JPH06145645A - 紫外線遮断剤とその製造方法 - Google Patents
紫外線遮断剤とその製造方法Info
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- JPH06145645A JPH06145645A JP32275092A JP32275092A JPH06145645A JP H06145645 A JPH06145645 A JP H06145645A JP 32275092 A JP32275092 A JP 32275092A JP 32275092 A JP32275092 A JP 32275092A JP H06145645 A JPH06145645 A JP H06145645A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】透明性の無機系紫外線遮断剤を提供する。
【構成】屈折率が1.5〜1.6程度のマイカ、タル
ク、セリサイト等から選ばれるフレ−ク状顔料表面を、
不溶性セリウム化合物と不定形シリカで被覆した粒子の
焼成物を特徴とする紫外線遮断剤。
ク、セリサイト等から選ばれるフレ−ク状顔料表面を、
不溶性セリウム化合物と不定形シリカで被覆した粒子の
焼成物を特徴とする紫外線遮断剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機系の紫外線遮断剤
とその製造方法に関するものである。
とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外線は、生体に及ぼす作用が強く、皮
膚にさまざまな変化をもたらし、またプラスチックを劣
化させることは広く知られている。そこでこの影響を避
けるため、従来より種々の有機系紫外線吸収剤や無機系
紫外線遮断剤が開発されてきた。有機系紫外線吸収剤で
は、サリチル酸系、ベンゾフエノン系、ベンゾトリアゾ
−ル系、シアノアクリレ−ト系が、無機系紫外線遮断剤
では、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、酸化
鉄などが用いられていた。
膚にさまざまな変化をもたらし、またプラスチックを劣
化させることは広く知られている。そこでこの影響を避
けるため、従来より種々の有機系紫外線吸収剤や無機系
紫外線遮断剤が開発されてきた。有機系紫外線吸収剤で
は、サリチル酸系、ベンゾフエノン系、ベンゾトリアゾ
−ル系、シアノアクリレ−ト系が、無機系紫外線遮断剤
では、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、酸化
鉄などが用いられていた。
【0003】有機系紫外線吸収剤は、プラスチックや化
粧品に配合した場合に、無色で透明性を示す特徴がある
ため汎用されていたが、最近はその毒性による安全性が
問題になり、使用が制限されるようになった。無機系紫
外線遮断剤のうち、酸化チタンは無毒ではあるが、隠蔽
力が大きいため透明性を必要とするものには使用できな
い等の不利があり、酸化亜鉛などはプラスチックや化粧
品に配合した場合、その触媒作用のためプラスチックの
劣化や皮膚に障害を起こすおそれがある点で、使用が制
限されることがあった。
粧品に配合した場合に、無色で透明性を示す特徴がある
ため汎用されていたが、最近はその毒性による安全性が
問題になり、使用が制限されるようになった。無機系紫
外線遮断剤のうち、酸化チタンは無毒ではあるが、隠蔽
力が大きいため透明性を必要とするものには使用できな
い等の不利があり、酸化亜鉛などはプラスチックや化粧
品に配合した場合、その触媒作用のためプラスチックの
劣化や皮膚に障害を起こすおそれがある点で、使用が制
限されることがあった。
【0004】そのため、プラスチック、繊維、化粧品な
どに配合したとき、無色透明性で分散性が良く、無毒で
触媒作用を示さず、しかも耐熱、耐薬品性の無機系紫外
線遮断剤の開発が望まれていた。
どに配合したとき、無色透明性で分散性が良く、無毒で
触媒作用を示さず、しかも耐熱、耐薬品性の無機系紫外
