きい
が、その後の旋回中には、操舵角もほぼ一定であること
が多くロール量の変化は少ない。したがって、上述のよ
うにして初期ロール制御およびロール制御により旋回初
期のロールを抑制した後は、減衰係数を低下させてもロ
ール量の変化はほとんどなくて操縦安定性への悪影響は
なく、減衰係数を低下させることにより乗り心地を向上
させることができる。
ロール制御は、請求項2記載の装置では、操舵速度が各
しきい値未満となったら解除する。すなわち、車両が旋
回を行った場合、旋回初期にはロール量の変化が大きい
が、その後の旋回中には、操舵角もほぼ一定であること
が多くロール量の変化は少ない。したがって、上述のよ
うにして初期ロール制御およびロール制御により旋回初
期のロールを抑制した後は、減衰係数を低下させてもロ
ール量の変化はほとんどなくて操縦安定性への悪影響は
なく、減衰係数を低下させることにより乗り心地を向上
させることができる。
【0014】また、請求項2記載の装置にあっても、上
述の初期ロール制御およびロール制御は、所定時間が経
過したら解除するもので、この場合も、初期ロールおよ
びその後のロールを抑制して操縦安定性を高めた後は、
減衰係数を低下させて乗り心地を向上させることができ
る。
述の初期ロール制御およびロール制御は、所定時間が経
過したら解除するもので、この場合も、初期ロールおよ
びその後のロールを抑制して操縦安定性を高めた後は、
減衰係数を低下させて乗り心地を向上させることができ
る。
【0015】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、本発明実施例の車両懸架装置の構成について説明す
る。
ず、本発明実施例の車両懸架装置の構成について説明す
る。
【0016】図2は、本発明実施例の車両懸架装置を示
す構成説明図であり、車体と各車輪との間に介在され
て、前輪側のショックアブソーバSAFR,SAFRと後輪
側のショックアブソーバSARR,SARRが設けられてい
る。そして、各ショックアブソーバSAFR,SARRの車
体への取付位置の近傍位置の車体には上下方向の加速度
を検出する上下加速度センサ(以後、上下Gセンサとい
う)1が設けられ、さらに、ステアリングには操舵角度
を検出するステアリングセンサ2が設けられている。ま
た、運転席の近傍位置には、各センサ1,2から信号を
入力して、各ショックアブソーバSAFR,SARRのパル
スモータ3に駆動制御信号を出力するコントロールユニ
ット4が設けられている。
す構成説明図であり、車体と各車輪との間に介在され
て、前輪側のショックアブソーバSAFR,SAFRと後輪
側のショックアブソーバSARR,SARRが設けられてい
る。そして、各ショックアブソーバSAFR,SARRの車
体への取付位置の近傍位置の車体には上下方向の加速度
を検出する上下加速度センサ(以後、上下Gセンサとい
う)1が設けられ、さらに、ステアリングには操舵角度
を検出するステアリングセンサ2が設けられている。ま
た、運転席の近傍位置には、各センサ1,2から信号を
入力して、各ショックアブソーバSAFR,SARRのパル
スモータ3に駆動制御信号を出力するコントロールユニ
ット4が設けられている。
【0017】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、上述の各センサ1,2か
ら信号が入力される。なお、上下加速度は、上向き加速
度がプラスの値,下向き加速度がマイナスの値で検出さ
れる。
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、上述の各センサ1,2か
ら信号が入力される。なお、上下加速度は、上向き加速
度がプラスの値,下向き加速度がマイナスの値で検出さ
れる。
【0018】次に、図4は、各ショックアブソーバSA
FR,SARRの1つの構成(各ショックアブソーバS
AFR,SARRの構成は同じである)を示す断面図であっ
て、このショックアブソーバSA(以後、各ショックア
ブソーバSAFR,SARRのいずれか1つを指す場合に
は、たんにSAと表示する)は、シリンダ30と、シリ
ンダ30を上部室Aと下部室Bとに画成したピストン3
1と、シリンダ30の外周にリザーバ室32を形成した
外筒33と、下部室Bとリザーバ室32とを画成したベ
ース34と、ピストン32に連結されたピストンロッド
7の摺動をガイドするガイド部材35と、外筒33と車
体との間に介在されたサスペンションスプリング36
と、バンパラバー37とを備えている。
FR,SARRの1つの構成(各ショックアブソーバS
AFR,SARRの構成は同じである)を示す断面図であっ
て、このショックアブソーバSA(以後、各ショックア
ブソーバSAFR,SARRのいずれか1つを指す場合に
は、たんにSAと表示する)は、シリンダ30と、シリ
ンダ30を上部室Aと下部室Bとに画成したピストン3
1と、シリンダ30の外周にリザーバ室32を形成した
外筒33と、下部室Bとリザーバ室32とを画成したベ
ース34と、ピストン32に連結されたピストンロッド
7の摺動をガイドするガイド部材35と、外筒33と車
体との間に介在されたサスペンションスプリング36
