JPH06173169A - 合成繊維用処理剤 - Google Patents
合成繊維用処理剤Info
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- JPH06173169A JPH06173169A JP4324203A JP32420392A JPH06173169A JP H06173169 A JPH06173169 A JP H06173169A JP 4324203 A JP4324203 A JP 4324203A JP 32420392 A JP32420392 A JP 32420392A JP H06173169 A JPH06173169 A JP H06173169A
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- yarn
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高強力低収縮特性が要求される産業資材用合
成繊維を効率良く製造するに適した処理剤を提供する。 【構成】 (a)分子量が600以上のエステル系平滑
剤を主成分とする平滑剤50〜80%、(b)分子量が
5000以上で且つ15℃で液状を呈する高分子活性剤
1〜20%、(c)ポリフェニレンエーテル0.1〜5
%、及び(d)分子量が600以上のノニオン活性剤を
35%以下、を含有し且つ(a)、(b)、(c)の合
計が90%以下である処理剤。
成繊維を効率良く製造するに適した処理剤を提供する。 【構成】 (a)分子量が600以上のエステル系平滑
剤を主成分とする平滑剤50〜80%、(b)分子量が
5000以上で且つ15℃で液状を呈する高分子活性剤
1〜20%、(c)ポリフェニレンエーテル0.1〜5
%、及び(d)分子量が600以上のノニオン活性剤を
35%以下、を含有し且つ(a)、(b)、(c)の合
計が90%以下である処理剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成繊維用処理剤に関
する。さらに詳しくは、高強力低収縮特性が要求される
産業資材用合成繊維を効率良く製造するに特に適した新
規な処理剤に関する。
する。さらに詳しくは、高強力低収縮特性が要求される
産業資材用合成繊維を効率良く製造するに特に適した新
規な処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維の製造では、目的に応じ
種々の処理剤が紡糸・延伸工程で付与されてきたが、近
年、生産性あるいは品質向上のために、紡糸延伸工程の
速度が速くなり、またより低収縮の繊維を得るための熱
処理温度が高くなりつつある。このため、高温高接圧時
の油膜強度が優れ、且つ耐熱性にも優れている処理剤が
要求されている。
種々の処理剤が紡糸・延伸工程で付与されてきたが、近
年、生産性あるいは品質向上のために、紡糸延伸工程の
速度が速くなり、またより低収縮の繊維を得るための熱
処理温度が高くなりつつある。このため、高温高接圧時
の油膜強度が優れ、且つ耐熱性にも優れている処理剤が
要求されている。
【0003】かかる要求を満足させるために、特定分子
量のエステル系平滑剤とノニオン系活性剤に加えて、1
5℃で液状を呈する分子量が5000以上の高分子活性
剤を特定量配合した処理剤が提案されている(特開平2
―145867号公報)。しかしながら、上記組み合わ
せのみでは、紡糸延伸性は良好であるものの、繊維・繊
維間摩擦が低下しすぎて巻き取ったボビンで糸条の巻き
崩れが発生し易いといった問題がある。
量のエステル系平滑剤とノニオン系活性剤に加えて、1
5℃で液状を呈する分子量が5000以上の高分子活性
剤を特定量配合した処理剤が提案されている(特開平2
―145867号公報)。しかしながら、上記組み合わ
せのみでは、紡糸延伸性は良好であるものの、繊維・繊