線遮断剤の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
にかんがみ、耐熱性、耐薬品性で、中紫外線、近紫外線
を同時に遮断でき、プラスチック、繊維、塗料、化粧品
等に配合して紫外線の有害作用を効果的に防止できる無
機系紫外線遮断剤を提供することを課題とするものであ
る。
にかんがみ、耐熱性、耐薬品性で、中紫外線、近紫外線
を同時に遮断でき、プラスチック、繊維、塗料、化粧品
等に配合して紫外線の有害作用を効果的に防止できる無
機系紫外線遮断剤を提供することを課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明に
よって解決される。すなわち、本発明の紫外線遮断剤
は、屈折率が1.5〜1.6程度のマイカ、タルク、セ
リサイト等から選ばれるフレ−ク状顔料表面を、不溶性
セリウム化合物と不定形シリカで被覆した粒子の焼成物
であることを特徴とする。
よって解決される。すなわち、本発明の紫外線遮断剤
は、屈折率が1.5〜1.6程度のマイカ、タルク、セ
リサイト等から選ばれるフレ−ク状顔料表面を、不溶性
セリウム化合物と不定形シリカで被覆した粒子の焼成物
であることを特徴とする。
【0007】さらに本発明は、前記フレ−ク状顔料の水
分散液に、加熱下でセリウム塩水溶液を前記顔料に対し
CeO2 として1〜30重量%滴下し、pHを7〜9に
調節して、該顔料表面に不溶性セリウム化合物を沈積さ
せて、セリウム被覆顔料とし、ついでこの水分散液に、
加熱下でケイ酸塩溶液を添加して前記顔料表面に不定形
シリカを沈積被覆させた後、焼成することを特徴とする
紫外線遮断剤の製造方法を提案するものである。
分散液に、加熱下でセリウム塩水溶液を前記顔料に対し
CeO2 として1〜30重量%滴下し、pHを7〜9に
調節して、該顔料表面に不溶性セリウム化合物を沈積さ
せて、セリウム被覆顔料とし、ついでこの水分散液に、
加熱下でケイ酸塩溶液を添加して前記顔料表面に不定形
シリカを沈積被覆させた後、焼成することを特徴とする
紫外線遮断剤の製造方法を提案するものである。
【0008】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明者らは、毒性や触媒作用がなく、プラスチック、繊
維、塗料、化粧品等に配合した場合、分散性が良くて透
明性を示すような材料について種々検討した結果、1.
5〜1.6程度の屈折率を有する無機系顔料、とくにマ
イカ、タルク、セリサイト等のフレ−ク状顔料が適して
いることを知見した。
発明者らは、毒性や触媒作用がなく、プラスチック、繊
維、塗料、化粧品等に配合した場合、分散性が良くて透
明性を示すような材料について種々検討した結果、1.
5〜1.6程度の屈折率を有する無機系顔料、とくにマ
イカ、タルク、セリサイト等のフレ−ク状顔料が適して
いることを知見した。
【0009】また、酸化セリウムが紫外線遮断性をもつ
ため、メガネのレンズやガラスなどに含有させて紫外線
遮断効果を高めるのに使用され、黄鉛などの有彩無機顔
料に、硝酸セリウムなどの水溶性セリウム塩を作用させ
て、耐光性(耐紫外線性)を改善することも知られてい
るが、本発明者らは、このようなセリウム化合物の紫外
線遮断性に着目し、前記のフレ−ク状顔料に紫外線遮断
性のセリウム化合物を沈積被覆させることに成功し、本
発明に到達することができた。
ため、メガネのレンズやガラスなどに含有させて紫外線
遮断効果を高めるのに使用され、黄鉛などの有彩無機顔
料に、硝酸セリウムなどの水溶性セリウム塩を作用させ
て、耐光性(耐紫外線性)を改善することも知られてい
るが、本発明者らは、このようなセリウム化合物の紫外
線遮断性に着目し、前記のフレ−ク状顔料に紫外線遮断
性のセリウム化合物を沈積被覆させることに成功し、本
発明に到達することができた。
【0010】本発明の方法を実施するには、屈折率が
1.5〜1.6程度のマイカ、タルク、セリサイト等か
ら選ばれるフレ−ク状顔料を出発原料として、これを分
散機や乳化機を使って水分散液をつくり、60℃以上好
ましくは80℃に加熱しながら塩化セリウム、硝酸セリ
ウム、硫酸セリウム等のセリウム塩水溶液を滴下する。
