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JPH06170868A - 電気機器の製造法 - Google Patents

電気機器の製造法

Info

Publication number
JPH06170868A
JPH06170868A JP5560093A JP5560093A JPH06170868A JP H06170868 A JPH06170868 A JP H06170868A JP 5560093 A JP5560093 A JP 5560093A JP 5560093 A JP5560093 A JP 5560093A JP H06170868 A JPH06170868 A JP H06170868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
filler
torr
electric device
thermal conductivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5560093A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
Eiji Omori
英二 大森
Katsuhiko Yasu
克彦 安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP5560093A priority Critical patent/JPH06170868A/ja
Publication of JPH06170868A publication Critical patent/JPH06170868A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化性、耐クラック性、熱伝導率、作業性お
よび耐電圧特性に優れた電気機器の製造法を提供する。 【構成】 電気機器の所定部品を収納したケース内に、
平均粒子径が300μm以上のフィラーを充填した後、
熱硬化性樹脂組成物を100Torr以下の真空度で注
入し、硬化させることを特徴とする電気機器の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気機器の製造法に関
し、さらに詳しくは、硬化性、耐クラック性、熱伝導
率、作業性および耐電圧特性に優れた電気機器の製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、絶縁処理された電気機器は、プラ
スチックケースまたは金属ケースにコイル、回路部品等
の部品をセットし、これに樹脂と無機フィラーの均一混
合物を常圧または真空下で注入して硬化するポッティン
グ法によって製造されている。しかし、この方法では作
業性の面から混合する無機フィラーの添加量に限界があ
るため、製品価格が高くなる欠点がある。また樹脂組成
物が硬化する際に体積収縮が生じるため硬化物にクラッ
クが生じ、内臓されているコイルなどの部品に剥離やク
ラックが発生しやすくなる。さらに熱伝導率が悪いため
に機器の温度が高くなり、使用する温度が制限されるな
どの問題がある。さらにまた樹脂組成物と無機フィラー
を混合して真空下で脱泡した後に注入作業を行うため、
樹脂組成物の硬化時間の長いものを使用する必要があ
り、注入後の硬化時間が長くなり、作業工程の合理化、
省エネルギー化に限界がある。最近、上記の欠点を解決
する方法として、あらかじめフィラーを充填した後、樹
脂組成物を注入、硬化するという方法が検討されてい
る。この方法によれば、クラック性、熱伝導性、作業合
理化等の向上が図れるが、充填したフィラーに樹脂組成
物が含浸しにくく、硬化物にボイドが残り易く耐電圧特
性に劣るという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の欠点をなくし、硬化性、耐クラック性、熱伝導性
および絶縁特性に優れた電気機器の製造法を提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、電気機器の所
定部品を収納したケース内に、平均粒子径が300μm
以上のフィラーを充填した後、熱硬化性樹脂組成物を1
00Torr以下の真空度で注入し、硬化させることを
特徴とする電気機器の製造法に関する。
【0005】本発明に用いられるフィラーの平均粒子径
は300μm以上、好ましくは600〜1200μmと
される。粒子径は、JIS Z 2602−1976に
よって測定される。平均粒子径が300μm未満では、
粒子が細かく、粒子間隙が小さいため、ウレタン樹脂組
成物またはエポキシ樹脂組成物の注入時に未含浸部が残
り、熱伝導性が低下し、絶縁性も損なわれる。また部品
間にフィラーが不均一に充填され、機器全体の線膨張率
が不均一となり、ヒートサイクル時にコイルや部品の周
辺に剥離クラックが発生し、また基板のはんだ接合部に
はんだクラックが発生する。フィラーの種類には特に制