維間摩擦が低下しすぎて巻き取ったボビンで糸条の巻き
崩れが発生し易いといった問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題が解消され、高接圧時の摩擦が小さく、
耐熱性も良好で、且つ巻き取った糸条の巻き崩れも発生
し難い新規な合成繊維用処理剤を提供することにある。
従来技術の問題が解消され、高接圧時の摩擦が小さく、
耐熱性も良好で、且つ巻き取った糸条の巻き崩れも発生
し難い新規な合成繊維用処理剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定分子量のエステ
ル系平滑剤、エステル系又はエーテル系高分子活性剤及
び非イオン活性剤に加えて、特定のポリフェニレンエー
テルを少量併用すれば、耐熱性、高接圧時の耐摩擦性を
悪化させることなく、低接圧時の繊維・繊維間摩擦を上
げることができてボビンでの巻き崩れが発生し難くなる
ことを見い出し本発明に到達した。
を達成するため鋭意検討した結果、特定分子量のエステ
ル系平滑剤、エステル系又はエーテル系高分子活性剤及
び非イオン活性剤に加えて、特定のポリフェニレンエー
テルを少量併用すれば、耐熱性、高接圧時の耐摩擦性を
悪化させることなく、低接圧時の繊維・繊維間摩擦を上
げることができてボビンでの巻き崩れが発生し難くなる
ことを見い出し本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、(a)分子量が600
以上のエステル系平滑剤を主成分とする平滑剤(A成
分)を50〜80重量%、(b)分子量が5000以上
で且つ15℃で液状を呈するエステル系又はエーテル系
高分子活性剤(B成分)を1〜20重量%、(c)ポリ
フェニレンエーテル(C成分)を0.1〜5重量%、
(d)分子量が600以上の非イオン活性剤(D成分)
を35重量%以下、を含有し、且つWA +WB +WC が
90重量%以下であることを特徴とする合成繊維用処理
剤、[但し、WA 、WB 、WC は夫々A成分、B成分及
びC成分の含有量を表わす。]である。
以上のエステル系平滑剤を主成分とする平滑剤(A成
分)を50〜80重量%、(b)分子量が5000以上
で且つ15℃で液状を呈するエステル系又はエーテル系
高分子活性剤(B成分)を1〜20重量%、(c)ポリ
フェニレンエーテル(C成分)を0.1〜5重量%、
(d)分子量が600以上の非イオン活性剤(D成分)
を35重量%以下、を含有し、且つWA +WB +WC が
90重量%以下であることを特徴とする合成繊維用処理
剤、[但し、WA 、WB 、WC は夫々A成分、B成分及
びC成分の含有量を表わす。]である。
【0007】本発明の対象とする合成繊維は、従来産業
資材用として用いられているものであれば特に制限され
ず、例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミ
ド繊維等をあげることができ、特にポリエチレンテレフ
タレート繊維が好適である。
資材用として用いられているものであれば特に制限され
ず、例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミ
ド繊維等をあげることができ、特にポリエチレンテレフ
タレート繊維が好適である。
【0008】かかる合成繊維に付与される本発明の処理
剤は、分子量が600以上のエステル系平滑剤を主成分
とする平滑剤(A成分)が50〜80重量%含有してい
ることが必要である(ここで主成分とは、A成分中の5
0重量%以上、好ましくは80重量%以上であることを
いう)。エステル系平滑剤の分子量が600未満もしく
はA成分中の割合が50重量%未満の場合には、処理剤
の耐熱性が劣り、製糸時あるいは後加工時に施される熱
により揮散し易く、発煙が生じて作業環境汚染の要因と
なるだけでなく、熱ローラー、糸導等にタールを形成し
て単糸切れや製品汚染等の要因ともなるため好ましくな