この場合の滴下量は、フレ−ク状顔料に対しCeO2 と
して1〜30重量%相当量が適当である。
1.5〜1.6程度のマイカ、タルク、セリサイト等か
ら選ばれるフレ−ク状顔料を出発原料として、これを分
散機や乳化機を使って水分散液をつくり、60℃以上好
ましくは80℃に加熱しながら塩化セリウム、硝酸セリ
ウム、硫酸セリウム等のセリウム塩水溶液を滴下する。
この場合の滴下量は、フレ−ク状顔料に対しCeO2 と
して1〜30重量%相当量が適当である。
【0011】続いてリン酸、リン酸塩溶液、ポリリン酸
溶液、ポリリン酸塩溶液、炭酸ナトリウム等の炭酸塩溶
液、シュウ酸、シュウ酸塩溶液、アンモニア水、水酸化
ナトリウム等の水酸化アルカリ溶液の少なくとも1種類
以上を添加した後、液のpHを7〜9程度に調節すると
不溶性セリウム化合物がフレ−ク状顔料表面に沈積し被
覆層が形成される。これをろ過、水洗、乾燥、粉砕して
フレ−ク状セリウム被覆顔料とする。
溶液、ポリリン酸塩溶液、炭酸ナトリウム等の炭酸塩溶
液、シュウ酸、シュウ酸塩溶液、アンモニア水、水酸化
ナトリウム等の水酸化アルカリ溶液の少なくとも1種類
以上を添加した後、液のpHを7〜9程度に調節すると
不溶性セリウム化合物がフレ−ク状顔料表面に沈積し被
覆層が形成される。これをろ過、水洗、乾燥、粉砕して
フレ−ク状セリウム被覆顔料とする。
【0012】このセリウム被覆顔料を分散機や乳化機を
使用して水に分散させる。この場合の分散液の顔料濃度
は、分散性の理由から40重量%以下が適当である。つ
ぎに水分散液を、60℃以上好ましくは80℃に加熱攪
拌しながらケイ酸塩溶液を添加する。ケイ酸塩として
は、ケイ酸ナトリウムなどの無機塩の他に、正ケイ酸エ
チルなどの有機ケイ酸塩を使用してもよい。
使用して水に分散させる。この場合の分散液の顔料濃度
は、分散性の理由から40重量%以下が適当である。つ
ぎに水分散液を、60℃以上好ましくは80℃に加熱攪
拌しながらケイ酸塩溶液を添加する。ケイ酸塩として
は、ケイ酸ナトリウムなどの無機塩の他に、正ケイ酸エ
チルなどの有機ケイ酸塩を使用してもよい。
【0013】ケイ酸塩の添加によって、前記フレ−ク状
セリウム被覆顔料の粒子表面に不定形シリカが沈積され
る。沈積量は、SiO2 として不溶性セリウム化合物を
被覆したフレ−ク状顔料に対し2〜40重量%の範囲が
適当である。同時に硫酸、硝酸等の鉱酸を添加するか、
ケイ酸塩の添加終了後に鉱酸の全量を加えて液のpHを
9〜11にする。さらに30分以上攪拌を続けた後、鉱
酸で中和すると、顔料粒子表面に不定形シリカが沈積
し、被覆が完了するので、ろ過、水洗、乾燥、粉砕すれ
ば、フレ−ク状セリウム−シリカ被覆顔料が得られる。
セリウム被覆顔料の粒子表面に不定形シリカが沈積され
る。沈積量は、SiO2 として不溶性セリウム化合物を
被覆したフレ−ク状顔料に対し2〜40重量%の範囲が
適当である。同時に硫酸、硝酸等の鉱酸を添加するか、
ケイ酸塩の添加終了後に鉱酸の全量を加えて液のpHを
9〜11にする。さらに30分以上攪拌を続けた後、鉱
酸で中和すると、顔料粒子表面に不定形シリカが沈積
し、被覆が完了するので、ろ過、水洗、乾燥、粉砕すれ
ば、フレ−ク状セリウム−シリカ被覆顔料が得られる。
【0014】図1は、上記の方法で得られたフレ−ク状
のセリウム−シリカ被覆タルク顔料(CeO2 被覆量1
0重量%、SiO2 被覆量18重量%)から作成した、
5種類の試料、、、およびについての光透過
率測定結果を示すもので、は未焼成、は150℃、
は200℃、は500℃、は1000℃でそれぞ
れ2時間焼成した場合の光透過率を測定した結果であ
る。
のセリウム−シリカ被覆タルク顔料(CeO2 被覆量1
0重量%、SiO2 被覆量18重量%)から作成した、
5種類の試料、、、およびについての光透過
率測定結果を示すもので、は未焼成、は150℃、
は200℃、は500℃、は1000℃でそれぞ
れ2時間焼成した場合の光透過率を測定した結果であ
る。
【0015】この図から、、の未焼成ないし200
℃未満のセリウム−シリカ被覆顔料は300〜400n
mの領域ではほとんど紫外線遮断効果を示さないが、本
発明の、およびのように焼成すれば紫外線遮断効