限はなく、例えば、硅砂、シリカ、アルミナ、水和アル
ミナ、クレー、マイカ、ガラスビーズ等を単独でまたは
2種以上混合して用いられる。これらの市販品には、パ
ールサンド4号、三河硅砂V−3(トウチュウ社製)、
GB−B(東芝バロティーニ社製)、AGSCO SI
LICA SAND#8−12(AGSCO社製)等が
挙げられる。これらは併用してもよい。さらに、これら
のフィラーは脱湿、脱水を目的として70〜600℃で
乾燥させることが好ましい。
【0006】本発明においては、フィラーは、エポキシ
基、アミノ基またはメルカプト基を有するシランカップ
リング剤、例えば、KBM−303、KBM−403、
KBM−503、KBM−603、KBM−803、K
BM−04(いずれも信越シリコーン社製商品名)、A
−187、A−1100、A−189(いずれも日本ユ
ニカ社製商品名)等で表面処理して用いてもよい。シラ
ンカップリング剤による処理は、例えば、フィラーを有
機溶剤に分散させ、これを撹拌しながらシランカップリ
ング剤を加え、フィラーを乾燥して行われる。またフィ
ラーを撹拌してシランカップリング剤の水溶液をスプレ
ーし、乾燥してもよい。フィラーの使用割合は、フィラ
ーと熱硬化性樹脂組成物の総量に対して70〜80重量
%の範囲とするのが好ましい。
【0007】本発明に用いられる熱硬化性樹脂組成物に
は、特に制限はないが、硬化性に優れ、蒸気圧が高く、
真空下で揮発成分の少ないウレタン樹脂組成物、エポキ
シ樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、シリコ
ーン樹脂組成物などが好ましい。ポリウレタン樹脂組成
物には、例えばポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネ
ートとの反応によって得られるポリウレタン樹脂が用い
られる。このポリヒドロキシ化合物としては、液状ポリ
ブタジエン系ポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルポリオール、アクリルポリオール、ヒマシ油
またはヒマシ油エステル交換物、トール油誘導体などが
用いられる。液状ポリブタジエン系ポリオールとしては
分子量が700〜8000、特に1000〜3000で
ある1,4−ポリブタジエン系ポリオールが好ましい。
この市販品としては、例えば商品名Poly bd R
−45HT、R−45M(出光石油化学社製)などが挙
げられる。ヒマシ油は、リシノール酸(1,2−ヒドロ
キシオレイン酸)を主成分とするトリグリセライドであ
り、分子内に約2.7の水酸基を有するものである。こ
の市販品としては、URIC−H−28、CAO(伊藤
製油社製)等が挙げられる。ヒマシ油エステル交換物
は、ヒマシ油と水酸基を実質上有しない天然油脂とのエ
ステル交換反応物であり、この市販品として、例えば商
品名URIC Y−403、URIC H−31(伊藤
製油社製)等が挙げられる。ウレタン樹脂組成物には、
例えばヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、オクタンジオ
ール、2−エチルヘキサンジオール、グリセリン、ペン
タエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの低分
子ポリオールを希釈剤として併用することも可能であ
る。また水酸基を有しない可塑剤、例えばジオクチルフ
タレート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホ
スフェート、クレジルジフェニルホスフェート等のフタ
ル酸エステル、リン酸エステルなどを併用することがで
きる。
【0008】ポリイソシアネートとしては、例えばトリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート、ト
リフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサンメチレン
ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、3
−イソシアネートエチル−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキシルイソシアネート、3−イソシアネートエチル
−3,5,5−トリエチルシクロヘキシルイソシアネー
ト、ジフェニルプロパンジイソシアネート、フェニレン
ジイソシアネート、シクロヘキシリレンジイソシアネー
ト、3,3′−ジイソシアネートジプロピルエーテル、
トリフェニルメタントリイソシアネート、ジフェニルエ
ーテル−4,4′−ジイソシアネートなどのポリイソシ
アネートまたは上記イソシアネートをフェノール類、オ
キシム類、イミド類、メルカプタン類、アルコール類、
ε−カプロラクタム、エチレンイミン、α−ピロリド
ン、マロン酸ジエチル、亜硫酸水素、ナトリウム、ホウ
酸等でブロック化したものなどが用いられる。これらは