い。また、A成分の含有量が50重量%未満の場合に
は、処理剤の平滑性が低下して延伸熱処理時の断糸、コ
ード・布帛等になした時の強力低下が起るため好ましく
ない。
剤は、分子量が600以上のエステル系平滑剤を主成分
とする平滑剤(A成分)が50〜80重量%含有してい
ることが必要である(ここで主成分とは、A成分中の5
0重量%以上、好ましくは80重量%以上であることを
いう)。エステル系平滑剤の分子量が600未満もしく
はA成分中の割合が50重量%未満の場合には、処理剤
の耐熱性が劣り、製糸時あるいは後加工時に施される熱
により揮散し易く、発煙が生じて作業環境汚染の要因と
なるだけでなく、熱ローラー、糸導等にタールを形成し
て単糸切れや製品汚染等の要因ともなるため好ましくな
い。また、A成分の含有量が50重量%未満の場合に
は、処理剤の平滑性が低下して延伸熱処理時の断糸、コ
ード・布帛等になした時の強力低下が起るため好ましく
ない。
【0009】好ましく用いられるエステル系平滑剤とし
ては、分子量が600以上であれば特に限定されず、例
えば、高級アルコールと高級脂肪酸との一価エステル、
高級アルコールと脂肪族二塩基酸との多価エステル、多
価アルコールと高級脂肪酸との多価エステル(天然油を
含む)、チオジプロピオン酸と高級アルコールとの多価
エステル等があげられ、具体的にはイソペンタコシルオ
レート、イソテトラコンチルオレート、ジイソステアリ
ルチオジプロピオネート、ジオレイルチオジプロピオネ
ート、ジオレイルアジペート等が好適である。なかでも
チオジプロピオン酸エステル系の平滑剤は、耐熱性が良
好なので特に好ましい。
ては、分子量が600以上であれば特に限定されず、例
えば、高級アルコールと高級脂肪酸との一価エステル、
高級アルコールと脂肪族二塩基酸との多価エステル、多
価アルコールと高級脂肪酸との多価エステル(天然油を
含む)、チオジプロピオン酸と高級アルコールとの多価
エステル等があげられ、具体的にはイソペンタコシルオ
レート、イソテトラコンチルオレート、ジイソステアリ
ルチオジプロピオネート、ジオレイルチオジプロピオネ
ート、ジオレイルアジペート等が好適である。なかでも
チオジプロピオン酸エステル系の平滑剤は、耐熱性が良
好なので特に好ましい。
【0010】本発明の処理剤を構成する高分子活性剤
(B)としては、従来提案されているポリエーテル系、
ポリエステル系いずれをも使用することができ、エステ
ル系高分子活性剤としては、多価アルコールとヒドロキ
シカルボン酸とからなるエステルのアルキレンオキシド
付加物とマレイン酸を重合して得られるアルキレンオキ
シド変性ポリエステル、ポリアルキレングリコール類と
二塩基酸から得られるポリエステル等をあげることがで
き、特に末端などについては何ら限定する必要はない。
すなわち、ポリアルキレングリコール類を主鎖、側鎖何
れかに有する高分子量ポリエステルであれば良い。具体
的には、例えば、エチレンオキシドを付加したひまし油
とマレイン酸又は無水マレイン酸からのポリエステル、
アルキレンオキシド付加のポリテトラメチレングリコー
ルとマレイン酸又は無水マレイン酸からのポリエステル
等があげられる。
(B)としては、従来提案されているポリエーテル系、
ポリエステル系いずれをも使用することができ、エステ
ル系高分子活性剤としては、多価アルコールとヒドロキ
シカルボン酸とからなるエステルのアルキレンオキシド
付加物とマレイン酸を重合して得られるアルキレンオキ
シド変性ポリエステル、ポリアルキレングリコール類と
二塩基酸から得られるポリエステル等をあげることがで
き、特に末端などについては何ら限定する必要はない。
すなわち、ポリアルキレングリコール類を主鎖、側鎖何
れかに有する高分子量ポリエステルであれば良い。具体
的には、例えば、エチレンオキシドを付加したひまし油
とマレイン酸又は無水マレイン酸からのポリエステル、