果が発生することを示している。また、焼成後にシリカ
被覆しても紫外線遮断効果が得られることが分かつた。
℃未満のセリウム−シリカ被覆顔料は300〜400n
mの領域ではほとんど紫外線遮断効果を示さないが、本
発明の、およびのように焼成すれば紫外線遮断効
果が発生することを示している。また、焼成後にシリカ
被覆しても紫外線遮断効果が得られることが分かつた。
【0016】この場合の光透過率は、試料の顔料0.5
gにヒマシ油0.4mlを加えてフ−バ−マ−ラ−(5
0回転)で分散し、さらにクリアラッカ−6mlを加え
て混練した後、この混練液を透明石英板に35μmの厚
さに塗布し、分光光度計(島津製作所製UV−2200
型)で測定した。
gにヒマシ油0.4mlを加えてフ−バ−マ−ラ−(5
0回転)で分散し、さらにクリアラッカ−6mlを加え
て混練した後、この混練液を透明石英板に35μmの厚
さに塗布し、分光光度計(島津製作所製UV−2200
型)で測定した。
【0017】上記の、およびにより、透明性を有
する本発明の紫外線遮断剤が得られるが、この方法にお
いて、CeO2 の被覆量を10〜30重量%としたの
は、1重量%以下では、遮断作用が効果的でなく、30
重量%以上ではプラスチックや化粧品に配合したときの
透明性が低下するからである。この関係は図2から明ら
かである。図2は、500℃で2時間焼成したタルク顔
料の、透明性を波長と光透過率から調べた結果を示すも
ので、CeO2 の被覆量を0、2、10、30重量%と
した4種類の試料、、およびの透明性を示して
いる。
する本発明の紫外線遮断剤が得られるが、この方法にお
いて、CeO2 の被覆量を10〜30重量%としたの
は、1重量%以下では、遮断作用が効果的でなく、30
重量%以上ではプラスチックや化粧品に配合したときの
透明性が低下するからである。この関係は図2から明ら
かである。図2は、500℃で2時間焼成したタルク顔
料の、透明性を波長と光透過率から調べた結果を示すも
ので、CeO2 の被覆量を0、2、10、30重量%と
した4種類の試料、、およびの透明性を示して
いる。
【0018】SiO2 の被覆量を2〜40重量%とした
のは、2重量%以下では、不定形シリカの緻密な被覆が
得られず保護作用が劣るのと、40重量%以上では遊離
の不定形シリカが沈積して分散性を損なうためである。
のは、2重量%以下では、不定形シリカの緻密な被覆が
得られず保護作用が劣るのと、40重量%以上では遊離
の不定形シリカが沈積して分散性を損なうためである。
【0019】図3は、CeO2 被覆量10重量%で、S
iO2 被覆量が0および18重量%の2種のタルク顔料
試料AおよびBを、500℃で2時間焼成したものにつ
いて、光透過率と波長の関係から紫外線遮断効果を調べ
た結果を示すもので、これから本発明のSiO2 被覆に
よる紫外線遮断効果が明らかである。
iO2 被覆量が0および18重量%の2種のタルク顔料
試料AおよびBを、500℃で2時間焼成したものにつ
いて、光透過率と波長の関係から紫外線遮断効果を調べ
た結果を示すもので、これから本発明のSiO2 被覆に
よる紫外線遮断効果が明らかである。
【0020】図4は、本発明のタルク顔料紫外線遮断剤
(CeO2 被覆量10重量%、SiO2 被覆量18重量
%)を試料Cとし、従来の有機系紫外線遮断剤(吸収
剤、安定剤の具体的量)をD、微粒子酸化亜鉛をE、微
粒子酸化チタンをFとし、遮断剤無添加のものをGとし
て各々の光透過率を測定した結果を示すもので、これか
ら280〜400nm領域の紫外線遮断効果は、微粒子
酸化チタンや微粒子酸化亜鉛に比べて少し劣るが、有機
系より優れている。また、400〜800nmの領域の
光透過率は、有機系より少し劣るが、チタンや微粒子酸
化亜鉛より優れており、十分な透明性を有していること
が分かる。
(CeO2 被覆量10重量%、SiO2 被覆量18重量
%)を試料Cとし、従来の有機系紫外線遮断剤(吸収
剤、安定剤の具体的量)をD、微粒子酸化亜鉛をE、微
粒子酸化チタンをFとし、遮断剤無添加のものをGとし
て各々の光透過率を測定した結果を示すもので、これか
ら280〜400nm領域の紫外線遮断効果は、微粒子