と、バンパラバー37とを備えている。
【0019】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する伸側減
衰バルブ12および圧側減衰バルブ20とが設けられて
いる。また、ピストンロッド7の先端に固定されて、ピ
ストン31を貫通しているスタッド38には、上部室A
と下部室Bとを連通する連通孔39が形成され、さら
に、この連通孔39の流路断面積を変更するための調整
子40と、流体の流通の方向に応じて流体の連通孔39
の流通を許容・遮断する伸側チェックバルブ17および
圧側チェックバルブ22とが設けられている。なお、こ
の調整子40は、前記パルスモータ3により回転される
ようになっている(図4参照)。また、スタッド38に
は、上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3
ポート18,第4ポート14,第5ポート16が形成さ
れている。
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する伸側減
衰バルブ12および圧側減衰バルブ20とが設けられて
いる。また、ピストンロッド7の先端に固定されて、ピ
ストン31を貫通しているスタッド38には、上部室A
と下部室Bとを連通する連通孔39が形成され、さら
に、この連通孔39の流路断面積を変更するための調整
子40と、流体の流通の方向に応じて流体の連通孔39
の流通を許容・遮断する伸側チェックバルブ17および
圧側チェックバルブ22とが設けられている。なお、こ
の調整子40は、前記パルスモータ3により回転される
ようになっている(図4参照)。また、スタッド38に
は、上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3
ポート18,第4ポート14,第5ポート16が形成さ
れている。
【0020】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0021】したがって、前記上部室Aと下部室Bとの
間には、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔
31bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部
室Bに至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝2
3,第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外
周側を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2
ポート13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側
チェックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3
流路Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19
を経由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路
がある。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、
貫通孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側
第1流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート
21を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室
Aに至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔2
5,第3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス
流路Gとの3つの流路がある。
間には、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔
31bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部
室Bに至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝2
3,第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外
周側を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2
ポート13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側
チェックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3
流路Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19