アルキレンオキシド付加のポリテトラメチレングリコー
ルとマレイン酸又は無水マレイン酸からのポリエステル
等があげられる。
【0011】一方エーテル系高分子活性剤としては、エ
チレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(P
O)、ブチレンオキシド(BO)等のアルキレンオキシ
ドを重合したもの(ホモポリマー、コポリマー)、又は
多価アルコールに上記アルキレンオキシドを付加重合し
たものをあげることができる。かかる化合物の末端基は
水酸基であっても、アルコキシ基、フェノキシ基であっ
てもよい。また共重合比率についても15℃で液状を呈
するならば特に限定する必要はない。好ましい例として
は、ポリテトラメチレングリコールもしくはポリエチレ
ングリコールの両末端にエチレンオキサイドとプロピレ
ンオキシドをランダム付加重合したものをあげることが
できる。
チレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(P
O)、ブチレンオキシド(BO)等のアルキレンオキシ
ドを重合したもの(ホモポリマー、コポリマー)、又は
多価アルコールに上記アルキレンオキシドを付加重合し
たものをあげることができる。かかる化合物の末端基は
水酸基であっても、アルコキシ基、フェノキシ基であっ
てもよい。また共重合比率についても15℃で液状を呈
するならば特に限定する必要はない。好ましい例として
は、ポリテトラメチレングリコールもしくはポリエチレ
ングリコールの両末端にエチレンオキサイドとプロピレ
ンオキシドをランダム付加重合したものをあげることが
できる。
【0012】かかるB成分は、分子量が5000以上で
且つ15℃で液状を呈する必要があり、またその含有量
は1〜20重量%とする必要がある。分子量が5000
未満の場合もしくは含有量が1重量%未満の場合には、
油膜強度が低下して高接圧時の摩擦が増加し、厳しい製
糸条件下では延伸性が低下するため好ましくない。一方
含有量が20重量%を越える場合には、低接圧時の繊維
・繊維間の摩擦が小さくなりすぎ、糸条を巻き取り中も
しくは巻き取り後に巻き崩れが発生し易くなるので好ま
しくない。
且つ15℃で液状を呈する必要があり、またその含有量
は1〜20重量%とする必要がある。分子量が5000
未満の場合もしくは含有量が1重量%未満の場合には、
油膜強度が低下して高接圧時の摩擦が増加し、厳しい製
糸条件下では延伸性が低下するため好ましくない。一方
含有量が20重量%を越える場合には、低接圧時の繊維
・繊維間の摩擦が小さくなりすぎ、糸条を巻き取り中も
しくは巻き取り後に巻き崩れが発生し易くなるので好ま
しくない。
【0013】次に本発明においては、ポリフェニレンエ
ーテルを0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量
%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%含有している
点に最大の特徴を有し、0.1重量%未満では低接圧時
の摩擦増加効果が不充分で巻き崩れ抑制効果は得られな
い。一方5重量%を越える場合には、処理剤自体の粘度
が大きくなりすぎ、巻き崩れ現象は抑制されてもガイド
等との走行摩擦が大きくなるため毛羽が発生し易くなり
好ましくない。
ーテルを0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量
%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%含有している
点に最大の特徴を有し、0.1重量%未満では低接圧時
の摩擦増加効果が不充分で巻き崩れ抑制効果は得られな
い。一方5重量%を越える場合には、処理剤自体の粘度
が大きくなりすぎ、巻き崩れ現象は抑制されてもガイド
等との走行摩擦が大きくなるため毛羽が発生し易くなり
好ましくない。