酸化チタンや微粒子酸化亜鉛に比べて少し劣るが、有機
系より優れている。また、400〜800nmの領域の
光透過率は、有機系より少し劣るが、チタンや微粒子酸
化亜鉛より優れており、十分な透明性を有していること
が分かる。
【0021】
実施例1 タルク500gを純水10リットルに分散した後、デス
パミル(ホソカワミクロン製)で1時間分散する。この
分散液を80℃に加熱攪拌しながら、硝酸セリウム水溶
液(CeO2 含有率19重量%、不溶性セリウム化合物
沈積量CeO2として10重量%分)264gを滴下す
る。続いて水酸化ナトリウム溶液を添加し、液のpHを
7〜9に中和して、タルク表面に水酸化セリウムを沈積
させ被覆層を形成させる。これをろ過、水洗、乾燥、粉
砕して、フレ−ク状セリウム被覆タルク顔料を得た。
パミル(ホソカワミクロン製)で1時間分散する。この
分散液を80℃に加熱攪拌しながら、硝酸セリウム水溶
液(CeO2 含有率19重量%、不溶性セリウム化合物
沈積量CeO2として10重量%分)264gを滴下す
る。続いて水酸化ナトリウム溶液を添加し、液のpHを
7〜9に中和して、タルク表面に水酸化セリウムを沈積
させ被覆層を形成させる。これをろ過、水洗、乾燥、粉
砕して、フレ−ク状セリウム被覆タルク顔料を得た。
【0022】このセリウム被覆タルク顔料を純水10リ
ットルに分散した後、デスパミルで1時間分散する。こ
の分散液を80℃以上に加熱攪拌しながら、3号ケイ酸
ナトリウム(SiO2 含有率28.5重量%、不定形シ
リカ沈積量SiO2 として18重量%分)348gを添
加する。この時希硫酸も添加して液のpH9〜11に保
ち、さらに1時間撹拌を続けた後、硫酸でpHを6〜8
とした。これをろ過、水洗、乾燥、粉砕して、フレ−ク
状セリウム−シリカ被覆タルク顔料を得た。次に、この
セリウム−シリカ被覆タルク顔料を、温度500℃で2
時間焼成して、図4に示す本発明の紫外線遮断剤(Ce
O2 10重量%−SiO2 18重量%)を得た。
ットルに分散した後、デスパミルで1時間分散する。こ
の分散液を80℃以上に加熱攪拌しながら、3号ケイ酸
ナトリウム(SiO2 含有率28.5重量%、不定形シ
リカ沈積量SiO2 として18重量%分)348gを添
加する。この時希硫酸も添加して液のpH9〜11に保
ち、さらに1時間撹拌を続けた後、硫酸でpHを6〜8
とした。これをろ過、水洗、乾燥、粉砕して、フレ−ク
状セリウム−シリカ被覆タルク顔料を得た。次に、この
セリウム−シリカ被覆タルク顔料を、温度500℃で2
時間焼成して、図4に示す本発明の紫外線遮断剤(Ce
O2 10重量%−SiO2 18重量%)を得た。
【0023】実施例2 マイカ500gを純水10リットルに分散した後、デス
パミル(ホソカワミクロン製)で1時間分散する。この
分散液を80℃に加熱攪拌しながら、硝酸セリウム水溶
液(CeO2 含有率19重量%、不溶性セリウム化合物
沈積量CeO2として20重量%分)527gを滴下す
る。続いて炭酸ナトリウム溶液を添加し、液のpHを7
〜9に中和して、マイカ表面に水酸化セリウムを沈積さ
せ被覆層を形成させる。これをろ過、水洗、乾燥、粉砕
して、フレ−ク状セリウム被覆マイカ顔料を得た。
パミル(ホソカワミクロン製)で1時間分散する。この
分散液を80℃に加熱攪拌しながら、硝酸セリウム水溶
液(CeO2 含有率19重量%、不溶性セリウム化合物
沈積量CeO2として20重量%分)527gを滴下す
る。続いて炭酸ナトリウム溶液を添加し、液のpHを7
〜9に中和して、マイカ表面に水酸化セリウムを沈積さ
せ被覆層を形成させる。これをろ過、水洗、乾燥、粉砕
して、フレ−ク状セリウム被覆マイカ顔料を得た。
【0024】次に、このセリウム被覆マイカ顔料を純水
10リットルに分散した後、デスパミルで1時間分散す
る。この分散液を80℃以上に加熱攪拌しながら、3号
ケイ酸ナトリウム(SiO2 含有率28.5重量%、不
定形シリカ沈積量SiO2 として32重量%分)674
gを添加する。この時、希硫酸も添加して液のpHを9
〜11に保ち、さらに1時間攪拌を続けた後、硫酸でp
Hを6〜8とした。
10リットルに分散した後、デスパミルで1時間分散す
