JPH06170224A - ブラウンミラーライト型窒素酸化物分解触媒およびその製造法 - Google Patents
ブラウンミラーライト型窒素酸化物分解触媒およびその製造法Info
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- JPH06170224A JPH06170224A JP4326674A JP32667492A JPH06170224A JP H06170224 A JPH06170224 A JP H06170224A JP 4326674 A JP4326674 A JP 4326674A JP 32667492 A JP32667492 A JP 32667492A JP H06170224 A JPH06170224 A JP H06170224A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】排気ガス中の窒素酸化物を分解し、合わせて酸
素が共存在する環境においても窒素酸化物分解活性の低
下の少ない窒素酸化物分解触媒及びその製造法を提供す
る。 【構成】無秩序化した酸素欠陥を有する、Ba2In2O
5で表されるブラウンミラーライト型化合物からなる窒
素酸化物分解触媒
素が共存在する環境においても窒素酸化物分解活性の低
下の少ない窒素酸化物分解触媒及びその製造法を提供す
る。 【構成】無秩序化した酸素欠陥を有する、Ba2In2O
5で表されるブラウンミラーライト型化合物からなる窒
素酸化物分解触媒
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼排気ガス中の窒素
酸化物を分解する特性を有する窒素酸化物分解触媒及び
その製造法に関するものである。
酸化物を分解する特性を有する窒素酸化物分解触媒及び
その製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Ca2Fe2O5型化合物はブラウンミラ
ーライト型化合物と呼ばれ、Bサイトを占める金属が3
価をとることから全体の電荷を中和するために、多量の
酸素欠陥が生じ、この酸素欠陥が特定の秩序−無秩序転
移温度を境に秩序化した状態から無秩序化することが知
られている。
ーライト型化合物と呼ばれ、Bサイトを占める金属が3
価をとることから全体の電荷を中和するために、多量の
酸素欠陥が生じ、この酸素欠陥が特定の秩序−無秩序転
移温度を境に秩序化した状態から無秩序化することが知
られている。
【0003】このブラウンミラーライト型化合物の例と
してSr2Fe2O5が知られており、この化合物は、秩
序−無秩序転移にともない、窒素酸化物を分解すること
が知られている。(新 重光,他,化学技術研究所報
告,75巻,3号(1980)83〜85) しかし、このSr2Fe2O5は無秩序化した欠陥に窒素
酸化物が結合し、この際にFeが2価から3価に変化
し、自ら酸化されることにより、窒素酸化物を還元し、
窒素と酸素に分解するものだが、酸素共存下では、Fe
が共存する酸素により酸化され2価から3価に変化して
しまい、無秩序化した欠陥に窒素酸化物が結合しても、
Feの価数変化は生じないために、窒素酸化物を分解す
る能力がなくなるという欠点を有していた。
してSr2Fe2O5が知られており、この化合物は、秩
序−無秩序転移にともない、窒素酸化物を分解すること
が知られている。(新 重光,他,化学技術研究所報
告,75巻,3号(1980)83〜85) しかし、このSr2Fe2O5は無秩序化した欠陥に窒素
酸化物が結合し、この際にFeが2価から3価に変化
し、自ら酸化されることにより、窒素酸化物を還元し、
窒素と酸素に分解するものだが、酸素共存下では、Fe
が共存する酸素により酸化され2価から3価に変化して
しまい、無秩序化した欠陥に窒素酸化物が結合しても、
Feの価数変化は生じないために、窒素酸化物を分解す