【0014】ここでいうポリフェニレンエーテルとは、
例えばフェニルフェノール、フェノキシフェノール等の
フェノール誘導体と芳香族ハロゲン化合物とを原料とし
て、ウルマン反応により合成されるもので、下記式で表
わされるものが好ましく用いられる。
例えばフェニルフェノール、フェノキシフェノール等の
フェノール誘導体と芳香族ハロゲン化合物とを原料とし
て、ウルマン反応により合成されるもので、下記式で表
わされるものが好ましく用いられる。
【0015】
【化1】
【0016】式中、Arはフェニレン基を表わし、なか
でもm―フェニレン基が好ましい。またRは炭素数12
〜20のアルキル基であることが、他の処理剤成分との
相溶性向上、処理剤の粘度低下による走行摩擦低下の点
で好ましい。またlは1〜4の整数、mは0又は1、n
は0〜2の整数を表わす。
でもm―フェニレン基が好ましい。またRは炭素数12
〜20のアルキル基であることが、他の処理剤成分との
相溶性向上、処理剤の粘度低下による走行摩擦低下の点
で好ましい。またlは1〜4の整数、mは0又は1、n
は0〜2の整数を表わす。
【0017】かかるポリフェニレンエーテルの具体例と
しては、例えば、
しては、例えば、
【0018】
【化2】
【0019】等をあげることができ、なかでもジドデシ
ルジフェニルエーテルは粘度が低いので特に好ましい。
ルジフェニルエーテルは粘度が低いので特に好ましい。
【0020】非イオン活性剤(D成分)としては、乳化
作用を有するとともに発煙性、平滑性に優れるエチレン
オキサイド付加アルキル(ベンジル)フェノール、多価
アルコールの誘導体、例えばヒマシ油、硬化ヒマシ油、
トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコー
ルにエチレンオキシドを5〜40モル付加したもの、及
びこれらのエチレンオキシド付加多価アルコールと脂肪
族カルボン酸のエステル等があげられる。具体的には、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレート等があげられる。かか
る非イオン活性剤(D成分)の分子量は600以上で、
その使用割合は35重量%以下である必要がある。分子
量が600未満の場合には処理剤の発煙性が多くなる
し、一方使用割合が35重量%を越えると平滑性が損な
われるため好ましくない。
作用を有するとともに発煙性、平滑性に優れるエチレン
オキサイド付加アルキル(ベンジル)フェノール、多価
アルコールの誘導体、例えばヒマシ油、硬化ヒマシ油、
トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコー
ルにエチレンオキシドを5〜40モル付加したもの、及
びこれらのエチレンオキシド付加多価アルコールと脂肪
族カルボン酸のエステル等があげられる。具体的には、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレート等があげられる。かか
る非イオン活性剤(D成分)の分子量は600以上で、
その使用割合は35重量%以下である必要がある。分子
量が600未満の場合には処理剤の発煙性が多くなる
し、一方使用割合が35重量%を越えると平滑性が損な
われるため好ましくない。
【0021】なかでもD成分の一部としてエチレンオキ
サイド付加アルキルフェノール又はエチレンオキサイド
付加アルキルベンジルフェノールを5〜15重量%併用
する場合には、ポリフェニレンエーテルの含有量が0.
1〜0.5重量%と少ない範囲でもボビンの巻き崩れは
発生し難くなり、またポリフェニレンエーテルの含有量
が少ないことから糸条の走行摩擦増加がほとんどなく、
製糸製織時の毛羽発生も抑制されるので好ましい。
サイド付加アルキルフェノール又はエチレンオキサイド
付加アルキルベンジルフェノールを5〜15重量%併用
する場合には、ポリフェニレンエーテルの含有量が0.