る。この分散液を80℃以上に加熱攪拌しながら、3号
ケイ酸ナトリウム(SiO2 含有率28.5重量%、不
定形シリカ沈積量SiO2 として32重量%分)674
gを添加する。この時、希硫酸も添加して液のpHを9
〜11に保ち、さらに1時間攪拌を続けた後、硫酸でp
Hを6〜8とした。
【0025】これをろ過、水洗、乾燥、粉砕して、フレ
−ク状のセリウム−シリカ被覆マイカ顔料を得た。次
に、このセリウム−シリカ被覆マイカ顔料を、温度90
0℃で2時間焼成して、CeO2 20重量%−SiO2
32重量%の紫外線遮断剤を得た。この紫外線遮断剤
も、前例と同様の十分な紫外線遮断効果と光透過性を有
していた。
−ク状のセリウム−シリカ被覆マイカ顔料を得た。次
に、このセリウム−シリカ被覆マイカ顔料を、温度90
0℃で2時間焼成して、CeO2 20重量%−SiO2
32重量%の紫外線遮断剤を得た。この紫外線遮断剤
も、前例と同様の十分な紫外線遮断効果と光透過性を有
していた。
【0026】
【発明の効果】本発明の紫外線遮断剤は、特にUV−B
付近の紫外線遮断に優れた効果を発揮し、毒性や触媒作
用がなく、耐熱性、耐薬品性にも優れている。また、プ
ラスチック、繊維、塗料、化粧品等に配合した場合、無
色透明で分散性であるため今後広い分野での応用が期待
できる。
付近の紫外線遮断に優れた効果を発揮し、毒性や触媒作
用がなく、耐熱性、耐薬品性にも優れている。また、プ
ラスチック、繊維、塗料、化粧品等に配合した場合、無
色透明で分散性であるため今後広い分野での応用が期待
できる。
【図1】本発明を含む紫外線遮断剤の焼成条件による紫
外線遮断効果を示すグラフ
外線遮断効果を示すグラフ
【図2】本発明を含む紫外線遮断剤のCeO2 被覆量と
透明性との関係を示すグラフ
透明性との関係を示すグラフ
【図3】本発明を含む紫外線遮断剤のSiO2 被覆量と
紫外線遮断効果を示すグラフ
紫外線遮断効果を示すグラフ
【符号の説明】 未焼成、150℃焼成、200℃焼成、500
℃焼成、1000℃焼成。CeO2 被覆なし、被覆
量−2重量%、10重量%30重量%。A、Si
O2 被覆なし、被覆量−B18重量%、C、本発明、
D、従来の有機系紫外線吸収剤、G、遮断剤添加なし、
E、微粒子酸化亜鉛、F、微粒子酸化チタン
℃焼成、1000℃焼成。CeO2 被覆なし、被覆
量−2重量%、10重量%30重量%。A、Si
O2 被覆なし、被覆量−B18重量%、C、本発明、
D、従来の有機系紫外線吸収剤、G、遮断剤添加なし、
E、微粒子酸化亜鉛、F、微粒子酸化チタン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を含む紫外線遮断剤の焼成条件による紫
外線遮断効果を示すグラフ
外線遮断効果を示すグラフ
【図2】本発明を含む紫外線遮断剤のCeO2被覆量と
透明性との関係を示すグラフ
透明性との関係を示すグラフ
【図3】本発明を含む紫外線遮断剤のSiO2被覆量と
紫外線遮断効果を示すグラフ
紫外線遮断効果を示すグラフ
【図4】本発明の実施例1で得た紫外線遮断剤Cと従来
品との紫外線遮断効果を示すグラフ
品との紫外線遮断効果を示すグラフ
Claims (6)
- 【請求項1】屈折率が1.5〜1.6程度のマイカ、タ
ルク、セリサイト等から選ばれるフレ−ク状顔料表面
を、不溶性セリウム化合物と不定形シリカで被覆した粒
子の焼成物であることを特徴とする紫外線遮断剤。 - 【請求項2】不溶性セリウム化合物が、酸化セリウム、
水酸化セリウム、リン酸セリウム、ポリリン酸セリウ
ム、炭酸セリウム、シュウ酸セリウム等から選ばれる請
求項1に記載の紫外線遮断剤。 - 【請求項3】不溶性セリウム化合物の被覆量が、CeO
2 としてフレ−ク状顔料に対し1〜30重量%である請
求項1に記載の紫外線遮断剤。 - 【請求項4】不定形シリカの被覆量が、SiO2 として
不溶性セリウム化合物を被覆したフレ−ク状顔料に対し
2〜40重量%である請求項1に記載の紫外線遮断剤。 - 【請求項5】屈折率が1.5〜1.6程度のマイカ、タ
ルク、セリサイト等から選ばれるフレ−ク状顔料の水分
散液に、加熱下でセリウム塩水溶液を前記顔料に対しC