単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いられる。ま
たジイソシアネートの重合物、これらの変性物等を用い
ることもできる。これらの例としては、商品名MR−1
00、MTL等がある。
【0009】本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物
は、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD
型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエス
テルなどを含有する。これらの樹脂としては特に制限は
ないが、常温で液状のものが好ましく、市販品として
は、エピコート828(シェル化学社製商品名)、GY
−260(チバガイギー社製商品名)、DER−331
(ダウケミカル社製商品名)等が挙げられる。これらは
併用することもできる。希釈剤としてジエチレングリコ
ールモノグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール等を用
いてもよい。これらのエポキシ樹脂の硬化剤には酸無水
物と硬化促進剤またはアミン化合物が用いられる。
【0010】酸無水物としては特に制限はないが、常温
で液体のものが好ましく、例えばメチルテトラヒドロ無
水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル
エンドメチレン無水フタル酸、ドデセニル無水フタル酸
等が用いられる。市販品としてはHN−2000(日立
化成社製商品名)、QH−200(日本ゼオン社製商品
名)等が挙げられる。これらは併用することもできる。
酸無水物の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対し
て50〜150重量部が好ましい。酸無水物の硬化促進
剤としては、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−4−メチルイミダゾール、1−
ベンジル−2−エチルイミダゾール等のイミダゾールお
よびその誘導体、トリスジメチルアミノフェノール、ベ
ンジンメチルアミン等の第3級アミン類などが用いられ
る。市販品としては2E4MZ、2E4MZ−CN(い
ずれも四国化成社製商品名)、BDMA(花王社製商品
名)等が挙げられる。硬化促進剤の配合量は、酸無水物
100重量部当たり0.1〜5.0重量部が好ましい。
アミン化合物としては、芳香族ポリアミン、その変性
物、脂肪族ポリアミン、その変性物、ビススピロ環ジア
ミンまたはその誘導体等があげられ、例えばジアミノジ
フェニルメタンとエポキシ樹脂の付加物等が用いられ
る。市販品としてはEH−520(旭電化社製商品
名)、EH−551(アデカ社製商品名)、アンカミン
2007(アンカーケミカル社製)等が挙げられる。こ
れらは併用することもできる。アミン化合物の配合量
は、エポキシ樹脂100重量部に対して5〜50重量部
が好ましい。不飽和ポリエステル樹脂組成物としては、
例えば不飽和多塩基酸またはその無水物および飽和多塩
基酸またはその無水物と、グリコール類とのエステル化
物に、ビニルモノマー等の架橋剤および硬化剤である過
酸化物を添加したものが用いられる。上記架橋剤として
は、真空下で揮発成分の少ない蒸気圧の高いものが好ま
しい。シリコーン樹脂組成物としては、例えばシロキサ
ン結合を有するシリコーンポリマーと、アルキシド樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂とを共重合または混合
したものに、パーオキサイドなどの硬化剤および白金化
合物などの硬化開始剤を添加したものが用いられる。
【0011】熱硬化性樹脂組成物には、特性を向上させ
るために結晶シリカ、溶融シリカ、水和アルミナ、酸化
アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビ
ーズ、水酸化マグネシウム、クレー等のフィラーを用い
てもよい。さらに必要に応じて赤リン、ヘキサブロモベ
ンゼン、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロ
モクレジルグリシジルエーテル、三酸化アンチモン等の
難燃剤、ベンガラ、酸化第2鉄、カーボン、チタンホワ
イト等の着色剤、シリコーン系消泡剤、シランカップリ
ング剤等の各種添加剤を配合させることができる。本発
明において、電気機器は、素子、基板、コイル、リード
線等の部品を収納したケース内にフィラーを充填し、こ
れに熱硬化性樹脂組成物を、真空度100Torr以下
で注入し、硬化して得られる。真空度が100Torr
を超えるとフィラーへの樹脂組成物の含浸性が低下し、
熱伝導率が低下し、絶縁性が損なわれる。本発明の適用
される電気機器としては、プラスチックまたは金属のケ
ースに、電気部品や電子部品を収納したトランス、ソレ
ノイドコイル、高圧トランス、電磁クラッチ、安定器、
モジュール、イグナイター、コントローラー、レギュレ