を経由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路
がある。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、
貫通孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側
第1流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート
21を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室
Aに至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔2
5,第3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス
流路Gとの3つの流路がある。
【0022】すなわち、ショックアブソーバSAは、調
整子40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれ
とも図6に示すような特性で減衰係数を多段階に変更可
能に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側
・圧側いずれも低減衰係数としたポジション(図中の
ポジションで、この状態の特性を以後、ソフト特性とい
う)から、調整子40を反時計方向に回動させると、伸
側のみ減衰係数を高減衰側に多段階に変化し(以後、こ
の領域を伸側ハード特性HSという)、逆に、調整子4
0を時計方向に回動させると、圧側のみ高減衰係数側に
多段階に変化する(以後、この領域を圧側ハード特性S
Hという)構造となっている。
整子40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれ
とも図6に示すような特性で減衰係数を多段階に変更可
能に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側
・圧側いずれも低減衰係数としたポジション(図中の
ポジションで、この状態の特性を以後、ソフト特性とい
う)から、調整子40を反時計方向に回動させると、伸
側のみ減衰係数を高減衰側に多段階に変化し(以後、こ
の領域を伸側ハード特性HSという)、逆に、調整子4
0を時計方向に回動させると、圧側のみ高減衰係数側に
多段階に変化する(以後、この領域を圧側ハード特性S
Hという)構造となっている。
【0023】ちなみに、図7において、調整子40を
(伸側ハード特性HSで最高減衰係数とするポジショ
ン),(ソフト特性SSのポジション),(圧側ハ
ード特性SHで最高減衰係数とするポジション)の3つ
のポジションに配置した時の、図5におけるK−K断
面,M−M断面,N−N断面を、それぞれ、図8,図
9,図10に示し、また、各ポジションの減衰力特性を
図11,12,13に示している。
(伸側ハード特性HSで最高減衰係数とするポジショ
ン),(ソフト特性SSのポジション),(圧側ハ
ード特性SHで最高減衰係数とするポジション)の3つ
のポジションに配置した時の、図5におけるK−K断
面,M−M断面,N−N断面を、それぞれ、図8,図
9,図10に示し、また、各ポジションの減衰力特性を
図11,12,13に示している。
【0024】次に、パルスモータ3の駆動を制御するコ
ントロールユニット4の作動について、図14のフロー
チャートに基づき説明する。
ントロールユニット4の作動について、図14のフロー
チャートに基づき説明する。
【0025】ステップ101は、各センサ1,2から、
それぞれ検出ばね上加速度Gおよび操舵角度θを読み込
むステップである。
それぞれ検出ばね上加速度Gおよび操舵角度θを読み込
むステップである。
【0026】ステップ102は、ばね上加速度Gを積分
してばね上上下速度Vn を求める演算と、操舵角度θか
ら操舵速度ωを求める演算と、ばね上上下速度Vn の車
体左右の差に基づいてロールレートRを求める演算を行
うステップである。このようにロールレートは、左右の
ばね上上下速度Vn の差から求めるため、上下Gセンサ
1およびコントロールユニット4のこのロールレートR
を求める演算を行う部分とで請求の範囲のロールレート
検出手段を構成している。
してばね上上下速度Vn を求める演算と、操舵角度θか
ら操舵速度ωを求める演算と、ばね上上下速度Vn の車
体左右の差に基づいてロールレートRを求める演算を行
うステップである。このようにロールレートは、左右の
ばね上上下速度Vn の差から求めるため、上下Gセンサ
1およびコントロールユニット4のこのロールレートR
を求める演算を行う部分とで請求の範囲のロールレート
検出手段を構成している。
【0027】ステップ103は、操舵速度ωの絶対値が
第1しきい値a以上であるか否かを判定するステップ
で、NOでステップ104に進み、YESでステップ1
05に進む。
第1しきい値a以上であるか否かを判定するステップ
で、NOでステップ104に進み、YESでステップ1
05に進む。