1〜0.5重量%と少ない範囲でもボビンの巻き崩れは
発生し難くなり、またポリフェニレンエーテルの含有量
が少ないことから糸条の走行摩擦増加がほとんどなく、
製糸製織時の毛羽発生も抑制されるので好ましい。
【0022】なお、本処理剤中では、A+B+Cの使用
比率を90重量%以下とする必要がある。90重量%を
越えると処理剤の乳化性が悪くなるので好ましくない。
比率を90重量%以下とする必要がある。90重量%を
越えると処理剤の乳化性が悪くなるので好ましくない。
【0023】本発明の処理剤は、上記A、B、C成分の
他に、制電剤、乳化補助剤、酸化安定剤、シリコーン、
天然ワックス類等を少量添加しても何ら差し支えない。
例えば制電剤としては、オレイルフォスフェートの塩
(Na、K、アミン等)、ポリオキシエチレンオレイル
フォスフェートの塩(Na、K、アミン等)、ジオクチ
ルスルフォサクシネートNa塩、アルカンスルフォネー
ト塩(Na、K、アミン等)があげられる。
他に、制電剤、乳化補助剤、酸化安定剤、シリコーン、
天然ワックス類等を少量添加しても何ら差し支えない。
例えば制電剤としては、オレイルフォスフェートの塩
(Na、K、アミン等)、ポリオキシエチレンオレイル
フォスフェートの塩(Na、K、アミン等)、ジオクチ
ルスルフォサクシネートNa塩、アルカンスルフォネー
ト塩(Na、K、アミン等)があげられる。
【0024】かかる処理剤を合成繊維に付与するには、
非含水型又は水で乳化したエマルジョンの形で、紡糸工
程において、ローラー給油、ノズル給油など従来より公
知の方法をとりうるが、高速製糸、高温熱処理を行なう
必要がある場合には、非含水型処理剤をノズル給油法で
行うことが好ましい。
非含水型又は水で乳化したエマルジョンの形で、紡糸工
程において、ローラー給油、ノズル給油など従来より公
知の方法をとりうるが、高速製糸、高温熱処理を行なう
必要がある場合には、非含水型処理剤をノズル給油法で
行うことが好ましい。
【0025】処理剤の付着量は、繊維に対し0.3〜
1.5重量%、好ましくは0.3〜1.0重量%とする
のが望ましい。
1.5重量%、好ましくは0.3〜1.0重量%とする
のが望ましい。
【0026】
【発明の作用効果】本発明の処理剤には、分子量が60
0以上のエステル系平滑剤を主体成分として配合してい
るので、走行糸と糸導等との摩擦抵抗が低減され、製糸
及び製織時の単糸切れ、毛羽発生が極めて少なくなるも
のである。さらに、上記処理剤には平均分子量5000
以上のエステル系又はエーテル系の高分子活性剤が配合
されており、該化合物は他の油剤成分との混和性に優れ
且つ高分子量であるためと推定されるが、繊維上に付着
している処理剤の油膜が強化されて、特に高接圧下で繊
維と繊維が擦過する場合に繊維と繊維が直接接触するの
を防ぎ、繊維間の潤滑性を向上せしめて耐摩耗性を向上
せしめる。したがって、かかる繊維を産業資材用高密度
織物用として用いることによって、繊維間の拘束力が軽
減でき、また異常な応力集中を抑制できるので、織物の
強力をより理想値に近づけることが可能となる。また、
繊維間の耐摩耗性も向上するので、その使用時の強力保
持性も向上し、その耐久力が著しく向上するのである。
0以上のエステル系平滑剤を主体成分として配合してい
るので、走行糸と糸導等との摩擦抵抗が低減され、製糸
及び製織時の単糸切れ、毛羽発生が極めて少なくなるも
のである。さらに、上記処理剤には平均分子量5000
以上のエステル系又はエーテル系の高分子活性剤が配合
されており、該化合物は他の油剤成分との混和性に優れ
且つ高分子量であるためと推定されるが、繊維上に付着
している処理剤の油膜が強化されて、特に高接圧下で繊
維と繊維が擦過する場合に繊維と繊維が直接接触するの
を防ぎ、繊維間の潤滑性を向上せしめて耐摩耗性を向上
せしめる。したがって、かかる繊維を産業資材用高密度
織物用として用いることによって、繊維間の拘束力が軽
減でき、また異常な応力集中を抑制できるので、織物の
強力をより理想値に近づけることが可能となる。また、
繊維間の耐摩耗性も向上するので、その使用時の強力保
持性も向上し、その耐久力が著しく向上するのである。
【0027】また本発明の処理剤には、さらにポリフェ
ニレンエーテル(C)を特定量配合しているので、上記
高分子活性剤の使用による低接圧下での繊維・繊維間の
摩擦低下が抑制され、一方高接圧下での繊維・繊維間の
摩擦はそれほど増大させない。その結果、高接圧下で走
行する糸条と糸導との摩擦による単糸切れ、毛羽発生を
悪化させることなく、糸条をボビンに巻取る際の巻き崩
れを抑制することができるのである。
ニレンエーテル(C)を特定量配合しているので、上記
高分子活性剤の使用による低接圧下での繊維・繊維間の
摩擦低下が抑制され、一方高接圧下での繊維・繊維間の
摩擦はそれほど増大させない。その結果、高接圧下で走
