JPH0616788A - 微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤、およびそれを含有してなるエポキシ樹脂組成物、並びに硬化方法 - Google Patents
微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤、およびそれを含有してなるエポキシ樹脂組成物、並びに硬化方法Info
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- JPH0616788A JPH0616788A JP14541691A JP14541691A JPH0616788A JP H0616788 A JPH0616788 A JP H0616788A JP 14541691 A JP14541691 A JP 14541691A JP 14541691 A JP14541691 A JP 14541691A JP H0616788 A JPH0616788 A JP H0616788A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 一液型のエポキシ樹脂組成物に使用できる微
粒子状の潜在性硬化剤または硬化促進剤、およびこれを
用いてなる貯蔵安定性と硬化性に優れたエポキシ樹脂組
成物、ならびにその硬化方法を提供する。 【構成】 分子内にカルボニル基もしくはスルホニル基
を有する芳香族系熱可塑性高分子からなる微粒子に硬化
剤または硬化促進剤を含有させる。これをエポキシ樹脂
に配合することによって、加熱硬化性が良好なエポキシ
樹脂組成物を得ることができる。
粒子状の潜在性硬化剤または硬化促進剤、およびこれを
用いてなる貯蔵安定性と硬化性に優れたエポキシ樹脂組
成物、ならびにその硬化方法を提供する。 【構成】 分子内にカルボニル基もしくはスルホニル基
を有する芳香族系熱可塑性高分子からなる微粒子に硬化
剤または硬化促進剤を含有させる。これをエポキシ樹脂
に配合することによって、加熱硬化性が良好なエポキシ
樹脂組成物を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は貯蔵安定性および機械的
強度が良好な微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤
を用い、使用前には硬化反応を起こさないエポキシ樹脂
組成物に関し、さらに加熱することによって硬化反応さ
せる硬化方法に関する。
強度が良好な微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤
を用い、使用前には硬化反応を起こさないエポキシ樹脂
組成物に関し、さらに加熱することによって硬化反応さ
せる硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は接着剤や塗料、コーティ
ング剤、封止材、積層体などの多岐にわたる用途に用い
られている。また、これらのエポキシ樹脂には通常、各
種硬化剤や硬化促進剤が含有されている。
ング剤、封止材、積層体などの多岐にわたる用途に用い
られている。また、これらのエポキシ樹脂には通常、各
種硬化剤や硬化促進剤が含有されている。
【0003】汎用されているエポキシ樹脂組成物には、
アミンやルイス酸、酸無水物のような硬化剤や硬化促進
剤を使用する直前にエポキシ樹脂と混合する、所謂二液
型の組成物がある。このような二液型のものではエポキ
シ樹脂と硬化剤とを別々に保存しておき必要に応じて両
者を混合して用いるが、混合したのちの可使時間が比較
的短いので多量に混合しておくことができず、従って、
多量に使用する場合は少量ずつ何度も配合する必要があ
り、作業能率が極めて悪いものである。
アミンやルイス酸、酸無水物のような硬化剤や硬化促進
剤を使用する直前にエポキシ樹脂と混合する、所謂二液
型の組成物がある。このような二液型のものではエポキ
シ樹脂と硬化剤とを別々に保存しておき必要に応じて両
者を混合して用いるが、混合したのちの可使時間が比較
的短いので多量に混合しておくことができず、従って、
多量に使用する場合は少量ずつ何度も配合する必要があ
り、作業能率が極めて悪いものである。
【0004】一方、このような問題点を解決するものと
して、エポキシ樹脂に予め配合しておいても硬化反応が
生じず、光照射や加熱によって硬化反応が起こるような
潜在性硬化剤を用いた一液型のものが種々提案されてい
る。しかしながら、これら潜在性硬化剤を用いてもエポ
キシ樹脂に配合した場合の貯蔵安定性に優れるものは、
硬化反応は比較的高温条件で行う必要があり、また、低
温条件で硬化するものは貯蔵安定性が悪いという問題を
有し、貯蔵安定性と硬化性との両性能のバランスが良好
なものは未だ開発されていないのが実情である。
して、エポキシ樹脂に予め配合しておいても硬化反応が
生じず、光照射や加熱によって硬化反応が起こるような
潜在性硬化剤を用いた一液型のものが種々提案されてい
る。しかしながら、これら潜在性硬化剤を用いてもエポ
キシ樹脂に配合した場合の貯蔵安定性に優れるものは、
硬化反応は比較的高温条件で行う必要があり、また、低
温条件で硬化するものは貯蔵安定性が悪いという問題を
有し、貯蔵安定性と硬化性との両性能のバランスが良好
なものは未だ開発されていないのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の一
液型のエポキシ樹脂組成物が有する課題を解決し、一液
型に使用できる潜在性硬化剤または硬化促進剤を提供す
ることを目的とする。また、他の目的としては上記硬化
剤を含有してなり貯蔵安定性が良好で、使用時には速や
かに硬化反応が起こるエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とにある。さらに、このエポキシ樹脂組成物の硬化方法
を提供することを目的とする。
液型のエポキシ樹脂組成物が有する課題を解決し、一液
型に使用できる潜在性硬化剤または硬化促進剤を提供す
ることを目的とする。また、他の目的としては上記硬化
剤を含有してなり貯蔵安定性が良好で、使用時には速や
かに硬化反応が起こるエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とにある。さらに、このエポキシ樹脂組成物の硬化方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意研究を重ねた結果、硬化剤または硬化促進剤を特定組
成からなる熱可塑性高分子の微粒子内に含有させて微粒
子状にし、これをエポキシ樹脂に配合して樹脂組成物と
することによって、上記目的が達成できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