る能力がなくなるという欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Ca2Fe2
O5型のブラウンミラーライト型化合物のFeの位置
(Bサイト)を価数変化のないInとした際の、秩序−
無秩序転移を利用して、窒素酸化物を分解することによ
り、酸素共存下における窒素酸化物分解活性の低下の少
ない窒素酸化物分解触媒及びその製造方法を提供するも
のである。
O5型のブラウンミラーライト型化合物のFeの位置
(Bサイト)を価数変化のないInとした際の、秩序−
無秩序転移を利用して、窒素酸化物を分解することによ
り、酸素共存下における窒素酸化物分解活性の低下の少
ない窒素酸化物分解触媒及びその製造方法を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、無秩序化した
酸素欠陥を有するBa2In2O5で表されるブラウンミ
ラーライト型化合物からなることを特徴とする窒素酸化
物分解触媒とその製造法を提供するものである。
酸素欠陥を有するBa2In2O5で表されるブラウンミ
ラーライト型化合物からなることを特徴とする窒素酸化
物分解触媒とその製造法を提供するものである。
【0006】次に本発明を更に詳細に説明する。
【0007】本発明の窒素酸化物分解触媒の組成は、B
a2In2O5で表されるものでなければならず、この組
成以外の組成では、ブラウンミラーライト型化合物特有
の酸素欠陥の秩序−無秩序転移が現れないので好ましく
ない。この秩序−無秩序転移温度は900℃付近に存在
し、この転移点を境にBa2In2O5は、斜方晶から立
方晶へと相転移を起こし、同時に酸素欠陥が無秩序配置
をとる。この転移をきっかけに窒素酸化物が無秩序化し
た欠陥に結合し、その後、窒素と酸素に分解することと
なる。
a2In2O5で表されるものでなければならず、この組
成以外の組成では、ブラウンミラーライト型化合物特有
の酸素欠陥の秩序−無秩序転移が現れないので好ましく
ない。この秩序−無秩序転移温度は900℃付近に存在
し、この転移点を境にBa2In2O5は、斜方晶から立
方晶へと相転移を起こし、同時に酸素欠陥が無秩序配置
をとる。この転移をきっかけに窒素酸化物が無秩序化し
た欠陥に結合し、その後、窒素と酸素に分解することと
なる。
【0008】また、主としてBa2In2O5相からなる
ものであっても未反応物質が残存する場合には、残存す
る未反応物質の割合が増加するほど窒素酸化物分解活性
は低下するので、Ba2In2O5の結晶相がX線回折試
験により80vol%以上含まれることが好ましい。さ
らに好ましくは単相のBa2In2O5相のみからなるこ
とが高い窒素酸化物分解活性をえるうえでは適してい
る。X線回折試験によるBa2In2O5の結晶相の定量
は、次の式により求められる。
ものであっても未反応物質が残存する場合には、残存す
る未反応物質の割合が増加するほど窒素酸化物分解活性
は低下するので、Ba2In2O5の結晶相がX線回折試
験により80vol%以上含まれることが好ましい。さ
らに好ましくは単相のBa2In2O5相のみからなるこ
とが高い窒素酸化物分解活性をえるうえでは適してい
る。X線回折試験によるBa2In2O5の結晶相の定量
は、次の式により求められる。
【0009】Ba2In2O5の割合(vol%)=(B
a2In2O5の(431),(810),(223)の
ピ−ク面積の和)/(Ba2In2O5の(431),
(810),(223)のピ−ク面積の和+Ba化合物
のメインピ−クの面積+In化合物のメインピ−クの面
積) ここで、Ba2In2O5の(431),(810)及び
(223)のピ−クは、2θ(管球はCuとする)が5
0°〜60°の間に現れるピ−クである。
a2In2O5の(431),(810),(223)の
ピ−ク面積の和)/(Ba2In2O5の(431),