ーター、エアバックセンサー等の電気機器、セラミック
基板、プリント基板等の回路板を内蔵した電気機器等が
挙げられる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに制限されるものではない。なお、特性は
以下に示す方法で評価した。 (1)モデル含浸率:直径50mmのポリエチレン製ビ
ーカにフィラーを加振しながら充填した後、秤量してフ
ィラーの重量(W0g)を求めた。次に樹脂組成物を注
入し、10Torrの減圧下で10分間放置し、常圧、
80℃で3時間硬化させた。ついでポリエチレン製ビー
カから硬化物をとりだし、下部の樹脂組成物が含浸され
ず硬化物から分離されるフィラーの重量(W1g)を求
め、次式からモデル含浸率を算出した。
【数1】 モデル含浸率は、樹脂組成物がフィラー中に含浸した割
合を求めるものであり、未含浸部のフィラーが少なけれ
ばモデル含浸率が高くなり、含浸性に優れることを示
す。
【0013】(2)モデル機器への含浸性:1次コイ
ル、2次コイルおよび部品を金属ケースに収納したモデ
ル機器に、600℃で2時間乾燥したフィラーを、70
℃まで温度を下げて加振しながら充填した。次に樹脂組
成物を10Torrの減圧下で注入した後、10Tor
rで3分間放置し、常圧にもどし80℃で6時間硬化さ
せた。ついで得られたモデル機器を切断し、コイルおよ
び部品間隙への含浸状態と、フィラーに対する樹脂組成
物の含浸状態について観察し、次のように評価した。 ○:コイルおよび部品の間隙に含浸し、かつフィラーに
樹脂組成物が含浸している。 △:フィラーに樹脂組成物の未含浸部分の若干残る。 ×:フィラーに樹脂組成物の未含浸部分がかなり残る。 (3)耐クラック性:直径60mmの金属シャーレに1
/2インチの鉄製スプリングワッシャーをセットし、樹
脂組成物をワッシャーの上端まで注入、硬化して試験片
とした。その後、金属シャーレをはずし、JIS C
2105のヒートサイクル条件に従ってヒートサイクル
試験を行い、クラックの発生状況を観察し、クラックが
発生するサイクル数で示した。
【0014】(4)熱伝導率:直径50mmのポリエチ
レン製ビーカに、フィラーを加振しながら充填した。次
に樹脂組成物を注入し、10Torrの減圧下で10分
間放置し、常圧、80℃で3時間で硬化させ、直径50
mm、厚さ10mmの円板状の試験片を作製し、熱伝導
率測定器(ダイナテック社製)で熱伝導率(cal/c
m・sec・℃)を求めた (5)絶縁破壊強さ:3mm厚に調整した金型に600
℃で2時間乾燥したフィラーを70℃まで温度を下げて
加振しながら充填した。次に樹脂組成物を10Torr
の減圧下で注入した後、10Torrで3分間放置し、
常圧にもどし80℃で6時間硬化させた。ついで得られ
た3mm厚の樹脂硬化板に球一平板電極をセットし、絶
縁油中で短時間破壊電圧を測定した。
【0015】実施例1〜10 シランカップリング剤で表面処理した、表1に示すフィ
ラー((B)、(C)、(D)、(F)および(H))
を用い、かつ表2に示す配合で調製したウレタン樹脂組
成物またはエポキシ樹脂組成物を用い、前記試験方法に
従って樹脂組成物のモデル含浸性、モデル機器への含浸
性、耐クラック性、熱伝導率および絶縁破壊強さ(耐電
圧特性)を調べ、その結果を表2に示した。フィラーの
表面処理は、シランカップリング剤をメタノールに5重
量%となるように溶解し、この溶液にフィラーを加え撹
拌、混合後、溶液を取り除き60℃で5時間乾燥して行
った。
【表1】
【表2】 表2から、本実施例のいずれの場合も、樹脂組成物のモ
デル含浸性、モデル実機への含浸性、耐クラック性、熱
伝導率および絶縁破壊強さに優れることが示される。
【0016】比較例1〜5 実施例1において、シランカップリング剤で表面処理し
ていないフィラー(A)、(E)および(G)を用いた
以外は実施例1と同様にして特性を調べ、結果を表3に
示したが、いずれも耐電圧特性(絶縁破壊強さ)が低下
している。 比較例6 比較例1において、シランカップリング剤で表面処理し
ていない平均粒子径200μmのフィラー(I)を用い
た以外は比較例1と同様にして特性を調べ、結果を表3
に示したが、モデル含浸性およびモデル機器への含浸性
が著しく低下している。 比較例7 比較例1において、フィラーを用いなかった以外は比較
例1と同様にして特性を調べ、結果を表3に示したが、
耐クラック性および熱伝導率が著しく劣っている。
【表3】
【0017】実施例11〜19 表4に示すフィラー(J)および表5に示すフィラー
(K)を用い、かつ表6に示す配合で調整したウレタン
樹脂組成物またはエポキシ樹脂組成物を用い、前記試験
方法に従って硬化物のモデル含浸性、モデル機器への含
浸性、線膨張係数、耐クラック性、熱伝導率を調べ、そ
の結果を表6に示した。線膨張係数は次のように測定し
た。 線膨張係数:ケースに600℃で2時間乾燥したフィラ
ーを70℃まで温度を下げて加振しながら充てんした。
次に樹脂組成物を10Torrの減圧下で注入した後、