意研究を重ねた結果、硬化剤または硬化促進剤を特定組
成からなる熱可塑性高分子の微粒子内に含有させて微粒
子状にし、これをエポキシ樹脂に配合して樹脂組成物と
することによって、上記目的が達成できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は分子内にカルボニル基もし
くはスルホニル基を有する芳香族系単量体を単独、もし
くは他の単量体と重縮合してなる熱可塑性高分子からな
る平均粒径200μm未満の微粒子内に、融点200℃
以下の硬化剤を5〜50重量%含有することを特徴とす
る微粒子状硬化剤の提供、分子内にカルボニル基もしく
はスルホニル基を有する芳香族系単量体を単独、もしく
は他の単量体と重縮合してなる熱可塑性高分子からなる
平均粒径200μm未満の微粒子内に、融点200℃以
下の硬化促進剤を5〜50重量%含有することを特徴と
する微粒子状硬化促進剤の提供、エポキシ樹脂にこれら
のの微粒子状硬化剤および/または微粒子状硬化促進剤
を含有させてなるエポキシ樹脂組成物の提供、さらにこ
のエポキシ樹脂組成物を所定温度以上に加熱して、微粒
子状硬化剤をエポキシ樹脂に溶解させ硬化反応させるこ
とを特徴とするエポキシ樹脂組成物の硬化方法を提供す
るものである。
くはスルホニル基を有する芳香族系単量体を単独、もし
くは他の単量体と重縮合してなる熱可塑性高分子からな
る平均粒径200μm未満の微粒子内に、融点200℃
以下の硬化剤を5〜50重量%含有することを特徴とす
る微粒子状硬化剤の提供、分子内にカルボニル基もしく
はスルホニル基を有する芳香族系単量体を単独、もしく
は他の単量体と重縮合してなる熱可塑性高分子からなる
平均粒径200μm未満の微粒子内に、融点200℃以
下の硬化促進剤を5〜50重量%含有することを特徴と
する微粒子状硬化促進剤の提供、エポキシ樹脂にこれら
のの微粒子状硬化剤および/または微粒子状硬化促進剤
を含有させてなるエポキシ樹脂組成物の提供、さらにこ
のエポキシ樹脂組成物を所定温度以上に加熱して、微粒
子状硬化剤をエポキシ樹脂に溶解させ硬化反応させるこ
とを特徴とするエポキシ樹脂組成物の硬化方法を提供す
るものである。
【0008】本発明の微粒子状硬化剤または微粒子状硬
化促進剤は、硬化剤または硬化促進剤を熱可塑性高分子
からなる微粒子内に含有してなるものであって、その平
均粒径は200μm未満、好ましくは30μm以下であ
る。平均粒径が200μm以上であると、エポキシ樹脂
組成物としてエポキシ樹脂に配合した場合に均質に含有
させることができず、従って、硬化反応が均一に起こら
ないばかりでなく、硬化時間も長くなり好ましくない。
なお、本発明でいう平均粒径とは、沈降式粒度分布測定
器を用いて粒度分布図から算出したものである。
化促進剤は、硬化剤または硬化促進剤を熱可塑性高分子
からなる微粒子内に含有してなるものであって、その平
均粒径は200μm未満、好ましくは30μm以下であ
る。平均粒径が200μm以上であると、エポキシ樹脂
組成物としてエポキシ樹脂に配合した場合に均質に含有
させることができず、従って、硬化反応が均一に起こら
ないばかりでなく、硬化時間も長くなり好ましくない。
なお、本発明でいう平均粒径とは、沈降式粒度分布測定
器を用いて粒度分布図から算出したものである。
【0009】本発明において上記微粒子状硬化剤または
微粒子状硬化促進剤を構成する熱可塑性高分子は、分子
内にカルボニル基もしくはスルホニル基を有する芳香族
系単量体を単独で重縮合して得るか、またはこれらの単
量体に他の重縮合性単量体を共重縮合することによって
得ることができる。得られる熱可塑性高分子は機械的強
度が高く、エポキシ樹脂への配合・混合時に加わる剪断
応力に耐えうるようにするために、120℃以上のガラ
ス転移温度を有するものが好ましい。また、本発明にお
いては重量平均分子量2000〜1000000程度の
ものが、微粒子の形成性やエポキシ樹脂組成物からの硬
化フィルム形成性の点から好ましい。このような熱可塑
性高分子としては、具体的にはポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリアリルスルホン、ポリ
エーテルイミドの如き芳香族系熱可塑性樹脂が挙げられ
る。
微粒子状硬化促進剤を構成する熱可塑性高分子は、分子
内にカルボニル基もしくはスルホニル基を有する芳香族
系単量体を単独で重縮合して得るか、またはこれらの単
量体に他の重縮合性単量体を共重縮合することによって
得ることができる。得られる熱可塑性高分子は機械的強
度が高く、エポキシ樹脂への配合・混合時に加わる剪断
応力に耐えうるようにするために、120℃以上のガラ
ス転移温度を有するものが好ましい。また、本発明にお
いては重量平均分子量2000〜1000000程度の
ものが、微粒子の形成性やエポキシ樹脂組成物からの硬
化フィルム形成性の点から好ましい。このような熱可塑
性高分子としては、具体的にはポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリアリルスルホン、ポリ
エーテルイミドの如き芳香族系熱可塑性樹脂が挙げられ
る。
【0010】一方、上記微粒子状硬化剤または微粒子状
硬化促進剤に含有させる硬化剤または硬化促進剤として
は、硬化性の点から融点が200℃以下、好ましくは1
50℃以下のものを用い、これらは常温で液状であって
も固形状であってもよい。これらの微粒子状硬化剤また
は微粒子状硬化促進剤は均質な硬化反応性や貯蔵安定性
の点から、上記硬化剤または硬化促進剤を5〜50重量
%、好ましくは10〜30重量%の範囲で含有されてい
る。配合量が5重量%に満たない場合は硬化時間が長く
なる傾向を示し、また、50重量%を超えて含有させた
場合は熱可塑性高分子の量が少なくなるので微粒子の機
械的強度が不足すると共に、エポキシ樹脂に配合した場
合の貯蔵安定性が低下して好ましくない。
硬化促進剤に含有させる硬化剤または硬化促進剤として
は、硬化性の点から融点が200℃以下、好ましくは1
50℃以下のものを用い、これらは常温で液状であって
も固形状であってもよい。これらの微粒子状硬化剤また
は微粒子状硬化促進剤は均質な硬化反応性や貯蔵安定性
の点から、上記硬化剤または硬化促進剤を5〜50重量
%、好ましくは10〜30重量%の範囲で含有されてい
る。配合量が5重量%に満たない場合は硬化時間が長く
なる傾向を示し、また、50重量%を超えて含有させた
場合は熱可塑性高分子の量が少なくなるので微粒子の機
械的強度が不足すると共に、エポキシ樹脂に配合した場
合の貯蔵安定性が低下して好ましくない。
【0011】このような硬化剤としては、具体的にはト
リブチルアミンなどの脂肪族三級アミン、ベンジルジメ
チルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール
などの芳香族三級アミン類や脂環族三級アミン類、また
はこれらの変性アミン類、2−メチルイミダゾール、2
−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ドデシル
イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプ
タデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、こ
れらのイミダゾール類と酢酸、乳酸、サリチル酸、安息
香酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸、マレ
イン酸、トリメリット酸などとのイミダゾールカルボン
酸塩、三フッ化ホウ素、五フッ化リンなどのルイス酸な
どを用いることができる。本発明においてはこれらの硬
化剤を少量配合しても充分に硬化反応が起きるように、
通常使用される公知の硬化促進剤を任意量配合すること
もできる。
リブチルアミンなどの脂肪族三級アミン、ベンジルジメ
チルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール
などの芳香族三級アミン類や脂環族三級アミン類、また
はこれらの変性アミン類、2−メチルイミダゾール、2
−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ドデシル
イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプ
タデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、こ
れらのイミダゾール類と酢酸、乳酸、サリチル酸、安息
香酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸、マレ
イン酸、トリメリット酸などとのイミダゾールカルボン
酸塩、三フッ化ホウ素、五フッ化リンなどのルイス酸な
どを用いることができる。本発明においてはこれらの硬
化剤を少量配合しても充分に硬化反応が起きるように、
通常使用される公知の硬化促進剤を任意量配合すること
もできる。
【0012】また、微粒子中に含有させて硬化反応を促
進する硬化促進剤としては、具体的にはエチルグアニジ
ン、トリメチルグアニジン、フェニルグアニジン、ジフ
ェニルグアニジンなどのアルキル置換グアニジン類、3
−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿
素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(4−
クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素などの3−置
換フェニル−1,1−ジメチル尿素類、2−メチルイミ
ダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシル
イミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリンなどのイ
ミダゾリン類、2−アミノピリジンなどのモノアミノピ
リジン類、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−
3−アリロキシプロピル)アミン−N’−ラクトイミド
などのアミンイミド系類、トリフェニルホスフィンやこ
れらの塩などが挙げられる。
進する硬化促進剤としては、具体的にはエチルグアニジ
ン、トリメチルグアニジン、フェニルグアニジン、ジフ
ェニルグアニジンなどのアルキル置換グアニジン類、3
−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿
素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(4−
クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素などの3−置
換フェニル−1,1−ジメチル尿素類、2−メチルイミ
ダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシル
イミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリンなどのイ
ミダゾリン類、2−アミノピリジンなどのモノアミノピ
リジン類、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−
3−アリロキシプロピル)アミン−N’−ラクトイミド
などのアミンイミド系類、トリフェニルホスフィンやこ
れらの塩などが挙げられる。
【0013】上記硬化剤または硬化促進剤を微粒子状の
熱可塑性高分子内に含有してなる本発明の微粒子状硬化
剤または微粒子状硬化促進剤は、例えばスプレードライ
法やコアセルベーション法、液中乾燥法などの方法によ
って得ることができる。得られた微粒子中の硬化剤また
は硬化促進剤の含有状態は、熱可塑性高分子から形成さ
れるマトリックス内に硬化剤または硬化促進剤が分散し
ているような状態や、所謂コア−シェル状態などいずれ
でもよいが、均一な硬化反応性、機械的強度の点からは
前者のような分散含有状態のものが好ましい。なお、目
的によっては微粒子無いに硬化剤および硬化促進剤を併
有してもよいものである。
熱可塑性高分子内に含有してなる本発明の微粒子状硬化
剤または微粒子状硬化促進剤は、例えばスプレードライ
法やコアセルベーション法、液中乾燥法などの方法によ
って得ることができる。得られた微粒子中の硬化剤また
は硬化促進剤の含有状態は、熱可塑性高分子から形成さ
れるマトリックス内に硬化剤または硬化促進剤が分散し
ているような状態や、所謂コア−シェル状態などいずれ
でもよいが、均一な硬化反応性、機械的強度の点からは
前者のような分散含有状態のものが好ましい。なお、目
的によっては微粒子無いに硬化剤および硬化促進剤を併
有してもよいものである。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物は上記微粒子
状硬化剤および/または微粒子状硬化促進剤を、硬化性
の点からエポキシ樹脂100重量部に対して1〜80重
量部、好ましくは3〜40重量部の割合で配合し、必要
に応じて潜在性硬化剤や各種充填剤、添加剤などを配合
することによって得ることができる。
状硬化剤および/または微粒子状硬化促進剤を、硬化性
の点からエポキシ樹脂100重量部に対して1〜80重
量部、好ましくは3〜40重量部の割合で配合し、必要
に応じて潜在性硬化剤や各種充填剤、添加剤などを配合