(810),(223)のピ−ク面積の和+Ba化合物
のメインピ−クの面積+In化合物のメインピ−クの面
積) ここで、Ba2In2O5の(431),(810)及び
(223)のピ−クは、2θ(管球はCuとする)が5
0°〜60°の間に現れるピ−クである。
【0010】さらに、本発明の窒素酸化物分解触媒はそ
の比表面積が0.01m2/g以上であることが好まし
い。比表面積が0.01m2/gより小さいと窒素酸化
物分解活性が十分ではないので好ましくない。
の比表面積が0.01m2/g以上であることが好まし
い。比表面積が0.01m2/gより小さいと窒素酸化
物分解活性が十分ではないので好ましくない。
【0011】次に、本発明の窒素酸化物分解触媒の製造
方法について説明する。
方法について説明する。
【0012】本発明の製造法においては、Ba塩とIn
塩を上記化合物式を満たすように混合する。すなわち、
Ba原子とIn原子の比に換算したときに、Ba/In
が1/1となるように原料を混合し、その後、窒素ガス
流通下において600℃〜1300℃の温度において焼
成する。
塩を上記化合物式を満たすように混合する。すなわち、
Ba原子とIn原子の比に換算したときに、Ba/In
が1/1となるように原料を混合し、その後、窒素ガス
流通下において600℃〜1300℃の温度において焼
成する。
【0013】用いるBaの無機塩及びInの無機塩,酸
化物及びアルコキシドには特に制約はなく、無機塩とし
ては炭酸塩,硝酸塩,酢酸塩及びシュウ酸塩などの無機
塩から選択すればよく、アルコキシドとしては、メトキ
シド,エトキシド,プロポキシド,ブトキシドなどから
選択すれば良い。またBa及びInの無機塩及び酸化物
の混合方法にも特に制約はなく、ボ−ルミル,振動ミル
及び遊星ミルなどの各種混合粉砕機を用いるか、中和共
沈法を用いて均一な混合物をえる方法を用いることもで
きる。さらに、アルコキシドを原料として用いる場合に
は加熱還流下において加水分解を行い均一な混合物をえ
ることができる。また、原料混合物の焼成雰囲気は、還
元ガス雰囲気でなければならない。空気中においても本
発明の触媒は得られるが、空気中における焼成では、酸
素欠陥が生じにくいために焼成に長時間を要するため、
得られる化合物の比表面積が低下し、窒素酸化物分解活
性が低下するので好ましくない。また焼成温度は600
℃〜1300℃でなければならず、この温度範囲を下回
るとBa2In2O5の結晶相の割合が高まらず、窒素酸
化物分解活性が発現しないために好ましくない。またこ
の温度範囲を上回るとBa2In2O5の比表面積が0.
01m2/g程度となり、窒素酸化物分解活性が十分高
いものとならないために好ましくない。
化物及びアルコキシドには特に制約はなく、無機塩とし
ては炭酸塩,硝酸塩,酢酸塩及びシュウ酸塩などの無機
塩から選択すればよく、アルコキシドとしては、メトキ
シド,エトキシド,プロポキシド,ブトキシドなどから
選択すれば良い。またBa及びInの無機塩及び酸化物
の混合方法にも特に制約はなく、ボ−ルミル,振動ミル
及び遊星ミルなどの各種混合粉砕機を用いるか、中和共
沈法を用いて均一な混合物をえる方法を用いることもで
きる。さらに、アルコキシドを原料として用いる場合に
は加熱還流下において加水分解を行い均一な混合物をえ
ることができる。また、原料混合物の焼成雰囲気は、還
元ガス雰囲気でなければならない。空気中においても本
発明の触媒は得られるが、空気中における焼成では、酸
素欠陥が生じにくいために焼成に長時間を要するため、
得られる化合物の比表面積が低下し、窒素酸化物分解活
性が低下するので好ましくない。また焼成温度は600
℃〜1300℃でなければならず、この温度範囲を下回
るとBa2In2O5の結晶相の割合が高まらず、窒素酸
化物分解活性が発現しないために好ましくない。またこ
の温度範囲を上回るとBa2In2O5の比表面積が0.