【0028】ステップ104は、通常制御を行う処理ス
テップであり、この通常制御とは、各位置のばね上上下
速度Vn のみに応じて、すなわち、ばね上上下速度Vn
が上向きであれば、この速度Vn に比例して、図7の
〜の伸側ハード特性HSの全域を用いて伸側の減衰係
数を変化させ、一方、ばね上上下速度Vn が下向きであ
れば、図中〜の圧側ハード特性SHの全域を用いて
この速度Vn に比例して圧側の減衰係数を変化させて、
各位置のショックアブソーバSAの減衰係数を制御する
ものである。このように、図7中の〜の範囲である
減衰係数を変更可能な全領域を用いるモードを本明細書
では通常切換モードという。
テップであり、この通常制御とは、各位置のばね上上下
速度Vn のみに応じて、すなわち、ばね上上下速度Vn
が上向きであれば、この速度Vn に比例して、図7の
〜の伸側ハード特性HSの全域を用いて伸側の減衰係
数を変化させ、一方、ばね上上下速度Vn が下向きであ
れば、図中〜の圧側ハード特性SHの全域を用いて
この速度Vn に比例して圧側の減衰係数を変化させて、
各位置のショックアブソーバSAの減衰係数を制御する
ものである。このように、図7中の〜の範囲である
減衰係数を変更可能な全領域を用いるモードを本明細書
では通常切換モードという。
【0029】ステップ105は、操舵速度ωの絶対値が
第2しきい値b(b>a)以上であるか否かを判定する
ステップで、NOでステップ106に進み、YESでス
テップ107に進む。
第2しきい値b(b>a)以上であるか否かを判定する
ステップで、NOでステップ106に進み、YESでス
テップ107に進む。
【0030】ステップ106は、初期ロール制御を行う
処理ステップであり、この初期ロール制御とは、上述の
通常制御と同様に、各位置のばね上上下速度Vn のみに
応じて各位置のショックアブソーバSAの減衰係数を制
御するものであるが、この初期ロール制御にあっては、
通常制御の場合よりも最低減衰係数を高めた高減衰モー
ドを用いて減衰係数を決定する。すなわち、図7に示す
ように、伸側ハード特性HSの範囲で制御する際には、
図中の位置よりも高減衰係数側の範囲で制御を行い、
圧側ハード特性SHの範囲で制御する際には、図中の
位置よりも高減衰係数の範囲で制御を行う。
処理ステップであり、この初期ロール制御とは、上述の
通常制御と同様に、各位置のばね上上下速度Vn のみに
応じて各位置のショックアブソーバSAの減衰係数を制
御するものであるが、この初期ロール制御にあっては、
通常制御の場合よりも最低減衰係数を高めた高減衰モー
ドを用いて減衰係数を決定する。すなわち、図7に示す
ように、伸側ハード特性HSの範囲で制御する際には、
図中の位置よりも高減衰係数側の範囲で制御を行い、
圧側ハード特性SHの範囲で制御する際には、図中の
位置よりも高減衰係数の範囲で制御を行う。
【0031】ステップ107は、コントロールユニット
4内に設けたタイマの計測をスタートさせるステップで
ある。
4内に設けたタイマの計測をスタートさせるステップで
ある。
【0032】ステップ108は、ロールレートRに基づ
き、右ロール状態であるか否かを判定するステップであ
り、NOでステップ109に進み、YESでステップ1
10に進む。
き、右ロール状態であるか否かを判定するステップであ
り、NOでステップ109に進み、YESでステップ1
10に進む。
【0033】ステップ109は、左ロール(車体の左側
が沈み込み、右側が浮き上がるロール)に対応した制御
を行うステップであり、右輪側のショックアブソーバS
Aを伸側ハード特性HSの最も減衰係数の高いポジショ
ン(図7の)に制御し、左輪側のショックアブソーバ
SAを圧側ハード特性SHの最も減衰係数の高いポジシ
ョン(図7の)に制御する。
が沈み込み、右側が浮き上がるロール)に対応した制御
を行うステップであり、右輪側のショックアブソーバS
Aを伸側ハード特性HSの最も減衰係数の高いポジショ
ン(図7の)に制御し、左輪側のショックアブソーバ
SAを圧側ハード特性SHの最も減衰係数の高いポジシ
ョン(図7の)に制御する。
【0034】ステップ110は、右ロール(車体の右側
が沈み込み、左側が浮き上がるロール)に対応した制御
を行うステップであり、右輪側のショックアブソーバS
Aを圧側ハード特性SHの最も減衰係数の高いポジショ
ン(図7の)に制御し、左輪側のショックアブソーバ
SAを伸側ハード特性HSの最も減衰係数の高いポジシ
ョン(図7の)に制御する。
が沈み込み、左側が浮き上がるロール)に対応した制御
を行うステップであり、右輪側のショックアブソーバS
Aを圧側ハード特性SHの最も減衰係数の高いポジショ
ン(図7の)に制御し、左輪側のショックアブソーバ
SAを伸側ハード特性HSの最も減衰係数の高いポジシ
ョン(図7の)に制御する。
【0035】ステップ111は、所定の時間tが経過し
たか否かを判定するステップで、NOでステップ108
に戻り、YESで1回の流れを終了する。
たか否かを判定するステップで、NOでステップ108
に戻り、YESで1回の流れを終了する。
【0036】次に、実施例装置の作動を図15,16の
タイムチャートにより説明する。