することによって得ることができる。
【0015】用いるエポキシ樹脂としては液状であって
も固形状であってもよく、通常エポキシ当量100〜3
500程度のもので、1分子中に平均2個以上のエポキ
シ基を有するものを好ましく用いることができる。具体
的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、ヒダン
トインエポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリ
シジルエステル型エポキシ樹脂などを単独、もしくは二
種以上併用して用いることができる。これらのうち微粒
子を構成する熱可塑性高分子との相溶性や、実用性、経
済性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い
ることが好ましい。
も固形状であってもよく、通常エポキシ当量100〜3
500程度のもので、1分子中に平均2個以上のエポキ
シ基を有するものを好ましく用いることができる。具体
的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、ヒダン
トインエポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリ
シジルエステル型エポキシ樹脂などを単独、もしくは二
種以上併用して用いることができる。これらのうち微粒
子を構成する熱可塑性高分子との相溶性や、実用性、経
済性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い
ることが好ましい。
【0016】また、任意に配合することができる潜在性
硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として加
熱硬化に用いる潜在性硬化剤が使用でき、具体的にはジ
シアンジアミド系、イミダゾール系、フェノール系、酸
無水物系、酸ヒドラジド系、フッ素化ホウ素化合物系、
アミンイミド系、アミン系などのエポキシ樹脂の硬化剤
が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種類以上を併
用して用いることができる。上記硬化剤は前記エポキシ
樹脂100重量部に対して40重量部以下の範囲で添
加、混合して用いる。
硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として加
熱硬化に用いる潜在性硬化剤が使用でき、具体的にはジ
シアンジアミド系、イミダゾール系、フェノール系、酸
無水物系、酸ヒドラジド系、フッ素化ホウ素化合物系、
アミンイミド系、アミン系などのエポキシ樹脂の硬化剤
が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種類以上を併
用して用いることができる。上記硬化剤は前記エポキシ
樹脂100重量部に対して40重量部以下の範囲で添
加、混合して用いる。
【0017】さらに、必要に応じて本発明のエポキシ樹
脂組成物に含有させることができる充填剤としては、シ
リカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
石英粉、ガラス繊維、カオリン、マイカ、アルミナ、水
和アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、ドロマイ
ト、ジルコン、チタン化合物、モリブデン化合物、アン
チモン化合物などが挙げられ、シランカップリング剤や
顔料、老化防止剤、その他任意の添加剤成分も目的や用
途に応じて適宜配合することができる。また、接合する
部材にスポット溶接などで溶接するために、銅や亜鉛、
ニッケル、カドミウム、ステンレス、アルミニウム、銀
など、好ましくは亜鉛、ニッケル、ステンレス、アルミ
ニウムの金属粉末を配合して、本発明の組成物に導電性
を付与することもできる。導電性を付与する場合には上
記金属粉末をエポキシ樹脂組成物中に25重量%以上配
合することが好ましい。
脂組成物に含有させることができる充填剤としては、シ
リカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
石英粉、ガラス繊維、カオリン、マイカ、アルミナ、水
和アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、ドロマイ
ト、ジルコン、チタン化合物、モリブデン化合物、アン
チモン化合物などが挙げられ、シランカップリング剤や
顔料、老化防止剤、その他任意の添加剤成分も目的や用
途に応じて適宜配合することができる。また、接合する
部材にスポット溶接などで溶接するために、銅や亜鉛、
ニッケル、カドミウム、ステンレス、アルミニウム、銀
など、好ましくは亜鉛、ニッケル、ステンレス、アルミ
ニウムの金属粉末を配合して、本発明の組成物に導電性
を付与することもできる。導電性を付与する場合には上
記金属粉末をエポキシ樹脂組成物中に25重量%以上配
合することが好ましい。
【0018】上記各成分を含む本発明の組成物は、ロー
ル、ミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ニー
ダー、ディスパーなどを用いて、常温下で均一に分散、
混合して本発明の組成物を得ることができる。
ル、ミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ニー
ダー、ディスパーなどを用いて、常温下で均一に分散、
混合して本発明の組成物を得ることができる。
【0019】上記エポキシ樹脂組成物は所定温度以上に
加熱して、微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤を
構成する熱可塑性高分子をエポキシ樹脂に溶解させ硬化
反応させる。加熱温度は熱可塑性高分子の種類や量、エ
ポキシ樹脂の種類や量などによって異なるが、通常、6
0〜150℃程度の温度に加熱する。このように加熱す
ることによって、微粒子を構成する熱可塑性高分子がエ
ポキシ樹脂と徐々に相溶しあって、内部に含有する硬化
剤または硬化促進剤がエポキシ樹脂と硬化反応を起こす
のである。熱可塑性高分子とエポキシ樹脂との相溶機構
は明確ではないが、熱可塑性高分子中に存在するカルボ
ニル基やスルホニル基が関与しているものと推測され
る。
加熱して、微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤を
構成する熱可塑性高分子をエポキシ樹脂に溶解させ硬化
反応させる。加熱温度は熱可塑性高分子の種類や量、エ
ポキシ樹脂の種類や量などによって異なるが、通常、6
0〜150℃程度の温度に加熱する。このように加熱す