01m2/g程度となり、窒素酸化物分解活性が十分高
いものとならないために好ましくない。
【0014】
【作用】本発明の効果発現の機構については、未だ十分
には解明されていないが、ブラウンミラーライト型化合
物であるBa2In2O5中の酸素欠陥が秩序−無秩序転
移点を境にBa2In2O5は斜方晶から立方晶に相転移
し、同時に酸素欠陥が無秩序化する。この無秩序化した
酸素欠陥が触媒表面に多数現れることにより、窒素酸化
物がこの酸素欠陥に結合したのち、Inと結合した窒素
酸化物間の結合に関与する電子がわずかに窒素酸化物に
かたよることにより、窒素酸化物は窒素と酸素に分解
し、Inはこの分解反応後は再びもとの状態にもどるこ
とにより、窒素酸化物分解触媒としての機能を発現させ
るものと考えられる。この機能を用いることにより、共
存する酸素による酸化の影響が極めて小さくなったもの
と考えられる。
には解明されていないが、ブラウンミラーライト型化合
物であるBa2In2O5中の酸素欠陥が秩序−無秩序転
移点を境にBa2In2O5は斜方晶から立方晶に相転移
し、同時に酸素欠陥が無秩序化する。この無秩序化した
酸素欠陥が触媒表面に多数現れることにより、窒素酸化
物がこの酸素欠陥に結合したのち、Inと結合した窒素
酸化物間の結合に関与する電子がわずかに窒素酸化物に
かたよることにより、窒素酸化物は窒素と酸素に分解
し、Inはこの分解反応後は再びもとの状態にもどるこ
とにより、窒素酸化物分解触媒としての機能を発現させ
るものと考えられる。この機能を用いることにより、共
存する酸素による酸化の影響が極めて小さくなったもの
と考えられる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、排気ガ
ス中の窒素酸化物を分解し、合わせて酸素が共存在する
環境においても窒素酸化物分解活性の低下の少ない窒素
酸化物分解触媒及びその製造法を提供するものである。
ス中の窒素酸化物を分解し、合わせて酸素が共存在する
環境においても窒素酸化物分解活性の低下の少ない窒素
酸化物分解触媒及びその製造法を提供するものである。
【0016】
実施例1 Ba2In2O5の組成となるように炭酸バリウム(和光
純薬工業製)42.7gと酸化インジウム(高純度化学
研究所製)30.0gをエタノ−ル中においてボ−ルミ
ルを用いて混合し乾燥した後、窒素ガス流通下において
1200℃の温度において2時間焼成することにより、
Ba2In2O5の単相粉末をえた。得られた粉末のBE
T比表面積は0.1m2/gであった。このBa2In2
O5を用いて、常圧固定床流通反応装置により、NO=
1400ppmの反応ガスを用いて、SV=2500/
hにおいて窒素酸化物分解活性を400°〜1000℃
の温度範囲において測定した。また、酸素を共存させる
場合には、反応ガス中に4%の酸素を混合して活性を測
定した。結果を表1に示す。
純薬工業製)42.7gと酸化インジウム(高純度化学
研究所製)30.0gをエタノ−ル中においてボ−ルミ
ルを用いて混合し乾燥した後、窒素ガス流通下において
1200℃の温度において2時間焼成することにより、
Ba2In2O5の単相粉末をえた。得られた粉末のBE
T比表面積は0.1m2/gであった。このBa2In2
O5を用いて、常圧固定床流通反応装置により、NO=
1400ppmの反応ガスを用いて、SV=2500/
hにおいて窒素酸化物分解活性を400°〜1000℃
の温度範囲において測定した。また、酸素を共存させる
場合には、反応ガス中に4%の酸素を混合して活性を測
定した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】比較例1 Ba3In4O9の組成となるように炭酸バリウム(和光
純薬工業製)32.0gと酸化インジウム(高純度化学
研究所製)30.0gをエタノ−ル中においてボ−ルミ
ルを用いて混合し乾燥した後、窒素ガス流通下において
1200℃の温度において2時間焼成した。
純薬工業製)32.0gと酸化インジウム(高純度化学
研究所製)30.0gをエタノ−ル中においてボ−ルミ
ルを用いて混合し乾燥した後、窒素ガス流通下において
1200℃の温度において2時間焼成した。
【0019】得られた生成物は、Ba3In4O9の単相
粉末であった。また、得られた粉末のBET比表面積は
1.3m2/gであった。このBa3In4O9は1000
℃以下の温度において、酸素欠陥の秩序−無秩序転移が
現れないことをDTA−TGを用いて確認した。この酸
素欠陥の秩序−無秩序転移の存在の確認は、所定の温度
領域においてDTAの変化を調査し、昇温過程において
吸熱反応,降温過程においては、対応する温度において
発熱反応が現れることにより確認することができる。た
だし、降温過程においては発熱反応が起こる温度が昇温
過程の温度に比して、わずかに低温側に移行することが
ある。このBa3In4O9を用いて、常圧固定床流通反
応装置により、NO=1400ppmの反応ガスを用い
て、SV=2500/hにおいて窒素酸化物分解活性を
400°〜1000℃の温度範囲において測定したとこ
ろ、測定温度範囲において活性は認められなかった。
粉末であった。また、得られた粉末のBET比表面積は
1.3m2/gであった。このBa3In4O9は1000