タイムチャートにより説明する。
【0037】まず、図15により説明する。この図は、
操舵速度ωが第1のしきい値aを越えない時の制御、す
なわち、通常制御を行っている時の作動を示すタイムチ
ャートであって、この図に示すように、ショックアブソ
ーバSAの減衰係数を決定するパルスモータ3に出力す
る切換信号は、ばね上上下速度Vn に比例して出力され
ている。したがって、ばね上上下速度Vn が高まれば減
衰力も高まって、制振力が増加して、車体の振動を収束
させる。
操舵速度ωが第1のしきい値aを越えない時の制御、す
なわち、通常制御を行っている時の作動を示すタイムチ
ャートであって、この図に示すように、ショックアブソ
ーバSAの減衰係数を決定するパルスモータ3に出力す
る切換信号は、ばね上上下速度Vn に比例して出力され
ている。したがって、ばね上上下速度Vn が高まれば減
衰力も高まって、制振力が増加して、車体の振動を収束
させる。
【0038】次に、図16は、操舵を行った時、すなわ
ち、初期ロール制御およびロール制御を行った時の作動
を示すタイムチャートであって、操舵速度ωに示すよう
に、操舵を行って、その速度ωが第1しきい値aを越え
ると、減衰係数制御を高減衰モードの制御とした結果
(ステップ106)、減衰係数が上昇する(図中I で示
す領域)。なおこの場合、減衰係数は、ばね上上下速度
Vn に比例している。
ち、初期ロール制御およびロール制御を行った時の作動
を示すタイムチャートであって、操舵速度ωに示すよう
に、操舵を行って、その速度ωが第1しきい値aを越え
ると、減衰係数制御を高減衰モードの制御とした結果
(ステップ106)、減衰係数が上昇する(図中I で示
す領域)。なおこの場合、減衰係数は、ばね上上下速度
Vn に比例している。
【0039】このように、領域I では車体にはロールが
発生していないが、操舵した結果、減衰係数が高くなっ
て、制振性が向上していて、この後に生ずる初期ロール
を抑制する。
発生していないが、操舵した結果、減衰係数が高くなっ
て、制振性が向上していて、この後に生ずる初期ロール
を抑制する。
【0040】そして、操舵速度ωが、第2しきい値bを
越えると、車体のロールに応じた制御となり、図中IIの
領域に示すように左ロールが生じている場合には、右輪
側のショックアブソーバSAを伸側最大減衰係数とする
と共に、左輪側のショックアブソーバSAを圧側最大減
衰係数とし、この左ロールを抑制する。
越えると、車体のロールに応じた制御となり、図中IIの
領域に示すように左ロールが生じている場合には、右輪
側のショックアブソーバSAを伸側最大減衰係数とする
と共に、左輪側のショックアブソーバSAを圧側最大減
衰係数とし、この左ロールを抑制する。
【0041】その後、図中III の領域に示すように、ロ
ールの方向が変化して右ロールとなると、右輪側のショ
ックアブソーバSAを圧側最大減衰係数とすると共に、
左輪側のショックアブソーバSAを伸側最大減衰係数と
して、この右ロールを抑制する。
ールの方向が変化して右ロールとなると、右輪側のショ
ックアブソーバSAを圧側最大減衰係数とすると共に、
左輪側のショックアブソーバSAを伸側最大減衰係数と
して、この右ロールを抑制する。
【0042】そして、操舵速度ωが第2しきい値bを越
えてから所定時間が経過したところで、通常制御に復帰
する。なお、以上の作動は、図14のフローチャートの
ステップ107〜111の流れに基づいて成される。
えてから所定時間が経過したところで、通常制御に復帰
する。なお、以上の作動は、図14のフローチャートの
ステップ107〜111の流れに基づいて成される。
【0043】以上のように実施例にあっては、第1しき
い値aを越える速度ωの操舵を行った時点で、通常より
も最低減衰係数を高めた高減衰モードで減衰係数制御
(初期ロール制御)を行って、制振性を高めるため、操
舵を行った結果生じるロールの初期ロールを確実に抑制
して操縦安定性を高めることができる。そして、この初
期ロールを抑制するにあたり、最低減衰係数を高めただ
けであって、ばね上上下速度Vn に比例した減衰係数制
御を行うから、減衰係数が高くなり過ぎることなく良好
な乗り心地が得られる。
い値aを越える速度ωの操舵を行った時点で、通常より
も最低減衰係数を高めた高減衰モードで減衰係数制御
(初期ロール制御)を行って、制振性を高めるため、操
舵を行った結果生じるロールの初期ロールを確実に抑制
して操縦安定性を高めることができる。そして、この初
期ロールを抑制するにあたり、最低減衰係数を高めただ
けであって、ばね上上下速度Vn に比例した減衰係数制
御を行うから、減衰係数が高くなり過ぎることなく良好
な乗り心地が得られる。
【0044】そして、操舵速度ωが第2のしきい値bを
越えて、実際に車体にロールが生じたら、従来と同様に
減衰係数を最大に高めてロールを抑制するが、本実施例
では伸側と圧側の一方のみを高減衰係数とし、反対側は
最低減衰係数としているために、旋回時に路面の凹凸等
により車体側へばね下入力がある場合、低減衰係数側の
入力を吸収して乗り心地が向上する。
越えて、実際に車体にロールが生じたら、従来と同様に
減衰係数を最大に高めてロールを抑制するが、本実施例