行する糸条と糸導との摩擦による単糸切れ、毛羽発生を
悪化させることなく、糸条をボビンに巻取る際の巻き崩
れを抑制することができるのである。
【0028】かかる特徴を有する本発明の処理剤は、特
に産業資材織物用繊維に適しており、シートベルトのよ
うに染色加工や樹脂加工が施される高強力、耐摩耗性高
密度織物用として適した処理剤である。すなわち、製織
時に受ける糸導ガイド類との擦過による織物品位性能の
低下が少なく、また染色加工を経た製品織物中の繊維間
の耐摩耗性が向上するので力学的特性及び耐久性の優れ
た織物の得られる繊維が、工程安定性良く得られるので
ある。
に産業資材織物用繊維に適しており、シートベルトのよ
うに染色加工や樹脂加工が施される高強力、耐摩耗性高
密度織物用として適した処理剤である。すなわち、製織
時に受ける糸導ガイド類との擦過による織物品位性能の
低下が少なく、また染色加工を経た製品織物中の繊維間
の耐摩耗性が向上するので力学的特性及び耐久性の優れ
た織物の得られる繊維が、工程安定性良く得られるので
ある。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述す
る。なお、各評価項目は下記に従った。 高接圧時繊維・繊維間摩擦(極圧摩擦) 繊維の一端をUゲージに固定し、プーリーにかけ、さら
に撚を3回かけて、荷重3kg(T1 )により引っ張る。
繊維―繊維間の交差角度を20°にとり、Uゲージを
0.1cm/分の速度で引張、Uゲージに感知される張力
(T2 )を測定し、極圧摩擦(T2 −T1 )を求めた。 製糸性 径60mm、長さ600mmのボビンに500mmの巾で10
kg巻取り、表面の長さ1mm以上の毛羽の数を測定した。 低接圧時繊維・繊維間摩擦(μ F/F) 約500mの糸を直径5cm、長さ30cmの円筒の周り
に、ラセン角±15度で巻張力約20gで巻き付ける。
同じ糸を約30cmとり、この円筒の上に掛けて片方に6
0gの荷重をかけ、反対側にUゲージをおいて、円筒を
0.1m/min の周速で回転させ、張力を測定した。 巻き姿 上記10kg巻きボビンの中央部外径L0 (mm)と端部外
径L1 (mm)との差(L0 −L1 )で表わす。この値が
5以上では巻き崩れが発生し易くなる。 走行摩擦(μd F/M) 直径50mmの梨地表面クロムメッキピンに、糸条を巻き
角180°、荷重20gで接圧し、糸速度300m/分
で走行させて摩擦係数を測定した。
る。なお、各評価項目は下記に従った。 高接圧時繊維・繊維間摩擦(極圧摩擦) 繊維の一端をUゲージに固定し、プーリーにかけ、さら
に撚を3回かけて、荷重3kg(T1 )により引っ張る。
繊維―繊維間の交差角度を20°にとり、Uゲージを
0.1cm/分の速度で引張、Uゲージに感知される張力
(T2 )を測定し、極圧摩擦(T2 −T1 )を求めた。 製糸性 径60mm、長さ600mmのボビンに500mmの巾で10
kg巻取り、表面の長さ1mm以上の毛羽の数を測定した。 低接圧時繊維・繊維間摩擦(μ F/F) 約500mの糸を直径5cm、長さ30cmの円筒の周り
に、ラセン角±15度で巻張力約20gで巻き付ける。
同じ糸を約30cmとり、この円筒の上に掛けて片方に6
0gの荷重をかけ、反対側にUゲージをおいて、円筒を
0.1m/min の周速で回転させ、張力を測定した。 巻き姿 上記10kg巻きボビンの中央部外径L0 (mm)と端部外
径L1 (mm)との差(L0 −L1 )で表わす。この値が
5以上では巻き崩れが発生し易くなる。 走行摩擦(μd F/M) 直径50mmの梨地表面クロムメッキピンに、糸条を巻き
角180°、荷重20gで接圧し、糸速度300m/分
で走行させて摩擦係数を測定した。
【0030】
【実施例1】固有粘度0.95のポリエチレンテレフタ
レートを溶融吐出して250フィラメントの糸条とな
し、この糸条の固化後オイリングローラーを介して表1
に示す処理剤エマルジョンを、処理剤純分にして糸重量
に対して0.5重量%となるように付与し、引取り後一
旦巻き取ることなく延伸熱セットして1500de/2
50filの延伸糸を得た。この際熱セット温度は23
0℃、巻取速度は5000m/分であった。結果は表3
に示す。
レートを溶融吐出して250フィラメントの糸条とな
し、この糸条の固化後オイリングローラーを介して表1
に示す処理剤エマルジョンを、処理剤純分にして糸重量
に対して0.5重量%となるように付与し、引取り後一
旦巻き取ることなく延伸熱セットして1500de/2
50filの延伸糸を得た。この際熱セット温度は23
0℃、巻取速度は5000m/分であった。結果は表3
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/53 // D06M 101:30 D06M 13/20 15/53
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)分子量が600以上のエステル系