ることによって、微粒子を構成する熱可塑性高分子がエ
ポキシ樹脂と徐々に相溶しあって、内部に含有する硬化
剤または硬化促進剤がエポキシ樹脂と硬化反応を起こす
のである。熱可塑性高分子とエポキシ樹脂との相溶機構
は明確ではないが、熱可塑性高分子中に存在するカルボ
ニル基やスルホニル基が関与しているものと推測され
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、以下、文中で部および%とあるのは重量部
および重量%を意味する。
する。なお、以下、文中で部および%とあるのは重量部
および重量%を意味する。
【0021】実施例1 熱可塑性高分子としてのポリスルホン(商品名:ユーデ
ルP−3500、アモコ社製、Tg189℃)と、硬化
剤としての1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(融
点40〜50℃)を用い、液中乾燥法によって本発明の
微粒子状硬化剤を得た。この微粒子状硬化剤は平均粒径
が8μmの球状であり、元素分析の結果、硬化剤含量は
20%であった。なお、得られた微粒子状硬化剤の粒子
構造の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
ルP−3500、アモコ社製、Tg189℃)と、硬化
剤としての1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(融
点40〜50℃)を用い、液中乾燥法によって本発明の
微粒子状硬化剤を得た。この微粒子状硬化剤は平均粒径
が8μmの球状であり、元素分析の結果、硬化剤含量は
20%であった。なお、得られた微粒子状硬化剤の粒子
構造の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0022】このようにして得た微粒子状硬化剤20部
を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量約
190、重量平均分子量380、粘度125ポイズ(2
5℃))100部に添加し、混合釜にて常温で1時間混
練し、さらに3本ロールミルを通して本発明のエポキシ
樹脂組成物を得た。
を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量約
190、重量平均分子量380、粘度125ポイズ(2
5℃))100部に添加し、混合釜にて常温で1時間混
練し、さらに3本ロールミルを通して本発明のエポキシ
樹脂組成物を得た。
【0023】実施例2 微粒子状硬化剤中の硬化剤含量を40%とし、エポキシ
樹脂組成物中の配合部数を10部とした以外は、実施例
1と同様にして本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
樹脂組成物中の配合部数を10部とした以外は、実施例
1と同様にして本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0024】比較例1 微粒子状硬化剤中の硬化剤含量を4%とし、エポキシ樹
脂組成物中の配合部数を100部とした以外は、実施例
1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
脂組成物中の配合部数を100部とした以外は、実施例
1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
【0025】比較例2 微粒子状硬化剤中の硬化剤含量を60%とし、エポキシ
樹脂組成物中の配合部数を7部とした以外は、実施例1
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
樹脂組成物中の配合部数を7部とした以外は、実施例1
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
【0026】比較例3 微粒子状硬化剤の代わりに、1−ベンジル−2−メチル
イミダゾールを用い、エポキシ樹脂組成物中への配合部
数を4部とした以外は、実施例1と同様にしてエポキシ
樹脂組成物を得た。
イミダゾールを用い、エポキシ樹脂組成物中への配合部
数を4部とした以外は、実施例1と同様にしてエポキシ
樹脂組成物を得た。
【0027】実施例3 実施例1において用いる熱可塑性高分子をポリエーテル
スルホン(商品名:ビクトレックス100P、アイシー
アイ社製、Tg225℃)に代えた以外は、実施例1と
同様にして平均粒径10μmの微粒子状硬化剤(硬化剤
含量18%)を得、以下実施例1と同様にして本発明の
エポキシ樹脂組成物を得た。
スルホン(商品名:ビクトレックス100P、アイシー
アイ社製、Tg225℃)に代えた以外は、実施例1と
同様にして平均粒径10μmの微粒子状硬化剤(硬化剤
含量18%)を得、以下実施例1と同様にして本発明の
エポキシ樹脂組成物を得た。
【0028】実施例4 熱可塑性高分子としての非晶性ポリアリレート(商品
名:Uポリマー(U−100)、ユニチカ社製、Tg2
03℃)と、硬化剤としての2−ウンデシルイミダゾー
ル(融点71℃)を用い、コアセルベーション法によっ
て本発明の微粒子状硬化剤を得た。この微粒子状硬化剤
は平均粒径が9μmの球状であり、元素分析の結果、硬
化剤含量は32%であった。
名:Uポリマー(U−100)、ユニチカ社製、Tg2
03℃)と、硬化剤としての2−ウンデシルイミダゾー
ル(融点71℃)を用い、コアセルベーション法によっ
て本発明の微粒子状硬化剤を得た。この微粒子状硬化剤
は平均粒径が9μmの球状であり、元素分析の結果、硬
化剤含量は32%であった。
【0029】このようにして得た微粒子状硬化剤13部
を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量約
190、重量平均分子量380、粘度125ポイズ(2
5℃))100部に添加し、混合釜にて常温で1時間混
練し、さらに3本ロールミルを通して本発明のエポキシ
樹脂組成物を得た。
を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量約
190、重量平均分子量380、粘度125ポイズ(2
5℃))100部に添加し、混合釜にて常温で1時間混
練し、さらに3本ロールミルを通して本発明のエポキシ
樹脂組成物を得た。
【0030】比較例4 微粒子状硬化剤の代わりに、2−ウンデシルイミダゾー
ルを用い、エポキシ樹脂組成物中への配合部数を4部と
した以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物
を得た。
ルを用い、エポキシ樹脂組成物中への配合部数を4部と
した以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物