では伸側と圧側の一方のみを高減衰係数とし、反対側は
最低減衰係数としているために、旋回時に路面の凹凸等
により車体側へばね下入力がある場合、低減衰係数側の
入力を吸収して乗り心地が向上する。
【0045】すなわち、本実施例は、乗り心地を悪化さ
せることなく操縦安定性を向上できるという特徴を有し
ている。
せることなく操縦安定性を向上できるという特徴を有し
ている。
【0046】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0047】例えば、実施例では、請求項3に記載して
いるように、ロール制御を開始して所定時間tが経過し
たらこの制御を解除するようにしているが、請求項2に
記載しているように、操舵速度ωが第1しきい値aある
いは第2しきい値bよりも低下した時点で、初期ロール
制御あるいはロール制御を解除してもよい。
いるように、ロール制御を開始して所定時間tが経過し
たらこの制御を解除するようにしているが、請求項2に
記載しているように、操舵速度ωが第1しきい値aある
いは第2しきい値bよりも低下した時点で、初期ロール
制御あるいはロール制御を解除してもよい。
【0048】また、実施例では、請求項4に記載したよ
うに、伸側と圧側の一方の減衰係数を変更する際には、
反対行程側は最低減衰係数に固定される構造のショック
アブソーバSAを示したが、従来周知のように、伸側と
圧側とが同じように高減衰・低減衰係数に変更する形式
のショックアブソーバを用いてもよい。この場合、高減
衰係数制御時の乗り心地は多少悪化する。
うに、伸側と圧側の一方の減衰係数を変更する際には、
反対行程側は最低減衰係数に固定される構造のショック
アブソーバSAを示したが、従来周知のように、伸側と
圧側とが同じように高減衰・低減衰係数に変更する形式
のショックアブソーバを用いてもよい。この場合、高減
衰係数制御時の乗り心地は多少悪化する。
【0049】実施例装置では、車両挙動検出手段とし
て、ばね上Gセンサ1のみを設けた例を示したが、ばね
上−ばね下相対速度(減衰力)を検出するための荷重セ
ンサ等他の手段を設けてもよい。
て、ばね上Gセンサ1のみを設けた例を示したが、ばね
上−ばね下相対速度(減衰力)を検出するための荷重セ
ンサ等他の手段を設けてもよい。
【0050】さらに、実施例ではロールレート検出手段
としてもばね上Gセンサ1を用いたが、横Gセンサ等、
他の手段を用いてもよい。
としてもばね上Gセンサ1を用いたが、横Gセンサ等、
他の手段を用いてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両懸
架装置は、減衰係数制御手段が、操舵速度が第1のしき
い値以上で第2のしきい値未満である時には、通常切換
モードよりも最低減衰係数を高くした高減衰モードに基
づき車両挙動に応じて最適減衰係数を設定する初期ロー
ル制御を行い、さらに、操舵速度が第2のしきい値以上
となった時には、ロールレートに基づき、車体が沈み込
む側のショックアブソーバの少なくとも圧側を高減衰係
数とすると共に、車体が浮き上がる側のショックアブソ
ーバの少なくとも伸側を高減衰係数とするロール制御を
行うように構成したため、旋回に際し、操舵初期には、
実際に車体にロールが生じていなくても、通常制御に比
べて最低減衰係数だけを高めた初期ロール制御を行って
制振性を高め、初期ロールの発生を抑制することができ
るし、必要以上に減衰係数が高くならないようにして良
好な乗り心地が得られ、その後、操舵速度が第2のしき
い値以上に増したら、各ショックアブソーバの減衰係数
をロール抑制方向に高めて、急激なロールを確実に抑制
することができるもので、すなわち、乗り心地を悪化さ
せることなく初期ロールの発生を抑制して操縦安定性を
向上させることができると共に、その後も確実にロール
を抑制して操縦安定性を確保することができるという効
果が得られる。
架装置は、減衰係数制御手段が、操舵速度が第1のしき
い値以上で第2のしきい値未満である時には、通常切換
モードよりも最低減衰係数を高くした高減衰モードに基
づき車両挙動に応じて最適減衰係数を設定する初期ロー
ル制御を行い、さらに、操舵速度が第2のしきい値以上
となった時には、ロールレートに基づき、車体が沈み込
む側のショックアブソーバの少なくとも圧側を高減衰係
数とすると共に、車体が浮き上がる側のショックアブソ
ーバの少なくとも伸側を高減衰係数とするロール制御を
行うように構成したため、旋回に際し、操舵初期には、
実際に車体にロールが生じていなくても、通常制御に比
べて最低減衰係数だけを高めた初期ロール制御を行って
制振性を高め、初期ロールの発生を抑制することができ
るし、必要以上に減衰係数が高くならないようにして良
好な乗り心地が得られ、その後、操舵速度が第2のしき
い値以上に増したら、各ショックアブソーバの減衰係数
をロール抑制方向に高めて、急激なロールを確実に抑制
することができるもので、すなわち、乗り心地を悪化さ
せることなく初期ロールの発生を抑制して操縦安定性を
向上させることができると共に、その後も確実にロール
を抑制して操縦安定性を確保することができるという効
果が得られる。