eO2 として1〜30重量%滴下し、pHを7〜9に調
節して、該顔料表面に不溶性セリウム化合物を沈積、被
覆させ、ついでこの水分散液に、加熱下でケイ酸塩溶液
を添加して前記顔料表面に不定形シリカを沈積被覆させ
た後、焼成することを特徴とする紫外線遮断剤の製造方
法。 - 【請求項6】焼成温度が200℃〜1000℃、好まし
くは500℃である請求項5に記載の紫外線遮断剤の製
造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32275092A JPH06145645A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 紫外線遮断剤とその製造方法 |
US08/128,078 US5478550A (en) | 1992-11-06 | 1993-09-29 | Ultraviolet-shielding agent, method for the preparation thereof and cosmetic composition compounded therewith |
EP93117688A EP0596442B1 (en) | 1992-11-06 | 1993-11-02 | Ultraviolet-shielding agent, method for the preparation thereof and cosmetic composition compounded therewith |
DE69309609T DE69309609T2 (de) | 1992-11-06 | 1993-11-02 | Ultraviolettstrahlenschutzmittel, Verfahren zu seiner Herstellung und diese als Beimischung enthaltende kosmetische Zusammensetzung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32275092A JPH06145645A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 紫外線遮断剤とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145645A true JPH06145645A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=18147228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32275092A Pending JPH06145645A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 紫外線遮断剤とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06145645A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0767074A3 (en) * | 1995-10-05 | 1998-01-07 | Nippon Paper Industries Co., Ltd. | A thermal recording medium |
CN103597042A (zh) * | 2011-05-24 | 2014-02-19 | Cqv株式会社 | 具有好的耐候性的表面材料用油漆颜料及其制备方法 |
JP2016020417A (ja) * | 2014-07-14 | 2016-02-04 | 住友金属鉱山株式会社 | 紫外線遮蔽性粉末とその製造方法 |
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1992
- 1992-11-06 JP JP32275092A patent/JPH06145645A/ja active Pending
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