を得た。
【0031】実施例5 実施例4において用いる熱可塑性高分子をポリエーテル
イミド(商品名:ウルテム1000、ジーイープラスチ
ック社製、Tg217℃))に代えた以外は、実施例4
と同様にして平均粒径15μmの微粒子状硬化剤(硬化
剤含量25%)を得、以下実施例4と同様にして本発明
のエポキシ樹脂組成物を得た。
イミド(商品名:ウルテム1000、ジーイープラスチ
ック社製、Tg217℃))に代えた以外は、実施例4
と同様にして平均粒径15μmの微粒子状硬化剤(硬化
剤含量25%)を得、以下実施例4と同様にして本発明
のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0032】実施例6 実施例1において用いる硬化剤をベンジルジメチルアミ
ンに代えた以外は、実施例1と同様にして平均粒径7μ
mの微粒子状硬化剤(硬化剤含量20%)を得、この微
粒子状硬化剤15部を実施例1にて用いたエポキシ樹脂
100部に添加、混合して本発明のエポキシ樹脂組成物
を得た。
ンに代えた以外は、実施例1と同様にして平均粒径7μ
mの微粒子状硬化剤(硬化剤含量20%)を得、この微
粒子状硬化剤15部を実施例1にて用いたエポキシ樹脂
100部に添加、混合して本発明のエポキシ樹脂組成物
を得た。
【0033】比較例5 微粒子状硬化剤の代わりに、ベンジルジメチルアミンを
用い、エポキシ樹脂組成物中への配合部数を3部とした
以外は、実施例6と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得
た。
用い、エポキシ樹脂組成物中への配合部数を3部とした
以外は、実施例6と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0034】実施例7 実施例6において用いる熱可塑性高分子をポリアリルス
ルホン(商品名:ラーデルA−100、アモコ社製、T
g220℃)に代えた以外は、実施例6と同様にして平
均粒径10μmの微粒子状硬化剤(硬化剤含量15%)
を得、以下実施例6と同様にして本発明のエポキシ樹脂
組成物を得た。
ルホン(商品名:ラーデルA−100、アモコ社製、T
g220℃)に代えた以外は、実施例6と同様にして平
均粒径10μmの微粒子状硬化剤(硬化剤含量15%)
を得、以下実施例6と同様にして本発明のエポキシ樹脂
組成物を得た。
【0035】比較例6 実施例1において用いる熱可塑性高分子をポリメチルメ
タクリレート(商品名:スミペック−B、住友化学工業
社製、Tg105℃)に代えた以外は、実施例1と同様
にして平均粒径6μmの微粒子状硬化剤(硬化剤含量1
8%)を得、この微粒子状硬化剤23部を実施例1にて
用いたエポキシ樹脂100部に添加、混合して本発明の
エポキシ樹脂組成物を得た。
タクリレート(商品名:スミペック−B、住友化学工業
社製、Tg105℃)に代えた以外は、実施例1と同様
にして平均粒径6μmの微粒子状硬化剤(硬化剤含量1
8%)を得、この微粒子状硬化剤23部を実施例1にて
用いたエポキシ樹脂100部に添加、混合して本発明の
エポキシ樹脂組成物を得た。
【0036】比較例7 実施例1において用いる熱可塑性高分子をポリスチレン
(商品名:デンカブチラールHRM−2、電気化学工業
社製、Tg100℃)に代えた以外は、実施例1と同様
にして平均粒径8μmの微粒子状硬化剤(硬化剤含量1
6%)を得、この微粒子状硬化剤25部を実施例1にて
用いたエポキシ樹脂100部に添加、混合して本発明の
エポキシ樹脂組成物を得た。
(商品名:デンカブチラールHRM−2、電気化学工業
社製、Tg100℃)に代えた以外は、実施例1と同様
にして平均粒径8μmの微粒子状硬化剤(硬化剤含量1
6%)を得、この微粒子状硬化剤25部を実施例1にて
用いたエポキシ樹脂100部に添加、混合して本発明の
エポキシ樹脂組成物を得た。
【0037】実施例8 実施例1におけるエポキシ樹脂組成物に、さらに潜在性
硬化剤としてジシアンジアミド4部を配合した以外は、
実施例1と同様にして本発明のエポキシ樹脂組成物を得
た。
硬化剤としてジシアンジアミド4部を配合した以外は、
実施例1と同様にして本発明のエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0038】実施例9 実施例3におけるエポキシ樹脂組成物40部に、潜在性
硬化剤としてジシアンジアミド4部、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(前記と同様)60部を配合した以外
は、実施例3と同様にして本発明のエポキシ樹脂組成物
を得た。なお、この実施例の場合の微粒子に含有する1
−ベンジル−2−メチルイミダゾールは硬化促進剤とし
て用いた。
硬化剤としてジシアンジアミド4部、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(前記と同様)60部を配合した以外
は、実施例3と同様にして本発明のエポキシ樹脂組成物
を得た。なお、この実施例の場合の微粒子に含有する1
−ベンジル−2−メチルイミダゾールは硬化促進剤とし
て用いた。
【0039】比較例8 実施例8(または実施例9)において、微粒子状硬化剤
(または微粒子状硬化促進剤)の代わりに、1−ベンジ
ル−2−メチルイミダゾールを用い、エポキシ樹脂組成
物中への配合部数を1部とした以外は、実施例8(また
は実施例9)と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
(または微粒子状硬化促進剤)の代わりに、1−ベンジ
ル−2−メチルイミダゾールを用い、エポキシ樹脂組成
物中への配合部数を1部とした以外は、実施例8(また
は実施例9)と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
【0040】実施例10 実施例3にて用いたポリエーテルスルホンと、硬化促進
剤としての3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1
−ジメチル尿素(融点158℃)を用い、液中乾燥法に
よって本発明の微粒子状硬化促進剤を得た。この微粒子
状硬化促進剤は平均粒径が10μmの球状であり、元素
分析の結果、硬化促進剤含量は33%であった。
剤としての3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1
−ジメチル尿素(融点158℃)を用い、液中乾燥法に
よって本発明の微粒子状硬化促進剤を得た。この微粒子
状硬化促進剤は平均粒径が10μmの球状であり、元素
分析の結果、硬化促進剤含量は33%であった。
【0041】このようにして得た微粒子状硬化促進剤1