【0052】さらに、請求項2および請求項3記載の車
両懸架装置は、操舵速度が低下したり所定時間が経過し
たら、速やかに初期ロール制御あるいはロール制御を解
錠するようにしているため、ロール抑制は達成しなが
ら、乗り心地を向上させることができるという効果が得
られる。
両懸架装置は、操舵速度が低下したり所定時間が経過し
たら、速やかに初期ロール制御あるいはロール制御を解
錠するようにしているため、ロール抑制は達成しなが
ら、乗り心地を向上させることができるという効果が得
られる。
【0053】また、請求項4記載の車両懸架装置は、ロ
ールを抑制する方向に減衰係数を高めた際に、その反対
方向は、低減衰係数としているので、この方向の路面入
力が少なく、乗り心地を向上させることができるという
効果が得られる。
ールを抑制する方向に減衰係数を高めた際に、その反対
方向は、低減衰係数としているので、この方向の路面入
力が少なく、乗り心地を向上させることができるという
効果が得られる。
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
ある。
【図2】本発明実施例の車両懸架装置を示す構成説明図
である。
である。
【図3】実施例の車両懸架装置を示すシステムブロック
図である。
図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰係数特性図である。
ップ位置に対応した減衰係数特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のM
−M断面図である。
−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置のコントロールユニットの作動を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図15】実施例装置の通常制御の場合の作動を示すタ
イムチャートである。
イムチャートである。
【図16】実施例装置の初期ロール制御およびロール制
御の作動を示すタイムチャートである。
御の作動を示すタイムチャートである。
a 減衰係数変更手段 b ショックアブソーバ c 車両挙動検出手段 d ロールレート検出手段 e 操舵速度検出手段 f 減衰係数制御手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する伸側減
衰バルブ12および圧側減衰バルブ20が設けられてい
る。また、ピストン31を貫通しているピストンロッド
7の先端部には、上部室Aと下部室Bとを連通する連通
孔39が形成され、さらに、この連通孔39の流路断面
積を変更するための調整子40と、流体の流通の方向に
応じて流体の連通孔39の流通を許容・遮断する伸側チ
ェックバルブ17および圧側チェックバルブ22が設け
られている。なお、この調整子40は、前記パルスモー
タ3により回転されるようになっている(図4参照)。
また、ピストンロッド7の先端部には、上から順に第1
ポート21,第2ポート13,第3ポート18,第4ポ
ート14,第5ポート16が形成されている。また、図
中38は圧側チェックバルブ22が着座するリテーナで
ある。
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する伸側減
衰バルブ12および圧側減衰バルブ20が設けられてい
る。また、ピストン31を貫通しているピストンロッド
7の先端部には、上部室Aと下部室Bとを連通する連通
孔39が形成され、さらに、この連通孔39の流路断面
積を変更するための調整子40と、流体の流通の方向に
応じて流体の連通孔39の流通を許容・遮断する伸側チ
ェックバルブ17および圧側チェックバルブ22が設け
られている。なお、この調整子40は、前記パルスモー
タ3により回転されるようになっている(図4参照)。
また、ピストンロッド7の先端部には、上から順に第1
ポート21,第2ポート13,第3ポート18,第4ポ
ート14,第5ポート16が形成されている。また、図
中38は圧側チェックバルブ22が着座するリテーナで
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
Claims (4)
- 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
係数変更手段により減衰係数を複数変更可能に形成され
たショックアブソーバと、 車両挙動を検出する車両挙動検出手段と、 車体のロールレートを検出するロールレート検出手段
と、 操舵速度を検出する操舵速度検出手段と、 通常時には、通常切換モードにより車両挙動に応じて最
適減衰係数を設定する通常制御を行い、操舵速度が第1
のしきい値以上で第2のしきい値未満である時には、通
常切換モードよりも最低減衰係数を高くした高減衰モー
ドにより車両挙動に応じて最適減衰係数を設定する初期
ロール制御を行い、さらに、操舵速度が第2のしきい値
以上となった時には、ロールレートに基づき、車体が沈
み込む側のショックアブソーバの少なくとも圧側を高減
衰係数とすると共に、車体が浮き上がる側のショックア