10Torrで3分間放置し、常圧にもどし80℃で6
時間硬化させた。ついで得られた硬化物より5mm×5
mm×2mmの試験片を切り出し、TMA熱物理試験機
(理学電気社製)を用いて線膨張係数(℃-1)を測定し
た。
【表4】
【表5】 表6から、本実施例のいずれの場合も、モデル含浸性、
モデル機器への含浸性、耐クラック性、熱伝導率に優れ
ることが示される。
【表6】
【0018】比較例8〜11 表7に示すフィラー(J)を使用せず、ポッティング処
理した比較例8〜11では、いずれもフィラー添加量が
少ないため線膨張係数が大きくなるため耐クラック性が
劣り、熱伝導率も著しく劣った。
【0019】比較例12 表7に示すフィラー(J)として平均粒子径が200μ
mの微粒のものを使用した比較例12では、モデル含浸
性およびモデル機器への含浸性が著しく低下した。
【0020】比較例13 表7に示すフィラー(J)に熱硬化性樹脂組成物を大気
圧で注入した比較例13では、硬化物中にボイドが点在
し、モデル含浸性、モデル機器への含浸性が低下した。
【表7】
【0021】
【発明の効果】本発明により、ケース内のフィラーに熱
硬化性樹脂組成物が均一に充分に含浸され、その硬化物
には気泡がなく、部品、コイル等がよく密着し、従来の
ポッティング法と同様に優れた含浸性と密着性を示す電
気機器を得ることができる。また従来のポッティング法
では、注入作業性の点から、フィラー1.0に対する樹
脂組成物の使用割合は、重量比で0.4が限界であった
が、本発明によればフィラーの量をこれよりも多くでき
るため、トータルコストの低減が可能であり、また硬化
時の硬化収縮、熱膨張が小さく、耐クラック性、硬化物
の熱伝導率、ヒートサイクル性が向上される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機器の所定部品を収納したケース内
    に、平均粒子径が300μm以上のフィラーを充填した
    後、熱硬化性樹脂組成物を100Torr以下の真空度
    で注入し、硬化させることを特徴とする電気機器の製造
    法。
  2. 【請求項2】 電気機器の所定部品を収納したケース内
    に、エポキシ基、アミノ基またはメルカプト基を有する
    シランカップリング剤で表面処理した平均粒子径が30
    0μm以上のフィラーを充填した後、ウレタン樹脂組成
    物またはエポキシ樹脂組成物を100Torr以下の真
    空度で注入し、硬化させることを特徴とする電気機器の
    製造法。
JP5560093A 1992-10-06 1993-03-16 電気機器の製造法 Pending JPH06170868A (ja)

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JP5560093A JPH06170868A (ja) 1992-10-06 1993-03-16 電気機器の製造法

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JP4-267272 1992-10-06
JP26727292 1992-10-06
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JPH06170868A true JPH06170868A (ja) 1994-06-21

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JP (1) JPH06170868A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8349399B2 (en) 2004-05-07 2013-01-08 Schott Ag Powder particles that are uniformly coated with functional groups, method for their production and use thereof
JP2015201580A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 株式会社タムラ製作所 リアクトルおよびその製造方法

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US8349399B2 (en) 2004-05-07 2013-01-08 Schott Ag Powder particles that are uniformly coated with functional groups, method for their production and use thereof
JP2015201580A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 株式会社タムラ製作所 リアクトルおよびその製造方法

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