℃以下の温度において、酸素欠陥の秩序−無秩序転移が
現れないことをDTA−TGを用いて確認した。この酸
素欠陥の秩序−無秩序転移の存在の確認は、所定の温度
領域においてDTAの変化を調査し、昇温過程において
吸熱反応,降温過程においては、対応する温度において
発熱反応が現れることにより確認することができる。た
だし、降温過程においては発熱反応が起こる温度が昇温
過程の温度に比して、わずかに低温側に移行することが
ある。このBa3In4O9を用いて、常圧固定床流通反
応装置により、NO=1400ppmの反応ガスを用い
て、SV=2500/hにおいて窒素酸化物分解活性を
400°〜1000℃の温度範囲において測定したとこ
ろ、測定温度範囲において活性は認められなかった。
【0020】比較例2 Ba8In6O17の組成となるように炭酸バリウム(和光
純薬工業製)56.9gと酸化インジウム(高純度化学
研究所製)30.0gをエタノ−ル中においてボ−ルミ
ルを用いて混合し乾燥した後、窒素ガス流通下において
1300℃の温度において4時間焼成した。
純薬工業製)56.9gと酸化インジウム(高純度化学
研究所製)30.0gをエタノ−ル中においてボ−ルミ
ルを用いて混合し乾燥した後、窒素ガス流通下において
1300℃の温度において4時間焼成した。
【0021】得られた生成物は、Ba8In6O17の単相
粉末であった。また、得られた粉末のBET比表面積は
0.5m2/gであった。このBa8In6O17は100
0℃以下の温度において、酸素欠陥の秩序−無秩序転移
が現れないことをDTA−TGを用いて確認した。この
Ba8In6O17を用いて、常圧固定床流通反応装置によ
り、NO=1400ppmの反応ガスを用いて、SV=
2500/hにおいて窒素酸化物分解活性を400°〜
1000℃の温度範囲において測定したところ、測定温
度範囲において活性は認められなかった。
粉末であった。また、得られた粉末のBET比表面積は
0.5m2/gであった。このBa8In6O17は100
0℃以下の温度において、酸素欠陥の秩序−無秩序転移
が現れないことをDTA−TGを用いて確認した。この
Ba8In6O17を用いて、常圧固定床流通反応装置によ
り、NO=1400ppmの反応ガスを用いて、SV=
2500/hにおいて窒素酸化物分解活性を400°〜
1000℃の温度範囲において測定したところ、測定温
度範囲において活性は認められなかった。
【0022】比較例3 特許請求の範囲第1項のBa2In2O5の組成となるよ
うに炭酸バリウム (和光純薬工業製)42.7gと酸
化インジウム(高純度化学研究所製)30.0gをエタ
ノ−ル中においてボ−ルミルを用いて混合し乾燥した
後、窒素ガス流通下において500℃の温度において2
時間焼成した。
うに炭酸バリウム (和光純薬工業製)42.7gと酸
化インジウム(高純度化学研究所製)30.0gをエタ
ノ−ル中においてボ−ルミルを用いて混合し乾燥した
後、窒素ガス流通下において500℃の温度において2
時間焼成した。
【0023】得られた生成物は、Ba2In2O5が60
vol%,炭酸バリウムが17vol%及び酸化インジ
ウムが23vol%の混合粉末であった。ここで、炭酸
バリウムの割合は炭酸バリウム(111)面のピ−ク面
積を,酸化インジウムの割合は酸化インジウムの(22
2)面のピ−ク面積を用いて、以下の式により算出し
た。
vol%,炭酸バリウムが17vol%及び酸化インジ
ウムが23vol%の混合粉末であった。ここで、炭酸
バリウムの割合は炭酸バリウム(111)面のピ−ク面
積を,酸化インジウムの割合は酸化インジウムの(22
2)面のピ−ク面積を用いて、以下の式により算出し
た。
【0024】炭酸バリウムの割合(vol%)=(炭酸
バリウムの(111)面のピーク面積)/((炭酸バリ
ウムの(111)面のピーク面積)+(酸化インジウム
の(222)面のピーク面積)+(Ba2In2O5の
(431),(810)及び(223)のピーク面積の
和)) 酸化インジウムの割合(vol%)=100−(炭酸バ
リウムの割合+Ba2In2O5の割合) 得られた粉末のBET比表面積は10.3m2/gであ
った。このBa2In2O5を用いて、常圧固定床流通反
応装置により、NO=1400ppmの反応ガスを用い
て、SV=2500/hにおいて窒素酸化物分解活性を
400°〜1000℃の温度範囲において測定した。そ
の結果、測定温度範囲において活性は認められなかっ
た。
バリウムの(111)面のピーク面積)/((炭酸バリ
ウムの(111)面のピーク面積)+(酸化インジウム
の(222)面のピーク面積)+(Ba2In2O5の
(431),(810)及び(223)のピーク面積の
和)) 酸化インジウムの割合(vol%)=100−(炭酸バ
リウムの割合+Ba2In2O5の割合) 得られた粉末のBET比表面積は10.3m2/gであ
った。このBa2In2O5を用いて、常圧固定床流通反
応装置により、NO=1400ppmの反応ガスを用い
て、SV=2500/hにおいて窒素酸化物分解活性を
400°〜1000℃の温度範囲において測定した。そ
の結果、測定温度範囲において活性は認められなかっ
た。
Claims (2)
- 【請求項1】無秩序化した酸素欠陥を有する、Ba2I