5部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当
量約190、重量平均分子量380、粘度125ポイズ
(25℃))100部、潜在性硬化剤としてのジシアン
ジアミド8部とを混合釜にて常温で1時間混練し、さら
に3本ロールミルを通して本発明のエポキシ樹脂組成物
を得た。
5部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当
量約190、重量平均分子量380、粘度125ポイズ
(25℃))100部、潜在性硬化剤としてのジシアン
ジアミド8部とを混合釜にて常温で1時間混練し、さら
に3本ロールミルを通して本発明のエポキシ樹脂組成物
を得た。
【0042】比較例9 微粒子状硬化促進剤の代わりに、3−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−1,1−ジメチル尿素を用い、エポキシ
樹脂組成物中への配合部数を5部とした以外は、実施例
10と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ロフェニル)−1,1−ジメチル尿素を用い、エポキシ
樹脂組成物中への配合部数を5部とした以外は、実施例
10と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
【0043】上記各実施例および比較例にて得たエポキ
シ樹脂組成物の各特性を、下記に示す試験方法に従って
測定し、その結果を表1に示した。
シ樹脂組成物の各特性を、下記に示す試験方法に従って
測定し、その結果を表1に示した。
【0044】<機械的安定性>各組成物を3本ロールミ
ル通過させ、通過前後の形状を光学顕微鏡にて観察し
た。判定は以下のとおりである。 ○・・・ロール通過前と後では変化が見られない。 ×・・・ロール通過後に微粒子状硬化剤が破砕してい
る。
ル通過させ、通過前後の形状を光学顕微鏡にて観察し
た。判定は以下のとおりである。 ○・・・ロール通過前と後では変化が見られない。 ×・・・ロール通過後に微粒子状硬化剤が破砕してい
る。
【0045】<溶解開始温度>各組成物を10℃/分の
昇温速度条件下におき、微粒子を構成する熱可塑性高分
子がエポキシ樹脂に溶解する挙動を光学顕微鏡にて観察
し、溶解が開始する温度を測定した。なお、実施例1に
て得たエポキシ樹脂組成物における溶解挙動を、代表的
溶解挙動として図2に示した。25℃では溶解しない
が、90℃で溶解が始まり、100℃では完全に溶解し
て気泡が生じていた。
昇温速度条件下におき、微粒子を構成する熱可塑性高分
子がエポキシ樹脂に溶解する挙動を光学顕微鏡にて観察
し、溶解が開始する温度を測定した。なお、実施例1に
て得たエポキシ樹脂組成物における溶解挙動を、代表的
溶解挙動として図2に示した。25℃では溶解しない
が、90℃で溶解が始まり、100℃では完全に溶解し
て気泡が生じていた。
【0046】<反応開始温度>示差熱分析計を用いて発
熱ピークの立ち上がり始める温度(硬化反応開始温度)
を測定した。
熱ピークの立ち上がり始める温度(硬化反応開始温度)
を測定した。
【0047】<貯蔵安定性>20℃および40℃の条件
下で貯蔵し、粘度の経日変化を観察し、初期粘度の3倍
以上の粘度になるまでに要した日数を測定した。
下で貯蔵し、粘度の経日変化を観察し、初期粘度の3倍
以上の粘度になるまでに要した日数を測定した。
【0048】<硬化性>120℃における硬化時間を熱
板式ゲルタイム測定法によって測定した。なお、実施例
10および比較例9については測定温度を150℃とし
た。
板式ゲルタイム測定法によって測定した。なお、実施例
10および比較例9については測定温度を150℃とし
た。
【0049】<接着性>鋼板(SPCC−SD:100
×25×1.6t mm)に接着面積25×12.5m
m、層厚0.12mmで塗布し、120℃×15分間の
条件にて硬化させて試験片を作製した。なお、実施例1
0および比較例9については硬化条件を150℃×15
分間とした。
×25×1.6t mm)に接着面積25×12.5m
m、層厚0.12mmで塗布し、120℃×15分間の
条件にて硬化させて試験片を作製した。なお、実施例1
0および比較例9については硬化条件を150℃×15
分間とした。
【0050】得られた試験片についてテンシロン引張試
験機を用いて、剪断接着力を測定した(引張速度5mm
/分、測定温度23℃)。
験機を用いて、剪断接着力を測定した(引張速度5mm
/分、測定温度23℃)。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明の微粒子状硬化剤ま
たは微粒子状硬化促進剤は、エポキシ樹脂に容易に配合
することができ、かつ機械的強度も充分もあり、貯蔵安
定性や硬化性などの諸特性にも優れたバランスのよいエ
ポキシ樹脂組成物を提供するものである。
たは微粒子状硬化促進剤は、エポキシ樹脂に容易に配合
することができ、かつ機械的強度も充分もあり、貯蔵安
定性や硬化性などの諸特性にも優れたバランスのよいエ
ポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にて得られた微粒子状硬化剤の粒子構
造を示す走査型電子顕微鏡写真(5000倍)である。
造を示す走査型電子顕微鏡写真(5000倍)である。
【図2】実施例1にて得られたエポキシ樹脂組成物を加
熱することによって、微粒子を構成する熱可塑性高分子
がエポキシ樹脂に溶解して行く過程を順に示した光学電
子顕微鏡写真(400倍)であり、(A)25℃,
(B)90℃,(C)100℃での状態を示している。
熱することによって、微粒子を構成する熱可塑性高分子
がエポキシ樹脂に溶解して行く過程を順に示した光学電
子顕微鏡写真(400倍)であり、(A)25℃,
(B)90℃,(C)100℃での状態を示している。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1にて得られた微粒子状硬化剤の粒子
構造を示す走査型電子顕微鏡写真(5000倍)であ
る。
構造を示す走査型電子顕微鏡写真(5000倍)であ
る。
【図2】 実施例1にて得られたエポキシ樹脂組成物を
25℃に加熱することにより変化する粒子構造を示す走
査型電子顕微鏡写真(400倍)である。
25℃に加熱することにより変化する粒子構造を示す走
査型電子顕微鏡写真(400倍)である。
【図3】 実施例1にて得られたエポキシ樹脂組成物を
90℃に加熱することにより変化する粒子構造を示す走
査型電子顕微鏡写真(400倍)である。
90℃に加熱することにより変化する粒子構造を示す走
査型電子顕微鏡写真(400倍)である。
【図4】 実施例1にて得られたエポキシ樹脂組成物を