平滑剤を主成分とする平滑剤(A成分)を50〜80重
量%、(b)分子量が5000以上で且つ15℃で液状
を呈するエステル系又はエーテル系高分子活性剤(B成
分)を1〜20重量%、(c)ポリフェニレンエーテル
(C成分)を0.1〜5重量%、(d)分子量が600
以上の非イオン活性剤(D成分)を35重量%以下、を
含有し、且つWA +WB +WC が90重量%以下である
ことを特徴とする合成繊維用処理剤。[但し、WA 、W
B 、WC は夫々A成分、B成分及びC成分の含有量を表
わす。]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4324203A JPH06173169A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 合成繊維用処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4324203A JPH06173169A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 合成繊維用処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06173169A true JPH06173169A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18163213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4324203A Pending JPH06173169A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 合成繊維用処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06173169A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002235259A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-23 | Asahi Kasei Corp | エアバッグ用基布およびエアバッグ |
JPWO2005040081A1 (ja) * | 2003-10-23 | 2007-03-08 | 株式会社松村石油研究所 | アルキル置換ジフェニルエーテル化合物およびそれを含有する組成物 |
WO2007108206A1 (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. | 繊維処理剤およびその応用 |
CN102947501A (zh) * | 2010-06-24 | 2013-02-27 | 松本油脂制药株式会社 | 气囊用合成纤维处理剂、气囊用合成纤维纤丝及气囊用基布 |
-
1992
- 1992-12-03 JP JP4324203A patent/JPH06173169A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002235259A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-23 | Asahi Kasei Corp | エアバッグ用基布およびエアバッグ |
JP4570260B2 (ja) * | 2001-02-02 | 2010-10-27 | 旭化成せんい株式会社 | エアバッグ用基布およびエアバッグ |
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JP4698422B2 (ja) * | 2003-10-23 | 2011-06-08 | 株式会社Moresco | アルキル置換ジフェニルエーテル化合物およびそれを含有する組成物 |
WO2007108206A1 (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. | 繊維処理剤およびその応用 |
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CN102947501A (zh) * | 2010-06-24 | 2013-02-27 | 松本油脂制药株式会社 | 气囊用合成纤维处理剂、气囊用合成纤维纤丝及气囊用基布 |
CN102947501B (zh) * | 2010-06-24 | 2014-11-26 | 松本油脂制药株式会社 | 气囊用合成纤维处理剂、气囊用合成纤维纤丝及气囊用基布 |
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