n2O5で表されるブラウンミラーライト型化合物からな
ることを特徴とする窒素酸化物分解触媒。 - 【請求項2】請求項1に記載のブラウンミラーライト型
窒素酸化物分解触媒を合成するにあたり、Baの無機塩
及びInの無機塩,酸化物又はアルコキシドを混合し、
窒素ガス流通下において600℃〜1300℃の温度に
おいて焼成することを特徴とするブラウンミラーライト
型窒素酸化物分解触媒の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4326674A JPH06170224A (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | ブラウンミラーライト型窒素酸化物分解触媒およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4326674A JPH06170224A (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | ブラウンミラーライト型窒素酸化物分解触媒およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06170224A true JPH06170224A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18190398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4326674A Pending JPH06170224A (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | ブラウンミラーライト型窒素酸化物分解触媒およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06170224A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0742352A2 (en) * | 1995-05-12 | 1996-11-13 | Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. | Diesel particulate filter apparatus |
EP0789135A1 (en) * | 1996-02-09 | 1997-08-13 | Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. | Exhaust gas purifier |
WO2012037526A2 (en) * | 2010-09-17 | 2012-03-22 | Nanostellar, Inc. | Nitric oxide oxidation catalysts |
JP2018070396A (ja) * | 2016-10-26 | 2018-05-10 | Jfeスチール株式会社 | ブラウンミラーライト型酸化物の製造方法 |
-
1992
- 1992-12-07 JP JP4326674A patent/JPH06170224A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0742352A2 (en) * | 1995-05-12 | 1996-11-13 | Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. | Diesel particulate filter apparatus |
EP0742352A3 (en) * | 1995-05-12 | 1997-09-17 | Isuzu Ceramics Res Inst | Particle filter device of a diesel engine |
EP0789135A1 (en) * | 1996-02-09 | 1997-08-13 | Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. | Exhaust gas purifier |
US5820833A (en) * | 1996-02-09 | 1998-10-13 | Isuzu Ceramics Institute Co., Ltd. | Exhaust gas purifier |
WO2012037526A2 (en) * | 2010-09-17 | 2012-03-22 | Nanostellar, Inc. | Nitric oxide oxidation catalysts |
WO2012037526A3 (en) * | 2010-09-17 | 2012-06-21 | Nanostellar, Inc. | Nitric oxide oxidation catalysts |
JP2018070396A (ja) * | 2016-10-26 | 2018-05-10 | Jfeスチール株式会社 | ブラウンミラーライト型酸化物の製造方法 |
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