100℃に加熱することにより変化する粒子構造を示す
走査型電子顕微鏡写真(400倍)である。
100℃に加熱することにより変化する粒子構造を示す
走査型電子顕微鏡写真(400倍)である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
Claims (6)
- 【請求項1】 分子内にカルボニル基もしくはスルホニ
ル基を有する芳香族系単量体を単独、もしくは他の単量
体と重縮合してなる熱可塑性高分子からなる平均粒径2
00μm未満の微粒子内に、融点200℃以下の硬化剤
を5〜50重量%含有することを特徴とする微粒子状硬
化剤。 - 【請求項2】 分子内にカルボニル基もしくはスルホニ
ル基を有する芳香族系単量体を単独、もしくは他の単量
体と重縮合してなる熱可塑性高分子からなる平均粒径2
00μm未満の微粒子内に、融点200℃以下の硬化促
進剤を5〜50重量%含有することを特徴とする微粒子
状硬化促進剤。 - 【請求項3】 エポキシ樹脂に請求項1記載の微粒子状
硬化剤を含有させてなるエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 エポキシ樹脂に請求項2記載の微粒子状
硬化促進剤を含有させてなるエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】さらに加熱硬化型潜在性硬化剤を含有させ
てなる請求項3または4記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項6】請求項3〜5の何れかに記載のエポキシ樹
脂組成物を所定温度以上に加熱して、熱可塑性高分子を
エポキシ樹脂に溶解させ硬化反応させることを特徴とす
るエポキシ樹脂組成物の硬化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03145416A JP3098061B2 (ja) | 1991-05-20 | 1991-05-20 | 微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤、およびそれを含有してなるエポキシ樹脂組成物、並びに硬化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03145416A JP3098061B2 (ja) | 1991-05-20 | 1991-05-20 | 微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤、およびそれを含有してなるエポキシ樹脂組成物、並びに硬化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0616788A true JPH0616788A (ja) | 1994-01-25 |
JP3098061B2 JP3098061B2 (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=15384752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03145416A Expired - Lifetime JP3098061B2 (ja) | 1991-05-20 | 1991-05-20 | 微粒子状硬化剤または微粒子状硬化促進剤、およびそれを含有してなるエポキシ樹脂組成物、並びに硬化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3098061B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0879854A3 (en) * | 1997-04-21 | 1999-02-24 | Toray Industries, Inc. | A resin composition for a fibre reinforced composite, a prepreg and a fibre reinforced composite |
WO2007007635A1 (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-18 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | 微粒体型硬化触媒の製造方法 |
WO2023032943A1 (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-09 | 豊田合成株式会社 | 熱硬化性組成物 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103119109B (zh) | 2010-09-22 | 2015-12-09 | 积水化学工业株式会社 | 喷墨用固化性组合物及电子部件的制造方法 |
-
1991
- 1991-05-20 JP JP03145416A patent/JP3098061B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0879854A3 (en) * | 1997-04-21 | 1999-02-24 | Toray Industries, Inc. | A resin composition for a fibre reinforced composite, a prepreg and a fibre reinforced composite |
WO2007007635A1 (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-18 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | 微粒体型硬化触媒の製造方法 |
US7863345B2 (en) | 2005-07-07 | 2011-01-04 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Process for producing microparticulate hardening catalyst |
WO2023032943A1 (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-09 | 豊田合成株式会社 | 熱硬化性組成物 |
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---|---|
JP3098061B2 (ja) | 2000-10-10 |
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