ブソーバの少なくとも伸側を高減衰係数とするロール制
御を行う減衰係数制御手段と、を備えていることを特徴
とする車両懸架装置。 - 【請求項2】 前記減衰係数制御手段が、前記初期ロー
ル制御およびロール制御の解除を、操舵速度が各しきい
値未満となったら行うことを特徴とする請求項1記載の
車両懸架装置。 - 【請求項3】 前記減衰係数制御手段が、前記初期ロー
ル制御およびロール制御の解除を、各制御を開始してか
ら所定時間が経過したことにより行うことを特徴とする
請求項1記載の車両懸架装置。 - 【請求項4】 前記ショックアブソーバの減衰係数変更
手段が、伸側と圧側とを独立して減衰係数を変更可能に
形成されていると共に、伸側・圧側の一方の減衰係数を
変更するときには他方を低減衰係数に固定する構造に形
成されていることを特徴とする請求項1もしくは2もし
くは3記載の車両懸架装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30753091A JPH06219132A (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 車両懸架装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30753091A JPH06219132A (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 車両懸架装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06219132A true JPH06219132A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=17970202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30753091A Pending JPH06219132A (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 車両懸架装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06219132A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012063657A1 (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-18 | カヤバ工業株式会社 | サスペンション装置 |
CN111137092A (zh) * | 2018-11-06 | 2020-05-12 | 本田技研工业株式会社 | 用于车辆的悬架控制系统 |
US11192420B2 (en) * | 2015-06-03 | 2021-12-07 | ClearMotion, Inc. | Methods and systems for controlling vehicle body motion and occupant experience |
-
1991
- 1991-11-22 JP JP30753091A patent/JPH06219132A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012063657A1 (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-18 | カヤバ工業株式会社 | サスペンション装置 |
JP2012101666A (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-31 | Kyb Co Ltd | サスペンション装置 |
US9340088B2 (en) | 2010-11-10 | 2016-05-17 | Kyb Corporation | Suspension device |
US11192420B2 (en) * | 2015-06-03 | 2021-12-07 | ClearMotion, Inc. | Methods and systems for controlling vehicle body motion and occupant experience |
US20220126640A1 (en) * | 2015-06-03 | 2022-04-28 | ClearMotion, Inc. | Methods and systems for controlling vehicle body motion and occupant experience |
US11850904B2 (en) * | 2015-06-03 | 2023-12-26 | ClearMotion, Inc. | Methods and systems for controlling vehicle body motion and occupant experience |
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